JP2007078439A - 容量検出型センサ素子 - Google Patents

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淳人 安井
Yasushi Fukumoto
康司 福元
Masaya Osada
昌也 長田
Kazuhiro Matsuhisa
和弘 松久
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Abstract

【課題】振動子と検出電極との間のギャップ変位を検出する容量検出型センサ素子において、挟ギャップに対応して良好な検出感度を実現しつつ、その場合であっても振動子の貼り付きの発生を回避し得るようにする。
【解決手段】外力で変位するように支持される振動子11と、前記振動子11と所定間隔を持って対向する検出電極21とを備え、これらの間の静電容量変化によって前記振動子11の変位を検出するように構成された容量検出型センサ素子において、前記振動子11における前記検出電極21との対向面または前記検出電極21の前記振動子11との対向面の少なくとも一方に絶縁膜11aを形成し、これにより振動子11の変位で当該振動子11が検出電極21に接触しても、その接触箇所の貼り付き発生を防止する。
【選択図】図2

Description

本発明は、振動子と検出電極とが所定間隔を持って配され、これらの間の静電容量変化によって振動子の変位を検出する容量検出型センサ素子に関する。
近年、いわゆるマイクロマシン(超小型電気的・機械的複合体;Micro Electro-Mechanical Systems、以下「MEMS」という)構造を利用した機能素子の一つとして、角速度センサや加速度センサ等として用いられる容量検出型センサ素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。容量検出型センサ素子は、外部からの慣性力で変位するように支持される振動子と、その振動子と対向する検出電極とを備え、これらの間の静電容量変化を検出するように構成されたものである。かかる構成により、容量検出型センサ素子では、振動子と検出電極との間の間隔(ギャップ)を精度良く管理することが、安定的な性能を確保し、また検出感度の向上を図る上でも非常に重要となる。
特開2005−195574号公報
ところで、容量検出型センサ素子においては、振動子の質量(マス)を十分に確保するとともに、振動子と検出電極との間の間隔(ギャップ)を狭く設定することが、振動子の変位量の検出感度向上を図る上でも非常に重要となる。
しかしながら、振動子と検出電極との間のギャップが狭いと、振動子の変位量の検出動作中に、その振動子の検出電極への貼り付きが起こる可能性がある。振動子の貼り付きは、振動子の変位により当該振動子が検出電極に接触した際に、その接触箇所での導通により溶着が生じることで起こり得る。また、接触箇所における表面状態も、貼り付きの発生に大きな影響を与える。このような振動子の貼り付きは、容量検出型センサ素子における検出機能を阻害するものであり回避すべきである。
貼り付きの発生を回避するためには、Si基板とガラス基板間のギャップを広くすることが考えられる。ところが、容量検出型センサ素子における検出感度はギャップ間隔に反比例するため、広いギャップでは検出感度の低下を招いてしまう。
そこで、本発明は、挟ギャップに対応して良好な検出感度を実現しつつ、その場合であっても振動子の貼り付きの発生を回避することのできる容量検出型センサ素子を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出された容量検出型センサ素子である。すなわち、外力で変位するように支持される振動子と、前記振動子と所定間隔を持って対向する検出電極とを備え、これらの間の静電容量変化によって前記振動子の変位を検出するように構成された容量検出型センサ素子において、前記振動子における前記検出電極との対向面または前記検出電極の前記振動子との対向面の少なくとも一方に絶縁膜が形成されていることを特徴とする。
