JP2010145315A - 振動ジャイロスコープ - Google Patents

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Abstract

【課題】振動ジャイロスコープのS/Nを高める。
【解決手段】支持部と、錘部と、前記支持部と前記錘部とを連結し前記錘部の運動にともなって変形する可撓部と、第一軸と平行な方向に前記錘部を第一振動数において励振する駆動手段と、前記第一軸と直交し前記可撓部を含む平面と平行な第二軸と平行な方向における前記錘部の変位に相関し前記第一軸及び前記第二軸に直交する第三軸周りの角速度に対応する物理量を検出する検出手段と、が形成されたダイを備え、前記第一振動数は前記第一軸と平行な方向における前記錘部の変位の固有振動数であって、前記第二軸と平行な方向における前記錘部の変位の固有振動数である第二振動数と異なる振動数である、振動ジャイロスコープ。
【選択図】図1

Description

本発明はMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)として構成された振動ジャイロスコープに関する。
従来、角速度を検出するための振動ジャイロスコープとして機能するMEMSが知られている。特許文献1には、円形のダイヤフラムの中央領域に錘部を結合し、ダイヤフラムに設けた圧電素子によって錘部を周回運動させ、錘部に作用するコリオリ力をダイヤフラムに設けた別の圧電素子によって検出する振動ジャイロスコープが記載されている。特許文献2には、十字形に結合された2つの梁の中央領域に錘部を結合し、一方の梁に設けられた圧電素子によって錘部をその梁が延びる方向に振動させ、他方の梁に設けられた圧電素子によって錘部に作用するコリオリ力を検出する振動ジャイロスコープが記載されている。ある軸周りの角速度を検出するときには、その回転軸に対して直交する方向に錘部を振動させ、回転軸と錘部の振動方向とに直交する方向に作用するコリオリ力を検出する。したがって特許文献1、2に記載されているように、錘部を駆動する1組の圧電素子が並ぶ方向とコリオリ力を検出する1組の圧電素子が並ぶ方向は互いに直交する。
特開2004−294450号公報 特許第3303379号公報
しかし、錘部を駆動する圧電素子の位置ずれなどがあるため、特許文献1に記載されているようにダイヤフラムと平行な任意の方向における固有振動数が等しい振動ジャイロスコープや、特許文献2に記載されているように同一形状を有する2つの梁の固有振動数が等しい振動ジャイロスコープでは、特定の方向に錘部を振動させようとしても、その方向に直交する方向にも錘部が振動してしまう。このように錘部を励振する方向とは異なる方向にも錘部が振動する現象を励振の漏れという。励振の漏れが生ずると、コリオリ力を検出するための圧電素子はコリオリ力による歪みと励振の漏れによる歪みとを重畳して検出することになる。したがって特許文献1、2に記載されている振動ジャイロスコープではS/Nを高めることが困難である。
本発明は振動ジャイロスコープのS/Nを高めることを目的の1つとする。
(1)上記目的を達成するための振動ジャイロスコープは、支持部と、錘部と、前記支持部と前記錘部とを連結し前記錘部の運動にともなって変形する可撓部と、第一軸と平行な方向に前記錘部を第一振動数において励振する駆動手段と、前記第一軸と直交し前記可撓部を含む平面と平行な第二軸と平行な方向における前記錘部の変位に相関し前記第一軸及び前記第二軸に直交する第三軸周りの角速度に対応する物理量を検出する検出手段と、が形成されたダイを備え、前記第一振動数は前記第一軸と平行な方向における前記錘部の変位の固有振動数であって、前記第二軸と平行な方向における前記錘部の変位の固有振動数である第二振動数と異なる振動数である。
本発明によると、錘部の変位の固有振動数が第一軸と平行な方向と第一軸に直交する方向とで異なるため、第一軸と平行な方向に錘部を固有振動数において励振しても、第二軸に励振が漏れにくい。したがって本発明によると振動ジャイロスコープのS/Nを高めることができる。
(2)上記目的を達成するための振動ジャイロスコープにおいて、前記可撓部は前記第一軸と平行な方向と前記第二軸と平行な方向とにそれぞれ前記支持部に掛け渡されそれぞれの中央領域において互いに結合し互いの長さが異なる2つの梁からなり、前記錘部は、2つの前記梁の中央領域に結合し、前記駆動手段は前記第一軸と平行な方向に掛け渡された前記梁に配列される1組の圧電素子であって、前記検出手段は前記第二軸と平行な方向に掛け渡された前記梁に配列される他の1組の圧電素子であってもよい。
本発明によると、可撓部を構成する2つの梁の長さが互いに異なるため、一方の梁が延びる第一軸と平行な方向に錘部を固有振動数において励振しても、他方の梁が延びる第二軸と平行な方向に励振が漏れにくい。
(3)上記目的を達成するための振動ジャイロスコープにおいて、前記可撓部は前記支持部に固定されている端が楕円形であって長軸が前記第一軸と平行であり短軸が前記第二軸と平行であるダイヤフラムであって、前記錘部は前記ダイヤフラムの中心領域に結合し、前記駆動手段は前記ダイヤフラムの長軸および短軸の一方に沿って前記ダイヤフラムに配列される1組の圧電素子であって、前記検出手段は前記ダイヤフラムの長軸及び短軸の他方に沿って前記ダイヤフラムに配列される他の1組の圧電素子であってもよい。
