JP4367111B2 - 半導体力学量センサ - Google Patents

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Description

本発明は、半導体力学量センサに係り、特に、支持基板の上に絶縁層を介して活性層を重ねた半導体結晶をエッチングすることにより形成され、センサ素子と外部に接続される電極パッドとを接続する配線を備える半導体力学量センサに関する。
従来より、変位可能な可動部等からなるセンサ素子を備える半導体力学量センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる半導体力学量センサにおいては、可動部の変位量を電気的に検出する或いは可動部を強制的に振動させる等のために電極が設けられている。これらの電極は、ワイヤ等により外部に接続される電極パッドに接続されており、電極パッドから外部電気回路へ向けてセンサ信号を出力し或いは外部電気回路から供給される信号を電極パッドを介して入力する。
上記した構成においては、センサ素子としての電極と電極パッドとを繋ぐためにその間に配線が介在する。この配線は、電極と同様に、支持基板の上に絶縁層を介して活性層を重ねた半導体結晶をエッチングすることにより形成されるが、上記従来の半導体力学量センサにおいては、この電極と電極パッドとを繋ぐ配線が、その下方に絶縁層が残存した状態で支持基板に固定される。
特開2000−193460号公報
ところで、上記の如くエッチング処理が施されても配線下方の絶縁層が残るようにするためには、その配線の太さを比較的太くすることが必要である。しかしながら、配線が太くなると、その分、配線の専有スペースが広がり、センサ自体の小型化を図ることが困難となる。一方、エッチング処理によって配線下方の絶縁層がすべて除去される程度に配線太さを細くすることとすれば、配線の専有スペースが縮小され、センサの小型化を図ることは可能となるが、この場合には、配線の下方に絶縁層が存在しなくなるために配線が支持基板から浮いた状態となり、その撓み変形や変位に起因して支持基板に接触する事態が生じ得る。配線が支持基板に直接に接触すると、適切にセンサ信号を取り出したり或いは可動部を振動させることは不可能となる。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、配線の専有スペースをできるだけ縮小しつつ、配線の支持基板への接触を抑制することが可能な半導体力学量センサを提供することを目的とする。
上記の目的は、支持基板の上に絶縁層を介して活性層を重ねた半導体結晶をエッチングすることにより形成され、センサ素子と外部に接続される電極パッドとを接続する配線を備える半導体力学量センサであって、前記配線の途中に、該配線の本体部に比べて大きな幅を有し、前記支持基板に前記絶縁層を介して固定される拡幅部を設け、該拡幅部を前記配線上で所定長ごとに設置すると共に、前記所定長は、前記配線の前記支持基板側への張り付き力が前記配線の張り付き方向におけるバネ反力よりも小さくなる長さに設定されている半導体力学量センサにより達成される。

請求項1記載の発明において、センサ素子と電極パッドとを繋ぐ配線の一部には、他の部位に比べて幅の大きい拡幅部が設けられている。かかる構成においては、配線部分が絶縁層のエッチング除去によって支持基板から浮いた状態になるようにその太さを細く形成することとしても、拡幅部の下方の絶縁層がエッチングによって除去されずに残存することが可能である。この場合、配線は、拡幅部で絶縁層を介して支持基板に固定されつつ、他の部位で支持基板から浮いた状態となる。従って、配線の太さを細くすることによって配線の専有スペースを縮小することができると共に、拡幅部の存在によって配線の支持基板への接触を抑制することできる。
また、本発明において、拡幅部は、配線上で所定長ごとに設置されているので、配線のうち比較的幅の小さい本体部の支持基板への接触を確実に防止することができる。
この場合、上記した半導体力学量センサにおいて、前記本体部は、その下方の前記絶縁層がエッチングにより除去されることにより前記支持基板から浮くと共に、前記拡幅部は、その下方の前記絶縁層がエッチングによっても残存することにより前記支持基板に該絶縁層を介して固定されることとすればよい。
この場合、上記した半導体力学量センサにおいて、前記所定長は、前記配線の前記支持基板側への張り付き力が前記配線の張り付き方向におけるバネ反力よりも小さくなる長さに設定されていることとすればよい。
また、上記した半導体力学量センサにおいて、前記配線の非直線部分についての前記所定長は、該配線の直線部分についての前記所定長よりも短い長さに設定されていることとすればよい。
