JP2000254996A - 積層体 - Google Patents
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- JP2000254996A JP2000254996A JP11057435A JP5743599A JP2000254996A JP 2000254996 A JP2000254996 A JP 2000254996A JP 11057435 A JP11057435 A JP 11057435A JP 5743599 A JP5743599 A JP 5743599A JP 2000254996 A JP2000254996 A JP 2000254996A
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Abstract
た積層体を提供する。 【解決手段】 熱硬化性樹脂からなる熱硬化性樹脂層2
と、無機層状化合物(A)を有する無機層状化合物
(A)含有層3と、アルカリ金属、アルカリ土類金属、
遷移元素、および周期表3B族元素、4B族元素、5B
族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を
含む無機化合物(B)を有する無機化合物(B)含有層
4とを、この順に積層する。
Description
なる層と、無機層状化合物(A)を有する層と、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属、遷移元素、および周期表3
B族元素、4B族元素、5B族元素からなる群より選ば
れる少なくとも1種の元素を含む無機化合物(B)を有
する層とを備えた積層体に関するものであり、より詳し
くは、耐熱ガスバリア性に優れた積層体に関するもので
ある。
ることにより、高硬度、耐化学薬品性、ガスバリア性等
に優れた積層体を得る試みがなされている。例えば、特
開平10−44299号公報には、熱可塑性高分子から
なる基材に、無機層状化合物と高分子とからなる層、金
属および/または金属酸化物からなる無機物層を積層
し、ガスバリア性を高める技術が開示されている。
性高分子からなる基材を用いた場合、高温による可塑化
や熱膨張により、最表層の無機物層が破壊され易く、上
記無機物層が有する性能、特に、ガスバリア性を悪化さ
せ易いという問題がある。このため、熱的安定性を改善
し、加熱による、上記無機物層のガスバリア性の低下を
招来しない積層体、即ち、耐熱ガスバリア性に優れた積
層体が求められている。
たものであり、その目的は、熱的安定性が良く、耐熱ガ
スバリア性に優れた積層体を提供することにある。
題を解決すべく鋭意検討した結果、熱硬化性樹脂からな
る層と、無機層状化合物(A)を有する層と、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、遷移元素、および周期表3B
族元素、4B族元素、5B族元素からなる群より選ばれ
る少なくとも1種の元素を含む無機化合物(B)を有す
る層とを、この順に配することにより、熱的安定性が良
く、耐熱ガスバリア性に優れた積層体を得ることができ
ることを見出して本発明を完成させるに至った。
決するために、第1層、第2層、第3層が、この順に積
層され、上記第1層が、熱硬化性樹脂からなる層であ
り、上記第2層が、無機層状化合物(A)を有する層で
あり、上記第3層が、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、遷移元素、および周期表3B族元素、4B族元素、
5B族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元
素を含む無機化合物(B)を有する層であることを特徴
としている。
は、無機層状化合物が、その層状という形状により互い
に対面すると共に、第2層の表面方向に対し略平行とな
るように配向することから、上記無機層状化合物による
迷路効果によって、上記第3層とともに、得られる積層
体にガスバリア性を付与することができる。
化性樹脂からなることで、高温による可塑化や熱膨張に
よる、上記第2層あるいは第3層の破壊、特に、従来の
積層体において問題となっている、金属等からなる無機
物層(上記第3層に相当)の破壊を防止することができ
る。従って、上記の構成によれば、熱的安定性が改善さ
れることにより、加熱によっても、上記第2層、第3層
が有する、ガスバリア性等の性能を十分に発揮すること
ができる。従って、上記の構成によれば、耐熱ガスバリ
ア性に優れた積層体を提供することができる。
1ないし図7に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。本発明に係る積層体は、図1に示すように、熱硬化
性樹脂からなる熱硬化性樹脂層2(第1層)と、無機層
状化合物(A)を有する無機層状化合物(A)含有層3
(第2層)と、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移
元素、および周期表3B族元素、4B族元素、5B族元
素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む
無機化合物(B)を有する無機化合物(B)含有層4
(第3層)とが、この順に積層されてなるものである。
本発明に係る上記積層体は、上記の構成を有すること
で、熱的安定性に優れ、特に80℃での酸素透過度(m
l/atm ・m2 ・day )が10以下という優れた耐熱ガ
スバリア性を有するものとなっている。
張り強度を上記積層体に対して付与するために、さら
に、図2に示すように、第4層として、支持体層1を、
上記熱硬化性樹脂層2における無機層状化合物(A)含
有層3積層面とは反対面に積層してもよい。本発明によ
れば、上記支持体層1と、無機層状化合物(A)含有層
3および無機化合物(B)含有層4とが、上記支持体層
1と無機層状化合物(A)含有層3との間に熱硬化性樹
脂層2を挟んで設けられていることで、支持体層1の例
えば高温による可塑化や熱膨張による、上記無機層状化
合物(A)含有層3や無機化合物(B)含有層4の破壊
を防止することができる。従って、上記の構成によれ
ば、加熱によっても、上記無機層状化合物(A)含有層
3、無機化合物(B)含有層4が有する各種性能、特
に、上記無機化合物(B)含有層4が有するガスバリア
性等の性能を十分に発揮することが可能であり、優れた
耐熱ガスバリア性を有する積層体を得ることができる。
は、用途に応じて適宜選択すればよく、特に限定される
ものではないが、例えば後述する用途、特に、耐熱ガス
バリア性の要求される用途である、マイクロ波加熱調理
または殺菌用包装、レトルト・ボイル殺菌用包装、高温
物・高温液体の包装等に用いるためには、スープ等の液
体内容物や、ペースト状の食品等を保持でき、かつ、水
の浸透や漏洩を防止できるはっ水性や、芳香物を溶かす
アルコール等の溶媒に対する耐溶媒性を有するものが好
ましい。
く、例えば、容器(ボトル、トレイ状等)、フィルム
(シートを含む)、チューブ、その他の各種成形品に応
じた所望の形状とすることができ、好ましくはフィルム
形状である。
形状のものを例示すれば、例えば、ステンレス箔、銅
箔、銀箔、金箔、アルミ箔等の金属箔;クラフト紙、上
質紙、構造紙、グラシン紙、パーチメント紙、合成紙、
ボール紙等の紙;天然繊維からなる布、合成繊維からな
る布、不織布等の布;板ガラス;セラミックシート;熱
可塑性高分子等からなる樹脂フィルム;等が挙げられ
る。そのなかでも、上記支持体層1に用いられる基材と
しては、金属箔、紙、布、合成樹脂フィルムからなる群
より選ばれる少なくとも1種の基材であることが好まし
い。
は、例えば、ポリエチレン(低密度、高密度)、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、
エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重
合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、アイオ
ノマー樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ナイロン−
6、ナイロン−6,6、メタキシレンジアミン−アジピ
ン酸縮重合体、ポリメチルメタクリルイミド等のアミド
系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹
脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、ポリアクリロニトリル等のスチレン−アクリロニト
リル系樹脂;トリ酢酸セルロース、ジ酢酸セルロース等
の疎水化セルロース系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、テフロン等のハロ
ゲン含有樹脂;ポリビニルアルコール、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体、セルロース誘導体等の水素結合
性樹脂;ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポ
リエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン
樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリメチレンオキ
シド樹脂、液晶樹脂等のエンジニアリングプラスチック
系樹脂;等が挙げられる。
ルム、特に、引っ張り強度等の強度に優れていることか
ら、2軸延伸フィルムがより好ましく、2軸延伸ポリア
ミド、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸
ポリエチレンナフタレート、および2軸延伸ポリプロピ
レンからなる郡より選ばれる少なくとも一種からなるフ
ィルムがさらに好ましい。そして、これらの中でも、ポ
リプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート、ナイロン等の基材樹脂を二軸延伸
後、さらに、Kコートと呼ばれるポリ塩化ビニリデンを
コートしてなるフィルム;これらポリプロピレン、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、
ナイロン等の基材樹脂を二軸延伸後、さらに、アルミニ
ウム、シリカ、アルミナ等を蒸着してなるフィルム;強
帯電防止用途OPP(AS−OP);等がさらに好適で
ある。上記延伸フィルムとしては、引っ張り強度の高い
ものほど好ましく、また、破断点伸度が700%以下の
ものが好ましく、500%以下のものがより好ましい。
