JP2007032745A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

流体封入式防振装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007032745A
JP2007032745A JP2005218753A JP2005218753A JP2007032745A JP 2007032745 A JP2007032745 A JP 2007032745A JP 2005218753 A JP2005218753 A JP 2005218753A JP 2005218753 A JP2005218753 A JP 2005218753A JP 2007032745 A JP2007032745 A JP 2007032745A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
axial direction
fluid
mounting member
press
elastic body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005218753A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Tanaka
栄治 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2005218753A priority Critical patent/JP2007032745A/ja
Publication of JP2007032745A publication Critical patent/JP2007032745A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

【課題】 装置全体の大型化を回避しつつ、入力振動に対する十分な耐荷重性能を実現出来ると共に、リバウンド当接部の当接面積を十分に得ることが出来て、高い信頼性で有効なストッパ機能を発揮できる新規な構造の流体封入式防振装置を提供すること。
【解決手段】 段差部82を備えたインナ軸体20と当接部100を備えたストッパ部材22が、段差部82において当接するように組み付けられて第一の取付部材12が構成されている一方、第一の取付部材12に設けられた当接部100が、第二の取付部材14に固定される筒状ブラケット18に設けられた被当接部76に対して軸方向で対向するように配置されて、それら当接部100と被当接部76が緩衝ゴム106を介して当接することにより、第一の取付部材12と第二の取付部材14の相対的な変位量を制限するリバウンドストッパ機構が構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、第一の取付部材と第二の取付部材を連結する本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された流体室を設けて、この流体室内での流体流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式防振装置に係り、特に、過大な荷重入力時における本体ゴム弾性体の変形量を制限するストッパ機構を備えた流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装されて、防振効果を発揮する防振連結体乃至は防振支持体としての防振装置として、非圧縮性流体を封入した流体室を備えた流体封入式防振装置が知られている。このような防振装置では、流体室に封入された非圧縮性流体の共振作用等の流動作用によって優れた防振効果を得ることが出来るのであり、例えば、自動車のエンジンマウント等への採用が検討されている。
そして、流体封入式防振装置の一つとして、特許文献1(特開2003−232397号公報)に示されているような、第一の取付部材を、円筒形状を有する第二の取付部材の軸方向一方の開口部から中心軸上で軸方向に入り込ませて軸直角方向に所定距離を隔てて配すると共に、それら第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で軸直角方向に連結せしめた構造を有するものがある。
このような防振装置では、第二の取付部材の軸方向一方の開口部が本体ゴム弾性体で流体密に閉塞されていると共に、他方の開口部が可撓性膜で流体密に閉塞されており、第二の取付部材の内周側で本体ゴム弾性体と可撓性膜の対向面間に流体室が形成されている。また、流体室は、第二の取付部材で支持された仕切部材で仕切られており、かかる仕切部材を挟んだ両側に、壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された受圧室と、壁部の一部が該可撓性膜で構成された平衡室がそれぞれ形成されている。更に、これらの受圧室と平衡室はオリフィス通路で相互に連通されている。
ところで、防振装置は、一般に、過大な外力の入力時における防振支持するパワーユニットの車両ボデーに対する過大な変位を抑えるために、ストッパ機構を有している。このストッパ機構は、第一の取付部材と第二の取付部材にそれぞれ設けられたストッパ当接部が緩衝ゴムを介して当接せしめられることで、両取付部材の相対変位量が緩衝的に制限されて本体ゴム弾性体の弾性変形量が規制されるようになっている。
ところが、上述の如き構造を有する流体封入式防振装置の場合には、第二の取付部材の軸方向一方の側の開口から第一の取付部材が突出せしめられている。このような構造では、第一の取付部材の軸方向一方の側である抜出し方向のリバウンドストッパ機構を設けることが難しい。
このような問題を解決するために、特許文献2(実公平6−33228号公報)には、第一の取付部材の弾性体からの軸方向突出部分に対して、軸直角方向外方に突出して広がるストッパ金具(ストッパアーム)が固定されている一方、第二の取付部材には、その軸方向一方の側の開口部において軸直角方向内方に突出して広がる当接金具(リップ)が固定されており、これらストッパ金具と当接金具を軸方向で対向するように離隔配置せしめることにより、リバウンド方向(パワーユニット荷重の作用方向と反対の軸方向)におけるストッパ機構が構成された流体封入式防振装置が示されている。