また、上記した半導体力学量センサにおいて、前記本体部は、前記センサ素子の可動電極の太さと同程度の太さを有することとすればよい。
更に、上記した半導体力学量センサにおいて、前記拡幅部は、方形状に形成されていることとすればよい。
発明によれば、配線を支持基板から浮く程度に細くすることによって配線の専有スペースを縮小しつつ、拡幅部の存在によって配線の支持基板への接触を抑制することできる。
また、発明によれば、配線のうち比較的幅の小さい本体部の支持基板への接触を確実に防止することができる。

図1は、本発明の一実施例である半導体力学量センサ10の全体平面図を示す。本実施例の半導体力学量センサ10は、例えば車両等に搭載されており、車両の重心軸回りに生ずる角速度を検出するための半導体センサである。
本実施例において、半導体力学量センサ10は、センサ素子12を備えている。センサ素子12は、シリコンからなる略方形状の支持基板と、支持基板上に形成された所定厚さを有するシリコン酸化膜からなる絶縁層(犠牲層)と、絶縁層上に形成されたシリコンからなる活性層と、を積層したシリコン半導体結晶の表面に微細加工によるエッチングを施すことにより形成される。センサ素子12は、所定質量を有するシリコンからなる振動子14を備えている。振動子14は、その下方の絶縁層がエッチング(犠牲層エッチング)により除去されることにより支持基板から浮いた状態にあると共に、支持基板に固定されたアンカ16に梁18,20を介して連結されており、支持基板に支持されている。梁18は、アンカ16に対する振動子14の図中X軸方向への変位を許容する梁である。また、梁20は、アンカ16に対する振動子14の図中Y軸方向への変位を許容する梁である。従って、振動子14は、支持基板に対してX軸方向及びY軸方向の双方に振動可能に構成されている。
センサ素子12は、また、それぞれ複数の電極指を有する櫛歯状に形成された、駆動電極部22、駆動モニタ電極部24、検出電極部26、離調調整電極部28、及び検出方向駆動電極部30を備えている。これらの電極部22〜30はそれぞれ、振動子14と一体に設けられた可動電極と、支持基板上に固定された固定電極と、を有している。各電極部22〜30において、可動電極と固定電極とは、常態で所定の隙間を空けて対向するように配置されている。
駆動電極部22は、固定電極への励磁電圧の印加によって固定電極と可動電極との間に静電引力を作用させることにより振動子14を支持基板に対してX軸方向に振動駆動させるための電極を構成している。駆動モニタ電極部24は、振動子14のX軸方向の変位に伴う固定電極と可動電極との間の静電容量の変化を検出することにより振動子14の支持基板に対するX軸方向への駆動をモニタするための電極を構成している。検出電極部26は、振動子14のY軸方向の変位に伴う固定電極と可動電極との間の静電容量の変化を検出することにより振動子14の支持基板に対するY軸方向の振動変位を検出するための電極を構成している。以下、適宜、X軸方向を振動子14の駆動方向と、Y軸方向を振動子14の検出方向と、それぞれ称す。
また、離調調整電極部28は、固定電極への直流バイアス電圧の印加によって固定電極と可動電極との間に静電引力を作用させることにより振動子14の検出方向への検出振動の共振周波数を変更し、検出振動のゲイン(実効検出振動Q値)を変更するための電極を構成している。尚、離調調整とは、振動子14の検出振動の共振周波数と駆動方向の共振周波数との差を調整することをいう。検出方向駆動電極部30は、固定電極への励磁電圧の印加によって固定電極と可動電極との間に静電引力を作用させることにより振動子14を支持基板に対してY軸方向(検出方向)に駆動させるための電極を構成している。
各電極部22〜30の固定電極には、配線32を介して、絶縁層上に形成されたベース部34が接続されている。各ベース部34の上面には、アルミニウム等の導電金属からなる外部に電位を取り出す或いは外部から電位を取り入れるための方形状の電極パッド36が配設されている。電極パッド36の上面には、アルミニウム等からなる接続導線(ワイヤ)が接合されている。
また、本実施例において、センサ素子12の上面には、振動子14、梁18,20、各種電極部22〜30、配線32、及び電極パッド36を覆うように方形状のガラス蓋が固着されている。かかる構造において、振動子14は、支持基板、絶縁層、及び活性層とガラス蓋とにより密閉される空間内で振動可能に構成されている。
次に、本実施例の半導体力学量センサ10の製造方法を工程順に説明する。
