JP2007031799A - 金属ナノ粒子の製造方法 - Google Patents

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智明 浦井
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Abstract

【課題】 本発明は、金属ナノ粒子の製造方法に関し、連続的に供給される金属化合物と還元剤とを含有する溶液に超音波を照射することにより、金属ナノ粒子を連続して合成する金属ナノ粒子の製造方法に関する。
【解決手段】 液相法により金属塩からなる溶液を用いて金属ナノ粒子を合成する製造方法において、あらかじめプレカーサーを調製し、該プレカーサーを連続的に反応場に輸送して、反応場の超音波照射セルでの照射エネルギーが10〜1000W/mlの超音波を照射することにより、金属ナノ粒子を合成することを特徴とする金属ナノ粒子の製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属ナノ粒子の製造方法に関し、連続的に供給される金属化合物と還元剤とを含有する溶液に超音波を照射することにより、金属ナノ粒子を連続して合成する金属ナノ粒子の製造方法に関する。
粒子径が数ナノメートルから数十ナノメートルの金属ナノ粒子は量子サイズ効果による新しい特性や、ナノ粒子の本来のもつ単一ドメイン構造と大きな比表面積、さらには粒子径の揃ったナノ粒子が形成する自己組織化膜など従来のサブミクロン微粒子にない新しい機能をもつことから、これらの金属ナノ粒子を用いた新しい電子材料、光学材料、磁性材料、触媒等を中心に情報・通信、ライフサイエンス、エネルギー・環境の分野で新しい材料として注目されている。
例えば、磁性粒子がシングルナノサイズにまで微細化されるとバルクと著しく異なる特性が出現されることが報告されているなかで、磁気異方性の大きい(U>10J/cm)強磁性体はナノ粒子となると1Tbit/cmクラスの超高密度磁気記録媒といった電子情報素子への適用が期待され、多くの研究が行われている。
特に、FePtはL1相の結晶型をもち、著しく大きな磁気異方性(>6×10/Jm−3)を示すため、シングルナノ域でも強磁性を示し、また、高耐食性であるため、将来の磁気記録素子材料として注目されている。
金属ナノ粒子の製造方法は一般的には金属イオンや金属錯体ならびに分散剤を含む反応溶液にて温度、濃度、および撹拌速度を均一に保った状態で還元剤等を加えて還元させる化学反応で、しかもバッチ式方法が取られている。
従来、金属イオンや金属錯体を含有する溶液に超音波を照射してAuとPdとの合金またはPdとPtとの合金のナノ粒子を製造する方法が提案されている。(特許文献1参照)。
また、特許文献2又は3には、連続法によるナノ粒子の合成例として、半導体CdSeなどについての連続製造方法及び連続製造装置が記載されている。
特開2001−152213号公報 国際公開第01/46499号パンフレット 特開2002−052336号公報
前出特許文献1による超音波照射合成法はバッチ法で、実施例では超音波照射振動数が200kHz、出力6W/cm2で、反応液60ccに対して還元反応時間は90分である。この方法では、合金のナノ粒子を製造することが出来るものの、バッチ式製造方法であるため、得られる合金のナノ粒子の粒度分布が広くまた大量に製造することが出来ない。
前出特許文献2又は3では、超音波を用いる方法とさらに磁性金属ナノ粒子の合成への適用に関しては未検討である。
そこで、本発明は、数ナノメートルから数十ナノメートルの粒子径の揃った金属ナノ粒子を大量に合成するため、工業的に有利な連続式製造方法を提供することにある。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、液相法により金属塩からなる溶液を用いて金属ナノ粒子を合成する製造方法において、あらかじめプレカーサーを調製し、該プレカーサーを連続的に超音波照射セルに輸送して、還元剤の存在下で、超音波照射セルでの照射エネルギーが10〜1000W/mlの超音波を照射することにより金属ナノ粒子を合成することを特徴とする金属ナノ粒子の製造方法である(本発明1)。
また、本発明は、液相法により2種以上の金属塩からなる溶液を用いて2種以上の金属からなる金属ナノ粒子を合成する製造方法において、あらかじめ2種以上の金属塩を含有するプレカーサーを調製し、該プレカーサーを連続的に超音波照射セルに輸送して、還元剤の存在下で、超音波照射セルでの照射エネルギーが10〜1000W/mlの超音波を照射することにより金属ナノ粒子を合成することを特徴とする金属ナノ粒子の製造方法である(本発明2)。
また、本発明は、液相法により2種類以上の化合物からなる溶液を用いて2種以上の金属からなる金属ナノ粒子を合成する製造方法において、それぞれ単独では目的とするナノ粒子には反応しない2種類のプレカーサーを予め調製し、該各プレカーサーを連続的に超音波照射セルに輸送して混合するとともに、超音波照射セルでの照射エネルギーが10〜1000W/mlの超音波を照射することにより金属ナノ粒子を合成することを特徴とする金属ナノ粒子の製造方法である(本発明3)。
