JP2006335718A - SiH基含有化合物の製造方法 - Google Patents
SiH基含有化合物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006335718A JP2006335718A JP2005164261A JP2005164261A JP2006335718A JP 2006335718 A JP2006335718 A JP 2006335718A JP 2005164261 A JP2005164261 A JP 2005164261A JP 2005164261 A JP2005164261 A JP 2005164261A JP 2006335718 A JP2006335718 A JP 2006335718A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- component
- sih
- compound
- molecule
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 0 CN(C(N(*)C(N1*)=O)=O)C1=O Chemical compound CN(C(N(*)C(N1*)=O)=O)C1=O 0.000 description 1
- IFRGNOSNGVZWQF-UHFFFAOYSA-N C[SiH]1O[SiH](C)O[Si](C)(CCCN(C(N(CCC[Si]2(C)O[SiH](C)O[SiH](C)O[SiH](C)O2)C(N2CC3OC3)=O)=O)C2=O)O[SiH](C)O1 Chemical compound C[SiH]1O[SiH](C)O[Si](C)(CCCN(C(N(CCC[Si]2(C)O[SiH](C)O[SiH](C)O[SiH](C)O2)C(N2CC3OC3)=O)=O)C2=O)O[SiH](C)O1 IFRGNOSNGVZWQF-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Silicon Polymers (AREA)
Abstract
【解決手段】 1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサン化合物と、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する化合物を、ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させた後、さらに得られた反応物と、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する化合物を、ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させる。
【選択図】 なし
Description
また、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと、トリアリルイソシアヌレートを白金触媒により、ヒドロシリル化反応させる製造方法が提案されている(例えば特許文献2)。しかし、トリアリルイソシアヌレートに対して、過剰量の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを使用しており、反応完結後に1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンが反応液中に未反応状態で存在し、リサイクルが必要であった。一方、トリアリルイソシアヌレートのアリル基と、当モル量の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを反応させる場合、高粘度の反応生成物が得られたり、反応中にゲル化する可能性がある。
(A)成分の1分子中のSiH基の平均数(α)、(A)成分とヒドロシリル化反応する(B)成分の平均分子数(β)、(A)成分とヒドロシリル化反応する(C)成分のアリル基の数が平均して1個とすると、(α−β)≦3.5であることを特徴とする上記SiH基含有化合物の製造方法;
(A)成分が、下記一般式(I)
(B)成分の分子量が500以下であることを特徴とする上記SiH基含有化合物の製造方法;
(B)成分がアリルグリシジルエーテルであることを特徴とする上記SiH基含有化合物の製造方法;
(C)成分が、1分子中にSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を2〜3個含有し、かつ、分子量が900未満であることを特徴とする上記SiH基含有化合物の製造方法;
(C)成分がトリアリルイソシアヌレートであることを特徴とする上記SiH基含有化合物の製造方法;
(C)成分がジアリルモノグリシジルイソシアヌレートであることを特徴とする上記SiH基含有化合物の製造方法;
(C)成分がビスフェノールSのジアリルエーテルであることを特徴とする上記SiH基含有化合物の製造方法;
に関する。
本発明の1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物の製造方法は、(A)1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサン化合物と、(B)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する化合物を、(D)ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させた後、さらに得られた反応物と、(C)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する化合物を、(D)ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させることを特徴とするものである。
まず、本発明の(A)成分について説明する。
本発明の(A)成分は、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサン化合物である。
具体的には、例えば
これらのうち、入手性の面からは、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状オルガノポリシロキサンが好ましい。また、(B)成分及び/又は(C)成分の炭素−炭素二重結合とのヒドロシリル化反応性が良く、しかも反応生成物の貯蔵安定性が良いという観点からは、さらに、下記一般式(I)
一般式(I)で表される化合物中の置換基R1は、C、H、Oから構成されるものであることが好ましく、炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。それぞれの置換基R1は異なっていてもよく、同一であってもよい。
一般式(I)で表される化合物としては、入手容易性の観点からは、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。
(A)成分は、単独又は2種以上のものを混合して用いることが可能である。
次に、本発明の(B)成分について説明する。
