JP2007042616A - 発光素子及び表示デバイス並びにそれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】極めて高い酸素及び水蒸気の遮断性を有するガスバリア層を備える発光素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】発光素子は、基板1と、発光機能に関与する有機層3をその上下両面に隣接して配した電極2,4で挟み込んでなる有機エレクトロルミネッセント素子9と、複数の層が積層された層構造体からなるガスバリア層10と、を備えている。また、有機エレクトロルミネッセント素子9は、基板1上に実装され、且つ、基板1とガスバリア層10との間に配されている。このガスバリア層10は、粘土を主要成分とし且つ粘土粒子が配向して積層した構造を有する粘土薄膜層6と、シリコン及びアルミニウムの少なくとも一方を含む無機化合物を主要成分とする無機薄膜層5と、をそれぞれ1層以上有する層構造体からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光素子及び表示デバイス並びにそれらの製造方法に関する。
固体の有機化合物からの電界発光を利用した有機エレクトロルミネッセント素子(以降においては、有機EL素子と記すこともある)は、低電圧で高輝度に光る発光素子として、近年ディスプレイの分野ばかりでなく、照明用途としても非常に注目されている。
有機EL素子に関する研究は古くから行われてきたが、発光効率が非常に悪く、寿命も短かったことから、本格的な実用化研究にはなかなか至らなかった。しかしながら、1987年のC.W.Tangらによるキャリア輸送層と発光層を分離した積層構造を有する有機EL素子の提案により、10V以下の低電圧にもかかわらず、1000cd/m2 以上の高輝度発光が得られるようになった(例えば、非特許文献1参照)。この報告を皮切りに、実用化へ向けた有機EL素子の研究が加速したと言える。
しかしながら、有機EL素子は有機半導体からなる材料により電界発光しているため酸素や水蒸気の影響を非常に受けやすく、少しでも酸素や水分があると劣化してしまい、長時間発光を維持することができない。したがって、有機EL素子の実用化のためには酸素及び水蒸気に対する極めて高い遮蔽性能を付与することが必要である。そのために、一般的には酸素及び水蒸気の濃度を1ppm以下に制御した、窒素や希ガスといった不活性ガス雰囲気中で、酸素及び水蒸気の透過性が極めて低いガラスや金属のキャップを有機EL素子にかぶせ、さらに内部に酸素及び水蒸気を除去する吸着剤を入れ、キャップと基板の接合部をガスバリア性の高い接着剤で封止することによって内部の気密性を保ち、酸素や水蒸気の侵入を防ぐ構造をとる。この構造では、有機EL素子の内部に乾燥不活性ガスが満たされた中空部分が存在することが特徴である。
また、実験室レベルではあるが、プラズマCVD等によりシリコンやアルミニウムの酸化物や窒化物の無機膜を有機EL素子に直接形成する方法(例えば、特許文献1参照)、あるいは、有機材料層と無機材料層を交互に積層し、無機膜の欠陥を補う方法(例えば、非特許文献2参照)等が提案され、ガラスや金属のキャップを使わず内部に中空構造を有しない、完全固体有機EL素子も一部実現されている。
特開2001−118675号公報 Appl.Phys.Lett.,51,913(1987) 筒井哲夫,城戸淳二,「有機ELハンドブック」,リアライズ理工センター,p.185(2004)
しかしながら、ガラスや金属のキャップを有機EL素子にかぶせる封止方法は内部の大部分が中空になっており、キャップの周辺部分だけを接着剤で貼り合わせているため、剛性が不足しやすいという問題点を有していた。その結果、曲げやよじれといった外力に対して弱く、そのような外力が作用すると接着層にクラックや剥がれといった欠陥が発生し、そこから酸素や水分が侵入して有機EL素子を劣化させてしまうという問題点を有していた。
特に、大型ディスプレイのような大面積の発光となると、面積に対する接着領域の割合が少なくなる上に、基板及びキャップの重量によりパネル自体の重量が増大してパネルに作用する外力が増大しパネルが変形しやすくなって、接着層に欠陥が発生しやすくなる。さらには、中空部分の面積の増大により、さらに剛性が低下して、外力によるキャップの変形でキャップ自身が有機EL素子へ接触し物理的損傷を与える可能性も生じてくる。したがって、大面積の発光パネルを既存のキャップ封止の方法により封止して実用的なデバイスとして取り扱うことには、多くの困難が存在している。
また、仮に基板がフレキシブルであったとしても、既存のガラスや金属でできたキャップは柔軟性を持たないため、それらのキャップを用いた封止ではフレキシブルなディスプレイを作ることは困難である。さらに、内部に乾燥剤を入れるスペースを要するためキャップの厚みは一般に1mm程度は必要である。そのため、実装後のデバイスが厚くなってしまい、非常に薄いデバイスが実現できるという有機EL素子の長所をスポイルしてしまっている。
一方、プラズマCVD等によりシリコンやアルミニウムの酸化物や窒化物の膜を有機EL素子に直接形成する方法は、キャップ封止とは異なり中空構造を持たず、有機EL素子とガスバリア層が有機EL素子全面に渡って密着しているため剛性が高く、原理的にはフレキシブル化も可能で、特に大面積のパネルに対しては理想的な封止方法である。
しかしながら、前記の方法は、熱に弱い有機物からなる有機EL素子に直接ガスバリア層を形成するため高温プロセスを適用することができず、一般には150℃未満の温度でガスバリア膜を形成する必要がある。また、フレキシブルなデバイスを形成する際には柔軟性のある透明樹脂基板を用いることが多く、そのような樹脂基板上に有機EL素子を形成する場合には基板にガスバリア層を形成しなければならないが、透明な樹脂基板の耐熱温度は一般に低く、同様に高温プロセスを適用することは困難である。
樹脂基板や有機デバイスが耐えられる低温においてガスバリア性の高い緻密な膜を形成することは極めて困難で、有機EL素子が必要とする高いガスバリア性を付与することは極めて難しい。また、そのような膜を形成可能な場合でも、低温では成膜に時間を要し、また真空装置を多用するため設備コストも莫大になるという問題がある。真空プロセスを用いず、ゾル−ゲル法等の溶液プロセスによりガスバリア層を形成する方法もあるが、低温では不純物が残りやすく膜がポーラスになりやすいため、一般にガスの遮蔽性を高めることは困難である。さらに、有機物と無機物の積層膜は柔軟性を向上させるもののその界面の密着性が一般的に低く、応力によって界面が剥離しやすいといった問題もあり、有機物の樹脂基板又はガスバリア層に無機材料からなるガスバリア層を積層する方法には問題も多い。
このように、現時点では、有機EL素子にも適用可能な極めて高い酸素及び水蒸気の遮断性を持つガスバリア層の作製に関しては、有機EL素子や基板の耐熱性の問題からその作製温度に上限があるため十分な性能を出すことが難しく、実用レベルに到達していないと考えられる。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決し、極めて高い酸素及び水蒸気の遮断性を有するガスバリア層を備える発光素子及びその製造方法を提供することを課題とする。また、前述のような発光素子を用いた表示デバイス及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、粘土を用い、例えば厚さが1nm程度のサイズのシート状の粘土粒子を配向した状態で積層させることによって、緻密でピンホールがなく耐熱性の高い粘土薄膜層を形成し、その粘土薄膜層に、緻密性の高い無機化合物を主要成分とする無機薄膜層を積層することによって、異なる組成の層の複数からなる層構造体を作製し、この層構造体からなるガスバリア層を有機EL素子に実装することによって、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明に係る請求項1の発光素子は、基板と、発光機能に関与する有機層をその上下両面に隣接して配した電極で挟み込んでなる有機エレクトロルミネッセント素子と、複数の層が積層された層構造体からなるガスバリア層と、を備え、前記有機エレクトロルミネッセント素子が前記基板上に実装され且つ前記基板と前記ガスバリア層との間に配された発光素子であって、前記ガスバリア層は、粘土を主要成分とし且つ粘土粒子が配向して積層した構造を有する粘土薄膜層と、シリコン及びアルミニウムの少なくとも一方を含む無機化合物を主要成分とする無機薄膜層と、をそれぞれ1層以上有する層構造体であることを特徴とする。
