JP4951299B2 - 透光性電磁波シールド膜とその製造方法、ディスプレイパネル用フィルム、ディスプレイパネル用光学フィルター、プラズマディスプレイパネル - Google Patents

透光性電磁波シールド膜とその製造方法、ディスプレイパネル用フィルム、ディスプレイパネル用光学フィルター、プラズマディスプレイパネル Download PDF

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Description

本発明は、CRT(陰極線管)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、液晶、EL(エレクトロルミネッセンス)、FED(フィールドエミッションディスプレイ)などのディスプレイ前面、電子レンジ、電子機器、プリント配線板などから発生する電磁波を遮蔽し、かつ、光透過性を有する透光性電磁波シールド膜、これを用いたディスプレイパネル用フィルム、ディスプレイパネル用光学フィルター、プラズマディスプレイパネル及び透光性電磁波シールド膜の製造方法に関する。
近年、各種の電気設備や電子応用設備の利用の増加に伴い、電磁波障害(Electro−Magnetic Interference:EMI)が急増している。上記EMIは、電子、電気機器の誤動作、障害の原因になることが分かっている。このため、電子電気機器では、電磁波放出の強さを規格または規制内に抑えることが要求されている。
上記EMIの対策のためには電磁波をシールドする必要があるが、それには金属の電磁波を貫通させない性質を利用すればよいことは自明である。例えば、筐体を金属体または高導電体にする方法や、回路基板と回路基板との間に金属板を挿入する方法、ケーブルを金属箔で覆う方法などが採用されている。しかし、CRT、PDPなどではオペレーターが画面に表示される文字等を認識する必要があるため、ディスプレイにおける透明性が要求される。このため、前記の方法では、いずれもディスプレイ前面が不透明になることが多く、電磁波のシールド法としては不適切なものであった。
特に、PDPは、CRT等と比較すると多量の電磁波を発生するため、より強い電磁波シールド能が求められている。電磁波シールド能は、簡便には表面抵抗値で表すことができる。例えば、CRT用の透光性電磁波シールド材料では、表面抵抗値は凡そ300Ω/sq以下であることが要求されるのに対し、PDP用の透光性電磁波シールド材料では、2.5Ω/sq以下が要求され、PDPを用いた民生用プラズマテレビにおいては、1.5Ω/sq以下とする必要性が高く、より望ましくは0.1Ω/sq以下という極めて高い導電性が要求されている。
また、透明性に関する要求レベルは、CRT用として凡そ70%以上(全可視光透過率)、PDP用として80%以上が要求されており、さらにより高い透明性が望まれている。
上記の問題を解決するために、以下に示されるように、開口部を有する金属メッシュを利用して電磁波シールド性と光透過性とを両立させる種々の材料・方法がこれまで提案されており、その代表的なものとして、フォトリソグラフィー法を利用したエッチング加工メッシュがある。従来のフォトリソグラフィー法を利用したエッチング加工メッシュは、微細加工が可能であるため、高開口率(高透過率)のメッシュを作成することができ、強力な電磁波放出も遮蔽できるという利点を有する。その一方で、製造工程が複雑であり、高コストである問題を抱えており、改善が要望されている。
低コストで金属メッシュを製造する方法として、金属粒子を含有するペーストやインクを格子状のパターンに印刷して、金属メッシュを得る方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、銀などの導電性微粒子分散液をインクジェット法にて印刷し、過熱・焼成して、電磁波シールド材を製造する方法が開示されている。
また、特許文献2には、銀化合物を有するペーストを印刷したのち、加熱して金属への還元・分解を促進し、金属同士の融着を促進することで、電磁波シールドフィルムを製造する方法が開示されている。
特開2003−318593号 特開2004−119880号
上記のような従来の印刷法を利用して得られる金属メッシュは、フォトリソグラフィーを利用したエッチング加工メッシュの製造プロセスに比べ、少ない工程数で製造でき、製造コストを低減可能な特長を有する。その一方で、次のような問題を有していた。
即ち、ディスプレイに利用される電磁波シールド材料に要求される、金属部の耐薬品性が十分ではなく、改善が望まれていた。
また、上記のような金属部の耐薬品性以外に、金属部でない光を透過する部分(光透過性部)が変色する問題があり、改善が望まれていた。
本発明者らが検討したところ、金属や金属化合物の微粒子分散物を印刷するため、金属メッシュ部の金属相が完全な連続相ではなく、表面積の大きな金属微粒子の凝集相になりやすいことが分かった。即ち、金属部の表面積が、金属箔をエッチング加工する場合よりも大きくなりやすく、金属部の耐薬品性の観点では不利な状況にあると考えられた。
更には、従来の印刷法を利用して得られる金属メッシュは、金属が銀から成り、高い導電性を有する場合、金属銀特有の光沢・反射が見られ、電子ディスプレイの電磁波シールド用途として問題があった。この為、反射の小さい黒色の材料で、上述の問題のない材料が求められていた。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、耐塩水性などの耐薬品性に優れ、さらに耐熱性、耐湿熱性、耐久性に優れ、経時で変色し難く、高い電磁波シールド性を有し、光散乱が小さく高い光透過率を有し、金属の反射が低減された透光性電磁波シールド膜、これを用いたディスプレイパネル用フィルム、ディスプレイパネル用光学フィルター及びプラズマディスプレイパネルの提供にある。
本発明者らは鋭意検討した結果、耐薬品性および耐久性の向上には、金属の腐食を抑制することが有効であることを認め、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
透明基材上に、銀を主成分とする印刷パターンと、防錆剤を少なくとも一種備えてなる透光性電磁波シールド膜であって、前記防錆剤を前記印刷パターンに対して0.001g/m 〜0.04g/m の量で有することを特徴とする透光性電磁波シールド膜。ただし、銀を主成分とする印刷パターンとは、導電性金属部と光透過性部とから構成され、該パターンを構成する金属に対する銀の質量%が85%以上である印刷パターンを指す。
〔2〕
銀を主成分とする印刷パターンが、銀と銀以外の貴金属を含有することを特徴とする上記〔1〕に記載の透光性電磁波シールド膜。
〔3〕
銀を主成分とする印刷パターンが、銀とパラジウム、または、銀と金を含有することを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕に記載の透光性電磁波シールド膜。
〔4〕
前記防錆剤が、N−H構造を有する5員環アゾール化合物であることを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜。
〔5〕
前記防錆剤が有機メルカプト化合物であることを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜。
〔6〕
前記防錆剤が、N−H構造を有する5員環アゾール化合物と有機メルカプト化合物の組み合わせであることを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜。
〔7〕
前記有機メルカプト化合物が下記一般式(2)で表されることを特徴とする上記〔5〕又は〔6〕に記載の透光性電磁波シールド膜。
一般式(2)
Z−SM
〔一般式(2)において、Zはアルキル基、芳香族基若しくはヘテロ環基であって、ヒドロキシル基、−SO 基、−COOM 基(ここでM は水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表す)、アミノ基およびアンモニオ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基または、この群より選ばれる少なくとも1つを有する置換基によって置換されている基を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子、またはアミジノ基(これはハロゲン化水素酸塩もしくはスルホン酸塩を形成していてもよい)を表す。〕
〔8〕
前記有機メルカプト化合物が下記一般式(1)、(3)〜(5)から選択された1種類以上の有機メルカプト化合物であることを特徴とする上記〔5〕又は〔6〕に記載の透光性電磁波シールド膜。
一般式(1)
Figure 0004951299
[一般式(1)において、−D=および−E=は各々独立に−CH=基、−C(R )=基、または−N=基を表し、R は置換基を表す。L 、L およびL は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子のいずれかで環に結合する任意の置換基を表す。但しL 、L 、L およびR の少なくとも1つは、−SM基(Mはアルカリ金属原子、水素原子またはアンモニウム基を表す)を表す。
一般式(3)、一般式(4)
Figure 0004951299
〔一般式(3)、(4)中、R 21 及びR 22 はそれぞれ水素原子又はアルキル基を表す。但し、R 21 とR 22 は同時に水素原子であることはなく、また上記アルキル基は置換基を有していてもよい。R 23 及びR 24 はそれぞれ水素原子又はアルキル基を表し、R 25 はヒドロキシル基(またはその塩)、アミノ基、アルキル基又はフェニル基を表す。