(B)成分としては、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する有機化合物であれば特に限定されないが、(A)成分を(B)成分とヒドロシリル化反応させて、反応生成物の極性を高くするという点においては、(B)成分としてはポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシロキサン−有機グラフトコポリマーのようなシロキサン単位(Si−O−Si)を含むものではなく、構成元素としてC、H、N、O、S、及びハロゲンのみを含むものであることが好ましい。
(B)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。
重合体系化合物としては、例えば、ポリシロキサン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミド系の化合物を用いることができる。
単量体系化合物としては、例えば、フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系化合物;直鎖系、脂環系等の脂肪族炭化水素系化合物;複素環系化合物;シリコン系化合物;これらの混合物等が挙げられる。
(B)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては、下記一般式(III)
2価以上の置換基としては、炭素数0〜10の置換基であれば特に限定されないが、(A)成分を(B)成分とヒドロシリル化反応させて、反応生成物の極性を高くするという点においては、構成元素としてC、H、N、O、S、及びハロゲンのみを含むものが好ましい。これらの置換基の例としては、
(B)成分の具体的な例としては、エチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−ウンデセン、出光石油化学社製リニアレン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2,3,3−トリメチル−1−ブテン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン等の鎖状脂肪族炭化水素系化合物類;シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、メチレンシクロヘキサン、ノルボルニレン、エチリデンシクロヘキサン、ビニルシクロヘキサン、アリルシクロへキサン、カンフェン、カレン、αピネン、βピネン等の環状脂肪族炭化水素系化合物類;スチレン、αメチルスチレン、インデン、フェニルアセチレン、4−エチニルトルエン、アリルベンゼン、4−フェニル−1−ブテン等の芳香族炭化水素系化合物;アルキルアリルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類、グリセリンモノアリルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン等の脂肪族系化合物類;1,2−ジメトキシ−4−アリルベンゼン、アリルアニソール、o−アリルフェノール等の芳香族系化合物類;モノアリルジベンジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等の置換イソシアヌレート類;ビニルトリメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェニルシラン等のシリコン化合物等が挙げられる。さらに、片末端アリル化ポリエチレンオキサイド、片末端アリル化ポリプロピレンオキサイド等のポリエーテル系樹脂;片末端アリル化ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂;片末端アリル化ポリブチルアクリレート、片末端アリル化ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;等の片末端にビニル基を有するポリマーあるいはオリゴマー類等も挙げることができる。
(B)成分の分子量は、特に制約はなく種々のものを用いることができる。
取扱い性が良い粘度であるという点からは、(B)成分の分子量は500以下が好ましく、300以下がより好ましい。
また、(B)成分を、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの4つのSiH基に対して、確率論的にヒドロシリル化反応するという点からは、(B)成分の分子量は200以下が好ましく、100以下がより好ましい。
逆に、(B)成分を、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの4つのSiH基に対して、2個を優先してヒドロシリル化反応するという点からは、(B)成分の分子量は100以上が好ましく、200以上がより好ましい。
得られる硬化物が強靭となりやすいという点においては、ガラス転移温度は100℃以下であることが好ましく、50℃以下であることがより好ましく、0℃以下であることがさらに好ましい。好ましい樹脂の例としてはポリブチルアクリレート樹脂等が挙げられる。
逆に、得られる硬化物の耐熱性が高くなるという点においては、ガラス転移温度は100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましく、150℃以上であることがさらに好ましく、170℃以上であることが最も好ましい。
当該ガラス転移温度は、動的粘弾性測定においてtanδが極大を示す温度として求めることができる。
(B)成分としては、得られる硬化物の耐熱性が高くなるという点においては、芳香族炭化水素化合物であることが好ましい。この場合、好ましい炭素数の下限は7であり、好ましい炭素数の上限は10である。
当該反応性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基、ビニロキシル基、酸無水物基等が挙げられる。これらの官能基を有している場合には、得られる硬化性組成物の接着性が高くなりやすく、得られる硬化物の強度が高くなりやすい。接着性がより高くなりうるという点からは、これらの官能基のうちエポキシ基が好ましい。また、得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、反応性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
上記のような(B)成分としては、単一のものを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
本発明の(C)成分について説明する。
(C)成分としては、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物であれば特に限定されないが、(A)成分を(B)成分とヒドロシリル化反応した後、さらに(C)成分をヒドロシリル化反応して得られるSiH基含有化合物の極性を高くするという点においては、(C)成分としてはポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシロキサン−有機グラフトコポリマーのようなシロキサン単位(Si−O−Si)を含むものではなく、構成元素としてC、H、N、O、S、及びハロゲンのみを含むものであることが好ましい。
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。
有機重合体系化合物としては、例えば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミド系の化合物等を用いることができる。