また、本発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の金属ナノ粒子の製造方法において、超音波照射セルのギャップが0.1〜20mmの間であり、また、超音波発振器ヘッドの振幅が1〜50μmであることを特徴とする金属ナノ粒子の製造方法である(本発明4)。
また、本発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の金属ナノ粒子の製造方法において、各プレカーサー液の温度を室温から300℃の温度範囲に制御することを特徴とする金属ナノ粒子の製造方法である(本発明5)。
また、本発明は、請求項3記載の金属ナノ粒子の製造方法において、各プレカーサー液の輸送ポンプの速度比を0.1〜9.9に制御することを特徴とする金属ナノ粒子の製造方法である(本発明6)。
本発明に係る金属ナノ粒子の製造法は、効率よく、多量に製造することができるので、金属ナノ粒子の製造方法として好適である。
本発明は、2種類以上の金属イオンや金属錯体、還元剤および分散剤を含む溶液を流通させ、超音波を照射することにより連続的に粒子径の揃った金属ナノ粒子を製造することが可能になった。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
まず、本発明に係る金属ナノ粒子の製造方法について述べる。
本発明においては、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、Pd、Ag、W、Pt及びAuから選ばれる金属単体、又は前記金属元素から選ばれる2種以上の合金を製造することができる。
本発明における金属ナノ粒子の出発原料は、目的とする金属イオンの各種の塩、金属のアルコキシド、有機金属錯体、金属化合物等を用いればよい。
具体的には、
鉄化合物では、塩化鉄(III)、塩化鉄(III)6水和物、塩化鉄(II)4水和物、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(II)7水和物、硫酸鉄(III)アンモニウム、臭化鉄(II)、ヨウ化鉄(II)、硫酸鉄(III)9水和物、硫酸鉄(II)水和物、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、硝酸鉄(III)9水和物、過塩素酸鉄(III)、ピロ燐酸鉄(III)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、リン酸鉄(III)、リン酸鉄(II)8水和物、リン酸鉄(III)n水和物、クエン酸鉄(II)、クエン酸鉄(III)水和物、クエン酸鉄(III)アンモニウム、シュウ酸鉄(II)、シュウ酸鉄(II)水和物、シュウ酸鉄(III)アンモニウム3水和物、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム3水和物、ヘキサシアノ鉄(III)酸ナトリウム10水和物、フマル酸鉄(II)、乳酸鉄(II)、乳酸鉄(II)3水和物、グルコン酸鉄(II)2水和物、鉄(II)エトキシド、アセチルアセトン酸鉄(II)、アセチルアセトン酸鉄(III)、トリスジジピバリン酸鉄(III)、カルボニル鉄Fe(CO)、Fe(CO)12、Fe(CO)、硫酸アンモニウム鉄(II)6水和物、ペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウム2水和物等を用いることができる。
コバルト化合物では、塩化コバルト(II)、塩化コバルト(II)6水和物、塩化アンモニウムコバルト(II)6水和物、硫酸コバルト(II)7水和物、炭酸コバルト、臭化コバルト(II)、臭化コバルト(II)6水和物、ヨウ化コバルト(II)、炭酸コバルト(II)、硫酸コバルト(III)9水和物、硫酸コバルト(II)7水和物、硫酸コバルト(II)アンモニウム6水和物、硝酸コバルト(II)、硝酸コバルト(II)6水和物、硝酸コバルト(III)、硝酸コバルト(III)9水和物、亜硝酸コバルト(III)ナトリウム、過塩素酸コバルト(II)、燐酸コバルト(III)、酢酸コバルト(II)、酢酸コバルト(III)、シュウ酸コバルト(II)2水和物、クエン酸コバルト(III)4水和物、シュウ酸アンモニウムコバルト(III)3水和物、ステアリン酸コバルト、オレイン酸コバルト、フマル酸コバルト(II)グルコン酸コバルト(II)2水和物、コバルト(II)エトキシド、アセチルアセトン酸コバルト(II)、アセチルアセトン酸コバルト(III)、アセチルアセトン酸コバルト(II)2水和物、トリスジピバリン酸コバルト(III)、硫酸アンモニウムコバルト(II)6水和、チオシアン酸コバルト(II、ヘキサアミンコバルト(III)塩化物、カルボニルコバルト、ナフテン酸コバルト、ヘキサニトロコバルト(III)酸ナトリウム等を用いることができる。
