JP2007043980A - 焼成和洋菓子用品質改良剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】釜落ちが抑制され、しっとりとしたソフトな食感と弾力性を有するスポンジケーキ、シフォンケーキ、チーズケーキ、カステラ等の焼成和洋菓子を提供する。
【解決手段】焼成和洋菓子用品質改良剤中に、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品、またはこんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品と水溶性へミセルロースを含む。
【選択図】なし
【解決手段】焼成和洋菓子用品質改良剤中に、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品、またはこんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品と水溶性へミセルロースを含む。
【選択図】なし
Description
本発明は、焼成和洋菓子用品質改良剤及び該品質改良剤を含む焼成和洋菓子に関する。詳細には、スポンジケーキ、シフォンケーキ、チーズケーキ、カステラ等の焼成和洋菓子において、焼成時および焼成後の釜落ち(焼成和洋菓子のボリューム低下)を抑制し、適度な弾力があるにも関わらずしっとりとしたソフトな食感を付与することが出来る焼成和洋菓子用品質改良剤及び該品質改良剤を含む焼成和洋菓子に関する。
スポンジケーキやシフォンケーキ、チーズケーキ、カステラ等の焼成和洋菓子において、仕上がり時の概観の美しさは商品価値を大きく左右する。ここで、焼成中および焼成後の釜落ちは、当該食品の概観の美しさを損ない商品価値を落とす要因の一つとなる。また、釜落ちを防ぐべく膨らみを重視した処方で調製すると、その食感は弾力無くぱさついたものとなり好まれない。よって、焼成和洋菓子は、釜落ちを抑制し弾力があるにもかかわらず、しっとりとしたソフトな食感を有することが求められる。
さらに、焼成和洋菓子の製造方法としては、全卵をあらかじめホイップしてからケーキ生地を調製する共立て法、卵を卵白と卵黄に分け、卵白部分をホイップしメレンゲ状態にしてからケーキ生地を調製する別立て法、そして全ての原材料を一緒にまとめて混合し、ホイップしてケーキ生地を調製するオールインミックス法の3つの方法が知られているが、前記2つの製造法は、オールインミックス法と比べ工程が煩雑で、また大量生産にて生地を調製する場合では短時間で物性の変化するメレンゲ等を使用するため生地の品質管理が困難で、これらの方法は大量生産されるスポンジケーキ類の製造には殆ど採用されていない。
オールインミックス法では、使用する原材料を一緒にまとめて混合、ホイップして生地を調製する方法で、多くは卵のみでなく乳化剤からなる起泡剤を用いる為、品質の安定したケーキ生地を簡便に調製できることから大量生産されるスポンジケーキ類の製造に幅広く利用されている。
例えば、加工鶏卵を起泡性乳化油脂組成物に配合することによって、乳化剤と相乗効果を生み出し、起泡性、気泡安定性を高めることにより釜落ちしにくいケーキ類ができ、さらに乳清タンパク質、加工澱粉を起泡性乳化油脂組成物に配合することにより、その効果を一層高めることができること(特許文献1)や、また、大豆蛋白中の主構成成分である低変性大豆蛋白質を酵素分解反応よって加水分解して得られるポリペプチド混合物をケーキ用起泡剤として使用する方法(特許文献2)が記載されている。また、焼成後のケーキ類を、逆様に吊るした状態で常温まで冷却する方法(特許文献3)なども検討されている。
しかしながら、乳化剤特有の風味の問題や焼成後の釜落ちも問題となったり、これらの方法は、新しい工程および設備の追加・導入が必要であったり、釜落ちは抑制出来るものの、ぱさついたり油っぽい食感となったりするものであった。
以上から、大量生産に適した調製の簡便なオールインミックス法により、釜落ちを抑制して、なおかつ弾力があるにもかかわらずしっとりとしたソフトな食感を付与することができる焼成和洋菓子用品質改良剤が要望されている。
一方、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品は、クッキー、スナック菓子、ドーナツ、クッキー、パンなどの穀類加工食品の食感を改良できることが知られているものの(特許文献4)、当該乾燥こんにゃく加工品のスポンジケーキやシフォンケーキ、チーズケーキ、カステラ等への釜落ちの抑制に関する記載はなく、このような効果は知られていない。