しかしながら、このような構造のストッパ機構を備えた流体封入式防振装置には、未だ問題が存在することから、十分に実用的であるとは言い難かった。即ち、このような流体封入式防振装置では、ストッパ金具の軸直角方向中央部分が第一の取付部材に対して軸方向で重ね合わせられて固定されていることから、かかる重ね合わせ面の軸方向の投影における面積が十分に広くない場合には、リバウンド方向と反対の軸方向であるバウンド方向における耐荷重性を十分に確保することが難しい。また、バウンド方向における耐荷重性を十分に得るために、ストッパ金具と第一の取付部材との重ね合わせ面の面積を十分に広くすると、軸直角方向外方に延び出すストッパアームの長さを十分に得ることが難しく、ストッパ金具の先端部分に固着されるストッパゴムのサイズが小さくなることから、ストッパ金具と当接金具のストッパゴムを介しての当接面積が小さくなって、応力集中によるストッパゴムやストッパ金具、当接金具等の破損などといったリバウンド方向における耐荷重性の不足が問題となるおそれがある。更に、当接金具と第一の取付金具の重ね合わせ面の面積を十分に確保しつつ、ストッパアームの長さを十分に長く得るためには、少なくともストッパ機構の配設部位において第二の取付部材を大径化する必要があるが、装置全体の大型化に直結するおそれがあることから、配設スペースの限られた防振装置においては、現実的であるとは言い難かった。
また、第二の取付金具に対して別体の当接金具が嵌め付けられた構造では、衝撃的な振動の入力時等において、ストッパ金具が当接金具に対して強く押し付けられた場合には、当接金具が第二の取付部材から外れたり、当接金具自体が変形等の不具合を生じたりするおそれがあって、高い信頼性を実現することが困難であった。
特開2003−232397号公報 実公平6−33228号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、装置全体の著しい大型化を招くことなく入力振動に対する十分な耐荷重性能を実現出来ると共に、リバウンド当接部の当接面積を十分に得ることが出来て、高い信頼性で有効なストッパ機能を発揮できる新規な構造の流体封入式防振装置を提供することを目的とする。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、本発明の第一の態様は、第一の取付部材を、円筒形状を有する第二の取付部材の軸方向一方の開口部から中心軸上で軸方向に入り込ませて軸直角方向に所定距離を隔てて配すると共に、該第一の取付部材と該第二の取付部材を本体ゴム弾性体で軸直角方向に連結する一方、該第二の取付部材の軸方向他方の開口部を可撓性膜で流体密に閉塞して、該第二の取付部材の内周側で該本体ゴム弾性体と該可撓性膜の対向面間において非圧縮性流体が封入された第一の流体室を形成すると共に、該第二の取付部材で支持された仕切部材で該第一の流体室を仕切って、壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された受圧室と、壁部の一部が該可撓性膜で構成された平衡室を、該仕切部材を挟んだ両側に形成して、それら受圧室と平衡室を相互に連通する第一のオリフィス通路を設けた流体封入式防振装置において、前記第一の取付部材が、前記本体ゴム弾性体に固着されるインナ軸体と該インナ軸体に取り付けられるストッパ部材を含んで構成されており、該インナ軸体には軸方向中間の一部に段差部が形成されて該段差部を挟んで軸方向一方の側が圧入部とされていると共に、軸方向他方の側が該圧入部に比して大径とされた固着部とされており、該圧入部が前記本体ゴム弾性体から軸方向一方の側に向かって突出せしめられていると共に、該固着部の外周面には該本体ゴム弾性体が加硫接着されている一方、該ストッパ部材には軸方向他方側の端面に開口する圧入凹所が形成されており、該圧入凹所に対して該圧入部が軸方向で圧入固定されていると共に、該ストッパ部材の下端面の少なくとも一部が該段差部に対して重ね合わせられて当接せしめられることによりそれらインナ軸体とストッパ部材が相互に位置決め固定されて該第一の取付部材が構成されている一方、該圧入凹所の開口縁部には軸直角方向で広がる当接部が形成されて、前記第二の取付部材に外挿状態で取り付けられる筒状ブラケットに形成される被当接部に対して該当接部が軸方向で対向位置せしめられていると共に、該当接部と該被当接部の少なくとも一方に緩衝ゴムが固着されて、該当接部と該被当接部の緩衝的な当接に基づいて該第一の取付部材の該第二の取付部材に対する軸方向抜出方向での相対変位量を制限するリバウンドストッパ機構が構成されていることを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、本体ゴム固着部材に段差部を設けて、該段差部に対してストッパ部材の下端面(圧入凹所の開口側の端面)を軸方向で重ね合わせることにより、防振装置全体のサイズを大型化することなく当接部の軸直角方向への延出し寸法(当接部の軸方向での投影面積)を有利に確保することが出来る。それ故、当接部と被当接部の当接面積を有利に得ることが出来て、応力の分散等によるリバウンド方向での耐荷重性能に優れたリバウンドストッパ機構を実現できる。しかも、ストッパ部材と本体ゴム固着部材との軸方向の投影における重ね合わせ面積も有利に確保することが出来ることから、バウンド方向での耐荷重性にも優れたリバウンドストッパ機構を実現可能である。
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る前記圧入部に対して該圧入部の先端面に開口して軸方向に延びる肉抜穴が形成されていることを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、圧入部に肉抜穴を設けることにより、ストッパ部材の圧入凹所に対する本体ゴム固着部材の圧入部の圧入時に必要とされる圧入力を低減することが出来る。
また、本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係る流体封入式防振装置において、前記当接部の少なくとも一部が前記段差部に重ね合わせられて当接せしめられていることを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、軸直角方向に突出せしめられる当接部を段差部によって有利に補強支持せしめることが出来て、軸方向での耐荷重性の一層の向上を図ることが出来る。
また、本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れかの態様に係る流体封入式防振装置において、前記インナ軸体における軸方向中間の一部に前記第一の流体室側に向かって次第に小径となるテーパ部が形成されており、該インナ軸体における該テーパ部及び該テーパ部よりも前記第一の流体室側の部分に対して前記本体ゴム弾性体が固着されていることを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、インナ軸体において本体ゴム弾性体が固着せしめられる部分が比較的小径とされていることにより、本体ゴム弾性体の軸直角方向での寸法の自由度を有利に確保することが出来て、防振特性に応じた本体ゴム弾性体のばね特性の実現を有利に図ることが出来る。