上記構成の容量検出型センサ素子によれば、振動子における検出電極との対向面または検出電極の振動子との対向面の少なくとも一方に絶縁膜が形成されているので、振動子の変位により当該振動子が検出電極に接触しても、その接触箇所での導通が生じたり、その導通による溶着が生じたりすることがない。したがって、振動子と検出電極とが接触しても、その接触箇所が貼り付いてしまうことなく、その接触後に再び離脱し得るようになる。また、絶縁膜を形成しても、検出電極がその絶縁膜の膜厚を含むギャップ間の静電容量変化を検出することになり、振動子と検出電極との間隔が広くなるのを抑制し得るので、検出感度の低下を招いてしまうこともない。
以上のように、本発明に係る容量検出型センサ素子では、振動子における検出電極との対向面または検出電極の振動子との対向面の少なくとも一方に絶縁膜が形成されているので、振動子の変位により当該振動子が検出電極に接触しても、その接触箇所が貼り付いてしまうことがない。しかも、その貼り付き回避のために、検出感度の低下を招いてしまうこともない。したがって、容量検出型センサ素子としての検出機能が阻害されることなく、挟ギャップに対応して良好な検出感度を実現することができる。
つまり、本発明によれば、挟ギャップに対応して良好な検出感度を実現しつつ、その場合であっても振動子の貼り付きの発生を回避することのできる容量検出型センサ素子を提供することができる。
以下、図面に基づき本発明に係る容量検出型センサ素子について説明する。
〔センサ素子の基本構成の説明〕
先ず、本発明に係る容量検出型センサ素子について、その基本的な概略構成および処理動作を、容量検出型センサ素子の一種である角速度センサ素子に適用した場合を例に挙げて説明する。
図1〜6は、本発明が適用された角速度センサ素子の構成例を示す説明図である。このうち、図1は、概略構成の平面図、図2は図1におけるA−A’間の断面図、図3は図1におけるB−B’間の断面図、図4は図1におけるC−C’間の断面図、図5および図6は要部平面図を示している。
図1〜6に示すように、ここで説明する角速度センサ素子は、変位可能に支持された二つの振動子11を有している。各振動子11は、バネ部12および支柱13を介して、Si基板14上に支持されている。すなわち、各振動子11は、バネ部12および支柱13を介することで、Si基板14の上面に対して浮動可能に支持され、またバネ部12の弾性によりその支持状態が変位し得るようになっている。これにより、各振動子11は、外力で変位するように支持されることになる。
バネ部12上には、絶縁体膜15を介してバネ部12と絶縁された電極16a,16b,16cが配されている。このうち、電極16aは、詳しくは後述のように、電磁駆動用の電極として機能する。電極16bは、電磁駆動で一方の振動子11が動作したときに発生する誘導起電力を検出するためのモニタ電極として機能する。また、電極16cは、振動子11を用いて角速度検出を行うために、これらをSi基板14と電気的に接続させる電極として機能する。これらの電極16a,16b,16cは、金メッキ支柱17を通して、引き出し電極18によりフレーム19の外側に引き出されている。
一方、振動子11と所定間隔を持って対向するそれぞれの位置には、振動子11との間の静電容量変化を検出するための検出電極21が配されている。検出電極21は、電極支持基板22の片面側に、酸化膜23を介して形成されている。電極支持基板22としては、Si基板を用いることが考えられるが、ガラス基板を用いても構わない。その場合は、酸化膜23は不要である。この検出電極21も、電極16a,16b,16cと同様に、電極24によりフレーム19の外側に引き出されている。
そして、ここで説明する角速度センサ素子は、振動子11を変位可能に支持するSi基板14と、検出電極21を有した電極支持基板22とが、Si基板14上の振動子11側に配されたフレーム19の部分で互いに接合されており、これにより検出電極21が振動子11と所定間隔を持って対向するように配置されることになる。
なお、振動子11における検出電極21との対向面には、詳細を後述するように、絶縁膜11aが形成されている。
また、電極支持基板22の上面側には、角速度センサ素子を駆動するための磁石41が配されている。この磁石41は、電極支持基板22の上面側ではなく、Si基板14の下面側に配されていてもよい。
