JP2006342980A - ヒートポンプ給湯機 - Google Patents

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Masahiro Ohama
昌宏 尾浜
Takeji Watanabe
竹司 渡辺
Yoshitsugu Nishiyama
吉継 西山
Tatsumura Mo
立群 毛
Kazuhiko Marumoto
一彦 丸本
Tetsuei Kuramoto
哲英 倉本
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Abstract

【課題】本発明は、ヒートポンプを熱源とする給湯機に関するもので、湯切れの可能性を少なくし、利便性と効率の向上を図ったヒートポンプ給湯機を提供する。
【解決手段】圧縮機11と放熱器12と減圧手段13と送風手段15を備えた蒸発器14とを含む冷媒回路10と、放熱器12と熱交換を行う水流路17を備えた熱交換器16と、貯湯槽21と、給水管18と、熱交換器16からの水と貯湯槽21からの水と給水管18からの水を混合して給湯するヒートポンプ給湯機であって、冷媒回路10で加熱された熱交換器16からの湯を給湯利用する場合に、圧縮機11の圧縮比が所定の圧縮比以下にならないように圧縮機11の圧縮比を制御する制御手段42を備えた構成としているため、圧縮機11の圧縮比を所定の圧縮比以下にならないようにするので、湯切れの防止と運転効率の向上を図ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明はヒートポンプ給湯機に関するものである。
ヒートポンプ給湯機用の密閉型圧縮機としては、ロータリ式やスクロール式のものがあり、いずれの方式も家庭用、業務用の給湯機分野で使用されている。その中でも、スクロール圧縮機は、低騒音、低振動にすぐれ、また、運転効率もよい。このスクロール圧縮機は、一般に、固定スクロール部品の渦巻きラップと旋回スクロール部品の渦巻きラップとを噛み合わせて圧縮室を形成し、旋回スクロール部品を自転拘束機構による自転の拘束のもとに円軌道に沿って旋回させたとき圧縮室が容積を変えながら移動することで吸入、圧縮、吐出を行う。このとき、旋回スクロール部品は、吸入から吐出までの圧縮による圧力上昇の過程で、固定スクロールから引き離される力が働く。従来、この種のスクロール圧縮機として、旋回スクロール部品の背面に、所定圧を印加して、旋回スクロール部品が固定スクロール部品から離れて転覆しないようにしているものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−328966号公報
しかしながら、前記構成のスクロール圧縮機を用いたヒートポンプ給湯機では、次のような課題を有していた。旋回スクロール部品が固定スクロール部品から離れて転覆しないように旋回スクロール部品の背面に、所定圧を印加しているが、この印加している圧力は圧縮機の吐出圧力(高圧圧力)と吸入圧力(低圧圧力)とに関係する。吐出圧力に対する吸入圧力の比である圧縮比が大きい方が、固定スクロールから引き離される力にうち勝って、旋回スクロール部品を固定スクロール側に押さえる力が大きくなる。逆に言えば、圧縮比が小さければ、この押さえる力は小さくなり、ある限界の圧縮比よりも小さくなると、ついには旋回スクロール部品が固定スクロール部品から離れて転覆することになる。
ヒートポンプ給湯機の場合、転覆しやすい条件としては、高圧圧力である吐出圧力が低くなるか、低圧圧力である吸入圧力が高くなるか、この両方の条件が重なる場合である。具体的には、吐出圧力が低くなる場合としては、加熱される水温が低い場合や圧縮機の能力が小さい場合や加熱された後の湯温が低い場合などである。また、吸入圧力が高くなる場合としては、外気温度が高い場合や圧縮機の能力が小さい場合などである。
ところで、このようなスクロール圧縮機を用いたヒートポンプ給湯機では、通常の運転では、転覆が起こらないように仕様を決定するが、圧縮機に要求される条件は、空調用で使用する場合よりも運転範囲の条件が広いため、時としては圧縮比が限界の圧縮比よりも小さくなり、転覆して急激な性能低下をきたし、湯切れするという課題や運転効率が悪くなるという課題があった。
本発明は上記課題を解決するもので、圧縮機の圧縮比が所定の圧縮比以下にならないように圧縮機の圧縮比を制御する制御手段を備えた構成とすることによって、湯切れの可能性を少なくして快適性と利便性の向上を図り、かつ、運転効率向上を図ったヒートポンプ給湯機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のヒートポンプ給湯機は、圧縮機と放熱器と減圧手段と送風手段を備えた蒸発器とを含む冷媒回路と、前記放熱器と熱交換を行う水流路を備えた熱交換器と、貯湯槽と、給水管と、前記熱交換器からの水と前記貯湯槽からの水と前記給水管からの水を混合して給湯するヒートポンプ給湯機であって、前記冷媒回路で加熱された前記熱交換器からの湯を給湯利用する場合に、前記圧縮機の圧縮比が所定の圧縮比以下にならないように圧縮機の圧縮比を制御する制御手段を備えたものである。
これによって、圧縮機の圧縮比を制御することによって、圧縮機の圧縮比を所定の圧縮比以下にならないようにするので、湯切れを防止することができ、かつ運転効率を向上させることができる。
本発明のヒートポンプ給湯機は、圧縮機の圧縮比が所定の圧縮比以下にならないように圧縮機の圧縮比を制御することによって、湯切れの可能性を少なくして快適性と利便性の向上を図り、かつ、運転効率の向上を図ることができる。
本発明は各請求項に記載の形態で実施できるものであり、第1の発明は、圧縮機と放熱器と減圧手段と送風手段を備えた蒸発器とを含む冷媒回路と、前記放熱器と熱交換を行う水流路を備えた熱交換器と、貯湯槽と、給水管と、前記熱交換器からの水と前記貯湯槽からの水と前記給水管からの水を混合して給湯するヒートポンプ給湯機であって、前記冷媒回路で加熱された前記熱交換器からの湯を給湯利用する場合に、前記圧縮機の圧縮比が所定の圧縮比以下にならないように圧縮機の圧縮比を制御する制御手段を備えた構成としているため、圧縮機の圧縮比を所定の圧縮比以下にならないようにするので、湯切れの防止と運転効率の向上を図ることができる。
