JP2007046494A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 酸素供給不足状態が継続されることにより発生するHC被毒による触媒の酸素ストレージ能の低下を回復させることができ、触媒の浄化能力を向上することを可能とし、エミッションの悪化を防止することが可能な内燃機関の空燃比制御装置を提供すること。
【解決手段】 本内燃機関の空燃比制御装置は、三元触媒への酸素供給不足状態の継続に起因して発生するHC被毒による酸素ストレージ能の低下を判定する酸素ストレージ能低下判定手段と、酸素ストレージ能低下判定手段により酸素ストレージ能が低下したと判定された際に、酸素ストレージ能の低下を回復すべく三元触媒に所定量の酸素を供給するように、三元触媒に流入する排気の空燃比をリーン側のみの所定空燃比に制御する酸素ストレージ能回復処理を実行する酸素ストレージ能回復処理制御手段とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の空燃比制御装置、特に、排気系に酸素ストレージ能を有する三元触媒が配置された内燃機関の空燃比制御装置に関する。
従来より、自動車用内燃機関においては、排気浄化対策として、排気中の空燃比を理論空燃比(ストイキとも称す)の近傍に制御することで、不完全燃焼成分であるHC(炭化水素)およびCO(一酸化炭素)の酸化と、空気中の窒素と燃え残りの酸素とが反応して生成されるNOx(窒素酸化物)の還元とを同時に促進する三元触媒を利用することが知られている。
このような三元触媒を有する内燃機関においては、排気中の空燃比をストイキの近傍に制御すべく、排気中に残留する酸素濃度に基づき空燃比がストイキよりもリッチかリーンかを検出する酸素センサ(02センサとも称する)あるいは空燃比センサを排気通路に備え、それらのセンサ出力に基づいて燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック制御が行われ、これにより、排気の浄化が図られている。
また、近年においては、より高い排気浄化性能を有する内燃機関システムが求められており、この要求に対応すべく、酸素ストレージ能を有する三元触媒の適用が進められている。酸素ストレージ能を有する三元触媒とは、流入する排気の空燃比がリーン空燃比であるときに過剰分の酸素を吸着し、流入する排気の空燃比がリッチ空燃比であるときに不足分の酸素を放出することにより、排気を浄化する機能を有する三元触媒である。
このような酸素ストレージ能を有する三元触媒によれば、酸素ストレージ能の作用により、該三元触媒がHC、COおよびNOxの三成分の全てを80%以上除去する理論空燃比近傍の空燃比幅(ウィンドウとも称す)を拡げることが可能となる。
三元触媒のHC、COおよびNOxの浄化効率を最大に維持するためには、触媒雰囲気を理論空燃比近傍に維持する必要があるが、触媒の酸素貯蔵量を適当な一定量、例えば最大酸素貯蔵量の半分に保っておくことで、触媒に流入する排気空燃比がリーン空燃比側にずれても排気中の酸素が吸収され、あるいはリッチ空燃比側にずれても触媒に吸収されている酸素が放出されることから、触媒雰囲気を実質的に理論空燃比近傍に保つことができ、三元触媒による一定の酸化・還元能力が常に得られ、安定した排気浄化性能を発揮させることが可能となる。
このことに基づいて、酸素ストレージ能を有する三元触媒が排気系に配置された内燃機関において、該触媒が安定した浄化性能を発揮しうるように該触媒の酸素貯蔵量が適当な一定量を維持すべく排気空燃比を制御する空燃比制御装置の開発がなされている。例えば、酸素ストレージ能を有する三元触媒の排気上流側と排気下流側とにそれぞれ空燃比センサあるいはO2センサが配置され、三元触媒上流のメイン空燃比センサ出力に基づいて目標酸素貯蔵量になるように排気空燃比をフィードバック制御し、更に、三元触媒下流のサブO2センサ出力に基づいて、メイン空燃比センサ出力によるフィードバック制御のずれを補正するようにフィードバック制御する空燃比制御装置が知られている。
特開2003−049685号明細書
しかしながら、酸素ストレージ能を有する三元触媒においては、該三元触媒が理論空燃比以下のリッチ側空燃比状態に継続してさらされると、三元触媒への酸素供給不足状態が継続し、酸素ストレージ能を機能させる白金やパラジウムといった貴金属のまわりをHCが覆ってしまう所謂HC被毒を起こし、該HC被毒は三元触媒の酸素ストレージ能を低下させ、エミッションの悪化をもたらすことが一つの課題になっている。
本明細書中に記載される”酸素ストレージ能の低下”とは、HC被毒による三元触媒に吸蔵可能な最大酸素量の見かけ上の低下を意図する。白金やパラジウムといった貴金属のまわりをHCが覆ってしまう所謂HC被毒が発生すると、酸素ストレージ能が機能しなくなり、HC被毒した後の三元触媒への酸素の吸蔵がなされなくなる。そのため、HC被毒された時点において三元触媒に貯蔵されている酸素量が、HC被毒が無い状態において三元触媒が吸蔵可能な最大酸素量よりも少ない場合、見かけ上、三元触媒が吸蔵可能な最大酸素量が低下したことになる。