また、本発明に係る請求項2の発光素子は、基板と、発光機能に関与する有機層をその上下両面に隣接して配した電極で挟み込んでなる有機エレクトロルミネッセント素子と、複数の層が積層された層構造体からなるガスバリア層と、を備え、前記ガスバリア層が前記基板上に形成され、前記有機エレクトロルミネッセント素子が前記ガスバリア層上に実装された発光素子であって、前記ガスバリア層は、粘土を主要成分とし且つ粘土粒子が配向して積層した構造を有する粘土薄膜層と、シリコン及びアルミニウムの少なくとも一方を含む無機化合物を主要成分とする無機薄膜層と、をそれぞれ1層以上有する層構造体であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項3の発光素子は、基板と、発光機能に関与する有機層をその上下両面に隣接して配した電極で挟み込んでなる有機エレクトロルミネッセント素子と、複数の層が積層された層構造体からなる2つのガスバリア層と、を備え、前記2つのガスバリア層のうち一方が前記基板上に形成されるとともに、前記有機エレクトロルミネッセント素子が前記基板上に形成された前記ガスバリア層上に実装され且つ他方の前記ガスバリア層と前記基板上に形成された前記ガスバリア層との間に配された発光素子であって、これら2つのガスバリア層は、粘土を主要成分とし且つ粘土粒子が配向して積層した構造を有する粘土薄膜層と、シリコン及びアルミニウムの少なくとも一方を含む無機化合物を主要成分とする無機薄膜層と、をそれぞれ1層以上有する層構造体であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項4の発光素子は、請求項2又は請求項3に記載の発光素子において、前記有機エレクトロルミネッセント素子が実装される前記ガスバリア層と前記有機エレクトロルミネッセント素子との間に平滑化層が設けられ、前記有機エレクトロルミネッセント素子が実装される前記ガスバリア層の表面が平滑化されていることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項5の発光素子は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光素子において、前記ガスバリア層が接着層によって前記有機エレクトロルミネッセント素子に接着されていることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項6の発光素子は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発光素子において、前記ガスバリア層は、前記粘土薄膜層の上下両側に前記無機薄膜層が隣接して又は他層を介して配されている構造を有することを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項7の発光素子は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発光素子において、前記ガスバリア層は、前記無機薄膜層が最外層に配された構造を有し、この最外層の前記無機薄膜層を前記有機エレクトロルミネッセント素子に向けて前記ガスバリア層が配されていることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項8の発光素子は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発光素子において、前記ガスバリア層は、前記粘土薄膜層が最外層に配された構造を有し、この最外層の前記粘土薄膜層を前記有機エレクトロルミネッセント素子に向けて前記ガスバリア層が配されていることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項9の発光素子は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発光素子において、前記粘土薄膜層が吸湿性を有することを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項10の発光素子は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の発光素子において、前記粘土薄膜層が自立膜として利用可能な機械的強度を有することを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項11の発光素子は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の発光素子において、前記粘土が天然粘土であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項12の発光素子は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の発光素子において、前記粘土が合成粘土であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項13の発光素子は、請求項1〜12のいずれか一項に記載の発光素子において、前記粘土が、雲母、バーミキュライト、カオリナイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、及びノントロナイトのうちの少なくとも1種であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項14の発光素子は、請求項1〜13のいずれか一項に記載の発光素子において、前記無機化合物が、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸化窒化物、シリコン炭化物、及びシリコン酸化炭化物のうちの少なくとも1種であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項15の発光素子は、請求項1〜13のいずれか一項に記載の発光素子において、前記無機化合物がアルミ酸化物及びアルミ窒化物の少なくとも一方であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項16の発光素子は、請求項1〜15のいずれか一項に記載の発光素子において、前記無機薄膜層が、ケイ酸アルカリ、金属アルコキシド、ポリシラザン、ペルヒドロポリシラザン、及びアルコキシシランのうちの少なくとも1種を含む溶液から形成されたものであることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項17の発光素子の製造方法は、請求項1〜16のいずれか一項に記載の発光素子を製造する方法であって、前記ガスバリア層を形成するに際して、前記無機薄膜層を前記粘土薄膜層上に隣接して又は他層を介して形成することを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項18の発光素子の製造方法は、請求項17に記載の発光素子の製造方法において、前記無機薄膜層を、気相中における成膜プロセスである抵抗加熱蒸着、電子線加熱蒸着、熱CVD法、高温プラズマCVD法、大気下CVD法、又はスパッタ法によって形成することを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項19の発光素子の製造方法は、請求項17に記載の発光素子の製造方法において、前記無機薄膜層を、溶液からの成膜プロセスである塗布膜を焼結する方法によって形成することを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項20の発光素子の製造方法は、請求項17〜19のいずれか一項に記載の発光素子の製造方法において、前記無機薄膜層を150℃以上1000℃以下の温度条件下で形成することを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項21の発光素子の製造方法は、請求項17〜20のいずれか一項に記載の発光素子の製造方法において、前記ガスバリア層を真空プレス法又はラミネート法によって前記基板又は前記有機エレクトロルミネッセント素子上に実装する工程を有することを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項22の発光素子の製造方法は、請求項17〜20のいずれか一項に記載の発光素子の製造方法において、前記有機エレクトロルミネッセント素子の周辺雰囲気の酸素濃度及び水分濃度がそれぞれ10ppm以下に保たれた状態で、前記ガスバリア層をラミネート法によって前記基板又は前記有機エレクトロルミネッセント素子上に実装する工程を有することを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項23の表示デバイスは、同一又は異なる色の光を発光する複数の発光素子と、これらの発光素子を駆動する電子駆動回路と、を備える表示デバイスであって、前記発光素子を、請求項1〜16のいずれか一項に記載の発光素子としたことを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項24の表示デバイスは、請求項23に記載の表示デバイスにおいて、前記電子駆動回路がアクティブマトリクス駆動回路であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項25の表示デバイスの製造方法は、請求項23又は請求項24に記載の表示デバイスを製造する方法であって、前記電子駆動回路を150℃以上の温度で前記ガスバリア層上に形成することを特徴とする。