第2の発明は、外気温度を検出する外気温度検出手段を設け、前記外気温度検出手段から得られた外気温度が高いほど、熱交換器出口の温水の設定温度を高くするように制御する制御手段を備えた構成としているため、外気温度が高い場合にも熱交換器で加熱された水の温度を調節して圧縮機の圧縮比を所定の圧縮比以下にならないようにするので、湯切れの防止と運転効率の向上を図ることができる。
第3の発明は、熱交換器入口の水温を検出する入水温度検出手段を設け、前記入水温度検出手段から得られた入水温度が低いほど、熱交換器出口の温水の設定温度を高くするように制御する制御手段を備えた構成としているため、入水温度が低い場合にも熱交換器で加熱された水の温度を調節して圧縮機の圧縮比を所定の圧縮比以下にならないようにするので、湯切れの防止と運転効率の向上を図ることができる。
第4の発明は、外気温度を検出する外気温度検出手段を設け、前記外気温度検出手段から得られた外気温度が高いほど、圧縮機の回転数を大きくして能力を増加させることによって圧縮比が大きくなるように制御する制御手段を備えた構成としているため、外気温度が高い場合にも圧縮機の能力を調節して圧縮機の圧縮比を所定の圧縮比以下にならないようにするので、運転効率が向上し、さらに、湯切れの防止にもなる。
第5の発明は、熱交換器入口の水温を検出する入水温度検出手段を設け、前記入水温度検出手段から得られた入水温度が低いほど、圧縮機の回転数を大きくして能力を増加させることによって圧縮比が大きくなるように制御する制御手段を備えた構成としているため、入水温度が低い場合にも圧縮機の能力を調節して圧縮機の圧縮比を所定の圧縮比以下にならないようにするので、湯切れの防止と運転効率の向上になる。
第6の発明は、外気温度を検出する外気温度検出手段を設け、前記外気温度検出手段から得られた外気温度が高くなれば、蒸発器に備えられた送風手段の風量を小さくすることによって圧縮比が大きくなるように制御する制御手段を備えた構成としているため、外気温度が高い場合にも蒸発器の風量を調節して圧縮機の圧縮比を所定の圧縮比以下にならないようにするので、運転効率が向上し、さらに、湯切れの防止にもなる。
第7の発明は、熱交換器入口の水温を検出する入水温度検出手段を設け、前記入水温度検出手段から得られた入水温度が低いほど、蒸発器に備えられた送風手段の風量を小さくすることによって圧縮比が大きくなるように制御する制御手段を備えた構成としているため、入水温度が低い場合にも蒸発器の風量を調節して圧縮機の圧縮比を所定の圧縮比以下にならないようにするので、湯切れの防止と運転効率の向上になる。
第8の発明は、外気温度を検出する外気温度検出手段を設け、前記外気温度検出手段から得られた外気温度が高いほど、減圧手段の開度が小さくなるように前記減圧手段を制御する制御手段を備えた構成としているため、外気温度が高い場合にも減圧手段の開度を調節して圧縮機の圧縮比を所定の圧縮比以下にならないようにするので、湯切れの防止と運転効率の向上になる。
第9の発明は、熱交換器入口の水温を検出する入水温度検出手段を設け、前記入水温度検出手段から得られた入水温度が低いほど減圧手段の開度が小さくなるように前記減圧手段を制御する制御手段を備えた構成としているため、入水温度が低い場合にも減圧手段の開度を調節して圧縮機の圧縮比を所定の圧縮比以下にならないようにするので、湯切れの防止と効率の向上になる。
第10の発明は、圧縮機と放熱器と減圧手段と送風手段を備えた蒸発器とを含む冷媒回路と、前記放熱器と熱交換を行う水流路を備えた熱交換器と、貯湯槽と、給水管と、前記熱交換器からの水と前記貯湯槽からの水と前記給水管からの水を混合して給湯するヒートポンプ給湯機であって、外気温度を検出する外気温度検出手段と前記熱交換器の水側入口水温を検出する入水温度検出手段とを設け、前記外気温度検出手段から得られた外気温度と前記入水温度検出手段から得られた入水温度とに応じて、前記熱交換器からの湯を直接給湯管に通して給湯を行う運転から貯湯槽に貯湯する運転に切り換える制御手段を備えた構成としているため、外気温度と入水温度とに応じて運転モードを切り換えるので、湯切れの防止と運転効率の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の構成図を示すものである。
図1において、冷媒回路10は、圧縮機11、放熱器12、減圧手段13、蒸発器14を順次接続して閉回路をなしている。この冷媒回路10は、例えば炭酸ガスを冷媒として使用し、高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧以上となる超臨界冷媒循環回路を使用している。また、前記蒸発器14は送風手段15を備えている。そして圧縮機11は、内蔵する電動モータ(図示しない)によって駆動され、吸引した冷媒を臨界圧力まで圧縮して吐出する。また、熱交換器16には放熱器12と熱交換を行う水流路17により構成される。この水流路17に水道水を直接供給する給水管18と、給湯水流路17から出湯される湯を第1混合手段19に通水する出湯管20が接続されている。
なお、熱交換器16は、放熱器12の流れ方向と水流路17の流れ方向を対向流とし、各流路間を熱移動が容易になるように密着して構成している。この構成により放熱器12と水流路17の伝熱が均一化し、熱交換効率がよくなる。また、高温の出湯も可能になる。
貯湯槽21は、底部に給水管18から分岐した入口管22が接続され、給湯時に水道水が貯湯槽21底部に流入するように構成されている。また、貯湯槽21上部には貯湯槽21から出湯される湯を第1混合手段19に通水する出口管23が接続されている。さらに、貯湯槽21底部には貯湯槽21の水を熱交換器16に通水するための入水管24が接続されており、この入水管24には、貯湯槽21の水を給湯熱交換器16に送るための循環ポンプ25が備えられている。また、貯湯槽21上部に給湯熱交換器16で加熱された温水を供給する上部出湯管26が接続されている。また、給湯放熱器12と熱交換を行う給湯水流路17の出口側には給湯水流路17の出口水温を検出する出湯温度検出手段27が備えられている。
なお、貯湯槽21の水を給湯熱交換器16に循環して加熱する際は、圧縮機11とポンプ25を駆動することにより、入水管24より給湯熱交換器16に流れた水は、給湯水流路17内で加熱されて出湯管20、出湯分岐管28上部出湯管26を経て貯湯槽21上部に戻る循環回路が構成される。また、出湯分岐管28には貯湯槽21の湯が出湯管20に流れないように逆止弁29を設けてある。
