JP2004354109A - 回転振動式角速度センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】対向する電極が接触した場合に電流リークが発生せず、センサの破損を防止した回転振動式角速度センサを提供する。
【解決手段】円筒体の振動部1と、振動部1の上端面に設けた振動部側駆動電極2と、振動部1の下端面に設けた振動部側検出電極3と、振動部1の内周内に配置されたトーションバーから成る中心軸4と、中心軸4の周囲に振動部1を連結する円板状のメンブレンフレーム5と、振動部1の上下端面に各々対向する円形のガラス基板6,7と、振動部1の上端面に対向するガラス基板6下面に形成した基板側駆動電極8と、振動部1の下端面に対向するガラス基板7の上面に形成した基板側検出電極9とを備え、基板側駆動電極8と基板側検出電極9には、その各表面を覆うように薄膜状の絶縁膜10が形成される。
【選択図】 図1
【解決手段】円筒体の振動部1と、振動部1の上端面に設けた振動部側駆動電極2と、振動部1の下端面に設けた振動部側検出電極3と、振動部1の内周内に配置されたトーションバーから成る中心軸4と、中心軸4の周囲に振動部1を連結する円板状のメンブレンフレーム5と、振動部1の上下端面に各々対向する円形のガラス基板6,7と、振動部1の上端面に対向するガラス基板6下面に形成した基板側駆動電極8と、振動部1の下端面に対向するガラス基板7の上面に形成した基板側検出電極9とを備え、基板側駆動電極8と基板側検出電極9には、その各表面を覆うように薄膜状の絶縁膜10が形成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転振動式角速度センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の回転振動式角速度センサは、図6に示す分解斜視図、図7に示す図6のA−A’に沿った側面断面図のように、円筒体の振動部1と、振動部1の上端面で周方向に設けた複数の略扇形の振動部側駆動電極2と、振動部1の下端面で周方向に設けた複数の振動部側検出電極3と、円筒体の振動部1の内周内で円筒体と同一の軸方向に配置されたトーションバーから成る中心軸4と、中心軸4の周囲に振動部1を連結する円板状のメンブレンフレーム5と、振動部1の上下方向で中心軸4を軸支するとともに振動部1の上下端面に各々対向する円形のガラス基板6,7と、振動部側駆動電極2に対向するガラス基板6下面に中心角略90°の扇形に形成した4つのスリット形状の基板側駆動電極8と、振動部側検出電極3に対向するガラス基板7の上面に中心角略90°の扇形に形成した4つの基板側検出電極9とから構成され、振動部側駆動電極2と基板側駆動電極8との間、及び振動部側検出電極3と基板側検出電極9との間には静電容量が各々生じている。なお図6においては、基板側駆動電極8の形状を明確にするため、基板側駆動電極8より上方のガラス基板6は省略している。
【0003】
次にこの回転振動式角速度センサの動作について説明する。まず、4つの基板側駆動電極8は、各々180°回転対称位置にある基板側駆動電極8と対を成しており、互いに90°回転した2対の電極構造を有している。(2対の電極のうち一方が駆動用電極、他方が参照振動振幅の検出用電極を形成してもよい。)そして基板側駆動電極8に交流電圧を印加すると、基板側駆動電極8と振動部側駆動電極2との間に静電引力が働き、メンブレンフレーム5によって中心軸4に連結された振動部1は、中心軸4を中心としてZ軸回りの回転参照振動が発生する。このとき、X軸回りの角速度が本回転振動式角速度センサに印加されると、振動部1はZ軸回りの回転参照振動に同期してY軸回りに発生するコリオリ力によりY軸回りに検出振動を発生し、上下方向に振動する。同様にY軸回りの角速度が本回転振動式角速度センサに印加されると、振動部1はX軸回りに検出振動を発生し、上下方向に振動する。
【0004】
この振動部1の検出振動による振動部側検出電極3と基板側検出電極9とのギャップの変化を静電容量の差動変化として計測し、角速度を検出する。(例えば、非特許文献1参照)
【0005】
【非特許文献1】
井奥淳、外6名、「シリコン円筒振動型ジャイロ」、2002年11月27日〜28日、電気学会、センサマイクロマシン準部門、マイクロマシン・センサシステム研究会、PHS−02−16
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の回転振動式角速度センサの構造では、振動部1を駆動する振動部側駆動電極2と基板側駆動電極8との互いの対向面、及び静電容量が励起される振動部側検出電極3と基板側検出電極9との互いの対向面が剥き出しになっているため、振動部1の過変位により振動部側駆動電極2と基板側駆動電極8、または振動部側検出電極3と基板側検出電極9とが接触すると電流リークが発生し、大電流が流れることによって回転振動式角速度センサの破損を招く恐れがあった。
