JP2007088219A - 透光性電磁波シールド膜、ディスプレイパネル用フィルム、ディスプレイパネル用光学フィルター及びプラズマディスプレイパネル - Google Patents

透光性電磁波シールド膜、ディスプレイパネル用フィルム、ディスプレイパネル用光学フィルター及びプラズマディスプレイパネル Download PDF

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Abstract

【課題】耐磨耗性に優れ、高い電磁波シールド性を有し、光散乱が小さく高い光透過率を有する、透光性電磁波シールド膜、これを用いたディスプレイパネル用フィルム、ディスプレイパネル用光学フィルター及びプラズマディスプレイパネルを提供すること。
【解決手段】透明基材と、前記透明基材上の銀を主成分とする印刷パターンと、剥離可能な保護フィルムとを備えてなることを特徴とする透光性電磁波シールド膜、これを用いたディスプレイパネル用フィルム、ディスプレイパネル用光学フィルター及びプラズマディスプレイパネル。
【選択図】なし

Description

本発明は、CRT(陰極線管)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、液晶、EL(エレクトロルミネッセンス)、FED(フィールドエミッションディスプレイ)などのディスプレイ前面、電子レンジ、電子機器、プリント配線板などから発生する電磁波を遮蔽し、かつ、光透過性を有する透光性電磁波シールド膜、これを用いたディスプレイパネル用フィルム、ディスプレイパネル用光学フィルター及びプラズマディスプレイパネルに関する。
近年、各種の電気設備や電子応用設備の利用の増加に伴い、電磁波障害(Electro−Magnetic Interference:EMI)が急増している。上記EMIは、電子、電気機器の誤動作、障害の原因になることが分かっている。このため、電子電気機器では、電磁波放出の強さを規格または規制内に抑えることが要求されている。
上記EMIの対策のためには電磁波をシールドする必要があるが、それには金属の電磁波を貫通させない性質を利用すればよいことは自明である。例えば、筐体を金属体または高導電体にする方法や、回路基板と回路基板との間に金属板を挿入する方法、ケーブルを金属箔で覆う方法などが採用されている。しかし、CRT、PDPなどではオペレーターが画面に表示される文字等を認識する必要があるため、ディスプレイにおける透明性が要求される。このため、前記の方法では、いずれもディスプレイ前面が不透明になることが多く、電磁波のシールド法としては不適切なものであった。
特に、PDPは、CRT等と比較すると多量の電磁波を発生するため、より強い電磁波シールド能が求められている。電磁波シールド能は、簡便には表面抵抗値で表すことができる。例えば、CRT用の透光性電磁波シールド材料では、表面抵抗値は凡そ300Ω/sq以下であることが要求されるのに対し、PDP用の透光性電磁波シールド材料では、2.5Ω/sq以下が要求され、PDPを用いた民生用プラズマテレビにおいては、1.5Ω/sq以下とする必要性が高く、より望ましくは0.1Ω/sq以下という極めて高い導電性が要求されている。
また、透明性に関する要求レベルは、CRT用として凡そ70%以上(全可視光透過率)、PDP用として80%以上が要求されており、さらにより高い透明性が望まれている。
上記の問題を解決するために、以下に示されるように、開口部を有する金属メッシュを利用して電磁波シールド性と光透過性とを両立させる種々の材料・方法がこれまで提案されており、その代表的なものとして、フォトリソグラフィー法を利用したエッチング加工メッシュがある。従来のフォトリソグラフィー法を利用したエッチング加工メッシュは、微細加工が可能であるため、高開口率(高透過率)のメッシュを作成することができ、強力な電磁波放出も遮蔽できるという利点を有する。その一方で、製造工程が複雑であり、高コストである問題を抱えており、改善が要望されている。
低コストで金属メッシュを製造する方法として、金属粒子を含有するペーストやインクを格子状のパターンに印刷して、金属メッシュを得る方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、銀などの導電性微粒子分散液をインクジェット法にて印刷し、過熱・焼成して、電磁波シールド材を製造する方法が開示されている。
また、特許文献2には、銀化合物を有するペーストを印刷したのち、加熱して金属への還元・分解を促進し、金属同士の融着を促進することで、電磁波シールドフィルムを製造する方法が開示されている。