また、本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れか一つの態様に係る流体封入式防振装置において、前記本体ゴム弾性体の外周面に中間スリーブを接着せしめると共に、該中間スリーブに対して前記第一の取付部材を挟んだ軸直角方向両側にそれぞれ窓部を形成して、軸直角方向で対向位置するように形成されて該本体ゴム弾性体の外周面に開口するポケット部をそれぞれ該中間スリーブの該窓部を通じて外周面に開口させる一方、前記第二の取付部材を該中間スリーブに外挿し嵌着固定して、該中間スリーブの該窓部を該第二の取付部材で流体密に覆蓋することにより、該第一の取付部材を軸直角方向で挟んで対向位置する一対の第二の流体室を形成し、それら一対の第二の流体室を相互に連通するように第二のオリフィス通路を形成したことを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、軸直角方向への振動入力に対しても優れた防振性能を発揮せしめることが出来る。
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置にあっては、装置全体の大型化を回避しつつ、バウンド方向及びリバウンド方向の何れにおいても優れた耐荷重性を備えた流体封入式防振装置を実現することが出来る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1,図2には、本発明の第一の実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で弾性連結された構造とされており、第一の取付金具12が図示しない自動車のパワーユニットに取り付けられる一方、第二の取付金具14が筒状ブラケットとしての取付ブラケット18を介して図示しない自動車のボデーに取り付けられる。これにより、パワーユニットがボデーに対して防振支持せしめられるようになっている。なお、以下の説明において、上下方向とは、図1における上下方向をいうものとする。
より詳細には、第一の取付金具12は、全体として略円柱形状を有しており、インナ軸体としての固着金具20がストッパ部材としてのストッパ形成金具22に対して圧入されて嵌め付けられることにより構成されている。また、ストッパ形成金具22には、軸方向一方の側(図1中、上方)に突出する取付ボルト24が形成されており、かかる取付ボルト24が図示しないパワーユニット側の部材に螺着されることにより、第一の取付金具12がパワーユニットに対して固定されるようになっている。
また、第一の取付金具12の径方向外方に離隔して、薄肉大径の略円筒形状を有する中間スリーブとしての金属スリーブ26が、第一の取付金具12と略同一中心軸上に配設されている。この金属スリーブ26は、軸方向に直線的に延びる小径筒部28の軸方向一方の端部(軸方向上端部)に対して、径方向外方に向かって広がる段差状部を介して大径筒部30が一体的に形成された略段付円筒形状とされている。また、金属スリーブ26の軸方向中間部分には、後述する第一の取付金具12に対する配置状態において、径方向一方向で第一の取付金具12を挟んで対向位置するように一対の窓部32が形成されている。なお、本実施形態における各窓部32は、周方向で半周弱の長さで開口形成されている。また、窓部32は軸方向で段差状部の形成された部分を含んで形成されており、本体ゴム弾性体16において軸方向上方に偏倚して形成されている。
このような構造とされた第一の取付金具12と金属スリーブ26は、第一の取付金具12が金属スリーブ26の一方の側の開口部(図1中、上方の開口部)から挿し入れられて、第一の取付金具12が金属スリーブ26に対して同一中心軸をもって軸直角方向で離隔配置されている。なお、本実施形態において、第一の取付金具12は、軸方向一方の側の端部が、金属スリーブ26の軸方向一方の側の開口部から突出して位置せしめられていると共に、軸方向他方の側の端部が、金属スリーブ26の軸方向他方の側の端部まで至らない軸方向中間部分に位置せしめられている。
また、第一の取付金具12と金属スリーブ26の軸直角方向対向面間には、本体ゴム弾性体16が配設されており、かかる本体ゴム弾性体16によって、第一の取付金具12(固着金具20)と金属スリーブ26が弾性的に連結されている。この本体ゴム弾性体16は、全体として厚肉の略円筒形状を有しており、その内周面が第一の取付金具12の外周面に加硫接着されていると共に、その外周面が金属スリーブ26の内周面に加硫接着されている。即ち、本実施形態において、本体ゴム弾性体16は、第一の取付金具12(固着金具20)と金属スリーブ26を備えた一体加硫成形品34とされている。また、本体ゴム弾性体16は、第一の取付金具12から軸直角方向外方に向かって離隔するに従って次第に軸方向両側に向かって突出せしめられており、径方向外方に向かって軸方向寸法が次第に大きくなっている。
また、本体ゴム弾性体16には、軸方向下端面の中央部分において、軸方向下方に開口する逆すり鉢形状を有する円形凹所36が形成されていると共に、軸方向中間部分に形成されて軸直角方向に開口する一対のポケット部38が形成されている。これら一対のポケット部38は、それぞれ、軸直角方向外方に向かって次第に軸方向の幅寸法が大きくなる拡開形状とされており、周方向に半周弱の長さで形成されている。また、ポケット部38の軸方向両側の内壁面が、第一の取付金具12から軸直角方向で離隔するに従って次第に軸方向外方(軸方向上方と下方)に向かってそれぞれ傾斜せしめられている。これにより、ポケット部38の軸方向両側の壁部は、それぞれ傾斜して略一定の厚さ寸法で延び出している。更に、ポケット部38の軸方向両側の壁部は、軸方向下側の壁部に比して軸方向上側の壁部が薄肉とされている。また、一対のポケット部38は、軸直角方向一方向で第一の取付金具12を挟んだ両側に形成されており、金属スリーブ26に形成されている窓部32を通じて軸直角方向外方に向かって開口せしめられている。
一方、第二の取付金具14は、全体として薄肉大径の略円筒形状を有している。また、第二の取付金具14の軸方向中間の一部には、支持段差40が形成されており、支持段差40を挟んで軸方向一方の側(図1中、上方)が薄肉大径の略円筒形状を有する保持筒部42とされていると共に、支持段差40を挟んで軸方向他方の側(図1中、下方)が保持筒部42に比して小径の円筒形状を有する周壁部44とされている。更に、第二の取付金具14の周壁部44側の開口には、可撓性膜としてのダイヤフラム46が配設されている。このダイヤフラム46は、撓みを有する薄肉のエラストマ材料で形成されて、略円形ドーム形状を有しており、容易に弾性変形が許容されるようになっている。また、ダイヤフラム46の外周縁部が全周に亘って第二の取付金具14の周壁部44に加硫接着されることにより、ダイヤフラム46が第二の取付金具14の周壁部44側の開口部に対して固着されており、これによって、第二の取付金具14の軸方向で周壁部44側の開口がダイヤフラム46によって流体密に閉塞されている。なお、このダイヤフラム46と一体形成されたシールゴム層48によって、第二の取付金具14の内周面が略全面に亘って覆われている。