26 及びR 27 はそれぞれ水素原子、アルキル基、アシル基又は−COOM 22 を表す。但しR 26 とR 27 は同時に水素原子であることはない。M 21 は水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基を表す。M 22 は水素原子、アルキル基、アルカリ金属原子、アリール基又はアラルキル基を表す。mは0、1又は2を表す。nは2を表す。〕
一般式(5)
Figure 0004951299
〔一般式(5)中、X 40 は水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基又はスルホ基を表し、M 41 及びMaはそれぞれ水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基を表す。〕
〔9〕
前記有機メルカプト化合物が前記一般式(1)で表されることを特徴とする上記〔8〕に記載の透光性電磁波シールド膜。
〔10〕
赤外線遮蔽性、ハードコート性、反射防止性、妨眩性、静電気防止性、防汚性、紫外線カット性、ガスバリア性及び表示パネル破損防止性から選択された1つ以上の機能を有する機能性透明層をさらに備えてなることを特徴とする上記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜。
〔11〕
上記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜を用いることを特徴とするディスプレイパネル用フィルム。
〔12〕
上記〔11〕に記載のディスプレイパネル用フィルムを用いることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用光学フィルター。
〔13〕
上記〔11〕に記載のディスプレイパネル用フィルムまたは上記〔12〕に記載のプラズマディスプレイパネル用光学フィルターを有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
〔14〕
透明基材上に、金属に対する銀の質量%が85%以上である銀を主成分とする金属微粒子を印刷して導電性金属部と光透過性部とから構成される印刷パターンを形成した後、該導電性金属部と光透過性部とから構成される印刷パターンを少なくとも1種類の防錆剤を含有する防錆剤水溶液に浸漬することにより防錆処理する透光性電磁波シールド膜の製造方法であって、
前記防錆剤水溶液は、前記防錆剤を、1リットル中、10 −6 〜10 −1 molの濃度として含有することを特徴とする透光性電磁波シールド膜の製造方法。
〔15〕
前記導電性金属部と前記光透過性部とから構成される印刷パターンを、Pdイオンを含む液で処理した後、前記少なくとも1種類の防錆剤で防錆処理することを特徴とする上記〔14〕に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
〔16〕
前記防錆剤を前記印刷パターンに対して0.001g/m 〜0.04g/m の量で有することを特徴とする上記〔14〕又は〔15〕に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
〔17〕
前記導電性金属部と前記光透過性部とから構成される印刷パターンが、前記金属微粒子、バインダーおよび溶剤を含有するペースト又はインクを用いて形成され、該金属微粒子、該バインダーおよび該溶剤の構成比率(質量比)が、該金属微粒子1に対し、該バインダー10 −5 〜10 、該溶剤1〜10 であることを特徴とする上記〔14〕〜〔16〕のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
〔18〕
前記導電性金属部を50〜1000℃で焼成することを特徴とする上記〔14〕〜〔17〕のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
〔19〕
透明基材上に、銀を主成分とする印刷パターンと、防錆剤を少なくとも一種備えてなる膜であって、前記防錆剤を前記印刷パターンに対して0.001g/m 〜0.04g/m の量で有することを特徴とする膜。ただし、銀を主成分とする印刷パターンとは、導電性金属部と光透過性部とから構成され、該パターンを構成する金属に対する銀の質量%が85%以上である印刷パターンを指す。
〔20〕
透明基材上に、金属に対する銀の質量%が85%以上である銀を主成分とする金属微粒子を印刷して導電性金属部と光透過性部とから構成される印刷パターンを形成した後、該導電性金属部と光透過性部とから構成される印刷パターンを少なくとも1種類の防錆剤を含有する防錆剤水溶液に浸漬することにより防錆処理する膜の製造方法であって、
前記防錆剤水溶液は、前記防錆剤を、1リットル中、10 −6 〜10 −1 molの濃度として含有することを特徴とする膜の製造方法。
なお、本発明は、上記〔1〕〜〔20〕に係る発明であるが、以下、その他についても参考のため記載した。
(1)
透明基材上に、銀を主成分とする印刷パターンと、防錆剤を少なくとも一種備えてなることを特徴とする透光性電磁波シールド膜。ただし、銀を主成分とする印刷パターンとは、導電性金属部と光透過性部とから構成され、該パターンを構成する金属に対する銀の質量%が60%以上である印刷パターンを指す。
(2)
印刷パターンが、銀の質量%が85%以上であるパターンであることを特徴とする(1)記載の透光性電磁波シールド膜。
(3)
銀を主成分とする印刷パターンが、銀と銀以外の貴金属を含有することを特徴とする(1)または(2)記載の透光性電磁波シールド膜。
(4)
銀を主成分とする印刷パターンが、銀とパラジウム、または、銀と金を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜。
(5)
前記防錆剤が、N-H構造を有する5員環アゾール化合物であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜。
(6)
前記防錆剤が有機メルカプト化合物であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜。
(7)
前記防錆剤が、N-H構造を有する5員環アゾール化合物と有機メルカプト化合物の組み合わせであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜。
(8)
前記有機メルカプト化合物が下記一般式(2)で表されることを特徴とする(6)又は(7)に記載の透光性電磁波シールド膜。
一般式(2)
Z−SM
〔一般式(2)において、Zはアルキル基、芳香族基若しくはヘテロ環基であって、ヒドロキシル基、−SO基、−COOM基(ここでMは水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表す)、アミノ基およびアンモニオ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基または、この群より選ばれる少なくとも1つを有する置換基によって置換されている基を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子、またはアミジノ基(これはハロゲン化水素酸塩もしくはスルホン酸塩を形成していてもよい)を表す。〕
(9)
前記有機メルカプト化合物が下記一般式(1)、(3)〜(5)から選択された1種類以上の有機メルカプト化合物であることを特徴とする(6)又は(7)に記載の透光性電磁波シールド膜。
一般式(1)
Figure 0004951299
[一般式(1)において、−D=および−E=は各々独立に−CH=基、−C(R)=基、または−N=基を表し、Rは置換基を表す。L、LおよびLは各々独立に水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子のいずれかで環に結合する任意の置換基を表す。但しL、L、LおよびRの少なくとも1つは、−SM基(Mはアルカリ金属原子、水素原子またはアンモニウム基を表す)を表す。
一般式(3)、一般式(4)
Figure 0004951299
〔一般式(3)、(4)中、R21及びR22はそれぞれ水素原子又はアルキル基を表す。但し、R21とR22は同時に水素原子であることはなく、また上記アルキル基は置換基を有していてもよい。R23及びR24はそれぞれ水素原子又はアルキル基を表し、R25はヒドロキシル基(またはその塩)、アミノ基、アルキル基又はフェニル基を表す。R26及びR27はそれぞれ水素原子、アルキル基、アシル基又は−COOM22を表す。但しR26とR27は同時に水素原子であることはない。M21は水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基を表す。M22は水素原子、アルキル基、アルカリ金属原子、アリール基又はアラルキル基を表す。mは0、1又は2を表す。nは2を表す。〕
一般式(5)
Figure 0004951299
〔一般式(5)中、X40は水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基又はスルホ基を表し、M41及びMaはそれぞれ水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基を表す。〕
(10)
前記有機メルカプト化合物が前記一般式(1)で表されることを特徴とする(9)に記載の透光性電磁波シールド膜。
(11)
前記防錆剤を前記印刷パターンに対して0.001g/m2〜0.04g/m2の量で有することを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜。