特開2003−318593号 特開2004−119880号
上記のような従来の印刷法を利用して得られる金属メッシュは、フォトリソグラフィーを利用したエッチング加工メッシュの製造プロセスに比べ、少ない工程数で製造でき、製造コストを低減可能な特長を有する。その一方で、次のような問題を有していた。
即ち、ディスプレイに利用される電磁波シールド材料に要求される耐磨耗性が十分ではなく、特に電磁波シールド材料を光学フィルターやディスプレイ等に組み込む段階までの取り扱いにおける耐摩耗性が十分ではなく、表面に傷がつきやすかったため、改善が望まれていた。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、光学フィルターやディスプレイ装置への組み込み段階でも傷がつきにくい優れた耐磨耗性を有し、かつ高い電磁波シールド性を有し、光散乱が小さく高い光透過率を有する、透光性電磁波シールド膜を提供することにある。さらに、これを用いた表面に傷のないディスプレイパネル用フィルム、ディスプレイパネル用光学フィルター及びプラズマディスプレイパネルの提供にある。
本発明は、以下のとおりである。
(1)
透明基材と、前記透明基材上の銀を主成分とする印刷パターンと、剥離可能な保護フィルムとを備えてなることを特徴とする透光性電磁波シールド膜。ただし、銀を主成分とする印刷パターンとは、該パターンを構成する金属に対する銀の質量%が60%以上である印刷パターンを指す。
(2)
前記銀を主成分とする印刷パターン上に、前記剥離可能な保護フィルムを設けてなることを特徴とする(1)に記載の透光性電磁波シールド膜。
(3)
前記剥離可能な保護フィルムの被剥離面に対する剥離強度が、10mN/25mm〜100mN/25mmであることを特徴とする(1)または(2)に記載の透光性電磁波シールド膜。
(4)
赤外線遮蔽性、ハードコート性、反射防止性、妨眩性、静電気防止性、防汚性、紫外線カット性、ガスバリア性及び表示パネル破損防止性から選択された1つ以上の機能を有する機能性透明層を備えてなることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜。
(5)
(1)〜(4)のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜を用いることを特徴とするディスプレイパネル用フィルム。
(6)
(5)に記載のディスプレイパネル用フィルムを用いることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用光学フィルター。
(7)
(5)に記載のディスプレイパネル用フィルムまたは(6)に記載のプラズマディスプレイパネル用光学フィルターを有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
本発明によれば、耐磨耗性に優れているため、製造、加工段階で傷がつきにくく、高い電磁波シールド性を有し、光散乱が小さく高い光透過率を有する、透光性電磁波シールド膜が得られる。また、これを用いた傷などの欠陥のないディスプレイパネル用フィルム、ディスプレイパネル用光学フィルター及びプラズマディスプレイパネルを提供することができる。
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味として使用される。
[透明基材]
本発明に用いられる透明基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂;その他、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などの透明プラスチック基材を用いることができる。
本発明においては、透明性、耐熱性、取り扱いやすさおよび価格の点から、上記透明プラスチック基材はポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。この透明プラスチック基材の厚みは、薄いと取扱性が悪く、厚いと可視光の透過率が低下するため5〜200μmが好ましい。さらに好ましくは、10〜130μm、より好ましくは、40〜80μmである。
ディスプレイパネル用の電磁波シールド膜では透明性が要求されるため、透明基材の透明性は高いことが望ましい。この場合における透明プラスチック基材の全可視光透過率は70〜100%が好ましく、さらに好ましくは85〜100%であり、特に好ましくは90〜100%である。また本発明では、前記透明プラスチック基材として本発明の目的を妨げない程度に着色したものを用いることもできる。
