JP2007119554A - 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及びポリカーボネート樹脂成形品 - Google Patents

難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及びポリカーボネート樹脂成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】
ブロム化合物や燐酸エステル等の難燃剤を用いずとも、高い難燃性を有し、熱安定性及び湿熱性に優れ、ポリカーボネート樹脂本来の機械的強度や耐熱性にも優れた、総合的に良好な性能を有する難燃性ポリカーボネート樹脂組成物、及びこれを成形してなるポリカーボネート樹脂成形品を提供する。
【解決手段】
ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、芳香族スルホン酸金属塩(B)を0.001〜1重量部含む難燃性ポリカーボネート樹脂組成物において、1重量%の水溶液におけるpHが6.4〜7.5の範囲内となる芳香族スルホン酸金属塩(B)を配合させる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物、及び、該樹脂組成物を溶融成形してなるポリカーボネート樹脂成形品。
【選択図】 なし

Description

本発明は、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物、及びこれを溶融成形してなるポリカーボネート樹脂成形品に関する。更に詳しくは、ブロム化合物や燐酸エステルなどの難燃剤を使用することなく、高い難燃性を示し、総合的に良好な性能を有する難燃性ポリカーボネート樹脂組成物、及び難燃性ポリカーボネート樹脂成形品に関する。
ポリカーボネート樹脂は、優れた機械的性質、熱的性質、電気的性質を有しており、OA機器分野、電気・電子分野、自動車分野、建材分野をはじめ幅広い分野で使用されている。中でも、特にOA機器、家電製品などの用途を中心に、合成樹脂材料の難燃化の要望が強く、これらの要望に応えるために多数の難燃剤が検討されている。
従来、ポリカーボネート樹脂の難燃剤として使用されてきたブロム化合物やリン酸エステル系化合物は、環境汚染、成形機・金型の腐食の問題や、ポリカーボネート樹脂本来の機械的強度や耐熱性を低下させるという欠点があったため、これらに代わり、最近はスルホン酸金属塩を用いる技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、ポリカーボネート樹脂に、フィブリル形成型フッ素含有ポリマーと特定のナトリウムモル分率を有する非ハロゲン系芳香族スルホン酸ナトリウムとを配合してなる樹脂組成物が開示され、この樹脂組成物が難燃性及び熱安定性に優れることが開示されている。また、特許文献2〜4には、ポリカーボネート樹脂に、特定のパーフルオロアルキルスルホン酸塩を配合してなる樹脂組成物は、透明性及び難燃性に優れることが開示されている。
しかし、上述したいずれの文献においても、難燃性や熱安定性、湿熱性は未だ不十分であり、更なる改良が要求されていた。特に、上記の特許文献2においては、パーフルオロアルキルスルホン酸塩のpHが成形品の透明性に大きく影響することが開示されているが、芳香族スルホン酸金属塩を使用する場合に、そのpHが難燃性や熱安定性、湿熱性にどのように影響するのかについては何ら示唆されていない。
特開2000−239509号公報 特開2001−31855号公報 特開2001−115004号公報 特開2005−112973号公報
本発明の目的は、ブロム化合物や燐酸エステル等の難燃剤を用いずとも、安定的に高い難燃性を有し、熱安定性及び湿熱性に優れ、ポリカーボネート樹脂本来の機械的強度や耐熱性にも優れた、総合的に良好な性能を有する難燃性ポリカーボネート樹脂組成物、及びこれを溶融成形してなるポリカーボネート樹脂成形品を提供することにある。
本発明者は上述した課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂と芳香族スルホン酸金属塩を含むポリカーボネート性樹脂組成物において、特定のpH範囲内となる芳香族スルホン酸金属塩を配合することにより、安定的に高い難燃性を有し、熱安定性及び湿熱性にも優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、芳香族スルホン酸金属塩(B)を0.001〜1重量部含む難燃性ポリカーボネート樹脂組成物において、1重量%の水溶液におけるpHが6.4〜7.5の範囲内となる芳香族スルホン酸金属塩(B)を配合させることを特徴とする難燃性ポリカーボネート樹脂組成物、に存する。更に、該樹脂組成物を溶融成形してなることを特徴とするポリカーボネート樹脂成形品、に存する。
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物、及びポリカーボネート樹脂成形品は、非ハロゲン(ブロム)系及び非リン系の難燃剤を使用し、且つその使用量も極めて微量であることから、周辺環境への負荷を十分抑制できるものである。また、安定的に高い難燃性を有し、熱安定性及び湿熱性に優れ、ポリカーボネート樹脂が有する本来の機械的強度、耐熱性、電気的特性等も維持されるため、OA機器分野、電気・電子分野、精密機械分野、自動車分野、建材分野をはじめ幅広い用途への使用することが期待できる。特に、製品の輸出時に高温多湿状態が懸念されるOA機器分野のハウジング用途に好適である。
