JP2007002082A - 環状オレフィン系付加重合体の製造方法 - Google Patents

環状オレフィン系付加重合体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007002082A
JP2007002082A JP2005183184A JP2005183184A JP2007002082A JP 2007002082 A JP2007002082 A JP 2007002082A JP 2005183184 A JP2005183184 A JP 2005183184A JP 2005183184 A JP2005183184 A JP 2005183184A JP 2007002082 A JP2007002082 A JP 2007002082A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
ene
cyclic olefin
nickel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005183184A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Oshima
昇 大嶋
Takashi Imamura
孝 今村
Kenzo Okita
健三 大喜多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2005183184A priority Critical patent/JP2007002082A/ja
Publication of JP2007002082A publication Critical patent/JP2007002082A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

【解決手段】本発明の環状オレフィン系付加重合体の製造方法は、ニッケル化合物またはコバルト化合物を含む触媒と、シクロペンテン環を有する化合物との存在下に、少なくとも1種の特定の環状オレフィン系化合物からなる単量体を付加重合することを特徴としている。
【効果】本発明の環状オレフィン系付加重合体の製造方法では、特定のニッケル系触媒またはコバルト系触媒と分子量調節剤とを用いることにより、重量平均分子量が制御され、炭化水素溶媒での溶液流延法によるフィルムまたはシートへの成形加工が容易で、耐熱性に優れ、光学特性にも優れた環状オレフィン系付加重合体を高収率で容易に製造することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、環状オレフィン系付加重合体の製造方法に関する。詳しくは、本発明は、特定の触媒と、シクロペンテン環を有する化合物の存在下に、環状オレフィン系化合物を付加(共)重合して、環状オレフィン付加重合体を製造する方法に関する。
従来、ノルボルネンを代表とする環状オレフィン系付加重合体は、Ni、Pd、Ti、Zr、Crなどの遷移金属化合物を含む触媒を用いて、環状オレフィン系単量体を付加重合することにより得られてきた(例えば、非特許文献1参照)。
上記環状オレフィン系付加重合体の中でも、加水分解性シリル基、アルコキシカルボニル基、カルボンイミド基、酸無水物基などの極性基または官能基を側鎖に有する環状オレフィン系化合物と、非極性の環状オレフィン系化合物との付加共重合体は、耐熱性および透明性に優れるとともに接着性にも優れ、さらには耐薬品性、耐溶剤性のある架橋化された共重合体とすることも可能である。
上記環状オレフィン系付加(共)重合体を得るための重合触媒としては、後周期遷移金属10族のNiもしくはPdの単一錯体、または、NiもしくはPd化合物を含む多成分系触媒が用いられ、工業的には多成分系のPd触媒が多く用いられてきた(例えば、特許文献1〜6、非特許文献1〜12参照)。
Ni触媒を用いた場合とPd触媒を用いた場合とでは、ノルボルネンおよびアルキル置換ノルボルネンの付加重合で得られる付加(共)重合体の規則性が異なり、Pd触媒を用いて得られる付加重合体は規則性が高く、溶媒への溶解性が劣ることがある。(非特許文献13、非特許文献14)
一般に、環状オレフィン系付加重合体は透明性、耐熱性が優れる材料として知られている。しかしながら、環状オレフィン系付加重合体のガラス転移温度は高く、分解開始温度が300℃付近にあるため、通常の透明樹脂で用いられる射出成形、押し出し成形など樹脂を溶融して成形する方法は採用することが困難である。
このため、該付加重合体を溶媒に溶かし、得られる付加重合体溶液を溶液流延法(キャスト法)により、フィルム、シートなどの形態に成形する方法が用いられてきた。
溶液流延法による成形を行うためには、重合体溶液の粘度が特定の範囲に制御されなければならない。溶液粘度に関わる要因としては、重合体の分子量、ゲル分、溶液の濃度、溶媒の種類が挙げられ、環状オレフィン系付加重合体の分子量は特定の範囲に制御されることが求められる。また、溶液流延法による成形では、ゲル分がないこと、製造するフィルムまたはシートの膜厚にもよるが、溶液の濃度が10〜30重量%の範囲であること、付加重合体を完全に溶解でき、フィルムまたはシートの乾燥時には除去できる溶媒を用いることが必要である。
環状オレフィン付加重合体の分子量を制御する方法としては、以下の方法が知られているが、それぞれ問題点も有する。
1)分子量調節剤として水素を用いる方法
特許文献2および3には、Ni系などの触媒を用いて環状オレフィンの付加重合を行うことが記載されており、実施例で具体的に使用した例はないものの、分子量調節剤として水素を用いることが記載されている。しかしながら、分子量調節剤として水素を用いる方法では、重合中に単量体の水素かも並列して起こるという問題がある。
2)分子量調節剤としてα−オレフィンを用いる方法
特許文献4には、Ni、Pdなど後周期の遷移金属化合物の触媒系で、α−オレフィン化合物を分子量調節剤(連鎖移動剤)として用いる方法で、重合体末端に直鎖状の炭素・炭素不飽和結合を有する環状オレフィン付加重合体が得られることが記載されている。しかし、生成付加重合体の光学透明性、とくにヘイズに関する記載はない。
3)分子量調節剤としてシクロペンテンを用いる方法
特許文献5には、重合体の収率が低く、分子量低下効果が不十分であるという問題があるものの、実施例92、93、94において、シクロペンテンをパラジウム触媒系での分子量調節剤として用いる例示がある。また、特許文献4実施例23ではシクロペンテンはノルボルネンとのパラジウム触媒による共重合体の単量体として例示がある。しかしながら、ニッケル系触媒またはコバルト化合物触媒を用いた場合の分子量調節剤として、シクロペンテンを用いる例は知られていない。
このような状況において、ニッケル化合物またはコバルト化合物触媒を用いて、重合体収率に優れ、フィルム、シートなどの製造に好適な特定範囲の分子量を有する付加重合体が得られる、環状オレフィン系付加重合体の製造方法の確立が求められていた。
米国特許第3,330,815号公報 特開平5−262821号公報 特開平4−63807号公報 特許第3476466号公報 米国特許第6,455,650号公報 特表2002−509955号公報 Christoph Janiak, Paul G. Lassahn, Macromol. Rapid Commun. 22, p479(2001) R. G. Schultz, Polym. Lett. VOL. 4, p541 (1966) Stefan Breunig, Wilhelm Risse , Makromol. Chem. 193, 2915 (1992) Adam L. Safir, Bruce M. Novak, Macromolecules,1995,28,5396 Joice P. Mathew et al., Macromolecules, 1996,29,2755 Annette Reinmuth et al., Macromol. Rapid Commun. 17, 173 (1996) B. S. Heinz, Acta Polymer 48, 385(1997) B. S. Heinz et al., Macromol. Rapid Commun. 19, 251 (1998) Nicole R. Grove et al., J. Polym. Sci. Part B, 37, 3003 (1999) April D. Hennis et al., Organometallics 2001, 20, 2802-2812 Seung UK Son et al., J. Polym. Sci. Part A Polym. Chem. 41, 76(2003) Macromolecules 35, p8969-8977 (2002) Broderick R. Wilks et al. J. Polymer Sci. Polymer Physics, 41, 2185-2199 (2003) Savant Ahmed et al. Macromol. Symp. 133, 1-10 (1998)
本発明は、ニッケル化合物またはコバルト化合物を含む触媒を用いて、環状オレフィン系化合物を付加重合するに際し、分子量調節剤としてシクロペンテン環を有する化合物を用いることにより、重合体収率に優れ、生成する重合体が特定の範囲の分子量に制御され
て、流延法によるフィルムまたはシートへの製膜加工性がよく、かつ生成付加重合体が高耐熱で透明性がさらに改良された環状オレフィン付加重合体の製造方法を提供することを課題としている。
本発明の環状オレフィン系付加重合体の製造方法は、
(a)ニッケル化合物またはコバルト化合物、並びに
(b)ルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性のホウ素化合物およびイオン性のアルミニウム化合物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物を含む触媒と、
シクロペンテン、アルキル置換シクロペンテン、シクロアルキル置換シクロペンテンおよびアリール置換シクロペンテンよりなる群から選ばれたシクロペンテン環を有する化合物との存在下に
少なくとも1種の下記式(1)で表される環状オレフィン系化合物からなる単量体を付加重合することを特徴としている。
Figure 2007002082
(式(1)中、A1〜A4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルキレン基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、トリアルキルシリル基よりなる群から選ばれる原子または基、または、加水分解性のシリル基、オキセタニル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、トリアルキルシロキシカルボニル基から選ばれる極性を有する基である。また、A1とA2またはA1とA3とそれぞれが結合する炭素原子と脂環構造、芳香環構造、カルボンイミド基または酸無水物基を形成していてもよい。mは0または1である。)
本発明の環状オレフィン系付加重合体の製造方法では、
触媒成分(a)が、ニッケルの有機カルボン酸塩、超強酸で変性されたニッケルの有機カルボン酸塩、および、ニッケルのベータジケトン化合物よりなる群から選ばれた化合物であることが好ましい。
本発明の環状オレフィン系付加重合体の製造方法では、触媒成分(b)が、カルベニウムカチオンまたはホスホニウムカチオンを有するイオン性ホウ素化合物であることが好ましい。
本発明の環状オレフィン系付加重合体の製造方法では、触媒成分としてさらに、(c)有機アルミニウム化合物を含むことが好ましい。