このような構造とされた第二の取付金具14は、その軸方向一方の端部から一体加硫成形品34が同一中心軸上で挿入配置されて、軸方向一方の側の開口端縁部が金属スリーブ26の大径筒部30側の開口端縁部に対して位置決めされた状態で、第二の取付金具14が八方絞り加工等により縮径されることにより、一体加硫成形品34(金属スリーブ26)に対して第二の取付金具14が外嵌状態で取り付けられている。なお、第二の取付金具14と金属スリーブ26の嵌着面間には、シールゴム層48が圧縮状態で介在せしめられており、第二の取付金具14と金属スリーブ26が流体密に嵌着されている。
そして、このように第二の取付金具14が金属スリーブ26に対して外嵌固定されることにより、第一の取付金具12が第二の取付金具14の軸方向一方の側の開口部から入り込むようにして配設されており、第一の取付金具12と第二の取付金具14が同一中心軸上に軸直角方向で所定距離を隔てて離隔するように配設されて、本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されている。
また、このように第二の取付金具14が金属スリーブ26に対して外嵌固定されることにより、第二の取付金具14の保持筒部42側の開口部が本体ゴム弾性体16で流体密に閉塞されており、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム46の軸方向対向面間において、非圧縮性流体が封入された第一の流体室50が形成されている。なお、第一の流体室50に封入される非圧縮性流体としては、例えば、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油、或いは、それらを混合したものなどが好適に採用される。特に、封入流体としては、後述するオリフィス通路を通じての流体の共振作用に基づく防振効果を有利に得るために、粘度が0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。
また、第一の流体室50には、全体として厚肉の略円板形状を呈する仕切部材52が第一の流体室50内で軸直角方向に広がるように配設されている。この仕切部材52は、厚肉の略円板形状を呈する仕切部材本体54の軸方向上面に対して、薄肉の略円板形状を呈する蓋部材56が重ね合わせられて形成されている。また、仕切部材52は、その外周縁部が本体ゴム弾性体16の軸方向下端面と第二の取付金具14の支持段差40上面の対向面間で挟圧保持されることにより、仕切部材52が本体ゴム弾性体16とダイヤフラム46の対向面間で軸直角方向に広がるように収容配置されている。
そして、このように仕切部材52が本体ゴム弾性体16とダイヤフラム46の対向面間で軸直角方向に広がるように配設されることにより、第一の流体室50が仕切部材52を挟んで上下に二分されるようになっている。これにより、仕切部材52の軸方向上側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16によって構成されて、振動入力時に本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて圧力変動が惹起せしめられる受圧室58が形成されている一方、仕切部材52の軸方向下側には、壁部の一部がダイヤフラム46で構成されて、ダイヤフラム46の変形に基づく容積変化が容易に許容される平衡室60が形成されている。なお、本実施形態では、仕切部材本体54の下面中央部分に軸方向下方に向かって開口する下面凹所62が形成されており、仕切部材52がダイヤフラム46の変形に干渉することを有効に回避している。
また、仕切部材52には、外周面に開口して周方向に延びる凹溝64が一周弱の長さで形成されており、この凹溝64の開口が第二の取付金具14で流体密に閉塞されてトンネル状の流路が形成されている。また、このトンネル状の流路の両端部は、それぞれ受圧室58と平衡室60に接続されており、かかる流路によって、仕切部材52の外周部分を周方向に延びて、受圧室58と平衡室60を相互に連通する第一のオリフィス通路66が形成されている。これにより、第一のオリフィス通路66を通じて受圧室58と平衡室60が常時連通状態とされており、第一のオリフィス通路66を通じて受圧室58と平衡室60の間で封入流体の流動が生ぜしめられるようになっている。なお、特に本実施形態では、第一のオリフィス通路66の通路長や通路断面積を調節することによって、第一のオリフィス通路66を通じて流動せしめられる流体の共振作用などに基づく高減衰効果が、エンジンシェイクに相当する低周波数域の振動入力に対して発揮されるようにされている。
また一方、金属スリーブ26に対して第二の取付金具14が外嵌固定されることにより、金属スリーブ26に形成された一対の窓部32が第二の取付金具14によって流体密に覆蓋されている。これにより一対のポケット部38の開口が第二の取付金具14によって覆蓋されており、第一の取付金具12を軸直角方向一方向で挟む両側に、非圧縮性流体が封入された一対の第二の流体室としての作用流体室68が形成されている。なお、これらの作用流体室68には、それぞれ第一の流体室50に封入されている非圧縮性流体と同様な非圧縮性流体が封入されている。
また、第二の取付金具14と金属スリーブ26との対向面間には、筒状オリフィス部材70が配設されている。筒状オリフィス部材70は、半周以上の周方向長さ(本実施形態では、略3/4周の周方向長さ)を有する略筒形状を呈しており、合成樹脂や金属等の硬質材によって形成される。また、本実施形態では、筒状オリフィス部材70の内径寸法が金属スリーブ26における小径筒部28の外径寸法と略同じか、僅かに大きくされていると共に、筒状オリフィス部材70の外径寸法が金属スリーブ26における大径筒部30の外径寸法と略同じとされている。また、筒状オリフィス部材70は、金属スリーブ26における小径筒部28側の軸方向端部から金属スリーブ26に対して外挿されて組み付けられており、筒状オリフィス部材70の軸方向一方の側(軸方向上側)の端部がポケット部38に対して外挿されていると共に、軸方向他方の側(軸方向下側)の端面が第二の取付金具14の支持段差40の上面に対して重ね合わせられて、軸方向で位置決め固定されている一方、筒状オリフィス部材70が第二の取付金具14における保持筒部42の内周面と金属スリーブ26における小径筒部28の外周面の間で全周に亘って挟圧保持されて、軸直角方向で位置決め固定されており、第二の取付金具14と金属スリーブ26に対して固定的に組み付けられている。