以下、本発明について具体的に説明する。
(A)ポリカーボネート樹脂
発明に使用されるポリカーボネート樹脂は、芳香族ヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲンまたは炭酸のジエステルと反応させることによって得られる、分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。本発明に使用されるポリカーボネート樹脂の製造方法は任意であり、従来公知のホスゲン法(界面重合法)や、溶融法(エステル交換法)等により製造したものを使用することが出来る。さらに、溶融法を用いた場合には、末端基のOH基量を調整したポリカーボネート樹脂を使用することができる。
原料の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニルなどが挙げられ、好ましくはビスフェノールAである。また、本発明の目的である難燃性をさらに高めるために、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物を使用することもできる。
分岐したポリカーボネート樹脂を得るには、従来の界面重合法や溶融法において、上述した芳香族ジヒドロキシ化合物の一部を、以下の分岐剤、即ち、フロログルシン、フロログルン、フロログリシド、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル,2,4,6−トリス(4−ヒドロキシジフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−メチルフェノールなどのポリヒドロキシ化合物や、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−ブロムイサチンなどの化合物で置換すればよい。これら置換する化合物の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、0.01〜10モル%であり、好ましくは0.1〜2モル%である。
また、分岐構造を有するポリカーボネート樹脂は、上述した分岐剤を添加しなくても、溶融法の反応条件を種々選択することにより得ることもできる。
本発明において、このような分岐構造を有するポリカーボネート樹脂を使用することにより、ポリカーボネート樹脂の透明性を維持しつつ、燃焼時の樹脂組成物の滴下を効果的に防止することが可能となる。滴下防止効果を高めるという観点から、上述した分岐剤としては、中でも、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン及び1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましく、特には1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを使用するのが好ましい。
ポリカーボネート樹脂(A)としては、上述した中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)から誘導されるポリカーボネート樹脂、または2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボネート共重合体が好ましい。
ポリカーボネート樹脂の分子量を調節するには、一価芳香族ヒドロキシ化合物を用いればよく、例えば、m−又はp−メチルフェノール、m−又はp−プロピルフェノール、p−t−ブチルフェノール及びp−長鎖アルキル置換フェノールなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)の分子量は適宜選択して決定すればよいが、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、16,000〜30,000が好ましく、更には17,000〜23,000が好ましい。
尚、本発明で用いられるポリカーボネート樹脂(A)とは、ポリカーボネート樹脂単独(ポリカーボネート樹脂単独とは、ポリカーボネート樹脂の1種のみを含む態様に限定されず、例えば、モノマー組成や分子量が互いに異なる複数種のポリカーボネート樹脂を含む態様を含む意味で用いる。)の場合や、ポリカーボネート樹脂と他の熱可塑性樹脂とのアロイ(混合物)の他、例えば、本発明の目的である難燃性を更に高めるために、シロキサン構造を有するオリゴマーまたはポリマーとの共重合体等の、ポリカーボネート樹脂を主体とする共重合体をも含むものである。
該アロイや共重合体に関しては、ポリカーボネート樹脂100重量部に対する他の熱可塑性樹脂(共重合体の場合にはそのブロック部分)の含有量が、通常100重量部以下、更には70重量部以下、特には60重量部以下、最も好ましくは50重量部以下であるのが良い。ポリカーボネート樹脂以外の他の熱可塑性樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、HIPS樹脂あるいはABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂等が挙げられるが、中でもスチレン系樹脂が好ましく、特にはABS樹脂が好ましい。