本発明の発光素子は、極めて高いガスバリア性能を有し長寿命である。また、本発明の発光素子の製造方法は、極めて高いガスバリア性能を有する長寿命な発光素子を製造することができる。さらに、本発明の表示デバイスは長寿命である。さらに、本発明の表示デバイスの製造方法は、長寿命な表示デバイスを製造することができる。
以下に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明の発光素子において、ガスバリア層を構成する層構造体は複数の層を積層してなり、粘土薄膜層と無機薄膜層とをそれぞれ1層以上有するものである。粘土薄膜層は、粘土を主要成分とし、粘土粒子が配向して積層した構造を有し、自立膜として利用可能な機械的強度を有する。また、無機薄膜層は、シリコン及びアルミニウムの少なくとも一方を含む無機化合物を主要成分とする。
この層構造体は、粘土薄膜層上に無機薄膜層を隣接して又は他層を介して形成することによって得ることができる。まず、耐熱性に優れ、粘土粒子が緻密に配向し、自立膜として利用可能な機械的強度を有する粘土薄膜層を形成する。粘土粒子は、酸素やケイ素を中心として構成される厚さが約0.22nmの四面体層や八面体層が1〜3層積層された、数十nm〜5μm程度の長軸方向の大きさを有するアスペクト比の大きなシート状の層状無機化合物である。
粘土薄膜層を形成する際には、このような粘土粒子からなる粘土として、例えば天然スメクタイト若しくは合成スメクタイト又はそれらの混合物を用い、この粘土を水又は水を含む溶液に加え、十分に攪拌することで、小さな粘土粒子が均一に分散した粘土分散液を調整する。このとき、粘土分散液の濃度が高すぎる場合には粘土が細かく分散しないため、粘土薄膜層の均一性が低下するおそれがある。粘土分散液の好ましい濃度は粘土の種類に依存するが、概ね1〜3質量%である。
次に、この粘土分散液を静置し、粘土粒子を沈降させつつ粘土分散液の液体成分をゆっくり蒸発させ、粘土粒子が堆積した粘土薄膜層を形成する。粘土薄膜層の膜厚は、自立膜として取り扱うのであれば5μm以上が好ましく、粘土薄膜の耐クラック性及びコストの観点から500μm以下が好ましい。より好ましい範囲は、20μm以上200μm以下である。なお、自立膜として取り扱わない場合には5μmより薄い膜でもよいが、ピンホール等が発生しないようにするためには、膜厚は1μm以上あることが望ましい。
このとき、粘土薄膜層を堆積させる基材は特に限定されるものではないが、剥離後に自立膜として使う場合は、粘土薄膜層を加熱等により基材から剥離できるものであることが必要である。そのような基材としては、表面にシリコーン樹脂等を塗布すること等により易剥離処理を実施した金属や樹脂基板等をあげることができる。また、有機EL素子を実装することを考慮すると表面の凸凹が小さい方が望ましいため、表面平滑性の良いプラスチック基板やガラス基板等が好ましい。
このようにして粘土薄膜層を形成することにより、1mm以下の厚さでも自立して扱える強度を有する粘土薄膜層を得ることができる。粘土の種類を適切に選択すれば、例えば天然のモンモリロナイトを用いれば、粘土薄膜層に柔軟性を付与することもできる。薄膜において自立して扱える強度は、その膜厚に大きく依存するが、例えば10μm以上の膜厚を有する薄膜については、引っ張り強度が20MPa以上であれば、自立膜として扱うことは一般に可能である。
本発明における粘土薄膜層においては、粘土薄膜層の強度や柔軟性を向上させる目的で、粘土以外の成分、例えば樹脂のような有機物を混合することも可能である。粘土を水に分散させた溶液から粘土薄膜層を作製する場合は、水に可溶な有機物、例えば水溶性の分子やポリマーを該溶液に添加することにより、粘土以外の成分を含む粘土薄膜層を作製することが可能である。ただし、粘土以外の成分の割合が多くなると、特に有機物の成分の割合が多くなると、耐熱性等の物性が低下するため、粘土以外の成分の割合は50%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下である。
次に、無機化合物を主要成分とする無機薄膜層を、粘土薄膜層の上に形成する。従来、樹脂基板や有機EL素子のような有機デバイスに無機薄膜層を形成する場合には、基板やデバイスの耐熱温度の問題から成膜温度を上げることができず、ガスバリア性能や光透過性の高い十分な品質の膜を作ることが難しかった。本発明においては粘土薄膜層の高い耐熱性を利用し、緻密で高品質な無機薄膜層を高温下において粘土薄膜層上に形成し高いガスバリア性を有するガスバリア層を形成して、有機EL素子に実装することが可能である。
具体的には、スメクタイト系の粘土鉱物を主とする材料から形成される粘土薄膜層の場合は、粘土鉱物の結晶水の脱水が起こる600〜700℃程度までは問題なく成膜温度を上げることが可能である。透明性は失われるものの、合成サポナイト等は1000℃でも粘土薄膜層としての形状を保持し、また、水酸基をフッ素で置換した合成雲母等であれば1100℃弱までは構造変化を起こさないため、1000℃程度まで成膜温度を上げることも可能である。500℃近辺より高温で粘土薄膜層の柔軟性が低下してくるが、500℃以下であれば一般に柔軟性も失われず、フレキシブルな層構造体を形成することが可能である。この場合、ガスバリア層が柔軟性を有することが可能となり、有機EL素子を有するフレキシブルなディスプレイも可能となる。
したがって、粘土薄膜層の耐熱性を生かし一般的な樹脂基板の耐熱温度である150℃程度より高い温度で無機薄膜層を形成することにより、従来の樹脂基板(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)のような汎用の樹脂フィルム)の上に形成された無機薄膜層よりも、緻密でガスバリア性に優れた無機薄膜層を得ることができる。そして、それを有機EL素子に実装することによって、酸素や水蒸気から有機EL素子を長期間にわたって保護することができる。
なお、粘土薄膜層が剥離後自立膜として使える強度を有しない場合には粘土薄膜層を堆積させるのに用いた基材から剥離した状態で無機薄膜層を積層することが困難なため、無機薄膜層を形成する工程で前記基材ごと高温で加熱する。その場合には、無機薄膜層形成時の高温に耐える基材を使う必要があり、そのような基材としては、例えばガラス基板やシリコン基板等があげられる。このような場合には、無機薄膜層形成後、自立膜としての強度を付与するために、例えばPETフィルムのような補強層を層構造体に貼り付けた後、基板から剥離して用いることができる。
高温成膜に適する無機薄膜層の形成方法は、気相中における成膜プロセスであり、例えば、抵抗加熱蒸着、電子線加熱蒸着、熱CVD法、高温プラズマCVD法、大気下CVD法、スパッタ法等があげられる。特に、CVD法は緻密な膜を形成する方法として好ましい。また、プラズマCVD法は緻密な膜を形成するのに特に好ましく、大気下CVD法は真空プロセスが不要であり成膜速度も速いので、低コストで量産に適した方法である。また、触媒を用いて反応ガスを分解するCat−CVD法も成膜レートが早く好適である。プラズマCVD法を用いる際には、基板温度を低温(60〜200℃未満)に保って成膜する特殊な手法ではなく、基板温度が200℃以上になる高温タイプを用いることができる。
このような方法で作ることできる無機薄膜層としては、例えば酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化炭化ケイ素、酸化アルミ、窒化アルミ、及びそれらの混合物等の薄膜層があげられる。より具体的には、例えばプラズマCVD法によりケイ素化合物の無機薄膜層を形成する場合は、ケイ素源として、シラン、ジシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)等を用い、酸素又は窒素を併用して導入して用いてもよい。酸素炭素源としてはCO2 、CO等を、酸素窒素源としてはNO、NO2 、N2 O等を用いることができる。またTEOSを用いることで、表面の凸凹に対するカバレージ性を向上させることもできる。
本発明においては、気相中における成膜プロセスではなく、常圧下における溶液からの成膜プロセスである塗布膜を焼結する方法によって、溶液から無機薄膜層を形成することも可能である。この場合にも高い温度で焼成して薄膜を形成できるので、膜質を向上させることが可能である。このような方法としては、一般式M2 O・nSiO2 (Mはアルカリ金属、nはモル比で1〜20程度の範囲)で表されるケイ酸アルカリの水溶性分散液や、金属アルコキシドやアルコキシシランを用いたゾル−ゲル法があげられる。