まず、シリコンからなる支持基板と、その上面に数μmの厚さのシリコン酸化膜である絶縁層と、数十μmの厚さのシリコンからなる活性層と、を積層してなるSOI(Silicon On Insulator)ウエハの上面全体にシリコン酸化膜を形成する(第1工程)。次に、SOIウエハ上のシリコン酸化膜のパターンニングを行い、振動子14、電極部22〜30、ベース部34配線32、及び梁18,20に相当する部分とこの部分に僅かな幅を加えた部分とを形成する(第2工程)。そして、活性層をRIE(反応性イオンエッチング)等でエッチングして、後に振動子14となる部分に貫通孔を形成すると共に、絶縁層上にベース部34、電極部22〜30の固定電極、及び枠体を形成し、振動子14、電極部22〜30の可動電極、配線32、及び梁18,20に相当する部分を残す(第3工程)。
次に、酸化シリコンを溶解する一方でシリコンを溶解しないフッ酸水溶液(エッチング液)で満たされた槽内にウエハを浸漬し、振動子14、電極部22〜30の可動電極、配線32、及び梁18,20と支持基板とに挟まされる絶縁層を等方性エッチングで除去し、振動子14、電極部22〜30の可動電極、配線32、及び梁18,20を形成する(第4工程)。そして、アルミ膜を電極パッド36に相当する部分にスパッタリング法等により形成し、電極パッド36を形成する(第5工程)。次に、電極パッド36の上面にアルミニウムからなる接続導線(ワイヤ)Wを超音波ワイヤボンディング法等により接合し、これらの接続導線を電気回路(図示せず)の端子に接続する(第7工程)。そして、最後に、真空中において上述したガラス蓋(図示せず)を枠体上面に陽極接合等により固着する(第8工程)。
次に、本実施例の半導体力学量センサ10のセンサとしての動作について説明する。本実施例において、電気回路は、振動子14をその固有振動数でX軸方向に一定振幅で振動させるべく、互いに逆相の駆動用信号を駆動電極部22の固定電極に電極パッド36を介して供給する。また、振動子14のY軸方向の振動を検出すべく、互いに逆相の検出用信号を検出方向駆動電極30の固定電極に電極パッド36を介して供給する。
駆動電極部22の固定電極に上記の如き駆動用信号が供給されると、駆動電極部22の固定電極と可動電極との間に静電引力が発生することにより、振動子14が固有振動数でX軸方向に一定振幅で振動する。かかる振動子14の励振状態においてX軸に直交しかつY軸にも直交するZ軸(図1において紙面を貫く方向)回りの角速度が発生すると、振動子14に、X軸方向の振動速度Vx、質量m、及び角速度Ωzに応じたY軸方向(検出方向)へのコリオリ力Fc=2m・Vx・Ωzが作用する。かかるコリオリ力が作用すると、振動子14はY軸方向へ変位し、角速度Ωzの大きさに比例した振幅でかつX軸方向へ駆動振動の周波数に応じた周期で振動振幅する。
振動子14がY軸方向において振動すると、検出電極部26の可動電極と固定電極との隙間がコリオリ力の大きさの分だけ変化する。また、振動子14に一体に形成された2つの検出電極部26の可動電極が互いにY軸方向において同一方向に振動するため、一方の可動電極と固定電極との間の静電容量と、他方の可動電極と固定電極との間の静電容量とが互いに逆方向に変化する。これらの静電容量変化を表す信号は、2つの検出電極部26の電極パッド36を介して電気回路に入力される。電気回路は、入力された静電容量信号に基づいて上記したZ軸回りの角速度を検出する。
ところで、本実施例の半導体力学量センサ10においては、センサ素子12の各固定電極と、その電極を外部電気回路に接続させるための電極パッド36との間に、両者を繋ぐ配線32が介在するが、これらの配線32は、各電極と同様に、支持基板の上に絶縁層を介して活性層を重ねたシリコン半導体結晶にエッチングを施すことにより形成されるものである。
しかしながら、配線32の下方の絶縁層をエッチング処理を施しても残存させることによって、配線32全体を絶縁層を介して支持基板に固定しようとすると、その配線32の太さを、エッチング処理によってその下方の絶縁層が除去される可動電極の太さよりも太くすることが必要となるので、その分、配線32の専有スペースが増大し、センサ10自体の小型化を図ることが困難となる。一方、上記の不都合を回避すべく、エッチング処理によって配線下方の絶縁層がすべて除去される程度に配線32の太さを可動電極と同程度に細くすることとすると、配線32の専有スペースの縮小を図ることはできる一方で、配線下方の絶縁層がエッチング処理により除去されるために配線32が支持基板から浮いた状態となり、その撓み変形や変位に起因して配線32と支持基板とが接触(リーク)する事態が生じ、その結果として、電極からのセンサ信号の取り出しや電極への駆動信号の供給を適切に行うことが不可能となってしまう。
そこで、本実施例の半導体力学量センサ10は、上記した不都合を回避すべき構造を有している。以下、図2乃至図6を参照して、本実施例の特徴部について説明する。