本発明によると、可撓部を構成するダイヤフラムの端が楕円形であるため、ダイヤフラムの長軸と平行な第一軸と平行な方向に錘部を固有振動数において励振したとしても、ダイヤフラムの短軸と平行な第二軸と平行な方向に励振が漏れにくい。
(4)上記目的を達成するための振動ジャイロスコープにおいて、前記可撓部は前記支持部に固定されている端が菱形であって対角線の一方は前記第一軸と平行であり前記対角線の他方は前記第二軸と平行であるダイヤフラムであって、前記錘部は前記ダイヤフラムの中央領域に結合し、前記駆動手段は前記ダイヤフラムの対角線の一方に沿って前記ダイヤフラムに配列される1組の圧電素子であって、前記検出手段は前記ダイヤフラムの対角線の他方に沿って前記ダイヤフラムに配列される他の1組の圧電素子であってもよい。
本発明によると、可撓部を構成するダイヤフラムの端が菱形であるため、ダイヤフラムの対角線の一方と平行な第一軸と平行な方向に錘部を固有振動数において励振したとしても、ダイヤフラムの対角線の他方と平行な第二軸と平行な方向に励振が漏れにくい。
(5)上記目的を達成するための振動ジャイロスコープにおいて、前記可撓部は前記支持部に固定されている端が長方形であって長辺および短辺の一方は前記第一軸と平行であり長辺及び短辺の他方は前記第二軸と平行であるダイヤフラムであって、前記錘部は前記ダイヤフラムの中央領域に結合し、前記駆動手段は前記ダイヤフラムの長辺および短辺の一方と平行に前記ダイヤフラムに配列される1組の圧電素子であって、前記検出手段は前記ダイヤフラムの長辺及び短辺の他方と平行に前記ダイヤフラムに配列される他の1組の圧電素子であってもよい。
本発明によると、可撓部を構成するダイヤフラムの端が長方形であるため、ダイヤフラムの長辺と平行な第一軸と平行な方向に錘部を固有振動数において励振したとしても、ダイヤフラムの短辺と平行な第二軸と平行な方向に励振が漏れにくい。
(6)上記目的を達成するための振動ジャイロスコープにおいて、前記錘部は前記第一軸の方向の長さと前記第二軸の方向の長さとが異なってもよい。
本発明によると、錘部の長さが第一軸の方向と第二軸の方向とで異なるため、第一軸と平行な方向に錘部を固有振動数において励振したとしても、第二軸と平行な方向に励振が漏れにくい。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。尚、各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
1.第一実施形態
(構成)
本発明の第一実施形態である振動ジャイロスコープを図1、図2および図3に示す。図1A、図1Bは振動ジャイロスコープ1のセンサダイ1Aを示す断面図であってそれぞれ図1Cに示すAA線、BB線の断面図である。図1Cはセンサダイ1Aの上面図である。図2はセンサダイ1Aの底面図である。図3は振動ジャイロスコープ1を示す断面図である。図1A、図1Bおよび図3において、センサダイ1Aを構成する層の界面は破線で示し、センサダイ1Aを構成する機械的構成要素の境界は実線で示している。以下の説明で用いる振動ジャイロスコープ1に固定されたxyz座標軸は図1に示すように定めている。
振動ジャイロスコープ1はx軸、y軸およびz軸周りの角速度成分を時分割して検出するMEMSセンサである。振動ジャイロスコープ1は、図3に示すパッケージ1Bと、パッケージ1Bに収容されたセンサダイ1Aとを備える。
センサダイ1Aは、図1Aに示すように、ベース層11と、ベース層11に接するエッチングストッパ層12と、エッチングストッパ層12に接する半導体層13と、半導体層13に接する第一絶縁層20と、第一絶縁層20に接する電極層31と、電極層31に接する圧電層32と、圧電層32に接する電極層33と、電極層31、33、圧電層32および第一絶縁層20に接する第二絶縁層40と、第二絶縁層40に接する表面導線層50とからなる積層構造体である。ベース層11と半導体層13はいずれも単結晶シリコン(Si)からなる。ベース層11はガラス等のバルク材料で構成しても良い。ベース層11の厚さは625μmである。半導体層13の厚さは10μmである。エッチングストッパ層12および第一絶縁層20はシリコン酸化膜(SiO)からなる。エッチングストッパ層12の厚さは1μmである。第一絶縁層20の厚さは0.5μmである。電極層31、33は、白金(Pt)からなる。電極層31、33はイリジウム(Ir)、酸化イリジウム(IrO)、金(Au)等の導電性材料から構成しても良い。電極層31、33の厚さは0.1μmである。圧電層32はPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる。圧電層32の厚さは3μmである。第二絶縁層40は感光性ポリイミドからなる。第二絶縁層40はシリコン酸化膜、シリコン窒化膜(Si)、アルミナ(Al)等の無機絶縁材料から構成してもよい。第二絶縁層40の厚さは5μmである。表面導線層50はアルミニウム(Al)からなる。表面導線層50は、アルミシリコン(AlSi)、AlSiCu等の導電性材料から構成しても良い。表面導線層50の厚さは0.5μmである。
振動ジャイロスコープ1のセンサダイ1Aは、枠形の支持部Sと、支持部Sの内側において十文字形に結合している2つの梁F、Fと、2つの梁F、Fが結合している中央領域に結合している錘部Mと、2つの梁F、Fの上にそれぞれに設けられ2つの梁F、Fを撓ませることによって錘部Mを振動させる駆動用圧電素子30cと、2つの梁F、Fの上にそれぞれに設けられ2つの梁F、Fの歪みを検出する検出用圧電素子30aとを備える。