本発明における透明プラスチック基材は、単層で用いることもできるが、2層以上を組み合わせた多層フィルムとして用いることも可能である。
また本発明では、透明基材としてガラス板を用いることもできる。ガラス板の種類は特に限定されないが、ディスプレイ用電磁波シールド膜の用途として用いる場合、表面に強化層を設けた強化ガラスを用いることが好ましい。強化ガラスは、強化処理していないガラスに比べて破損を防止できる可能性が高い。さらに、風冷法により得られる強化ガラスは、万一破損してもその破砕破片が小さく、かつ端面も鋭利になることはないため、安全上好ましい。
[導電性金属部]
次に、本発明における銀を主成分とする印刷パターン(導電性金属部)について説明する。ただし、本発明における銀を主成分とする印刷パターンとは、該パターンを構成する金属に対する銀の質量%が60%以上である印刷パターンを指す。
印刷方法としては、公知の印刷法、例えばグラビア印刷、オフセット印刷、活版印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷等を使用することが可能である。
透明基材上に表面処理を施したり、アンカーコート層を設けたりしても良い。表面処理の方法としては、プライマの塗布による処理、プラズマ処理、コロナ放電処理等が有効である。これらの処理により処理後の透明基材の臨界表面張力が350μN/cm以上になることが好ましく、400μN/cm以上がさらに好ましい。
印刷に用いるペーストないしインクは、導電性パターンを得る為の金属または金属化合物を含有するほか、これらを分散させる溶剤、バインダー、分散剤などを含有することが好ましい。
金属としては、銀、銅、ニッケル、パラジウム、金、白金、すず等の微粒子があげられるが、本発明では銀を主成分とするものであり、銀単独でも、銀を含む2種以上の上記金属を混合して用いてもよい。本発明においては、2種以上の金属を使用する場合、一方の金属で被覆することも好ましい。
また、本発明では金属の化合物も使用することができる。金属の化合物とは、金属酸化物または有機金属化合物であり、外部からエネルギーを印加することにより還元または分解が容易に生じ、導電性を付与しうる化合物が好ましい。金属酸化物としては、酸化金、酸化銀等を使用することができる。特に酸化銀は、自己還元性を有しているので好ましい。有機金属化合物としては、比較的分子量の小さい酢酸銀、クエン酸銀等が好ましい。ペーストが金属を含む場合は、例えばナノオーダーサイズ(5〜60nm)の金属、分散剤、および溶媒から作製することが好ましい。また、ペーストが金属酸化物を含む場合は、ナノオーダーサイズの金属酸化物、この金属酸化物の還元に必要な還元剤、および溶媒から作製することが好ましく、有機金属化合物を含む場合は、分解温度の低い有機金属化合物および溶媒から作製することが好ましい。中でも、ナノオーダーサイズの金属酸化物と有機金属化合物とを併用したペーストを使用すると、細線まで印刷できるのみならず、還元剤および有機金属化合物の構造を適宜選択することにより、外部エネルギーを印加して導電性を付与する場合に可撓性を有するフィルムにダメージを与えない条件での金属酸化物から金属への還元分解を促進させ、かつ、金属間どうしの融着を促進させることができるので、抵抗値をより低減させることも可能となる。なお、金属酸化物が還元剤を添加しなくても還元可能な場合、例えば加熱により自己還元可能な場合は、特に還元剤を添加しなくてもよい。また溶媒としては、詳しくは後述するが、使用する印刷方式やペースト粘度調整方法によって適宜使用可能であり、カルビトール、プロピレングリコール等の高沸点溶媒を用いることができる。また、ペーストの粘度としては、使用する印刷方式や溶媒に応じて適宜設定可能であるが、5mPa・s以上20000mPa・s以下が好ましい。
本発明において用いられるペーストやインクに含有されるバインダーとしては、次のような樹脂、例えばポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エチルセルロース樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂;ポリエステル−メラミン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ−メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ポリイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂のいずれも使用できる。これらの樹脂は必要に応じて、2種以上共重合してもよいし、2種類以上をブレンドして使用することも可能である。