続いて、以上のように構成された角速度センサ素子における動作原理について説明する。
電極16aに対してある周期を持った電流が流れると、その電流の周期性により、別の時点では流れる方向が逆になることもある。したがって、電極16aに電流が流れると、磁石41からの磁界により、ローレンツ力がX方向(バネ部12の弾性方向に沿った方向)に発生する。ローレンツ力Florentzは下記の(1)式で表され、配線方向との直交方向にその力が誘起される。
lorentz=IBL・・・(1)
ここで、Iは電極16aに流れる電流、Bは磁束密度、Lは電極配線の長さである。
ローレンツ力は印加される電流と同じ周期性をもって一方の振動子11に印加されるため、その振動子11は、支柱13を固定点とし、バネ部12が弾性変形する範囲で、振幅運動を繰り返す。そして、他方の振動子11は、支柱13を固定点とし、バネ部12が弾性変形する範囲で、一方の振動子11と180°の位相ずれを持ちながら振幅運動を繰り返す。
このときに、外部からY軸(X方向と直交方向の軸)まわりに角速度が与えられると、振動方向との直交方向にコリオリ力が発生する。コリオリ力Fcoriolisは下記の(2)式で表される。
coriolis=2mvΩ
ここで、mは振動子の質量、vは駆動方向の振動速度、Ωは外部から印加される角速度である。
コリオリ力で発生した変位を大きく取るためには、質量m、駆動角振動数ωx、駆動変位xm(ωxおよびXmは駆動振動速度vの対応パラメータ)を大きく取る必要がある。電磁駆動の場合、静電駆動で必要な櫛歯電極を必要としないため、大きな変位を取ることが可能となる。
コリオリ力が発生すると、振動子11は、Z軸(X軸、Y軸のいずれとも直交する方向の軸)方向に振動する。その際、電極支持基板22が有する検出電極21と、振動子11との間に、容量の変化が現れることになる。すなわち、一方は電極に近づく方向に振動子が傾き、他方は遠ざかる方向に振動子が傾く、といった具合である。したがって、それぞれにおける容量差分を検出することで、印加される角速度の算出が可能となる。
なお、角速度が印加されたときには、それぞれの検出電極21と振動子11間に発生する容量変化量が異なるが、並進加速度が印加された際には、発生する容量変化量は異ならないため、差分を取っても容量差が生じない。よって、それぞれにおける容量差分を検出することで、印加される角速度を算出すれば、角速度印加の時に発生する加速度成分を除去することができる。
また、ローレンツ力を発生させた際、電極16bには誘導起電力が発生する。この誘導起電力は、ローレンツ力と同じ周期を持って発生している。したがって、容量変化を読み取る際に、検出電極21と振動子11間に搬送波を乗せ、容量変化により発生した電流を増幅することにより実際の信号を取り出せば、搬送波は同期検波により除去され、また駆動波に関しても誘導起電力の周期成分で検波できるので、角速度に対応した直流信号を取り出せるようになる。
以上のような基本構成は、角速度センサ素子についての例であるが、他の容量検出型センサ素子である加速度センサ素子や圧力センサ素子等についても略同様の基本構成を適用することは可能である。
〔センサ素子の特徴的な構成の説明〕
次に、本発明に係る容量検出型センサ素子の特徴的な構成について、ここでも角速度センサ素子を例に挙げて説明する。
ここで説明する角速度センサ素子では、振動子11における検出電極21との対向面に絶縁膜11aが形成されている。絶縁膜11aは、例えばSiからなる振動子11に対して、その酸化膜(SiO2膜)または窒化膜(SiN膜)によって形成することが考えられるが、振動子11および検出電極21の間の絶縁性を確保し得るものであれば、他の形成材料からなるものであってもよい。
ところで、振動子11は、上述したように、電極16aに流れる電流を利用した電磁駆動によって、外部から角速度が印加された場合の変位方向と直交方向に励振するようになっている。そのために、振動子11の一部およびこれを支持するバネ部12には、振動子11を励振させるために、絶縁体膜15を介して電極16a,16bが配設されている。この絶縁体膜15は、振動子11の検出電極21側の面を覆う絶縁膜11aと同一のものであっても、あるいは絶縁膜11aとはべつにのものであってもよい。いずれの場合であっても、電極16a,16bは、絶縁膜11aに覆われることなく、検出電極21側に露出することになる。