本発明は上記課題に鑑み、酸素ストレージ能を有する三元触媒が排気通路に配置された内燃機関の空燃比制御装置において、三元触媒への酸素供給不足状態か継続されることにより発生するHC被毒による三元触媒の酸素ストレージ能の低下を回復させることができ、触媒の浄化能力を向上することを可能とし、エミッションの悪化を防止することが可能な内燃機関の空燃比制御装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明によれば、流入する排気中の酸素濃度が過剰であるときには排気中の酸素を吸蔵し且つ排気中の酸素濃度が不足しているときには吸蔵している酸素を放出する酸素ストレージ能を有する三元触媒が排気通路に配置された内燃機関の空燃比制御装置において、前記三元触媒への酸素供給不足状態の継続に起因して発生するHC被毒よる前記酸素ストレージ能の低下を判定する酸素ストレージ能低下判定手段と、前記酸素ストレージ能低下判定手段により前記酸素ストレージ能が低下したと判定された際に、前記酸素ストレージ能の低下を回復すべく前記三元触媒に所定量の酸素を供給するように、前記三元触媒に流入する排気の空燃比をリーン側のみの所定空燃比に制御する酸素ストレージ能回復処理を実行する酸素ストレージ能回復処理制御手段とを有する、ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置が提供される。
三元触媒への酸素供給不足が継続されることで、酸素ストレージ能を機能させる白金やパラジウムといった貴金属のまわりをHCが覆ってしまう所謂HC被毒は、酸素を供給することにより回復することができる。このことに基づいて、請求項1の発明では、三元触媒への酸素供給不足状態の継続に起因して発生するHC被毒による酸素ストレージ能の低下を判定する酸素ストレージ能低下判定手段を有し、該酸素ストレージ能低下判定手段により三元触媒の酸素ストレージ能が低下したと判定されると、三元触媒に所定量の酸素を供給するように、酸素ストレージ能回復処理制御手段により三元触媒に流入する排気の空燃比がリーン側のみの所定空燃比に一時的に制御され、HC被毒を回復することができ、低下した酸素ストレージ能を回復することを可能とする。
また、酸素ストレージ能あるいは三元触媒の浄化能力が低下した際にその低下を回復させるための一手段として、三元触媒に流入する排気の空燃比をリッチ空燃比側とリーン空燃比側に交互に周期的に制御することが知られているが、請求項1の発明においては、三元触媒に流入する排気の空燃比をリーン側のみに制御することでHC被毒を回復し、低下した酸素ストレージ能を回復する。このことは、酸素ストレージ能あるいは触媒の浄化能力を向上すべく排気空燃比をリッチ空燃比側とリーン空燃比側に交互に周期的に制御させる場合と比較して、排気空燃比が、ウィンドウすなわち三元触媒がHC、COおよびNOxの三成分の全てを80%以上除去する理論空燃比近傍の空燃比幅から外乱により一時的に外れる可能性を有する機会を低減することができ、触媒の浄化能力を向上することを可能とし、エミッションの悪化を防止することが可能となる。
請求項2の発明によれば、前記酸素ストレージ能低下判定手段は、前記三元触媒に流入する排気の空燃比が理論空燃比近傍に安定している定常運転状態を判定する定常運転状態判定手段と、前記定常運転状態の継続時間を検出するタイマー手段とを有し、前記定常運転状態判定手段および前記タイマー手段により前記定常運転状態の所定時間以上の継続が確認されたときに、前記酸素ストレージ能が低下したと判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置が提供される。
すなわち、請求項2の発明では、三元触媒への酸素供給不足状態が継続している一状態として、三元触媒に流入する排気の空燃比が理論空燃比近傍に安定している定常運転状態が継続している状態を想定し、定常運転状態判定手段およびタイマー手段を有する酸素ストレージ能低下判定手段により、該定常運転状態が所定時間以上継続されたことが確認されたときに、酸素ストレージ能が低下したと判定される。
請求項3の発明によれば、前記酸素ストレージ能低下判定手段は、前記三元触媒に流入する排気の空燃比が理論空燃比近傍に安定している定常運転状態を判定する定常運転状態判定手段と、前記定常運転状態の継続期間中の吸入空気量を積算する吸入空気量検出手段とを有し、前記定常運転状態判定手段および前記吸入空気量検出手段により前記定常運転状態の継続期間中の吸入空気量の積算量が所定量を越えたことが確認されたときに、前記酸素ストレージ能が低下したと判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置が提供される。
すなわち、請求項3の発明では、三元触媒への酸素供給不足状態が継続している一状態として、三元触媒へ流入する排気の空燃比が理論空燃比近傍に安定している定常運転状態が継続している状態を想定し、定常運転状態判定手段および吸入空気量検出手段を有する酸素ストレージ能低下判定手段により、該定常運転状態の継続期間中の吸入空気量の積算量が所定量を越えたことが確認されたときに、酸素ストレージ能が低下したと判定される。
請求項4の発明によれば、前記酸素ストレージ能低下判定手段は、前記三元触媒雰囲気の空燃比が理論空燃比以下のリッチ側空燃比状態であるか否かを判定する触媒雰囲気空燃比検出手段と、前記理論空燃比以下のリッチ側空燃比状態の継続期間中の吸入空気量を積算する吸入空気量検出手段とを有し、前記触媒雰囲気空燃比検出手段および前記吸入空気量検出手段により理論空燃比以下のリッチ側空燃比状態の継続期間中の吸入空気量の積算量が所定量を越えたことが確認されたときに、前記酸素ストレージ能が低下したと判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置が提供される。