(B)芳香族スルホン酸金属塩
本発明においては、ポリカーボネート樹脂(A)に、特定のpH範囲内となる芳香族スルホン酸金属塩を配合することを特徴とする。これにより、安定的に高い難燃性が維持され、熱安定性及び湿熱性にも優れるというメリットを有する。
特定のpH範囲内とは、芳香族スルホン酸金属塩の1重量%の水溶液を調製し、液温20℃の条件下で測定した場合のpHが6.4〜7.5、更には6.5〜7.3、特には6.6〜7.0となる条件下である。なお、使用する芳香族スルホン酸金属塩により溶解度が1重量%未満となる場合には、水溶液の代わりに分散液のpHを測定する。pHのおおよその値は指示薬により測定可能であるが、正確には電気化学的方法により測定する。一般的には、pHメーターと呼ばれる市販の測定器により測定することができる。
1重量%の水溶液におけるpHが6.4〜7.5の範囲から外れている場合には、芳香族スルホン酸金属塩を構成するスルホン酸又はアルカリ成分の希釈水溶液によりpHを調節する。本発明の特定のpH範囲内となる芳香族スルホン酸金属塩(B)は、その水溶液又は分散液を乾燥することにより単離され、ポリカーボネート樹脂(A)に配合することができる。
本発明で使用される芳香族スルホン酸金属塩(B)としては、芳香族スルホン酸アルカリ金属塩及び芳香族スルホン酸アルカリ土類金属塩が挙げられる。これらの金属塩に使用される芳香族スルホン酸としては、モノマー状又はポリマー状の芳香族サルファイドのスルホン酸、芳香族カルボン酸及びエステルのスルホン酸、モノマー状又はポリマー状の芳香族エーテルのスルホン酸、芳香族スルホネートのスルホン酸、モノマー状又はポリマー状の芳香族スルホン酸、モノマー状又はポリマー状の芳香族スルホンスルホン酸、芳香族ケトンのスルホン酸、複素環式スルホン酸、芳香族スルホキサイトのスルホン酸等やこれらの芳香族基にさらに置換基を有する芳香族スルホン酸から選ばれた少なくとも1種の酸が挙げられる。また、これらの2種以上を組み合わせて使用することもできる。
芳香族スルホン酸金属塩(B)の具体例としては、たとえば、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸カリウム、分岐状ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、分岐状ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸カリウム、ナフタレンスルホン酸ジナトリウム、4−ドデシルフェニルエーテルスルホン酸ジナトリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸ナトリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルサルファイド−4,4’−ジスルホン酸ジナトリウム、ジフェニルサルファイド−4,4’−ジスルホン酸ジカリウム、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、5−スルホイソフタル酸カリウム、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(1,4−フェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム等が挙げられる。
本発明の芳香族スルホン酸金属塩(B)としては、中でも、置換基として炭素数3以上30以下、好ましくは炭素数6以上20以下の、分岐構造を有する炭化水素基(以下、分岐炭化水素基という)を有するものが好ましい。また、分岐炭化水素基が脂肪族炭化水素基の場合には、その炭素数が3以上30以下、中でも6以上20以下、特には7以上15以下であることが好ましい。このように分岐炭化水素基の炭素数を特定範囲内とすることにより、本発明の樹脂組成物や成形品において、良好な難燃性を達成でき、また耐衝撃性も改善することができる。これは、芳香族スルホン酸金属塩(B)が、分岐構造を有する置換基を有することにより、該金属塩(B)とポリカーボネート樹脂との相溶性が低くなり、樹脂成形品の成形時に、該金属塩(B)が成形品表層部に集中しやすくなり、いわゆる傾斜機能を発揮するためと考えられる。
本発明に使用される、芳香族スルホン酸金属塩(B)の置換基である分岐炭化水素基としては、具体的には、分岐構造を有する、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリレン基等の脂肪族炭化水素基等が挙げられる。中でも分岐炭化水素基としては、分岐構造を有するアルキル基(分岐アルキル基)が好ましく、具体的にはi−プロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、イソヘキシル基、イソヘプチル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、イソウンデシル基、イソドデシル基、イソトリデシル基、イソテトラデシル基、イソペンタデシル基、イソヘキサデシル基、イソヘプタデシル基、イソオクタデシル基、イソノナデシル基、イソエイコシル基や、下記式で表される基(以下、分岐状ドデシル基という)等が挙げられる。本発明では、分岐状炭化水素基は、炭素数11〜13のアルキル基が好ましく、特には下記式で表される分岐状ドデシル基が好ましい。