【0007】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、対向する電極が接触した場合に電流リークが発生せず、センサの破損を防止した回転振動式角速度センサを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、円筒体の振動部と、振動部の内周内で円筒体と同一の軸方向に配置されたトーションバーから成る中心軸と、中心軸と振動部とを連結する板状のフレームと、振動部の一端面に形成した振動部側駆動電極と、振動部の他端面に形成した振動部側検出電極と、振動部を静電駆動して振動させるために振動部側駆動電極に対向した基板側駆動電極を有する第1のガラス基板と、振動部側検出電極との間で構成される静電容量により振動部の変位を検出するために振動部側検出電極に対向した基板側検出電極を有する第2のガラス基板とを備え、振動部の一端と第1のガラス基板と、振動部の他端と第2のガラス基板とのうち、少なくとも一方の振動部の端とガラス基板との互いに対向する各面の少なくともいずれかの面に、対向する電極同士が当接しない絶縁構造を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、前記絶縁構造は、前記振動部の一端と第1のガラス基板と、振動部の他端と第2のガラス基板とのうち、少なくとも一方の振動部の端とガラス基板との互いに対向する各面の少なくともいずれかの面に設けた電極上に形成される窒化膜から成ることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1において、前記絶縁構造は、前記振動部の一端と第1のガラス基板と、振動部の他端と第2のガラス基板とのうち、少なくとも一方の振動部の端とガラス基板との互いに対向する各面の少なくともいずれかの面に設けた電極上に形成される突起状の絶縁体から成ることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1において、前記絶縁構造は、前記円筒体の振動部の端面に形成した前記振動部側電極と対向する第1のガラス基板及び第2のガラス基板の各面のうち少なくとも一方の面上に、対向する振動部側電極の円筒体の半径方向の幅より小さい幅の開口を有する凹部を設け、前記基板側電極は凹部の底面上に凹部の開口より突出しないように配置されて成ることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4において、変位した前記振動部側電極が当接する前記凹部の周縁に凹凸形状を形成することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
(実施形態1)
本実施形態の回転振動式角速度センサの基本構成は従来例と同様に図6に示され、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。以下、本実施形態の要旨となる構成について図1の側面断面図を用いて説明する。ここでは、基板側駆動電極8と基板側検出電極9には、その各表面を覆うように薄膜状の窒化膜から成る絶縁膜10が形成されており、基板側駆動電極8及び基板側検出電極9と振動部側駆動電極2及び振動部側検出電極3との各間には絶縁膜10が存在する。そして振動部1の過変位時、振動部側駆動電極2及び振動部側検出電極3は対向する絶縁膜10に各々接触し、基板側駆動電極8及び基板側検出電極9には接触しない。
【0015】
したがって、振動部側駆動電極2と基板側駆動電極8、及び振動部側検出電極3と基板側検出電極9とは互いに直接接触することがないので、電流のリークは発生せず、回転振動式角速度センサの破損を防止することができる。また、絶縁膜10を形成することで絶縁構造を容易に実現することができる。
【0016】
また、この絶縁膜10は、振動部側駆動電極2及び振動部側検出電極3の各表面を覆うように形成しても上記同様の効果を奏する。
【0017】
(実施形態2)
本実施形態の回転振動式角速度センサの基本構成は従来例と同様に図6に示され、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。以下、本実施形態の要旨となる構成について側面断面を示す図2を用いて説明する。ここでは、振動部側駆動電極2及び振動部側検出電極3の各表面上には、振動部1の外周端側に窒化膜あるいは酸化膜を突起状に形成した絶縁体11を形成しており、振動部1の過変位時、基板側駆動電極8及び基板側検出電極9には対向する絶縁体11が各々接触し、振動部側駆動電極2及び振動部側検出電極3が接触することはない。