尚、上記樹脂フィルムとしては、延伸フィルムが好適に
用いられるが、延伸していない上記樹脂からなるフィル
ムを用いることも可能である。
に用いられる熱硬化性樹脂とは、加熱によって重合体中
に残存する未反応基が反応して重合度が大きくなり、橋
かけが進んで網状構造を生じ、熱可塑性が失われた合成
樹脂を示す。
積層体に熱的安定性を付与することができればよく、特
に限定されるものではないが、好適には、エポキシ樹
脂、キシレン樹脂、オリゴエステルアクリレート、グア
ナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、レゾルシノール
系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、フェノール樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹
脂、ウレタン樹脂、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、ユ
リア樹脂等が挙げられる。これら熱硬化性樹脂は、熱硬
化性を発現するための反応基を1分子中に複数有してい
るものである。これら熱硬化性樹脂は、1種のみを用い
てもよく、適宜、混合して用いても構わない。これら熱
硬化性樹脂のなかでも、得られる積層体の耐水性の面か
ら、イソシアネート化合物と活性水素化合物を主成分と
して構成されるウレタン樹脂がより好適に用いられる。
ウレタン樹脂に用いられるイソシアネート化合物とは、
トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4'−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイ
ソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート(HDI)、4,4'−メチレンビスシクロヘキシルイ
ソシアネート(H12MDI)、イソホロンジイソシアネ
ート(IPDI)等が挙げられる。
えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、1,4 −ブタンジオール、1,6 −
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチ
ロールプロパン等の低分子量ポリオール;ポリエチレン
グリコール、ポリオキシプロピレングリコール、エチレ
ンオキシド/プロピレンオキシド共重合体、ポリテトラ
メチレンエーテルグリコール等のポリエーテルポリオー
ル;ポリ−β−メチル−δ−バレロラクトン、ポリカプ
ロラクトン、ジオール/二塩基酸からのポリエステル等
のポリエステルポリオール;等が挙げられる。
子量ポリオールが好ましく、そのなかでもジオールがよ
り好ましい。ここで、ジオールとは、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
1,4 −ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオ
ペンチルグリコール等であり、二塩基酸としてアジピン
酸、アゼライン酸、セバチン酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸等である。その他のポリオールとして、ひまし
油、液状ポリブタジエン、エポキシ樹脂、ポリカーボネ
ートジオール、アクリルポリオール、ネオプレン等の活
性水素化合物がある。
混合比は、特に限定されないが、イソシアネート基と、
活性水素基、例えば−OH基、−NH基、−COOH基
との当量関係を考慮し、添加量を決定することが好まし
い。例えば、イソシアネート基のモル数をAN、活性水
素化合物の活性水素基のモル数をBNとすると、該活性
水素基のモル数に対するイソシアネート基のモル数の比
R(R=AN/BN)は、接着強度の観点から0.00
1以上であることが好ましく、粘着性およびブロッキン
グの観点から10以下であることが好ましい。このモル
数の比Rは、0.01以上、1以下の範囲内であること
がさらに好ましい。イソシアネート基および活性水素基
の各モル数は、1H−NMR、13C−NMRにより定
量することができる。
層方法は特に限定されないが、例えば、上記熱硬化性樹
脂を溶媒に溶解してなる熱硬化性樹脂溶液を用いたコー
ティング法や、上記熱硬化性樹脂からなるフィルムを、
支持体層1表面にラミネートする方法等が好適に用いら
れる。
いられる溶媒は、主として有機溶媒であり、例えば、ア
ルコール類、脂肪族炭化水素類、脂環族炭化水素類、芳
香族炭化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類、
ハロゲン化炭化水素類、これらの混合溶媒が挙げられ
る。
いられる方法としては、例えば、ダイレクトグラビア
法、リバースグラビア法、マイクログラビア法等のグラ
ビア法;2本ロールビートコート法、ボトムフィード3
本リバースコート法等のロールコーティング法;ドクタ
ーナイフ法;ダイコート法;ディップコート法;バーコ
ーティング法;スプレーコート法;スピンコート法;あ
るいはこれらを組み合わせたコーティング法;等を採用
することができる。
界面には、コロナ処理、フレームプラズマ処理、オゾン
処理、電子線処理、アンカー処理等の処理が施されてい
てもよい。また、これらの処理は、インラインの多層形
成機に組み込まれ、インラインで行われてもよい。尚、
これらの処理をインラインで行うとは、本発明にかかる
積層体の製造時の流れ方向に沿って同一ライン上に順次
設置された装置を使用し、積層体の製造工程(層形成工
程)とこれらの処理とを速やかに一連の作業で行うこと
を意味する。
物(A)含有層3に用いられる無機層状化合物(A)と
は、図3に示すように、単位結晶層31…が互いに積み
重なって層状構造を有している無機化合物であれば特に
限定されない。
は、例えば、グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物
(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、
粘土鉱物等を挙げることができる。上記カルコゲン化物
とは、IV族(Ti,Zr,Hf)、V族(V,Nb,
Ta)およびVI族(Mo,W)のジカルコゲン化物で
あって、化学式MX2 (但し、式中、Mは上記IV族お
よびVI族の元素を表し、Xはカルコゲン(S,Se,
Te)を表す) で示される化合物である。
を用いてもよく、適宜二種類以上を混合して用いてもよ
い。上記無機層状化合物(A)のなかでも、大きなアス
ペクト比を容易に与えると共に、平滑で均一な層を形成
することができることから、溶媒に膨潤または劈開する
性質を有するものが好ましく、溶媒に膨潤・劈開(溶媒
に膨潤して劈開)する性質を有するものがより好まし
い。上記無機層状化合物(A)の溶媒への膨潤性および
劈開性は、以下に示す膨潤性試験並びに劈開性試験によ
り評価することができる。
に溶媒100mlを入れ、これに無機層状化合物(A)
2gをゆっくり加える。23℃にて24時間静置後、上
記メスシリンダー内における無機層状化合物(A)分散
層と上澄みとの界面の目盛から無機層状化合物(A)分
散層の体積(ml)を膨潤値として読む。この数値が大
きい程、膨潤性が高いことを示す。
gを溶媒1,500mlにゆっくり加え、分散機(浅田
鉄工株式会社製、デスパMH−L、羽根径52mm、回
転数3,100rpm、容器容量3L、底面−羽根間の
距離28mm)にて、周速8.5m/分、23℃で90
分間分散させた後、この分散液100mlをメスシリン
ダーに採取した。60分静置後、上記メスシリンダー内
における無機層状化合物(A)分散層と上澄みとの界面
の目盛から無機層状化合物(A)分散層の体積(ml)
を劈開値として読む。この数値が大きい程、劈開性が高
いことを示す。
において用いられる溶媒としては、無機層状化合物
(A)の密度より小さい密度を有する溶媒である。上記
無機層状化合物(A)が天然の膨潤性粘土鉱物である場
合、溶媒としては、水を用いることが好ましい。
述した膨潤性測定試験において、無機層状化合物(A)
分散層の体積(即ち、無機層状化合物(A)2gの膨潤
後の体積)が約5ml以上(即ち、膨潤値5以上)であ
ることが好ましく、約20ml以上(即ち、膨潤値20
以上)であることがより好ましい。
上述した劈開性試験において、無機層状化合物(A)分
散層の体積(即ち、上記分散液100ml中に含まれる
無機層状化合物(A)(約2gに相当)の膨潤後の体
積)が約5ml以上(即ち、劈開値5以上)であること
が好ましく、約20ml以上(即ち、劈開値20以上)
であることがより好ましい。
膨潤または劈開する無機層状化合物(A)としては、溶
媒への膨潤性、劈開性を有する粘土鉱物が特に好ましく
用いられる。該粘土鉱物は、一般に、(i) シリカの四面
体層の上部に、アルミニウムやマグネシウム等を中心金
属とした八面体層を有する2層構造を有するタイプと、
(ii)シリカの四面体層が、アルミニウムやマグネシウム
等を中心金属とした八面体層を両側から狭んでなる3層
構造を有するタイプに分類される。前者(i) の2層構造
タイプとしては、カオリナイト族およびアンチゴライト
族等の粘土鉱物が挙げられる。後者(ii)の3層構造タイ
プとしては、層間カチオンの数によってスメクタイト
族、バーミキュライト族、およびマイカ族等の粘土鉱物
が挙げられる。
は、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイ
サイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィラ
イト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイ
ト、サポナイト、ソーコナイト、スチブンサイト ヘク
トライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオ
ライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュラ
イト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石等が挙げられ
る。また、これら粘土鉱物を有機物で処理したもの(朝
倉書店、「粘土の事典」参照;以下、有機修飾粘土鉱物
と称する場合もある)も無機層状化合物(A)として用
いることができる。
性の観点から、スメクタイト族、バーミキュライト族、
およびマイカ族の粘土鉱物が好ましく、スメクタイト族
がより好ましい。上記スメクタイト族の粘土鉱物として
は、具体的には、例えば、モンモリロナイト、バイデラ