有機単量体系化合物としては、例えば、フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系、直鎖系、脂環系等の脂肪族炭化水素系、複素環系の化合物及びこれらの混合物等が挙げられる。
(C)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては、下記一般式(III)
2価以上の置換基としては、炭素数0〜10の置換基であれば特に限定されないが、構成元素としてC、H、N、O、S、及びハロゲンのみを含むものが好ましい。これらの置換基の例としては、
(C)成分の具体的な例としては、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、1,1,2,2−テトラアリロキシエタン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、ジビニルベンゼン類(純度50〜100%のもの、好ましくは純度80〜100%のもの)、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ビスフェノールAのジアリルエーテル、ビスフェノールSのジアリルエーテル、及びそれらのオリゴマー、1,2−ポリブタジエン(1,2比率10〜100%のもの、好ましくは1,2比率50〜100%のもの)、ノボラックフェノールのアリルエーテル、アリル化ポリフェニレンオキサイド、
当該低分子量化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、オクタジエン、デカジエン等の脂肪族鎖状ポリエン化合物系;シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の脂肪族環状ポリエン化合物系;ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン等の置換脂肪族環状オレフィン化合物系等が挙げられる。
(C)成分としては、本製造方法により得られるSiH含有化合物を用いて、硬化物を作成する場合に、力学的耐熱性が高いという観点、かつ取扱い性が良い粘度であるという点からは、分子量が900未満のものが好ましく、700未満のものがより好ましく、500未満のものがさらに好ましい。
なかでも、1分子中にSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を2〜3個含有し、かつ、分子量が900未満である(C)成分が好ましい。さらに、1分子中にSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を2〜3個含有し、かつ、分子量が500未満である(C)成分が特に好ましい。
なお、当該粘度は、E型粘度計によって測定することができる。
本発明におけるフェノール性水酸基とは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等に例示される芳香族炭化水素核に直接結合した水酸基を示し、フェノール性水酸基の誘導体とは、上述のフェノール性水酸基の水素原子を、メチル基、エチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、アセトキシ基等のアシル基等により置換した基を示す。
当該反応性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基、酸無水物基等が挙げられる。これらの官能基を有している場合には、本製造方法により得られるSiH含有化合物を用いて、硬化物を作成する場合に、得られる硬化性組成物の接着性が高くなりやすく、得られる硬化物の強度が高くなりやすい。接着性がより高くなりうるという点からは、これらの官能基のうちエポキシ基が好ましい。また、得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、反応性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
また、(C)成分としては、耐熱性・耐光性が高いという観点から、下記一般式(IV)
上記一般式(IV)のR4としては、得られる硬化物の各種材料との接着性が良好になりうるという観点からは、3つのR4のうち少なくとも1つがエポキシ基を一つ以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることが好ましく、
上記一般式(IV)のR4としては、得られる硬化物の化学的な熱安定性が良好になりうるという観点からは、2個以下の酸素原子を含みかつ構成元素としてC、H、Oのみを含む炭素数1〜50の一価の有機基であることが好ましく、炭素数1〜50の一価の炭化水素基であることがより好ましい。これらの好ましいR4の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビニル基、アリル基、グリシジル基、
上記一般式(IV)のR4としては、反応性が良好になるという観点からは、3つのR4のうち少なくとも1つが、
3つのR4のうち少なくとも2つが、下記一般式(VI)
上記一般式(VI)のR6としては、得られる硬化物の化学的な熱安定性が良好になりうるという観点からは、直接結合あるいは2つ以下の酸素原子を含みかつ構成元素としてC、H、Oのみを含む炭素数1〜48の二価の有機基であることが好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の炭化水素基であることがより好ましい。これらの好ましいR6の例としては、
上記一般式(VI)のR7は、水素原子あるいはメチル基であるが、反応性が良好であるという観点からは、水素原子が好ましい。
以上のような一般式(IV)で表される有機化合物の好ましい具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、
硬化物の接着性向上のためには、(C)成分としては、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ビスフェノールSのジアリルエーテルが好ましい。
(C)成分は、単独又は2種以上のものを用いることが可能である。
本発明の(D)成分であるヒドロシリル化触媒について説明する。
ヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化反応の触媒活性があれば特に限定されないが、例えば、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH2)2(PPh3)2、Pt(CH2=CH2)2Cl2)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt[(MeViSiO)4]m)、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)3]4、Pt[P(OBu)3]4)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒等が挙げられる。さらに、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