支持部Sは図1Cに示すように矩形枠の形態を有する。支持部Sはベース層11、エッチングストッパ層12、半導体層13および第一絶縁層20を含む。支持部Sはバルク材料からなる厚いベース層11を含み、ベース層11を介してパッケージ1Bに固定されるため、振動ジャイロスコープ1に固定された座標系において不動の実質的な剛体として振る舞う。支持部Sの底面はパッケージ1Bの底面に接着層92を介して接合される。
可撓部としての2つの梁F、Fはそれぞれ両端が固定端である梁の形態を有する。梁F、Fは半導体層13と第一絶縁層20とを含む。梁Fはバルク材料からなる厚いベース層11を含まないため、可撓性を有する膜として振る舞う。梁F、Fのそれぞれの両端は支持部Sの内側の4辺に結合している。支持部Sは不動の剛体として振る舞うため、振動ジャイロスコープ1に固定された座標系において梁F、Fの両端は固定端となる。梁F、Fは支持部Sの内側の4辺に掛け渡されている。梁Fはx軸と平行な方向(x方向)に支持部Sに掛け渡されている。梁Fはy軸と平行な方向(y方向)に支持部Sに掛け渡されている。梁F、Fはそれぞれの中央領域において互いに結合している。梁F、Fの中央領域は錘部Mに結合している。すなわち梁F、Fによって構成されている1つの十字形の梁の中央領域が錘部Mに結合している。錘部Mは梁F、Fにのみ結合し、図3に示すようにパッケージ1Bの底面90aから浮いているため、梁F、Fは振動ジャイロスコープ1に固定された座標系において錘部Mの運動にともなって変形する梁として振る舞う。
梁F、Fの長さ(梁Fについてはx方向の長さX(図2参照)、梁Fについてはy方向の長さYを長さとする。)は互いに異なる。具体的には梁Fの長さは梁Fの長さよりも長い。梁F、Fの長さを互いに異ならせるのは、錘部Mのx方向の変位における固有振動数とy方向の変位における固有振動数とを異ならせるためである。同一の層構造を有する梁F、Fの厚さは同一である。また梁F、Fの幅(梁Fについてはy方向の長さ、梁Fについてはx方向の長さを幅とする。)は同一である。なお、梁F、Fの厚さまたは幅を互いに異ならせることにより錘部Mのx方向の変位における固有振動数とy方向の変位における固有振動数とを異ならせてもよい。また、梁F、Fの長さ、厚さおよび幅のすべてについて互いに異ならせてもよい。もちろん、梁F、Fのパターンの一部又は全部を変えることによって錘部Mのx方向の変位における固有振動数とy方向の変位における固有振動数とを異ならせてもよい。
錘部Mの底面は、図2に示すように1つの矩形とその4つの角に結合した4つの矩形とが組み合わさったパターン(z方向から見た形状)を有する。錘部Mはベース層11およびエッチングストッパ層12を含む。錘部Mはバルク材料からなる厚いベース層11を含むため実質的に剛体として振る舞う。錘部Mは梁Fにのみ結合し、図2に示すようにパッケージ1Bの底面90aから浮いているため、振動ジャイロスコープ1に固定された座標系において運動する。
錘部Mのx方向の長さXはy方向の長さYよりも長い。錘部Mのx方向の長さXとy方向の長さYとを異ならせるのは、錘部Mのx方向の変位における固有振動数とy方向の変位における固有振動数とを異ならせるためである。錘部Mの形状によって錘部Mのx方向の変位における固有振動数とy方向の変位における固有振動数とを異ならせるには、本質的に、錘部Mを構成する質点の位置の分散をx方向とy方向とで異ならせればよい。ここでいう質点とは錘部Mを単位質量を持つ有限数の点の集合とみたときに、それらの点を意味する。したがって、錘部Mのx方向の長さXとy方向の長さYとが等しい場合であっても、錘部Mの形状によって錘部Mのx方向の変位における固有振動数とy方向の変位における固有振動数とを異ならせることは可能である。
駆動用圧電素子30cおよび検出用圧電素子30aはいずれも電極層31、33と圧電層32とからなる。駆動用圧電素子30cおよび検出用圧電素子30aの下部電極を構成する電極層31は圧電素子30a、30cの下部電極とボンディングパッド50aとを接続する内部導線31bも構成している。駆動用圧電素子30cおよび検出用圧電素子30aの上部電極を構成する電極層33は第二絶縁層40に形成されたコンタクトホール40hを介して表面導線50bに接続している。表面導線50bはボンディングパッド50aと電極層33とを接続している。
梁Fに配列されている2つの駆動用圧電素子30cはそれぞれが梁Fと支持部Sとの境界をまたぐ位置にあり、かつ梁Fの幅方向の中央に位置している。また2つの駆動用圧電素子30cは梁Fが延びるx方向に整列している。駆動用圧電素子30cは錘部Mをx方向およびz方向に振動させるための駆動手段である。2つの駆動用圧電素子30cには錘部Mをx方向に振動させる正弦波信号とz方向に振動させる正弦波信号とが時分割して印加される。錘部Mをx方向に振動させる場合、2つの駆動用圧電素子30cに印加する正弦波信号の位相は半周期ずらす。錘部Mをz方向に振動させる場合、2つの駆動用圧電素子30cに印加する正弦波信号は同期させる。
梁Fに配列されている2つの検出用圧電素子30aは梁Fと錘部Mとの境界をまたぐ位置にあり、かつ梁Fの幅方向の中央に位置している。また梁Fに配列されている2つの検出用圧電素子30aはx方向において整列している。梁Fに配列されている2つの検出用圧電素子30aはy軸周りの角速度に応じた錘部Mの運動に伴う梁Fの歪みを検出するための検出手段である。すなわち梁Fに配列されている2つの検出用圧電素子30aはy軸周りの角速度に対応する物理量として梁Fの歪みを検出する。