【0018】
したがって、振動部側駆動電極2と基板側駆動電極8、及び振動部側検出電極3と基板側検出電極9とは互いに直接接触することがないので、電流のリークは発生せず、回転振動式角速度センサの破損を防止することができる。また、絶縁体11を突起状に形成することで、基板側駆動電極8及び基板側検出電極9との固着を防止することができる。
【0019】
この絶縁体11の配置箇所は、振動部1の過変位時に振動部側駆動電極2及び振動部側検出電極3より先に基板側駆動電極8及び基板側検出電極9に接触する箇所であれば、図2に示される箇所に限らない。
【0020】
また、この絶縁体11は、基板側駆動電極8及び基板側検出電極9の各表面に形成しても上記同様の効果を奏する。
【0021】
(実施形態3)
本実施形態の回転振動式角速度センサの基本構成は従来例と同様に図6に示され、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。以下、本実施形態の要旨となる構成について側面断面を示す図3を用いて説明する。ここでは、ガラス基板7の上面で振動部側検出電極3に対向する箇所、すなわち基板側検出電極9を形成する箇所を掘り込んで凹部12を形成し、凹部12の底面に基板側検出電極9を配置している。凹部12の円筒体(振動部1)の半径方向の幅は、対向する振動部側検出電極3の幅より小さく形成されている。また、基板側検出電極9の膜厚は凹部12の深さ未満であり、ガラス基板7の上面より突出しないように形成される。そして振動部1の過変位時には図4の破線に示すように、撓んだメンブレンフレーム5’に連結した振動部1’の下端面に設けた振動部側検出電極3’は凹部12の開口の周縁部に当接する。
【0022】
したがって、振動部側検出電極3´と基板側検出電極9とは互いに直接接触することがないので、電流のリークは発生せず、回転振動式角速度センサの破損を防止することができる。さらに、振動部側検出電極3と基板側検出電極9とのギャップは従来例と比較して略同様にでき、電極間の静電容量を低減させずに、電流リークを防止することができる。
【0023】
また、ガラス基板6の下面で振動部側駆動電極2に対向する箇所、すなわち基板側駆動電極8を形成する箇所を掘り込んで同様な凹部を形成し、この凹部の底面に基板側駆動電極8を配置しても上記同様の効果を奏する。
【0024】
(実施形態4)
本実施形態の回転振動式角速度センサは、実施形態3の振動部側検出電極3’が当接するガラス基板7の凹部12の開口周縁部の表面を粗くした凹凸部13を設けたもので、ガラス基板7の表面を粗くすることにより振動部側検出電極3’とガラス基板7との固着を防止することができる。
【0025】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、電極同士が直接接触することがなく、電流のリークは発生せず、センサの破損を防止することができるという効果がある。
【0026】
請求項2の発明によれば、絶縁構造を容易に形成することができるという効果がある。
【0027】
請求項3の発明によれば、電極と絶縁体との固着を防止することができるという効果がある。
【0028】
請求項4の発明によれば、電極間の静電容量を低減させずに電流リークを防止することができるという効果がある。
【0029】
請求項5の発明によれば、振動部側電極とガラス基板との固着を防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す側面断面図である。
【図2】本発明の実施形態2を示す側面断面図である。
【図3】本発明の実施形態3を示す側面断面図である。
【図4】同上の過変位時の状態を示す一部拡大図である。
【図5】本発明の実施形態4の過変位時の状態を示す一部拡大図である。
【図6】従来の全体構成を示す分解斜視図である。
【図7】同上の側面断面図である。
【符号の説明】
1 振動部
2 振動部側駆動電極
3 振動部側検出電極
4 中心軸
5 メンブレンフレーム
6,7 ガラス基板
8 基板側駆動電極
9 基板側検出電極