(12)
赤外線遮蔽性、ハードコート性、反射防止性、妨眩性、静電気防止性、防汚性、紫外線カット性、ガスバリア性及び表示パネル破損防止性から選択された1つ以上の機能を有する機能性透明層をさらに備えてなることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜。
(13)
(1)〜(12)のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜を用いることを特徴とするディスプレイパネル用フィルム。
(14)
(13)に記載のディスプレイパネル用フィルムを用いることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用光学フィルター。
(15)
(13)に記載のディスプレイパネル用フィルムまたは(14)に記載のプラズマディスプレイパネル用光学フィルターを有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
(16)
透明基材上に、金属に対する銀の質量%が60%以上である銀を主成分とする微粒子を印刷して導電性金属部と光透過性部とを形成した後、該導電性金属部と光透過性部とを少なくとも1種類の防錆剤で処理することを特徴とする透光性電磁波シールド膜の製造方法。
(17)
透明基材上に、金属に対する銀の質量%が60%以上である銀を主成分とする微粒子を印刷して導電性金属部と光透過性部とを形成した後、該導電性金属部と光透過性部とを、Pdイオンを含む液で処理した後、少なくとも1種の防錆剤で処理することを特徴とする透光性電磁波シールド膜の製造方法。
本発明によれば、耐塩水性などの耐薬品性に優れ、さらに耐熱性、耐湿熱性、耐久性に優れ、しかも経時で変色し難く、高い電磁波シールド性を有し、光散乱が小さく高い光透過率を有する、透光性電磁波シールド膜、これを用いたディスプレイパネル用フィルム、ディスプレイパネル用光学フィルター及びプラズマディスプレイパネルを提供することができる。
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味として使用される。
[透明基材]
本発明に用いられる透明基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂;その他、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などの透明プラスチック基材を用いることができる。
本発明においては、透明性、耐熱性、取り扱いやすさおよび価格の点から、上記透明プラスチック基材はポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。この透明プラスチック基材の厚みは、取扱性、可視光の透過率などの観点から5〜200μmが好ましい。さらに好ましくは、10〜130μm、より好ましくは、40〜80μmである。
ディスプレイパネル用の電磁波シールド膜では透明性が要求されるため、基材の透明性は高いことが望ましい。この場合における透明プラスチック基材の全可視光透過率は70〜100%が好ましく、さらに好ましくは85〜100%であり、特に好ましくは90〜100%である。また本発明では、前記透明プラスチック基材として本発明の目的を妨げない程度に着色したものを用いることもできる。
本発明における透明プラスチック基材は、単層で用いることもできるが、2層以上を組み合わせた多層フィルムとして用いることも可能である。
また本発明では、透明基材としてガラス板を用いることもできる。ガラス板の種類は特に限定されないが、ディスプレイ用電磁波シールド膜の用途として用いる場合、表面に強化層を設けた強化ガラスを用いることが好ましい。強化ガラスは、強化処理していないガラスに比べて破損を防止できる可能性が高い。さらに、風冷法により得られる強化ガラスは、万一破損してもその破砕破片が小さく、かつ端面も鋭利になることはないため、安全上好ましい。
[印刷パターン]
次に、本発明における銀を主成分とする印刷パターンについて説明する。
印刷パターンは導電性金属部と光透過性部とから構成される。
印刷方法としては、公知の印刷法、例えばグラビア印刷、オフセット印刷、活版印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷等を使用することが可能である。
透明基材上に表面処理を施したり、アンカーコート層を設けたりしても良い。表面処理の方法としては、プライマの塗布による処理、プラズマ処理、コロナ放電処理等が有効である。これらの処理により処理後の透明基材の臨界表面張力が3.5×10−4N/cm以上になることが好ましく、4.0×10−4N/cm以上がさらに好ましい。
印刷に用いるペーストないしインクは、印刷することによって導電性パターンを得る為の金属または金属化合物を含有するほか、これらを分散させる溶剤、バインダー、分散剤などを含有することが好ましい。
金属としては、銀、銅、ニッケル、パラジウム、金、白金、すず等の微粒子があげられるが、本発明では銀を主成分とする印刷パターンであり、銀単独でも、銀を含む2種以上の上記金属を混合して用いてもよい。ただし、銀を主成分とする印刷パターンとは、該パターンを構成する金属に対する銀の質量%が60%以上である印刷パターンを指し、85%以上であることが、導電性と耐久性の観点から好ましい。本発明においては、2種以上の金属を使用する場合、一方の金属で被覆することも好ましい。金属としては、ニッケルや亜鉛、錫、コバルト、クロム、などのほか、金、白金、パラジウムなどの貴金属が挙げられ、貴金属がより好ましく、銀とパラジウム、または、銀と金を含有することがさらに好ましい。
被覆の方法は、(1)印刷に用いるペーストやインクに含まれる金属微粒子を調製する際に、パラジウムや金の合金微粒子を調製してそれを印刷する方法や、(2)銀微粒子を印刷した後に、NaPdCl等のパラジウム(II)イオンを含む液や、塩化金酸水溶液などで処理して、銀をパラジウムや金でコートする方法がある。これらの内、(2)の方法は、耐塩水性が特に優れるなど、耐久性を高める観点から、特に好ましい。
また、本発明では金属の化合物も使用することができる。金属の化合物とは、金属酸化物または有機金属化合物であり、外部からエネルギーを印加することにより還元または分解が容易に生じ、導電性を付与しうる化合物が好ましい。金属酸化物としては、酸化金、酸化銀等を使用することができる。特に酸化銀は、自己還元性を有しているので好ましい。有機金属化合物としては、比較的分子量の小さい酢酸銀、クエン酸銀等が好ましい。ペーストが金属を含む場合は、例えばナノオーダーサイズ(5〜60nm)の金属、分散剤、および溶媒から作製することが好ましい。また、ペーストが金属酸化物を含む場合は、ナノオーダーサイズの金属酸化物、この金属酸化物の還元に必要な還元剤、および溶媒から作製することが好ましく、有機金属化合物を含む場合は、分解温度の低い有機金属化合物および溶媒から作製することが好ましい。中でも、ナノオーダーサイズの金属酸化物と有機金属化合物とを併用したペーストを使用すると、細線まで印刷できるのみならず、還元剤および有機金属化合物の構造を適宜選択することにより、外部エネルギーを印加して導電性を付与する場合に可撓性を有するフィルムにダメージを与えない条件での金属酸化物から金属への還元分解を促進させ、かつ、金属間どうしの融着を促進させることができるので、抵抗値をより低減させることも可能となる。なお、金属酸化物が還元剤を添加しなくても還元可能な場合、例えば加熱により自己還元可能な場合は、特に還元剤を添加しなくてもよい。また溶媒としては、詳しくは後述するが、使用する印刷方式やペースト粘度調整方法によって適宜使用可能であり、カルビトール、プロピレングリコール等の高沸点溶媒を用いることができる。また、ペーストの粘度としては、使用する印刷方式や溶媒に応じて適宜設定可能であるが、5mPa・s以上20000mPa・s以下が好ましい。
本発明において用いられるペーストやインクに含有されるバインダーとしては、次のような樹脂、例えばポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エチルセルロース樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂;ポリエステル−メラミン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ−メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ポリイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂のいずれも使用できる。これらの樹脂は必要に応じて、2種以上共重合してもよいし、2種類以上をブレンドして使用することも可能である。
使用可能な溶剤の具体例としては、ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ステアリルアルコール、セリルアルコール、シクロヘキサノール、テルピネオール等のアルコール;エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のアルキルエーテルがあげられ、印刷適正や作業性等を考慮して適宜選択すればよい。
溶剤として高級アルコールを使用する場合はインキの乾燥性や流動性が低下するおそれがあるため、これらよりも乾燥性が良好なブチルカルビトール、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどを併用すればよい。溶剤の使用量は、インクまたはペーストの粘度によって決定されるが、上記金属粉末の添加量との兼ね合いから、通常、バインダー100質量部に対して100〜500質量部、好ましくは100〜300質量部であるのがよい。