図2は、本実施例の半導体力学量センサ10の要部平面図を示す。図3は、図2に示す半導体力学量センサ10を切断した際の断面図を示す。また、図4は、本実施例の特徴的な構造である配線拡幅部の製造方法を工程順に並べた図を示す。尚、図3(A)には直線III−IIIで切断した際の断面図を、図3(B)には直線IV−IVで切断した際の断面図を、それぞれ示している。
図2に示す如く、本実施例の半導体力学量センサ10において、センサ素子12の各固定電極と電極パッド36とを繋ぐ配線32は、配線本体32aと、該配線本体32aよりも幅の大きい(太さの太い)方形状の配線拡幅部(アンカ)32bと、により構成されている。すなわち、配線32の途中には、配線本体32aに比べて幅の大きい配線拡幅部32bが設けられている。配線本体32aは、センサ素子12の各可動電極の太さと同程度の太さを有しており、その下方の絶縁層42が等方性エッチングにより除去されることにより図3(A)に示す如く支持基板40から浮いた状態となる。一方、配線拡幅部(アンカ)32bは、センサ素子12の各可動電極の太さよりも幅の大きい太さを有しており、その下方の絶縁層42が等方性エッチングによっても一部残存することにより図3(B)に示す如く絶縁層42を介して支持基板40に固定された状態となる。
すなわち、かかるセンサ素子12においては、配線32の製造段階における半導体結晶上へのパターンニングを配線本体32a部分と配線拡幅部32b部分とが区別されるように、具体的には、配線本体32a部分が比較的細くなり、一方、配線拡幅部32b部分が比較的太くなるように行うこと(図4(A))とすれば、配線拡幅部32bの幅(太さ)が配線本体32aのものよりも大きくなる(図4(B))ため、その後、溶液による等方性エッチングが施されると、配線本体32aの下方の絶縁層42の除去によって配線本体32aは支持基板40から浮く一方、配線拡幅部32bの下方の絶縁層42の一部残存によって配線拡幅部32bはその絶縁層42を介して支持基板40に固定されることとなる(図4(C))。
このような半導体力学量センサ10の構造においては、配線本体32aが支持基板40から浮く程度にその太さを細くすることができるので、配線本体32a自体が絶縁層42を介して支持基板40に固定される場合よりも、配線32の専有スペースを縮小することが可能となる。また、このように配線本体32aが支持基板40から浮くと、その配線本体32aが支持基板40に接触する可能性が生じ得るが、本実施例の構造においては、配線32がその途中の配線拡幅部32bにおいて絶縁層42を介して支持基板40に固定されるので、支持基板40から浮く配線本体32aを含む配線32の支持基板40への接触を抑制することが可能となる。
尚、配線拡幅部32b間の配線32の長さ(配線長)Lが大きくなるほど、その支持基板から浮く配線本体32aの支持基板側への撓みが生じ易くなり、配線本体32aが支持基板に接触し易くなる。この点、配線32の支持基板40への接触を確実に防止するためには、配線拡幅部32b間の配線32の長さ(配線長)Lを適当に設定する必要があり、どのくらいの配線長Lごとに配線拡幅部32bを設けるのかを把握する必要がある。以下、配線拡幅部32間の配線長Lの最適値について説明する。但し、この最適値は半導体結晶を構成する活性層の材質や配線32の形状等により異なるものとなるが、以下では、活性層をシリコンから構成した場合について説明する。
図5は、配線32及びその下方の寸法を表した図を示す。また、図6は、配線拡幅部32b間の配線長Lについての解析結果を表した図を示す。配線32の配線本体32aが支持基板40へ接触しないためには、配線本体32aが支持基板40側へ変形・変位しようとする際の力として作用する張り付き力(スティッキング力)Fsが、配線拡幅部32b間の配線本体32aの剛性を示す配線32の張り付き方向におけるバネ反力Fkよりも小さければよい。すなわち、Fs/Fk<1が成立すればよい。
上記したスティッキング力Fsは、等方性エッチング後に活性層である配線本体32aと支持基板40との間に溜まる液体の表面に作用する圧力PLと、配線拡幅部32b間の配線本体32aの面積A(=L×W;Lは上記した配線長であり、Wは配線本体32aの幅(太さ)である。)との積で表すことができる。そして、上記した圧力PLは、液体の表面張力γと、配線本体32aと液体との接触角θと、活性層下面と支持基板40との対向距離すなわち絶縁層42の厚さdと、により次式(1)の如く表すことができる。
PL=2×γ×cosθ/d ・・・(1)
また、上記したバネ反力Fkは、配線拡幅部32b間における配線32のバネ定数kと絶縁層42の厚さdとの積で表すことができる。そして、このバネ定数kは、配線本体32aの幅Wと上下方向の厚さ(活性層厚)Tと配線長Lとにより次式(2)の如く表すことができる。