イト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、ス
チブンサイト、ヘクトライトが挙げられるが、特に限定
されるものではない。
開させる分散媒としては、例えば、上記無機層状化合物
(A)が天然の膨潤性粘土鉱物の場合には、水;メタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
エチレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコ
ール類;ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシ
ド;アセトン;等が挙げられ、その中でも、水や、メタ
ノール等のアルコール類がより好ましい。また、上記無
機層状化合物(A)が有機修飾粘土鉱物の場合には、上
記分散媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素類;エチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン等のケトン類;n−ペンタン、n
−ヘキサン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類;クロ
ロベンゼン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、1,2 −ジクロロエタン、パークロロエチレン等のハ
ロゲン化炭化水素類;酢酸エチル;メタアクリル酸メチ
ル(MMA) ;フタル酸ジオクチル(DOP);ジメチ
ルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;メチルセロソ
ルブ;シリコンオイル;等が挙げられる。
(A)は、劈開した状態において、粒径が、好ましくは
5μm以下、より好ましくは3μm以下、特に好ましく
は1μm以下であり、アスペクト比が、好ましくは10
〜10,000の範囲内、より好ましくは10〜3,0
00の範囲内、さらに好ましくは30〜2,000の範
囲内、特に好ましくは200〜1000の範囲内であ
る。特に、アスペクト比が10未満であればガスバリア
性(耐熱ガスバリア性を含む)に関して充分でなく、1
0,000より大きいものは技術的に難しく、経済的に
も高価なものとなる。
機層状化合物(A)の長径と厚みとの比を示し、層の状
態を示すパラメータとして用いられる。上記無機層状化
合物(A)の平均粒径およびアスペクト比は、例えば、
以下に示す方法により測定することができる。
回折/散乱法による方法、動的光散乱法による方法、電
気抵抗変化による方法、液中顕微鏡撮影後画像処理によ
る方法等により測定することができる。
化合物(A)の平均粒径を測定する方法としては、動的
光散乱法が好適に用いられる。
ている場合は見かけ液粘度が純溶媒と変わってしまうた
め評価し難く、電気抵抗変化による方法は液の電解質濃
度等に制限があり、液中顕微鏡撮影後画像処理による方
法は分解能の問題があり、使用上の制限を受ける。
層3が、無機層状化合物(A)以外の成分を含む場合、
例えば、樹脂の共存下で無機層状化合物(A)の平均粒
径を測定する場合、樹脂を含む溶液、例えば樹脂水性液
が透明で実質上散乱が少なく、無機層状化合物(A)の
粒子に由来する散乱が支配的である場合には、樹脂の有
無に拘らず、無機層状化合物(A)の粒子の粒度分布の
みの情報が得られるため、回折/散乱法による方法が好
適に用いられる。
物(A)の粒径とは、分散媒中、回折/散乱法により求
めた粒径を示す。上記無機層状化合物(A)含有層3
が、上記無機層状化合物(A)以外にさらに樹脂を含む
場合、該無機層状化合物(A)含有層3(即ち、無機層
状化合物(A)と樹脂とを含む樹脂組成物からなる層)
中での真の粒径測定はきわめて困難であるが、無機層状
化合物(A)を、回折/散乱法で用いた分散媒と同種の
分散媒で充分に膨潤・劈開させて、無機層状化合物
(A)含有層3中の樹脂32に複合させる場合、図3に
示す無機層状化合物(A)含有層3での、劈開した無機
層状化合物(A)の粒径は、分散媒中での劈開した無機
層状化合物(A)の粒径に相当すると考えることができ
る。
化合物(A)の平均粒径を測定する方法について説明す
る。上記回折/散乱法による無機層状化合物(A)の粒
度分布および平均粒径は、上記無機層状化合物(A)の
分散液に光を通過させたときに得られる回折/散乱パタ
ーンから、ミー散乱理論等により、上記回折/散乱パタ
ーンに最も矛盾のない粒度分布を計算することにより得
ることができる。
パターンの測定装置としては、市販の装置を用いること
ができる。具体的には、例えば、コールター社製レーザ
ー回折・光散乱法粒度測定装置LS230、同LS20
0、同LS100;島津製作所製レーザー回折式粒度分
布測定装置SALD2000、同SALD2000A、
同SALD3000;堀場製作所製レーザー回折・散乱
式粒度分布測定装置LA910、同LA700、同LA
500;日機装製マイクロトラックSPA、同マイクロ
トラックFRA等が挙げられる。
クト比の測定方法として、特に、膨潤・劈開性を有する
無機層状化合物(A)におけるアスペクト比(アスペク
ト比(Z))の測定方法について説明する。
で示される関係から求められる比である。ここで、L
は、分散液中、上記した回折/散乱法による粒径測定法
により求めた無機層状化合物(A)の粒径(体積基準の
メジアン径)を示し、aは、図3に示す劈開した無機層
状化合物(A)の単位厚さ、即ち、無機層状化合物
(A)の単位結晶層31の厚みを示す。
a」は、後述する粉末X線回折法(「機器分析の手引き
(a)」(1985年、化学同人社発行、塩川二朗監
修)69頁参照)等によって、無機層状化合物(A)単
独の測定に基づいて決められる値である。より具体的に
は、図4に示すグラフで模式的に示すように、X線回折
により観測される回折ピークのうち最も低角側のピーク
に対応する角度θから、Braggの式(nλ=2Ds
inθ、n=1,2,3・・・)に基づいて求められる
間隔を「単位厚さa」とする。
が、無機層状化合物(A)以外の成分(例えば樹脂3
2)を含む場合には、該無機層状化合物(A)含有層3
を形成している組成物(樹脂組成物)と無機層状化合物
(A)単独との粉末X線回折による方法を用いることが
できる。
機層状化合物(A)以外に樹脂32を含む場合、分散液
から溶媒を取り除いてなる、無機層状化合物(A)含有
層3に相当する樹脂組成物を粉末X線回折する際には、
通常、樹脂組成物中の無機層状化合物(A)の面間隔
を、図3に示す「面間隔d」として求めることが可能で
ある。
示すように、上記した「単位厚さa」に対応する回折ピ
ーク位置より、低角(間隔が大きい)側に観測される回
折ピークのうち、最も低角側のピークに対応する間隔を
「面間隔d」(但し、a<d)とする。
グラフに模式的に示すように、上記「面間隔d」に対応
するピークがハロー(ないしバックグラウンド)と重な
って検出することが困難な場合には、2θdより低角側
のベースラインを除いた部分の面積を、「面間隔d」に
対応するピークとする。ここで、「θd」は、「(単位
厚さa)+(樹脂1本鎖の幅)」に相当する回折角であ
る。尚、「面間隔d」の決定法の詳細については、例え
ば、「粘土の事典」(1985年、(株)朝倉書店出
版、岩生周一等編)の35頁以下および271頁以下を
参照することでより明らかになるであろう。
脂組成物の粉末X線回折において観測される回折ピーク
の積分強度は、基準となる回折ピーク(即ち、「面間隔
d」に対応する回折ピーク)の積分強度に対する相対比
で2以上であることが好ましく、10以上であることが
より好ましい。
a」との差k(k=(d−a))は、長さに換算した場
合、樹脂組成物を構成する樹脂1本鎖の幅に等しいかこ
れより大である(k=(d−a)≧樹脂1本鎖の幅)。
このような「樹脂1本鎖の幅」は、シミュレーション計
算(例えば、「高分子化学序論」(1981年、化学同
人)の103頁〜110頁参照)等により求めることが
可能であるが、ポリビニルアルコールの場合には4〜5
Åである(水分子では2Å〜3Å)。
32を含む場合、該無機層状化合物(A)含有層3にお
ける無機層状化合物(A)の「真のアスペクト比」を直
接測定することはきわめて困難である。従って、上記無
機層状化合物(A)含有層3が樹脂32を含む場合、上
記した「アスペクト比(Z)」は、必ずしも、無機層状
化合物(A)含有層3中の無機層状化合物(A)の「真
のアスペクト比」と等しいとは限らないが、下記の理由
により、この「アスペクト比(Z)」をもって「真のア
スペクト比」を近似することには妥当性がある。
り求められる「面間隔d」と、無機層状化合物(A)単
独の粉末X線回折測定により求められる「単位厚さa」
との間にa<dなる関係があり、かつ、上記kの値
((d−a)値)が上記樹脂組成物中の樹脂1本鎖の幅
以上である場合には、樹脂組成物中において、無機層状
化合物(A)の層間に樹脂32が挿入されていることに
なる。従って、無機層状化合物(A)含有層3中の無機
層状化合物(A)の厚みを上記「単位厚さa」で近似す
ること、即ち、無機層状化合物(A)含有層3の樹脂3
2中の無機層状化合物(A)の「真のアスペクト比」
を、上記した無機層状化合物(A)の分散液中での「ア
スペクト比(Z)」で近似することには、充分な妥当性
がある。
有層3の樹脂32中における無機層状化合物(A)の真
の粒径測定はきわめて困難であるが、無機層状化合物
(A)含有層3の樹脂32中での無機層状化合物(A)
の粒径は、その分散液中の無機層状化合物(A)の粒径
Lに相当すると考えることができる。
での上記無機層状化合物(A)の粒径Lは、無機層状化
合物(A)の長径(Lmax)を越える可能性はかなり
低いと考えられるため、「真のアスペクト比(Lmax
/a)」が、本発明で用いる「アスペクト比(Z)」を
下回る(Lmax/a<Z)可能性は、理論的にはかな
り低い。
で用いる「アスペクト比(Z)」の定義は、充分な妥当
性を有するものと考えられる。本実施の形態において、
「アスペクト比」とは上記で定義した「アスペクト比
(Z)」を示し、「粒径」とは、「回折/散乱法で求め
た粒径L」を示すものとする。
(A)含有層3に用いることができる上記無機層状化合
物(A)以外の成分としては、特に限定されるものでは
なく、例えば、有機高分子、無機高分子、界面活性剤、
有機金属錯体等が挙げられる。これら成分は、一種類の
みを用いてもよく、適宜併用して用いてもよい。
えば、ポリホスファゼン、ポリチアジル、ポリシラン、
重合状イオウ、ポリシラザン、ポリ硫化珪素等(198
9年、社団法人高分子学会編、丸善株式会社発行参照)
が挙げられる。