本発明の環状オレフィン系付加重合体の製造方法では、シクロペンテン環を有する化合物が、シクロペンテン、アルキル基の炭素数が1〜3である3−アルキルシクロペンテンおよび4−アルキルシクロペンテンよりなる群から選ばれた化合物であることが好ましい。
本発明の環状オレフィン系付加重合体の製造方法では、単量体が、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、アルキル基の炭素数が3〜10の5−アルキルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、endo−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エンおよ
びendo−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエンよりなる群から選ばれ
た1種以上の化合物を含むことが好ましい。
また、本発明の環状オレフィン系付加重合体の製造方法では、単量体が、加水分解性のシリル基、オキセタニル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、トリアルキルシロキシカルボニル基、酸無水物基、およびカルボンイミド基よりなる群から選ばれた極性基を有する式(1)で表される環状オレフィン系化合物を、全単量体中0.5〜20モル%含むことが好ましい。
本発明の環状オレフィン系付加重合体の製造方法では、特定のニッケル系触媒またはコバルト系触媒と分子量調節剤とを用いることにより、重量平均分子量を10,000〜500,000程度の範囲に好適に制御でき、炭化水素溶媒での溶液流延法によるフィルムまたはシートへの成形加工が容易で、耐熱性に優れ、光学特性にも優れた環状オレフィン系付加重合体を高収率で容易に製造することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の環状オレフィン系付加重合体の製造方法では、環状オレフィン系化合物の付加重合を、ニッケル化合物またはコバルト化合物を含む特定の触媒を用い、分子量調節剤として特定のシクロペンテン環を有する化合物を用いて行う。
<触媒>
本発明で用いる触媒は、
(a)ニッケル化合物またはコバルト化合物、
(b)ルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性のホウ素化合物およびイオン性のアルミニウム化合物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物、および、必要に応じて用いられる
(c)有機アルミニウム化合物
から調製される。
以下にこれらの触媒成分について説明する。
(a)ニッケル化合物またはコバルト化合物
本発明の触媒成分(a)として用いることのできるニッケル化合物およびコバルト化合物としては、以下の1)〜4)の化合物が挙げられる。本発明の触媒成分(a)としては、これらの化合物から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
1)ニッケルまたはコバルトの、有機酸塩またはベータジケトン化合物。ニッケルまたはコバルトの有機酸塩としては、カルボン酸塩、リン酸ジエステル塩、スルフォン酸塩などが挙げられる。より具体的には、ニッケルまたはコバルトの、有機酸塩またはベータジケトン化合物として、以下の1−1)〜1−4)が好ましく挙げられる。
1−1)ニッケルまたはコバルトの、炭素数が1〜20のカルボン酸塩;たとえば、ニッケルのエタン酸塩、ニッケルのトリフルオロエタン酸塩、ニッケルの2−エチルヘキサン酸塩、ニッケルのn−オクタン酸塩、ニッケルのデカン酸塩、ニッケルのオクタデカ−9−エン酸塩、ニッケルのナフテン酸塩、ニッケルのオクタデカン酸塩、ニッケルのシクロヘキサンカルボン酸塩、ニッケルのベンゼンカルボン酸塩、ニッケルの2−メチルベンゼンカルボン酸塩、ニッケルの4-メチルベンゼンカルボン酸塩、ニッケルのナフタレンカルボン酸塩、コバルトの2−エチルヘキサン酸塩、コバルトのドデカン酸塩、コバルトのナ
フテン酸塩など。
1−2)ニッケルまたはコバルトの炭素数が1〜20の有機スルフォン酸塩;たとえば、ニッケルのメタンスルフォン酸塩、ニッケルのトリフルオロメタンスルフォン酸塩、ニッケルのp−トルエンスルフォン酸塩、ニッケルのベンゼンスルフォン酸塩、ニッケルのナフタレンスルフォン酸塩、ニッケルのドデシルベンゼンスルフォン酸塩コバルトのドデシルベンゼンスルフォン酸塩など。
1―3)ニッケルまたはコバルトの炭素数が4〜26のリン酸ジエステル塩;たとえば、ニッケルのリン酸ジエチル塩、ニッケルのリン酸ジブチル塩、ニッケルのリン酸ジオクチル塩、コバルトのリン酸ジオクチル塩などのニッケルまたはコバルトのリン酸ジエステル塩など。
1−4)ニッケルまたはコバルトの炭素数が8〜30ベータジケトン化合物;たとえば、ニッケルビス(2,4−ペンタジオナート)、
ニッケルビス(1−エトキシ−1,3−ブタジオナート)、
ニッケルビス(1,1,1−トリフルオロ−5,5,5,−トリフルオロ−2,4−ペンタジオナート)、
コバルトビス(2,4−ペンタジオナート)
コバルトトリス(2,4−ペンタジオナート)など。
2)上記のニッケルまたはコバルトの有機カルボン酸塩を、六フッ化アンチモン酸、四フッ化ホウ酸、六フッ化ホスフィン酸、トリフロロエタン酸、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸、などの超強酸で、モル比1:1で反応させた変性化合物。
3)N、P、Oなどの原子が1〜3座で配位した配位子を有するニッケル錯体またはコバルト錯体;たとえば、
ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロライド、
ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジブロマイド、
ビス(トリフェニルホスフィン)コバルトジクロライド、
ビス(トリフェニルホスフィン)コバルトジブロマイド、
ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ニッケルジクロライド、
ビス〔トリ(2−メチルフェニル)ホスフィン〕ニッケルジブロマイド、
ビス〔トリ(4−メチルフェニル)ホスフィン〕ニッケルジブロマイド、
1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンニッケルジクロライド、
1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンコバルトジクロライド、
1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンニッケルジクロライドなど;
〔Ph2PC64C(O)NPh〕Ni(η3−CH265)(PMe3)、
〔Ph2PC64C(O)Nt-Bu〕Ni(η3−CH265)(PMe3
などで表される2-ジフェニルホスファニルベンズアミド−ニッケル錯体;
(PPh2CH=C(O)Ph)Ni(Ph)(CH2=PPh3)、
(PPh2CH=C(O)Ph)Ni(Ph)(NC5H5)、
(PPh2CH=C(O)Ph)Ni(Ph)(PPh3)、
などで表されるP−Oでキレートしたニッケル錯体;
〔1,1’-bis(1-butylbenzimidazole-2yl)pentane〕NiCl2
2,2’-bis〔2-(1-ethylbenzimidazol-2yl)biphenyl〕NiCl2
などのベンズイミダゾールニッケル錯体;
Bis〔3,5-dinitro-N(2,6-diisopropylphenyl)salicylaldiminate〕Ni、
Bis〔3,5-dinitro-N(phenyl)salicylaldiminate〕Ni
などのサリチルアルドイミンニッケル錯体、
などが挙げられる。
4)ジエン、トリエン、シクロペンタジエニルおよびその置換体から選ばれた化合物が配位した錯体、およびη3-アリル結合を有するニッケル錯体;たとえば、
(1,5-シクロオクタジエン)ニッケルジクロライド、
〔(η3-クロチル)(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル〕ヘキサフルオロホスフェート、
〔(η3-クロチル)(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル〕テトラフルオロボレート、
〔(η3-アリル)(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル〕{テトラキス〔3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕ボレート}、
〔(η3-クロチル)(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル〕〔テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート〕、
(シクロペンタジエニル)(メチル)(トリフェニルホスフィン)ニッケル、
(1,5,9-シクロドデカトリエン)ニッケル、
ビス(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2,5-ジエン)ニッケル、
ビス(η3-アリルニッケルクロライド)など。
これら1)〜4)の群の中では、取り扱いが容易で炭化水素溶媒に溶解性が高い1)、2)群の化合物が好ましい。
(b)ルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性のホウ素化合物およびイオン性のアルミニウム化合物
本発明に係る触媒には、触媒成分(b)として、1)ルイス酸性のホウ素化合物、2)ルイス酸性のアルミニウム化合物、3)イオン性のホウ素化合物および4)イオン性のアルミニウム化合物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物が含まれる。
1)ルイス酸性のホウ素化合物
触媒成分(b)として用いられる1)ルイス酸性のホウ素化合物としては、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
B(R13・D …(2)
(式(2)中、Bはホウ素原子、R1はフッ素原子置換、またはフッ素化アルキル置換の
フェニル基またはフッ素原子、Dは炭素数1〜10のジアルキルエーテル、トリアルキルアミン、フェノールおよびアルコールから選ばれた電子供与性の化合物を表す。)
このようなルイス酸性のホウ素化合物の具体例としては、
トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、
トリス(3,5−フルオロフェニル)ホウ素、
トリス〔3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕ホウ素、
三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体、
三フッ化ホウ素・ジブチルエーテル錯体、
三フッ化ホウ素・トリエチルアミン錯体などが挙げられる。
2)ルイス酸性のアルミニウム化合物
触媒成分(b)として用いられる2)ルイス酸性のアルミニウム化合物としては、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
AlR2 k3-k …(3)
(式(3)中、Alはアルミニウム原子、R2はフッ素原子置換、またはフッ素化アルキ
ル置換のフェニル基または炭素数1〜10のアルキル基、またはアリール基、Xはフッ素、塩素、臭素から選ばれたハロゲン原子、kは0〜3の整数を示す。)
このようなルイス酸性のアルミニウム化合物の具体例としては、
トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、
トリス(3,5−フルオロフェニル)アルミニウム、
トリス〔3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕アルミニウム、
三フッ化アルミニウム、ジエチルエーテル錯体、
エチルアルミニウムジフロライド、
エチルアルミニウムジクロライド、
ブチルアルミニウムジブロマイド、
ジエチルアルミニウムフロライド、
3,5−ジメチルフェニルアルミニウムジフロライドなどの化合物が挙げられる。
3)イオン性のホウ素化合物
触媒成分(b)として用いられる3)イオン性のホウ素化合物としては、下記式(4)で表される化合物が挙げられる。
〔R3+〔B(R44- …(4)
(式(4)中、R3はカルボニウムカチオン、ホスフォニウムカチオン、アンモニウムカ
チオン、アニリニウムカチオンから選ばれた炭素数1〜30の有機カチオン、R4はフッ
素原子置換またはフッ化アルキル置換のフェニル基、Bはホウ素原子を示す。)
このようなイオン性のホウ素化合物の具体例としては、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリ(p-トリル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジフェニル(メチル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ビス(ジフェニル)メチルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(2,4,6−トリフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、
トリフェニルホスフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジフェニルホスフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジフェニルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
リチウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレートなどが挙げられる。
4)イオン性のアルミニウム化合物
触媒成分(b)として用いられる4)イオン性のアルミニウム化合物としては、下記式(5)で表される化合物が挙げられる。
〔R3+〔Al(R44- …(5)
(式(5)中、R3、R4は式(4)と同様である。)
このようなイオン性のアルミニウム化合物の具体例としては、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミナート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]アルミナート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(2,4,6−トリフルオロフェニル)アルミナート、
トリフェニルカルベニウムテトラフェニルアルミナートなどが挙げられる。
以上1)〜4)の触媒成分(b)の中では、3)イオン性ホウ素化合物が好ましく、特にカルベニウムカチオンやホスフォニウムカチオンのイオン性ホウ素化合物が好ましい。(c)有機アルミニウム化合物
本発明に係る触媒において、(c)有機アルミニウム化合物は、必要に応じて、上記触媒成分(a)、(b)とともに用いられる成分である。触媒成分(a)のニッケル化合物がアルキル基やη3-アリル基を有する場合は、触媒成分(c)は必ずしも必要としないが、触媒成分(c)には、重合系に存在した場合に重合を阻害するアミン類、硫黄化合物を除去する作用がある。
触媒成分(c)として用いることのできる有機アルミニウム化合物としては、少なくと
も1つのアルミニウム−アルキル結合を有するアルミニウム化合物が挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。具体的には、たとえば、
メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、ブチルアルモキサンなどのアルキルアルモキサン化合物;
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム化合物;
ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルキルアルミニウムヒドリド化合物
などが好ましく用いられ、その他、ジエチルアルミニウムクロライド、ジブチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムクロライドなどのハロゲン原子を有するアルキルアルミニウム化合物も用いることができる。
触媒の調製
本発明に係る触媒の調製においては、上述した各触媒成分は、通常、以下の範囲の使用量で用いられる。
触媒成分(a)のニッケル化合物またはコバルト化合物は単量体1モルに対して、0.005〜5.0ミリモル、好ましくは0.01〜1.0ミリモルの範囲で用いられる。
触媒成分(b)のルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性のホウ素化合物またはイオン性のアルミニウム化合物から選ばれた化合物は、触媒成分(a)のニッケル化合物またはコバルト化合物の総量1モル当たり、0.1〜20モル、好ましくは0.5〜10、さらに好ましくは1.0〜5.0モルである。
必要に応じて用いられる触媒成分(c)の有機アルミニウム化合物は、触媒成分(a)のニッケル化合物またはコバルト化合物の総量1モル当たり、0.5〜100モルの範囲で、好ましくは1〜20モル、さらに好ましくは2〜10モルの範囲で用いられる。
触媒の調製方法、すなわち各触媒成分の添加方法としては、特に制約はないが、たとえば、
1)単量体、分子量調節剤および重合溶媒の混合物に、触媒成分(a)、触媒成分(b)の順に、または、触媒成分(a)、触媒成分(b)および触媒成分(c)の順に添加する方法、
2)単量体、分子量調節剤、重合溶媒の混合物に、触媒成分(c)、触媒成分(a)、触媒成分(b)の順に添加する方法、
3)予め触媒成分(a)、(b)および(c)を混合接触したものを単量体、分子量調節剤および重合溶媒の混合物に添加する方法
などの方法が通常用いられる。
<単量体>
本発明では、下記一般式(1)で表される環状オレフィン系化合物からなる単量体を用いて付加重合を行う。
Figure 2007002082
(式(1)中、A1〜A4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルキレン基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、トリアルキルシリル基よりなる群から選ばれる原子または基、または、加水分解性のシリル基、オキセタニル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、トリアルキルシロキシカルボニル基から選ばれる極性を有する基である。また、A1とA2またはA1とA3とそれぞれが結合する炭素原子とで脂環構造、芳香環構造、カルボンイミド基または酸無水物基を形成していてもよい。mは0または1である。)
本発明で単量体として用いられる、上記一般式(1)で表される環状オレフィン系化合物としては、極性または官能性の置換基を有さない環状オレフィン系化合物(A)、および、極性または官能性の置換基を有する環状オレフィン系化合物(B)が挙げられる。以下にこれらの単量体の具体例を挙げるが、これらの具体例に何ら限定されるものではない。
極性または官能性の置換基を有さない環状オレフィン系化合物(A)としては、式(1)中、A1〜A4が、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜15のアルキル基、アルキレン基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、トリアルキルシリル基よりなる群から選ばれる原子または基である化合物が挙げられる。なお、A1とA2またはA1とA3とそれぞれが結合する炭素原子とで、脂環構造または芳香環構造を形成していてもよい。
このような環状オレフィン系化合物(A)としては、たとえば、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−(1−ブテニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ペンチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ヘプチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−−エン、
5−オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ドデシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−クロロビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−トリメチルシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−トリエチルシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−トリプロピルシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
4−トリメチルシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、
5,6−ベンゾビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、
3,4−ベンゾトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン、
トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−9−エン、
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン
などが挙げられる。
これらの環状オレフィン系化合物(A)のうちでは、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、アルキル基の炭素数が3〜10である5−アルキルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、トリシクロ[5.2.1.02,6]、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエンなどから選ばれた化合物が好ましく、単量体中にこれらの化合物が少なくとも1種含まれることが好ましい。
極性または官能性の置換基を有する環状オレフィン系化合物(B)としては、式(1)中、A1〜A4の1つ以上が、アルコキシシリル基、シラシクロアルキル基などの加水分解性のシリル基;オキセタニル基;アルコキシカルボニル基;トリアルキルシロキシカルボニル基から選ばれる極性または官能性の置換基である化合物が挙げられる。これら極性または官能性の置換基は、炭素数1〜10の連結基により直鎖状または環構造に結合してい
てもよい。さらに、A1とA2またはA1とA3とそれぞれが結合する炭素原子とでカルボンイミド基または酸無水物基を形成してなる化合物も挙げることができる。