梁Fに配列されている2つの検出用圧電素子30aは梁Fと錘部Mとの境界をまたぐ位置にあり、かつ梁Fの幅方向の中央に位置している。また梁Fに配列されている2つの検出用圧電素子30aはy方向において整列している。梁Fに配列されている2つの検出用圧電素子30aはx軸周りの角速度およびz軸周りの角速度に応じた錘部Mの運動に伴う梁Fの変形を検出するための検出手段である。すなわち梁Fに配列されている2つの検出用圧電素子30aはx軸周りの角速度とz軸周りの角速度に対応する物理量として梁Fの歪みを検出する。
実質的に剛体として振る舞う錘部Mと可撓性を有する梁Fとの境界には、梁Fの変形に伴う応力と歪みが集中する。このため、検出用圧電素子30aを錘部Mと梁Fとの境界をまたいで設けることにより、効率よく梁Fの変形にともなう歪みを検出することができる。なお、駆動用圧電素子30cを錘部Mと梁Fとのそれぞれの境界をまたいで設けてもよい。また検出用圧電素子30aを支持部Sと梁Fとのそれぞれの境界をまたいで設けてもよい。いずれにしても、梁Fとそれに結合している実質的な剛体との境界(振動端)近傍に駆動用圧電素子30cと検出用圧電素子30aとを設けることが望ましい。
図2に示すパッケージ1Bは、無蓋箱型のパッケージベース90とパッケージベース90の内部空間を閉塞するカバー94とを備える。パッケージベース90とカバー94とは接着層93を介して接合されている。パッケージベース90には複数の貫通電極91が設けられている。ワイヤ95は一端がセンサダイ1Aのボンディングパッド50aに接合され他端がパッケージ1Bの貫通電極91に接合される。センサダイ1Aの支持部Sの底面はパッケージベース90の内側の底面90aに接着層92によって接着されている。底面90aに形成する凹部の深さや接着層92の厚さによってセンサダイ1Aの錘部Mとパッケージベース90の内側の底面90aとの間の空隙の高さが設定されている。なお、駆動用圧電素子30cに駆動信号を印加し、検出用圧電素子30aから出力される検出信号から3軸の角速度成分に相当する信号を生成するLSIダイをパッケージ1Bの内部に収容してもよい。
(作動)
図4から図17に基づいて振動ジャイロスコープ1の作動について説明する。以下、検出用圧電素子30aのうち、図4に示すようにx方向に延びる梁Fに配置されているものを角速度のy軸成分を検出するために用いるものとして圧電素子Sy1、Sy2と表し、y方向に延びる梁Fに配置されているものを角速度のx軸成分およびz軸成分を検出するために用いるものとして圧電素子Sxz1、Sxz2と表す。また駆動用圧電素子30cを圧電素子D、Dと表す。なお、図4はセンサダイ1Aの上面視を簡略化して示した図である。
角速度のz軸周りの成分を検出するとき、圧電素子D、Dには図5に示すように互いに位相が半周期ずれた正弦波信号が印加される。すると圧電素子D、Dは一方が縮むときに他方が延びるため、錘部Mの重心は図6に示すようにx方向に振動する。錘部Mのx方向の変位の固有振動数は梁F、Fおよび錘部Mの形態によって決まる。錘部Mのx方向の変位の固有振動数において錘部Mを励振することにより錘部Mの振幅は大きくなる。そこで錘部Mをx方向に励振するときに圧電素子D、Dに印加する正弦波信号の振動数である第一振動数は錘部Mのx方向の変位の固有振動数と等しく設定する。
圧電素子D、Dに互いに位相が半周期ずれた正弦波信号を印加して錘部Mをx方向に励振しているとき、y方向に延びる梁Fはねじれる。しかし、圧電素子Sxz1、Sxz2が配置されている梁Fの幅方向の中央においてはねじれによる圧縮応力と伸張応力が相殺され、また図6Bに示すように撓むこともない。したがって、圧電素子D、Dに互いに位相が半周期ずれた正弦波信号を印加して錘部Mの重心をx方向に振動させるとき、梁Fに配置された圧電素子Sxz1、Sxz2からは梁Fの歪みに伴う信号は図7に示すように検出されない。
また梁Fが梁Fよりも長く、錘部Mがy方向よりもx方向において長いため、錘部Mのy方向の変位の固有振動数である第二振動数は錘部Mのx方向の変位の固有振動数である第一振動数よりも低くなる。すなわち、錘部Mのy方向の変位の固有振動数は錘部Mのx方向の変位の固有振動数とは異なる。したがって、仮に圧電素子D、Dが設計からずれた位置に形成されていたとしても、圧電素子D、Dに第一振動数の正弦波信号を与えていれば、励振がy方向に漏れにくいため、錘部Mのy方向の振幅はx方向の振幅に比べて十分小さくなる。
このようにして錘部Mをx方向に励振しているとき、z軸周りの角速度が生ずると、図8に示すようにy方向にコリオリ力Cが作用する。その結果、y方向に延びる梁Fがその長さ方向の中心点を対象点として点対称に撓み、梁Fに配置されている圧電素子Sxz1、Sxz2が歪みを検出する。コリオリ力Cの大きさは錘部Mの速度に比例するため、錘部Mの重心はy方向においても第一振動数において振動する。その結果、図9に示すようにz軸周りの角速度の大きさに対応する正弦波信号が圧電素子Sxz1、Sxz2から出力される。錘部Mがy方向に振動するとき、圧電素子Sxz1、Sxz2が設けられている位置において梁の撓みが逆方向になるため、圧電素子Sxz1、Sxz2から出力される信号の極性は逆転する。したがって圧電素子Sxz1、Sxz2から出力される信号の差を取って同期検波すると、z軸周りの角速度成分を得ることができる。