は、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、アミド系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、
アクリロニトリル系樹脂、セルロース系樹脂、ハロゲン
含有樹脂、水素結合性樹脂、液晶樹脂、ポリフェニレン
オキシド樹脂、ポリメチレンオキシド樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン
樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等が挙げられ
る。
性官能基として後述する水素結合性基またはイオン性基
を有する高水素結合性樹脂が挙げられる。上記無機層状
化合物(A)含有層3が高水素結合性樹脂を含むこと
で、該無機層状化合物(A)含有層3自体の強度並びに
屈曲時におけるガスバリア性を向上させることができ
る。
はイオン性基を有する樹脂である。該高水素結合性樹脂
中の水素結合性基またはイオン性基の含有量(両者を含
む場合には両者の合計量)は、通常、20モル%〜60
モル%の範囲内であり、好ましくは30モル%〜50モ
ル%の範囲内である。これら水素結合性基およびイオン
性基の含有量は、例えば、核磁気共鳴(例えば、1H−
NMR、13C−NMR等)によって測定することができ
る。
基とは、具体的には、水酸基、アミノ基、チオール基、
カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基等が挙げられ
る。また、イオン性基としては、カルボキシレート基、
スルホン酸イオン基、燐酸イオン基、アンモニウム基、
ホスホニウム基等のイオン性基が挙げられる。これら水
素結合性基およびイオン性基のなかでも特に好ましい官
能基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、ス
ルホン酸基、カルボキシレート基、スルホン酸イオン
基、アンモニウム基等が挙げられる。
例えば、ポリビニルアルコール、多糖類、後述するエチ
レン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリル酸およ
びそのエステル類、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリス
チレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸ナトリウ
ム、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミンおよびその
4級アンモニウム塩、ポリビニルチオール、ポリグリセ
リン等が挙げられる。
しては、例えば、ビニルアルコールと酢酸ビニルとの共
重合体であり、酢酸ビニル重合体の酢酸エステル部分を
加水分解ないしエステル交換(けん化)して得られるポ
リマー;トリフルオロ酢酸ビニル重合体、ギ酸ビニル重
合体、ピバリン酸ビニル重合体、t−ブチルビニルエー
テル重合体、トリメチルシリルビニルエーテル重合体等
をけん化して得られるポリマー;等が挙げられる。該P
VAの詳細については、例えば、ポバール会編の「PV
Aの世界」(1992年、(株)高分子刊行会);「ポ
バール」(1981年、(株)高分子刊行会、長野等
著);等を参照することで、より明らかになるであろ
う。
であることが好ましく、85モル%以上であることがよ
り好ましく、98モル%以上であることが特に好まし
く、完全けん化物であることが最も好ましい。また、上
記PVAの重合度は、100〜5,000の範囲内であ
ることが好ましく、200〜3,000の範囲内である
ことがより好ましい。また、上記のPVAとしては、本
発明の目的が阻害されない限り、少量の共重合モノマー
で変性されていてもよい。
て生体系で合成される生体高分子であり、本発明では、
該生体高分子に化学修飾を施したものも含まれる。上記
多糖類としては、具体的には、例えば、セルロース;ヒ
ドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導
体;アミロース;アミロペクチン;プルラン;カードラ
ン;ザンタン;キチン;キトサン等が挙げられる。
共重合体(EVOH) とは、ビニルアルコール分率が4
0モル%〜80モル%の範囲内のEVOHであり、好ま
しくは、ビニルアルコール分率が45モル%〜75モル
%の範囲内のEVOHである。該EVOHのメルトイン
デックス(MI)としては、特に限定されるものではな
いが、温度190℃、荷重2,160gの条件下で、
0. 1g/10分〜50g/10分であることが好まし
い。上記のEVOHは、本発明の目的が阻害されない限
り、少量の共重合モノマーで変性されていてもよい。
く、適宜、二種類以上を混合して用いてもよい。これら
樹脂のなかでも、PVAおよびその変性体、多糖類、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体およびその変性体が
特に好適である。
ール共重合体の変性体とは、PVAの製造過程におい
て、ビニルエステル樹脂に酢酸ビニル単量体と共重合可
能な他の不飽和単量体、たとえば、エチレン、プロピレ
ン、α−ヘキセン、α−オクテン等のオレフィン類や、
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、(無水)マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和酸、およびそのア
ルキルエステルやアルカリ塩類、ビニルスルホン酸、ス
チレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸等のスルホン酸含有単量体およびその
アルカリ塩類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートや、
トリメチル−2−(1−(メタ)アクリルアミド−1,
1−ジメチルエチル)アンモニウムクロリド、トリメチ
ル−3−(1−(メタ)アクリルアミドプロピル)アン
モニウムクロリド、1−ビニル−2−エチルイミダゾー
ル、その他4級化可能なカチオン性単量体、スチレン、
アルキルビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、そ
の他のものが挙げられる。
れるものではないが、ビニルアルコール単位に対し、5
0モル%以下、好ましくは30モル%以下の程度である
場合が好ましく、その共重合の形態は、ランダム共重
合、ブロック共重合、グラフト共重合等、任意の方法に
よって得られる各種の形態が用いられる。
分に対し、ポリカルボン酸成分が共重合されたブロック
共重合体特に好適に用いられ、該ポリカルボン酸成分が
ポリメタクリル酸である場合において特に好ましい。さ
らに、該ブロック共重合体は、PVA鎖の片末端にポリ
アクリル酸鎖が延長されたようなA−B型ブロック共重
合体である場合が特に好ましく、PVAブロック成分
(a)とポリアクリル酸ブロック成分(b)の重量比
(a)/(b)が50/50〜95/5である場合が好
ましく、60/40〜90/10である場合において特
に好ましいガスバリア性(耐熱ガスバリア性)が完備さ
れ、基材との結合特性が顕著に完備される。また、その
他の変性体のうち、特に好ましい形態の1つとしては、
分子内にシリル基を有する化合物の少なくとも一種で変
性されたビニルエステル系重合体けん化物からなるシリ
ル基変性PVA系樹脂がある。
としては、特に限定はないが、常法によって得られたP
VAあるいは変性ポリ酢酸ビニル等のビニルアルコール
系重合体に、分子内にシリル基を有する化合物を反応さ
せ、シリル基を重合体に導入する、あるいはPVAある
いはその変性体の末端を活性化し、分子内にシリル基を
有する不飽和単量体を重合体末端に導入する、さらには
該不飽和単量体をビニルアルコール系重合体分子鎖にグ
ラフト共重合せしめる等、各種の変性による方法、ビニ
ルエステル系単量体と分子内にシリル基を有する不飽和
単量体とから共重合体を得て、これをけん化する方法、
または、シリル基を有するメルカプタン等の存在下でビ
ニルエステルを重合し、これをけん化する等、末端にシ
リル基を導入する等の各種の方法が有効に用いられる。
A系樹脂としては、結果的にその分子内にシリル基を有
するものであればよいが、分子内に含有されるシリル基
がアルコキシル基あるいはアシロキシル基およびこれら
の加水分解物であるシラノール基またはその塩等の反応
性置換基を有しているものが好ましく、中でもシラノー
ル基である場合が特に好ましい。
いられる分子内にシリル基を有する化合物としては、ト
リメチルクロルシラン、ジメチルクロルシラン、メチル
トリクロルシラン、ビニルトリクロルシラン、ジフェニ
ルジクロルシラン、トリエチルフルオロシラン等のオル
ガノハロシラン、トリメチルアセトキシシラン、ジメチ
ルジアセトキシシラン等のオルガノシリコンエステル、
トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン
等のオルガノアルコキシシラン、トリメチルシラノー
ル、ジエチルシランジオール等のオルガノシラノール、
N−アミエチルトリメトキシシラン等のアミノアルキル
シラン、トリメチルシリコンイソジシアネート等のオル
ガノシリコンイソシアネート、その他のものが挙げられ
る。これらシリル化剤による変性度は用いられるシリル
化剤の種類、量、反応条件によって任意に調節すること
ができる。
シリル基を有する不飽和単量体とからの共重合体をけん
化する方法において用いられる該不飽和単量体として
は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン等に代表されるようなビニルアルコキシシランやビ
ニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリイソプロポキ
シシラン等に代表されるようなビニルアルコキシシラン
のアルキルあるいはアリル置換体等の多くのビニルシラ
ン系化合物、さらに、これらのアルコキシ基の一部また
は全部をポリエチレングリコール等のポリアルキレング
リコール置換したポリアルキレングリコール化ビニルシ
ラン等が挙げられる。さらには、3−(メタ)アクリル
アミノ−プロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)ア
クリルアミド−プロピルトリエトキシシラン等に代表さ
れるような(メタ)アクリルアミド−アルキルシラン等
も好ましく用いることができる。
存在下でビニルエステルを重合した後、けん化し、末端
にシリル基を導入する方法には、3−(トリメトキシシ
リル)−プロピルメルカプタン等のアルコキシシリルア
ルキルメルカプタンが好ましく用いられる。
度、すなわち、シリル基の含有量、けん化度等によって