ニッケル化合物では、塩化ニッケル、塩化ニッケル6水和物、塩化ニッケル4水和物、硫酸ニッケル7水和物、硫酸ニッケルアンモニウム6水和物、炭酸ニッケル、ヨウ化ニッケル、臭化ニッケル、臭化ニッケル3水和物、沃化ニッケル、硫酸ニッケル、硫酸ニッケル6水和物、硝酸ニッケル、硝酸ニッケル6水和物、過塩素酸ニッケル6水和物、燐酸ニッケル、酢酸ニッケル4水和物、酢酸ニッケル、シアン化ニッケルカリウム1水和物、シュウ酸ニッケル2水和物、安息香酸ニッケル、クエン酸ニッケル水和物、アンモニウムシュウ酸ニッケル3水和物、フマル酸ニッケルグルコン酸ニッケル2水和物、アセチルアセトン酸ニッケル、アセチルアセトン酸ニッケル2水和物、ビスジジピバリン酸ニッケル、アンモニウム硫酸ニッケル6水和、ヘキサアミンニッケル塩化物、シクロへキサンブチルニッケル、2−エチルシクロへキサンニッケル、オクタン酸ニッケル、トリフルオロメタンスルホン酸ニッケル、ジ亜リン酸ニッケル6水和物等を用いることができる。
銅化合物では、塩化銅(I)、塩化銅(II)、塩化銅(II)2水和物、塩化アンモニウム銅(II)2水和物、塩化カリウム銅(II)、塩化カリウム銅(II)2水和物、硝酸銅(II)、硝酸銅(II)3水和物、硫酸銅(II)、硫酸銅(II)5水和物、酢酸銅(II)、酢酸銅(II)5水和物、酢酸銅(II)1水和物、臭化銅(I)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(II)、シアン化銅(I)、過塩素酸銅(II)、塩基性炭酸銅(II)、塩化銅(I)、塩化銅(II)、塩化銅(II)2水和物、ピロリン酸銅(II)、シクロへキサンブチル銅(II)、シュウ酸銅(II)0.5水和物、蟻酸銅(II)、酒石酸銅(II)、安息香酸銅(II)、クエン酸銅(II)2.5水和物、樹脂酸銅、グルコン酸銅(II)、4アンモニウム硫酸銅(II)1水和物、2−エチルへキサン酸銅(II)、アセチルアセトン酸銅(II)、オレイン酸銅(II)、銅(II)ジピバロイルメタナート、テトラフルオロホウ酸銅(II)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)、ビスヘキサフルオロアセチルアセトン酸銅(II)、ナフテン酸銅(II)等を用いることができる。
白金化合物では、塩化白金酸、塩化白金酸6水和物、塩化白金(II)酸カリウム、塩化白金(IV)酸カリウム、塩化白金(IV)酸6水和物、塩化白金(IV)酸2ナトリウム6水和物、塩化白金(IV)酸ナトリウム6水和物、アセチルアセトン酸白金、ヘキサフルオロアセチルアセトン酸白金等を用いることができる。
パラジウム化合物では、塩化パラジウムカリウム、塩化パラジウムナトリウム、塩化パラジウムアンモニウム、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム2水和物、酢酸パラジウム、アセチルアセトン酸パラジウム等を用いることができる。
ルテニウム化合物では、塩化ルテニウム、アセチルアセトン酸ルテニウム、トリジピバロン酸ルテニウム等を用いることができる。
ロジウム化合物では、酢酸ロジウム、塩化ロジウム3水和物、硝酸ロジウム、塩化ロジウム酸ナトリウム2水和物等を用いることができる。
金化合物では、塩化金酸4水和物、塩化金酸3水和物、塩化ナトリウム金2水和物、塩化金酸アンモニウム、シアン化金カリウム等である。
銀化合物では、硫酸銀、炭酸銀、硝酸銀、酢酸銀、ヨウ化銀、過塩素酸銀、燐酸銀、安息香酸銀、テトラフルオロホウ酸銀、トリフルオロ酢酸銀、ヘキサフルオロアセチルアセトン酸銀等を用いることができる。
本発明における還元剤としては、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、ジ亜リン酸ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、亜硫酸ナトリウム、ホスフィン酸ナトリウム等を用いることができる。
なお、貴金属単体の場合には、還元作用が緩やかなヒドラジンや、水素化ホウ素ナトリウムを好適に用いることができる。
また、遷移金属単体の場合には、上記の還元剤に加え、ジ亜リン酸ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、亜硫酸ナトリウム、ホスフィン酸ナトリウム等の還元作用の強いものを好適に用いられる。
また、合金の場合には、貴金属と貴金属および貴金属と遷移金系では貴金属系で用いる還元剤をもちい、遷移金属と遷移金属系では遷移金属系で用いる還元剤が用いられる。
一方、ポリオール法では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−ヘキサデカンジオールなどの1,2−アルカンジオールを用い、これらのポリオールが加熱下で熱分解して酸化される際に還元作用を示す。
金属に対する還元剤の添加量は、同等〜10倍が好ましい。
本発明においては、必要により分散剤を併用してもよい。分散剤としては、アミン系、ジアミン系、エタノールアミン系、アルコキシアミン系、ジアミンアルコール系、ジアミノアルコキシ系、環状アミン系、アルキルチオール系、カルボン酸系又は高分子系分散剤から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
具体的には、アミン系ではプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、イソブチルアミン、ジイソブチルアミン、ヘキシルアミン、N−メチルヘキシルアミン、ジ−N−オクチルアミン、トリ−N−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、アリルアミン、ジアリルアミン、3−ペンチルアミン、2−オクチルアミン、オレイルアミン等を用いることができる。