Figure 2007119554
本発明に使用される芳香族スルホン酸金属塩(B)は、複数の分岐炭化水素基を置換基として有していても良い。中でも難燃効果付与の観点から、この分岐炭化水素基が、炭素数3以上30以下であり、且つ、全置換基の炭素数の合計(全置換基の総炭素数)が6以上60以下、中でも12以上40以下であることが好ましい。
本発明に使用される芳香族スルホン酸金属塩(B)における金属は、適宜選択して決定すればよいが、中でもアルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる金属であることが好ましい。アルカリ金属及びアルカリ土類金属としては、具体的にはナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウム等が挙げられ、これらの2種以上を混合して使用してもよい。中でも、該金属塩(B)は、本発明の樹脂組成物や樹脂成形品における難燃性の観点から、アルカリ金属であることが好ましく、特にナトリウム、カリウム、セシウムから選ばれる金属であることが好ましい。
本発明で使用される芳香族スルホン酸金属塩(B)としては、上述した中でも、本発明の樹脂組成物や樹脂成形品における難燃性と入手の容易さの観点から、分岐状ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、分岐状ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム塩、分岐状ドデシルベンゼンスルホン酸セシウム塩から選ばれる1種以上の芳香族スルホン酸金属塩であることが好ましい。
本発明で使用される芳香族スルホン酸金属塩(B)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して0.001から1重量部であり、更には0.005〜0.5重量部、特には0.01〜0.3重量部が好ましい。該金属塩(B)の配合量が0.001重量部未満では難燃効果が不十分となる傾向があり、1重量部を超えると熱安定性が低下する傾向にある。
本発明の樹脂組成物には、更に、燃焼時の樹脂の滴下を防止する機能を有する成分を配合することが好ましい。この滴下防止効果を有する成分(滴下防止剤)としては、従来から公知の含フッ素樹脂が挙げられる。また、上述したポリカーボネート樹脂(A)の一部として、分岐構造を有するポリカーボネート樹脂を使用することにより、滴下防止剤を別途配合しなくても、滴下防止効果を得ることもできる。また、分岐構造を有するポリカーボネート樹脂を使用することで、含フッ素樹脂の添加量を抑制でき、透明性の改善効果を有すというメリットもある。
本発明に使用される含フッ素樹脂としては、従来公知の任意のものを使用でき、例えばフルオロオレフィン樹脂等が挙げられる。フルオロオレフィン樹脂としては、フルオロエチレン構造を含む重合体あるいは共重合体である。具体的にはジフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂等が挙げられる。好ましくはテトラフルオロエチレン樹脂等が挙げられ、フィブリル形成能を有するフルオロエチレン樹脂が好ましい。フィブリル形成能を有するテトラフルオロエチレン樹脂はASTM規格でタイプ3に分類される。
本発明に使用される、フィブリル形成能を有するフルオロエチレン樹脂としては、例えば三井・デュポンフロロケミカル社製テフロン(登録商標)6J、ダイキン化学工業社製ポリフロンF201L、ポリフロンF103、フルオロエチレン樹脂の水性分散液の市販品として、三井デュポンフロロケミカル社製のテフロン(登録商標)30J、ダイキン化学工業社製フルオンD−1等が挙げられる。また本発明においては、ビニル系単量体を重合してなる多層構造を有するフルオロエチレン重合体を使用することも出来、具体的には三菱レイヨン社製メタブレンA−3800等が挙げられる。
本発明において、滴下防止効果を有する成分、具体的には含フッ素樹脂の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して0.01〜3重量部である。含フッ素樹脂の配合量が少なすぎると、得られるポリカーボネート樹脂組成物の難燃性が不十分となる場合があり、逆に多すぎてもポリカーボネート樹脂成形品の外観不良や機械的強度の低下が生ずる場合がある。よって本発明における含フッ素樹脂の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、好ましくは0.03〜2重量部、更に好ましくは0.1〜1重量部である。