k=W×T3/L3 ・・・(2)
従って、次式(3)に示す関係が満たされれば、配線本体32aの支持基板40への接触を確実に防止できる。
Figure 0004367111
ここで、γ=20×10-3[N/m]と、cosθ=0.5とそれぞれ仮定し、また、絶縁層42の厚さ(対向距離)dを4[μm]と、活性層厚Tを40[μm]と固定した状況下において、配線長Lを500[μm]、1500[μm]、2000[μm]、及び2500[μm]とそれぞれに変化させると、バネ定数kは配線長Lの3乗に反比例するので、上記したスティッキング力Fs及びバネ反力Fkが図6に示す如く変化する。そして、この解析において、スティッキング力Fsとバネ反力FkとがFs/Fk<1の関係を満たす配線長Lは、500[μm]と1500[μm]との2つとなる。
従って、本実施例の半導体力学量センサ10がかかる構造を有しているものとした場合には、配線拡幅部32b間の配線長Lを最大で1500μm程度に設定することとすれば、すなわち、配線拡幅部32bを最大1500μmごとに設置することとすれば、支持基板40から浮いた状態となる配線本体32aの支持基板40への接触を確実に防止することが可能となる。尚、配線32の直線部分については、配線拡幅部32b間の配線長Lを上記した解析結果に従って設定することが有効であるが、配線32のL字部分や曲線部分等の非直線部については、配線長Lを直線部分についてのものよりも短く設定することが適切である。
このように、本実施例の半導体力学量センサ10によれば、配線32を比較的細い配線本体32aと比較的太い配線拡幅部32bとにより構成し、配線拡幅部32b間の配線長Lを最適値に設定することで、配線32の専有スペースをできるだけ縮小しつつ、配線32の支持基板40への接触を確実に防止することができる。このため、本実施例においては、半導体力学量センサ10の小型化を図りつつ、その機能を適切に確保することが可能となる。
尚、上記の実施例においては、配線拡幅部32bが特許請求の範囲に記載した「拡幅部」に、配線本体32aが特許請求の範囲に記載した「他の部位」に、それぞれ相当している。
ところで、上記の実施例においては、半導体力学量センサ10としてZ軸回りの角速度を検出するための半導体センサを用いることとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、加速度や減速度等の力学量を検出する半導体センサに適用することも可能である。
本発明の一実施例である半導体力学量センサの全体平面図である。 本実施例の半導体力学量センサの要部平面図である。 図2に示す半導体力学量センサを切断した際の断面図である。 本実施例の半導体力学量センサの有する配線拡幅部の製造方法を工程順に並べた図である。 半導体力学量センサの有する配線及びその周辺の寸法を表した図である。 半導体力学量センサにおける配線拡幅部間の距離についての解析結果を表した図である。
符号の説明
10 半導体力学量センサ
12 センサ素子
32 配線
32a 配線本体
32b 配線拡幅部
36 電極パッド
40 支持基板
42 絶縁層

Claims (5)

  1. 支持基板の上に絶縁層を介して活性層を重ねた半導体結晶をエッチングすることにより形成され、センサ素子と外部に接続される電極パッドとを接続する配線を備える半導体力学量センサであって、
    前記配線の途中に、該配線の本体部に比べて大きな幅を有し、前記支持基板に前記絶縁層を介して固定される拡幅部を設け、
    該拡幅部を前記配線上で所定長ごとに設置すると共に、
    前記所定長は、前記配線の前記支持基板側への張り付き力が前記配線の張り付き方向におけるバネ反力よりも小さくなる長さに設定されていることを特徴とする半導体力学量センサ。
  2. 前記配線の非直線部分についての前記所定長は、該配線の直線部分についての前記所定長よりも短い長さに設定されていることを特徴とする請求項1記載の半導体力学量センサ。
  3. 前記本体部は、その下方の前記絶縁層がエッチングにより除去されることにより前記支持基板から浮くと共に、
    前記拡幅部は、その下方の前記絶縁層がエッチングによっても残存することにより前記支持基板に該絶縁層を介して固定されることを特徴とする請求項1記載の半導体力学量センサ。
  4. 前記本体部は、前記センサ素子の可動電極の太さと同程度の太さを有することを特徴とする請求項1記載の半導体力学量センサ。
  5. 前記拡幅部は、方形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体力学量センサ。
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