なお、y方向における錘部Mの変位の固有振動数は第一振動数と異なるため、y方向における錘部Mの変位の固有振動数が第一振動数と等しい場合に比べると、コリオリ力Cに伴うy方向の振動の振幅は小さくなる。しかし、励振の漏れによるノイズを十分小さくでき、また励振の駆動力に比べてコリオリ力は一般に十分小さいため、励振の漏れの抑制効果によってS/Nが向上する。
また、錘部Mの重心をx方向に振動させているとき、y軸周りの角速度が生ずると、図10Aに示すようにz方向にコリオリ力Cが作用する。その結果、y方向に延びる梁Fがその長さ方向の中心点を対象点として線対称に撓み、梁Fに配置されている圧電素子Sxz1、Sxz2が歪みを検出する。このとき、圧電素子Sxz1、Sxz2が設けられている位置において梁が同方向に撓むため、圧電素子Sxz1、Sxz2から出力される信号の極性は図10Bおよび図10Cに示すように一致する。したがって圧電素子Sxz1、Sxz2から出力される信号の差を取ると、y軸周りの角速度成分は相殺される。換言すれば、圧電素子Sxz1、Sxz2から出力される信号の和を取って同期検波すると、y軸周りの角速度成分を得ることもできる。ただし、本実施形態においては次のようにしてy軸周りの角速度成分を得る。
角速度のy軸周りの成分を検出するとき、圧電素子D、Dには図11に示すように同期した正弦波信号が印加される。すると圧電素子D、Dは一方が延びるときは他方も延び一方が縮む時には他方も縮むため、錘部Mの重心は図12に示すようにz方向に振動する。錘部Mをz方向に励振するために圧電素子D、Dに印加する正弦波信号の振動数である第三振動数は、梁F、Fおよび錘部Mの形態によって決まる錘部Mのz方向の変位の固有振動数と等しく設定する。
錘部Mをz方向に励振しているとき、梁Fに設けられた圧電素子Sxz1、Sxz2からは、梁Fの撓みに伴って図13に示すように互いに同期した正弦波信号が検出される。なお、このとき梁Fに設けられた圧電素子Sy1、Sy2からも互いに同期した正弦波信号が検出される。ところで、錘部Mのz方向の変位の固有振動数は錘部Mのx方向の変位の振動数ともy方向の変位の振動数とも、一般に当然に大きく異なる。したがって、錘部Mをz方向に励振するときにはx方向またはy方向に励振が漏れにくい。そこで、錘部Mをx方向に励振してy軸周りの角速度成分を検出するよりも、錘部Mをz方向に励振してy軸周りの角速度成分を検出するものとする。
このようにして錘部Mをz方向に励振しているとき、y軸周りの角速度が生ずると、図14に示すようにx方向にコリオリ力Cが作用する。コリオリ力Cの大きさは錘部Mの速度に比例するため、錘部Mの重心はx方向においても第三振動数において振動する。その結果、x方向に延びる梁Fに配列されている圧電素子Sy1、Sy2は図15に示すようにz方向の励振成分とy軸周りの角速度成分とが重畳した検出信号を出力する。錘部Mの重心のx方向の振動に伴う梁Fの撓みは梁Fの長さ方向の中心点を対象点として点対称になるため、圧電素子Sy1、Sy2が出力する信号のy軸周りの角速度成分の極性は反転する。また圧電素子Sy1、Sy2が出力するz方向の励振成分の極性は同じである。したがって、圧電素子Sy1、Sy2から出力される信号の差を取って同期検波すると、y軸周りの角速度成分を得ることができる。
角速度のx軸周りの成分を検出するときには、錘部Mをy方向又はz方向に励振すればよい。錘部Mの励振方向を切り替える場合には、錘部Mの振動が励振しようとする方向において安定するまで角速度の検出を待つ必要がある。そこで本実施形態では角速度のx軸周りの成分を検出するためにも錘部Mをz方向に励振するものとする。
第三振動数において錘部Mをz方向に励振しているとき、x軸周りの角速度が生ずると、図16に示すようにy方向にコリオリ力Cが作用する。コリオリ力Cの大きさは錘部Mの速度に比例するため、錘部Mの重心はy方向においても第三振動数において振動する。その結果、y方向に延びる梁Fに配列されている圧電素子Sxz1、Sxz2は図17に示すようにz方向の励振成分とx軸周りの角速度成分とが重畳した検出信号を出力する。錘部Mの重心のy方向の振動に伴う梁Fの撓みは梁Fの長さ方向の中心点を対象点として点対称になるため、圧電素子Sxz1、Sxz2が出力する信号のx軸周りの角速度成分の極性は反転する。また圧電素子Sxz1、Sxz2が出力するz方向の励振成分の極性は同じである。したがって、圧電素子Sxz1、Sxz2から出力される信号の差を取って同期検波すると、x軸周りの角速度成分を得ることができる。
以上説明したようにx、y、z軸周りの角速度成分すなわち角速度のxyz軸成分を検出するためには、錘部Mを時分割してx方向とz方向とに励振する。すなわち圧電素子D、Dに印加する駆動信号を時分割して切り替える。具体的には錘部Mをx方向に励振するために圧電素子D、Dに印加する駆動信号の振動数とy方向に励振するために圧電素子D、Dに印加する駆動信号の振動数とを切り替えるとともに圧電素子D、Dに印加する駆動信号の位相を切り替える。また圧電素子Sxz1、Sxz2から角速度のx軸成分を検出するときにはそれらの出力の差を取って第三振動数において同期検波し、z軸成分を検出するときには、それらの出力の和を取って第一振動数において同期検波する。このようにして錘部Mを時分割駆動し、角速度のxyz軸成分を時分割検出するためにセレクタが必要になる。
(製造方法)