環状オレフィン系化合物(B)において、極性または官能性の置換基以外のA1〜A4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜15のアルキル基、アルキレン基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、トリアルキルシリル基よりなる群から選ばれる原子または基である。また、A1とA2またはA1とA3とそれぞれが結合する炭素原子とで、脂環構造、芳香環構造、カルボンイミド基または酸無水物基を形成していてもよい。
このような環状オレフィン系化合物(B)としては、たとえば、以下のような化合物が挙げられる。
置換基として加水分解性のアルコキシシリル基を有する単量体の例:
5−トリメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メチルジメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メチルジエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メチルジクロロシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
9−トリメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−トリエトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチルジメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−エチルジメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−シクロヘキシルジメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−フェニルジメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−ジメチルメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−トリクロロシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−ジクロロメチルシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−クロロジメチルシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−クロロジメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−ジクロロメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−クロロメチルメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンなど。
置換基として加水分解性のシラシクロアルキル基を有する単量体の例:
5−[1’−メチル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’−メチル−2’,5’−ジオキサ−3’,4’−ジメチル−1’−シラシクロペンチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’−メチル−2’,5’−ジオキサ−3’−メチル−1’−シラシクロペンチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’−フェニル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’−メチル−2’,6’−ジオキサ−4’,4’−ジメチル−1’−シラシクロヘキシル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
9−[1’−メチル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンなど。
置換基としてアシルオキシ基を有する単量体の例:
エタン酸〔ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジメチル〕、
プロパン酸〔ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジメチル〕、
エタン酸〔ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル〕、
エタン酸〔ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメチル〕、
プロペン酸ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメチル、
2−メチルプロペン酸ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメチルなど。
置換基としてアルコキシカルボニル基を有する単量体の例:
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸メチル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸t-ブチル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸メチル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−メチルカルボン酸メチル−2−カルボン
酸メチル、
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸エチル、4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、
4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸エチルなど。
置換基としてトリアルキルシロキシカルボニル基を有する単量体の例:
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリエチルシリル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸ジエチルブチル、
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリエチルシリルなど。
置換基としてオキセタニル基を有する単量体の例:
5−[(3−エチル−3−オキタセニル)メトキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[(3−オキセタニル)メトキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸(3−エチル−3−オキセタニル)メチルなど。
置換基としてカルボンイミド基を有する単量体の例:
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−N−シクロヘキシル−2,3−カルボンイミド、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−N−フェニル−2,3−カルボンイミド、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−N−(2’,6’−ジメチルフェニル)−
2,3−カルボンイミド、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−スピロ−N−シクロヘキシル−スクシンイミド、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−スピロ−N−(2’,4’−ジメトキシフェニル)スクシンイミドなど。
置換基として酸無水物基を有する単量体の例:
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−無水カルボン酸、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−スピロ−3’−exo−無水スクシン酸、
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−無水カルボン酸など。
本発明では、環状オレフィン系化合物(B)としては、式(1)中、A1〜A4の1つのみが、アルコキシシリル基やシラシクロアルキル基などの加水分解性のシリル基、オキセタニル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、およびトリアルキルシロキシカルボニル基から選ばれた極性または官能性の置換基を有する化合物、または、A1とA2でカルボンイミド基や酸無水物基が形成される化合物が好ましく用いられる。
本発明では単量体として、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンまたは5−アルキルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン1モルに対して、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エンまたはトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエンを0.2〜1.2モルを含む単量体を用いると、形成される付加共重合体またはさらに水素化された付加共重合体からは靱性のあるフィルムまたはシートが得られるので好ましい。
また、本発明では、式(1)で表される環状オレフィン系化合物として、アルコキシシリル基やシラシクロアルキル基などの加水分解性のシリル基、オキセタニル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、トリアルキルシロキシカルボニル基、カルボンイミド基および酸無水物基から選ばれた極性または官能性の置換基を有する化合物(環状オレフィン系化合物(B))を全単量体中に、0.5〜20モル%、好ましくは2〜10モル%含むことが望ましい。このような単量体から形成される付加共重合体からは、接着性が付与された環状オレフィン付加重合体や、極性または官能性の置換基が架橋部位となり耐薬品性、耐溶剤性がさらに付与された架橋された環状オレフィン付加重合体が得られるため好ましい。
本発明では上述した環状オレフィン系化合物からなる単量体を、本発明の方法で付加(共)重合することにより、下記一般式(6)で表される構造単位を有する付加(共)重合体が得られる。なお、式(6)中、A1〜A4およびmは式(1)と同様である。
Figure 2007002082
<重合>
本発明では、上述の触媒を用いて、上述した環状オレフィン系化合物からなる単量体を付加(共)重合する。
分子量調節剤
本発明の環状オレフィン系付加重合体の製造方法では、製造する環状オレフィン系付加重合体の分子量の調節を、分子量調節剤として重合系内にシクロペンテン環を有する化合物を添加して、その存在下に環状オレフィン系化合物を付加(共)重合することにより行う。当該シクロペンテン環を有する化合物は、得られる重合体の末端に結合してもよい。シクロペンテン環を有する化合物としては、シクロペンテン、アルキル置換シクロペンテン、シクロアルキル置換シクロペンテンおよびアリール置換シクロペンテンよりなる群から選ばれるシクロペンテン環を有する化合物が挙げられ、好ましくは炭素数5〜20の化合物が挙げられる。
シクロペンテン環を有する化合物としては、具体的には、たとえば、
シクロペンテン、