金属、バインダーおよび溶剤の構成比率(質量比)としては、例えば金属1に対し、バインダー10−5〜10、溶剤1〜10、好ましくは、金属1に対し、バインダー10−3〜10、溶剤10〜10である。
印刷後の導電性金属部は、高温で焼成するのが好ましい。これにより、有機成分が除去されるとともに金属微粒子同士が付着し、表面抵抗値が低下する。焼成温度としては、例えば50〜1000℃、好ましくは70〜600℃、焼成時間は例えば3〜600分、好ましくは10〜300分である。
本発明における透光性電磁波シールド膜は、導電性金属部を有するため良好な導電性が得られる。このため、本発明の透光性電磁波シールド膜の表面抵抗値は、10Ω/sq以下であることが好ましく、2.5Ω/sq以下であることがより好ましく、1.5Ω/sq以下であることがさらに好ましく、0.1Ω/sq以下であることが最も好ましい。
本発明における導電性金属部は、導電性金属が正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形などの四角形、(正)六角形、(正)八角形などを組み合わせた幾何学図形を構成するように配されていることが好ましく、これらの幾何学図形からなるメッシュ状であることがさらに好ましい。
本発明においては正方形からなる格子状のメッシュ形態であることが最も好ましい。
上記導電性金属部の線幅は20μm以下であることが好ましく、線間隔は100μm以上であることが好ましい。また、導電性金属部は、アース接続などの目的においては、その線幅が20μmより広い部分を有していてもよい。また画像を目立たせなくする観点からは、導電性金属部の線幅は15μm未満であることがさらに好ましい。
導電性金属部の厚さは、ディスプレイパネルの用途としては、薄いほどディスプレイの視野角が広がるため好ましい。1μm以上20μm以下であることが好ましく、1μm以上13μm以下であることがより好ましく、2〜10μmであることがさらに好ましく、3〜7μmであることが最も好ましい。また、導電性金属部はパターン状であることが好ましい。導電性金属部は1層でもよく、2層以上の重層構成であってもよい。
本発明における導電性金属部は、可視光透過率の点から開口率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることが最も好ましい。また、「開口率」とは、メッシュをなす細線のない部分が全体に占める割合であり、例えば、線幅10μm、ピッチ200μmの正方形の格子状メッシュの開口率は、ほぼ90%である。尚、本発明における導電性金属部の開口率について特に上限の限定はないが、表面抵抗値および線幅値との関係から、上記開口率としては、98%以下であることが好ましい。
[防錆剤]
次に本発明に用いられる、防錆剤について説明する。
本発明に用いられる防錆剤としては、N−H構造を有する5員環アゾール化合物や有機メルカプト化合物が好ましい。N−H構造とはアゾール類に含まれる窒素−水素結合を意味し、該水素は解離可能である特徴を有する。
好ましいN−H構造を有する5員環アゾール化合物は、例えばテトラゾール類、トリアゾール類、イミダゾール類、チアジアゾール類、ベンズイミダゾール類、テトラアザインデン類等があげられる。
これらの環は、置換基を有してもよく、置換基は、Ln−Rmで表される。
Lは、単結合、二価の脂肪族基、二価の芳香族炭化水素基、二価の複素環基又はこれらの組合せた連結基を表す。
Lは、好ましくは単結合、炭素数1〜10のアルキレン基(例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプロピレン、2−ヒドロキシプロピレン、ヘキシレン、オクチレンの各基)、炭素数2〜10のアルケニレン基(例えばビニレン、プロペニレン、ブテニレンの各基)、炭素数7〜12のアラルキレン基(例えばフェネチレン基)、炭素数6〜12のアリーレン基(例えばフェニレン、2−クロロフェニレン、3−メトキシフェニレン、ナフチレンの各基)、炭素数1〜10の複素環基(例えばピリジル、チエニル、フリル、トリアゾリル、イミダゾリルの各基)の二価のもの、単結合およびこれらの基を任意に組合せた基であってもよいし、−CO−、−SO2 −、−NR202−、−O−または−S−を任意に組合せたものでもよい。ここでR202 は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基(例えばメチル、エチル、ブチル、ヘキシルの各基)、炭素数7〜10のアラルキル基(例えばベンジル期、フェネチル基)、炭素数6〜10のアリール基(例えばフェニル、4−メチルフェニ−メチルフェニルの各基)を表わす。特に単結合であることが好ましい。
Rはニトロ基、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子)、メルカプト基、シアノ基、それぞれ置換もしくは無置換のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、t−ブチル、シアノエチルの各基)、アリール基(例えばフェニル、4−メタンスルホンアミドフェニル、4−メチルフェニル、3,4−ジクロルフェニル、ナフチルの各基)、アルケニル基(例えばアリル基)、アラルキル基(例えばベンジル、4−メチルベンジル、フェネチルの各基)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル、エタンスルホニル、p−トルエンスルホニルの各基)、カルバモイル基(例えば無置換カルバモイル、メチルカルバモイル、フェニルカルバモイルの各基)、スルファモイル基(例えばえば無置換スルファモイル、メチルスルファモイル、フェニルスルファモイルの各基)、カルボンアミド基(例えばアセトアミド、ベンズアミドの各基)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミドの各基)、アシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシの各基)、スルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ)、ウレイド基(例えば無置換ウレイド、メチルウレイド、エチルウレイド、フェニルウレイドの各基)、アシル基(例えばアセチル、ベンゾイルの各基)、オキシカルボニル基(例えばメチキシカルボニル、フェノキシカルボニルの各基)、オキシカルボニルアミノ基(例えばメトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、2−エチルヘキシルオキシカルボニルアミノの各基)、ヒドロキシル基などで置換されていてもよい。
n及びmは0及び1〜3の整数を表わすが、n及びmがそれぞれ2または3を表わすときは各々のL及びRは同じであっても異っていてもよい。
好ましい含窒素有機ヘテロ環化合物の具体例としては以下のものが挙げられる。即ち、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾインダゾール、ベンゾトリアゾール、などが挙げられ、これらは、アルキル基、カルボキシル基、スルホ基、などの置換基を有してよい。
本発明に用いられる防錆剤としては、有機メルカプト化合物が好ましく用いられる。
有機メルカプト化合物としては、アルキルメルカプト化合物や、アリールメルカプト化合物、ヘテロ環メルカプト化合物などが挙げられる。
好ましくは、下記一般式(2)で表される有機メルカプト化合物である。
一般式(2)
Z−SM
〔一般式(2)において、Zはアルキル基、芳香族基若しくはヘテロ環基であって、ヒドロキシル基、−SO基、−COOM基(ここでMは水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表す)、アミノ基およびアンモニオ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基または、この群より選ばれる少なくとも1つを有する置換基によって置換されているものを表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子、またはアミジノ基(これはハロゲン化水素酸塩もしくはスルホン酸塩を形成していてもよい)を表す。〕
また、下記一般式(1)、(3)〜(5)で表される有機メルカプト化合物も好ましく、特に一般式(1)の化合物が好ましい。
一般式(1)
Figure 0004951299
[一般式(1)において、−D=および−E=は各々独立に−CH=基、−C(R)=基、または−N=基を表し、Rは置換基を表す。L、LおよびLは各々独立に水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子のいずれかで環に結合する任意の置換基を表す。但しL、L、LおよびRの少なくとも1つは、−SM基(Mはアルカリ金属原子、水素原子またはアンモニウム基を表す)を表す。なお、−D=と−E=の一方が−N=基であるときは、−D=が−CH=基または−C(R)=基を表し、−E=が−N=基を表す。]
一般式(3)、一般式(4)
Figure 0004951299
〔一般式(3)、(4)中、R21及びR22はそれぞれ水素原子又はアルキル基を表す。但し、R21とR22は同時に水素原子であることはなく、また上記アルキル基は置換基を有していてもよい。R23及びR24はそれぞれ水素原子又はアルキル基を表し、R25はヒドロキシル基、アミノ基、アルキル基又はフェニル基を表す。R26及びR27はそれぞれ水素原子、アルキル基、アシル基又は−COOM22を表す。但しR26とR27は同時に水素原子であることはない。M21は水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基を表す。M22は水素原子、アルキル基、アルカリ金属原子、アリール基又はアラルキル基を表す。mは0、1又は2を表す。nは2を表す。〕