図18から図25に基づいて振動ジャイロスコープ1の製造方法の一例を説明する。図18から図26の断面図は図23Aを除いて全て図1Cに示すAA線に対応する断面図である。図23Aは図1Cに示すBB線に対応する断面図である。
はじめに図18に示すように、ベース層11、エッチングストッパ層12および半導体層13となるSOIウエハ10を用意する。SOIウエハ10のベース層11は厚さ625μmの単結晶シリコンからなる。SOIウエハ10のエッチングストッパ層12は厚さ1μmの酸化シリコンからなる。SOIウエハ10の半導体層13は厚さ10μmの単結晶シリコンからなる。なお、ベース層11となる単結晶シリコンウエハの表面に、熱酸化、CVD(Chemical Vapor Deposition)等によって酸化シリコンからなるエッチングストッパ層12を形成し、エッチングストッパ層12の表面にCVD等によって多結晶シリコンからなる半導体層13を形成してもよい。次に半導体層13の表面に第一絶縁層20を形成する。第一絶縁層20として、例えば熱酸化またはCVDにより厚さ0.5μmの酸化シリコンの膜を形成する。
次に、第一絶縁層20の表面全体に圧電素子の下部電極となる電極層31を積層し、電極層31の表面全体に圧電層32を積層し、圧電層32の表面全体に上部電極となる電極層33を積層する。電極層31、33としては、スパッタリング等によって白金からなる膜を形成する。白金と酸化シリコンの密着層として厚さ30nmのチタン(Ti)を成膜してもよい。また電極層31の材料には酸化イリジウム(IrO)を用いても良い。電極層33の材料にはイリジウム、酸化イリジウム、金(Au)などを用いても良い。圧電層32としては、スパッタリング、ゾルゲル法、水熱合成法等によってPZTからなる膜を形成する。白金とPZTの密着層として厚さ30nmのチタンを成膜しても良い。
次に図19に示すように、電極層33と圧電層32とをフォトレジストからなる保護膜R1を用いてエッチングすることにより、電極層33と圧電層32とをパターニングする。具体的には、白金からなる電極層33はアルゴン(Ar)イオンを用いたイオンミリングによってパターニングする。PZTからなる圧電層32は塩素(Cl)をエッチングガスとして用いた反応性イオンエッチングまたはフッ酸によるウェットエッチングによってパターニングする。
次に図20に示すように、電極層31をフォトレジストからなる保護膜R2を用いてエッチングすることにより、電極層31をパターニングする。その結果、図1に示す内部導線31bと圧電素子30a、30cが形成される。
次に図21に示すように圧電素子30a、30bおよび第一絶縁層20の表面にコンタクトホール40hを有する所定パターンの第二絶縁層40を形成する。例えば厚さ5μmの感光性ポリイミドを圧電素子30a、30bおよび第一絶縁層20の表面全体に塗布し、露光・現像によって所定形状にパターニングすることによってコンタクトホール40hと後の工程で第一絶縁層20および半導体層13を部分的にエッチングするための開口部40bとを有する第二絶縁層40を形成する。
次に図22に示すように第二絶縁層40の表面に表面導線層50を積層し表面導線層50をエッチングすることによって、表面導線50bとボンディングパッド50aとを形成する。表面導線層50として、例えばスパッタリングによって0.5μmの厚さのアルミニウム(Al)の膜を形成する。表面導線層50としてアルミシリコン(AlSi)の膜を形成してもよい。表面導線層50のパターンは、例えば塩素(Cl)ガスを用いた反応性イオンエッチングにより形成する。アルミニウムの密着層として厚さ30nmのチタン膜を形成しても良い。表面導線層50は、例えばClガスを用いた反応性イオンエッチングや、イオンミリング法、燐酸、硝酸、酢酸の混合液を用いたウエットエッチングによってパターニングしてもよい。
次に図23に示すように第二絶縁層40を保護膜として用いて第一絶縁層20と半導体層13とを所定形状にパターニングする。その結果、梁F、Fが形成される。第一絶縁層20はCHFガスまたはCF+Hガスを用いた反応性イオンエッチングによってパターニングする。半導体層13はCF+Oガスを用いた反応性イオンエッチングによってパターニングする。テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)や水酸化カリウム(KOH)を用いたウエットエッチングによって梁F、Fのパターンを形成してもよい。
次に上述の工程によって形成された積層構造体Wの圧電素子30a、30cが形成されている面を図24に示すように犠牲基板99に接着する。接着層98として、例えばワックス、フォトレジスト、両面粘着シート等を用いる。
次にフォトレジストからなる保護膜R3を用いてベース層11をエッチングすることによってベース層11を所定形状にパターニングする。具体的には例えば、SFプラズマガスを用いたパッシベーションとCプラズマガスを用いたエッチングのステップを短い時間間隔で交互に繰り返すDeep−RIE(いわゆるボッシュプロセス)によってベース層11を異方的にエッチングする。なお、ベース層11のパターニングを最初に実施しても良いし、半導体層13の表面側を処理する工程の間に実施しても良い。
次に、図25に示すようにエッチングストッパ層12の露出部分をエッチングにより除去する。その結果、梁Fと錘部Mとがリリースされる。具体的には緩衝フッ酸を用いたウエットエッチングによってエッチングストッパ層12の露出部分を除去する。その後、ダイシング、パッケージングなどの後工程を実施することによって、図3に示す振動ジャイロスコープ1が完成する。