さらには、加熱によって酸化ケイ素や窒化ケイ素に転化するポリシラザン、特に有機官能基や有機触媒を含まないペルヒドロポリシラザン(パーヒドロポリシラザン)を含む溶液を塗布し焼成して、酸化ケイ素や窒化ケイ素からなる無機薄膜層を得てもよい。有機官能基や有機触媒を含まないペルヒドロポリシラザンは緻密な無機薄膜層を得ることができ、無機薄膜層の形成材料として理想的であるが、一般に無機触媒を含むもので250℃以上、触媒を含まないものであれば400℃以上の高温で焼成する必要がある。
本発明における粘土薄膜層は500℃程度まで加熱しても柔軟性を有しており、また柔軟性は一般に失われるものの前述したフッ素化合成雲母等であれば1000℃程度まで加熱することも可能であり、且つ、無機材料ゆえ一般的な樹脂材料と比較して線膨張係数も小さいので、前述のような高温での焼成に適している。
ゾル−ゲル法によって無機薄膜層を作製する場合は、一般式M(OR)n(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3 ,C2 5 等のアルキル基)で表せるアルコキシドを単独又は複数種を組み合わせて塗布溶液とし、水やアルコール、及び塩酸等の酸で加水分解した後に塗布して焼成することで薄膜を得る。特に、例えばケイ素源としてTEOSを、アルミニウム源としてトリイソプロポキシアルミニウムを用いた場合は、溶液が安定で扱いやすい。
溶液から無機薄膜層を形成する際には、必要に応じて、イソシアネート化合物、ポリ(メタ)アクリル酸、帯電防止剤、分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を加えることができる。
ケイ酸アルカリから形成された無機薄膜層は、経時変化により白濁化する場合がある。この現象を抑制するための手段として、金属粉末や多価金属水酸化物、リン酸塩、ホウ酸塩などの無機化合物を添加する方法が知られており、透明性が必要な場合にはこれらを必要に応じて添加してもよい。
溶液の塗布方法には、ディッピング法、スピンコート法、ロールコーティング法、スプレー法などの従来公知の手段を用いることができる。膜厚は溶液の種類や塗布条件によって異なるものの、10nm〜20μmの範囲にあることが好ましい。乾燥後の厚さが10nm以上であれば、下層表面の凸凹の影響等を受けてピンホール等が発生することを抑制して、十分な膜質が得られる。また、乾燥後の厚さは、クラック発生を抑制するという観点から20μm以下が好ましい。乾燥後の厚さは、より好ましくは20nm〜5μm、さらに好ましくは100nm〜2μmである。
無機薄膜層の密着性を向上させる目的で、又は、無機薄膜層の材料を溶かした溶液と下層との親和性を向上させる目的で、シランカップリング剤、コロイダルシリカ、有機チタネート等を溶液に配合するか、又は、前もって下層に塗布しておくことが好ましい。あるいは、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理等を下層に実施することが好ましい。特に、シランカップリング剤を直接又はあらかじめ水溶液中で加水分解させシラノール化させてから塗布する方法が望ましい。このようなシランカップリング剤としては、例えばテトラエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤又はその加水分解物があげられ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の無機薄膜層は1層である必要性はなく、同一又は異なる種類の無機薄膜層を2層以上、同一又は異なった方法で積層してもよい。例えば、ゾル−ゲル法やポリシラザン塗布焼成法により溶液から作製した酸化シリコン膜の上に、プラズマCVDで作製した窒化シリコン膜を積層してもよい。上記のような方法で、粘土薄膜層の上に溶液プロセスによって無機薄膜層を形成し粘土薄膜層の表面の凸凹を平滑化した後に、気相蒸着によってより緻密な無機薄膜層をさらに積層して形成する方法を用いると、無機薄膜層の膜質をより向上させることが可能である。なお、無機薄膜層を2層以上積層する場合には、それらを隣接して積層してもよいし、所望により他層を間に介在させてもよい。
このようにして得られた粘土薄膜層と無機薄膜層の層構造体を有するガスバリア層は、緻密でガスバリア性能に優れた無機薄膜層によって、高いガスバリア性能を有し、酸素や水蒸気の有機EL素子への侵入を阻止する。また、装置コストが高くスループットの低い低温真空蒸着法を用いずとも、粘土薄膜層の高い耐熱性を生かして、ガスバリア性の高い緻密な無機薄膜層を高温条件下で付与することができ、またポリシラザンのような液体を塗布して焼成する方法でも緻密な無機薄膜層を得られることが特徴である。
このようにして得られる無機薄膜層は、特に、粘土薄膜層のみでは劣る水蒸気に対するガスバリア性能を向上させる効果が大きい。本発明によって得られるガスバリア層のガスバリア性能は、ガスバリア層が有する層構造体を構成する無機薄膜層の種類と作製プロセス、及びそれらを保護するバッファ層の有無等によって大きく幅を有する。有機EL素子に好適なガスバリア層として用いるには、ガスバリア層の厚さが1mmの場合における酸素の24℃におけるガス透過量は24時間当たり0.001g/m2 以下であることが好ましく、0.0001g/m2 以下であることがより好ましく、0.00001g/m2 以下であることがさらに好ましく、0.000001g/m2 以下であることが特に好ましい。また、ガスバリア層の厚さが1mmの場合における24℃湿度90%における水蒸気の透過量は24時間当たり0.01g/m2 以下であることが好ましく、0.001g/m2 以下であることがより好ましく、0.0001g/m2 以下であることがさらに好ましく、0.000001g/m2 以下であることが特に好ましい。
粘土薄膜層は一般に天然の材料を用いると着色を生じ透明性が得られないが、合成粘土を用いて不純物の量を低減することにより、透明な粘土薄膜層を得ることができる。しかしながら、粘土薄膜層の表面の凸凹が大きい場合には、光の透過率が低下したりヘイズが大きくなることが多い。このような場合は、粘土材料とできるだけ屈折率が近い、少なくともその差が0.5以内、より好ましくは0.1以内の材料を用い、表面にバッファ層としてコーティングすることによりヘイズを抑制でき、光の透過率を向上させることが可能となる。
このようなバッファ層としては、無機薄膜層、特に塗布で形成した無機薄膜層そのものを用いてもよいし、表面凸凹の状態によっては、水やアルコール等の溶媒に酸化シリコン等の無機超微粒子を分散させたものを塗布することにより、バッファ層を形成してもよい。あるいは、前記無機超微粒子を無機薄膜層の材料を溶かした溶液に混合分散して塗布することにより、バッファ層を形成してもよい。塗布面としては、粘土薄膜層の片面のみが凸凹であるならばその面だけでもよいし、両面とも凸凹が大きければ両面に塗布してもよい。
そのような層構造体を有するガスバリア層の全光線透過率が少なくとも80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、もしくは、少なくとも視感度の高い波長500nmの光において透過率が少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上あれば、有機EL素子において光を取り出す方向にガスバリア層を実装することができ、トップエミッション有機EL素子の封止膜用途にも好適である。
なお、無機薄膜層の成膜温度に耐えられるのであれば、本発明における層構造体には、有機材料等を構成成分として含む薄膜層をバッファ層として積層してもよい。このようなバッファ層を形成する箇所としては、無機薄膜層の上でもよいし、粘土薄膜層と無機薄膜層との間でもよく、さらには粘土薄膜層の上に形成してもよい。これにより、表面に傷がついてガスバリア性能や透明性が低下したり、曲げた際に無機薄膜層に亀裂等の欠陥が生じることを防ぐことができる。
このような材料としては、有機材料なら例えばポリイミド系の樹脂が好適であり、10μm以下、好ましくは1μmの薄い層とすることにより、応力の緩和、着色による透明性の低下を抑えることが可能である。ただし、あまりバッファ層を薄くしすぎると、膜表面の凸凹を被覆する性能が低下してバッファ層の形成が不完全となりやすく、バッファ層にピンホールが発生するおそれがあるため、バッファ層の厚さは少なくとも10nm以上であることが望ましい。
さらに、バッファ層として透明なポリイミド樹脂を用いてもよく、この場合にはバッファ層が薄くなくても着色の問題は発生しないので好適である。それ以外にも、任意の材料をバッファ層として用いることができるが、バッファ層を形成した後に無機薄膜層の形成等の高温プロセスを適用する際には、バッファ層の耐熱温度や線膨張係数等に配慮し、バッファ層の分解や反りの発生等に注意する必要がある。