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物には、上記成分以外に、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、従来公知の任意の紫外線吸収剤、亜リン酸エステルやリン酸エステル等のリン系熱安定剤、フェノール系抗酸化剤、衝撃改良剤、蛍光増白剤、酸化チタン等の着色剤、滑剤、難燃剤、無機充填材、離型剤、摺動性改良剤等の添加剤、ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂等を含有していてもよい。無機充填材としては、ガラス繊維、カーボン繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、ホウ素繊維、窒化ホウ素繊維、窒化ケイ素チタン酸カリウム繊維、金属繊維等の無機繊維、シリカ、マイカ、タルク等が挙げられる。
本発明で使用される紫外線吸収剤としては、耐候性をより向上させるという観点からベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系及びヒンダードアミン系の紫外線吸収剤が好ましい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2'−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールやこれらのトリアジン環水素化物体(トリアジン環の2H体)等が挙げられる。
サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、フェニルサルチレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。また、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、上記以外に紫外線の保有するエネルギーを、分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物が含まれる。さらに、酸化防止剤あるいは着色剤等との併用で効果を発現するもの、あるいはクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。
紫外線吸収剤の配合率は適宜選択して決定すればよいが、通常、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、0.01〜2重量部である。紫外線吸収剤が0.01重量部未満であると耐侯性が不十分となる場合があり、逆に2重量部を越えると黄味が強くなるので調色性が低下する場合がある。またブリードアウトの原因にもなりやすく、経済的にも不利になる場合があるので、紫外線吸収剤の配合率は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、好ましくは、0.05〜1.8重量部であり、さらに好ましくは0.1〜1.5重量部である。
本発明で使用されるリン系熱安定剤としては、通常ポリカーボネート樹脂の熱安定剤として使用されている、従来公知の任意の有機ホスファイト化合物を使用することができる。例えば、ペンタエリスリトールジホスファイトのジアルキルエステルである2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・フェニルペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・イソオクチルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等などが挙げられる。具体的な商品としては、アデカスタブPEP−24G、アデカスタブPEP−36(何れも旭電化工業社製)などが挙げられる。
また、リン系熱安定剤としては、亜リン酸とフェノール類とのエステルである、例えば、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、フェニルジ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどが挙げられ、具体的な商品としては、アデカスタブ2112(旭電化工業社製)などが挙げられる。
リン系熱安定剤の配合率は適宜選択して決定すればよいが、通常、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し0.001〜0.5重量部である。0.01重量部未満では滞留時の色相変化が大きくなりやすく、0.5重量部を越えると成形時に発生するガスの原因となりやすい。リン系熱安定剤の配合率は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、好ましくは、0.01〜0.4重量部、より好ましくは、0.02〜0.2重量部である。
本発明においては、ポリカーボネート樹脂(A)に、上記リン系熱安定剤と共にフェノール系抗酸化剤を配合することにより、色調安定性の優れた難燃性樹脂組成物とすることができる。本発明に使用されるフェノール系抗酸化剤としては、従来公知の任意のものを使用できるが、例えば、ヒンダードフェノール系抗酸化剤が挙げられる。
ヒンダードフェノール系抗酸化剤としては、フェノール性水酸基のオルト位に嵩高い置換基を有するものが好ましく、具体例としては、ペンタエリスリト−ルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフェート、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられる。