第1混合手段19は給湯熱交換器16からの水と貯湯槽21からの水を混合して混合出湯管30に出湯するもので、モーター(図示せず)駆動により混合割合を任意に設定できる。また、第2混合手段31は混合出湯管30からの湯と、給水管18から分岐した給水バイパス管32からの水道水を混合して給湯管33に出湯するもので、モーター(図示せず)駆動により混合割合を任意に設定できる。給湯管33は、シャワー(図示せず)や蛇口34等より成る給湯端末35に接続され、その途中に給湯管を流れる流量を検出する給湯流量検知手段36を設けている。
また、外気温度を検出する外気温度検出手段37と給水管18に給湯流量を制御する流量制御装置38を設ける。さらに、圧縮機11の吐出圧力検出する吐出圧力検出手段39と吸入圧力を検出する吸入圧力検出手段40からの信号によって、圧縮機11の圧縮比を演算する演算手段41の演算結果を基に、制御手段42は圧縮機11の圧縮比を制御する。また、第1混合温度検出手段43と第2混合温度検出手段44とは、それぞれ、第1混合手段19、第2混合手段31での混合後の水温を検出するものである。
以上のように構成されたヒートポンプ給湯機について、以下にその動作、作用を説明する。図1において、先ず、貯湯槽21に所定の温度の湯を貯める運転モードである貯湯運転について説明する。この場合、圧縮機11から吐出された臨界圧力以上の高温高圧の冷媒が放熱器12に流入し、ここで貯湯槽21の下部から循環ポンプ25によって送られてきた水と熱交換し放熱した後、減圧手段13で減圧し、さらに、蒸発器14で大気から熱を吸熱し、ガス化して圧縮機11に戻る。この時、放熱器12に流入する高温冷媒で熱交換器16の出口水温(出湯温度)が所定温度となるように循環ポンプ25の回転数を制御し、所定の温度の湯が上部出湯管26を通って、貯湯槽21の上部から流入し貯湯される。
次に、同時出湯運転について説明する。この運転モードはヒートポンプで加熱した給水管18から送られてきた湯と貯湯槽21の上部から送られてきた湯を混合して給湯に使用する運転である。すなわち、蛇口34等の給湯端末35が開かれ給湯負荷が生じると、圧縮機11から吐出された高温高圧の冷媒が放熱器12に流入し、ここで給水管18から送られてきた水と熱交換し放熱した後、減圧手段13で減圧し、さらに、蒸発器14で大気から熱を吸熱し、ガス化して圧縮機11に戻る。この時、放熱器12と熱交換して水流路17から出た湯は第1混合手段19の出湯管20側の流入口に流入し、また、貯湯槽21の上部の湯が第1混合手段19の出口管23側の流入口に流入する。このとき第1混合温度検出手段43の温度が第1の所定の混合温度になるように第1混合手段19の混合比率を調整する。そして、この2つの湯が混合して、第2混合手段31の混合出湯管30側の流入口に流入し、また、給水管18から送られてきた水は第2混合手段31のバイパス管32側の流入口に流入する。このとき第2混合温度検出手段44の温度が第2の所定の混合温度になるように第2混合手段31の混合比率を調整する。なお、この第2の所定の混合温度が給湯温度となる。
次に、ヒートポンプ単独直接出湯運転について説明する。この運転モードはヒートポンプで加熱した給水管18から送られてきた湯を給湯に使用する運転である。すなわち、蛇口34等の給湯端末35が開かれ給湯負荷が生じと、第1混合手段19の出口管23側を全閉、出湯管20側を全開状態にする。そして、圧縮機11から吐出された高温高圧の冷媒が放熱器12に流入し、ここで給水管18から送られてきた水と熱交換し放熱した後、減圧手段13で減圧し、さらに、蒸発器14で大気から熱を吸熱し、ガス化して圧縮機11に戻る。この時、放熱器12と熱交換して水流路17から出た湯は第1混合手段19の出湯管20側の流入口に流入する。このとき第1混合手段19は出湯管20側に全開となっているので貯湯槽21とは混合せずに、第2混合手段31の混合出湯管30側の流入口に流入し、また、給水管18から送られてきた水は第2混合手段31のバイパス管32側の流入口に流入する。このとき第2混合温度検出手段44の温度が第2の所定の混合温度になるように第2混合手段31の混合比率を調整する。なお、この第2の所定の混合温度が給湯温度となる。
次に、転覆防止運転について説明する。上述貯湯運転モードの場合は、貯湯槽21の下部から循環ポンプ25によって送られてきた水が加熱された後の温度(出湯温度検出手段27が検出する温度で出湯温度)は、通常、65〜90℃程度である。また、同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転の場合は、給水管18から送られてきた水が加熱された後の温度(熱交換器16の水側出口温度で出湯温度)は、通常、38〜45℃程度である。ところで、従来例のところで説明したように、吐出圧力を決定する一つの要因として、熱交換器16の水側出口温度(出湯温度)があり、水側出口温度(出湯温度)が低い方が低くなる。また、吸入圧力を決定する一つの要因として、外気温度があり、高い方が高くなる。従って、圧縮機11の圧縮比(吐出圧力に対する吸入圧力の比)は、貯湯運転の場合よりも同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転の場合の方が小さくなる傾向にある。そこで、同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転の場合に定期的に、演算手段41は、吐出圧力検出手段39と吸入圧力検出手段40から得た吐出圧力と吸入圧力とから圧縮機11の圧縮比を演算する。
その結果、圧縮機11が転覆する可能性がある限界の圧縮比よりも小さければ、制御手段42は、熱交換器16の水側出口温度(出湯温度)を大きくするために、流量制御装置38を制御する。すなわち、流量制御装置38の絞りを大きくして熱交換器16の水流路17を流れる流量を少なくすれば、熱交換器16の水側出口温度(出湯温度)は上昇し、それにつれて、圧縮機11の吐出圧力も上昇するので、圧縮比は大きくなる。そして、圧縮機11の圧縮比が限界の圧縮比よりも大きくなるまで、このような制御を繰り返す。また演算の結果、限界の圧縮比よりも大きければ、制御手段42はそのままの運転状態を続ける。