2.他の実施形態
本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、xy軸が膜状の可撓部と平行な平面に平行であるとすれば、可撓部の形態と錘部の形態とはx軸方向における錘部の変位の固有振動数とy軸方向における錘部の変位の固有振動数とが異なる範囲でどのように設計しても良い。図26から図28はセンサダイ1Aの変形例の上面を簡略化して示した図である。
具体的には、図26に示すように可撓部としてのダイヤフラムFの端(すなわち破線によって示している支持部SとダイヤフラムFとの境界線)を楕円形にしてもよい。この場合、ダイヤフラムFの中心領域(中心の近傍領域)に結合している錘部Mが円柱形であったとしても、ダイヤフラムFの長軸Axと平行なx方向に比べ、ダイヤフラムFの短軸Ayと平行なy方向では錘部Mの変位の固有振動数が高くなる。ダイヤフラムFがこのような楕円形である場合、圧電素子D、D、Sy1、Sy2はダイヤフラムFの長軸(または短軸)に沿って配列し、圧電素子Sxz1、Sxz2はダイヤフラムFの短軸(または長軸)に沿って配列すればよい。このように構成すれば、第一実施形態と同様にダイヤフラムFの長軸A(または短軸)と平行なx方向に錘部を固有振動数において励振することができ、ダイヤフラムFの短軸A(または長軸)と平行な方向に励振が漏れにくくなる。
また図27に示すように可撓部としてのダイヤフラムFの端を菱形にしても良い。またダイヤフラムFの中心領域(重心の近傍領域)に結合している錘部Mを底面が菱形の柱形にしてもよい。ダイヤフラムFおよび錘部Mのパターン(z方向からみた形状)がこのような菱形である場合、ダイヤフラムFの長い方の対角線Aと平行なx方向に比べ、ダイヤフラムFの短い方の対角線Aと平行なy方向では錘部Mの変位の固有振動数が高くなる。この場合、圧電素子D、DはダイヤフラムFの対角線の一方に沿って配列し、圧電素子Sxz1、Sxz2はダイヤフラムFの対角線の他方に沿って配列すればよい。このように構成すれば、第一実施形態と同様にダイヤフラムFの長い方(または長い方)の対角線Aと平行なx方向に錘部を固有振動数において励振することができ、ダイヤフラムFの短い方(または短い方)の対角線Aと平行な方向に励振が漏れにくくなる。
また図28に示すように可撓部としてのダイヤフラムFの端を長方形にしても良い。この場合、ダイヤフラムFの長辺と平行なx方向に比べ、ダイヤフラムFの短辺と平行なy方向では錘部Mの変位の固有振動数が高くなる。ダイヤフラムFがこのような長方形である場合、圧電素子D、D、Sy1、Sy2はダイヤフラムFの長辺と平行に配列し、圧電素子Sxz1、Sxz2はダイヤフラムFの短辺と平行に配列すればよい。このように構成すれば、第一実施形態と同様にダイヤフラムFの長辺(または短辺)と平行なx方向に錘部を固有振動数において励振することができ、ダイヤフラムFの短辺(または長辺)と平行な方向に励振が漏れにくくなる。
以上述べたように可撓部を楕円形、菱形または長方形のダイヤフラムとしたり、錘部Mを円柱形や底面が菱形の柱形にする場合であっても、その他の構成と作用と製造方法は第一実施形態と実質的に同一である。
また図29に示すように、図1に示す内部導線31bと表面導線50bとの層間絶縁膜として圧電層32を用いても良い。すなわち圧電層32のパターンを圧電素子30a、30c毎に分断するのではなく、すべての圧電素子30a、30cにわたって連続するパターンにしてもよい。この場合、第二絶縁層40を省略できるため、第二絶縁層40と梁Fとの間に生ずる熱応力によって梁Fが撓むことを防止できる。
また本発明は振動ジャイロスコープの他、角速度および加速度を検出するモーションセンサ等の他のMEMSセンサに適用することもできる。また例えば、上記実施形態で示した材質や寸法や成膜方法やパターン転写方法はあくまで例示であるし、当業者であれば自明である工程の追加や削除や工程順序の入れ替えについては説明が省略されている。また例えば、上述した製造工程において、膜の組成、成膜方法、膜の輪郭形成方法、工程順序などは、膜材料の組み合わせや、膜厚や、要求される輪郭形状精度などに応じて適宜選択されるものであって、特に限定されない。
図1Aは本発明の第一実施形態にかかる断面図。図1Bは本発明の第一実施形態にかかる断面図。図1Cは本発明の第一実施形態にかかる上面図。 本発明の第一実施形態にかかる底面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる簡略化した上面図。 図5Aは本発明の第一実施形態にかかる波形図。図5Bは本発明の第一実施形態にかかる波形図。 図6Aは本発明の第一実施形態にかかる模式図。図6Bは本発明の第一実施形態にかかる模式図。 図7Aは本発明の第一実施形態にかかる波形図。図7Bは本発明の第一実施形態にかかる波形図。 本発明の第一実施形態にかかる模式図。 図9Aは本発明の第一実施形態にかかる波形図。図9Bは本発明の第一実施形態にかかる波形図。 図10Aは本発明の第一実施形態にかかる模式図。図10Bは本発明の第一実施形態にかかる波形図。図10Cは本発明の第一実施形態にかかる波形図。 図11Aは本発明の第一実施形態にかかる波形図。図11Bは本発明の第一実施形態にかかる波形図。 図12Aは本発明の第一実施形態にかかる模式図。