一般式(5)
Figure 0004951299
〔一般式(5)中、X40は水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基又はスルホ基を表し、M41及びMaはそれぞれ水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基を表す。〕
一般式(2)で表される化合物について説明する。
一般式(2)において、Zで表されるアルキル基は好ましくは、炭素数1〜30のものであって特に炭素数2〜20の直鎖、分岐、または環状のアルキル基であって上記の置換基の他に置換基を有していてもよい。Zで表される芳香族基は好ましくは炭素数6〜32の単環または縮合環のものであって上記の置換基の他に置換基を有していてもよい。Zで表されるヘテロ環基は好ましくは炭素数1〜32の単環または縮合環であり、窒素、酸素、硫黄のうちから独立に選ばれるヘテロ原子を1つの環中に1〜6個有する5または6員環であり、上記の他に置換基を有していてもよい。但し、ヘテロ環基がテトラゾールの場合、置換基として、置換もしくは無置換のナフチル基を有さない。一般式(2)で表される化合物のうち好ましくは、Zが2個以上の窒素原子を有するヘテロ環基である化合物である。
一般式(2)で表される化合物で好ましいものは下記式(2−a)で表される。
Figure 0004951299
一般式中、Zは窒素原子を有する不飽和の5員ヘテロ環または、6員ヘテロ環(ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環等)を形成するのに必要な基であり、少なくとも一つの−SM基またはチオン基を有する化合物であって、且つヒドロキシル基、−COOM基、−SOM基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアンモニオ基からなる群から選ばれた少なくとも一つの置換基を有する。式中、R11、R12は、各々独立に水素原子、−SM基、ハロゲン原子、アルキル基(置換基を有するものを含む)、アルコキシ基(置換基を有するものを含む)、ヒドロキシル基、−COOM基、−SOM基、アルケニル基(置換基を有するものを含む)、アミノ基(置換基を有するものを含む)、カルバモイル基(置換基を有するものを含む)、フェニル基(置換基を有するものを含む)であり、R11とR12で環を形成してもよい。形成できる環としては、5員環または6員環であり、好ましくは含窒素ヘテロ環である。Mは、前記一般式(2)で定義されたMと同義である。好ましくはZは二つ以上の窒素原子を含むヘテロ環化合物を形成する基であり、前記−SM基若しくはチオン基以外の置換基を有していてもよく、該置換基としては、ハロゲン原子、低級アルキル基(置換基を有するものを含む。メチル基、エチル基等の炭素数5以下のものが好ましい。)、低級アルコキシ基(置換基を有するものを含む。メトキシ、エトキシ、ブトキシ等の炭素数5以下のものが好ましい。)、低級アルケニル基(置換基を有するものを含む。炭素数5以下のものが好ましい。)、カルバモイル基、フェニル基等が挙げられる。さらに一般式(2−a)において次の式A〜Fで表される化合物が特に好ましい。
Figure 0004951299
式中、R21、R22、R23、R24は各々独立に、水素原子、−SM基、ハロゲン原子、低級アルキル基(置換基を有するものを含む。メチル基、エチル基等の炭素数5以下のものが好ましい。)、低級アルコキシ基(置換基を有するものを含む。炭素数5以下のものが好ましい。)、ヒドロキシ基、−COOM、−SO基、低級アルケニル基(置換基を有するものを含む。炭素数5以下のものが好ましい。)、アミノ基、カルバモイル基、フェニル基であり、少なくとも一つは−SM基である。M、M、Mは各々水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表す。特に、−SM以外の置換基としてはヒドロキシ基、−COOM、−SO基、アミノ基等の水溶性基を持つことが好ましい。
21、R22、R23、R24で表されるアミノ基は置換または非置換のアミノ基を表し、好ましい置換基としては低級アルキル基である。M、M、Mが表すアンモニウム基としては置換または非置換のアンモニウム基であり、好ましくは非置換のアンモニウム基である。
以下に一般式(2)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004951299
Figure 0004951299
Figure 0004951299
Figure 0004951299
Figure 0004951299
Figure 0004951299
一般式(1)、(3)〜(5)で表される化合物について説明する。
一般式(1)で表される化合物について詳細に説明する。一般式(1)において、−D=および−E=は各々独立に−CH=基、−C(R)=基、または−N=基を表し、ここにRは置換基を表す。L、L、Lは各々独立に水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子のいずれかで環に結合する任意の置換基を表し、L〜Lは同じでも異なっていてもよい。但しL、L、L、およびRの少なくとも1つは、−SM基(Mはアルカリ金属原子、水素原子、アンモニウム基)を表す。なお、−D=と−E=の一方が−N=基であるときは、−D=が−CH=基または−C(R)=基を表し、−E=が−N=基を表す。]
、L、Lで表される任意の置換基およびRで表される置換基としては、具体的には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基(アラルキル基、シクロアルキル基、活性メチン基等を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(たとえばピリジニオ基)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボキシ基またはその塩、スルホニルカルバモイル基、アシルカルバモイル基、スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、チオカルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリールまたはヘテロ環)アミノ基、ヒドロキシアミノ基,N−置換の飽和もしくは不飽和の含窒素ヘテロ環基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、アシルウレイド基、アシルスルファモイルアミノ基、ニトロ基、メルカプト基、(アルキル、アリールまたはヘテロ環)チオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、アシルスルファモイル基、スルホニルスルファモイル基またはその塩、リン酸アミドもしくはリン酸エステル構造を含む基、等が挙げられる。これらの置換基は、さらにこれらの置換基で置換されていてもよい。
、L、Lで表される任意の置換基およびRで表される置換基としてより好ましくは、炭素数0〜15の置換基で、塩素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボキシ基またはその塩、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリールまたはヘテロ環)アミノ基、ヒドロキシアミノ基、N−置換の飽和もしくは不飽和の含窒素ヘテロ環基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、スルファモイルアミノ基、ニトロ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基であり、さらに好ましくは、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボキシ基またはその塩、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリールまたはヘテロ環)アミノ基、ヒドロキシアミノ基、N−置換の飽和もしくは不飽和の含窒素ヘテロ環基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、スルファモイルアミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ基、スルホ基またはその塩であり、最も好ましくはアミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基、アルールチオ基、メルカプト基、カルボキシ基またはその塩、スルホ基またはその塩である。一般式(1)においてL、L、LおよびRは、互いに結合して炭化水素環、ヘテロ環、芳香環が縮合した縮合環を形成していてもよい。
一般式(1)においてL、L、L、およびRの少なくとも1つは、−SM基(Mはアルカリ金属原子、水素原子、アンモニウム基)を表す。ここにアルカリ金属原子とは具体的に、Na、K、Li、Mg、Ca等であり、これらは−Sの対カチオンとして存在する。Mとして好ましくは、水素原子、アンモニウム基、Na、またはKであり、特に好ましくは水素原子である。一般式(1)で表される化合物のうち、次の一般式(1−A)一般式(1−B)で表される化合物が好ましい。