3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、
3−エチルシクロペンテン、4−エチルシクロペンテン、
3−プロピルシクロペンテン、4−プロピルシクロペンテン、
3−イソプロピルシクロペンテン、4−イソプロピルシクロペンテン、
3−ブチルシクロペンテン、3−ヘキシルシクロペンテン、
3−オクチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンタン、
3,4−ジエチルシクロペンタン、3−シクロヘキシルシクロペンテン、
4−シクロペンチルシクロペンテン、4−フェニルシクロペンテン
などから選ばれた1種以上の化合物が用いられる。このうち、シクロペンテン、アルキル
基の炭素数が1〜3のアルキル置換のシクロペンテンから選ばれた化合物が好ましく、シクロペンテンがさらに好ましい。
本発明の環状オレフィン系付加重合体の製造方法において、分子量調節剤として用いるシクロペンテン環を有する化合物の使用量は、単量体1モルに対して、0.001〜0.5モル、好ましくは0.002〜0.2モル、さらに好ましくは0.005〜0.1モルの範囲である。
本発明ではこのような特定の分子量調節剤を用いることにより、本発明の環状オレフィン系付加重合体の重量平均分子量(Mw)を10,000〜500,000の範囲に好適に制御することができる。
重合溶媒
本発明において、付加重合に用いることができる溶媒としては、例えば、シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタンなどの脂環式炭化水素溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素溶媒などが挙げられるが、非ハロゲン系の溶媒を用いることが安全衛生上や環境対策上好ましい。
また、付加重合後、重合体溶液をそのまま、フィルムまたはシートの成形に用いる場合は、溶媒として芳香族炭化水素溶媒を主体とした溶媒を用いるのが好ましい。
なお、本発明においては、これら溶媒を2種以上使用した混合溶媒も用いることができる。
重合溶媒は、単量体100重量部当たり、0〜2000重量部の範囲で用いることができる。
重合
本発明の環状オレフィン系付加重合体の製造方法では、上述の分子量調節剤、重合溶媒の存在下、ニッケル化合物またはコバルト化合物を含む触媒を用いて単量体の付加(共)重合を行う。
本発明においては、単量体を一括して仕込む方式や逐次添加する方式など採ることができる。二種以上の単量体を用いる場合、生成する共重合体は共重合反応性の違いと単量体の仕込み方法により、組成分布のないランダムな共重合体から組成分布のある共重合体まで制御することができる。また、重合プロセス方式としては、バッチ重合方式、あるいは、槽型反応器、塔型反応器もしくはチューブ型反応器などによる連続重合方式いずれも採用することができる。
また、重合温度は、通常、−20〜120℃の範囲であり、経時的に温度を変えることも可能である。
本発明の重合系の雰囲気は、窒素下、アルゴン下、および空気下などが好ましい。
<水素化>
本発明では、置換基にオレフィン性不飽和結合を有する単量体を用いて生成する環状オレフィン付加重合体や、本発明のような分子量調節の重合機構から生じる環状オレフィン付加重合体の末端に環状の内部オレフィンの不飽和結合が存在する場合など、熱や光による着色やゲル化等の劣化が問題になるようであれば必要に応じて、付加(共)重合で生成した環状オレフィン付加重合体にさらに水素化を行うことができる。その水素化率は高い程好ましいが、通常、90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは99%以上である。
水素化方法は特には限定されず、通常のオレフィン性不飽和結合を水素化する方法が適用される。一般的には、水素化触媒の存在下で不活性溶媒中、水素ガス圧0.5〜15MPa、反応温度0〜200℃で水素化が行われる。なお、芳香環が重合体中に存在する場合、係る芳香環は光学特性、特に複屈折性、波長分散性に寄与する場合もあるため、必ずしも水素化される必要はない。
水素化反応に用いることができる不活性溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカンなどの炭素数5〜14の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロデカン、メチルシクロヘキサンなどの炭素数5〜14の脂環族炭化水素が挙げられるが、芳香環を水素化しない条件で水素化する場合には、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの炭素数6〜14の芳香族炭化水素も使用することができる。
水素化触媒としては、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ルテニウム、ロジウムなどのVIII族の金属またはその化合物をカーボン、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、珪藻土などの多孔性担体に担持した固体触媒、あるいは、コバルト、ニッケル、パラジウムなどのIV族〜VIII族の有機カルボン酸塩、β−ジケトン化合物と有機アルミニウムまたは有機リチウムの組み合わせや、ルテニウム、ロジウム、イリジウムなどの錯体などの均一触媒を用いることができる。
<脱触媒>
本発明においては、重合を停止して得られた重合体溶液もしくはその水素化体の溶液を、乳酸、グリコール酸、オキシプロピオン酸、オキシ酪酸などのオキシカルボン酸やトリエタノールアミン、ジアルキルエタノールアミン、エチレンジアミンテトラ酢酸塩などの水溶液を用いて処理するか、珪藻土、シリカ、アルミナ、活性炭などの吸着剤を用いて処理することにより脱触媒を行うことができる。
さらに、脱触媒された溶液から、直接、溶媒を蒸発除去したり、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類やアセトン、メチルエチルケトンなどのケトンを用いて凝固し、次いで乾燥したりすることにより、目的とする環状オレフィン系付加重合体を得ることができる。
このような方法により、本発明の付加重合体は、Ni原子またはCo原子およびAl原子として、それぞれ5ppm以下、好ましくは1ppm以下、さらに好ましくは0.5ppm以下
にすることができる。
<環状オレフィン系付加重合体>
本発明で得られる環状オレフィン系付加(共)重合体のガラス転移温度(Tg)は、主に重合に用いる単量体の種類や量により決定される。このため、本発明では、使用される用途に応じて適宜設計したガラス転移温度(Tg)を有する環状オレフィン系付加(共)重合体を製造することができるが、通常、150〜450℃、好ましくは200〜400℃である。該重合体のガラス転移温度が150℃未満の場合は耐熱性に問題が生じることがあり、一方、450℃を超えると重合体が剛直になり靱性が低下して割れやすくなることがある。
本発明において、環状オレフィン系付加重合体の分子量は、o−ジクロロベンゼンを溶媒とし、120℃、ゲル・パーミエ−ションクロマトグラフィー法で測定され、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が5,000〜200,000程度、重量平均分子量(Mw)が10,000〜500,000程度、好ましくは数平均分子量(Mn)が10,000〜150,000、重量平均分子量(Mw)が30,000〜300,000であるのが望ましい。
重量平均分子量(Mw)が10,000未満では、フィルムまたはシートとした際、割れやすいものとなるおそれがある。一方、重量平均分子量(Mw)が500,000を超えると、溶液流延法(キャスト法)でフィルムまたはシートを作製する際に重合体の溶液粘度が高くなりすぎて、取り扱いが困難となったり、また平坦性のよいフィルムまたはシートを得ることが困難となるおそれがある。
本発明において、環状オレフィン系付加重合体は、フェノール系、ヒドロキノン系、リン系、チオエーテル系、ラクトン系から選ばれた酸化防止剤を、付加重合体100重量部当たり、0.01〜5重量部添加して、さらに耐熱劣化性を改良することができる。
フェノール系、ヒドロキノン系酸化防止剤としては、たとえば、
2,2’-メチレンビス(4−エチル−6−t-ブチルフェノール)、
2,5−ジ-t-ブチルヒドロキノン、
ペンタエリスリチルテトキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)など;
リン系酸化防止剤としては、例えば、
トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、
トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどを挙げることができる。
<成形>
本発明に係る環状オレフィン系付加(共)重合体もしくは該重合体を含む組成物は、特に限定されることなく任意の方法で成形することができるが、熱履歴による重合体の劣化を抑制できる点で、本発明の重合体もしくは該重合体を含む組成物を溶媒に溶解させて支持体に塗工し、しかる後、溶媒を乾燥させる溶液流延法(キャスト法)により成形するのが好ましく、これによりフィルム、シートおよび薄膜が好適に得られる。
溶液流延法に用いられる溶媒は、付加重合体を溶解させる溶媒である必要がある。本発明に係る付加重合体の多くは、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素溶媒や、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレンなどの芳香族炭化水素溶媒に溶解する。本発明の環状オレフィン系付加重合体は、一般に脂環族炭化水素溶媒に対して溶解性は優れるが、脂環族炭化水素溶媒を溶液流延法に用いると、膜厚によっては、乾燥時にフィルムまたはシートから残留溶媒が除去できない場合がある。このため、溶液流延法の溶媒としては、比較的沸点の低いトルエン、キシレン、エチルベンゼンなどから選ばれた芳香族炭化水素溶媒を主成分とした溶媒が好ましく用いられる。
<用途>
本発明の製造方法により得られた環状オレフィン系付加重合体は、光学材料部品をはじめ、電子・電気部品、医療用器材、電気絶縁材料あるいは包装材料などに使用することができる。
光学材料としては、導光板、保護フィルム、偏向フィルム、位相差フィルム、タッチパネル、ITO透明電極基板、導電性ポリマーでコートされた透明導電フィルム、CD、MD、DVDなどの光学記録基板、TFT用基板、カラーフィルター基板、カラーフィルターなどの基板の保護コーティング剤などや光学レンズ類、封止材などに用いることができる。
電子・電気部品としては、容器、トレイ、キャリアテープ、セパレーション・フィルム
、洗浄容器、パイプ、チューブなどに用いることができる。医療用器材としては、薬品容器、アンプル、シリンジ、輸液用バック、サンプル容器、試験管、採血管、滅菌容器、パイプ、チューブなどに用いることができる。
電気絶縁材料としては、電線・ケーブルの被覆材料、コンピューター、プリンター、複写機などのOA機器の絶縁材料、プリント基板の絶縁材料などに用いることができる。
包装材料としては、食品や医薬品等のパッケージフィルムなどに用いることができる。
実施例
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限を受けるものではない。
なお、分子量、ガラス転移温度、共重合体の組成および透明性は下記の方法で求めた。(1)分子量
ウォーターズ(WATERS)社製150C型ゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)装置で東ソー(株)製Hタイプカラムを用い,o−ジクロロベンゼンを溶媒として120℃で測定した。得られた分子量は標準ポリスチレン換算値である。