その適性範囲は各々異なるが、ガスバリア性に対して重
要な要因となる。シリル基の含有量は、通常、重合体中
のビニルアルコール単位に対しシリル基を含む単量体と
して30モル%以下であり、10モル%以下が好まし
く、5モル%以下である場合がより好ましく、2モル%
以下が特に好ましく用いられる。下限は特に限定されな
いが、0.1モル%以上である場合において効果が特に
顕著に発揮される。
A系樹脂に含まれていた水酸基の量に対する、シリル化
後の導入されたシリル基の割合を示すものである。
脂は、アルコール、またはアルコール/水の混合溶媒で
加熱溶解させることにより、導入されたシリル基の存在
によってアルコール系溶媒に溶解する。そして、溶媒に
溶解した変性PVA系樹脂は、一方で、導入されたシリ
ル基の一部が脱アルコール反応および脱水反応により反
応して、架橋する。尚、上記反応には、水の存在が必須
であり、アルコール/水の混合溶媒を用いることが好ま
しい。
れ単独で用いられてもよいが、本発明の目的を阻害しな
い限り、共重合可能な他の単量体との共重合体とした
り、混合可能な他の樹脂化合物と併用することができ
る。このような樹脂としては、たとえばポリアクリル酸
またはそのエステル類、ポリエステル系樹脂、ポリウレ
タン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ樹脂、メラミ
ン樹脂、その他のものを挙げることができる。
る場合、耐水性を改良する目的で、上記無機層状化合物
(A)以外の成分として、上記高水素結合性樹脂と架橋
反応し得る架橋剤をさらに用いることができる。
ままで、上記無機層状化合物(A)含有層3に、ボイル
性およびレトルト性等の高レベルの耐水性を付与するこ
とができることから、金属有機化合物、特に有機金属錯
体が好適である。金属有機化合物は、高水素結合性樹脂
と、配位結合、水素結合、イオン結合等により架橋反応
し得る化合物であり、上記高水素結合性樹脂との架橋反
応性が高く、例えば無機系の金属塩と比較して架橋効率
を向上することができる。上記無機層状化合物(A)含
有層3を、例えば、上述した成分からなる組成物を含む
塗工液のコーティングにより積層する場合、あまり反応
性が高いとコーティング液中で架橋反応が進行し、コー
ティングには適さなくなる。しかしながら、有機金属化
合物は、その配位子を変えることで反応性をコントロー
ルし易く、コーティングに適している。
チタン有機化合物、ジルコニウム有機化合物、アルミニ
ウム有機化合物、および珪素有機化合物が挙げられる。
これら金属有機化合物は、一種類のみを用いてもよく、
適宜、二種類以上を混合して用いてもよい。
例えば、テトラノルマルブチルチタネート、テトライソ
プロピルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テト
ラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトラメチルチ
タネート等のチタンオルソエステル類;チタンアセチル
アセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、ポ
リチタンアセチルアセトナート、チタンオクチレングリ
コレート、チタンラクテート、チタントリエタノールア
ミネート、チタンエチルアセトアセテート等のチタンキ
レート類;ポリヒドロキシチタンステアレート等のチタ
ンアシレート類;等が挙げられる。
ては、例えば、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジ
ルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラア
セチルアセトナート、ジルコニウムモノアセチルアセト
ナート、ジルコニウムビスアセチルアセトナート、ジル
コニウムアセチルアセトナートビスエチルアセトアセテ
ート等が挙げられる。
ては、例えば、アルミニウムアセチルアセトナート、ア
ルミニウム有機酸キレート等が挙げられる。
えば、上述したチタン有機化合物およびジルコニウム有
機化合物で例示した配位子を有する化合物が挙げられ
る。
てもよく、適宜、二種類以上を混合して用いてもよい。
上記金属有機化合物のなかでも、キレート化合物、例え
ばアセチルアセトナートのようなキレート性の配位子を
有し、上記高水素結合性樹脂と配位結合する金属有機化
合物(有機金属錯体)が、架橋反応性が適度であること
から好ましく、そのなかでも特にチタンキレート化合物
が、得られる組成物を塗工する際の塗工液中での安定性
の面で特に好ましい。また、チタンキレート化合物は、
耐水性の向上に特に優れた効果を発揮する。
は、チタン系カップリング剤、シラン系カップリング
剤、メラミン系カップリング剤、エポキシ系カップリン
グ剤、イソシアネート系カップリング剤等のカップリン
グ剤;水溶性エポキシ化合物;銅化合物;ジルコニウム
化合物;等を用いてもよい。
物の中では、ジルコニウム化合物、水溶性エポキシ化合
物、シランカップリング剤が比較的好適に用いられる。
は、例えば、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化
ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム
等のハロゲン化ジルコニウム;硫酸ジルコニウム、塩基
性硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム等の鉱酸のジル
コニウム塩;ギ酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、プ
ロピオン酸ジルコニウム、カプリル酸ジルコニウム、ス
テアリン酸ジルコニウム等の有機酸のジルコニウム塩;
炭酸ジルコニウムアンモニウム、硫酸ジルコニウムナト
リウム、酢酸ジルコニウムアンモニウム、シュウ酸ジル
コニウムナトリウム、クエン酸ジルコニウムナトリウ
ム、クエン酸ジルコニウムアンモニウム等のジルコニウ
ム錯塩;等が挙げられる。
ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリ
グリシジルエーテル、グリシジルエーテル系エポキシ樹
脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキ
シ樹脂、あるいは脂肪族系エポキシ樹脂等が挙げられ
る。
アミノ系シランカップリング剤、ビニル系あるいはメタ
クリロキシ系シランカップリング剤、エポキシ系シラン
カップリング剤、メチル系シランカップリング剤、クロ
ロ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップ
リング剤等が挙げられる。
の配合割合としては、特に限定されるものではないが、
上記高水素結合性樹脂における架橋性官能基のモル数
(即ち、水素結合性基およびイオン性基の合計のモル
数)をHN、上記架橋剤における架橋生成基(上記架橋
剤が金属有機化合物である場合には、配位子を含む架橋
生成基)のモル数をCNとすると、上記高水素結合性樹
脂が有する架橋性官能基のモル数に対する架橋剤の架橋
生成基のモル数との比K(K=CN/HN)が、0.0
01〜10の範囲内となるように用いることが好まし
く、0.01〜1の範囲内となるように用いることがよ
り好ましい。
タン樹脂を用いる場合には、上記無機層状化合物(A)
含有層3は、上記熱硬化性樹脂層2との密着性や接着性
を向上させるための界面活性剤をさらに含むことが好ま
しい。該界面活性剤としては、上記無機層状化合物
(A)と熱硬化性樹脂層2との密着性や接着性を向上さ
せることができるものであれば、特に限定されるもので
はないが、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性
界面活性剤、両性イオン性界面活性剤および非イオン性
界面活性剤が挙げられる。
ノカルボン酸塩、N−アシロイルグルタミン酸塩等のカ
ルボン酸型、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレ
ンスルホン酸塩−ホルムアルデヒド縮合物、スルホこは
く酸ジアルキルエステル等のスルホン酸型、硫酸アルキ
ル塩、硫酸アルキルポリオキシエチレン塩等の硫酸エス
テル型、リン酸アルキル塩等のリン酸エステル型、ホウ
酸アルキル塩等のホウ酸エステル型等の炭化水素系アニ
オン性界面活性剤、パーフルオロデカン酸ナトリウム、
パーフルオロオクチルスルホン酸ナトリウム等のフッ素
系アニオン性界面活性剤、ポリジメチルシロキサン基と
カルボン酸金属塩とを有する重合体等の陰イオン性基を
有するシリコーン系アニオン性界面活性剤が挙げられ
る。
アルキルアミン塩等のアミン塩型、アルキルトリメチル
アンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、
アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩等の第四級ア
ンモニウム塩型等が挙げられる。
メチル−N-アルキルアミノ酢酸ベタイン等のカルボキシ
ベタイン型、1-アルキル−1-ヒドロキシエチル−1-カル
ボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等のグリシン型
が挙げられる。
ン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖
脂肪酸エステル等のエステル型、ポリジメチルシロキサ
ン基とアルキレンオキシド付加物の縮重合体、ポリシロ
キサン−ポリオキシアルキレン共重合体、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレンブロックポリマー等のエーテル型、ポリエチレン
グリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル等のエステルエーテル型、脂肪族ア
ルカノールアミド等のアルカノールアミド型、パーフル
オロデカン酸−ジグリセリンエステルやパーフルオロア
ルキルアルキレンオキサイド化合物等のフッ素型が挙げ
られる。
以上、24以下のアルキル鎖を有するカルボン酸のアル
カリ金属塩、ポリジメチルシロキサン−ポリオキシエチ
レン共重合体等のエーテル型の非イオン性界面活性剤
(シリコーン系非イオン性界面活性剤)や、パーフルオ
ロアルキルエチレンオキサイド化合物等のフッ素型非イ
オン性界面活性剤(フッ素系非イオン性界面活性剤)が
好ましい。
(A)含有層3を形成する際に、例えば塗工液を使用す
る場合、効果の観点から、該塗工液中の含有量が0.0
01重量%〜5重量%となるように設定することが好ま
しく、0.003重量%〜0.5重量%となるように設