Figure 0004951299
つぎに一般式(1−A)について詳細に説明する。R〜Rは各々独立に水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子で環に結合する任意の置換基を表すが、これは一般式(1)のL、L、Lと同義の基であり、その好ましい範囲もまた同じである。但し、RおよびRがヒドロキシ基を表すことはない。R〜Rは同じでも異なっていてもよいが、これらのうち少なくとも一つは−SM基である。Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基を表す。また、RとRは互いに結合して炭化水素環、ヘテロ環、芳香環が縮合した縮合環を形成していてもよい。
一般式(1−A)においてR〜Rの少なくとも1つは−SM基であるが、より好ましくはR〜Rの少なくとも2つが−SM基である。R〜Rの少なくとも2つが−SM基である場合、好ましくはRとR、もしくはRとRが−SM基である。
本発明においては、一般式(1−A)で表される化合物のうち、下記一般式(1−A−1)〜(1−A−3)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 0004951299
一般式(1−A−1)において、R10はメルカプト基、水素原子、または任意の置換基を表し、Xは水溶性基もしくは水溶性基で置換された置換基を表す。一般式(1−A−2)においてYは水溶性基もしくは水溶性基で置換された置換基を表し、R20は水素原子または任意の置換基を表す。一般式(1−A−3)においてYは水溶性基もしくは水溶性基で置換された置換基を表し、R30は水素原子または任意の置換基を表す。但し、R10およびYがヒドロキシ基を表すことはない。
つぎに、一般式(1−A−1)〜(1−A−3)で表される化合物について詳しく説明する。
一般式(1−A−1)において、R10はメルカプト基、水素原子または任意の置換基を表す。ここで任意の置換基とは、一般式(1−A)のR〜Rについて説明したものと同じものが挙げられる。R10として好ましくは、メルカプト基、水素原子、または炭素数0〜15の以下の置換基から選ばれる基である。すなわち、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基等が挙げられる。一般式(1−A−1)においてXは水溶性基もしくは水溶性基で置換された置換基を表す。ここに水溶性基とはスルホン酸基もしくはカルボン酸基およびそれらの塩、アンモニオ基のような塩、またはアルカリ性の現像液によって一部もしくは完全に解離しうる解離性基を含む基のことで、具体的にはスルホ基(またはその塩)、カルボキシ基(またはその塩)、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、アンモニオ基、スルホンアミド基、アシルスルファモイル基、スルホニルスルファモイル基、活性メチン基、またはこれらの基を含む置換基を表す。なお本発明において活性メチン基とは、2つの電子吸引性基で置換されたメチル基のことで、具体的にはジシアノメチル、α−シアノ−α−エトキシカルボニルメチル、α−アセチル−α−エトキシカルボニルメチル等の基が挙げられる。一般式(1−A−1)のXで表される置換基とは、上述した水溶性基、または上述の水溶性基で置換された置換基であり、その置換基としては、炭素数0〜15の置換基で、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルキル、アリールまたはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミド基、スルファモイルアミノ基、(アルキル、アリールまたはヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール)スルホニル基、スルファモイル基、アミノ基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基(特にアミノ基で置換されたメチル基)、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、(アルキル、アリールまたはヘテロ環)チオ基等の基である。
一般式(1−A−1)で表される化合物の中で、さらに好ましいものは下記一般式(1−A−1−a)で表される化合物である。
Figure 0004951299
式中R11は、一般式(1−A−1)のR10と同義であり、好ましい範囲も同じである。R12、R13はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。ただし、R12およびR13の少なくとも一方は、少なくとも1つの水溶性基を有する。ここに水溶性基とは、スルホ基(またはその塩)、カルボキシ基(またはその塩)、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、アンモニオ基、スルホンアミド基、アシルスルファモイル基、スルホニルスルファモイル基、活性メチン基、またはこれらの基を含む置換基を表し、好ましくはスルホ基(またはその塩)、カルボキシ基(またはその塩)、ヒドロキシ基、アミノ基等の基が挙げられる。R12およびR13は、好ましくはアルキル基またはアリール基であり、R12およびR13がアルキル基であるとき、アルキル基としては炭素数1〜4の置換もしくは無置換のアルキル基が好ましく、その置換基としては水溶性基、特にスルホ基(またはその塩)、カルボキシ基(またはその塩)、ヒドロキシ基、またはアミノ基が好ましい。R12およびR13がアリール基であるとき、アリール基としては炭素数が6〜10の置換もしくは無置換のフェニル基が好ましく、その置換基としては水溶性基、特にスルホ基(またはその塩)、カルボキシ基(またはその塩)、ヒドロキシ基、またはアミノ基が好ましい。R12およびR13がアルキル基またはアリール基を表すとき、これらは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。また環状構造により飽和のヘテロ環を形成してもよい。
一般式(1−A−2)においてYは水溶性基もしくは水溶性基で置換された置換基を表し、一般式(1−A−1)のXと同義である。一般式(1−A−2)においてYで表される水溶性基もしくは水溶性基で置換された置換基としてさらに好ましくは、活性メチン基、または水溶性基で置換された以下の基、即ちアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル基、アリール基である。Yとしてさらに好ましくは、活性メチン基、または水溶性基で置換された(アルキル、アリール、もしくはヘテロ環)アミノ基であり、ここに水溶性基としてはヒドロキシ基、カルボキシ基またはその塩、スルホ基またはその塩が特に好ましい。Yとして特に好ましくは、ヒドロキシ基、カルボキシ基(またはその塩)、またはスルホ基(またはその塩)で置換された(アルキル、アリール、もしくはヘテロ環)アミノ基であり、−N(R01)(R02)基で表される。ここにR01、R02は、それぞれ一般式(1−A)のR12、R13と同義の基であり、その好ましい範囲もまた同じである。
一般式(1−A−2)においてR20は水素原子または任意の置換基を表すが、ここで任意の置換基とは、一般式(1−A)のR〜Rについて説明したものと同じものが挙げられる。R20として好ましくは、水素原子または炭素数0〜15の以下の置換基から選ばれる基である。すなわち、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシルアミノ基等が挙げられる。R20として最も好ましくは水素原子である。
一般式(1−A−3)においてYは水溶性基もしくは水溶性基で置換された置換基を表し、R30は水素原子または任意の置換基を表す。一般式(1−A−3)におけるY、R30はそれぞれ式(1−A−2)のY、一般式(1−A−2)のR20と同義の基であり、その好ましい範囲もまた同じである。
つぎに、一般式(1−B)について詳細に説明する。一般式(1−B)におけるR〜Rは、各々独立に一般式(1−A)のR〜Rと同義であり、その好ましい範囲もまた同じである。一般式(1−B)で表される化合物のうち一般式(1−B−1)で表される化合物が特に好ましい。
一般式(1−B−1)
Figure 0004951299
一般式(1−B−1)において、R50は一般式(1−B)のR〜Rと同義であり、より好ましくは一般式(1−A−1)〜(1−A−3)のX、Y、Yと同義の水溶性基もしくは水溶性基で置換された基である。さらに、一般式(1−B−1)の化合物のうち最も好ましくは一般式(1−B−1−a)で表される化合物である。
一般式(1−B−1−a)
Figure 0004951299
一般式(1−B−1−a)においてR51、R52は一般式(1−A−1−a)のR12、R13と同義の基であり、その好ましい範囲もまた同じである。
以下に、一般式(1)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明で用いることができる一般式(1)で表される化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004951299
Figure 0004951299
Figure 0004951299
Figure 0004951299