ジアミンでは、ジメチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジイソプロピルアミノエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、1,2,−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、ラウリルアミノプロピルアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ンピペコリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン等を用いることができる。
エタノールアミン系では、モノエタノールアミン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノール、3−ジメチルアミノプロパノール、4−アミノブタノール、4−メチルアミノブタノール、2−アミノ−1,3,−プロパンジオールオギザレート、2−ヒドロキシルメチルアミノエタノール、4−ピペリジノール等を用いることができる。
アルコキシアミン系では、3−メトキシプロピルアミン、3エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−イソブトキシプロピルアミン、2−エチルヘキシルオキシプロピルアミン、3−デシルオキシプロピルアミン、3−ラウリルオキシプロピルアミン、3−ミリスチルオキシプロピルアミン等を用いることができる。
ジアミンアルコール系では、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、N,N’−ジメチルアミノエトキシエタノール等を用いることができる。
ジアミノアルコキシ系では、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジメチルアミノエトキシプロピルアミン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリエチレングリコールエーテル、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ジエチレングリコールエーテル等を用いることができる。
環状アミン系では、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルフォリン、アミノプロピルピペラジン、1、4−ビスアミノプロピルピペラジン等を用いることができる。
アルキルチオール系ではドデシルメルカプタン、ステアリルメルカプタン等を用いることができる。
カルボン酸系ではポリカルボン酸、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸ナトリウム塩、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸クエン酸等を用いることができる。
チオール系ではドデカンチオール、メルカプトクエン酸等を用いことができる。
高分子系分散剤としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリビニールピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸系ポリマー等を用いることができる。
その他、ナフタリンスルフォン酸・フォルマリン縮合物ナトリウム、ポリカルボン酸、ポリオキシエチエレンラウリルエーテル硫酸ソーダ、トリフェニールフォスフィン等を用いることができる。
分散剤の添加量は、金属塩に対するモル比で0.1〜10が好ましい。
本発明においては、溶媒としては、水、極性溶剤としてアルコール、ジオキサン、エチレングリコール等、非極性溶剤としてn−ヘキサン、シクロへキサン、オクタン、デカン、ドデカン等、芳香族系溶剤としてトルエン、キシレン等、高沸点系溶剤としてジオクチルエーテル等である。
プレカーサーの輸送速度は、反応場(超音波照射セル)の大きさにも依存するが、流速0.1〜10cc/秒が好ましい。
また、合金の組成比を制御した合金ナノ粒子の連続製造において、合成する合金を構成する各金属イオンを含む2種類のプレカーサー液を超音波照射セル(反応場)の直前で混合する場合には、各金属イオンを含む2種類のプレカーサー液を作製し、該プレカーサー液を輸送するための輸送ポンプの輸送速度比を調整してもよい。析出する合金ナノ粒子の各金属の組成比とプレカーサー中のそれぞれの金属イオンとの組成は異なるため、析出する合金の組成比を検出することにより、輸送ポンプの輸送速度比を適正に制御することが可能で、製造プロセスのオンライン上で合金ナノ粒子のそれぞれの金属の組成比を制御することが可能となる。
合金の製造には、好ましくは、各プレカーサー液の輸送ポンプの速度比を0.01〜0.99に制御することが好ましい。
還元反応は超音波照射によって反応液が局部的に高温高圧な状態になることにより加速され短時間で反応が終了する。