このようにして製造された層構造体からなるガスバリア層は、自立膜として利用可能な強度を有することもでき、それ自身で高耐熱性の高ガスバリア性部材として利用することができる。さらに、層構造体の屈曲による耐クラック性能を高めるために、もしくは粘土薄膜層等の強度不足によりガスバリア層が自立膜として利用可能な強度を有さない場合には、本発明における層構造体にバッファ層と強度補強のための補強層とを積層することにより、より好ましい高ガスバリア層を得て有機EL素子に実装することができ、本発明の発光素子を完成することができる。
このような補強層としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂基板やフィルム等をあげることができる。補強層を積層することにより、ガスバリアフィルムやガスバリア基板といった用途に、本発明における層構造体を高ガスバリア性部材として用いることができる。なお、そのような主として樹脂からなる補強層やバッファ層を積層する際には、無機薄膜層を積層する際のような高温プロセスが完了した後に積層することで、樹脂の耐熱性の問題を回避することができる。
本発明における有機EL素子は、発光機能に関与する有機層をその上下両面に隣接して配した電極で挟み込んでなるものであれば特に限定されるものではない。発光機能に関与する有機層は、発光層1層からなるものでもよいし、効率向上、輝度向上、及び駆動電圧低減といった発光機能の向上目的に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、正孔阻止層といった公知の層の少なくとも1層と発光層とを積層したものでもよい。さらには、複数の発光層を備えたものでもよい。
次に、本発明の発光素子について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明における「上下」とは、複数の層が積層されてなるもの(層構造体や有機EL素子)における積層方向を意味する。
図1は、本発明に係る発光素子の一実施形態の構造を示す断面図である。ここで、有機EL素子9は、発光機能に関与する有機層3と、この有機層3の上下両面に隣接して有機層3を挟み込む陽極2及び陰極4と、を備えている。本発明において用いる発光素子の基板が、ガスバリア性の極めて高い、例えばガラス基板等である場合には、基板に対してガスバリア層を適用しなくてもよい場合がある。その場合には、有機EL素子9の基板1と反対側、一般的には陰極4側に、無機薄膜層5及び粘土薄膜層6を備えた層構造体からなるガスバリア層10を実装することで、有機EL素子9を酸素や水蒸気から封止することが可能になる。
この場合は、ガスバリア層10は、既存のキャップ封止と同様に、図1に示すように中空部分11に導入された乾燥窒素又は乾燥した不活性ガス(例えばアルゴン,ネオン)を介して有機EL素子9の周囲の接着剤からなる接着層7により基板1と接着されていてもよいし、接着剤によって有機EL素子に直接貼りつけられていてもよい。また、図1に示すようにガスバリア層10及び接着層7を保護層8で覆ってもよいし、基板1を含む全体を保護層8で覆ってもよい。ガスバリア層10を不活性ガスを介して有機EL素子9に接着する場合には、従来と同様に、中空部分11に酸素及び水蒸気を除去する吸着剤を入れてもよい。このような中空部分11を有する発光素子は、中空部分11に前記吸着剤を入れられる点で好適である。
なお、図1においては、陽極2が基板1側を向き、陰極4が基板1と反対側を向いているとともに、基板1には透明なガラス等を用い、陽極2にはITO等の透明な電極を用いて、基板1側から光を取り出す一般的な場合を例示したが、陽極2と陰極4は必ずしもこのような位置関係にある必要はなく、光を外部に取り出せるのであれば反対の位置関係でもよい。
図2は、本発明に係る発光素子の別の実施形態の構造を示す断面図である。図2に示すように、中空部分を無くし、接着剤からなる接着層7によりガスバリア層10を有機EL素子9に直接貼りつければ、デバイスの剛性を確保することができる。接着層7の好ましい厚さは、有機EL素子9により生じる段差を吸収して平滑化するために、例えば複数の発光素子を備えたディスプレイのような表示デバイスを構成する場合で、その表示デバイスがアクティブマトリクス駆動の場合は2〜8μm、パッシブマトリクス駆動の場合は4〜12μm程度が望ましい。ただし、あまり厚くしすぎると、応力の増大により有機EL素子9にダメージが生じたり接着層7自身にクラックが発生したりし、さらにはシール端部からの酸素及び水蒸気の有機EL素子9内部への侵入量を増加させるため、2μm以上20μm以下とすることが好ましい。
このとき、貼りつけに用いる接着剤としては、公知の知見通り酸素透過性及び水蒸気透過性の低いものを用いることはもちろんだが、紫外線又は可視光線によって硬化接着する特性を有するものが作業性の点から望ましく、特に硬化収縮の少ないものが有機EL素子9への影響が少ない点から望ましい。ガスバリア層10を接着剤によって有機EL素子9に直接貼りつける場合には、既存のキャップ封止とは異なり吸着剤を内部に入れることができないため、ガスバリア層10及び接着層7の端部をわずかに通過した酸素及び水蒸気や有機EL素子内にわずかに吸着されていた酸素及び水蒸気が、有機EL素子9にダメージを与える可能性が予想される。
したがって、その場合には、接着剤に乾燥剤及び酸素吸着剤を混合し、前述の酸素及び水蒸気をトラップできるようにすることが望ましい。そのような乾燥剤としては、例えば層状構造を持つ親水性の粘土鉱物、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、アルミニウム微粒子、アルミニウム化合物等をあげることができ、酸素吸着剤としては鉄の微粒子等をあげることができる。
ガスバリア層10の線膨張係数は、特にガラス基板を用いた有機EL素子9に実装して用いる場合は、ガラス基板の線膨張係数(4〜12ppm)と近い方が、温度変化による剥離や応力による有機EL素子9への影響を起こしにくく理想的である。
なお、ガスバリア層10が透明で、接着層7を光が通過するような、例えばトップエミッション型の有機EL素子の場合は、接着剤も透明であることが必要である。さらに、前記のような光硬化型の接着剤を用いる場合は、接着剤を硬化させるために紫外線又は可視光線を照射するが、ガスバリア層10側から照射しないと接着層7に光が届かない構造の場合には、ガスバリア層10も紫外線又は可視光線が透過する特性を有している必要がある。多くの紫外線硬化樹脂は360nm付近の紫外線に反応して硬化反応を開始するため、この波長付近の透過率が少なくとも10%以上、好ましくは30%以上であることが望ましい。ガスバリア層10の場合は、一般的には層構造体における粘土薄膜層6の部分が光透過性に大きく影響するが、粘土薄膜層6を形成する粘土鉱物の種類を変えることで、可視光線のみならず、紫外線も透過させることができる。
前述したように、ガスバリア層10の形成温度を500℃以下にすることにより、柔軟性を有するガスバリア層10を形成することができる。このガスバリア層10を実装することにより、発光素子をフレキシブルにすることができ、フレキシブルな表示素子を作ることが可能になる。ガスバリア層10の透明性が高い場合は、透明基板と透明陽極の間にガスバリア層を実装しても光を通過させることができるため、基板側から光を取り出すボトムエミッション構造に対応することができる。これは、透明なプラスチック基板を用いてフレキシブル表示素子を作製するときに重要な特性である。
有機EL素子を用いたフレキシブル表示素子の作製のためには、有機EL素子が形成される基板もフレキシブルである必要があり、一般にはプラスチックが用いられる。前述したように、通常のボトムエミッション構造ではプラスチックにも透明性が必要である。しかし、透明なプラスチック基板のガスバリア性は低く、有機EL素子を形成する前に、基板に前記ガスバリア層を貼りつけて、もしくは基板上に前記ガスバリア層を形成して、基板のガスバリア性を向上させる必要がある。しかし、プラスチック基板を用いる場合は、十分に緻密な無機薄膜層を形成するために必要な高温に基板が耐えられないため、形成したガスバリア層をプラスチック基板に貼りつけ、その後に有機EL素子を形成して発光素子を完成させる工程が好ましい。なお、プラスチック基板には一般的に水分や酸素が多量に混入しているため、ガスバリア層を貼りつけたプラスチック基板を用いて有機EL素子を作製する場合は、有機EL素子はプラスチック上ではなく、ガスバリア層上に形成することが好ましい。
さらに理想的には、ガスバリア層だけでなく、ディスプレイのような表示デバイスとして用いる場合には、必要な駆動回路(例えばアクティブマトリクス回路)や各種部材もガスバリア層の上に形成し、さらに必要によっては有機EL素子もガスバリア層の上に形成した後に、プラスチック基板に貼り付けることが好ましい。