上述した中でも、特にペンタエリスリト−ルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。これら2つのフェノール系酸化防止剤は、チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社よりイルガノックス1010及びイルガノックス1076の名称で市販されている。
本発明に使用されるフェノール系抗酸化剤の配合率は、適宜選択して決定すればよいが、通常、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、好ましくは0.01〜2重量部である。フェノール系抗酸化剤の配合率が0.01重量部未満であると、抗酸化剤としての効果が不十分となる場合があり、2重量部を越えても抗酸化剤として添加量の増加に見合う効果の向上が期待できない場合がある。フェノール系抗酸化剤の配合率は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、より好ましくは、0.02〜1重量部である。
本発明においては、ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂を含有していてもよく、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、HIPS樹脂あるいはABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂等が挙げられる。ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂の配合率は、好ましくは、ポリカーボネート樹脂とポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂との合計量の40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、例えば、ポリカーボネート樹脂(A)、芳香族スルホン酸金属塩(B)、さらに必要により配合される紫外線吸収剤、リン系熱安定剤、フェノール系抗酸化剤、酸化チタン等の着色剤、繊維状充填材等を一括溶融混練する方法や、ポリカーボネート樹脂(A)、芳香族スルホン酸金属塩(B)、さらに必要により配合される紫外線吸収剤、リン系熱安定剤、フェノール系抗酸化剤、酸化チタン等の着色剤を予め混合して溶融混練した後に、第二の供給口から繊維状充填材を添加して溶融混練する方法などが挙げられる。
各成分を混合し溶融混練する方法としては、従来公知の熱可塑性樹脂組成物に適用される方法を適用することがでる。例えば、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ドラムタンブラー、単軸または二軸スクリュー押出機、コニーダーなどを使用する方法等が挙げられる。なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240〜320℃の範囲である。
本発明のポリカーボネート樹脂成形品は、上述した本発明の樹脂組成物を、従来公知の任意の各種成形方法にて成形し、得ることが出来る。成形方法としては、熱可塑性樹脂の成形に適用できる方法をそのまま適用することができ、射出成形法、押出成形法、中空成形法、回転成形法、圧縮成形法、差圧成形法、トランスファー成形法などが挙げられる。
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂成形品は、優れた難燃性を示し、更に熱安定性や湿熱性に優れ、ポリカーボネート本来の機械的強度、耐熱性性などにも優れているので、OA機器分野、電気・電子分野、自動車分野、建材分野をはじめ、その他の広い分野において有用である。特に、製品の輸出時に高温多湿状態が懸念されるOA機器分野のハウジング用途に好適である。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例に限定されるものではない。
[原材料]
(A)ポリカーボネート樹脂
(a−1)芳香族ポリカーボネート樹脂:ポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネート、粘度平均分子量21000、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユーピロン(登録商標)S−3000」、表中「PC」と記す。
(a−2)分岐構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂:溶融法で製造された分岐PC、粘度平均分子量27000、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ノバレックス(登録商標)M7027B」、表中「分岐PC」と記す。
(B)芳香族スルホン酸金属塩
(b−1)金属塩1:下記式(1)で表される分岐状ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(1%水溶液pH=6.8)