本発明はスポンジケーキ、シフォンケーキ、チーズケーキ、カステラ等の焼成和洋菓子に関し、釜落ち現象を抑制し、しかも、パサパサとした食感とならずに、しっとりとした食感が保たれる焼成和洋菓子を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品をスポンジケーキ、シフォンケーキ、チーズケーキ、カステラ等の焼成和洋菓子の製造時に含むことにより、焼成時および焼成後の釜落ち(スポンジの沈み現象)を抑制できることを見いだした。更には、当該乾燥こんにゃく加工品に水溶性ヘミセルロースを併用して含むことにより、釜落ち抑制効果に加えて、かつ、しっとりとしたソフトな食感と弾力性が付与されることを見いだした。
すなわち、本発明は以下の態様を有する焼成和洋菓子用品質改良剤、焼成和洋菓子並びに焼成和洋菓子の釜落ちを抑制する方法に関する;
項1.こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品を含むことを特徴とする焼成和洋菓子用品質改良剤。
項2.更に、水溶性ヘミセルロースを含む項1に記載の焼成和洋菓子用品質改良剤。
項3.項1又は2に記載の焼成和洋菓子用品質改良剤を含む焼成和洋菓子。
項4.こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品を含むことを特徴とする焼成和洋菓子の釜落ちを抑制する方法。
項1.こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品を含むことを特徴とする焼成和洋菓子用品質改良剤。
項2.更に、水溶性ヘミセルロースを含む項1に記載の焼成和洋菓子用品質改良剤。
項3.項1又は2に記載の焼成和洋菓子用品質改良剤を含む焼成和洋菓子。
項4.こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品を含むことを特徴とする焼成和洋菓子の釜落ちを抑制する方法。
本発明により、スポンジケーキ、シフォンケーキ、チーズケーキ、カステラ等の焼成和洋菓子は、釜落ちが抑制され、しっとりとしたソフトな食感と弾力性を有するようになった。
本発明の焼成和洋菓子用品質改良剤は、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品を含むことを特徴とする。
本発明でいう釜落ちとは、焼成和洋菓子について、焼成中または焼成後に該和洋菓子の上部のボリュームが低下して上面がへこんでしまうことを言う。
本発明でいう焼成和洋菓子とは、小麦粉、糖類、油脂、全卵等からなる主原料を混合し、しかる後に焼成する和洋菓子である。具体的には、スポンジケーキ、シフォンケーキ、カステラ、チーズケーキ、ホットケーキ、どらやきの皮部分等を指す。特には釜落ちが問題となる焼成和洋菓子、具体的には、スポンジケーキ、シフォンケーキ、カステラ、チーズケーキなどを好ましく挙げることができる。
本発明でいう乾燥こんにゃく加工品は、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて複合組成物としたものであり、粒状、糸状、粉末状等の任意形状を有するように加工されたものである。こんにゃく粉は、通常用いられているこんにゃく粉や、生こんにゃく芋の乾燥粉砕品等を使用することが出来る。糖質は、例えば、ショ糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水飴、粉末水飴、還元麦芽水飴、蜂蜜、トレハロース、トレハルロース、ネオトレハロース、パラチノース、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール類などを使用することが出来るが、好ましくは水飴である。澱粉は、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ等のトウモロコシ由来のでんぷん;タピオカでんぷん;サツマイモ由来のでんぷん、ジャガイモ由来のでんぷん、サゴヤシ由来のでんぷん等やそれらの加工澱粉を適宜選択して用いることができる。