本発明においては、超音波照射セル(反応場)に対し、照射エネルギーが10〜1000W/mlとなるように調整する。10W/ml未満の場合には、照射する超音波のエネルギーが小さいので、還元反応を十分に加速させることができない。1000W/mlを超えるエネルギーを照射することは工業的ではない。好ましくは100〜600W/mlである。
本発明において、超音波照射セルでの流動する反応液への超音波照射により反応液の還元反応を瞬時に引き起こし反応を完結させるためには、反応液の流動速度が遅い時には低出力での照射で十分であるが、大量製造を行うための早い流動速度で還元反応を完結させるためには、高出力の超音波照射エネルギーが必要である。
本発明においては照射する超音波の周波数は20〜100kHzの間から選択すればよい。超音波の周波数が高くなると、液体中でのキャビテーションが起こり難くなることは良く知られており、数10kHzの超音波周波数のとき、振動子の振幅が大きくなり、従ってキャビテーション発生が最大となる。数100kHではキャビテーションを引き起こすためには音強度を大きくする必要があり、そのため、超音波発振子の出力も数10kHzの発振にくらべて、さらに大きな出力を必要とするため、このような発振子の素材の製造は困難で、実用的には好ましくない。
本発明においては、流動する反応液を大気圧から30気圧までの加圧状態を維持することが好ましい。加圧状態では、反応分子のブラウン運動による衝突が緩和され、また、還元反応により生成した核同士の衝突も少なくなるため均一な粒子が生成されやすく、特に、高濃度下におけるナノ粒子の製造には高圧雰囲気は有効である。
前記圧力範囲内であれば、超音波発振子チップの振動による振幅が取れるため、キャビテーションが充分に発生し金属イオンあるいは金属錯体を含む溶液の還元反応が進行し、粒子径の揃った金属ナノ粒子が合成される。より好ましくは10気圧までの加圧状態を維持することが好ましい。
本発明の反応温度は合成する反応スキームによって異なる。そのため、本発明においては、流通させる反応液の温度、及び、超音波を照射する反応セル室の温度は室温から300℃までの間で制御することが好ましい。
本発明において2種類以上の金属元素からなる合金粒子を製造する際は、各金属元素の反応性を考慮することが好ましい。
例えば、容易に合金化しやすい金属元素同士であれば、あらかじめ、2種以上の金属元素からなる混合溶液を作成し、超音波照射セル(反応場)に輸送して、還元剤の存在下で、超音波を照射して2種以上の金属元素から金属ナノ粒子を得ることができる。
一方、合金化が困難な金属元素の組み合わせの場合には、それぞれ単独では目的とするナノ粒子には反応しない2種類のプレカーサーを予め調製し、それぞれのプレカーサーを連続的に輸送し、混合・反応させて合成する際、混合直後に高エネルギーの超音波を照射し、キャビテーション発生により生じる衝撃波の高エネルギーを受けることによって反応液中の金属イオンあるいは金属錯体の還元反応が誘起され、金属ナノ粒子を合成することが可能となる。
磁性ナノ粒子として合金系のFePtナノ粒子は種々の方法で合成されるが、Fe錯体とPt錯体を用いるポリオール還元法が良く知られている。ポリオール還元法は、金属錯体等をエチレングリコールなどのポリオールを含む溶液に溶解し、加熱することによって、ポリオールが分解する際、酸化されるため、還元剤としての機能を発現し、分散剤の存在下で金属イオンが金属に還元され金属ナノ粒子が得られる。
ポリオールとしてはエチレングリコールやテトラエチレングリコール、1,2ヘキサドデカンジオールなどが用いられる。
Fe錯体としてはFe(ACAC)、Pt錯体としてはPt(ACAC)が用いられる。
これらの錯体はポリオール中では120℃以上の温度で溶解し、さらにFe錯体とPt錯体の共存するポリオール溶液系では140℃以上になるとFeよりもPtが優先的に還元反応による核発生が生じ、Feの還元反応はPtの反応に遅れて生じ、その後、合金組成ができると考えられている。
そのため、本発明では、FeおよびPtのそれぞれのプレカーサーを調製し、それぞれを120〜140℃の温度に維持したまま流動させ、超音波反応セルの直前にて混合して反応セル内にてポリオール液の沸点温度に上昇させ、超音波を照射することにより、瞬時に還元反応を誘発し、FePtナノ粒子を合成することが可能となる。
該FePtナノ粒子のポリオール還元反応による製造において分散剤としては特にエチレングリコール(沸点198℃)を用いる反応では従来PVPが用いられてきたが、本発明のFePtのポリオール合成法にては2種類以上のエトシキアミンを用いることで、100mM以上の高濃度系での還元反応を可能とし、粒子径の揃った均一なFePtナノ粒子の合成が可能となった。
反応温度は、ポリオール還元法では還元反応はポリオール等溶剤の沸点温度で反応するものであり、エチレングリコールでは198℃、ジオールでは298℃で還元反応が生じるため、本発明における流通液の温度は室温から300℃の温度範囲内で制御すればよい。
本発明に係る金属ナノ粒子の製造方法によって得られる金属ナノ粒子は、平均粒子径1〜100nm程度である。
粒度分布はσ値で10%〜30%である。
次に、本発明に係る金属ナノ粒子の製造方法に用いる製造装置について述べる。
本発明における製造装置は、図1に示すとおり、次に構成されるユニットからなる。