さらに、筒状オリフィス部材70には、往復乃至は蛇行等して周方向で延びる凹溝72が、外周面に開口するように形成されている。また、この凹溝72の開口が、筒状オリフィス部材70の外周面に重ね合わせられる第二の取付金具14の保持筒部42によって流体密に覆蓋されることにより、トンネル状の流路が形成されている。そして、このトンネル状の流路の両端が、凹溝72の両端部における底壁面に開口形成された図示しない貫通孔を通じて各作用流体室68に接続されることにより、一対の作用流体室68を相互に連通せしめる第二のオリフィス通路74が形成されており、一対の作用流体室68が第二のオリフィス通路74によって常時連通状態とされている。なお、本実施形態では、第二のオリフィス通路74を通じて一対の作用流体室68間を流動せしめられる流体の共振作用等に基づいて、エンジンシェイク等の低周波振動に対して高減衰効果が得られるように、第二のオリフィス通路74の長さや断面積などが調節されている。
また、第二の取付金具14には、取付ブラケット18が外嵌固定されている。取付ブラケット18は、全体として略円筒形状であって、軸方向一方の側の端部には、軸直角方向内方に広がる内フランジ状の被当接部としてのストッパ当接部76が一体形成されていると共に、軸方向他方の側の端部には、軸直角方向外方に広がるフランジ状の取付部78が形成されている。なお、本実施形態において、取付部78は、略長円形状とされていると共に、取付部78の長軸方向である軸直角方向一方向において一対のボルト穴80が形成されており、取付ブラケット18が図示しない車両ボデー側の部材にボルト固定されることにより、第二の取付金具14が車両ボデー側に固定されている。これにより、第一の取付金具12が図示しないパワーユニットに固定されていると共に、第二の取付金具14が取付ブラケット18を介して図示しない車両ボデーに固定されており、パワーユニットが車両ボデーに対してエンジンマウント10を介して弾性的に連結されている。
ここにおいて、本実施形態に係るエンジンマウント10においては、上述の如く、第一の取付金具12が固着金具20とストッパ形成金具22によって構成されている。
固着金具20は、全体として軸方向に延びる略円柱形状の軸体であって、本体ゴム弾性体16の軸直角方向中央部分に配設されている。また、固着金具20には、軸方向中間の一部に段差部82が形成されており、段差部82を挟んで軸方向下方が比較的大径とされた固着部としての本体ゴム固着部84とされている一方、軸方向上方が本体ゴム固着部84に比して小径とされた圧入部としての圧入突部86とされている。
本体ゴム固着部84は、中実の略円柱形状とされており、その軸方向中間の一部にテーパ部88が設けられている。テーパ部88は、軸方向下方に向かって次第に小径となるテーパ形状であって、かかるテーパ部88を挟んで軸方向上方が大径部90とされていると共に、軸方向下方が小径部92とされている。また、本体ゴム固着部84は、その外周面に対して本体ゴム弾性体16が加硫接着せしめられており、もって、本体ゴム弾性体16の軸直角方向中央に固着されている。なお、本実施形態では、本体ゴム固着部84におけるテーパ部88と小径部92の外周面の略全面に亘って本体ゴム弾性体16が固着されていると共に、大径部90が本体ゴム弾性体16から軸方向上方に突出せしめられている。
また、大径部90の軸方向上端面には、圧入突部86が一体形成されている。圧入突部86は大径部90に比して小径とされた略円柱形状であって、大径部90の軸方向上端面から軸方向上方に向かって突出せしめられている。また、圧入突部86の突出先端部の外周縁部には、突出先端側に向かって次第に軸直角方向内方に傾斜する案内傾斜面94が形成されており、圧入突部86の突出先端部分の外径寸法が突出方向に向かって次第に小さくなるようにされている。また、本実施形態では、圧入突部86に対して肉抜穴96が形成されている。この肉抜穴96は、圧入突部86の突出先端面に開口せしめられて、軸方向で直線的に延びる有底の円形穴であって、圧入突部86の突出先端面から本体ゴム固着部84の上端部に至る深さで形成されている。なお、本実施形態では、肉抜穴96が圧入突部86の略中心軸上で延びるように形成されており、かかる肉抜穴96が形成されていることによって圧入突部86が略円筒形状とされている。
一方、ストッパ形成金具22は、圧入筒部98と当接部としての当接フランジ部100を有している。圧入筒部98は、軸方向下端面に開口する圧入凹所としての圧入穴102を有する逆向きの略有底円筒形状であって、その内径寸法が圧入突部86の外径寸法よりも僅かに小さくされていると共に、外径寸法が固着金具20の大径部90における外径寸法よりも僅かに小さくされている。更に、圧入穴102の深さ寸法が圧入突部86の突出高さ寸法と略等しくされている。また、ストッパ形成金具22の上底部には、軸方向上方に向かって突出する取付ボルト24が設けられている。なお、本実施形態では、圧入穴102の開口部が開口側に向かって次第に軸直角方向に傾斜するテーパ状案内面104で構成とされており、圧入穴102が、その開口部付近で開口側に向かって次第に拡径せしめられている。
さらに、当接フランジ部100は、ストッパ形成金具22の軸方向下端部に一体形成されており、軸方向外方に向かって広がるフランジ状とされている。また、当接フランジ部100には、その上面における軸直角方向中央側端部から当接フランジ部100の下面における軸直角方向中間部分に亘って覆うように緩衝ゴム106が加硫接着されている。なお、緩衝ゴム106の材料や形状等は、要求されるストッパ性能等に応じて適宜に選択されて、採用され得る。また、特に本実施形態では、当接フランジ部100の内周縁部が段差部82に重ね合わせられて当接せしめられている。
このような固着金具20とストッパ形成金具22は、固着金具20に形成された圧入突部86がストッパ形成金具22に形成された圧入穴102に対して軸方向下方から圧入されることによって一体的に組み付けられており、もって、本実施形態における第一の取付金具12が形成されている。これにより、第一の取付金具12は、軸方向中間の一部において軸直角方向に広がるフランジ状の当接フランジ部100を備えている。なお、本実施形態では、ストッパ形成金具22に設けられる圧入穴102の深さ寸法と固着金具20に設けられる圧入突部86の突出高さ寸法が略等しくされていることから、ストッパ形成金具22の下端面の一部が固着金具20の段差部82に対して軸方向の投影において重ね合わせられており、ストッパ形成金具22が固着金具20に対して軸方向で位置決めされている。