このように、圧縮機の圧縮比を制御する制御手段を備えた構成としているため、圧縮機の圧縮比を所定の圧縮比(転覆の可能性がある限界の圧縮比)以下にならないようにするので、圧縮機が転覆することがなく、湯切れの防止と運転効率の向上を図ることができる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の構成図を示すものであり、図3は同実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の外気温度に対する圧縮比特性を示す説明図である。本実施の形態において、実施の形態1と異なる点は、吐出圧力検出手段39と吸入圧力検出手段40からの信号によって圧縮機11の圧縮比を演算する演算手段41を設ける代わりに、圧縮機11の外気温度に対する圧縮比を記憶した記憶手段45を設けた構成としていることである。なお、実施の形態1と同符号の部分は同一構成を有し、説明は省略する。
次に動作、作用について説明する。同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行った場合について、熱交換器16の水側出口温度(出湯温度)をパラメータとして、外気温度に対する圧縮機11の圧縮比の特性を予め求めておく。図3がこの特性であり、横軸に外気温度をとり、縦軸に圧縮機11の圧縮比をとって、出湯温度をパラメータとして、外気温度の変化に対する圧縮比の変化特性を示したものである。なお、同図の一点鎖線は圧縮機11が転覆する可能性がある限界の圧縮比である。そして、この外気温度に対する圧縮比特性を記憶手段45に記憶させておく。
同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う場合、制御手段42は外気温度検出手段37からの信号で外気温度を検出(例えば、図3のTa)する。外気温度Taの場合、出湯温度が41℃以下では転覆の可能性があり、42℃以上では転覆しない。そこで、制御手段42は出湯温度の設定温度を42℃以上の出湯温度に設定し、同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う。この場合、図3からわかるように、外気温度が高いほど出湯温度を高くなるように設定すればよい。
このように、外気温度に対して出湯温度の設定値を決定することによって圧縮機の圧縮比を制御する制御手段を備えた構成としているため、圧縮機の圧縮比を所定の圧縮比(転覆の可能性がある限界の圧縮比)以下にならないようにするので、圧縮機が転覆することがなく、湯切れの防止と運転効率の向上を図ることができる。
(実施の形態3)
図4は本発明の第3の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の構成図であり、図5は同実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の入水温度に対する圧縮比特性を示す説明図である。本実施の形態において、実施の形態1と異なる点は、熱交換器16の水側入口温度である入水温度を検出する入水温度検出手段46を設け、吐出圧力検出手段39と吸入圧力検出手段40からの信号によって圧縮機11の圧縮比を演算する演算手段41を設ける代わりに、入水温度に対する圧縮機11の圧縮比を記憶した記憶手段45を設けた構成としていることである。なお、実施の形態1と同符号の部分は同一構成を有し、説明は省略する。
次に動作、作用について説明する。同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行った場合について、出湯温度をパラメータとして、入水温度に対する圧縮機11の圧縮比の特性を予め求めておく。図5がこの特性であり、横軸に入水温度をとり、縦軸に圧縮機11の圧縮比をとって、出湯温度をパラメータとして、入水温度の変化に対する圧縮比の変化特性を示したものである。なお、同図の一点鎖線は圧縮機11が転覆する可能性がある限界の圧縮比である。そして、この入水温度に対する圧縮比特性を記憶手段45に記憶させておく。同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う場合、制御手段42は入水温度検出手段46からの信号で入水温度を検出(例えば、図5のTw)する。
入水温度Twの場合、出湯温度が41℃以下では転覆の可能性があり、42℃以上では転覆しない。そこで、制御手段42は出湯温度の設定温度を42℃以上の出湯温度に設定し、同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う。この場合、図5からわかるように、入水温度が低いほど出湯温度を高くなるように設定すればよい。
このように、入水温度に対して出湯温度の設定値を決定することによって、圧縮機の圧縮比を制御する制御手段を備えた構成としているため、圧縮機の圧縮比を所定の圧縮比(転覆の可能性がある限界の圧縮比)以下にならないようにするので、圧縮機が転覆することがなく、湯切れの防止と運転効率の向上を図ることができる。
(実施の形態4)
図6は、本発明の第4の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の構成図を示すものであり、図7は同実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の外気温度に対する圧縮比特性を示す説明図である。本実施の形態において、実施の形態1と異なる点は、吐出圧力検出手段39と吸入圧力検出手段40からの信号によって圧縮機11の圧縮比を演算する演算手段41を設ける代わりに、外気温度と圧縮機11の回転数とに対する圧縮比を記憶した記憶手段45を設けた構成としていることである。なお、実施の形態1と同符号の部分は同一構成を有し、説明は省略する。
次に動作、作用について説明する。同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う場合について、圧縮機11の回転数をパラメータとして、外気温度に対する圧縮機11の圧縮比の特性を予め求めておく。図7がこの特性であり、横軸に外気温度をとり、縦軸に圧縮機11の圧縮比をとって、圧縮機11の回転数をパラメータとして、外気温度の変化に対する圧縮比の変化特性を示したものである。なお、同図の一点鎖線は圧縮機11が転覆する可能性がある限界の圧縮比である。そして、この外気温度に対する圧縮比特性を記憶手段45に記憶させておく。
同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う場合、制御手段42は外気温度検出手段37からの信号で外気温度を検出(例えば、図7のTa)する。外気温度Taの場合、圧縮機11の回転数が60Hz以下では転覆の可能性があり、70Hz以上では転覆しない。そこで、制御手段42は圧縮機11の回転数の設定回転数を70Hz以上の回転数に設定し、同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う。この場合、図7からわかるように、外気温度が高いほど回転数が高くなるように設定すればよい。