即ち、原液調製用2液調製槽(図1の1)、2液輸送ユニット(図1の2)、2液ミキサー(図1の3)、反応セル(超音波照射セル:図1の4)、滞留ゾーン(図1の5)、冷却ユニット(図1の6)、合成スラリー溶液貯蔵槽(図1の7)からなる。
プレカーサーの調製槽から、輸送ユニット、超音波照射セル(反応場)にいたるまでの反応系全体について、温度および圧力を制御することで、超音波照射により加速される還元反応によって、金属ナノ粒子の粒子径や粒度分布および結晶性などの粒子性状を制御することが可能となる。
また、反応系に窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスをパージさせておいてもよい。
使用した連続式の超音波合成装置(図1)は、反応ラインに超音波照射セルを組込み、超音波照射セルに反応液が通過する際に直接超音波照射を受けて、還元反応と同時に生成したナノ粒子の分散が行なわれることである。
反応ラインに多段式の超音波照射セルを設けることも可能である。
また、本発明においては、超音波照射を受ける反応セル部において照射される超音波が流動する反応液全体に均一に照射されるように、超音波発振子の先端部の平面板と該平面板に対面する平面板との間に均一なギャップをもつスリット板構造をもつセル構造が有効である。前記平面板の間に反応液が流動する際に超音波照射を受けて還元反応が生じるが、その反応セルの平面板のギャップは0.5〜20mmの間であることが好ましい。平面板のギャップが0.5mm未満の場合には、反応液の流通が困難となる。20mmを超える場合は均一な反応場を維持することが困難となる。より好ましくは1.0〜10mmの間にある。
また、超音波発振子ヘッドの振幅は1〜50μmであることが望ましい。
なお、超音波照射セル(反応セル)に対して超音波エネルギーを0.1〜50kW照射することが好ましい。
超音波照射セル中の反応液の流速は、1ml/秒〜20ml/秒が好ましい。長時間の反応では粒度分布が広くなり好ましくない。
超音波照射を行って得られた金属ナノ粒子は、熟成過程を必要とする反応系では滞留ゾーンを設けて流通させることが好ましい。
バッチ法での合成量は1lクラスの反応容器を用いた場合には時間あたり数g程度であるが、粒子径の分布が広いものである。本発明の製造方法によれば、一つのナノ粒子製造プロセスあたり単位時間あたり粒子径の揃った金属ナノ粒子100g以上を生産することが可能である。
<作用>
従来の金属ナノ粒子の製造方法は、金属イオンあるいは金属錯体を分散剤の存在下で還元剤によって化学的に還元作用を行う方法や、物理的に超音波などの高エネルギーを加えることによって還元反応を起こさせる方法があり、粒子径の揃った金属ナノ粒子を合成するためには、数十mlから数lの少量スケールでのバッチ法による手法が取られている。金属ナノ粒子の大量製造のためには、少量スケールで合成する反応条件のスケールアップ法は、バッチ法では反応容器内にて反応する金属イオンや金属錯体あるいは添加剤等の濃度むらや温度むら又は撹拌速度の不均一性によって、還元反応により瞬時に引き起こされる核発生や核成長に不均一性が生じ、合成されるナノ粒子が数ナノメートルから数十ナノメートルの大きさとなって粒子径の分布が広くなり、粒子径の揃ったナノ粒子の製造が困難であった。
本発明は、種々の検討を重ねた結果、下記のような知見を得た。すなわち、金属ナノ粒子の合成をバッチ法から流通法に変更し、その際、流通する反応液あたりに照射する超音波エネルギーを10〜1000W/mlとすることによって、粒子サイズが小さな金属ナノ粒子を大量に製造することが可能となった。
また、照射する超音波エネルギーを0.1〜50kW、超音波発振子の振幅を1〜50μm、圧力を1.5〜30気圧の条件下で特定構造の超音波セルに金属イオンおよび金属錯体を含む溶液を流速0.1〜10cm/秒で流通させることにより、シャープな粒度分布を有する金属ナノ粒子を得ることができたものである。
本発明の代表的な実施の形態は、次の通りである。
金属ナノ粒子の粒子径は日本電子製JEOL JEM−2010電子顕微鏡で確認した。
金属ナノ粒子の組成分析は、セイコー電子製 SPS−4000のICP分析装置で行った。
比較例1:FePtの高濃度系のバッチ法による合成例
還流装置付きガラス製の四つ口1000mlフラスコにFePtナノ粒子合成用プレカーサーとして、Fe(ACAC)(添川理化学株式会社製)17.66gおよびPt(ACAC)(添川理化学株式会社製)19.67gをEtGL(関東化学製 特級試薬)1000mLと共に加えて溶解し、それぞれの濃度を50mMとし、さらに分散剤としてそれぞれ2種類のエトキシアミンとして、N、N−ジメチルアミノエトキシエタノール(花王株式会社製)35ml及びN、N−ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール(花王株式会社製)26mlを添加した。Arガスを流通させながら反応液を撹拌・加熱し、反応液が160℃付近になると反応液は黒褐色を呈し、その後、しだいに黒色に変色し、温度がエチレングリコールの沸点である198℃に到達すると、その温度で2時間反応を継続させた。析出したFePtナノ粒子を精製し回収するため、反応液を蒸留してエチレングリコール液を留出させて濃縮し、分散剤としてエトキシアミンを加えたエチルアルコールを加えて再分散させ、遠心分離を行い、分離したFePtナノ粒子を再びアルコールに再分散し、この操作を繰り返した。精製回収したFePtナノ粒子の大きさは数nmから数十nmにわたり粒度分布が広いFePtナノ粒子12gが得られ、また凝集物も含まれていた。得られたFePtナノ粒子の電子顕微鏡写真を図2に示す。