(2)ガラス転移温度
ガラス転移温度は動的粘弾性で測定されるTanδ(貯蔵弾性率E’と損失弾性率E”との比Tanδ=E”/E’)の温度分散のピーク温度で測定した。動的粘弾性の測定はレオバイブロンDDV−01FP(オリエンテック製)を用い、測定周波数が10Hz、昇温速度が4℃/分、加振モードが単一波形、加振振幅が2.5μmのものを用いてTanδのピーク温度を測定した。
(3)共重合体中の組成解析
重合後の重合体溶液の一部を採取し、標準物質としてテトラリンを添加し、過剰のイソプロパノールで重合体を凝固した。その上澄み溶液をガスクロマトグラム(島津製作所製GC−14B)装置、キャピラリーカラム(膜厚1μm、内径0.25mm、長さ60m、カラム温度200℃)を使用することにより、検量線から残留単量体量を分析した。残留単量体量と仕込み単量体量から生成した共重合体の組成を求めた。
(4)透明性(光線透過率、ヘイズ)
重合体を溶液流延法により、膜厚が約100μmのフィルムに成形してサンプルとし、光線透過率は、可視UVスペクトロメーターHITATI U−2010 Spectrophotometer
を用いて、550nmの光線透過率をASTM−D1003に従い測定した。また、ヘイズは、ビックケミージャパン製「Haze−gard plus BKY Gardner」を用いて、JI
S規格K7105−1981に準じて求めた。
(5)フィルムまたはシートの破断強度、破断伸び
JIS規格K7113に準じて、試験片を引っ張り速度3mm/min.で測定した。
100mlのガラス製耐圧ビンに、窒素雰囲気下で、水分10ppmのトルエンを47m
l、単量体の5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを30mmol、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを60mmol、および、分子量調節剤のシクロペンテンを0.5mmol仕込み、耐圧ビンの口を穴あき王冠付きゴムキャップで封止した。
次に、ゴムキャップを通じて触媒成分(a)の2−エチルヘキサン酸ニッケルを0.025mmol、および触媒成分(b)のトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート〔Ph3C・B(C654〕0.05mmolを仕込んで、最後に触媒成分(c)のトリエチルアルミニウムを0.125mmol添加して、付加重合を30℃で開始した。
重合開始1時間後および3時間後に、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンをそれぞれ5mmol添加して、重合を6時間行った。重合結果を表1に示す。生成した付加共重合体の5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンに由来する構造単位の割合は、ほぼ30モル%であった。
次いで、得られた共重合体を、固形分20重量%のトルエン溶液に調製し、溶液流延法により製膜し、その後、180℃、90分乾燥して、100μmのフィルムを製造し、このフィルムを用いて透明性(光線透過率、ヘイズ)を測定した。結果を表1に示す。
[実施例2、3]
実施例1において、分子量調節剤のシクロペンテンの量を、表1に示す量としたことのほかは、実施例1と同様にして付加重合を行った。重合結果を表1に示す。実施例2,3で生成した付加共重合体の5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンに由来する構造単位の割合は、いずれもほぼ30モル%であった。
次いで、得られた共重合体から実施例1と同様にフィルムを製造し、透明性(光線透過率、ヘイズ)を測定した。結果を表1に示す。実施例2で得られた付加共重合体のフィルムの破断強度は37MPa、破断伸びは4.7%であった。
実施例2において、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン30mmolの代わりに、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エンを30mmol用いる以
外、実施例2と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例4で得られた100μmのフィルムは、実施例2で得られた付加共重合体のフィルムより、靱性のあるものであった。また、このフィルムの破断強度は57MPa、破断伸びは5.7%であった。
実施例2において、単量体としてビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン95mmolおよび9−トリエトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン5mmolを用い、
触媒成分(a)として、2−エチルヘキサン酸ニッケルをニッケル原子1グラム原子当たり、六フッ化アンチモン酸1モルで変性した2−エチルヘキサン酸ニッケル0.025mmolを用い、
触媒成分(b)として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート〔Ph3C・B(C664〕の代わりに、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン〔B(C6F)3〕0.05mmolを用いたこと以外、実施例2と同様に行った。付加重合体中の9−トリエトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン由来の構造単位の割合は4.8モル%であった。
次いで、溶液流延法によるフィルム作製に際し、付加重合溶液に付加重合体100重量当たり、1.0重量部の熱酸発生剤であるp−トルエンスルフォン酸シクロヘキシル、酸化防止剤としてペンタエリスリチルテトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート〕およびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトをそれぞれ0.6重量部添加して、溶液流延法でポリエステルフィルム上で製膜し、さらに180℃で2時間乾燥して、さらに180℃、60分過熱スチームに曝し、架橋された100μmのフィルムを得た。このフィルムはトルエン、シクロヘキサン、ジメチルスルフォキシド、N−メチルピロリドンなどの溶媒に不溶であった。結果を表1に示す。
実施例2において、分子量調節剤としてシクロペンテンの代わりに、3−メチルシクロペンテン1.0mmolを用いたこと以外、実施例2と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例2において、分子量調節剤としてシクロペンテンの代わりに、4−メチルシクロペンテン1.0mmolを用いたこと以外、実施例2と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例2において、触媒成分(a)として、2−エチルヘキサン酸ニッケルを用いる代わりに、2−エチルヘキサン酸コバルト0.025mmolを用いたこと以外、実施例2と同様に行った。結果を表1に示す。
100mlのガラス製耐圧ビンに、窒素雰囲気下で、水分20ppmのトルエン20ml
、シクロヘキサン30ml、単量体として、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン65mmol、および、4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−8−エン−4−カルボン酸t−ブチル 10mmolを用い、分子量調節剤としてシクロペンテン0
.7mmol、触媒成分(a)として2−エチルヘキサン酸ニッケル0.025mmolおよび触媒成分(b)としてトリフェニルホスフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミナート、〔Ph3C・Al(C654〕0.05mmolを仕込み、さらに触媒成分(c)としてメチルアルモキサンを1.25mmolを添加して王冠付きゴムキャップで封止した。
耐圧ビンを30℃に加温して重合を開始して、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを、重合開始後60分毎に5ミリモルづつ、5回添加して、6時間重合した。単量体の共重合体への転化率は89%であった。共重合体は共重合体溶液をイソプロパノールで凝固・分離後、さらに乾燥して回収した。
得られた付加共重合体中の4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−8−エン−4−カルボン酸t−ブチル由来の構造単位の割合は7.0mol%であった
。また、付加共重合体の数平均分子量は48,000、重量平均分子量は154,000であった。
この付加共重合体をメチルシクロヘキサンの20重量%溶液とし、溶液流延法により、付加重合体の100μmのフィルムを得た。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、分子量調節剤であるシクロペンテンを用いなかったこと以外、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。得られた付加共重合体は重量平均分子量が高く、平坦なフィルムを得ることが困難であった。
比較例2
実施例2において、分子量調節剤としてシクロペンテン1mmolの代わりに、ヘキサ−1−エン1mmolを用いたこと以外、実施例2と同様に行った。結果を表1に示す。得られたフィルムは、全光線透過率の低下は少ないが、ヘイズ値がやや劣るものであった。
比較例3
実施例3において、分子量調節剤としてシクロペンテン10mmolの代わりに、シクロペンタン10mmolを用いたこと以外、実施例3と同様に行った。結果を表1に示す。シクロペンタンには分子量調節剤としての効果が見られず、得られた付加共重合体は重量平均分子量が高く、平坦なフィルムを得ることが困難であった。
比較例4
実施例3において、分子量調節剤としてシクロペンテン10mmolの代わりに、シクロヘキセン10mmolを用いたこと以外、実施例3と同様に行った。結果を表1に示す。シクロヘキセンには分子量調節剤としての効果が見られず、得られた付加共重合体は重量平均分子量が高く、平坦なフィルムを得ることが困難であった。
比較例5
実施例8において、分子量調節剤であるシクロペンテンを用いなかったこと以外、実施例8と同様に行った。結果を表1に示す。得られた付加共重合体は重量平均分子量が高く、平坦なフィルムを得ることが困難であった。
Figure 2007002082
本発明の方法により得られる環状オレフィン系付加重合体は、光学材料をはじめ、電子・電気部品、医療用器材、電気絶縁材料、包装材料にも使用することができる。
光学材料としては、例えば、TFT基板材料、導光板、保護フィルム、偏向フィルム、位相差フィルム、タッチパネル、透明電極基板、近赤外フィルム、CD、MD、DVDなどの光学記録基板などや光学レンズ類、封止材などに用いられる。
電子・電気部品としては、例えば、液晶表示素子、容器、トレイ、キャリアテープ、セパレーション・フィルム、洗浄容器、パイプ、チューブ、などに用いられる。
医療用器材としては、例えば、薬品容器、アンプル、シリンジ、輸液用バック、サンプル容器、試験管、採血管、滅菌容器、パイプ、チューブなどに用いられる。
電気絶縁材料としては、例えば、電線・ケーブルの被覆材料、コンプーター、プリンター、複写機などのOA機器の絶縁材料、プリント基板の絶縁材料などに用いられる。