このことから、電極16a,16bは、図6に示すように、振動子11の励振方向に沿った平面上で、振動子11を励振させた際であっても、検出電極21と重なり合うことのない位置に配されているものとする。すなわち、振動子11の励振方向に沿った平面上にて、その振動子11上における電極16a,16bと検出電極21との間には、励振時の最大振幅以上の距離(図中矢印D部分)を隔てて配されている。
一方、検出電極21については、振動子11との対向面積(平面的に重なり合う面積)、すなわち静電容量変化の検出に寄与する面積が、振動子11の励振時であっても一定となるように、振動子11励振時の励振方向における幅が設定されているものとする。すなわち、検出電極21は、振動子11の励振方向における幅が、その振動子11自体の幅(ただし、電極16a,16bの形成部分を含まない幅)から励振時の最大振幅を除いた大きさよりも狭く形成されている。
また、検出電極21については、その表面粗さ、すなわち振動子11の側における面粗さが、Rms(Root Mean Square)>5nm程度であることが望ましい。なお、面粗さの値の上限は、検出電極21としての膜均一性を保てる程度の値であればよい。
以上のような構成の角速度センサ素子では、振動子11における検出電極21との対向面に絶縁膜11aが形成されているので、振動子11の変位により当該振動子11が検出電極21に接触しても、その接触箇所での導通が生じたり、その導通による溶着が生じたりすることがない。したがって、振動子11と検出電極21とが接触しても、その接触箇所が貼り付いてしまうことなく、その接触後に再び離脱し得るようになる。また、絶縁膜11aを形成しても、検出電極21がその絶縁膜11aの膜厚を含むギャップ間の静電容量変化を検出することになり、振動子11と検出電極21との間隔が広くなるのを抑制し得るので、貼り付き回避のために検出感度の低下を招いてしまうこともない。
したがって、本実施形態で説明した角速度センサ素子によれば、容量検出型センサ素子としての検出機能が阻害されることなく、挟ギャップに対応して良好な検出感度を実現することができ、さらにはその場合であっても振動子11の貼り付きの発生を回避することのできるのである。
しかも、本実施形態で説明した角速度センサ素子では、振動子11の一部およびこれを支持するバネ部12に設けられた電極16a,16bと検出電極21とが、振動子11の励振方向に沿った平面上で、振動子11を励振させた際であっても互いに重なり合うことのない位置に配されている。つまり、振動子11の励振時に、その振動子11が検出電極21に近づく方向に変位しても、その変位によって電極16a,16bと検出電極21とが接触してしまうことがなく、検出電極21は絶縁膜11aのみと接触することになる。したがって、振動子11の貼り付きを確実に回避して、安定した動作を実現し得るのである。
さらに、本実施形態で説明した角速度センサ素子では、振動子11と検出電極21との対向面積が振動子11の励振時であっても一定となるように、検出電極21の幅が設定されている。したがって、振動子11の貼り付きを回避して安定した動作を実現しつつ、振動子11と検出電極21との間に形成される容量変化が一定となるので、良好な検出精度を実現することができる。
また、本実施形態で説明した角速度センサ素子では、検出電極21の表面粗さがRms>5nm程度であり、適度に荒れた状態となっている。したがって、表面状態に起因するスティクションの発生を抑制し得るようになり、この点によっても振動子11の貼り付きの発生を回避できるようになる。
〔センサ素子の製造方法の説明〕
次に、以上のような構成の角速度センサ素子の製造方法を説明する。
図7〜10は、本発明が適用された角速度センサ素子の製造方法の一具体例を示す説明図である。図例は、図1におけるA−A’間の断面について示している。