定することがより好ましく、0.005重量%〜0.1
重量%となるように設定することが特に好ましい。
は、本発明の効果を損なわない範囲内で、紫外線吸収
剤、着色剤、酸化防止剤等の、従来公知の種々の添加剤
を含んでいてもよい。
る上記無機層状化合物(A)の組成比は、特に限定され
るものではないが、上記無機層状化合物(A)含有層3
の全構成成分(組成物)に対する無機層状化合物(A)
の重量比(無機層状化合物(A)/無機層状化合物
(A)含有層3の全構成成分(組成物))が0.1〜1
の範囲内であることが好ましく、0.3〜1の範囲内で
あることがさらに好ましい。
を構成する構成成分(組成物)が、樹脂、特に高水素結
合性樹脂を含む場合、上記の樹脂に対する無機層状化合
物(A)の重量比(無機層状化合物/樹脂)は、1/9
〜9/1の範囲内であることが好ましく、3/7〜8/
2の範囲内であることがさらに好ましい。また、上記無
機層状化合物(A)含有層3を分散液の塗工により形成
する場合には、該塗工に用いる塗工液中の樹脂および無
機層状化合物(A)の濃度は特に限定されないものの、
通常、両者の合計で、4重量%〜15重量%の範囲内で
あることが好ましい。
えば上記高水素結合性樹脂等の、上記無機層状化合物
(A)以外の成分(以下、他成分と記す)を含む場合、
これら無機層状化合物(A)と他成分との配合方法(上
記無機層状化合物(A)と他成分とからなる組成物の製
造方法)としては、特に限定されるものではないが、配
合時の均一性ないし操作の容易性の観点から、例えば、
他成分を溶媒に溶解させてなる溶液と、無機層状化合
物(A)を分散媒に予め膨潤または劈開させた分散液と
を混合後、溶媒および分散媒を除去する方法;無機層
状化合物(A)を分散媒により膨潤または劈開させた分
散液を他成分に添加し、該他成分を上記分散液に溶解さ
せた後、分散媒を除去する方法;他成分を溶媒に溶解
させてなる溶液に無機層状化合物(A)を添加し、上記
無機層状化合物(A)を上記の溶液で膨潤または劈開さ
せて分散液とした後、上記溶媒を除去する方法;樹脂
と無機層状化合物(A)とを熱混練する方法;等を採用
することもできる。
橋するための架橋剤を含む場合、該架橋剤は、高水素結
合性樹脂と無機層状化合物(A)とを混合した後で添
加、混合することが好ましいが、上記高水素結合性樹脂
あるいは無機層状化合物(A)と同時に添加、あるい
は、予め、上記溶媒あるいは分散媒に溶解あるいは分散
させて用いてもよい。上記架橋剤が金属有機化合物を含
む場合、該架橋剤はアルコール類に溶解させて添加する
ことが好ましい。また、上記無機層状化合物(A)含有
層3を塗工により形成する場合、上記金属有機化合物を
含む塗工液の安定性の面から、上記塗工液は酸性にする
ことが好ましく、pH5以下がより好ましく、3以下が
特に好ましい。上記塗工液のpHに特に下限はないが、
通常、0.5以上である。
(A)の大きなアスペクト比が容易に得られる点から、
上記〜の方法がより好適である。また、上記〜
の方法を採用する場合、高圧分散装置を用いて処理する
ことが無機層状化合物(A)の分散性の観点から好まし
い。
luidics Corporation 社製超高圧ホモジナイザー(商品
名:マイクロフルイダイザー)あるいはナノマイザー社
製ナノマイザーがあり、他にもマントンゴーリン型高圧
分散装置、例えばイズミフードマシナリ製ホモゲナイザ
ー等が挙げられる。上記無機層状化合物(A)と、樹脂
等の上記他成分とを含む組成物混合液を、高圧分散処
理、特に、100kgf/cm2 以上の圧力条件で高圧
分散処理することにより、上記無機層状化合物(A)と
上記他成分とが均一に分散された組成物および該組成物
を含む塗工液を得ることができる。
示すように、分散させるべき粒子または分散媒等を混合
した組成物混合液を複数本の細管11中に高速通過させ
衝突させることにより、高剪断や高圧状態等の特殊な条
件下で、分散処理することである。
液を、管径1μm〜1,000μmの細管11中を通過
させることが好ましく、細管11を通過時に、組成物混
合液には、最大圧力条件が100kgf/cm2 以上の
圧力が印加されることが好ましく、さらに、500kg
f/cm2 以上の圧力が印加されることがより好まし
く、1,000kgf/cm2 以上の圧力が印加される
ことが特に好ましい。また、組成物混合液が、細管11
内を通過する際、上記組成物混合液の最高到達速度は1
00m/s以上に達することが好ましく、伝熱速度は1
00kcal/hr以上であることが好ましい。
置内での高圧処理の原理を模式的に説明すると、まず、
ポンプ12により、細管11より太い管径を有するフィ
ーダー管13に組成物混合液が吸引されて取り込まれ
る。続いて、ポンプ12によって、フィーダー管13内
の組成物混合液に対し、高圧が印加される。このとき、
フィーダー管13に設けられた逆流防止弁(図示せず)
により、フィーダー管13内の組成物混合液は、細管1
1に向かって押し出される。従って、組成物混合液は、
細管11内において、高圧および高速状態となり、組成
物混合液の各無機層状化合物(A)粒子が互いに、およ
び細管11の内壁と衝突して、上記各無機層状化合物
(A)粒子の径および厚さ、特に厚さが細分化され、か
つ、より均一に分散されて、排出管14から外部に取り
出される。
る組成物混合液に対し、瞬間的に最高速度に達する地点
の流速が、例えば300m/sの場合、体積1×10-3
m3の立方体中を1/(3×105 )secで通過し、
組成物混合液の温度が35℃上昇するとき、圧力損失に
より組成物混合液にエネルギーが伝達される。伝熱速度
は、組成物混合液の比重が1g/cm3 比熱1cal/
g℃のとき、3.8×104 kcal/hrとなる。
含有層3を熱硬化性樹脂層2上に積層する方法として
は、特に限定されるものではないが、上記無機層状化合
物(A)含有層3を構成する構成成分(例えば無機層状
化合物(A)単独あるいは上記無機層状化合物(A)と
他成分とからなる組成物)と液体とを含む塗工液(組成
物混合液)を、熱硬化性樹脂層2の表面に塗布(コーテ
ィング)して塗工膜を形成した後、該塗工膜を、例え
ば、乾燥、熱処理して上記塗工膜から液体を除去する方
法(コーティング法)や、上記無機層状化合物(A)含
有層3を構成する構成成分からなるフィルムを、上記熱
硬化性樹脂層2の表面にラミネートする方法等が好適に
用いられる。
する構成成分と液体とを含む塗工液とは、より具体的に
は、上記無機層状化合物(A)含有層3を構成する構成
成分を、前述したように、溶媒や分散媒等の液体中に分
散または溶解させた液である。得られる積層体のガスバ
リア性の観点から、上記液体としては、上述した無機層
状化合物(A)を膨潤または劈開させる分散媒が好まし
い。上記液体が分散媒の場合、上記無機層状化合物
(A)は、上記液体に膨潤または劈開した状態で分散さ
れている。
る方法としては、ダイレクトグラビア法、リバースグラ
ビア法、マイクログラビア法等のグラビア法;2本ロー
ルビートコート法、ボトムフィード3本リバースコート
法等のロールコーティング法;ドクターナイフ法;ダイ
コート法;ディップコート法;スプレーコート法;スピ
ンコート法;バーコーティング法;あるいはこれらを組
み合わせたコーティング法;等、従来公知の各種方法を
採用することができる。
た〜の方法を用いる場合、上記無機層状化合物
(A)含有層3の形成に用いた溶媒や分散媒を系から除
去した後、得られた積層体を、例えば110℃以上、2
20℃以下で熱エージングすることは、とりわけ、最終
的に得られる積層体の耐水性、即ち、耐水環境テスト後
のガスバリア性を向上させることができることから好ま
しい。エージング時間に限定はないが、無機層状化合物
(A)含有層3が少なくとも設定温度に到達する必要が
あり、例えば熱風乾燥機のような熱媒接触による方法の
場合、1秒以上、100分以下が好ましい。
ではなく、熱ロール接触、熱媒接触(空気、オイル
等)、赤外線加熱、マイクロ波加熱等、種々の方法を適
用することができる。上記エージング処理は、上記他成
分が高水素結合性樹脂を含む場合に、耐水性の改良にお
いて特に優れた効果を発揮する。
有層3は、図3に示すように、無機層状化合物(A)
が、その層状という形状により、層同士、例えば単位結
晶層31同士が互いに対面すると共に上記無機層状化合
物(A)含有層3の表面方向と略平行となるように、例
えば上記無機層状化合物(A)含有層3の樹脂32中に
膨潤または劈開した状態で分散して配向していることか
ら、迷路効果を生じ、優れたガスバリア性(耐熱ガスバ
リア性を含む)を得ることができる。
(B)含有層4に用いられる無機化合物(B)とは、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移元素、および周期
表3B族元素、4B族元素、5B族元素からなる群より
選ばれる少なくとも1種の元素、即ち、周期表1A族、
2A族、3A族、3B族、4A族、4B族、5A族、5
B族、6A族、7A族、および8族に属する元素からな
る群より選ばれる少なくとも1種の元素、好適には、上
記の元素からなる群より選ばれる元素のうち、原子番号
12以上の元素を含む無機化合物である。
で耐化学薬品性に優れると共に、上記無機層状化合物
(A)含有層3とともにバリア層として用いられ、本発
明にかかる積層体に、ガスバリア性(耐熱ガスバリア性
を含む)、必要に応じて光バリア性(遮光性)を付与す
る。また、上記無機化合物(B)含有層4は水蒸気透過
度が低く、上記積層体に優れた水蒸気バリア性を付与す
ることができる。
要求される物性により適宜設定すればよく、特に限定さ
れるものではないが、本発明の目的である耐熱ガスバリ
ア性を高めるためには、上記無機化合物(B)として
は、上記の元素からなる群より選ばれる少なくとも1種
の元素を含む、金属、金属酸化物、窒化物、および水酸
化物からなる群より選ばれる少なくとも1種であること
が好ましく、金属、金属酸化物、および窒化物からなる
群より選ばれる少なくとも1種であることがより好まし
い。
は、アルミニウム、銀、金、白金、パラジウム、珪素酸
化物、アルミニウム酸化物、アルミニウム水酸化物、チ
タン酸化物、チタン水酸化物、ジルコニウム酸化物、ジ
ルコニウム水酸化物、アルミニウム酸化物と珪素酸化物
との複合体、亜鉛酸化物と珪素酸化物との複合体、カル
シウム酸化物と珪素酸化物との複合体、ほう素酸化物と
珪素酸化物との複合体、ポリシラザン等の珪素窒化物等
が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら
無機化合物(B)は、一種類のみを用いてもよいし、適
宜、二種類以上を混合して用いてもよい。
物(B)含有層4の形成方法としては、特に限定されな
いが、物理蒸着あるいは化学蒸着等の蒸着法;ゾル−ゲ
ル法;等が好適に用いられる。