比較例2:低濃度でのFePt合成
還流装置付きガラス製の四つ口1000mLフラスコにFePtナノ粒子合成用プレカーサーとして、Fe(ACAC)0.883gおよびPt(ACAC)0.983gをEtGL1000mLと共に加えて溶解し、それぞれの濃度を2.5mMとし、さらに分散剤としてシグマアルドリッチ社製ポリビニールピロリドン(分子量10000)14gを添加した。
Arガスを流通させながら反応液を撹拌・加熱し、反応液が160℃付近になると反応液は黒褐色を呈し、その後しだいに黒色に変色し、温度がエチレングリコールの沸点である198℃に到達すると、その温度で2時間反応を継続させた。析出したFePtナノ粒子の精製・回収は前記比較例2の操作手順に従って行った。精製回収したFePtナノ粒子の大きさは数nmにわたり、シャープな分布のFePtナノ粒子0.6gが得られた。
得られたFePtナノ粒子の粒度分布は揃っているが、合成量は1g/時間以下となる。得られたFePtナノ粒子の電子顕微鏡写真を図3に示す。
実施例1:FePt粒子の製造
FePtナノ粒子合成用プレカーサーとしてFe(ACAC)およびPt(ACAC)をEtGLにそれぞれ溶解して濃度を50mMとし、さらに分散剤としてそれぞれ2種類のエトキシアミン、N、N−ジメチルアミノエトキシエトキシエタノールおよびN、N−ジメチルアミノエトキシエトキシエトキシエタノールをそれぞれに添加し、120℃以上に高温加熱し、20Lプレカーサー調製槽にN2雰囲気下で充填し120℃に保ち、それぞれ輸送ポンプにて140℃の配管ラインから200℃に加熱した超音波反応セルへ導入してナノ粒子を合成した。超音波出力は1.2kW×2段、周波数20kHz、反応系内の圧力は最高10気圧である。これらの反応は全て不活性ガス中で進行させた。
超音波照射セルのギャップを2mmとし、超音波発振器ヘッドの振幅を50μmとした。このときの照射エネルギーは600W/mlであった。Pt原料を輸送する流速は8.3ml/秒であり、Fe原料とPt原料との流速の比はFe/Ptは1.15/1であった。
使用した2液混合超音波連続式合成試験装置(図1)の特徴は、反応ラインに多段式超音波照射セルを組み込み、反応液が通過する際に直接、超音波照射を受けて、還元反応と同時に生成したナノ粒子の分散が行なわれることである。
超音波連続合成試験装置によって合成されたFePtナノ粒子のTEM観察結果を図4に示す。この結果、平均粒径が4nmの粒度分布の良い合金であるFePtシングルナノ粒子の大量合成に適用可能であることが明確となった。この際のFePt合成速度は100g/hrに相当する。
プレカーサーのFeおよびPtの組成と合成されたFePtナノ粒子のFeとPtの各元素の組成をICP分析から調べた結果、図5示す関係が得られ、Feの還元反応はPtに比べて低いことを示している。
上記FePtナノ粒子を還元雰囲気下、600℃でアニーリング処理を行いFePt(fcc)からFePt(L1)に結晶変態させて強磁体とし、SQUID(24KOe)により磁化ヒステレシス曲線を得た。一例として室温におけるFe0.6Pt0.4に関して得たヒステレシシ曲線の結果を図6に示す。
さらに、図7に合成したFePt中のFeとPtの組成比と保磁力との関係を示すグラフを示す。横軸のxはFePt(100−x)で示されるFeの組成比である。図7に示すとおり、FeとPtの合金組成にてFe0.55Pt0.45のものが極大値(Hc>10,000Oe)を示すことが確認された。
実施例2:Pd粒子の製造
超音波連続合成装置にてそれぞれPd塩化物を50mMとPVPを200mMとを含む水溶液プレカーサーと、ヒドラジン100mMを含む水溶液の2液をプレカーサーとして調製し、流速250ml/分でそれぞれのプレカーサーを流動させ、超音波照射セルでの超音波の照射を行った。流動させた圧力は3気圧である。装置は実施例1で用いた装置と同様であり、超音波照射セルのギャップ、超音波発振器ヘッドの振幅は実施例1と同様にした。このときの照射エネルギーは600W/mlであった。反応液の流速は8ml/秒であった。
図8に超音波照射した場合のPdナノ粒子のSEM写真を示す。
平均粒径は7nmであって、シャープな粒度分布をしめす。
比較例3:Pd粒子の製造
超音波照射を作動させない以外は、前記実施例2と同様にしてPd粒子を製造した。合成されたPdナノ粒子のSEM写真を図9に示す。
Pdシングルナノ粒子の形成以外に70nm以上の粗大粒子が形成されていて、超音波照射プロセスがないと粒度分布が極めて大きいことが観測された。
これらの結果から、本発明に係る超音波照射を取り入れた連続式合成方法では、粒子径の揃ったPd粒子が生成され得ることが確認された。
本試験条件によるPdナノ粒子の合成速度は60g/hrであった。
実施例3:CoPd粒子の製造