使用可能な溶剤の具体例としては、ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ステアリルアルコール、セリルアルコール、シクロヘキサノール、テルピネオール等のアルコール;エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のアルキルエーテルがあげられ、印刷適正や作業性等を考慮して適宜選択すればよい。
溶剤として高級アルコールを使用する場合はインキの乾燥性や流動性が低下するおそれがあるため、これらよりも乾燥性が良好なブチルカルビトール、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどを併用すればよい。溶剤の使用量は、インクまたはペーストの粘度によって決定されるが、上記金属粉末の添加量との兼ね合いから、通常、バインダー100質量部に対して100〜500質量部、好ましくは100〜300質量部であるのがよい。
金属、バインダーおよび溶剤の構成比率(質量比)としては、例えば金属1に対し、バインダー10−5〜10、溶剤1〜10、好ましくは、金属1に対し、バインダー10−3〜10、溶剤10〜10である。
印刷後の導電性金属部は、高温で焼成するのが好ましい。これにより、有機成分が除去されるとともに金属微粒子同士が付着し、表面抵抗値が低下する。焼成温度としては、例えば50〜1000℃、好ましくは70〜600℃、焼成時間は例えば3〜600分、好ましくは10〜300分である。
本発明における透光性電磁波シールド膜は、導電性金属部を有するため良好な導電性が得られる。このため、本発明の透光性電磁波シールド膜の表面抵抗値は、10Ω/sq以下であることが好ましく、2.5Ω/sq以下であることがより好ましく、1.5Ω/sq以下であることがさらに好ましく、0.1Ω/sq以下であることが最も好ましい。
本発明における導電性金属部は、導電性金属が正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形などの四角形、(正)六角形、(正)八角形などを組み合わせた幾何学図形を構成するように配されていることが好ましく、これらの幾何学図形からなるメッシュ状であることがさらに好ましい。
本発明においては正方形からなる格子状のメッシュ形態であることが最も好ましい。
上記導電性金属部の線幅は20μm以下であることが好ましく、線間隔は100μm以上であることが好ましい。また、導電性金属部は、アース接続などの目的においては、その線幅が20μmより広い部分を有していてもよい。また画像を目立たせなくする観点からは、導電性金属部の線幅は15μm未満であることがさらに好ましい。
導電性金属部の厚さは、ディスプレイパネルの用途としては、薄いほどディスプレイの視野角が広がるため好ましい。1μm以上20μm以下であることが好ましく、1μm以上13μm以下であることがより好ましく、2〜10μmであることがさらに好ましく、3〜7μmであることが最も好ましい。また、導電性金属部はパターン状であることが好ましい。導電性金属部は1層でもよく、2層以上の重層構成であってもよい。
本発明における導電性金属部は、可視光透過率の点から開口率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることが最も好ましい。また、「開口率」とは、メッシュをなす細線のない部分が全体に占める割合であり、例えば、線幅10μm、ピッチ200μmの正方形の格子状メッシュの開口率は、ほぼ90%である。尚、本発明における導電性金属部の開口率について特に上限の限定はないが、表面抵抗値および線幅値との関係から、上記開口率としては、98%以下であることが好ましい。
[保護フィルム]
導電性金属部(印刷パターン)の表面(基材と反対側)に保護フィルムが設けられる。本発明における保護フィルムは、一つの形態において、導電性金属部に耐磨耗性を付与し、導電性金属部が接触などにより切断されないように保護するためのものである。保護フィルムは導電性金属部の形成工程以降の任意の段階で設けても良いが、保管中や取り扱い中の傷防止のためには導電性金属部形成工程に続けて設けるのが好ましい。なお、本発明の透過性電磁波シールド膜を例えばディスプレイに装着した後は、この保護フィルムは通常不要となり、保護フィルムは容易にディスプレイから剥離される必要がある。