10 絶縁膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転振動式角速度センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の回転振動式角速度センサは、図6に示す分解斜視図、図7に示す図6のA−A’に沿った側面断面図のように、円筒体の振動部1と、振動部1の上端面で周方向に設けた複数の略扇形の振動部側駆動電極2と、振動部1の下端面で周方向に設けた複数の振動部側検出電極3と、円筒体の振動部1の内周内で円筒体と同一の軸方向に配置されたトーションバーから成る中心軸4と、中心軸4の周囲に振動部1を連結する円板状のメンブレンフレーム5と、振動部1の上下方向で中心軸4を軸支するとともに振動部1の上下端面に各々対向する円形のガラス基板6,7と、振動部側駆動電極2に対向するガラス基板6下面に中心角略90°の扇形に形成した4つのスリット形状の基板側駆動電極8と、振動部側検出電極3に対向するガラス基板7の上面に中心角略90°の扇形に形成した4つの基板側検出電極9とから構成され、振動部側駆動電極2と基板側駆動電極8との間、及び振動部側検出電極3と基板側検出電極9との間には静電容量が各々生じている。なお図6においては、基板側駆動電極8の形状を明確にするため、基板側駆動電極8より上方のガラス基板6は省略している。
【0003】
次にこの回転振動式角速度センサの動作について説明する。まず、4つの基板側駆動電極8は、各々180°回転対称位置にある基板側駆動電極8と対を成しており、互いに90°回転した2対の電極構造を有している。(2対の電極のうち一方が駆動用電極、他方が参照振動振幅の検出用電極を形成してもよい。)そして基板側駆動電極8に交流電圧を印加すると、基板側駆動電極8と振動部側駆動電極2との間に静電引力が働き、メンブレンフレーム5によって中心軸4に連結された振動部1は、中心軸4を中心としてZ軸回りの回転参照振動が発生する。このとき、X軸回りの角速度が本回転振動式角速度センサに印加されると、振動部1はZ軸回りの回転参照振動に同期してY軸回りに発生するコリオリ力によりY軸回りに検出振動を発生し、上下方向に振動する。同様にY軸回りの角速度が本回転振動式角速度センサに印加されると、振動部1はX軸回りに検出振動を発生し、上下方向に振動する。
【0004】
この振動部1の検出振動による振動部側検出電極3と基板側検出電極9とのギャップの変化を静電容量の差動変化として計測し、角速度を検出する。(例えば、非特許文献1参照)
【0005】
【非特許文献1】
井奥淳、外6名、「シリコン円筒振動型ジャイロ」、2002年11月27日〜28日、電気学会、センサマイクロマシン準部門、マイクロマシン・センサシステム研究会、PHS−02−16
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の回転振動式角速度センサの構造では、振動部1を駆動する振動部側駆動電極2と基板側駆動電極8との互いの対向面、及び静電容量が励起される振動部側検出電極3と基板側検出電極9との互いの対向面が剥き出しになっているため、振動部1の過変位により振動部側駆動電極2と基板側駆動電極8、または振動部側検出電極3と基板側検出電極9とが接触すると電流リークが発生し、大電流が流れることによって回転振動式角速度センサの破損を招く恐れがあった。
【0007】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、対向する電極が接触した場合に電流リークが発生せず、センサの破損を防止した回転振動式角速度センサを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、円筒体の振動部と、振動部の内周内で円筒体と同一の軸方向に配置されたトーションバーから成る中心軸と、中心軸と振動部とを連結する板状のフレームと、振動部の一端面に形成した振動部側駆動電極と、振動部の他端面に形成した振動部側検出電極と、振動部を静電駆動して振動させるために振動部側駆動電極に対向した基板側駆動電極を有する第1のガラス基板と、振動部側検出電極との間で構成される静電容量により振動部の変位を検出するために振動部側検出電極に対向した基板側検出電極を有する第2のガラス基板とを備え、振動部の一端と第1のガラス基板と、振動部の他端と第2のガラス基板とのうち、少なくとも一方の振動部の端とガラス基板との互いに対向する各面の少なくともいずれかの面に、対向する電極同士が当接しない絶縁構造を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、前記絶縁構造は、前記振動部の一端と第1のガラス基板と、振動部の他端と第2のガラス基板とのうち、少なくとも一方の振動部の端とガラス基板との互いに対向する各面の少なくともいずれかの面に設けた電極上に形成される窒化膜から成ることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1において、前記絶縁構造は、前