すなわち、請求項4の発明では、三元触媒への酸素供給不足状態が継続している一状態として、三元触媒雰囲気の空燃比が理論空燃比以下のリッチ空燃比状態が継続している状態を想定し、触媒雰囲気空燃比検出手段および吸入空気量検出手段を有する酸素ストレージ能低下判定手段により、三元触媒雰囲気の理論空燃比以下のリッチ空燃比状態の継続期間中の吸入空気量の積算量が所定量を越えたことが確認されたときに、酸素ストレージ能が低下したと判定される。
請求項5の発明によれば、更に、前記酸素ストレージ能の劣化度を検出する触媒劣化度検出手段を有し、前記触媒劣化度検出手段により検出された前記酸素ストレージ能の劣化度が大きい程、前記酸素ストレージ能回復処理制御手段による前記酸素ストレージ能回復処理の実行間隔を短くする、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つの請求項に記載の内燃機関の空燃比制御装置が提供される。
すなわち、請求項5の発明では、酸素ストレージ能回復処理の実行に当たって、触媒劣化度検出手段により酸素ストレージ能の劣化度が検出され、検出された劣化度に依存して酸素ストレージ能回復処理の実行間隔が決定される。具体的には、触媒劣化度検出手段により検出された酸素ストレージ能の劣化度が大きい程、酸素ストレージ能回復処理の実行間隔が短くされる。
本明細書中に記載される”酸素ストレージ能の劣化”とは、熱劣化等により白金やパラジウムなどの貴金属の表面積が減少することが原因で、酸素ストレージ能回復処理によっても、すなわち三元触媒に酸素を供給することによっても回復不能な永久的な酸素ストレージ能の低下を意図する。そして”酸素ストレージ能劣化度”とは、使用環境に置かれる前の当初の三元触媒が有していた最大酸素貯蔵量に対する、酸素ストレージ能回復処理によっても回復不能な酸素貯蔵量の度合いを意図している。例えば、使用環境に置かれる前の当初の三元触媒が有していた最大酸素貯蔵量を100とした場合に、三元触媒が使用環境に置かれて使用されたことにより、そのうちの30が酸素ストレージ能回復処理によっても回復することが不能な状態となった場合、酸素ストレージ能の劣化度は30とされる。
酸素ストレージ能の劣化度が大きくなるほど、三元触媒の貴金属の表面積が減少し、該表面積の減少が無い場合と比較して、HC被毒の進行が速まる。このことに基づいて、請求項5の発明では、酸素ストレージ能の劣化度がおおきいほど、酸素ストレージ能回復処理の実行間隔を短くすることで、HC被毒状態が許容範囲を越えることのない最適なHC被毒の回復を可能とする。
請求項6の発明によれば、更に、前記酸素ストレージ能の劣化度を検出する触媒劣化度検出手段を有し、前記触媒劣化度検出手段により検出された前記酸素ストレージ能の劣化度が大きい程、前記酸素ストレージ能回復処理制御手段による前記酸素ストレージ能回復処理において設定される前記三元触媒への酸素の供給量の前記所定量を小さく設定する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つの請求項に記載の内燃機関の空燃比制御装置が提供される。
すなわち、請求項6の発明では、酸素ストレージ能回復処理の実行に当たって、触媒劣化度検出手段により酸素ストレージ能の劣化度が検出され、検出された劣化度に依存して酸素ストレージ能回復処理の際の三元触媒への酸素供給量が決定される。具体的には、検出された劣化度が大きい程、三元触媒へ供給する酸素の所定量が小さく設定される。
酸素ストレージ能の劣化度が大きくなるほど、三元触媒の貴金属の表面積が減少し、該表面積の減少が無い場合と比較して、HC被毒量は少なくなる。このことに基づいて、請求項6の発明では、酸素ストレージ能の劣化度が大きいほど、回復すべきHC被毒量は少なく、三元触媒へ供給する酸素の所定量が小さく設定される。そして、三元触媒への供給酸素量が、酸素ストレージ能の劣化度に依存して決定されることにより、酸素ストレージ能回復処理における過剰なリーン制御を防止することができ、特にNOxによるエミッションの悪化を防止することが可能となる。
各請求項の記載によれば、例えば三元触媒に流入する排気が理論空燃比近傍に安定する定常運転状態の継続や三元触媒雰囲気の理論空燃比以下のリッチ側空燃比状態の継続などの、三元触媒への酸素供給不足状態の継続に起因して発生するHC被毒による三元触媒の酸素ストレージ能の低下を回復させることができ、触媒の浄化能力を向上することを可能とし、エミッションの悪化を防止することが可能となる共通の効果を奏する。
以下、添付図面を参照して本発明の内燃機関の空燃比制御装置の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の内燃機関の空燃比制御装置の一実施形態を示す概略構成図である。図1において、1は内燃機関本体、2は排気管、3は三元触媒、4はリニア空燃比センサ、5は酸素センサ(以下、O2センサと称す)、6は吸気管、7はスロットル弁、8はエアフローメータ、9は電子制御装置(以下、ECUと称す)、10は定常運転状態判定手段、11は定常運転継続タイマー手段(以下タイマー手段と称す)、をそれぞれ示す。
内燃機関本体1の排気管2には三元触媒3が配置され、その上流側には上流側空燃比センサとしてリニア空燃比センサ4が配置され、また、その下流側には下流側空燃比センサとしてO2センサ5がそれぞれ配置される。
三元触媒3は、触媒雰囲気が理論空燃比のときにNOx、HCおよびCOを最大効率で浄化する役割を果すものである。また、三元触媒3は、酸素ストレージ能を促進する助触媒として触媒担体に例えばセリアなどが添加されており、流入する排気の空燃比に応じて酸素を吸蔵したり、放出したりする酸素ストレージ能を有している。