Claims (7)

  1. (a)ニッケル化合物またはコバルト化合物、並びに
    (b)ルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性のホウ素化合物およびイオン性のアルミニウム化合物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物を含む触媒と、
    シクロペンテン、アルキル置換シクロペンテン、シクロアルキル置換シクロペンテンおよびアリール置換シクロペンテンよりなる群から選ばれたシクロペンテン環を有する化合物との存在下に
    少なくとも1種の下記式(1)で表される環状オレフィン系化合物からなる単量体を付加重合する
    ことを特徴とする環状オレフィン系付加重合体の製造方法;
    Figure 2007002082
    (式(1)中、A1〜A4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルキレン基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、トリアルキルシリル基よりなる群から選ばれる原子または基、または、加水分解性のシリル基、オキセタニル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、トリアルキルシロキシカルボニル基から選ばれる極性を有する基である。また、A1とA2またはA1とA3とそれぞれが結合する炭素原子と脂環構造、芳香環構造、カルボンイミド基または酸無水物基を形成していてもよい。mは0または1である。)。
  2. 触媒成分(a)が、ニッケルの有機カルボン酸塩、超強酸で変性されたニッケルの有機カルボン酸塩、および、ニッケルのベータジケトン化合物よりなる群から選ばれた化合物であることを特徴とする請求項1に記載の環状オレフィン系付加重合体の製造方法。
  3. 触媒成分(b)が、カルベニウムカチオンまたはホスホニウムカチオンを有するイオン性ホウ素化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の環状オレフィン系付加重合体の製造方法。
  4. 触媒成分としてさらに、(c)有機アルミニウム化合物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の環状オレフィン系付加重合体の製造方法。
  5. シクロペンテン環を有する化合物が、シクロペンテン、アルキル基の炭素数が1〜3である3−アルキルシクロペンテンおよび4−アルキルシクロペンテンよりなる群から選ばれた化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の環状オレフィン系付加重合体の製造方法。
  6. 単量体が、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、アルキル基の炭素数が3〜10の5−アルキルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、endo−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エンおよびendo−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8
    −ジエンよりなる群から選ばれた1種以上の化合物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の環状オレフィン系付加重合体の製造方法。
  7. 単量体が、加水分解性のシリル基、オキセタニル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、トリアルキルシロキシカルボニル基、酸無水物基、およびカルボンイミド基よりなる群から選ばれた極性基を有する式(1)で表される環状オレフィン系化合物を、全単量体中0.5〜20モル%含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の環状オレフィン系付加重合体の製造方法。
JP2005183184A 2005-06-23 2005-06-23 環状オレフィン系付加重合体の製造方法 Pending JP2007002082A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005183184A JP2007002082A (ja) 2005-06-23 2005-06-23 環状オレフィン系付加重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005183184A JP2007002082A (ja) 2005-06-23 2005-06-23 環状オレフィン系付加重合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007002082A true JP2007002082A (ja) 2007-01-11