本発明の表示デバイスは、複数の発光素子により画像情報等を表示するために必要な駆動回路等を有している。この駆動回路等はトランジスタ等からなる無機電子デバイスを含んでいるが、それらの形成には一般に高い温度が適しており、150℃以上の温度で形成されることが好ましく、230℃以上の温度で形成されることがより好ましい。したがって、プラスチック基板上にそれらの駆動回路等を直接形成することは困難で、可能な場合でも低い形成温度では十分な性能を付与することができず、表示デバイスとしての性能が低下するという問題がある。
しかしながら、前記表示デバイスを形成する際に、粘土薄膜層と無機薄膜層とを主要構成要素とする高い耐熱性を持ったガスバリア層に、高い形成温度を必要とする前記駆動回路等を高温で形成した後にプラスチック等の基板を貼り付ける工程を採用することで、理想的な高温にて形成した駆動回路等を用いた表示デバイスを完成させることが可能であり、基板が柔軟性を有していれば高性能なフレキシブル表示デバイスを提供することもできる。
なお、前述のようなプロセスを実施する場合には、前記ガスバリア層が自立膜として利用可能な強度を有しており、自立膜として取り扱えることが、プロセス工程削減の観点からも望ましい。自立膜として利用可能な強度を有していない場合には、前記駆動回路等が形成されたガスバリア層を支持体から別の支持体に転写した後に、所望のプラスチック基板等に再度貼り付ける工程が一般に必要となる。
そのような前記駆動回路としては、トランジスタによって各々の発光素子をスッチング駆動するアクティブマトリクス駆動回路、パッシブマトリクス駆動回路、単純エリア表示駆動回路等がある。特に、トランジスタ等の性能が表示デバイスとしての性能を大きく左右し、アモルファスシリコン等を用いた場合に230〜350℃程度の形成温度が一般に必要なアクティブマトリクス駆動回路に対しては、本発明の製造方法は極めて有効である。さらに、本発明におけるガスバリア層の線膨張係数はガラス基板と同等であり、駆動回路構成部材との線膨張係数の差異が小さいため、配線の断線等が起こる可能性が低いことも大きな利点である。
有機EL素子を形成するためには、表面が平滑になっていることが好ましく、表面の凸凹がRa(算術平均粗さ)で30nm以下であることが好ましく、5nm以下であることがより好ましい。一般に、ガスバリア性の高いガラス基板を使用する場合には、ガラス自体の平滑性が高く、また研磨によって平滑化が容易であるため、表面の平滑性は問題にならない場合が多い。しかしながら、プラスチック基板の場合には表面の凸凹が大きく、問題となるケースが多い。したがって、この点からも、前記したようにガスバリア層上に有機EL素子又は駆動回路等を形成する必要があり、ガスバリア層の表面の凸凹が大きい場合には、ガスバリア層の表面にさらに平滑化層を設けて表面を平滑化し、その上に有機EL素子を形成することが必要である。
そのような平滑化層を付与する場合には、プラスチック基板上にガスバリア層を貼りつける前にガスバリア層に形成しておいてもよいし、平滑化層形成時の温度にプラスチック基板が耐えられるものであれば、ガスバリア層をプラスチック基板上に貼りつけた後に形成してもよい。形成方法としては、平滑化のため溶液をコーティングする方法が好ましく、材質は特に限定されないが、例えばバッファ層として用いたポリイミド樹脂や、ガスバリア層を構成する無機薄膜層を形成するために用いた無機材料を重ね塗りする等がガスバリア性を向上させる点からも好適である。
ガスバリア層を基板又は有機EL素子に実装する場合には、シート状又は基板状に加工した前記ガスバリア層を真空プレス法によって実装してもよいし、ガスバリア層を連続したロールフィルム状にして、ラミネート法によって実装してもよい。量産方法としてはラミネート法がスループットの点で優れているが、酸素や水蒸気が多い環境でラミネートすると有機EL素子内に酸素や水蒸気を取り込んでしまうため、この点に関しては真空プレス法の方が信頼性が高い。したがって、ラミネート法によって実装する場合には、周辺雰囲気の酸素濃度及び水分濃度が少なくともそれぞれ10ppm以下、好ましくは5ppm以下、より好ましくは1ppm以下に保たれていることが好ましい。
ガスバリア層をこの手法で実装する場合は、ガスバリア層には実装工程に耐えるだけの強度が要求される。ガスバリア層がその強度を有していない場合には、補強層を付与した後に実装することが好ましい。補強層の付与の方法としては、ガスバリア層に接着剤をコートし、補強層をラミネート法等の方法で貼りつける方法が考えられるが、これに限定されるものではない。補強層としては前述した工程に耐えるだけの強度を有していれば何でもよく、例えばPET、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド等の樹脂フィルムが安価で好適である。これら補強層は、UV又は熱剥離接着剤等を用いること等により、実装後不要なら除去してもよいし、必要に応じて残してもよい。例えば、表面が平滑なPETやPCのフィルムを用いた場合は、補強層が前記平滑化層の役割を兼ねることも可能であり、この上に有機EL素子を形成することも可能である。また、耐摩耗性に優れた処理を行ったフィルムを補強層に用いて有機EL素子の上に実装した場合は、補強層が表面ハードコートの役割を兼ねることも可能である。
基板又は有機EL素子と接する接着層に関しては、ガスバリア層の実装時に基板又は有機EL素子に接着剤を塗布してもよいが、ガスバリア層をシート状、基板状、又はロールフィルム状に形成する工程で接着層もガスバリア層に付与し、ガスバリア層と接着層を一体化させた部材として用いるほうが生産性の点で優れ、好適である。
本発明で用いることのできる粘土薄膜層の化学組成及び結晶構造は多様であるが、代表的な粘土鉱物である2:1型層状珪酸塩(スメクタイト族等)の場合は、層間に水分を吸着しやすいことが知られている。また、一度吸着した水分は加熱することで除去することも可能である。したがって、吸湿性を有している粘土薄膜層を十分乾燥させてガスバリア層に用いることにより、外部から有機EL素子に侵入してきた水蒸気や有機EL素子から発生した水蒸気を吸着除去する役割を、乾燥剤を用いずともガスバリア層自体に持たせることが可能であり、有機EL素子の寿命を延ばすことが可能になる。これは、一般的に既存の乾燥剤を入れることができない完全固体型の有機EL素子の除湿を可能にする点で、極めて有効である。
次に、図3は、本発明に係る発光素子の別の実施形態の構造を示す断面図である。外部からの水蒸気に対するガスバリア性を高めるための有機EL素子の構造としては、不活性ガスを介してガスバリア層を実装する場合には図1のような構造が望ましく、接着層を介してガスバリア層を貼りつける場合には図2のような構造が望ましい。さらに、基板のガスバリア性を高める必要もある場合には、図3のような構造が望ましい。
図3においては、有機EL素子9の基板1とは反対側、一般的には陰極4側に、無機薄膜層5及び粘土薄膜層6を備えたガスバリア層101が、接着剤からなる接着層7によって有機EL素子9に直接貼りつけられている。また、別のガスバリア層102が、有機EL素子9の基板1側、一般的には陽極2側に形成されており、基板1と有機EL素子9との間に配されている。このような構造により、基板1側のガスバリア性をも高めることができ、仮に基板1が樹脂フィルムのようなガスバリア性の低い材質であっても、有機EL素子9を酸素や水蒸気から封止することが可能になる。
図1〜3に示す発光素子は、いずれの場合においても、1層の無機薄膜層5と1層の粘土薄膜層6とからなるガスバリア層が無機薄膜層5を有機EL素子9に向け且つ粘土薄膜層6を発光素子の外側に向けて配された構造を有している。また、いずれの場合にも、ガスバリア層を傷つけないように、何らかの保護層8を設けることが望ましく、それら保護層8としては透明な樹脂フィルム等があげられる。このような構造により、保護層8を侵入してきた水蒸気はまず粘土薄膜6中に吸着されるため、無機薄膜層5との界面まで到達する水分子の数を減少させることができ、外部からの水蒸気に対するバリア性能を向上させることができる。
さらに望ましい構造は、図4のような構造である。すなわち、2つのガスバリア層は、粘土薄膜層6の上下両側に無機薄膜層5が隣接して配された構造を有している。図4においては、有機EL素子9の基板1とは反対側、一般的には陰極4側に、2層の無機薄膜層5とそれらに挟まれた粘土薄膜層6とを備えたガスバリア層103が、接着剤からなる接着層7によって有機EL素子9に直接貼りつけられている。また、2層の無機薄膜層5とそれらに挟まれた粘土薄膜層6とを備えたガスバリア層104が、有機EL素子9の基板1側、一般的には陽極2側に形成されており、基板1と有機EL素子9との間に配されている。