三元触媒3の上流側に配置されたリニア空燃比センサ4は、排気の空燃比にほぼ比例する出力特性を有するセンサであり、三元触媒3の下流側に配置されたO2センサ5は、排気の空燃比が理論空燃比に対してリッチ側にあるか、あるいは、リーン側にあるかを検出する特性を有するセンサである。
内燃機関本体1の吸気管6には、スロットル弁7と、該スロットル弁7に調整された吸入空気量を測定するエアフローメータ8が配置されている。エアフローメータ8は、吸入空気量を直接計測する役割を果すものであって、ポテンシャルメータを内蔵して吸入空気量に比例したアナログ電圧の出力信号を発生するものである。
定常運転状態判定手段10は、三元触媒3に流入する排気の空燃比が理論空燃比近傍に安定し、三元触媒3への酸素供給不足状態にある定常運転状態に内燃機関状態があるか否かを判定する役割を果すものである。具体的には、車速、エンジン回転数およびスロット開度などから判定されることが考えられ、これらの各情報を検出する手段が、当該定常運転状態判定手段10の構成要素となる。
タイマー手段11は、定常運転状態判定手段10により内燃機関が定常運転状態にあると判定された時点から、定常運転状態の継続時間をカウントする役割を果すものである。
ECU9は、CPUおよびその周辺装置からなるマイクロコンピュータとして構成されており、リニア空燃比センサ4、O2センサ5、エアフローメータ8、定常運転状態判定手段10およびタイマー手段11からの検出情報を受け取ることが可能に構成され、これらの検出情報に基づいて、三元触媒3の酸素ストレージ能の低下の判定や、三元触媒3の劣化度の算出や、低下した酸素ストレージ能の回復処理を制御する役割を果すものである。
図1に示された実施形態の内燃機関の空燃比制御装置においては、上述した各構成要素を適当に協働させることで、酸素ストレージ能低下判定手段と、酸素ストレージ能回復処理制御手段と、触媒劣化度検出手段とを構成し、HC被毒による酸素ストレージ能の低下の最適な回復処理の実行を実現する。
酸素ストレージ能低下判定手段とは、三元触媒3への酸素供給不足状態の継続状態を把握し、HC被毒の有無およびHC被毒状態を推定し、酸素ストレージ能の低下を判定する役割を果すものである。
具体的な一実施形態においては、酸素ストレージ能低下判定手段は、定常運転状態判定手段10、タイマー手段11およびECU9を有して構成される。この場合、定常運転状態判定手段10およびタイマー手段11の検出情報に基づいてECU9により、定常運転状態の継続時間が所定時間を越えているか否かが判断され、定常運転状態の継続時間が所定時間を越えた時点で、三元触媒3への酸素供給不足による許容範囲を越えたHC被毒がなされたと推定され、酸素ストレージ能が低下したと判定される。
また、酸素ストレージ能低下判定手段は、別の一実施形態においては、定常運転状態判定手段10、エアフローメータ8およびECU9を有して構成される。この場合、定常運転状態判定手段10およびエアフローメータ8の検出情報に基づいてECU9により、定常運転状態中の吸入空気量の積算量が所定量を越えた時点で、三元触媒3への酸素供給不足による許容範囲を越えたHC被毒がなされたと推定され、酸素ストレージ能が低下したと判定される。
更に、酸素ストレージ能低下判定手段は、更に別の一実施形態においては、三元触媒3の下流側に配置されたO2センサ5、エアフローメータ8およびECU9を有して構成される。この場合、O2センサ5およびエアフローメータ8の検出情報に基づいてECU9により、三元触媒雰囲気が理論空燃比以下のリッチ側空燃比状態中の吸入空気量の積算量が所定量を越えた時点で、三元触媒3への酸素供給不足による許容範囲を越えたHC被毒がなされたと推定され、酸素ストレージ能が低下したと判定される。
尚、HC被毒状態を推定し酸素ストレージ能の低下を判定するパラメータとしては、酸素供給不足状態の継続時間、あるいは、酸素供給不足状態中の吸入空気量の積算量を使用することを上記に示したが他の適当なパラメータが使用されてもよい。HC被毒状態を推定し酸素ストレージ能の低下を判定するパラメータとして、酸素供給不足状態の継続時間を使用するか、あるいは、酸素供給不足状態中の吸入空気量の積算量を使用するかの選択については、酸素供給不足状態における吸入空気量の変化の度合いに依存して選択されることが好ましいと考える。三元触媒3に流入する排気の空燃比が同じであっても、吸入空気量が異なれば三元触媒3に対する酸素の吸蔵あるいは放出の度合いは異なる。従って、HC被毒状態を推定し酸素ストレージ能の低下を判定する際の吸入空気量の変化が大きい場合には、HC被毒状態を推定し酸素ストレージ能の低下を判定するパラメータは、酸素供給不足状態中の吸入空気量の積算量とすることが好ましいと考える。
酸素ストレージ能回復処理制御手段とは、酸素ストレージ能低下判定手段によりHC被毒により酸素ストレージ能が低下したと判定された際に、HC被毒を回復し酸素ストレージ能の低下を回復すべく三元触媒3に所定量の酸素を供給するように、三元触媒3に流入する排気の空燃比をリーン側のみの所定空燃比に制御する酸素ストレージ能回復処理を実行する役割を果すものである。
具体的な一実施形態においては、酸素ストレージ能回復処理制御手段は、リニア空燃比センサ4、O2センサ5およびECU9を有して構成される。この場合、三元触媒3に流入する排気の空燃比を所定のリーン空燃比に制御すべく、リニア空燃比センサ4の検出情報に基づいてECU9によりフィードバック制御し、更に、02センサ5の検出情報に基づいてECU9により、リニア空燃比センサ4によるフィードバック制御のずれを補正するようにフィードバック制御する。尚、酸素ストレージ能回復処理の実行において設定される酸素供給量の設定および酸素ストレージ能回復処理実行間隔の設定に当たっては、いろいろな手段が考えられるが、好適には、後述する触媒劣化度検出手段により算出される酸素ストレージ能の劣化度を示す触媒劣化係数をパラメータとして決定される。