このように、外気温度に対して圧縮機11の回転数の設定値を決定することによって圧縮機の圧縮比を制御する制御手段を備えた構成としているため、圧縮機の圧縮比を所定の圧縮比(転覆の可能性がある限界の圧縮比)以下にならないようにするので、圧縮機が転覆することがなく、湯切れの防止と運転効率の向上を図ることができる。
(実施の形態5)
図8は、本発明の第5の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の構成図を示すものであり、図9は同実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の入水温度に対する圧縮比特性を示す説明図である。本実施の形態において、実施の形態1と異なる点は、吐出圧力検出手段39と吸入圧力検出手段40からの信号によって圧縮機11の圧縮比を演算する演算手段41を設ける代わりに、入水温度と圧縮機11の回転数とに対する圧縮比を記憶した記憶手段45を設けた構成としていることである。なお、実施の形態1と同符号の部分は同一構成を有し、説明は省略する。
次に動作、作用について説明する。同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う場合について、圧縮機11の回転数をパラメータとして、入水温度に対する圧縮機11の圧縮比の特性を予め求めておく。図9がこの特性であり、横軸に入水温度をとり、縦軸に圧縮機11の圧縮比をとって、圧縮機11の回転数をパラメータとして、入水温度の変化に対する圧縮比の変化特性を示したものである。なお、同図の一点鎖線は圧縮機11が転覆する可能性がある限界の圧縮比である。そして、この入水温度に対する圧縮比特性を記憶手段45に記憶させておく。
同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う場合、制御手段42は入水温度検出手段46からの信号で入水温度を検出(例えば、図9のTw)する。入水温度Twの場合、圧縮機11の回転数が60Hz以下では転覆の可能性があり、70Hz以上では転覆しない。そこで、制御手段42は圧縮機11の回転数の設定回転数を70Hz以上の回転数に設定し、同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う。この場合、図9からわかるように、入水温度が低いほど回転数が高くなるように設定すればよい。
このように、入水温度に対して圧縮機11の回転数の設定値を決定することによって圧縮機の圧縮比を制御する制御手段を備えた構成としているため、圧縮機の圧縮比を所定の圧縮比(転覆の可能性がある限界の圧縮比)以下にならないようにするので、圧縮機が転覆することがなく、湯切れの防止と運転効率の向上を図ることができる。
(実施の形態6)
図10は、本発明の第6の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の構成図を示すものであり、図11は同実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の外気温度に対する圧縮比特性を示す説明図である。本実施の形態において、実施の形態1と異なる点は、吐出圧力検出手段39と吸入圧力検出手段40からの信号によって圧縮機11の圧縮比を演算する演算手段41を設ける代わりに、外気温度と蒸発器14の風量に対する圧縮比を記憶した記憶手段45を設けた構成としていることである。なお、実施の形態1と同符号の部分は同一構成を有し、説明は省略する。
次に動作、作用について説明する。同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う場合について、蒸発器14の風量をパラメータとして、外気温度に対する圧縮機11の圧縮比の特性を予め求めておく。図11がこの特性であり、横軸に外気温度をとり、縦軸に圧縮機11の圧縮比をとって、蒸発器14の風量をパラメータとして、外気温度の変化に対する圧縮比の変化特性を示したものである。なお、同図の一点鎖線は圧縮機11が転覆する可能性がある限界の圧縮比である。そして、この外気温度に対する圧縮比特性を記憶手段45に記憶させておく。
同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う場合、制御手段42は外気温度検出手段37からの信号で外気温度を検出(例えば、図11のTa)する。外気温度Taの場合、蒸発器14の風量が22m3/分以上では転覆の可能性があり、20m3/分以下では転覆しない。そこで、制御手段42は蒸発器14の風量の設定風量を20m3/分以下に設定し、同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う。この場合、図11からわかるように、外気温度が高いほど蒸発器14の風量が少なくなるように設定すればよい。
このように、外気温度に対して蒸発器14の風量の設定値を決定することによって圧縮機の圧縮比を制御する制御手段を備えた構成としているため、圧縮機の圧縮比を所定の圧縮比(転覆の可能性がある限界の圧縮比)以下にならないようにするので、圧縮機が転覆することがなく、湯切れの防止と運転効率の向上を図ることができる。
(実施の形態7)
図12は、本発明の第7の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の構成図を示すものであり、図13は同実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の入水温度に対する圧縮比特性を示す説明図である。本実施の形態において、実施の形態1と異なる点は、吐出圧力検出手段39と吸入圧力検出手段40からの信号によって圧縮機11の圧縮比を演算する演算手段41を設ける代わりに、入水温度と蒸発器14の風量に対する圧縮比を記憶した記憶手段45を設けた構成としていることである。なお、実施の形態1と同符号の部分は同一構成を有し、説明は省略する。