この構造では、外部からの水蒸気の大部分が、発光素子の外側に向いた無機薄膜層5において遮蔽され粘土薄膜層6まで到達せず、仮に粘土薄膜層6まで少量の水分子が到達したとしても粘土薄膜層6において吸着されるため、内側の無機薄膜層5まで到達できる水分子は極微量である。粘土薄膜層が吸湿性を有し、ガスバリア層103,104に示した構造により発現する水蒸気に対する高いガスバリア性は、有機EL素子ばかりでなく、幅広い他の用途に対しても有効と考えられる。例えば、同様に水蒸気の遮蔽が重要な液晶表示デバイスや電子ペーパー等、さらには食品や医薬品等の包装用途等に対しても有効と考えられる。なお、有機EL素子以外の用途であれば、水蒸気遮断の役割を有する無機薄膜層5は、本発明のような無機薄膜である必要は必ずしもなく、もう少しガスバリア性の低い、例えばポリ塩化ビニリデンのような樹脂材料であっても問題ない場合もある。
上記のガスバリア層の構造による効果によって、この発光素子は、極めて高い水蒸気バリア性能を有することとなる。なお、酸素に関しては、粘土薄膜層6の酸素に対するガスバリア性が一般に極めて高いため、無機薄膜層5との積層構造にすれば水蒸気ほど遮蔽は困難ではない。
これに対して、デバイス作製工程において混入した水分が有機EL素子内部から放出されてくる現象が問題になる場合には、図5〜7に示すように、吸湿性のある粘土薄膜層6を有機EL素子9に向けてガスバリア層を配した構造にするとよい。そうすれば、有機EL素子9から放出された水分を粘土薄膜層6によって吸着できるので、発光素子の寿命を延ばすことができる。ここで、図5〜7に示す発光素子の構造は、図1〜3に示す発光素子の構造にそれぞれ対応しており、無機薄膜層5と粘土薄膜層6の有機EL素子9に対する配置関係が異なるだけで、それ以外は同じである。
上記の有機EL素子内部からの水分放出の問題は、有機EL素子の有機層を蒸着法で形成する場合には一般に影響が少ないが、有機層を溶液からの塗布法によって形成する場合には、溶液や作業環境に含まれる水分が発光素子内に混入して問題となることがある。このような構造は、着色している乾燥剤を用いることのできないトップエミッション型の有機EL素子や、乾燥剤を入れることのできない完全固体型の有機EL素子に特に好適である。ただし、この場合には、内包する水分を加熱等により十分除去した粘土薄膜層を、有機EL素子に実装しなければならない。
また、接着層の水分透過率が低すぎる場合には、放出された水分がなかなか粘土薄膜層まで到達しないため、不活性ガスを介してガスバリア層を実装する図5の構成を採用したり、接着層の厚みを薄くする工夫を施したりする必要がある。さらには、有機EL素子上の接着層には比較的水分が通りやすい材質のものを用い、有機EL素子周囲の接着層には外部からの酸素及び水分の侵入を防ぐためガス透過率の極めて低い材質のものを用いるなど、接着する場所に応じて接着剤の特性を変えるなどの工夫も必要である。
以下に、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
〔実施例1〕
粘土として、天然モンモリロナイト(クニミネ工業株式会社製のクニピアF)を使用した。
粘土1gと超純水49gとをプラスチック製のディスポ容器に入れ、自転−公転型攪拌脱泡装置AR−100(株式会社シンキー製)、すなわち軸の周りを公転しながら自転する容器を備えた撹拌装置を用いて、15分間攪拌し、粘土を分散させた。
この粘土分散液を一昼夜放置した後、剥離性付与剤としてシリコーン樹脂を表面に塗布した厚さ50μmのPETフィルム(大成ラミネーター株式会社製)を敷いたディスポーザブルのトレイ上に広げ、50℃の温度条件下で約1日かけてゆっくりと乾燥した。生成した粘土薄膜層をPETフィルムから剥離し、平均厚さ約60μmの粘土薄膜層を得た。得られた粘土薄膜層にはピンホール等の欠陥は目視では認められず、柔軟性を有していた。
次に、得られた粘土薄膜層を、はさみを用いて直径13cmの円形に切断した。そして、1気圧、温度24℃、湿度45%に保持されたクリーンルーム中で、スピンコーター(ミカサ株式会社製の1H−360S)を用いて、切断した粘土薄膜層にポリシラザンNL120A−20(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)を塗布した。塗布方法としては、5インチシリコンウェハ用チャックで固定した円形の粘土薄膜層の中央にポリシラザンNL120A−20を数ミリリットル滴下し、直ちに300rpmで5秒間回転させて塗布した後、1000rpmで20秒回転させ余分なポリシラザンを振り切り、所定の液量のポリシラザンを粘土薄膜層に塗布する方法を用いた。
ポリシラザンの塗布された粘土薄膜層を、150℃のホットプレートの上に乗せ約10分加熱し、溶媒を蒸発させポリシラザン塗布面を乾燥させた後、該粘土薄膜層の裏面にも同様の方法で同じポリシラザンを塗布し、同様に150℃のホットプレートにて乾燥させた。
このポリシラザンを両面に塗布し乾燥させた粘土薄膜層を、オーブンを用いて焼成した。焼成条件は、大気下、250℃、1時間である。このような焼成によりポリシラザンをSiO2 に転化させ、無機薄膜層を形成させた。
さらに、スピンコートにおける回転速度を1000rpmから2000rpmへ変更した以外は全く同条件にて、上記のポリシラザン塗布工程及び焼成工程を再度実施し、膜厚約0.75μmの2層からなるSiO2 膜を粘土薄膜層の両面に有する(粘土薄膜層が2つの無機薄膜層で挟まれた)層構造体からなるガスバリア膜を得た。
この層構造体の水蒸気バリア性を測定するため、最小検出透湿度5×10-7g/m2 ・day以下の検出精度を有する、株式会社クリエテック製のガス透過度測定装置「WOPET−003」を用い、水蒸気の透過量を測定した。測定ガス流入側の水蒸気圧力を800Pa、温度を40℃とした状態で16時間測定を継続実施したが、水蒸気の透過は全く検出されず、極めて高い水蒸気バリア性を有していることが分かった。
また、この層構造体の酸素ガスバリア性を測定するため、最小検出ガス透過度0.02cc/m2 ・day・atmの検出精度を有する、株式会社MOCON製の酸素ガス透過度測定装置「OX−TRAN2/20」を用い、酸素の透過率を測定した。測定ガス流入側の酸素濃度を100%、温度を23℃、湿度を0%とした状態で221時間測定を継続実施したが、酸素ガスの透過は全く検出されなかった。また、最小検出ガス透過度0.0005cc/m2 ・day・atmの検出精度を有する前記装置「WOPET−003」を用い、酸素の透過量を測定した。測定ガス流入側の水蒸気圧力を200Pa、温度を40℃とした状態で4時間測定を継続実施したが、酸素の透過は全く検出されなかった。上記の結果より、極めて高い酸素ガスバリア性を有していることが分かった。
また、この層構造体の柔軟性を確認するため、半径10mmの円筒状に湾曲させたが、目視で確認できるクラックなどは発生しなかった。
次に、以下のようにして有機EL素子を作製した。
一辺3cmの正方形状に切断された東京三容真空株式会社製の厚さ1.1mmの有機EL用ITO(シート抵抗値7Ω/□)付ガラス基板を、東京応化工業株式会社製のフォトレジストOFPR−800を用いてパターンニングした。そして、濃塩酸と塩化第二鉄を等量混合したエッチング液を50℃に加熱したものに浸漬して、不要部分のITOを溶解した。次に、アセトンでレジストを剥離した後、超純水、アセトン、イソプロピルアルコールで順次洗浄し、さらに酸素プラズマ下にて3分間プラズマ洗浄して、ITO電極基板を形成した。
ポリビニルカルバゾール(関東化学株式会社製)117mgと、クマリン6(Aldrich社製)11.86mgと、ジクロロエタン5mlとを小型の攪拌子とともにテフロン(登録商標)製の容器に入れ、スターラーで1時間攪拌して溶液を調合した。この溶液を、孔径0.2μmのフィルター(GLサイエンス社製)を通して前記ITO電極基板に滴下し、直ちに5000rpmでスピンコートして、膜厚850Åの有機発光層を前記ITO電極基板上に形成した。この有機発光層の形成されたITO電極基板を電極蒸着用の真空チャンバーに入れ、一昼夜真空中で残留溶媒を乾燥除去した。そして、シャドーマスクを介してフッ化リチウム、アルミニウムを順次蒸着し、有機EL素子を得た。
窒素雰囲気下において、この有機EL素子に前述のガスバリア膜(2層のSiO2 膜を粘土薄膜層の両面に有する層構造体からなるもの)を接着剤を用いて貼り付け、1気圧、温度24℃、湿度45%に保持されたクリーンルーム中で5日間放置した。そして、この有機EL素子に電圧を印加したところ、約10Vより高電圧で発光を確認することができた。
〔比較例1〕
実施例1と同様にして作製した膜厚約60μmの粘土薄膜層のみ(無機薄膜層を有さないもの)を、実施例1と同様にして作製した有機EL素子に接着剤を用いて貼り付けた。そして、1気圧、温度24℃、湿度45%に保持されたクリーンルーム中で5日間放置した後に、この有機EL素子に電圧を印加したところ、20Vまで電圧を上げても明瞭な発光を確認することはできなかった。
〔比較例2〕
実施例1と同様にして作製した有機EL素子にガスバリア膜を貼り付けることなく、そのまま1気圧、温度24℃、湿度45%に保持されたクリーンルーム中で5日間放置した。そして、この有機EL素子に電圧を印加したところ、20Vまで電圧を上げても明瞭な発光を確認することはできなかった。