触媒劣化度検出手段は、酸素ストレージ能低下判定手段によりHC被毒を回復し三元触媒3の低下した酸素ストレージ能の回復処理をする際の、三元触媒3の酸素ストレージ能の劣化度を検出する役割を果すものである。
具体的な一実施形態においては、触媒劣化度検出手段は、リニア空燃比センサ4、O2センサ5、エアフローメータ8およびECU9を有して構成される。この場合、リニア空燃比センサ4、O2センサ5およびエアフローメータ8の検出情報に基づいてECU9により、三元触媒3の吸蔵可能な最大酸素量あるいは放出可能な最大酸素量が演算される。例えば、三元触媒上流の排気空燃比から換算して排気中の酸素の過剰または不足する割合である酸素過剰率を算出し、該酸素過剰率とそのときの吸入空気量とから三元触媒3に吸蔵される酸素量または放出される酸素量とがわかり、これを積算していくことで三元触媒3の吸蔵可能な最大酸素量あるいは放出可能な最大酸素量が演算される。そして、推定された現状の三元触媒3の吸蔵可能な最大酸素量と、使用環境に置かれる前の当初の三元触媒3が有していた吸蔵可能な最大酸素量とを比較することにより、三元触媒3の酸素ストレージ能の劣化度を示す触媒劣化係数が算出される。
上述した各構成要素を有する図1に示す実施形態の内燃機関の空燃比制御装置の作用効果について以下に説明する。
図2は、本空燃比制御装置が適用された図1に示す内燃機関で実行される酸素ストレージ能回復処理の制御ルーチンの第一実施形態を示すフローチャート図である。
図2に示す制御ルーチンでは、酸素ストレージ能回復処理が実行されるに当たって、まず、触媒劣化度検出手段により現状の三元触媒3の劣化度を示す触媒劣化係数が算出される。次に、三元触媒3に流入する排気の空燃比が理論空燃比近傍に安定している定常運転状態にあるか否かの判定が定常運転状態判定手段10によりなされる。該定常運転状態判定手段10により、定常運転状態にあると判断されると、タイマー手段11により定常運転状態の継続時間がカウントされる。そして、定常運転状態継続時間が、ストレージ能回復処理の実行の必要性の有無を判断する閾値であって三元触媒3の酸素ストレージ能の劣化度を示す触媒劣化係数をパラメータとした所定の閾値を越えたか否かが判断され、該閾値を越えたことが確認されると、HC被毒により酸素ストレージ能が低下したと判定され、酸素ストレージ能回復処理制御手段により、三元触媒3に酸素を供給すべく三元触媒3に流入する排気の制御目標空燃比が所定のリーン空燃比に制御され、酸素ストレージ能回復処理が実行される。酸素ストレージ能回復処理の実行が開始されると同時に吸入空気量の積算処理が開始される。そして、酸素ストレージ能回復処理中の吸入空気量の積算量が、ストレージ能回復処理の終了を判断する閾値であって三元触媒3の酸素ストレージ能の劣化度を示す触媒劣化係数をパラメータとした所定の閾値を越えたか否かが判断され、該閾値を越えたことが確認されると、酸素ストレージ能回復処理が終了したと判断され、三元触媒3に流入する排気の制御目標空燃比が理論空燃比に戻される。
以下に各ステップの詳細について説明する。
先ず、三元触媒3の酸素ストレージ能回復処理が実行されるに当たって、ステップ101において、現状の三元触媒3の酸素ストレージ能の劣化度を示す触媒劣化係数(Cf)が、触媒劣化度検出手段により算出されECU9に読み込まれる。ここで、触媒劣化係数とは、使用環境に置かれる前に当初の三元触媒3が有していた最大酸素吸蔵量から現状の三元触媒3が有する最大酸素吸蔵量を引いた値を、使用環境に置かれる前に当初の三元触媒3が有していた最大酸素吸蔵量で除算した無次元の係数を意図している。ステップ101において、触媒劣化係数が算出されECU9に読み込まれると、続くステップ102へ進む。
ステップ102においては、定常運転状態判定手段10により、三元触媒3に流入する排気の空燃比が理論空燃比近傍に安定している定常運転状態、すなわち三元触媒3への酸素供給不足状態であるか否かの判定がなされる。具体的には、定常運転状態にあるか否かの判定は、車速、エンジン回転数、スロット開度あるいは吸入空気量などの検出情報に基づいてECU9により判定されることになる。ステップ102において、定常運転状態にあると判定されると、続くステップ103からステップ105へ進む。
ステップ103からステップ105においては、HC被毒を回復し三元触媒3の酸素ストレージ能の低下を回復する酸素ストレージ能回復処理の必要性の有無を判断すべく、定常運転状態継続時間が、ストレージ能回復処理の実行の必要性の有無を判断する閾値であって三元触媒3の酸素ストレージ能の劣化度を示す触媒劣化係数をパラメータとした所定の閾値を越えたか否かの判断が、定常運転状態判定手段10、タイマー手段11およびECU9を有する酸素ストレージ能低下判定手段によりなされる。
ステップ102において定常運転状態にあると判定されてからの経過時間、すなわち定常運転状態の継続時間のカウント(Tstableインクリメント)がタイマー手段により開始され、ステップ104において、酸素ストレージ能回復処理の実行の必要性を判断する閾値であって定常運転状態継続時間に対する閾値となるリーン制御要求判定値(κ)が算出される。該リーン制御要求判定値は、触媒劣化係数をパラメータとして算出される。ステップ105においては、定常運転継続タイマー(Tstable)すなわち定常運転状態の継続時間がリーン制御要求判定値を越えたか否かの確認がなされ、越えたことが確認されると、HC被毒により三元触媒3の酸素ストレージ能が低下したと判断され、続くステップ106からステップ112に進み、酸素ストレージ能回復処理が実行されることになる。