次に動作、作用について説明する。同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う場合について、蒸発器14の風量をパラメータとして、入水温度に対する圧縮機11の圧縮比の特性を予め求めておく。図13がこの特性であり、横軸に入水温度をとり、縦軸に圧縮機11の圧縮比をとって、蒸発器14の風量をパラメータとして、入水温度の変化に対する圧縮比の変化特性を示したものである。なお、同図の一点鎖線は圧縮機11が転覆する可能性がある限界の圧縮比である。そして、この入水温度に対する圧縮比特性を記憶手段45に記憶させておく。
同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う場合、制御手段42は入水温度検出手段46からの信号で入水温度を検出(例えば、図13のTw)する。入水温度Twの場合、蒸発器14の風量が22m3/分以上では転覆の可能性があり、20m3/分以下では転覆しない。そこで、制御手段42は蒸発器14の風量の設定風量を20m3/分以下に設定し、同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う。この場合、図13からわかるように、入水温度が低いほど蒸発器14の風量が少なくなるように設定すればよい。
このように、入水温度に対して蒸発器14の風量の設定値を決定することによって圧縮機の圧縮比を制御する制御手段を備えた構成としているため、圧縮機の圧縮比を所定の圧縮比(転覆の可能性がある限界の圧縮比)以下にならないようにするので、圧縮機が転覆することがなく、湯切れの防止と運転効率の向上を図ることができる。
(実施の形態8)
図14は、本発明の第8の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の構成図を示すものであり、図15は同実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の外気温度に対する圧縮比特性を示す説明図である。本実施の形態において、実施の形態1と異なる点は、吐出圧力検出手段39と吸入圧力検出手段40からの信号によって圧縮機11の圧縮比を演算する演算手段41を設ける代わりに、外気温度と減圧手段13の開度に対する圧縮比を記憶した記憶手段45を設けた構成としていることである。なお、実施の形態1と同符号の部分は同一構成を有し、説明は省略する。
次に動作、作用について説明する。同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う場合について、減圧手段13の開度をパラメータとして、外気温度に対する圧縮機11の圧縮比の特性を予め求めておく。図15がこの特性であり、横軸に外気温度をとり、縦軸に圧縮機11の圧縮比をとって、減圧手段13の開度をパラメータとして、外気温度の変化に対する圧縮比の変化特性を示したものである。なお、同図の一点鎖線は圧縮機11が転覆する可能性がある限界の圧縮比である。そして、この外気温度に対する圧縮比特性を記憶手段45に記憶させておく。
同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う場合、制御手段42は外気温度検出手段37からの信号で外気温度を検出(例えば、図15のTa)する。外気温度Taの場合、減圧手段13の開度(減圧手段13の全開時の流路断面積に対する比率)が0.5以上では転覆の可能性があり、0.4以下では転覆しない。そこで、制御手段42は減圧手段13の開度の設定値を0.4以下に設定し、同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う。この場合、図15からわかるように、外気温度が高いほど減圧手段13の開度が小さくなるように設定すればよい。
このように、外気温度に対して減圧手段13の開度の設定値を決定することによって圧縮機の圧縮比を制御する制御手段を備えた構成としているため、圧縮機の圧縮比を所定の圧縮比(転覆の可能性がある限界の圧縮比)以下にならないようにするので、圧縮機が転覆することがなく、湯切れの防止と運転効率の向上を図ることができる。
(実施の形態9)
図16は、本発明の第9の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の構成図を示すものであり、図17は同実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の入水温度に対する圧縮比特性を示す説明図である。本実施の形態において、実施の形態1と異なる点は、吐出圧力検出手段39と吸入圧力検出手段40からの信号によって圧縮機11の圧縮比を演算する演算手段41を設ける代わりに、入水温度と減圧手段13の開度に対する圧縮比を記憶した記憶手段45を設けた構成としていることである。なお、実施の形態1と同符号の部分は同一構成を有し、説明は省略する。
次に動作、作用について説明する。同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行った場合について、減圧手段13の開度をパラメータとして、入水温度に対する圧縮機11の圧縮比の特性を予め求めておく。図17がこの特性であり、横軸に入水温度をとり、縦軸に圧縮機11の圧縮比をとって、減圧手段13の開度をパラメータとして、入水温度の変化に対する圧縮比の変化特性を示したものである。なお、同図の一点鎖線は圧縮機11が転覆する可能性がある限界の圧縮比である。そして、この入水温度に対する圧縮比特性を記憶手段45に記憶させておく。
同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う場合、制御手段42は入水温度検出手段46からの信号で入水温度を検出(例えば、図17のTw)する。入水温度Twの場合、減圧手段13の開度(減圧手段13の全開時の流路断面積に対する比率)が0.5以上では転覆の可能性があり、0.4以下では転覆しない。そこで、制御手段42は減圧手段13の開度の設定値を0.4以下に設定し、同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転を行う。この場合、図17からわかるように、入水温度が低いほど減圧手段13の開度が小さくなるように設定すればよい。
このように、入水温度に対して減圧手段13の開度の設定値を決定することによって圧縮機の圧縮比を制御する制御手段を備えた構成としているため、圧縮機の圧縮比を所定の圧縮比(転覆の可能性がある限界の圧縮比)以下にならないようにするので、圧縮機が転覆することがなく、湯切れの防止と運転効率の向上を図ることができる。
(実施の形態10)