乾燥こんにゃく加工品の加工方法は、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて複合物として乾燥加工品とすることができ、水中で膨潤できるようなものに加工できればどのような製法を採ってもよい。好ましい製造方法として、こんにゃく芋から常法にてグルコマンナンを抽出して乾燥し、澱粉と混合し、水を添加して膨潤し、少量のアルカリを添加することによる脱アセチル化処理を行った後、成型、加熱ゲル化、中和、糖質溶液浸漬、乾燥することで製造する例を挙げることができる。更には、特許第2866609号或いは特許第3159104号に記載の方法で製造することができる。
また、乾燥こんにゃく加工品中のこんにゃく粉、糖質及び澱粉の組成も、特に制限されないが、乾燥こんにゃく加工品中、こんにゃく粉5〜30重量%、水飴30〜90重量%、澱粉5〜30重量%の範囲となるように、任意に調整することができる。
なお、乾燥こんにゃく加工品は、粉末状、粒状、糸こんにゃくのような糸状といった任意の形態をとることができるが、好ましくは、粉末状態のものである。粉末の度合いとしては、50メッシュ篩過のものがよく、好ましくは、80メッシュ篩過、更に好ましくは、120メッシュ篩過である。粉末状態のものを使用することにより、乾燥こんにゃく加工品の膨潤工程がより容易になる。
このような製剤は、商業上入手することができ、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のサンスマート400等のサンスマートシリーズを挙げることができる。
本発明でいう水溶性ヘミセルロースは、水溶性の大豆由来のヘミセルロースをいう。本発明における水溶性ヘミセルロースは豆類由来、特に大豆、なかでも子葉由来のものが好ましい。水溶性ヘミセルロースは、その分子量がどの様な値のものでも使用可能であるが、好ましくは平均分子量が数万〜数百万、具体的には5万〜100 万であるのが好ましい。なお、この水溶性ヘミセルロースの平均分子量は標準プルラン(昭和電工(株)販)を標準物質として0.1 MのNaNO3 溶液中の粘度を測定する極限粘度法で求めた値である。水溶性ヘミセルロースは、ヘミセルロースを含む原料から水抽出や場合によっては酸、アルカリ条件下で加熱溶出させるか、酵素により分解溶出させることができる。水溶性ヘミセルロースの製造法の一例を示すと以下のようである。油糧種子、例えば大豆、パーム、ヤシ、コーン、綿実など通常油脂や蛋白質を除いた殻、あるいは穀類、例えば米、小麦など通常澱粉等を除いた粕等の植物を原料とすることができる。原料が大豆であれば、豆腐や豆乳、分離大豆蛋白を製造するときに副生するオカラを利用することができる。これらの原料を酸性乃至アルカリ性の条件下、好ましくは各々の蛋白質の等電点付近のpHで、好ましくは80℃以上130℃以下、より好ましくは100℃以上130℃以下にて加熱分解し、水溶性画分を分画した後、そのまま乾燥するか、例えば活性炭処理或いは樹脂吸着処理或いはエタノール沈澱処理して疎水性物質あるいは低分子物質を除去し乾燥することによって、水溶性ヘミセルロースを得ることができる。
本発明の穀類加工食品用食感改良剤は、前記乾燥こんにゃく加工品または前記乾燥こんにゃく加工品と水溶性ヘミセルロースを含有することを特徴とするが、本発明の効果に影響を与えない限度において、他の食品或いは食品添加剤を含有していても良い。例えば、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド等の乳化剤、一般の動植物性油脂や油溶性ビタミンであるトコフェロール類、デキストリン、寒天、カラギナン、ファーセレラン、タマリンドシードガム、タラガム、カラヤガム、ペクチン、キサンタンガム、アルギン酸、アルギン酸塩、トラガントガム、グァーガム、ローカストビーンガム、プルラン、ジェランガム、アラビアガム、ヒアルロン酸、シクロデキストリン、キトサン、CMC、MC、HPMC、HPC、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カードラン、ガティガム、サイリウムシードガム等の多糖類や多糖類加水分解物、澱粉分解物、乳タンパク、大豆タンパク、卵タンパク等のタンパク質等が挙げられる。
本発明の焼成和洋菓子品質改良剤の焼成和洋菓子への添加量であるが、使用する焼成和洋菓子によって、適宜調整することができる。好ましくは、前記乾燥こんにゃく加工品の添加量が、焼成和洋菓子に使用する穀類に対して(対粉)0.1〜50重量%、好ましくは、1〜10重量%、さらに好ましくは2〜5重量%となるように任意に調整して添加する。また乾燥こんにゃく加工品と水溶性ヘミセルロースを併用する場合、水溶性ヘミセルロースは、焼成和洋菓子に使用する穀類に対して(対粉)0.1〜20重量%、好ましくは、0.5〜10重量%、さらに好ましくは1〜3重量%となるように任意に調整して添加する。