一般式(3)及び(4)において、R21、R22、R23、R24及びR25で表されるアルキル基は、好ましくは炭素数1〜3であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、R26及びR27で表されるアルキル基は、好ましくは炭素数1〜5であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が、アシル基は、好ましくは炭素数18以下であり、例えば、アセチル基、ベンゾイル基等が挙げられる。M22で表されるアルキル基は、好ましくは炭素数1〜4であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基は、好ましくは炭素数15以下であり、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
一般式(3)又は(4)で表される化合物は種々の合成法が知られているが、例えばアミノ酸合成法として知られているシュトレッカーアミノ酸合成法を用いてもよく、アミノ酸のアセチル化は水溶液中でアルカリと無水酢酸を交互に添加して行う。
次に、一般式(3)又は(4)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
Figure 0004951299
Figure 0004951299
Figure 0004951299
一般式(5)中のX40の表す低級アルキル基は、好ましくは炭素数1〜5の直鎖、または分岐のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基などが挙げられる。一般式(5)で表される具体的化合物例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004951299
これら防錆剤を単独あるいは複数種併用して用いることができる。
本発明で使用される防錆剤は、防錆剤を含有する浴で電磁波シールド膜を処理することで含ませることができ、例えば水溶液とした後、該水溶液に導電性金属部を形成させた透明基材を浸漬すること等により導電性金属部に適用される。防錆処理は、焼成処理後の導電性金属部に行うのが好ましい。このときに使用される防錆剤水溶液は、防錆剤化合物を、1リットル中、10−6〜10−1molの濃度、好ましくは10−5〜10−2molの濃度として含有するのが好ましい。また、水溶液のpHは、防錆剤を溶解する観点から、2〜12に調整することが好ましく(更に好ましくは5〜10に調整)、pH調整は通常の水酸化ナトリウムや硫酸などのアルカリや酸のほか、緩衝剤として、リン酸やその塩、炭酸塩、酢酸やその塩、ホウ酸やその塩などを用いることができる。また、水溶液の温度は、0〜100Cの範囲で設定れ、防錆剤を溶解する観点から10〜80Cが好ましい。
防錆剤は、メッシュ状の細線に吸着しているものと推定され、その状態で防錆・安定化効果を発揮するものと考えられる。
また、本発明において、防錆剤は、変色耐性の効果、経済性などの観点から金属パターンに対して0.001g/m2〜0.04g/m2の範囲で設けられることが好ましい。より好ましくは、0.003g/m2〜0.03g/m2であり、更に好ましくは、0.01g/m2〜0.02g/m2である。
防錆剤の含有量は、防錆剤水溶液の濃度、pH、温度、浸漬時間によって調節できる。また、防錆剤の含有量は本発明の試料から防錆剤を抽出したのち液体クロマトグラフィーやNMRなどの分析法によって定量することが可能である。尚、防錆剤を抽出する際は、金属パターンを硝酸やEDTA・Fe(III)錯体などで酸化・溶解させて抽出する、または、アルカリ水溶液で抽出する、などの方法から適切なものを選択することができる。
[機能性膜]
本発明の透光性電磁波シールド膜には、必要に応じて、所望の機能を有する機能性透明層を設けていてもよい。例えば、ディスプレイ用パネルの用途としては、赤外線を吸収する化合物や金属からなる赤外線遮蔽性を有する層;傷のつき難いハードコート層;屈折率や膜厚を調整した反射防止性を付与した反射防止層;ぎらつき防止機能などの妨眩性を有するノングレアー層またはアンチグレアー層;静電気を防止する層;指紋などの汚れを除去しやすい機能を有した防汚性層;紫外線をカットする層;ガスバリア性を有する層;例えばガラス破損時のガラス飛散防止機能を有する表示パネル破損防止層などを設けることができる。これらの機能層は、導電性金属部の上に設けてもよく、透明基材を介して導電性金属部の反対側に設けてもよい。
上記機能性透明層のいくつかについてさらに説明する。
赤外線遮蔽性を有する層、例えば近赤外線吸収層は、金属錯体化合物等の近赤外線吸収色素を含有する層、または、銀スパッタ層等である。ここで銀スパッタ層は、誘電体層と金属層を基材上に交互にスパッタリング等で積層させることで、近赤外線、遠赤外線から電磁波まで1000nm以上の光をカットすることもできる。誘電体層は誘電体として酸化インジウム、酸化亜鉛等の透明な金属酸化物等を含む。上記金属層に含まれる金属としては銀或いは銀−パラジウム合金が一般的である。上記銀スパッタ層は、通常、誘電体層よりはじまり3層、5層、7層或いは11層程度積層した構成を有する。
PDPにおいては、青色を発光する蛍光体は青色以外に僅かであるが赤色を発光する特性を有している為、青色に表示されるべき部分が紫がかった色で表示されるという問題がある。上記特定の波長域の可視光を吸収する色調調節機能をもった層は、この対策として発色光の補正を行う層であり、595nm付近の光を吸収する色素を含有する。
反射防止性を付与した反射防止層を形成する方法としては、外光の反射を抑えてコントラストの低下を抑えるために、金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、硫化物等の無機物を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、またはイオンビームアシスト法等で単層或いは多層に積層させる方法やアクリル樹脂、フッ素樹脂等の屈折率の異なる樹脂を単層或いは多層に機能性層上に積層させる方法等がある。また、反射防止処理を施したフィルムを膜上に貼り付けることもできる。
ノングレアー層やアンチグレアー層を形成する方法としては、シリカ、メラミン、アクリル等の微粉体をインキ化して、表面にコーティングする方法等を用いることができる。この際、インキの硬化は熱硬化或いは光硬化等を用いることができる。また、ノングレア処理またはアンチグレア処理をしたフィルムを膜上に貼り付けることもできる。
本発明の透光性電磁波シールド膜は、良好な電磁波シールド性および透光性を有するため、とくにディスプレイパネル用フィルムとして有用である。本発明の透光性電磁波シールド膜からなるディスプレイパネル用フィルムは、例えば前記の機能性透明層を設けてプラズマディスプレイパネル用光学フィルターとして使用することもできる。これらの部材は、CRT、PDP、液晶、ELなどのディスプレイ前面、電子レンジ、電子機器、プリント配線板などに適用することができ、特にPDPに有用である。
本発明のPDPは、高電磁波シールド能、高コントラストおよび高明度であり、且つ低コストで作製することができる。
以下に本発明の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
透明プラスチック基材として、ゼラチン下塗り層を設けた、厚さ100μmの透明ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムを用い、その上に、スクリーン印刷法にて、下記の銀ペーストを印刷した。
次いで、150℃で60分加熱処理した。得られたメッシュパターンは、ライン幅20μm、ピッチ300μmの銀の格子状メッシュであった。
更に、表1記載の本発明に用いる化合物(0.1モル/L)を含有する水溶液にて、防錆処理を行った。なお防錆処理は、上記の水溶液に3分間浸漬することにより行った。
防錆処理後は、水洗、乾燥し、本発明の試料を得た。
(銀ペーストの作成)
Carey−Leaの銀ゾル調製法(M.Carey Lea,Brit.J.Photog.,24巻297頁(1877)および27巻279頁(1880)参照)に準拠して、硝酸銀溶液を還元し、金属銀微粒子を調製した後、塩化金酸溶液を加え、銀を主成分とする銀金微粒子を調製し、限外ろ過を行って、副生成する塩を除いた。得られた微粒子の粒子サイズは、電子顕微鏡観察の結果、ほぼ10nmであった。
この粒子を、イソプロピルアルコールを含有する溶剤とバインダーと混合し、ペーストを作成した。
この印刷パターンを構成する金属に対する銀の質量%は96%であった。
(比較例1)
防錆処理を行わない以外は、実施例1と同様にして、試料を作成した。
<評価法>
(表面抵抗)
三菱化学製低抵抗率計ロレスタにて、表面抵抗率を測定した。
下記表1に記載の試料は、0.6Ω/□であった。
(耐薬品性(耐塩水性))
生理食塩水を用いて、上記試料を1時間浸漬し、乾燥後、浸漬部の金属部の変色状況を目視評価した。変色が認められたものを×とし、変色が認められなかったものを○とした。
(耐熱性)
100℃にて1週間の耐熱性試験を行い、試験後の表面抵抗の上昇(導電性の低下)が、1Ω/□以上のものを×とし、1Ω/□未満のものを○とした。
Figure 0004951299

表1から判るように、実施例1に示した本発明の試料は、耐塩水性のような耐薬品性、耐熱性等の耐久性に優れることが判明した。また、表面低効率も十分に低く、電磁波シールド能を有することも確認できた。
また、意外なことに、鉛筆硬度(表面硬度)やテープ剥離性(密着性)の点で改善効果が認められた。
[実施例2]
実施例1の銀ペースト作成時の塩化金酸を用いることなく、銀ペーストを作成し、実施例1と同様して銀ペーストを印刷した。加熱処理の後、NaPdCl・2H0水溶液(0.01M)で処理した以外は実施例1と同様にして、防錆剤を含有する本発明試料実施例2−A〜2−Dを作成した。また、防錆剤を用いない比較試料2を作成した。また、NaPdCl・2H0処理、防錆剤処理しない比較試料3を作成した。