記振動部の一端と第1のガラス基板と、振動部の他端と第2のガラス基板とのうち、少なくとも一方の振動部の端とガラス基板との互いに対向する各面の少なくともいずれかの面に設けた電極上に形成される突起状の絶縁体から成ることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1において、前記絶縁構造は、前記円筒体の振動部の端面に形成した前記振動部側電極と対向する第1のガラス基板及び第2のガラス基板の各面のうち少なくとも一方の面上に、対向する振動部側電極の円筒体の半径方向の幅より小さい幅の開口を有する凹部を設け、前記基板側電極は凹部の底面上に凹部の開口より突出しないように配置されて成ることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4において、変位した前記振動部側電極が当接する前記凹部の周縁に凹凸形状を形成することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
(実施形態1)
本実施形態の回転振動式角速度センサの基本構成は従来例と同様に図6に示され、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。以下、本実施形態の要旨となる構成について図1の側面断面図を用いて説明する。ここでは、基板側駆動電極8と基板側検出電極9には、その各表面を覆うように薄膜状の窒化膜から成る絶縁膜10が形成されており、基板側駆動電極8及び基板側検出電極9と振動部側駆動電極2及び振動部側検出電極3との各間には絶縁膜10が存在する。そして振動部1の過変位時、振動部側駆動電極2及び振動部側検出電極3は対向する絶縁膜10に各々接触し、基板側駆動電極8及び基板側検出電極9には接触しない。
【0015】
したがって、振動部側駆動電極2と基板側駆動電極8、及び振動部側検出電極3と基板側検出電極9とは互いに直接接触することがないので、電流のリークは発生せず、回転振動式角速度センサの破損を防止することができる。また、絶縁膜10を形成することで絶縁構造を容易に実現することができる。
【0016】
また、この絶縁膜10は、振動部側駆動電極2及び振動部側検出電極3の各表面を覆うように形成しても上記同様の効果を奏する。
【0017】
(実施形態2)
本実施形態の回転振動式角速度センサの基本構成は従来例と同様に図6に示され、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。以下、本実施形態の要旨となる構成について側面断面を示す図2を用いて説明する。ここでは、振動部側駆動電極2及び振動部側検出電極3の各表面上には、振動部1の外周端側に窒化膜あるいは酸化膜を突起状に形成した絶縁体11を形成しており、振動部1の過変位時、基板側駆動電極8及び基板側検出電極9には対向する絶縁体11が各々接触し、振動部側駆動電極2及び振動部側検出電極3が接触することはない。
【0018】
したがって、振動部側駆動電極2と基板側駆動電極8、及び振動部側検出電極3と基板側検出電極9とは互いに直接接触することがないので、電流のリークは発生せず、回転振動式角速度センサの破損を防止することができる。また、絶縁体11を突起状に形成することで、基板側駆動電極8及び基板側検出電極9との固着を防止することができる。
【0019】
この絶縁体11の配置箇所は、振動部1の過変位時に振動部側駆動電極2及び振動部側検出電極3より先に基板側駆動電極8及び基板側検出電極9に接触する箇所であれば、図2に示される箇所に限らない。
【0020】
また、この絶縁体11は、基板側駆動電極8及び基板側検出電極9の各表面に形成しても上記同様の効果を奏する。
【0021】
(実施形態3)
本実施形態の回転振動式角速度センサの基本構成は従来例と同様に図6に示され、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。以下、本実施形態の要旨となる構成について側面断面を示す図3を用いて説明する。ここでは、ガラス基板7の上面で振動部側検出電極3に対向する箇所、すなわち基板側検出電極9を形成する箇所を掘り込んで凹部12を形成し、凹部12の底面に基板側検出電極9を配置している。凹部12の円筒体(振動部1)の半径方向の幅は、対向する振動部側検出電極3の幅より小さく形成されている。また、基板側検出電極9の膜厚は凹部12の深さ未満であり、ガラス基板7の上面より突出しないように形成される。そして振動部1の過変位時には図4の破線に示すように、撓んだメンブレンフレーム5’に連結した振動部1’の下端面に設けた振動部側検出電極3’は凹部12の開口の周縁部に当接する。