そして、第一の取付金具12における当接フランジ部100が、第二の取付金具14に固定される取付ブラケット18に設けられたストッパ当接部76に対して所定距離だけ離隔して軸方向で対向位置せしめられており、当接フランジ部100に設けられた緩衝ゴム106を介して、当接フランジ部100とストッパ当接部76が軸方向で当接せしめられることにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14の軸方向での相対的な離隔変位量を制限する本実施形態におけるリバウンドストッパ機構が構成されている。なお、当接フランジ部100とストッパ当接部76との離隔距離は、リバウンドストッパ機構に要求されるストッパ性能や緩衝ゴム106の形状等に応じて適宜に設定される。
特に、本実施形態では、本体ゴム弾性体16が第一の取付金具12側(軸直角方向内側)から金属スリーブ26側(軸直角方向外側)に向かって次第に軸方向寸法が大きくなるようにされていると共に、本体ゴム弾性体16の軸方向上端面が軸直角方向外方に向かって次第に軸方向上方に傾斜せしめられていることにより、本体ゴム弾性体16の軸方向上方で金属スリーブ26の上端部分における軸直角方向内方の部分に凹所状の空所が形成されている。しかも、固着金具20の段差部82が金属スリーブ26の上端よりも軸方向下方に位置せしめられていることにより、段差部82の軸方向上端面に当接せしめられて軸方向で位置決めされる当接フランジ部100が、本体ゴム弾性体16の軸方向上方に形成された該凹所状の空所に収容配置されている。
上述の如き構造とされた自動車用エンジンマウント10にあっては、車両への装着状態において、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に略鉛直方向(図1中、上下方向)で低周波大振幅振動が入力されると、受圧室58と平衡室60の間に相対的な圧力差が生ぜしめられることとなる。そして、かかる圧力差によって、第一のオリフィス通路66を通じて受圧室58と平衡室60の間で積極的な流体流動が生ぜしめられて、流動する流体の共振作用等に基づいて高減衰効果が発揮されるようになっている。
ここにおいて、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に略鉛直方向の振動荷重が入力されて、第一の取付金具12と第二の取付金具14が軸方向で互いに離隔するように所定量(緩衝ゴム106の上面とストッパ当接部76の下面との対向面間距離)以上に相対変位せしめられると、第一の取付金具12を構成するストッパ形成金具22に一体形成された当接フランジ部100が第二の取付金具14に固定された取付ブラケット18に対して軸方向で相対的に変位せしめられて、当接フランジ部100が緩衝ゴム106を介して取付ブラケット18のストッパ当接部76に対して軸方向で当接せしめられることとなる。これにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14の軸方向での相対的な変位が緩衝的に制限されて、本体ゴム弾性体16の過大なせん断変形を防止することが出来る。
また一方、車両装着状態下で、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に略水平方向(図1中、左右方向)の低周波振動が入力せしめられると、一対の作用流体室68,68の間に相対的な圧力差が生ぜしめられて、かかる圧力差に基づいて第二のオリフィス通路74を通じての流体流動が生ぜしめられ、流動する流体の共振作用等に基づく防振効果が有効に発揮される。なお、本実施形態では、当接フランジ部100の軸直角方向外側面に対しても緩衝ゴム106が固着されていることから、当接フランジ部100と金属スリーブ26によって、軸直角方向における第一の取付金具12と第二の取付金具14の相対変位量を制限する水平方向のストッパ機構を併せて実現することも可能である。
このような本実施形態に従う構造とされた自動車用のエンジンマウント10においては、第一の取付金具12の当接フランジ部100と取付ブラケット18のストッパ当接部76によって、第一の取付金具12と第二の取付金具14の軸方向での相対変位量を制限するリバウンドストッパ機構が構成されている。それ故、主たる振動の入力方向であるマウント軸方向への入力荷重に対して、優れた耐荷重性が発揮され得る。
また、このようなエンジンマウント10においては、固着金具20が設けられる段差部82に対してストッパ形成金具22の軸方向下端面が軸方向で重ね合わせられることにより、圧入突部86を大径化することなく固着金具20とストッパ形成金具22の当接面積を有利に得ることが出来る。それ故、バウンド方向への振動荷重に対する耐荷重性に優れたリバウンドストッパ機構を実現可能である。
さらに、固着金具20とストッパ形成金具22との重ね合わせ面積を段差部82によって有利に確保することが出来るようになっていることから、圧入突部86の大径化による防振装置全体のサイズを大型化を回避しつつ、当接部の軸直角方向への延出し寸法(当接部の軸方向での投影面積)を有利に確保することが出来る。それ故、当接部と被当接部の当接面積を有利に得ることが出来て、当接時の応力を分散せしめることが出来ることから、リバウンド方向での耐荷重性能に優れたリバウンドストッパ機構を実現できる。
また、圧入突部86に肉抜穴96を設けることにより、固着金具20における圧入突部86がストッパ形成金具22に設けられた圧入穴102に対して圧入される際に必要とされる圧入力を低減することが出来る。
なお、このような肉抜穴96を設けることにより、圧入突部86の突出先端面と圧入穴102の底面との当接面積が小さくなるが、本実施形態における固着金具20とストッパ形成金具22では、圧入突部86の突出先端面と圧入穴102の底面とが当接せしめられるだけでなく、固着金具20における段差部82とストッパ形成金具22における軸方向下端面も当接せしめられており、圧入突部86に対する肉抜穴96の形成によっても、優れた耐荷重性を実現可能な当接面積を確保することが出来るようになっている。
また、当接フランジ部100の軸直角方向内縁部が固着金具20の段差部82に重ね合わせられていることにより、軸直角方向外方に向かって突出せしめられる当接フランジ部100を段差部82によって軸方向下方から有利に補強支持せしめることが出来て、リバウンド方向での耐荷重性をより有利に得ることが出来る。