図18は、本発明の第10の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の構成図を示すものであり、図19は同実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の外気温度と入水温度に対する圧縮比特性を示す説明図である。本実施の形態において、外気温度と入水温度とに対する圧縮比を記憶した記憶手段45を設けた構成としていることである。なお、前述の実施の形態と同符号の部分は同一構成を有し、説明は省略する。
次に動作、作用について説明する。上述したように、圧縮機11の圧縮比は、出湯温度に大きく影響されるので、運転モードについて影響をうける。すなわち、貯湯運転の場合の出湯温度は、通常、65〜90℃程度であり、また、同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転の場合の出湯温度は、通常、38〜45℃程度である。従って、貯湯運転の場合よりも同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転の場合の方が、圧縮機11の圧縮比は小さくなる傾向にある。
さらに、圧縮比に影響を及ぼす要因として、外気温度と入水温度とがあり、外気温度がより高く入水温度がより低い場合に圧縮比がより小さくなる傾向にある。そこで、外気温度と入水温度とからそのときの圧縮比を推定し、圧縮機11が転覆する可能性がある限界の圧縮比よりも小さい圧縮比になる場合には、同時出湯運転やヒートポンプ単独直接出湯運転から貯湯運転に運転モードを変更すればよい。図19にこの外気温度と入水温度と圧縮比の関係を示す。そして、この関係を予め求めておいて記憶手段45に記憶させておく。
同時出湯運転の場合には、蛇口34等の給湯端末35が開かれ給湯負荷が生じると、圧縮機11から吐出された高温高圧の冷媒が放熱器12に流入し、ここで給水管18から送られてきた水と熱交換し放熱した後、減圧手段13で減圧し、さらに、蒸発器14で大気から熱を吸熱し、ガス化して圧縮機11に戻る。この時、出湯温度検出手段27の温度が、例えば、42℃になるように流量制御装置38は給水管18から入ってくる流量を調整する。第1混合弁19において、この42℃の湯は貯湯槽21上部の湯と混合し、さらに、第2混合弁31で給水管18からの水と混合し、所定の給湯温度になって蛇口34から給湯される。
いま、外気温度と入水温度と圧縮比との関係を記憶している記憶手段45を用いて、制御手段42は、外気温度検出手段37と入水温度検出手段46から得られた外気温度と入水温度とから圧縮機11の圧縮比を推定する。この推定した圧縮比が図19の点a(限界の圧縮比よりも小さい場合)の場合には、圧縮機11が転覆する可能性があるので、運転値モードを同時出湯運転から貯湯運転に変更する。すなわち、制御手段42は、出湯温度検出手段27の温度が所定の出湯温度になるように、循環ポンプ25を駆動する。そして、循環ポンプ25によって貯湯槽21下部から送られてきて、所定の出湯温度に加熱された湯は貯湯槽21の上部から貯湯されていく。これと同時に、貯湯槽21の上部の湯は、出口管23、第1混合弁19を通り、第2混合弁31で給水管18からの水と混合し、所定の給湯温度になって蛇口34から給湯される。逆に、上述の推定した圧縮比が図19の点b(限界の圧縮比よりも大きい場合)の場合には、圧縮機11が転覆する可能性がないので、そのまま同時出湯運転を続ける。
ヒートポンプ単独直接出湯運転の場合には、蛇口34等の給湯端末35が開かれ給湯負荷が生じると、圧縮機11から吐出された高温高圧の冷媒が放熱器12に流入し、ここで給水管18から送られてきた水と熱交換し放熱した後、減圧手段13で減圧し、さらに、蒸発器14で大気から熱を吸熱し、ガス化して圧縮機11に戻る。この時、出湯温度検出手段27の温度が、例えば、42℃になるように流量制御装置38は給水管18から入ってくる流量を調整する。この42℃の湯は(第1混合弁19において貯湯槽21上部の湯と混合せずに)第2混合弁31で給水管18からの水と混合し、所定の給湯温度になって蛇口34から給湯される。いま、外気温度と入水温度と圧縮比との関係を記憶している記憶手段45を用いて、制御手段42は、外気温度検出手段37と入水温度検出手段46から得られた外気温度と入水温度とから圧縮機11の圧縮比を推定する。この推定した圧縮比が図19の点a(限界の圧縮比よりも小さい場合)の場合には、圧縮機11が転覆する可能性があるので、運転値モードをヒートポンプ単独直接出湯運転から貯湯運転に変更する。すなわち、制御手段42は、出湯温度検出手段27の温度が所定の出湯温度になるように、循環ポンプ25を駆動する。そして、循環ポンプ25によって貯湯槽21下部から送られてきて、所定の出湯温度に加熱された湯は貯湯槽21の上部から貯湯されていく。これと同時に、貯湯槽21の上部の湯は、出口管23、第1混合弁19を通り、第2混合弁31で給水管18からの水と混合し、所定の給湯温度になって蛇口34から給湯される。逆に、上述の推定した圧縮比が図19の点b(限界の圧縮比よりも大きい場合)の場合には、圧縮機11が転覆する可能性がないので、そのままヒートポンプ単独直接出湯運転を続ける。
このように、外気温度と入水温度とに応じて、熱交換器からの湯を直接給湯管に通して給湯を行う運転から貯湯槽に貯湯する運転に切り換える制御手段を備えた構成としているため、外気温度と入水温度とに応じて運転モードを切り換えるので、湯切れの防止と運転効率の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態では外気温度と入水温度とに応じて運転モードを切り換える形態を取り上げたが、実施の形態1から実施の形態9で述べたように外気温度、出湯温度、入水温度、圧縮機の回転数、送風手段の風量、減圧手段の開度等の値に応じて圧縮機の転覆する可能性を図り、運転モードを切り換えるようにしてもよい。
以上のように、本発明にかかるヒートポンプ給湯機は、圧縮機の圧縮比が所定の圧縮比以下にならないように圧縮機の圧縮比を制御する構成としているため、湯切れの可能性を少なくして快適性と利便性の向上を図り、かつ、運転効率の向上を図ることができるので、高効率で信頼性の高いヒートポンプ給湯機の用途に適用できる。