<評価法>
(光透過性部の変色耐性)
100℃にて1週間の経時試験を行い、経時後410nmの透過率の減少が8%以上のものを×、4〜8%のものを△、4%以下のものを〇とした。
Figure 0004951299
上記の結果から分かるように、NaPdCl・2H0水溶液で処理した試料のうち、防錆剤で処理しなかったものは、金属部ではなく光透過性部分が経時で著しく変色する問題が発生した。これに対して、金属に対して防錆処理した本発明試料では、驚くべきことに、金属部でなく光透過性部の透過率低下(変色)が少ないことが分かった。また本発明の中でも一般式(1)の化合物である化合物21、32が特に優れた効果を発揮した。
また、本実施例の試料はパラジウム処理しているために、印刷パターンが黒色となっており、パラジウム処理しなかった試料が銀色の反射色を有していたのに対し、その反射が著しく低減されていた。この為、ディスプレイ用の透光性電磁波シールド膜として好適に利用できることがわかった。

Claims (20)

  1. 透明基材上に、銀を主成分とする印刷パターンと、防錆剤を少なくとも一種備えてなる透光性電磁波シールド膜であって、前記防錆剤を前記印刷パターンに対して0.001g/m 〜0.04g/m の量で有することを特徴とする透光性電磁波シールド膜。ただし、銀を主成分とする印刷パターンとは、導電性金属部と光透過性部とから構成され、該パターンを構成する金属に対する銀の質量%が85%以上である印刷パターンを指す。
  2. 銀を主成分とする印刷パターンが、銀と銀以外の貴金属を含有することを特徴とする請求項1に記載の透光性電磁波シールド膜。
  3. 銀を主成分とする印刷パターンが、銀とパラジウム、または、銀と金を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の透光性電磁波シールド膜。
  4. 前記防錆剤が、N−H構造を有する5員環アゾール化合物であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜。
  5. 前記防錆剤が有機メルカプト化合物であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜。
  6. 前記防錆剤が、N−H構造を有する5員環アゾール化合物と有機メルカプト化合物の組み合わせであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜。
  7. 前記有機メルカプト化合物が下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項又はに記載の透光性電磁波シールド膜。
    一般式(2)
    Z−SM
    〔一般式(2)において、Zはアルキル基、芳香族基若しくはヘテロ環基であって、ヒドロキシル基、−SO基、−COOM基(ここでMは水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表す)、アミノ基およびアンモニオ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基または、この群より選ばれる少なくとも1つを有する置換基によって置換されている基を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子、またはアミジノ基(これはハロゲン化水素酸塩もしくはスルホン酸塩を形成していてもよい)を表す。〕
  8. 前記有機メルカプト化合物が下記一般式(1)、(3)〜(5)から選択された1種類以上の有機メルカプト化合物であることを特徴とする請求項又はに記載の透光性電磁波シールド膜。
    一般式(1)
    Figure 0004951299
    [一般式(1)において、−D=および−E=は各々独立に−CH=基、−C(R)=基、または−N=基を表し、Rは置換基を表す。L、LおよびLは各々独立に水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子のいずれかで環に結合する任意の置換基を表す。但しL、L、LおよびRの少なくとも1つは、−SM基(Mはアルカリ金属原子、水素原子またはアンモニウム基を表す)を表す。
    一般式(3)、一般式(4)
    Figure 0004951299
    〔一般式(3)、(4)中、R21及びR22はそれぞれ水素原子又はアルキル基を表す。但し、R21とR22は同時に水素原子であることはなく、また上記アルキル基は置換基を有していてもよい。R23及びR24はそれぞれ水素原子又はアルキル基を表し、R25はヒドロキシル基(またはその塩)、アミノ基、アルキル基又はフェニル基を表す。
    26及びR27はそれぞれ水素原子、アルキル基、アシル基又は−COOM22を表す。但しR26とR27は同時に水素原子であることはない。M21は水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基を表す。M22は水素原子、アルキル基、アルカリ金属原子、アリール基又はアラルキル基を表す。mは0、1又は2を表す。nは2を表す。〕
    一般式(5)
    Figure 0004951299
    〔一般式(5)中、X40は水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基又はスルホ基を表し、M41及びMaはそれぞれ水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基を表す。〕
  9. 前記有機メルカプト化合物が前記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項に記載の透光性電磁波シールド膜。
  10. 赤外線遮蔽性、ハードコート性、反射防止性、妨眩性、静電気防止性、防汚性、紫外線カット性、ガスバリア性及び表示パネル破損防止性から選択された1つ以上の機能を有する機能性透明層をさらに備えてなることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜を用いることを特徴とするディスプレイパネル用フィルム。
  12. 請求項11に記載のディスプレイパネル用フィルムを用いることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用光学フィルター。
  13. 請求項11に記載のディスプレイパネル用フィルムまたは請求項12に記載のプラズマディスプレイパネル用光学フィルターを有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  14. 透明基材上に、金属に対する銀の質量%が85%以上である銀を主成分とする金属微粒子を印刷して導電性金属部と光透過性部とから構成される印刷パターンを形成した後、該導電性金属部と光透過性部とから構成される印刷パターンを少なくとも1種類の防錆剤を含有する防錆剤水溶液に浸漬することにより防錆処理する透光性電磁波シールド膜の製造方法であって、
    前記防錆剤水溶液は、前記防錆剤を、1リットル中、10 −6 〜10 −1 molの濃度として含有することを特徴とする透光性電磁波シールド膜の製造方法。
  15. 前記導電性金属部と前記光透過性部とから構成される印刷パターンを、Pdイオンを含む液で処理した後、前記少なくとも1種の防錆剤で防錆処理することを特徴とする請求項14に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
  16. 前記防錆剤を前記印刷パターンに対して0.001g/m 〜0.04g/m の量で有することを特徴とする請求項14又は15に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
  17. 前記導電性金属部と前記光透過性部とから構成される印刷パターンが、前記金属微粒子、バインダーおよび溶剤を含有するペースト又はインクを用いて形成され、該金属微粒子、該バインダーおよび該溶剤の構成比率(質量比)が、該金属微粒子1に対し、該バインダー10 −5 〜10 、該溶剤1〜10 であることを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
  18. 前記導電性金属部を50〜1000℃で焼成することを特徴とする請求項14〜17のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
  19. 透明基材上に、銀を主成分とする印刷パターンと、防錆剤を少なくとも一種備えてなる膜であって、前記防錆剤を前記印刷パターンに対して0.001g/m 〜0.04g/m の量で有することを特徴とする膜。ただし、銀を主成分とする印刷パターンとは、導電性金属部と光透過性部とから構成され、該パターンを構成する金属に対する銀の質量%が85%以上である印刷パターンを指す。
  20. 透明基材上に、金属に対する銀の質量%が85%以上である銀を主成分とする金属微粒子を印刷して導電性金属部と光透過性部とから構成される印刷パターンを形成した後、該導電性金属部と光透過性部とから構成される印刷パターンを少なくとも1種類の防錆剤を含有する防錆剤水溶液に浸漬することにより防錆処理する膜の製造方法であって、
    前記防錆剤水溶液は、前記防錆剤を、1リットル中、10 −6 〜10 −1 molの濃度として含有することを特徴とする膜の製造方法。
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