また、固着金具20の本体ゴム固着部84におけるテーパ部88と小径部92の外周面に対して本体ゴム弾性体16が固着せしめられていると共に、固着金具20における大径部90が本体ゴム弾性体16から軸方向上方に向かって突出せしめられている。これにより、本体ゴム固着部84において本体ゴム弾性体16が固着せしめられている部分が比較的小径とされており、エンジンマウント10の軸直角方向でのサイズを拡大することなく、本体ゴム弾性体16の軸直角方向での寸法自由度を有利に得ることが出来る。それ故、要求される防振特性に応じたばね特性のチューニング自由度を有利に確保することが出来る。
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、前記実施形態では、軸直角方向への振動入力に対しても有効な防振性能を得るために、軸直角方向で第一の取付金具12を挟んで形成された一対の作用流体室68が形成されると共に、それら一対の作用流体室68を相互に連通する第二のオリフィス通路74を有するエンジンマウント10を例示したが、本発明は、このような作用流体室68を有するエンジンマウント10に対してのみ適用されるものではなく、各種の流体封入式防振装置に対して適用することが出来る。なお、本体ゴム弾性体の形状や寸法等は、要求される防振特性等に応じて決定されるものであって、前記実施形態に記載の具体的な形状等によって何等限定されるものではない。
また、前記実施形態では、リバウンド方向での第一の取付金具12と第二の取付金具14の相対変位を制限するリバウンドストッパ機構のみを備えたエンジンマウント10を示したが、バウンド方向での第一の取付金具12と第二の取付金具14の相対変位を制限するバウンドストッパ機構を併せて備えていても良い。なお、このようなバウンドストッパ機構としては、周知の各種バウンドストッパ機構を採用可能であるが、好適には、例えば、ストッパ形成金具22に対して軸方向上方から圧入されて外挿状態で取り付けられる略円環板形状のバウンドストッパ部材を、取付ブラケット18におけるストッパ当接部76の軸方向上方に、ストッパ当接部76と軸方向で対向するように離隔配置して、該バウンドストッパ部材の下面とストッパ当接部76の上面が緩衝ゴムを介して当接せしめられることにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14のバウンド方向での相対変位量を制限するバウンドストッパ機構を実現することが出来る。
また、前記実施形態では、圧入突部86の圧入穴102に対する圧入を容易にするために、圧入突部86に肉抜穴96が設けられているが、かかる肉抜穴96は必ずしも必要ではない。また、肉抜穴96の形状は必ずしも前記実施形態のものに限定されない。
また、前記実施形態では、固着金具20において本体ゴム弾性体16が固着せしめられている部分がテーパ部88及び小径部92とされており、大径部90に比して小径とされていたが、テーパ部88は必ずしも必要ではなく、例えば、本体ゴム固着部84が軸方向の全長に亘って略一定の寸法で形成されていても良い。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の一実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図であって、図2におけるI−I断面に相当する図である。 図1に示されたエンジンマウントを示す横断面図であって、図1におけるII−II断面に相当する図である。
符号の説明
10 エンジンマウント
12 第一の取付金具
14 第二の取付金具
16 本体ゴム弾性体
18 取付ブラケット
20 固着金具
22 ストッパ形成金具
46 ダイヤフラム
50 第一の流体室
52 仕切部材
58 受圧室
60 平衡室
66 第一のオリフィス通路
76 ストッパ当接部
82 段差部
84 本体ゴム固着部
86 圧入突部
100 当接フランジ部
102 圧入穴
106 緩衝ゴム

Claims (5)

  1. 第一の取付部材を、円筒形状を有する第二の取付部材の軸方向一方の開口部から中心軸上で軸方向に入り込ませて軸直角方向に所定距離を隔てて配すると共に、該第一の取付部材と該第二の取付部材を本体ゴム弾性体で軸直角方向に連結する一方、該第二の取付部材の軸方向他方の開口部を可撓性膜で流体密に閉塞して、該第二の取付部材の内周側で該本体ゴム弾性体と該可撓性膜の対向面間において非圧縮性流体が封入された第一の流体室を形成すると共に、該第二の取付部材で支持された仕切部材で該第一の流体室を仕切って、壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された受圧室と、壁部の一部が該可撓性膜で構成された平衡室を、該仕切部材を挟んだ両側に形成して、それら受圧室と平衡室を相互に連通する第一のオリフィス通路を設けた流体封入式防振装置において、
    前記第一の取付部材が、前記本体ゴム弾性体に固着されるインナ軸体と該インナ軸体に取り付けられるストッパ部材を含んで構成されており、該インナ軸体には軸方向中間の一部に段差部が形成されて該段差部を挟んで軸方向一方の側が圧入部とされていると共に、軸方向他方の側が該圧入部に比して大径とされた固着部とされており、該圧入部が前記本体ゴム弾性体から軸方向一方の側に向かって突出せしめられていると共に、該固着部の外周面には該本体ゴム弾性体が加硫接着されている一方、該ストッパ部材には軸方向他方側の端面に開口する圧入凹所が形成されており、該圧入凹所に対して該圧入部が軸方向で圧入固定されていると共に、該ストッパ部材の下端面の少なくとも一部が該段差部に対して重ね合わせられて当接せしめられることによりそれらインナ軸体とストッパ部材が相互に位置決め固定されて該第一の取付部材が構成されている一方、該圧入凹所の開口縁部には軸直角方向で広がる当接部が形成されて、前記第二の取付部材に外挿状態で取り付けられる筒状ブラケットに形成される被当接部に対して該当接部が軸方向で対向位置せしめられていると共に、該当接部と該被当接部の少なくとも一方に緩衝ゴムが固着されて、該当接部と該被当接部の緩衝的な当接に基づいて該第一の取付部材の該第二の取付部材に対する軸方向抜出方向での相対変位量を制限するリバウンドストッパ機構が構成されていることを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記圧入部に対して該圧入部の先端面に開口して軸方向に延びる肉抜穴が形成されている請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記当接部の少なくとも一部が前記段差部に重ね合わせられて当接せしめられている請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記インナ軸体における軸方向中間の一部に前記第一の流体室側に向かって次第に小径となるテーパ部が形成されており、該インナ軸体における該テーパ部及び該テーパ部よりも前記第一の流体室側の部分に対して前記本体ゴム弾性体が固着されている請求項1乃至3の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記本体ゴム弾性体の外周面に中間スリーブを接着せしめると共に、該中間スリーブに対して前記第一の取付部材を挟んだ軸直角方向両側にそれぞれ窓部を形成して、軸直角方向で対向位置するように形成されて該本体ゴム弾性体の外周面に開口するポケット部をそれぞれ該中間スリーブの該窓部を通じて外周面に開口させる一方、前記第二の取付部材を該中間スリーブに外挿し嵌着固定して、該中間スリーブの該窓部を該第二の取付部材で流体密に覆蓋することにより、該第一の取付部材を軸直角方向で挟んで対向位置する一対の第二の流体室を形成し、それら一対の第二の流体室を相互に連通するように第二のオリフィス通路を形成した請求項1乃至4の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
JP2005218753A 2005-07-28 2005-07-28 流体封入式防振装置 Pending JP2007032745A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005218753A JP2007032745A (ja) 2005-07-28 2005-07-28 流体封入式防振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005218753A JP2007032745A (ja) 2005-07-28 2005-07-28 流体封入式防振装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007032745A true JP2007032745A (ja) 2007-02-08

Family

ID=37792233

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005218753A Pending JP2007032745A (ja) 2005-07-28 2005-07-28 流体封入式防振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007032745A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009072446A1 (ja) * 2007-12-05 2009-06-11 Bridgestone Corporation 液入り防振装置
WO2011013665A1 (ja) * 2009-07-28 2011-02-03 株式会社ブリヂストン 防振装置
US8382079B2 (en) * 2007-03-22 2013-02-26 Honda Motor Co., Ltd. Liquid sealed vibration isolating device

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8382079B2 (en) * 2007-03-22 2013-02-26 Honda Motor Co., Ltd. Liquid sealed vibration isolating device
WO2009072446A1 (ja) * 2007-12-05 2009-06-11 Bridgestone Corporation 液入り防振装置
JP2009138832A (ja) * 2007-12-05 2009-06-25 Bridgestone Corp 液入り防振装置
WO2011013665A1 (ja) * 2009-07-28 2011-02-03 株式会社ブリヂストン 防振装置
US8960654B2 (en) 2009-07-28 2015-02-24 Bridgestone Corporation Vibration isolation device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4228219B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP4348553B2 (ja) 流体封入式防振装置およびその製造方法
JP2004036780A (ja) 流体封入式筒形防振装置
JP2505503Y2 (ja) 流体封入式マウント装置
JP2006250338A (ja) 流体封入式防振装置
JP2007085523A (ja) 流体封入式防振装置
JP2009243510A (ja) 自動車用の流体封入式エンジンマウント
JP4340911B2 (ja) 防振装置
JP2007139024A (ja) 流体封入式防振装置
JP3767323B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2008163970A (ja) 流体封入式防振装置
JP2007032745A (ja) 流体封入式防振装置
JP2007271004A (ja) 流体封入式防振装置
JP4959390B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2008185152A (ja) 流体封入式防振装置とそれを用いたエンジンマウント
JP7102234B2 (ja) 防振装置
JP2008106895A (ja) 流体封入式防振装置
JP2005233243A (ja) 流体封入式エンジンマウント
JP2008121716A (ja) 流体封入式防振装置
JP5014239B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP5899039B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP5386289B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2007016902A (ja) 流体封入式防振装置
JP2002227912A (ja) 流体封入式防振マウント
JP2010032023A (ja) 流体封入式防振装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090526

A02 Decision of refusal

Effective date: 20090930

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02