アルミニウム、珪素酸化物、アルミニウム酸化物等から
なる場合には、該無機化合物(B)含有層4の層形成に
は、蒸着法が好適に用いられる。
アルミニウム酸化物と珪素酸化物との複合体、亜鉛酸化
物と珪素酸化物との複合体、カルシウム酸化物と珪素酸
化物との複合体、ほう素酸化物と珪素酸化物との複合体
等からなる場合には、蒸着源を複数用いる2元蒸着を採
用することができる。
エチルオルトシリケート、チタンテトライソプロポキシ
ド等の金属アルコキシドを、例えば脱アルコール反応さ
せることにより金属酸化物(水酸化物)化する方法が挙
げられる。該ゾル−ゲル法としては、例えば、珪素酸化
物、チタン酸化物等からなる無機化合物(B)含有層4
の層形成に用いられる。
有層4は、上記無機化合物(B)以外の成分を含んでい
ても構わない。上記無機化合物(B)以外の成分として
は、特に限定されるものではない。例えば、上記無機化
合物(B)含有層4は、上記無機化合物(B)に、化学
蒸着法で有機化合物を複合させてなる化合物からなって
いてもよいし、ゾル−ゲル法により、活性水素化合物や
イソシアネート化合物等の有機化合物をさらに含有して
いてもよい。
化合物(A)含有層3に積層する方法としては、上記無
機化合物(B)含有層4を別途形成しておき、後で無機
層状化合物(A)含有層3に積層する方法もあるが、好
ましくは、無機層状化合物(A)含有層3上への、上記
無機化合物(B)含有層4を構成する構成成分の蒸着や
塗工である。塗工の場合の具体方法としては、上記無機
化合物(B)含有層4を構成する構成成分を含む塗工液
を無機層状化合物(A)含有層3上にコーティングする
方法等を用いることができる。
形状は、特に限定されるものではなく、例えば、容器
(ボトル、トレイ状等)、フィルム(シートを含む)、
チューブ等が挙げられる。また、例えば前記支持体1の
形状に応じた各種形状とすることができ、そのなかで
も、フィルム形状が好ましい。
スバリア性以外に必要とするバリア性能、用途等に応じ
て適宜設定すればよく、特に限定されるものではない
が、本発明の目的である耐熱ガスバリア性を十分に発揮
すると共に、乾燥性および密着性等の観点から、熱硬化
性樹脂層2の層厚が0.001μm〜1000μmの範
囲内、無機層状化合物(A)含有層3の層厚が0.00
1μm〜10μmの範囲内、無機化合物(B)含有層4
の層厚が0.001μm〜2μmの範囲内のうち、少な
くとも1つの条件を満足することが好ましい。
は、上記熱硬化性樹脂層2の層厚は、好適には0.00
1μm〜200μmの範囲内、より好適には0.001
μm〜20μmの範囲内であり、無機層状化合物(A)
含有層3の層厚は、好適には0.001μm〜2μmの
範囲内、より好適には0.001μm〜1μmの範囲内
であり、無機化合物(B)含有層4の層厚は、好適には
0.001μm〜0.5μmの範囲内、より好適には
0.001μm〜0.1μmの範囲内である。
状化合物(A)含有層3を備えると共に、各層が、上述
した順に配されていることで、無機化合物(B)含有層
4を上述したような薄い膜厚としても十分な耐熱ガスバ
リア性を得ることができる。このため、本発明によれ
ば、無機化合物(B)含有層4を薄く設定できることか
ら、廃棄時の処理も容易化することができる。
る場合は上記熱硬化性樹脂層2をより薄膜化することが
できる。この場合、上記熱硬化性樹脂層2の層厚は、好
適には0.001μm〜2μmの範囲内、より好適には
0.001μm〜0.2μmの範囲内であり、無機化合
物(B)含有層4の層厚は、好適には0.001μm〜
2μmの範囲内、より好適には0.001μm〜1μm
の範囲内であり、無機化合物(B)含有層4の層厚は、
好適には0.001μm〜0.5μmの範囲内、より好
適には0.001μm〜0.1μmの範囲内である。
示すように、上記熱硬化性樹脂層2上に、無機層状化合
物(A)含有層3、無機化合物(B)含有層4が、この
順で、互いに接して積層された構成について示したが、
上記した各層間に他の層が積層されている構成を有して
いてもよい。但し、熱可塑性高分子からなる層を、上記
熱硬化性樹脂層2における上記無機層状化合物(A)含
有層3および無機化合物(B)含有層4積層面側に設け
ると、高温による熱可塑性高分子の可塑化や熱膨張によ
り、上記無機層状化合物(A)含有層3や無機化合物
(B)含有層4が破壊され、これら無機層状化合物
(A)含有層3や無機化合物(B)含有層4が有する各
種性能を低下させるおそれがあり、高温での使用には適
さなくなるので、例えば支持体層1のように、熱可塑性
高分子からなる層を形成する場合には、熱可塑性高分子
からなる層は、上記熱硬化性樹脂層2における上記無機
層状化合物(A)含有層3および無機化合物(B)含有
層4積層面とは反対面に積層する。即ち、本発明では、
本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の層を設け
ることができる。
に、無機化合物(B)として示したような金属を直接蒸
着すると、密着強度が弱く、経時により品質の劣化が生
じる。しかしながら、上記無機化合物(B)含有層4
は、上記無機層状化合物(A)含有層3との密着性に優
れ、しかも、上記無機層状化合物(A)含有層3に積層
して用いることで相乗効果を奏する。従って、上記無機
化合物(B)含有層4を上記無機層状化合物(A)含有
層3表面に形成する場合には、上記無機層状化合物
(A)含有層3および無機化合物(B)含有層4の層厚
を薄く設定することができる。また、易引裂き性を改善
することもできる。
ば、紫外線吸収剤、着色剤、酸化防止剤等の各種添加剤
を混合してもよい。
樹脂からなる熱硬化性樹脂層2(第1層)、無機層状化
合物(A)を有する無機層状化合物(A)含有層3(第
2層)、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移元素、
および周期表3B族元素、4B族元素、5B族元素から
なる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む無機化
合物(B)を有する無機化合物(B)含有層4(第3
層)が、この順に積層されてなることで、熱的安定性が
良く、耐熱ガスバリア性に優れた積層体が得られること
が判る。
物、蒟蒻、竹輪、蒲鉾、その他、水産加工品、ミートボ
ール、ハンバーグ、ハム・ソーセージ、ペットフード等
の食品分野の他、農薬・肥料、化粧品、芳香剤、輸液パ
ック、真空断熱材、半導体包装、酸化性薬品包装、精密
材料包装等、医療、電子、化学、機械等の多くの分野
で、ガスバリア性包装材料の用途に好ましく用いられ
る。本発明の積層体は、特に、高い耐熱ガスバリア性が
要求される、例えば、マイクロ波加熱調理または殺菌用
包装、レトルト・ボイル殺菌用包装、高温物・高温液体
の包装、真空断熱材等の用途に特に好適に用いられる。
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。また、実施例および比較例で得
られた積層体(フィルム積層体)の各種物性は、以下の
ようにして測定した。
販のデジタル厚み計(接触式厚み計、商品名:超高精度
デシマイクロヘッド MH−15M、日本光学社製)に
より測定した。一方、0.5μm未満の厚みは、重量分
析法(一定面積のフィルムの重量測定値をその面積で除
し、さらに、組成物(樹脂組成物)の比重で除した)ま
たはIR法により実際の塗工膜の膜厚とIR吸収との検
量線を作成し、検量線より求めた。さらに、無機層状化
合物(A)を含む組成物(樹脂組成物)の塗工膜の膜厚
に関する測定の場合等は、元素分析法〔積層体の特定無
機元素分析値(無機層状化合物(A)含有層由来)と無
機層状化合物(A)単独の特定元素分率の比とから、無
機層状化合物(A)含有層と、熱硬化性樹脂層等の、無
機層状化合物(A)含有層下層となる層との比を求める
方法〕によった。
基づき、酸素透過度測定装置(OX−TRAN 100
A、MOCON社製)にて、所定の温度で測定を行っ
た。
布測定装置(LA910、堀場製作所(株)製)を使用
し、媒体の樹脂マトリックス中に存在する無機層状化合
物(A)とみられる粒子の体積基準のメジアン径を粒径
Lとして測定した。尚、分散液原液はペーストセルにて
光路長50μmで測定し、分散液の希釈液はフローセル
法にて光路長4mmで測定した。
−5A、(株)島津製作所製)を用い、無機層状化合物
(A)単独と、該無機層状化合物(A)を含む組成物
(樹脂組成物)の粉末法による回折測定を行った。これ
により無機層状化合物(A)の単位厚さaを求め、さら
に上記組成物(樹脂組成物)の回折測定から、無機層状
化合物(A)の面間隔dが広がっている部分があること
を確認した。上述の方法で求めた粒径Lを用いて、アス
ペクト比(Z)を、Z=L/aの式により算出した。
トンの1/1混合溶媒中に、ポリエステルポリオール
(アドコートAD335AE:東洋モートン(株)製)
とトルエンジイソシアネートとを、15/1の重量比
で、かつ、ポリエステルポリオールとトルエンジイソシ
アネートとの合計の固形分濃度が20重量%となるよう
に添加して熱硬化性樹脂層用塗工液とした。
攪拌機付分散釜(商品名:デスパMH−L、浅田鉄工
(株)製)に、イオン交換水(比電気伝導率1μs/c
m以下)1000gと、高水素結合性樹脂としてのポリ
ビニルアルコール(PVA117H;(株)クラレ製、
ケン化度;99.6%、重合度1,700)100gと
を仕込み、低速攪拌下(1,500rpm、周速度約4
m/秒)で95℃に昇温し、1時間攪拌して溶解させる
ことにより、溶液(1)を得た。続いて、該溶液(1)
を攪拌したまま65℃まで温度を下げた後、該溶液
(1)に、イオン交換水400gと1−ブタノール94
gとを予め混合してなるアルコール水溶液をゆっくり滴
下した。滴下終了後、65℃でさらに無機層状化合物
(A)としての高純度の天然モンモリロナイト(商品
名:クニピアG;クニミネ工業(株)製)を粉末のまま
50g添加し、撹拌条件を高速攪拌(3000rpm、
周速度約8m/秒)に切替えて90分間撹拌、分散させ
ることにより、樹脂組成物混合液(2)を得た。
ジナイサーM110−E/H、Microfluidics Corporat
ion 製)に、上記の樹脂組成物混合液(2)を通し、
1.750kgf/cm2 で1回処理することで、分散
性が良好で均一な分散液(3)を得た。分散液(3)の
固形分濃度は約7.6重量%であった。
G)からなる上記の分散液(3)を乾燥固化後、粉砕し
て、粉末X線解析を行い、膨潤・劈開した上記天然モン
モリロナイト(クニピアG)の面間隔dを測定した。こ
の結果、面間隔dは単位厚さaより大きく、前述した理
由により、上記天然モンモリロナイト(クニピアG)は
充分に壁開されていることが判った。このときの壁開し
た上記天然モンモリロナイト(クニピアG)のアスペク