先ず、振動子11を変位可能に支持するSi基板14側の製造手順について説明する。
Si基板14側の製造には、図7(a)に示すように、上部Si層10aと下部Si層10bとを二酸化ケイ素(SiO2)からなる絶縁層10cで挟み込んだSOI(Silicon on Insulator)基板を用いる。そして、図7(b)に示すように、そのSOI基板にアライメントマークおよびダイシングラインS1を形成する。これは、電極支持基板22とのアライメントを行う際、および、チップ状への切り出しを行う際の基準マークとなるものである。
アライメントマークおよびダイシングラインの形成後は、図7(c)に示すように、上部Si層10aが所望の膜厚となるように、その全面にエッチングS2を行う。このエッチングS2は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)または水酸化カリウム(KOH)を用いたウエットエッチでもよいし、化学的、物理的ドライエッチでもよい。また、所望膜厚が予めわかっているならば、その膜厚の基板を用意して、これをエッチング無しで用いてもよい。そして、さらに、図7(d)に示すように、金属接合のためのフレーム19を形成すべく、上部Si層10aに対する選択的な部分エッチングS3を行う。このときのエッチングS3も、ウエットエッチ、ドライエッチのいずれでもよい。このエッチング残膜厚により、振動子11の膜厚およびバネ部12の膜厚が決定されることになる。
そして、エッチングS2の後は、図7(e)に示すように、上部Si層10aの表面に対して酸化処理または窒化処理を行い、その表面に絶縁膜11aを形成する。この絶縁膜11aの形成膜厚は、酸化または窒化の処理時間によって制御することが考えられる。
以上のようなエッチングS2の深さおよび絶縁膜11aの形成膜厚によって、振動子11と検出電極21との間のギャップ、すなわちセンサ感度が決定することになる。エッチング深さは、1μm程度とすることが考えられるが、必要なセンサ感度に合わせて0.2〜10μm程度としてもよい。
その後は、図8(a)および図8(b)に示すように、振動子11上の一部およびバネ部12上に絶縁体膜15および電極16を形成する。絶縁体膜15は、上部Si層10aと電極16との間の絶縁性を保持できるものであればよく、絶縁膜11aと同様にSiO2やSiN等を用いることが考えられる。また、既に形成した絶縁膜11aを利用することで、絶縁体膜15の形成を省略してもよい。電極16は、電子ビーム蒸着により形成することが考えられる。ただし、リフトオフ法により形成してもよく、その場合には配線エッチングをウエットエッチングまたはドライエッチングのどちらで行ってもよい。また、電極16の形成材料としては、Au、PtおよびCrの積層膜を用いることが考えられるが、その他にもAuとTi、AuとCr、AuとNi、AuとCu等の二層金属材料、AuとPtとTi、AuとNiとCr、AuとNiとTi、AuとCuとCr、AuとCuとTi等の三層金属材料を用いてもよい。さらには、AuとSnの共晶金属を用いたり、Tiの代わりにTiNとTiとの積層材料を用いたりすることも考えられる。また、形成手法については、スパッタ法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法等を用いてもよい。このようにして形成される電極16が、ローレンツ印加、誘導起電力検出または容量検出のために用いられる電極16a,16b,16cを構成することになる。
そして、図8(c)および図8(d)に示すように、に示すように、振動子11およびバネ部12を形成するための反応性イオンエッチングS4および絶縁層10cを除去するエッチングS4を行う。さらには、図8(d)に示すように、SOI基板の裏面側に対しても、反応性イオンエッチングS5を行い、これにより下部Si層10bおよび絶縁層10cの一部を除去する。このとき、支柱13となる上部Si層10aおよび絶縁層10cの一部、並びに、フレーム19となる上部Si層10aおよび絶縁層10cの一部は残して、下部Si層10bと接続させる。これにより、他の部分が中空構造となり、振動子11およびバネ部12が形成される。また、支柱13は、下部Si層10bに固定される。この下部Si層10bの残部が、Si基板14となる。