保護フィルムの被剥離面に対する剥離強度は5mN/25mm〜1N/25mmであることが好ましく、より好ましくは10mN/25mm〜100mN/25mmである。剥離強度が5mN/25mm未満であると、保護フィルムが極めて簡単に剥離され易くなり、取扱い中や不用意な接触によりこれが脱落する恐れがあり、好ましくなく、また1N/25mmを超えると、剥離のために大きな力を要する上、剥離の際に、導電性金属部も透明基材から剥離する恐れがあり、やはり好ましくない。
なお、本明細書でいう剥離強度とは、25mm幅の試料片の保護フィルムを、被剥離面に対して300mm/minの速度で180°方向に引張ったときの剥離開始点の引張り強度の値を意味する。
また本発明の他の形態において、保護フィルムは、導電性金属部上だけでなく、透明基材面が取扱い中や不用意な接触により損傷しないよう、導電性金属部上以外の場所に設けられていてもよい。例えば、透明基材全体を覆うように保護フィルムを設けてもよく、導電性金属部を設けた面の反対面にも保護フィルムを設けてもよい。
この他の形態においても、保護フィルムは上記と同様の理由から、被剥離面に対する剥離強度が5mN/25mm〜1N/25mmであることが好ましく、より好ましくは10mN/25mm〜100mN/25mmである。
保護フィルムを構成するフィルムとしては、ポリオレフィン系樹脂であるポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、もしくはアクリル樹脂等の樹脂フィルムを用いることが好ましい。
保護フィルムの厚みは、5μm〜100μmが好ましい。さらに好ましくは10μm〜75μmである。
また、保護フィルムは、粘着剤を含有していてもよい。粘着剤としては、アクリル酸エステル系、ゴム系、もしくはシリコーン系等が挙げられる。
[機能性膜]
本発明の透光性電磁波シールド膜には、必要に応じて、所望の機能を有する機能性透明層を設けていてもよい。例えば、ディスプレイ用パネルの用途としては、赤外線を吸収する化合物や金属からなる赤外線遮蔽性を有する層;傷のつき難いハードコート層;屈折率や膜厚を調整した反射防止性を付与した反射防止層;ぎらつき防止機能などの妨眩性を有するノングレアー層またはアンチグレアー層;静電気を防止する層;指紋などの汚れを除去しやすい機能を有した防汚性層;紫外線をカットする層;ガスバリア性を有する層;例えばガラス破損時のガラス飛散防止機能を有する表示パネル破損防止層などを設けることができる。これらの機能層は、導電性金属部の上に設けてもよく、透明基材を介して導電性金属部の反対側に設けてもよい。
上記機能性透明層のいくつかについてさらに説明する。
赤外線遮蔽性を有する層、例えば近赤外線吸収層は、金属錯体化合物等の近赤外線吸収色素を含有する層、または、銀スパッタ層等である。ここで銀スパッタ層は、誘電体層と金属層を基材上に交互にスパッタリング等で積層させることで、近赤外線、遠赤外線から電磁波まで1000nm以上の光をカットすることもできる。誘電体層は誘電体として酸化インジウム、酸化亜鉛等の透明な金属酸化物等を含む。上記金属層に含まれる金属としては銀或いは銀−パラジウム合金が一般的である。上記銀スパッタ層は、通常、誘電体層よりはじまり3層、5層、7層或いは11層程度積層した構成を有する。
PDPにおいては、青色を発光する蛍光体は青色以外に僅かであるが赤色を発光する特性を有している為、青色に表示されるべき部分が紫がかった色で表示されるという問題がある。上記特定の波長域の可視光を吸収する色調調節機能をもった層は、この対策として発色光の補正を行う層であり、595nm付近の光を吸収する色素を含有する。
反射防止性を付与した反射防止層を形成する方法としては、外光の反射を抑えてコントラストの低下を抑えるために、金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、硫化物等の無機物を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、またはイオンビームアシスト法等で単層或いは多層に積層させる方法やアクリル樹脂、フッ素樹脂等の屈折率の異なる樹脂を単層或いは多層に機能性層上に積層させる方法等がある。また、反射防止処理を施したフィルムを膜上に貼り付けることもできる。
ノングレアー層やアンチグレアー層を形成する方法としては、シリカ、メラミン、アクリル等の微粉体をインキ化して、表面にコーティングする方法等を用いることができる。この際、インキの硬化は熱硬化或いは光硬化等を用いることができる。また、ノングレア処理またはアンチグレア処理をしたフィルムを膜上に貼り付けることもできる。
本発明の透光性電磁波シールド膜は、良好な電磁波シールド性および透光性を有するため、とくにディスプレイパネル用フィルムとして有用である。本発明の透光性電磁波シールド膜からなるディスプレイパネル用フィルムは、例えば前記の機能性透明層を設けてプラズマディスプレイパネル用光学フィルターとして使用することもできる。これらの部材は、CRT、PDP、液晶、ELなどのディスプレイ前面、電子レンジ、電子機器、プリント配線板などに適用することができ、特にPDPに有用である。
本発明のPDPは、高電磁波シールド能、高コントラストおよび高明度であり、且つ低コストで作製することができる。
以下に本発明の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
透明プラスチック基材として厚さ100μmの透明ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムを用い、その上に、スクリーン印刷法にて、下記の銀ペーストを印刷した。
次いで、150℃で30分加熱処理した。得られたメッシュ状のパターンは、ライン幅20μm、ピッチ300μmの銀の格子状のパターンであった。
更に、メルカプトベンゾイミダゾール(0.01モル/L)を含有する水溶液にて、防錆処理を行った。防錆処理後は、水洗、乾燥した。
このフィルムの銀メッシュ面に、保護フィルムとして、ポリエチレンフィルムにアクリル系粘着剤層を有する保護フィルム(サンエー化研製、品名:サニテクト)をラミネーターにてラミネートした。
(銀ペーストの作成)
Carey−Leaの銀ゾル調製法(M. Carey Lea, Brit. J. Photog., 24巻297頁(1877)および27巻279頁(1880)参照)に準拠して、硝酸銀溶液を還元し、金属銀微粒子を調整した後、塩化金酸溶液を加え、銀を主成分とする銀金微粒子を調整し、限外ろ過を行って、副生成する塩を除いた。得られた微粒子の粒子サイズは、電子顕微鏡観察の結果、ほぼ10nmであった。
この粒子を、イソプロピルアルコールを含有する溶剤とバインダーと混合し、ペーストを作成した。
(比較例1)
保護フィルムをラミネートしない以外は、実施例1と同様にして、サンプルを作成した。
<評価法>
(耐磨耗性)
スチールウール(#0000)を用いて耐磨耗試験を行い、格子状のメッシュ細線を観察し、切断の有無を調べた。
(剥離強度)
25mm幅の試料片の保護フィルムを、被剥離面に対して300mm/minの速度で180°方向に引張ったときの剥離開始点の引張り強度の値を剥離強度とした。
比較例1のサンプルでは、メッシュを構成する細線が著しく切断されたのに対し、実施例1の本発明のサンプルは、メッシュを構成する細線の切断は全く認められず、保護効果を有していた。また、保護フィルムを剥離しても、メッシュを構成する細線が保護フィルム側に密着して転写される問題は認められなかった。この際の剥離強度は、12mN/25mmであった。

Claims (7)

  1. 透明基材と、前記透明基材上の銀を主成分とする印刷パターンと、剥離可能な保護フィルムとを備えてなることを特徴とする透光性電磁波シールド膜。ただし、銀を主成分とする印刷パターンとは、該パターンを構成する金属に対する銀の質量%が60%以上である印刷パターンを指す。
  2. 前記銀を主成分とする印刷パターン上に、前記剥離可能な保護フィルムを設けてなることを特徴とする請求項1に記載の透光性電磁波シールド膜。
  3. 前記剥離可能な保護フィルムの被剥離面に対する剥離強度が、10mN/25mm〜100mN/25mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の透光性電磁波シールド膜。
  4. 赤外線遮蔽性、ハードコート性、反射防止性、妨眩性、静電気防止性、防汚性、紫外線カット性、ガスバリア性及び表示パネル破損防止性から選択された1つ以上の機能を有する機能性透明層を備えてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜を用いることを特徴とするディスプレイパネル用フィルム。
  6. 請求項5に記載のディスプレイパネル用フィルムを用いることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用光学フィルター。
  7. 請求項5に記載のディスプレイパネル用フィルムまたは請求項6に記載のプラズマディスプレイパネル用光学フィルターを有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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