(b−2)金属塩2:ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(1%水溶液pH=6.7)
(b−3)金属塩3:下記式(2)で表される分岐状ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム塩(1%水溶液pH=6.8)
(b−4)金属塩4:下記式(1)で表される分岐状ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(1%水溶液pH=7.7)
(b−5)金属塩5:下記式(1)で表される分岐状ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(1%水溶液pH=6.3)
Figure 2007119554
(C)リン系熱安定剤
(c−1)亜燐酸エステル、旭電化工業社製「アデカスタブ2112」
(D)滴下防止剤(含フッ素樹脂)
(d−1)ポリテトラフルオロエチレン樹脂:ダイキン工業社製 ポリフロンF201L、表中「PTFE」と記す。
[樹脂組成物及び成形品の評価方法]
(1)難燃性
実施例及び比較例で得られたペレットを、射出成形機にて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃、サイクル時間40秒の条件下で、1.6mm、2.0mm、3.0mの各厚みの燃焼試験片を成形した。これらの各試験片について、UL−94に準拠し垂直燃焼試験を実施した。
(2)熱安定性
実施例及び比較例で得られたペレットについて分子量(ペレット分子量)を測定した。次いで、このペレットを用いて、シリンダー温度300℃、サイクル時間180秒の滞留条件下にて、射出成形して得られた滞留成形品(50mm角、3mm厚の平板)について分子量を測定した。これらの分子量の変化量(ペレット分子量と滞留成形品の分子量の差)を、「滞留分子量低下量」として表2に示した。
(3)湿熱性
実施例及び比較例で得られたペレットを用いて、シリンダー温度300℃、サイクル時間40秒の条件下にて、射出成形して得られた通常成形品(50mm角、3mm厚の平板)について、分子量(湿熱試験前分子量)を測定した。次いで、この成形品を、80℃、80%RH、300時間の湿熱条件下に維持した成型品について分子量(湿熱試験前分子量)を測定した。これらの分子量の変化量(湿熱試験前後の成形品の分子量の差)を、「湿熱分子量低下量」として表2に示した。
[実施例1〜7及び比較例1〜4]
表1及び表2に示した配合量となるよう、ポリカーボネート樹脂(A)、芳香族スルホン酸金属塩(B)、リン系熱安定剤(C)、及び滴下防止剤(D)を配合し、タンブラーにて15分混合した後、単軸押出機を用い、シリンダー温度300℃の条件下で、溶融混練して、樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを用いて、射出成形機により各種成形品を成形し、上述した各種評価を行った。結果を表1及び表2に示した。なお、実施例3においては、分岐構造を有するポリカーボネート樹脂を使用しているため、滴下防止効果を示し、2.0mmという薄い試験片の場合でも、V−0という良好な難燃性を示した。
Figure 2007119554
Figure 2007119554
表1及び表2の結果から、次のことが判明する。即ち、本発明の特定のpH範囲内に調節された芳香族スルホン酸金属塩を用いた場合には、滴下防止剤の有無に関わらず、良好な難燃性を示し、更に、耐熱成形下及び湿熱条件下での分子量の低下が著しく抑制され、熱安定性及び湿熱性に優れることが分かる。

Claims (6)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、芳香族スルホン酸金属塩(B)を0.001〜1重量部含む難燃性ポリカーボネート樹脂組成物において、1重量%の水溶液におけるpHが6.4〜7.5の範囲内となる芳香族スルホン酸金属塩(B)を配合させることを特徴とする難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 該芳香族スルホン酸金属塩(B)が、置換基として炭素数3〜30の分岐炭化水素基を有する請求項1に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 該芳香族スルホン酸金属塩(B)の全置換基の総炭素数が6〜60である請求項1又は2に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 該芳香族スルホン酸金属塩(B)が有する分岐炭化水素基が、分岐アルキル基である請求項2又は3に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 該ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、更に含フッ素樹脂(C)を0.1〜3重量部含む請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を溶融成形してなることを特徴とするポリカーボネート樹脂成形品。
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