以上のような手順で、振動子11を変位可能に支持するSi基板14が形成されるのである。
次に、振動子11と対向する検出電極21を有した電極支持基板22側の製造手順について説明する。
電極支持基板22側の製造にあたっては、図9(a)に示すように、例えばSi基板からなる電極支持基板22を用意し、その電極支持基板22の片面に酸化膜23を形成するとともに、さらに配線電極24を電子ビーム蒸着により形成する。電極支持基板22は、ガラス基板を用いても構わない。その場合は、酸化膜23は不要である。また、配線電極24は、Au膜厚200nm/Ti膜厚50nmで形成することが考えられるが、50〜1000nmであればどの膜厚でも良く、またAuとCr、AuとNi、AuとCu等の二層金属材料、AuとPtとCr、AuとPtとTi、AuとNiとCr、AuとNiとTi、AuとCuとCr、AuとCuとTi等の三層金属材料、AuとSnの共晶金属を用いてもよい。その場合に、形成方法は、スパッタ法やCVD法を用いてもよい。
配線電極24の形成にあたっては、その表面粗さがRms>5nm程度となるようにする。この配線電極24から検出電極21が形成されるからである。配線電極24の表面粗さは、公知技術を用いて制御すればよく、例えば電子ビーム蒸着の処理時間を可変させることで制御することが考えられる。
配線電極24を形成したら、続いて、図9(b)に示すように、電解めっき法または無電解めっき法により、Auの支柱25を形成する。この支柱25は、Si基板14側の電極とのコンタクトを取るためのものである。そのために、支柱25は、Si基板14側の電極に対して、各電極毎に複数本形成する。これにより、接合時に支柱25がバネ状に屈曲し、適度なテンションをもってSi基板14側の電極と接続することができる。スプリングコンタクトや金バンプ等を用いることも考えられるが、上記の構造によれば、電極支持基板22に過度な応力をかけることも無く、また形成方法も極めて簡単である。
その後は、図9(c)に示すように、配線電極24に対して、選択的な部分エッチングS7を行う。このエッチングにより、電極支持基板22側に、検出電極21、引き出し電極18および金属薄膜32が形成されることになる。
以上のような手順で、振動子11と対向する検出電極21を有した電極支持基板22が形成されるのである。
次に、以上のような手順で製造されたSi基板14側と電極支持基板22側との接合手順について説明する。
Si基板14と電極支持基板22との接合は、陽極接合法を用いて行う。この接合で、図10(a)に示すように、Si基板14側の電極16と、電極支持基板22側の支柱25とがコンタクトすることになる。
その後は、図10(b)に示すように、Si基板14と電極支持基板22との接合体を、ダイシングS7によりカットして、それぞれが個別なチップ状に形成する。そして、最後に、図10(c)に示すように、電極支持基板22上に磁石41を形成し、引き出し電極18よりワイヤーを引き出す。これにより、角速度センサ素子が完成することになる。
〔センサ素子の他の構成例の説明〕
なお、上述した実施形態では、本発明の好適な実施具体例を説明したが、本発明はその内容に限定されるものではない。
例えば、本実施形態では、酸化処理または窒化処理といった簡単な処理で容易に形成し得ることから、振動子11における検出電極21との対向面に絶縁膜11aを形成した場合を例に挙げて説明したが、検出電極21における振動子11との対向面に絶縁膜を形成してもよく、その場合であっても振動子11の貼り付きの発生を回避することのできる。つまり、振動子11と検出電極21との間の絶縁膜は、振動子11側と検出電極21側との少なくとも一方に形成知ればよい。
また、本実施形態では、検出電極21の表面粗さを適度に荒れた状態に制御する場合を例に挙げて説明したが、検出電極21側ではなく振動子11側の表面粗さを制御してもよく、その場合であってもスティクション発生を有効に抑制し得るようになる。ただし、振動子11側には絶縁膜11aを形成することを考慮すると、その絶縁膜11aの表面粗さを制御するよりも、電子ビーム蒸着等で形成される検出電極21側のほうが表面粗さの制御が容易であることから、検出電極21側の表面粗さ制御でスティクション発生を抑制するほうが望ましい。