図4は、触媒劣化係数(Cf)とリーン制御要求判定値(κ)との関係を示す図である。図4に示すように、触媒劣化係数が大きいほど、リーン制御要求判定値は小さく設定される。酸素ストレージ能の劣化度が大きくなるほど、三元触媒の貴金属の表面積が減少し、該表面積の減少が無い場合と比較して、HC被毒の進行が速まる。このことに基づいて、ステップ103からステップ105においては、酸素ストレージ能の劣化度がおおきいほど、酸素ストレージ能回復処理の実行間隔を短くすることで、HC被毒状態が許容範囲を越えることのない最適なHC被毒回復処理を可能とする。
ステップ106からステップ112においては、HC被毒により低下した三元触媒3の酸素ストレージ能の回復処理がなされる。ステップ106およびステップ107においては、ステップ102からステップ105にて酸素ストレージ能低下判定手段によりHC被毒に起因して酸素ストレージ能が低下したと判定されたことを受けて、リーン制御要求フラグ(Xlean)が立ち、酸素ストレージ能回復処理すなわち三元触媒3に流入する排気の空燃比のリーン制御が開始される。該酸素ストレージ能回復処理が開始されると、先ず、ステップ108において、エアフローメータ8からの吸入空気量(Ga)の検出情報がECU9に読み込まれ、ステップ109にて酸素ストレージ能回復処理開始時点からの吸入空気量の積算処理が開始される。そして、ステップ110において、酸素ストレージ能回復処理を終了するか否かを判断する閾値であって吸入空気量の積算量に対する閾値となるリーン制御終了判定値(β)が算出される。該リーン制御終了判定値は、触媒劣化係数をパラメータとして算出される。ステップ111においては、酸素ストレージ能回復処理中の吸入空気量の積算量がリーン制御終了判定値を越えたか否かが判断され、越えていないと判断されると、ステップ112に進み、三元触媒3に流入する排気の制御目標空燃比(abyfref)が、触媒劣化係数をパラメータとして算出されるリーン制御の目標空燃比値(τ)に制御される。尚、このリーン制御の目標空燃比値への制御は、リニア空燃比センサ4、O2センサ5およびECU9が協働して、燃料噴射量を制御することによりなされる。
図5は、触媒劣化係数(Cf)とリーン制御終了判定値(β)との関係を示す図である。図5に示すように、触媒劣化係数が大きいほど、リーン制御終了判定値は小さく設定される。すなわち、三元触媒3の酸素ストレージ能の劣化度が大きいほど、吸入空気量の積算量に対する閾値が小さくされ、三元触媒3への酸素供給量が小さく制御される。
図6は、触媒劣化係数(Cf)とリーン制御の目標空燃比値(τ)との関係を示す図である。図6に示すように、触媒劣化係数が大きいほど、リーン制御の目標空燃比値は小さく設定される。すなわち、三元触媒3の酸素ストレージ能の劣化度が大きいほど、三元触媒3に流入する排気の空燃比が小さくされ、三元触媒3への酸素供給量が小さく制御される。
酸素ストレージ能の劣化度が大きくなるほど、三元触媒の貴金属の表面積が減少し、該表面積の減少が無い場合と比較して、HC被毒量は少なくなる。このことに基づいて、ステップ106からステップ112においては、酸素ストレージ能の劣化度が大きいほど、回復すべきHC被毒量は少なく、三元触媒へ供給する酸素の所定量が小さく設定される。そして、三元触媒への供給酸素量が、酸素ストレージ能の劣化度に依存して決定されることにより、酸素ストレージ能回復処理における過剰なリーン制御を防止することができ、特にNOxによるエミッションの悪化を防止することが可能となる。
ステップ112にて設定されたリーン制御の目標空燃比値による酸素ストレージ能回復処理は、定常運転状態が継続している場合には、酸素ストレージ回復処理の開始時点からの吸入空気量の積算量がリーン制御終了判定値に達するまで実行される。そして、吸入空気量の積算量がリーン制御終了判定値を越えた時点で、酸素ストレージ能回復処理が終了したと判断され、ステップ116およびステップ117に進み、三元触媒3に流入する排気の制御目標空燃比が理論空燃比とされるように変更され、図2に示す酸素ストレージ能回復処理の一連の制御ルーチンが終了される。
尚、ステップ102において定常運転中でないと判定された場合、ステップ105において定常運転状態の継続時間がリーン制御要求判定値を越えていないと判断された場合、ステップ107において酸素ストレージ能回復処理が開始されていないと判断された場合のそれぞれの制御ルーチンは、ステップ113、ステップ114およびステップ115に示される。
図3は、本空燃比制御装置が適用された図1に示す内燃機関で実行される酸素ストレージ能回復処理の制御ルーチンの第二実施形態を示すフローチャート図である。