CoPdナノ粒子合成用プレカーサーとして、アセチルアセトン酸コバルト(II):Co(ACAC)の51.4gをエチレングリコール10lに溶解し、分散剤としてN,N’−ジメチルアミノエトキシエタノールを20ml添加し、NaOHを添加してpHを10〜11とした溶液と、他方、塩化パラジウム(II)PdCl 17.7gをエチレングリコール20lに溶解し、分散剤としてN,N’−ジメチルアミノエトキシエタノールを20ml添加し、NaOHを添加してpHを10〜11とした溶液とそれぞれ120℃に保ち、Nガスでパージしたプレカーサー調製槽に保ち、それぞれの二液を混合し超音波照射て反応された後、冷却し、貯蔵槽に捕集した。装置は実施例1で用いた装置と同様であり、超音波照射セルのギャップ、超音波発振器ヘッドの振幅は実施例1と同様にした。このときの照射エネルギーは、600W/mlであった。原料を輸送する流速はいずれも8.3ml/秒であった。
合成されたCoPdは平均粒径が4nmの均一粒子が得られた。
実施例4:PtRu粒子の製造
PtRuナノ粒子合成用プレカーサーとして、アセチルアセトン酸白金(II):Pt(ACAC)の39.3gをエチレングリコール10lに溶解し、分散剤としてN,N’−ジメチルアミノエトキシエタノールを20ml添加し、NaOHを添加してpHを10〜11とした溶液と、他方、アセチルアセトン酸ルテニウム(III):Ru(ACAC) 39.8gをエチレングリコール20lに溶解し、分散剤としてN,N’−ジメチルアミノエトキシエタノールを20ml添加し、NaOHを添加してpHを10〜11とした溶液とそれぞれ120℃に保ち、Nガスでパージしたプレカーサー調製槽に保ち、それぞれの二液を混合し超音波照射て反応された後、冷却し、貯蔵槽に捕集した。
装置は実施例1で用いた装置と同様であり、超音波照射セルのギャップ、超音波発振器ヘッドの振幅は実施例1と同様にした。このときの照射エネルギーは、600W/mlであった。原料を輸送する流速はいずれも8.3ml/秒であった。
合成されたPtRuは平均粒径が4nmの均一粒子が得られた。
以上に説明したとおり、本発明は、1種類以上の金属イオンや金属錯体、還元剤および分散剤を含む溶液を流通させ、超音波を照射することにより連続的に粒子径の揃った金属ナノ粒子を製造することが可能になる。
本発明で用いた実験装置の図である。 比較例1で得られたFePt金属粒子の電子顕微鏡写真である。(倍率50万倍) 比較例2で得られたFePt金属粒子の電子顕微鏡写真である。(倍率50万倍) 実施例1で得られたFePt金属粒子の電子顕微鏡写真である。(倍率50万倍) プレカーサーの流動速度と合成FePt中のFeとPtの組成比を示すグラフである。速度比はPtプレカーサー速度/(Ptプレカーサー速度+Feプレカーサー速度)。 合成したFe0.6Pt0.4の室温におけるSQUID(2.4T)による磁化ヒステリシス曲線 合成したFePt中のFeとPtの組成比と保磁力との関係を示すグラフである。xはFePt(100−x)で示されるFeの組成比 実施例2(超音波照射あり)で連続合成されたPdナノ粒子のSEM写真。 比較例3(超音波照射無し)で連続合成されたPdナノ粒子のSEM写真。
符号の説明
1 プレカーサー調製槽
2 輸送ポンプ
3 ミキサー
4 超音波照射セル
5 滞留ゾーン
6 冷却ライン
7 貯蔵槽

Claims (6)

  1. 液相法により金属塩からなる溶液を用いて金属ナノ粒子を合成する製造方法において、あらかじめプレカーサーを調製し、該プレカーサーを連続的に超音波照射セルに輸送して、還元剤の存在下で、超音波照射セルでの照射エネルギーが10〜1000W/mlの超音波を照射することにより金属ナノ粒子を合成することを特徴とする金属ナノ粒子の製造方法。
  2. 液相法により2種以上の金属塩からなる溶液を用いて2種以上の金属からなる金属ナノ粒子を合成する製造方法において、あらかじめ2種以上の金属塩を含有するプレカーサーを調製し、該プレカーサーを連続的に超音波照射セルに輸送して、還元剤の存在下で、超音波照射セルでの照射エネルギーが10〜1000W/mlの超音波を照射することにより金属ナノ粒子を合成することを特徴とする金属ナノ粒子の製造方法。
  3. 液相法により2種類以上の化合物からなる溶液を用いて2種以上の金属からなる金属ナノ粒子を合成する製造方法において、それぞれ単独では目的とするナノ粒子には反応しない2種類のプレカーサーを予め調製し、該各プレカーサーを連続的に超音波照射セルに輸送して混合するとともに、超音波照射セルでの照射エネルギーが10〜1000W/mlの超音波を照射することにより金属ナノ粒子を合成することを特徴とする金属ナノ粒子の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の金属ナノ粒子の製造方法において、超音波照射セルのギャップが0.1〜20mmの間であり、また、超音波発振器ヘッドの振幅が1〜50μmであることを特徴とする金属ナノ粒子の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の金属ナノ粒子の製造方法において、各プレカーサー液の温度を室温から300℃の温度範囲に制御することを特徴とする金属ナノ粒子の製造方法。
  6. 請求項3記載の金属ナノ粒子の製造方法において、各プレカーサー液の輸送ポンプの速度比を0.1〜9.9に制御することを特徴とする金属ナノ粒子の製造方法。
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