また、本実施形態では、角速度センサ素子に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、他の容量検出型センサ素子、具体的には加速度センサ素子や圧力センサ素子等であっても、全く同様に本発明を適用することが可能である。
このように、本発明は、本実施形態での説明に対し、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
本発明が適用された角速度センサ素子の構成例を示す説明図(その1)であり、概略構成の平面を示す図である。 本発明が適用された角速度センサ素子の構成例を示す説明図(その2)であり、図1におけるA−A’間の断面を示す図である。 本発明が適用された角速度センサ素子の構成例を示す説明図(その3)であり、図1におけるB−B’間の断面を示す図である。 本発明が適用された角速度センサ素子の構成例を示す説明図(その4)であり、図1におけるC−C’間の断面を示す図である。 本発明が適用された角速度センサ素子の構成例を示す説明図(その5)であり、図1における要部平面を示す図である。 本発明が適用された角速度センサ素子の構成例を示す説明図(その6)であり、図1における要部平面およびその励振方向を示す図である。 本発明が適用された角速度センサ素子の製造方法の一具体例を示す説明図(その1)であり、振動子を変位可能に支持するSi基板側の製造手順を示す図である。 本発明が適用された角速度センサ素子の製造方法の一具体例を示す説明図(その2)であり、振動子を変位可能に支持するSi基板側の製造手順を示す図である。 本発明が適用された角速度センサ素子の製造方法の一具体例を示す説明図(その3)であり、振動子と対向する電極を有した電極支持基板側の製造手順を示す図である。 本発明が適用された角速度センサ素子の製造方法の一具体例を示す説明図(その4)であり、Si基板側と電極支持基板側との接合手順を示す図である。
符号の説明
10a…上部Si層、10b…下部Si層、10c…絶縁層、11…振動子、11a…絶縁膜、12…バネ部、13…支柱、14…Si基板、15…絶縁体膜、16a,16b,16c…電極、17…金メッキ支柱、18…引き出し電極、19…フレーム、21…電極、22…電極支持基板、23…酸化膜、24…配線電極、25…支柱、41…磁石

Claims (6)

  1. 外力で変位するように支持される振動子と、前記振動子と所定間隔を持って対向する検出電極とを備え、これらの間の静電容量変化によって前記振動子の変位を検出するように構成された容量検出型センサ素子において、
    前記振動子における前記検出電極との対向面または前記検出電極の前記振動子との対向面の少なくとも一方に絶縁膜が形成されている
    ことを特徴とする容量検出型センサ素子。
  2. 前記振動子を電磁駆動によってその変位方向と直交方向に励振させる励振手段を備えるとともに、
    前記励振手段は、前記振動子の励振のために当該振動子の一部およびその支持部に設けられた電極を有しており、
    前記検出電極と前記電極とが、前記振動子の励振方向に沿った平面上で、前記励振手段が前記振動子を励振させた際であっても互いに重なり合うことのない位置に配されている
    ことを特徴とする請求項1記載の容量検出型センサ素子。
  3. 前記振動子と前記検出電極との対向面積が前記振動子の励振時であっても一定となるように、当該検出電極の前記励振方向における幅が設定されている
    ことを特徴とする請求項2記載の容量検出型センサ素子。
  4. 前記振動子の変位を通じて圧力検出を行うことを特徴とする請求項1記載の容量検出型センサ素子。
  5. 前記振動子の変位を通じて加速度検出を行うことを特徴とする請求項1記載の容量検出型センサ素子。
  6. 前記振動子の変位を通じて角速度検出を行うことを特徴とする請求項2記載の容量検出型センサ素子。
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