図12Bは本発明の第一実施形態にかかる模式図。 図13Aは本発明の第一実施形態にかかる波形図。図13Bは本発明の第一実施形態にかかる波形図。 本発明の第一実施形態にかかる模式図。 図15Aは本発明の第一実施形態にかかる波形図。図15Bは本発明の第一実施形態にかかる波形図。 本発明の第一実施形態にかかる模式図。 図17Aは本発明の第一実施形態にかかる波形図。図17Bは本発明の第一実施形態にかかる波形図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 図21Aは本発明の第一実施形態にかかる断面図。図21Bは本発明の第一実施形態にかかる上面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 図23Aは本発明の第一実施形態にかかる断面図。図23Bは本発明の第一実施形態にかかる平面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の他の実施形態にかかる簡略化した上面図。 本発明の他の実施形態にかかる簡略化した上面図。 本発明の他の実施形態にかかる簡略化した上面図。 本発明の他の実施形態にかかる断面図。
符号の説明
1:振動ジャイロスコープ、1A:センサダイ、1B:パッケージ、10:ウエハ、11:ベース層、12:エッチングストッパ層、13:半導体層、20:第一絶縁層、30a:検出用圧電素子、30c:駆動用圧電素子、31:電極層、31b:内部導線、32:圧電層、33:電極層、40:第二絶縁層、40b:開口部、40h:コンタクトホール、50:表面導線層、50a:ボンディングパッド、50b:表面導線、90:パッケージベース、90a:底面、91:貫通電極、92:接着層、93:接着層、94:カバー、95:ワイヤ、98:接着層、99:犠牲基板、D:圧電素子、F:ダイヤフラム、F:梁、M:錘部、R1:保護膜、R2:保護膜、R3:保護膜、S:支持部、Sxz:圧電素子、S:圧電素子、W:積層構造体

Claims (6)

  1. 支持部と、
    錘部と、
    前記支持部と前記錘部とを連結し前記錘部の運動にともなって変形する可撓部と、
    第一軸と平行な方向に前記錘部を第一振動数において励振する駆動手段と、
    前記第一軸と直交し前記可撓部を含む平面と平行な第二軸と平行な方向における前記錘部の変位に相関し前記第一軸及び前記第二軸に直交する第三軸周りの角速度に対応する物理量を検出する検出手段と、
    が形成されたダイを備え、
    前記第一振動数は前記第一軸と平行な方向における前記錘部の変位の固有振動数であって、前記第二軸と平行な方向における前記錘部の変位の固有振動数である第二振動数と異なる振動数である、
    振動ジャイロスコープ。
  2. 前記可撓部は前記第一軸と平行な方向と前記第二軸と平行な方向とにそれぞれ前記支持部に掛け渡されそれぞれの中央領域において互いに結合し互いの長さが異なる2つの梁からなり、
    前記錘部は、2つの前記梁の中央領域に結合し、
    前記駆動手段は前記第一軸と平行な方向に掛け渡された前記梁に配列される1組の圧電素子であって、
    前記検出手段は前記第二軸と平行な方向に掛け渡された前記梁に配列される他の1組の圧電素子である、
    請求項1に記載の振動ジャイロスコープ。
  3. 前記可撓部は前記支持部に固定されている端が楕円形であって長軸が前記第一軸と平行であり短軸が前記第二軸と平行であるダイヤフラムであって、
    前記錘部は前記ダイヤフラムの中心領域に結合し、
    前記駆動手段は前記ダイヤフラムの長軸および短軸の一方に沿って前記ダイヤフラムに配列される1組の圧電素子であって、
    前記検出手段は前記ダイヤフラムの長軸及び短軸の他方に沿って前記ダイヤフラムに配列される他の1組の圧電素子である、
    請求項1に記載の振動ジャイロスコープ。
  4. 前記可撓部は前記支持部に固定されている端が菱形であって対角線の一方は前記第一軸と平行であり前記対角線の他方は前記第二軸と平行であるダイヤフラムであって、
    前記錘部は前記ダイヤフラムの中央領域に結合し、
    前記駆動手段は前記ダイヤフラムの対角線の一方に沿って前記ダイヤフラムに配列される1組の圧電素子であって、
    前記検出手段は前記ダイヤフラムの対角線の他方に沿って前記ダイヤフラムに配列される他の1組の圧電素子である、
    請求項1に記載の振動ジャイロスコープ。
  5. 前記可撓部は前記支持部に固定されている端が長方形であって長辺および短辺の一方は前記第一軸と平行であり長辺及び短辺の他方は前記第二軸と平行であるダイヤフラムであって、
    前記錘部は前記ダイヤフラムの中央領域に結合し、
    前記駆動手段は前記ダイヤフラムの長辺および短辺の一方と平行に前記ダイヤフラムに配列される1組の圧電素子であって、
    前記検出手段は前記ダイヤフラムの長辺及び短辺の他方と平行に前記ダイヤフラムに配列される他の1組の圧電素子である、
    請求項1に記載の振動ジャイロスコープ。
  6. 前記錘部は前記第一軸の方向の長さと前記第二軸の方向の長さとが異なる、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の振動ジャイロスコープ。
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