Family

ID=37687982

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005183184A Pending JP2007002082A (ja) 2005-06-23 2005-06-23 環状オレフィン系付加重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007002082A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002527543A (ja) * 1998-10-14 2002-08-27 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー オレフィンの重合
JP2003048998A (ja) * 2001-05-30 2003-02-21 Jsr Corp 液晶配向膜形成基板および液晶表示素子
JP3476466B2 (ja) * 1993-11-16 2003-12-10 ザ ビー.エフ.グッドリッチ カンパニー ノルボルネン官能性モノマーから誘導される付加ポリマーおよびそのためのプロセス
JP2005511833A (ja) * 2001-12-12 2005-04-28 住友ベークライト株式会社 高分子組成物およびその使用
JP2005126514A (ja) * 2003-10-22 2005-05-19 Jsr Corp 環状オレフィン系付加共重合体、該共重合体の架橋物、該共重合体の製造方法、架橋用組成物および用途
JP2006518779A (ja) * 2003-02-21 2006-08-17 プロメラス, エルエルシー 非オレフィン系連鎖移動剤で製造されたビニル付加多環式オレフィンポリマーおよびそれらの使用

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3476466B2 (ja) * 1993-11-16 2003-12-10 ザ ビー.エフ.グッドリッチ カンパニー ノルボルネン官能性モノマーから誘導される付加ポリマーおよびそのためのプロセス
JP2002527543A (ja) * 1998-10-14 2002-08-27 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー オレフィンの重合
JP2003048998A (ja) * 2001-05-30 2003-02-21 Jsr Corp 液晶配向膜形成基板および液晶表示素子
JP2005511833A (ja) * 2001-12-12 2005-04-28 住友ベークライト株式会社 高分子組成物およびその使用
JP2006518779A (ja) * 2003-02-21 2006-08-17 プロメラス, エルエルシー 非オレフィン系連鎖移動剤で製造されたビニル付加多環式オレフィンポリマーおよびそれらの使用
JP2005126514A (ja) * 2003-10-22 2005-05-19 Jsr Corp 環状オレフィン系付加共重合体、該共重合体の架橋物、該共重合体の製造方法、架橋用組成物および用途

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7268196B2 (en) Process for producing cycloolefin addition polymer
JP4075789B2 (ja) 環状オレフィン系付加重合体の製造方法
JPWO2006067950A1 (ja) 環状オレフィン系付加共重合体の製造方法、環状オレフィン系付加共重合体およびその用途
JP4186213B2 (ja) 環状オレフィン系共重合体、その製造方法、その架橋性組成物および架橋体
JP3969115B2 (ja) 環状オレフィン系(共)重合体、その組成物、およびそれらの架橋体
JP4826242B2 (ja) 環状オレフィン系付加重合体の製造方法
JP2007084764A (ja) コーティング材およびその製造方法
JP4752211B2 (ja) 環状オレフィン系付加共重合体の製造方法、環状オレフィン系付加共重合体およびその用途
JP4487532B2 (ja) 環状オレフィン系付加共重合体、該共重合体の架橋物、該共重合体の製造方法、架橋用組成物および用途
JP4400232B2 (ja) 環状オレフィン系付加重合体の製造方法
JP5017793B2 (ja) 環状オレフィン系付加重合体の製造方法
JP2008231361A (ja) 環状オレフィン系付加共重合体、その製造方法およびその用途
JP5167581B2 (ja) 光学基板およびその製造方法
JP2007002082A (ja) 環状オレフィン系付加重合体の製造方法
JP4678367B2 (ja) 環状オレフィン系(共)重合体からなるフィルム、環状オレフィン系(共)重合体組成物からなるフィルム、および環状オレフィン系(共)重合体の架橋体フィルム
JP2006321912A (ja) 環状オレフィン系付加重合体の製造方法
JP2004074662A (ja) 環状オレフィン系付加重合体フィルムまたはシートの製造方法、およびフィルムまたはシート
JP2007009044A (ja) 環状オレフィン付加重合体の製造方法および環状オレフィン付加重合体
JP2008045069A (ja) 環状オレフィン系付加共重合体およびその製造方法ならびに用途
JP2008013709A (ja) 環状オレフィン系付加共重合体およびその製造方法ならびに用途
JP5240139B2 (ja) 環状オレフィン系付加共重合体、該共重合体の架橋物、架橋用組成物および用途
JP2007332256A (ja) 環状オレフィン系付加共重合体の製造方法、環状オレフィン系付加共重合体ならびにその用途
JP2007197603A (ja) ノルボルネン系付加共重合体、付加共重合体の製造方法およびその用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20080410

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100813

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100817

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101013

A02 Decision of refusal

Effective date: 20101102

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02