図3に示す制御ルーチンでは、酸素ストレージ能回復処理が実行されるに当たって、まず、O2センサ5による三元触媒3から流出する排気の空燃比の検出値と、触媒劣化度検出手段により算出された触媒劣化係数がECU9に読み込まれる。次に、酸素ストレージ能回復処理の開始を判断する触媒劣化係数をパラメータとした閾値であって吸入空気量の積算量に対する閾値となるリーン制御開始判定値が算出される。そして、O2センサ5により三元触媒雰囲気が理論空燃比以下のリッチ側空燃比状態にあると判定されると、吸入空気量の積算処理が開始される。そして、吸入空気量の積算量が、リーン制御開始判定値を越えたか否かが判断され、該閾値を越えたことが確認されると、三元触媒3に酸素を供給すべく三元触媒3に流入する排気の制御目標空燃比が所定のリーン空燃比に制御され、酸素ストレージ能回復処理が開始される。酸素ストレージ能回復処理中の三元触媒3から流出する排気の空燃比はO2センサ5により監視され、O2センサ5により検出された排気空燃比が理論空燃比以下のリッチ側空燃比からリーン空燃比へ変化したことが確認されると、酸素ストレージ能回復処理が終了したと判断され、三元触媒3に流入する排気の制御目標空燃比が理論空燃比に戻される。
以下に各ステップの詳細について説明する。
先ず、三元触媒3の酸素ストレージ能回復処理が実行されるに当たって、ステップ201およびステップ202において、O2センサ5から検出されるセンサ出力(Voxs)と、触媒劣化度検出手段により算出される触媒劣化係数(Cf)がECUに読み込まれる。ここでの、触媒劣化係数の意図する内容は、上述した第一実施形態の中で説明した内容と同じであり説明は省略する。そして、ステップ203において、ストレージ能回復処理の開始の必要性の有無を判断する閾値であって吸入空気量の積算量に対する閾値となるリーン制御開始判定値(α)が算出される。該リーン制御開始判定値は、触媒劣化係数をパラメータとして算出される。
図7は、触媒劣化係数(Cf)とリーン制御開始判定値(α)との関係を示す図である。図7に示すように、触媒劣化係数が大きいほど、リーン制御開始判定値は小さく設定される。すなわち、三元触媒3の酸素ストレージ能の劣化度が大きいほど、吸入空気量の積算量に対する閾値が小さくされ、三元触媒へ3酸素を供給する酸素ストレージ能回復処理の実行間隔が小さく制御される。酸素ストレージ能の劣化度が大きい程、酸素ストレージ能回復処理の実行間隔を短くすることで、上述した第一実施形態の場合と同様に、HC被毒状態が許容範囲を越えることのない最適なHC被毒回復処理を可能とする。
ステップ201からステップ203において、O2センサ5のセンサ出力と、算出された触媒劣化係数とがECUに読み込まれ、リーン制御開始判定値がECUにより算出されると、続くステップ204へ進む。
ステップ204においては、三元触媒3の下流側に配置されたO2センサ5から検出されたセンサ出力に基づいて、三元触媒雰囲気の空燃比が理論空燃比以下のリッチ側空燃比状態にあるか、すなわち、三元触媒3への酸素供給が十分になされない状態にあるかの判断がなされる。尚、三元触媒雰囲気中の空燃比状態を判断するに当たり、三元触媒3の上流側に配置されたリニア空燃比センサ4を使用することも考えられる。しかしながら、三元触媒3の下流側に配置されたO2センサ5は、三元触媒3の上流側に配置されたリニア空燃比センサ4と比較して、例えば排気の熱的影響を受けることが少ないなどの理由から、精度よく三元触媒雰囲気の空燃比を検出することが可能であるため、好適には、三元触媒3の下流側に配置されたO2センサ5から検出されたセンサ出力に基づいて、三元触媒雰囲気の空燃比が理論空燃比以下のリッチ側空燃比状態にあるか否かの判断がなされる。三元触媒雰囲気の空燃比が理論空燃比以下のリッチ空燃側比状態にあるか否かの判断は、具体的には、O2センサ5から検出されたセンサ出力が0.45V以上であるか否かの判断がECU9によりなされることで判断される。ステップ204にて、三元触媒雰囲気の空燃比が理論空燃比以下のリッチ側空燃比状態にあると判断された場合には、続くステップ205からステップ207に進む。
ステップ205からステップ207においては、HC被毒を回復し三元触媒3の酸素ストレージ能の低下を回復する酸素ストレージ能回復処理の必要性の有無を判定すべく、三元触媒雰囲気の空燃比が理論空燃比以下のリッチ側空燃比状態にあると判断された時点からの吸入空気量の積算量が、酸素ストレージ能回復処理の実行の必要性の有無を判断する閾値となるリーン制御開始判定値(α)を越えたか否かの判断が、O2センサ5、エアフローメータ8およびECU9を有する酸素ストレージ能低下判定手段によりなされる。
ステップ204において、三元触媒雰囲気が理論空燃比以下のリッチ側空燃比状態であると判断されると、先ず、ステップ205において、エアフローメータ8からの吸入空気量(Ga)の検出情報がECU9に読み込まれ、ステップ206にて吸入空気量の積算処理が開始される。そして、ステップ207において、酸素ストレージ能回復処理を開始するか否かを判断する閾値であって吸入空気量の積算量に対する閾値となるリーン制御開始判定値を、吸入空気量の積算量が越えたか否かが判断され、越えたと判断されると、ステップ208に進み、三元触媒3に流入する排気の制御目標空燃比(abyfref)が、触媒劣化係数をパラメータとして算出されるリーン制御の目標空燃比値(τ)に制御される。尚、このリーン制御の目標空燃比値への制御は、リニア空燃比センサ4、O2センサ5およびECU9が協働して、燃料噴射量を制御することによりなされる。尚、ステップ208にて制御されるリーン制御の目標空燃比(τ)と触媒劣化係数(Cf)との関係は、上述した第一実施形態の中で図6を参照して説明した内容と同じであり、ここでの説明は省略する。