本発明は、前記品質改良剤を含有する焼成和洋菓子に関するものである。本発明の焼成和洋菓子は、従来公知の方法により調製される。例えば、焼成和洋菓子の製造方法としては、全卵をあらかじめホイップしてからケーキ生地を調製する共立て法、卵を卵白と卵黄に分け、卵白部分をホイップしメレンゲ状態にしてからケーキ生地を調製する別立て法、そして全ての原材料を一緒にまとめて混合し、ホイップしてケーキ生地を調製するオールインミックス法の3つの方法が知られている。本発明ではいずれの方法でも調製可能であるが、好ましくは、大量生産可能なオールミックス法により調製するのが好ましい。
オールインミックス法では、小麦粉、全卵、糖質、油脂、水、乳化剤等の原材料を一緒にまとめて混合、ホイップして起泡させ焼成型に流し込んだ後、オーブンで焼成するといった加工方法により調製することができる。
本発明の焼成和洋菓子は、本発明の品質改良剤を含有する以外は、本発明の効果に影響を与えない限りにおいて、通常の食品と同様の構成をとることができる。例えば、食感改良剤の他、水、タンパク質、油脂、増粘剤、糖質、調味料、香料、色素、乳化剤等より選択された添加材料を、所定の割合で混合したものが用いられる。
タンパク質としては、通常、牛乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、全脂加糖練乳、脱脂加糖練乳或いは生クリームなどの乳由来のタンパク質や、全卵、卵黄、卵白等の卵由来のタンパク質が好適に用いられる。
油脂としては、バター、生クリーム等の乳脂肪分、植物油脂あるいはこれらの分別油脂、硬化油脂、エステル交換油脂等の中から一種又は二種以上を併用することができる。植物油脂の例としては、大豆油、菜種油、綿実油、コーン油、ひまわり油、オリーブ油、サフラワー油、パーム油、パーム核油及びヤシ油を挙げることができる。
増粘剤としては、本発明の効果に悪影響を及ぼさない限度で添加することができる。例えば、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、タマリンドシードガム、タラガム、カードラン、ラムザンガム、ガティガム、グルコマンナン、カラヤガム、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、アラビアガム、マクロホモプシスガム、カラギナン、寒天、ゼラチン、ペクチン、カードラン、グルコマンナン、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、各種化工・加工澱粉、CMC、MC、HPC、HPMC、微結晶セルロース、発酵セルロース、微小繊維状セルロース等を挙げることができる。
糖質としては、例えば、ショ糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水飴、粉末水飴、還元麦芽水飴、蜂蜜、トレハロース、トレハルロース、ネオトレハロース、パラチノース、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール類をあげることができる。また、サッカリンナトリウム、サイクラメート及びその塩、アセスルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム、スクラロース、アリテーム、ステビア抽出物に含まれるステビオサイドなどの高甘味度甘味料等も添加してもよい。
乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル(モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、クエン酸あるいは乳酸等の有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル)、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、サポニン、ポリソルベート、ステアロイル乳酸塩(ナトリウム、カルシウム)等などを挙げることができる。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、処方中、特に記載のない限り単位は重量部とし、文中*印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中※印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