【0022】
したがって、振動部側検出電極3´と基板側検出電極9とは互いに直接接触することがないので、電流のリークは発生せず、回転振動式角速度センサの破損を防止することができる。さらに、振動部側検出電極3と基板側検出電極9とのギャップは従来例と比較して略同様にでき、電極間の静電容量を低減させずに、電流リークを防止することができる。
【0023】
また、ガラス基板6の下面で振動部側駆動電極2に対向する箇所、すなわち基板側駆動電極8を形成する箇所を掘り込んで同様な凹部を形成し、この凹部の底面に基板側駆動電極8を配置しても上記同様の効果を奏する。
【0024】
(実施形態4)
本実施形態の回転振動式角速度センサは、実施形態3の振動部側検出電極3’が当接するガラス基板7の凹部12の開口周縁部の表面を粗くした凹凸部13を設けたもので、ガラス基板7の表面を粗くすることにより振動部側検出電極3’とガラス基板7との固着を防止することができる。
【0025】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、電極同士が直接接触することがなく、電流のリークは発生せず、センサの破損を防止することができるという効果がある。
【0026】
請求項2の発明によれば、絶縁構造を容易に形成することができるという効果がある。
【0027】
請求項3の発明によれば、電極と絶縁体との固着を防止することができるという効果がある。
【0028】
請求項4の発明によれば、電極間の静電容量を低減させずに電流リークを防止することができるという効果がある。
【0029】
請求項5の発明によれば、振動部側電極とガラス基板との固着を防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す側面断面図である。
【図2】本発明の実施形態2を示す側面断面図である。
【図3】本発明の実施形態3を示す側面断面図である。
【図4】同上の過変位時の状態を示す一部拡大図である。
【図5】本発明の実施形態4の過変位時の状態を示す一部拡大図である。
【図6】従来の全体構成を示す分解斜視図である。
【図7】同上の側面断面図である。
【符号の説明】
1 振動部
2 振動部側駆動電極
3 振動部側検出電極
4 中心軸
5 メンブレンフレーム
6,7 ガラス基板
8 基板側駆動電極
9 基板側検出電極
10 絶縁膜
Claims (5)
- 円筒体の振動部と、振動部の内周内で円筒体と同一の軸方向に配置されたトーションバーから成る中心軸と、中心軸と振動部とを連結する板状のフレームと、振動部の一端面に形成した振動部側駆動電極と、振動部の他端面に形成した振動部側検出電極と、振動部を静電駆動して振動させるために振動部側駆動電極に対向した基板側駆動電極を有する第1のガラス基板と、振動部側検出電極との間で構成される静電容量により振動部の変位を検出するために振動部側検出電極に対向した基板側検出電極を有する第2のガラス基板とを備え、振動部の一端と第1のガラス基板と、振動部の他端と第2のガラス基板とのうち、少なくとも一方の振動部の端とガラス基板との互いに対向する各面の少なくともいずれかの面に、対向する電極同士が当接しない絶縁構造を設けたことを特徴とする回転振動式角速度センサ。
- 前記絶縁構造は、前記振動部の一端と第1のガラス基板と、振動部の他端と第2のガラス基板とのうち、少なくとも一方の振動部の端とガラス基板との互いに対向する各面の少なくともいずれかの面に設けた電極上に形成される窒化膜から成ることを特徴とする請求項1記載の回転振動式角速度センサ。
- 前記絶縁構造は、前記振動部の一端と第1のガラス基板と、振動部の他端と第2のガラス基板とのうち、少なくとも一方の振動部の端とガラス基板との互いに対向する各面の少なくともいずれかの面に設けた電極上に形成される突起状の絶縁体から成ることを特徴とする請求項1記載の回転振動式角速度センサ。
- 前記絶縁構造は、前記円筒体の振動部の端面に形成した前記振動部側電極と対向する第1のガラス基板及び第2のガラス基板の各面のうち少なくとも一方の面上に、対向する振動部側電極の円筒体の半径方向の幅より小さい幅の開口を有する凹部を設け、前記基板側電極は凹部の底面上に凹部の開口より突出しないように配置されて成ることを特徴とする請求項1記載の回転振動式角速度センサ。
- 変位した前記振動部側電極が当接する前記凹部の周縁に凹凸形状を形成することを特徴とする請求項4記載の回転振動式角速度センサ。
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2003
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