ステップ208において、酸素ストレージ能回復処理制御手段により、三元触媒3に流入する排気の制御目標空燃比がリーン制御の目標空燃比値に制御された後も、O2センサ5により三元触媒雰囲気の空燃比が監視される。三元触媒3に流入する排気の空燃比がリーン制御の目標空燃比値に制御されることで、三元触媒3に酸素が供給されHC被毒が回復でき酸素ストレージ能の低下を回復することが可能となる。そして、三元触媒3への十分な酸素供給なされると、三元触媒は酸素飽和状態となり、O2センサ5から流出する排気の空燃比がリーン空燃比となり、O2センサ5からの検出されるセンサ出力(Voxs)が0.1V以下となり、このことが確認されると、酸素ストレージ能回復処理が終了したと判断され、吸入空気量の積算量値がクリアされ、三元触媒3に流入する排気の制御目標空燃比が理論空燃比(14.6)に戻される。これらの処理に対応する制御ルーチンは、ステップ209からステップ212に示される。
本発明の内燃機関の空燃比制御装置の一実施形態を示す概略構成図である。 本空燃比制御装置が適用された図1に示す内燃機関で実行される酸素ストレージ能回復処理の制御ルーチンの第一実施形態を示すフローチャート図である。 本空燃比制御装置が適用された図1に示す内燃機関で実行される酸素ストレージ能回復処理の制御ルーチンの第二実施形態を示すフローチャート図である。 触媒劣化係数とリーン制御要求判定値との関係を示す図である。 触媒劣化係数とリーン制御終了判定値との関係を示す図である。 触媒劣化係数とリーン制御の目標空燃比値との関係を示す図である。 触媒劣化係数とリーン制御開始判定値との関係を示す図である。
符号の説明
1 内燃機関本体
2 排気管
3 三元触媒
4 リニア空燃比センサ
5 酸素センサ
6 吸気管
7 スロットル弁
8 エアフローメータ
9 電子制御装置(ECU)
10 定常運転状態判定手段
11 タイマー手段

Claims (6)

  1. 流入する排気中の酸素濃度が過剰であるときには排気中の酸素を吸蔵し且つ排気中の酸素濃度が不足しているときには吸蔵している酸素を放出する酸素ストレージ能を有する三元触媒が排気通路に配置された内燃機関の空燃比制御装置において、
    前記三元触媒への酸素供給不足状態の継続に起因して発生するHC被毒による前記酸素ストレージ能の低下を判定する酸素ストレージ能低下判定手段と、
    前記酸素ストレージ能低下判定手段により前記酸素ストレージ能が低下したと判定された際に、前記酸素ストレージ能の低下を回復すべく前記三元触媒に所定量の酸素を供給するように、前記三元触媒に流入する排気の空燃比をリーン側のみの所定空燃比に制御する酸素ストレージ能回復処理を実行する酸素ストレージ能回復処理制御手段と、
    を有する、ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 前記酸素ストレージ能低下判定手段は、前記三元触媒に流入する排気の空燃比が理論空燃比近傍に安定している定常運転状態を判定する定常運転状態判定手段と、前記定常運転状態の継続時間を検出するタイマー手段とを有し、
    前記定常運転状態判定手段および前記タイマー手段により前記定常運転状態の所定時間以上の継続が確認されたときに、前記酸素ストレージ能が低下したと判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 前記酸素ストレージ能低下判定手段は、前記三元触媒に流入する排気の空燃比が理論空燃比近傍に安定している定常運転状態を判定する定常運転状態判定手段と、前記定常運転状態の継続期間中の吸入空気量を積算する吸入空気量検出手段とを有し、
    前記定常運転状態判定手段および前記吸入空気量検出手段により前記定常運転状態の継続期間中の吸入空気量の積算量が所定量を越えたことが確認されたときに、前記酸素ストレージ能が低下したと判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 前記酸素ストレージ能低下判定手段は、前記三元触媒雰囲気の空燃比が理論空燃比以下のリッチ側空燃比状態であるか否かを判定する触媒雰囲気空燃比検出手段と、前記理論空燃比以下のリッチ側空燃比状態の継続期間中の吸入空気量を積算する吸入空気量検出手段とを有し、
    前記触媒雰囲気空燃比検出手段および前記吸入空気量検出手段により理論空燃比以下のリッチ側空燃比状態の継続期間中の吸入空気量の積算量が所定量を越えたことが確認されたときに、前記酸素ストレージ能が低下したと判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  5. 更に、前記酸素ストレージ能の劣化度を検出する触媒劣化度検出手段を有し、
    前記触媒劣化度検出手段により検出された前記酸素ストレージ能の劣化度が大きい程、前記酸素ストレージ能回復処理制御手段による前記酸素ストレージ能回復処理の実行間隔を短くする、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つの請求項に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  6. 更に、前記酸素ストレージ能の劣化度を検出する触媒劣化度検出手段を有し、
    前記触媒劣化度検出手段により検出された前記酸素ストレージ能の劣化度が大きい程、前記酸素ストレージ能回復処理制御手段による前記酸素ストレージ能回復処理において設定される前記三元触媒への酸素の供給量の前記所定量を小さく設定する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つの請求項に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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