ト比は200以上であった。
分散釜(商品名:デスパMH−L、浅田鉄工(株)製)
に仕込み、系のpH(分散液(3)のpH)が約3とな
るように塩酸(約6g添加)で調整し、金属有機化合物
としてのチタンアセチルアセトナート(商品名:TC1
00、松本製薬工業(株)製)4gを、室温にて低速攪
拌下(1,500rpm、周速度4.10m/分)、徐
々に添加した。その後、撹拌を続けながら非イオン性界
面活性剤(商品名:SH3746、東レ・ダウコーニン
グ(株)製)0.15gを添加し、これを無機層状化合
物(A)含有層用塗工液とした。
ポリエチレンテレフタレート(OPET)フィルム(商
品名:エスペットT4102;東洋紡績(株)製 片面
コロナ処理有り)を支持体層とし、この支持体層のコロ
ナ処理面上に、上記熱硬化性樹脂層用塗工液をグラビア
塗工した後、乾燥し、約0.1μmのウレタン樹脂層
(熱硬化性樹脂層)を形成した。
上記無機層状化合物(A)含有層用塗工液をグラビア塗
工した後、乾燥させることにより、上記ウレタン樹脂層
上に、上記無機層状化合物(A)含有層用塗工液に基づ
く無機層状化合物(A)含有層が形成された塗工フィル
ムを得た。該無機層状化合物(A)含有層の乾燥厚みは
約0.4μmであった。
物(A)含有層上に、真空蒸着装置を用いてアルミニウ
ム蒸着を行い、約0.04μmの無機化合物(B)含有
層を形成することにより、本発明にかかる積層体として
のフィルム積層体を得た。得られたフィルム積層体の8
0℃での酸素透過度を測定したところ、0.2(ml/
atm ・m2 ・day )以下と優れたものであった。
化合物(A)含有層を積層しない以外は、実施例1と同
様の操作を行って比較用のフィルム積層体を得た。得ら
れたフィルム積層体の80℃での酸素透過度を測定した
ところ、100(ml/atm ・m2 ・day)以上と劣っ
たものであった。
フィルムの代わりに、厚さ20μmの二軸延伸ポリプロ
ピレン(OPP)フィルム(商品名:バイレンフィルム
−OT P2102;東洋紡績(株)製 片面コロナ処
理有り)を支持体層として用いた以外は、実施例1と同
様の操作を行って本発明にかかる積層体としてのフィル
ム積層体を得た。得られたフィルム積層体の80℃での
酸素透過度は小さく、該積層体は耐熱ガスバリア性に優
れるものであった。
ルムの無機層状化合物(A)含有層上に、アルミニウム
蒸着に代えて、真空蒸着装置を用いた酸化珪素蒸着を行
い、酸化珪素からなる約0.04μmの無機化合物
(B)含有層を形成した以外は、実施例1と同様の操作
を行って本発明にかかる積層体としてのフィルム積層体
を得た。得られたフィルム積層体の80℃での酸素透過
度は小さく、該フィルム積層体は耐熱ガスバリア性に優
れるものであった。
フィルムの代わりに、実施例2で用いたものと同じOP
Pフィルムを支持体層として用いた以外は、実施例3と
同様の操作を行って本発明にかかる積層体としてのフィ
ルム積層体を得た。得られたフィルム積層体の80℃で
の酸素透過度は小さく、該フィルム積層体は耐熱ガスバ
リア性に優れるものであった。
以上のように、第1層、第2層、第3層が、この順に積
層され、上記第1層が、熱硬化性樹脂からなる層であ
り、上記第2層が、無機層状化合物(A)を有する層で
あり、上記第3層が、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、遷移元素、および周期表3B族元素、4B族元素、
5B族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元
素を含む無機化合物(B)を有する層である構成であ
る。
上のように、上記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、キシ
レン樹脂、オリゴエステルアクリレート、グアナミン樹
脂、ジアリルフタレート樹脂、レゾルシノール系樹脂、
エポキシアクリレート樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタ
ン樹脂、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、およびユリア
樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂であ
る構成である。
上のように、上記無機層状化合物(A)が溶媒に膨潤し
て劈開する化合物である構成である。
上のように、上記無機層状化合物(A)が粘土系鉱物で
ある構成である。
上のように、上記無機化合物(B)が、金属、金属酸化
物、窒化物、および水酸化物からなる群より選ばれる少
なくとも1種の無機化合物である構成である。
上のように、上記無機層状化合物(A)を有する層が、
さらに有機高分子、無機高分子、界面活性剤、および有
機金属錯体からなる群より選ばれる少なくとも一種を含
む構成である。
上のように、上記無機層状化合物(A)を有する層が、
さらに高水素結合性樹脂を含む構成である。
上のように、上記第1層における第2層積層面とは反対
面に支持体層を備えている構成である。
上のように、上記支持体層が、金属箔、紙、布、合成樹
脂フィルムからなる群より選ばれる少なくとも1種の基
材からなる構成である。
以上のように、上記第1層の層厚が0.001μm〜1
000μmの範囲内、上記第2層の層厚が0.001μ
m〜10μmの範囲内、上記第3層の層厚が0.001
μm〜2μmの範囲内のうち、少なくとも1つの条件を
満足する構成である。
以上のように、フィルム積層体である構成である。
は、無機層状化合物が、その層状という形状により互い
に対面すると共に、第2層の表面方向に対し略平行とな
るように配向することから、上記無機層状化合物による
迷路効果によって、上記第3層とともに、得られる積層
体にガスバリア性を付与することができる。
化性樹脂からなることで、高温による可塑化や熱膨張に
よる、上記第2層あるいは第3層の破壊、特に、従来の
積層体において問題となっている、金属等からなる無機
物層(上記第3層に相当)の破壊を防止することができ
る。従って、上記の構成によれば、熱的安定性が改善さ
れることにより、加熱によっても、上記第2層、第3層
が有する、ガスバリア性等の性能を十分に発揮すること
ができる。従って、上記の構成によれば、耐熱ガスバリ
ア性に優れた積層体を提供することができるという効果
を奏する。
蒟蒻、竹輪、蒲鉾、その他、水産加工品、ミートボー
ル、ハンバーグ、ハム・ソーセージ、ペットフード等の
食品分野の他、農薬・肥料、化粧品、芳香剤、輸液パッ
ク、真空断熱材、半導体包装、酸化性薬品包装、精密材
料包装等、医療、電子、化学、機械等の多くの分野で、
ガスバリア性包装材料の用途に好ましく用いられる。上
記積層体は、特に、高い耐熱ガスバリア性が要求され
る、例えば、マイクロ波加熱調理または殺菌用包装、レ
トルト・ボイル殺菌用包装、高温物・高温液体の包装、
真空断熱材等の用途に特に好適に用いられる。
る。
る。
を示す概略断面図である。
の「単位厚さa」を算出するための無機層状化合物
(A)のX線回折グラフである。
の「面間隔d」を算出するための無機層状化合物(A)
のX線回折グラフである。
応するピークがハロー(ないしバックグラウンド)と重
なって検出することが困難な場合における無機層状化合
物(A)の「面間隔d」を算出するときの、X線回折グ
ラフである。
いる、高圧分散処理を模式的に示す説明図である。
Claims (11)
- 【請求項1】第1層、第2層、第3層が、この順に積層
され、 上記第1層が、熱硬化性樹脂からなる層であり、 上記第2層が、無機層状化合物(A)を有する層であ
り、 上記第3層が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移
元素、および周期表3B族元素、4B族元素、5B族元
素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む
無機化合物(B)を有する層であることを特徴とする積
層体。 - 【請求項2】上記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、キシ
レン樹脂、オリゴエステルアクリレート、グアナミン樹
脂、ジアリルフタレート樹脂、レゾルシノール系樹脂、
エポキシアクリレート樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタ
ン樹脂、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、およびユリア
樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂であ
ることを特徴とする請求項1記載の積層体。 - 【請求項3】上記無機層状化合物(A)が溶媒に膨潤し
て劈開する化合物であることを特徴とする請求項1また
は2記載の積層体。 - 【請求項4】上記無機層状化合物(A)が粘土系鉱物で
あることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載
の積層体。 - 【請求項5】上記無機化合物(B)が、金属、金属酸化
物、窒化物、および水酸化物からなる群より選ばれる少
なくとも1種の無機化合物であることを特徴とする請求
項1〜4の何れか1項に記載の積層体。 - 【請求項6】上記無機層状化合物(A)を有する層が、
さらに有機高分子、無機高分子、界面活性剤、および有
機金属錯体からなる群より選ばれる少なくとも一種を含
むことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の
積層体。 - 【請求項7】上記無機層状化合物(A)を有する層が、
さらに高水素結合性樹脂を含むことを特徴とする請求項
1〜6の何れか1項に記載の積層体。 - 【請求項8】上記第1層における第2層積層面とは反対
面に支持体層を備えていることを特徴とする請求項1〜
7の何れか1項に記載の積層体。 - 【請求項9】上記支持体層が、金属箔、紙、布、合成樹
脂フィルムからなる群より選ばれる少なくとも1種の基
材からなることを特徴とする請求項8記載の積層体。 - 【請求項10】上記第1層の層厚が0.001μm〜1
000μmの範囲内、上記第2層の層厚が0.001μ
m〜10μmの範囲内、上記第3層の層厚が0.001
μm〜2μmの範囲内のうち、少なくとも1つの条件を
満足することを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に
記載の積層体。 - 【請求項11】フィルム積層体であることを特徴とする
請求項1〜10の何れか1項に記載の積層体。
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