本発明の発光素子は、長寿命であるとともにフレキシブル化が可能であり、ディスプレイのような表示デバイス、丸めて持ち運べる電子ペーパー、及び照明装置の光源として好適である。
本発明に係る発光素子の一実施形態の構造を示す断面図である。 本発明に係る発光素子の別の実施形態の構造を示す断面図である。 本発明に係る発光素子の別の実施形態の構造を示す断面図である。 本発明に係る発光素子の別の実施形態の構造を示す断面図である。 本発明に係る発光素子の別の実施形態の構造を示す断面図である。 本発明に係る発光素子の別の実施形態の構造を示す断面図である。 本発明に係る発光素子の別の実施形態の構造を示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 有機層
4 陰極
5 無機薄膜層
6 粘土薄膜層
7 接着層
8 保護層
9 有機エレクトロルミネッセント素子
10、101、102、103、104 ガスバリア層
11 中空部分

Claims (25)

  1. 基板と、発光機能に関与する有機層をその上下両面に隣接して配した電極で挟み込んでなる有機エレクトロルミネッセント素子と、複数の層が積層された層構造体からなるガスバリア層と、を備え、前記有機エレクトロルミネッセント素子が前記基板上に実装され且つ前記基板と前記ガスバリア層との間に配された発光素子であって、
    前記ガスバリア層は、粘土を主要成分とし且つ粘土粒子が配向して積層した構造を有する粘土薄膜層と、シリコン及びアルミニウムの少なくとも一方を含む無機化合物を主要成分とする無機薄膜層と、をそれぞれ1層以上有する層構造体であることを特徴とする発光素子。
  2. 基板と、発光機能に関与する有機層をその上下両面に隣接して配した電極で挟み込んでなる有機エレクトロルミネッセント素子と、複数の層が積層された層構造体からなるガスバリア層と、を備え、前記ガスバリア層が前記基板上に形成され、前記有機エレクトロルミネッセント素子が前記ガスバリア層上に実装された発光素子であって、
    前記ガスバリア層は、粘土を主要成分とし且つ粘土粒子が配向して積層した構造を有する粘土薄膜層と、シリコン及びアルミニウムの少なくとも一方を含む無機化合物を主要成分とする無機薄膜層と、をそれぞれ1層以上有する層構造体であることを特徴とする発光素子。
  3. 基板と、発光機能に関与する有機層をその上下両面に隣接して配した電極で挟み込んでなる有機エレクトロルミネッセント素子と、複数の層が積層された層構造体からなる2つのガスバリア層と、を備え、前記2つのガスバリア層のうち一方が前記基板上に形成されるとともに、前記有機エレクトロルミネッセント素子が前記基板上に形成された前記ガスバリア層上に実装され且つ他方の前記ガスバリア層と前記基板上に形成された前記ガスバリア層との間に配された発光素子であって、
    これら2つのガスバリア層は、粘土を主要成分とし且つ粘土粒子が配向して積層した構造を有する粘土薄膜層と、シリコン及びアルミニウムの少なくとも一方を含む無機化合物を主要成分とする無機薄膜層と、をそれぞれ1層以上有する層構造体であることを特徴とする発光素子。
  4. 前記有機エレクトロルミネッセント素子が実装される前記ガスバリア層と前記有機エレクトロルミネッセント素子との間に平滑化層が設けられ、前記有機エレクトロルミネッセント素子が実装される前記ガスバリア層の表面が平滑化されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の発光素子。
  5. 前記ガスバリア層が接着層によって前記有機エレクトロルミネッセント素子に接着されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光素子。
  6. 前記ガスバリア層は、前記粘土薄膜層の上下両側に前記無機薄膜層が隣接して又は他層を介して配されている構造を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の発光素子。
  7. 前記ガスバリア層は、前記無機薄膜層が最外層に配された構造を有し、この最外層の前記無機薄膜層を前記有機エレクトロルミネッセント素子に向けて前記ガスバリア層が配されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の発光素子。
  8. 前記ガスバリア層は、前記粘土薄膜層が最外層に配された構造を有し、この最外層の前記粘土薄膜層を前記有機エレクトロルミネッセント素子に向けて前記ガスバリア層が配されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の発光素子。
  9. 前記粘土薄膜層が吸湿性を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の発光素子。
  10. 前記粘土薄膜層が自立膜として利用可能な機械的強度を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の発光素子。
  11. 前記粘土が天然粘土であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の発光素子。
  12. 前記粘土が合成粘土であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の発光素子。
  13. 前記粘土が、雲母、バーミキュライト、カオリナイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、及びノントロナイトのうちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の発光素子。
  14. 前記無機化合物が、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸化窒化物、シリコン炭化物、及びシリコン酸化炭化物のうちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の発光素子。
  15. 前記無機化合物がアルミ酸化物及びアルミ窒化物の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の発光素子。
  16. 前記無機薄膜層が、ケイ酸アルカリ、金属アルコキシド、ポリシラザン、ペルヒドロポリシラザン、及びアルコキシシランのうちの少なくとも1種を含む溶液から形成されたものであることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の発光素子。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の発光素子を製造する方法であって、前記ガスバリア層を形成するに際して、前記無機薄膜層を前記粘土薄膜層上に隣接して又は他層を介して形成することを特徴とする発光素子の製造方法。
  18. 前記無機薄膜層を、気相中における成膜プロセスである抵抗加熱蒸着、電子線加熱蒸着、熱CVD法、高温プラズマCVD法、大気下CVD法、又はスパッタ法によって形成することを特徴とする請求項17に記載の発光素子の製造方法。
  19. 前記無機薄膜層を、溶液からの成膜プロセスである塗布膜を焼結する方法によって形成することを特徴とする請求項17に記載の発光素子の製造方法。
  20. 前記無機薄膜層を150℃以上1000℃以下の温度条件下で形成することを特徴とする請求項17〜19のいずれか一項に記載の発光素子の製造方法。
  21. 前記ガスバリア層を真空プレス法又はラミネート法によって前記基板又は前記有機エレクトロルミネッセント素子上に実装する工程を有することを特徴とする請求項17〜20のいずれか一項に記載の発光素子の製造方法。
  22. 前記有機エレクトロルミネッセント素子の周辺雰囲気の酸素濃度及び水分濃度がそれぞれ10ppm以下に保たれた状態で、前記ガスバリア層をラミネート法によって前記基板又は前記有機エレクトロルミネッセント素子上に実装する工程を有することを特徴とする請求項17〜20のいずれか一項に記載の発光素子の製造方法。
  23. 同一又は異なる色の光を発光する複数の発光素子と、これらの発光素子を駆動する電子駆動回路と、を備える表示デバイスであって、前記発光素子を、請求項1〜16のいずれか一項に記載の発光素子としたことを特徴とする表示デバイス。
  24. 前記電子駆動回路がアクティブマトリクス駆動回路であることを特徴とする請求項23に記載の表示デバイス。
  25. 請求項23又は請求項24に記載の表示デバイスを製造する方法であって、前記電子駆動回路を150℃以上の温度で前記ガスバリア層上に形成することを特徴とする表示デバイスの製造方法。
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