本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の構成図 本発明の第2の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の構成図 同実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の外気温度に対する圧縮比特性を示す説明図 本発明の第3の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の構成図 同実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の入水温度に対する圧縮比特性を示す説明図 本発明の第4の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の構成図 同実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の外気温度に対する圧縮比特性を示す説明図 本発明の第5の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の構成図 同実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の入水温度に対する圧縮比特性を示す説明図 本発明の第6の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の構成図 同実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の外気温度に対する圧縮比特性を示す説明図 本発明の第7の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の構成図 同実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の入水温度に対する圧縮比特性を示す説明図 本発明の第8の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の構成図 同実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の外気温度に対する圧縮比特性を示す説明図 本発明の第9の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の構成図 同実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の入水温度に対する圧縮比特性を示す説明図 本発明の第10の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の構成図 同実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の外気温度と入水温度に対する圧縮比特性を示す説明図
符号の説明
10 冷媒回路
11 圧縮機
12 放熱器
13 減圧手段
14 蒸発器
15 送風手段
16 熱交換器
17 水流路
18 給水管
21 貯湯槽
42 制御手段

Claims (10)

  1. 圧縮機と放熱器と減圧手段と送風手段を備えた蒸発器とを含む冷媒回路と、前記放熱器と熱交換を行う水流路を備えた熱交換器と、貯湯槽と、給水管と、前記熱交換器からの湯と前記貯湯槽からの湯と前記給水管からの水を混合して給湯するヒートポンプ給湯機であって、前記冷媒回路で加熱された前記熱交換器からの湯を給湯利用する場合に、前記圧縮機の圧縮比が所定の圧縮比以下にならないように圧縮機の圧縮比を制御する制御手段を備えたことを特徴とするヒートポンプ給湯機。
  2. 外気温度を検出する外気温度検出手段を設け、前記外気温度検出手段から得られた外気温度が高いほど、熱交換器出口の温水の設定温度を高くするように制御する制御手段を備えた請求項1記載のヒートポンプ給湯機。
  3. 熱交換器入口の水温を検出する入水温度検出手段を設け、前記入水温度検出手段から得られた入水温度が低いほど、熱交換器出口の温水の設定温度を高くするように制御する制御手段を備えた請求項1記載のヒートポンプ給湯機。
  4. 外気温度を検出する外気温度検出手段を設け、前記外気温度検出手段から得られた外気温度が高いほど、圧縮機の回転数を大きくして能力を増加させることによって圧縮比を大きくするように制御する制御手段を備えた請求項1記載のヒートポンプ給湯機。
  5. 熱交換器入口の水温を検出する入水温度検出手段を設け、前記入水温度検出手段から得られた入水温度が低いほど、圧縮機の回転数を大きくして能力を増加させることによって圧縮比を大きくするように制御する制御手段を備えた請求項1記載のヒートポンプ給湯機。
  6. 外気温度を検出する外気温度検出手段を設け、前記外気温度検出手段から得られた外気温度が高くなれば、蒸発器に備えられた送風手段の風量を小さくすることによって圧縮比を大きくするように制御する制御手段を備えた請求項1記載のヒートポンプ給湯機。
  7. 熱交換器入口の水温を検出する入水温度検出手段を設け、前記入水温度検出手段から得られた入水温度が低いほど、蒸発器に備えられた送風手段の風量を小さくすることによって圧縮比を大きくするように制御する制御手段を備えた請求項1記載のヒートポンプ給湯機。
  8. 外気温度を検出する外気温度検出手段を設け、前記外気温度検出手段から得られた外気温度が高いほど、減圧手段の開度を小さくなるように前記減圧手段を制御する制御手段を備えた請求項1記載のヒートポンプ給湯機。
  9. 熱交換器入口の水温を検出する入水温度検出手段を設け、前記入水温度検出手段から得られた入水温度が低いほど減圧手段の開度を小さくするように前記減圧手段を制御する制御手段を備えた請求項1記載のヒートポンプ給湯機。
  10. 圧縮機と放熱器と減圧手段と送風手段を備えた蒸発器とを含む冷媒回路と、前記放熱器と熱交換を行う水流路を備えた熱交換器と、貯湯槽と、給水管と、前記熱交換器からの水と前記貯湯槽からの水と前記給水管からの水を混合して給湯するヒートポンプ給湯機であって、外気温度を検出する外気温度検出手段と前記熱交換器の水側入口水温を検出する入水温度検出手段とを設け、前記外気温度検出手段から得られた外気温度と前記入水温度検出手段から得られた入水温度に応じて、前記熱交換器からの湯を直接給湯管に通して給湯を行う運転から貯湯槽に貯湯する運転に切り換える制御手段を備えたことを特徴とするヒートポンプ給湯機。
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