実施例1〜2:スポンジケーキの調製
篩っておいた薄力粉100gに対し、全卵150g、砂糖100g、サラダ油15g、水20g、乳化油脂10g、乾燥こんにゃく加工品(サンスマート※400*)2g、水溶性ヘミセルロース(SM−1200*)2gをボールに入れ、5分間ホイッパーにて混合して生地を作り、直径18センチメートルの焼成型に流し込み、オーブン(上下170℃)にて30分間焼成した。焼成後、室温にて冷却した後のスポンジケーキの釜落ち及び食感について評価した。釜落ちについては、図1にスポンジケーキの断面図の写真を、食感については表2に示す。
篩っておいた薄力粉100gに対し、全卵150g、砂糖100g、サラダ油15g、水20g、乳化油脂10g、乾燥こんにゃく加工品(サンスマート※400*)2g、水溶性ヘミセルロース(SM−1200*)2gをボールに入れ、5分間ホイッパーにて混合して生地を作り、直径18センチメートルの焼成型に流し込み、オーブン(上下170℃)にて30分間焼成した。焼成後、室温にて冷却した後のスポンジケーキの釜落ち及び食感について評価した。釜落ちについては、図1にスポンジケーキの断面図の写真を、食感については表2に示す。
実施例1のスポンジケーキ(乾燥こんにゃく加工品使用)は、冷却後も釜落ちが抑制されており、嵩高いスポンジケーキとなった。更に、実施例2のスポンジケーキ(乾燥こんにゃく加工品及び水溶性ヘミセルロース併用)では、釜落ちの抑制効果に加えて、食感もやわらかくしっとりした食感となり、更には、釜落ちの抑制効果も実施例1よりも高かった。
それに比べて、比較例1のスポンジケーキ(ブランク)は釜落ちが見られ、また、食感もぼそぼそしており、また、比較例2のスポンジケーキ(水溶性ヘミセルロース使用)は、組織はきめ細かくなるものの、やや釜落ちが見られ、更には食感もしっとりとはしているがやや重い食感となった。
実施例3:チーズケーキの調製
ボールに全卵150g、砂糖80g、バター110g、クリームチーズ200g、薄力粉30g、レモン汁5g、乾燥こんにゃく加工品(サンスマート※400*)3gを入れ、5分間混合し、焼成型に生地を流し込んで、オーブン(上下200℃)で30分焼成してチーズケーキを調製した。得られたチーズケーキは釜落ちを抑制された外観を保ち、また食したところ、内部はしっとりとしたソフトな食感と弾力性がある、おいしいチーズケーキであった。
ボールに全卵150g、砂糖80g、バター110g、クリームチーズ200g、薄力粉30g、レモン汁5g、乾燥こんにゃく加工品(サンスマート※400*)3gを入れ、5分間混合し、焼成型に生地を流し込んで、オーブン(上下200℃)で30分焼成してチーズケーキを調製した。得られたチーズケーキは釜落ちを抑制された外観を保ち、また食したところ、内部はしっとりとしたソフトな食感と弾力性がある、おいしいチーズケーキであった。
また、比較例として、本発明の乾燥こんにゃく加工品に代えて、グルコマンナン0.36部(乾燥こんにゃく加工品中のこんにゃく粉量に相当)を用いた以外は実施例3と同様の処方、製法でチーズケーキを調製した。得られたチーズケーキは釜落ちし、また食したところ内部は粘りがあり、ソフトな食感とは言えなかった。
本発明により、釜落ちが抑制され、しっとりとしたソフトな食感と弾力性を有するスポンジケーキ、シフォンケーキ、チーズケーキ、カステラ等の焼成和洋菓子を提供できる。
Claims (4)
- こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品を含むことを特徴とする焼成和洋菓子用品質改良剤。
- 更に、水溶性ヘミセルロースを含む請求項1に記載の焼成和洋菓子用品質改良剤。
- 請求項1又は2に記載の焼成和洋菓子用品質改良剤を含む焼成和洋菓子。
- こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品を含むことを特徴とする焼成和洋菓子の釜落ちを抑制する方法。
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