これらの中では、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。
また、これらの触媒は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
助触媒としては、トリフェニルフォスフィン等のリン系化合物、ジメチルマレート等の1,2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫黄系化合物等が挙げられる。
助触媒の添加量は特に限定されないが、上記ヒドロシリル化触媒1モルに対して、好ましい添加量の下限は10−2モル、より好ましくは10−1モルであり、好ましい添加量の上限は102モル、より好ましくは10モルである。
(A)成分と(B)成分と(C)成分のヒドロシリル化反応に関して説明する。
本製造方法により得られるSiH基含有化合物は、(A)1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサン化合物に、(B)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する化合物と、(C)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する化合物を、ヒドロシリル化反応させることにより得られる、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物であれば特に限定されない。(A)成分と(B)成分及び(C)成分のヒドロシリル化反応は、(D)成分のヒドロシリル化触媒の存在下で行う。
なお、本製造方法により得られるSiH基含有化合物は、(A)成分と(B)成分をヒドロシリル化反応した化合物を含む複数の化合物の混合物であるが、そこから(A)成分と(B)成分をヒドロシリル化反応した化合物を分離することなく、混合物のままで硬化性組成物として使用できる。
一方、(A)成分と(B)成分の混合物や、(A)成分と(B)成分の反応物と(C)成分の混合物に、触媒を混合する方法であると、反応の制御が困難になり易い傾向がある。また、(A)成分と触媒を混合したものに、(B)成分を混合する方法の場合は、触媒の存在下、(A)成分が混入している水分と反応性を有するため、変質することがある。
また、反応時間、反応時の圧力も必要に応じて種々設定できる。
当該溶媒としては、ヒドロシリル化反応を阻害しない限り特に限定されるものではなく、具体的には、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒等を好適に用いることができる。
当該溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
上記溶媒のうち、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。使用する溶媒量も適宜設定できる。
除去する方法としては、例えば、減圧脱揮の他、活性炭、ケイ酸アルミニウム、シリカゲル等による処理等が挙げられる。
減圧脱揮する場合には、低温で処理することが好ましい。この場合の好ましい温度の上限は100℃であり、より好ましくは80℃である。100℃より高温で処理すると増粘等の変質を伴いやすい傾向がある。
(ゲル化遅延剤)
本製造方法により得られるSiH基含有化合物の保存安定性を改良する目的、或いは(A)成分に(B)成分と(C)成分をヒドロシリル化反応させた後に、溶媒、未反応の(A)成分、(B)成分、(C)成分を除去する場合の減圧脱揮のときの、加熱処理による増粘等の変質を抑制する目的で、ゲル化遅延剤を使用することができる。
ゲル化遅延剤としては、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられ、これらを併用してもかまわない。
有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示される。
有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示される。
窒素含有化合物としては、ベンゾチアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示される。
スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示される。
有機過酸化物としては、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチル等が例示される。
また、これらのゲル化遅延剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
本製造方法により得られるSiH基含有化合物が高粘度である場合、溶媒に溶解して用いることも可能である。
使用できる溶媒は特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、エチレングリコールジエチルエーテル等のグリコール系溶媒;クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒等を好適に用いることができる。
なかでも、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、クロロホルムが好ましい。
溶媒の使用量は適宜設定できるが、用いるSiH基含有化合物1gに対して、好ましい使用量の下限は0.1mLであり、好ましい使用量の上限は10mLである。使用量が0.1mLより少ないと、低粘度化等の溶媒を用いることの効果が得られにくい傾向があり、また、使用量が10mLより多いと、材料に溶媒が残留して熱クラック等の問題となり易く、またコスト的にも不利になり工業的利用価値が低下する傾向がある。
下記実施例及び比較例において、各物性は以下のようにして測定した。
(NMR)
バリアン・テクノロジーズ・ジャパン・リミテッド製、300MHz NMR装置を用いた。アリル基の反応率は、反応液を重クロロホルムで1%程度まで希釈したものをNMR用チューブに加えて測定し、未反応アリル基由来のメチレン基のピークと、反応アリル基由来のメチレン基のピークから求めた。本製造方法により得られるSiH基含有化合物の官能基価については、適当なサンプル管にSiH基含有化合物0.02±0.005g、ジブロモエタン0.02±0.005g、重クロロホルム約1.5gを秤量し、均一にした後、NMR用チューブに加えて調製し、ジブロモエタン換算でのSiH基価(mmol/g)とアリル基価(mmol/g)を求めた。
島津製作所製、SHIMADZU GAS CHROMATOGRAPH GC−14B/C−R5Aを用いた。カラムは、SHIMADZU CBP1−M25−025を用いた。スプリット比20とした。インジェクション温度250℃、カラム温度条件50℃6分、昇温20℃/分、250℃10分とした。打込み量0.2〜0.8μlとした。
反応液中の未反応1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの組成を求めるために、信越シリコーン(株)製 LS−8660を内部標準物質、和光純薬(株)製 脱水トルエン、信越シリコーン(株)製 KF−9902を用いて検量線を作成した。サンプルの調製について、反応液2.0gに対してLS−8660を0.20g秤量したものを均一にしたものを用いた。
本製造方法により得られるSiH基含有化合物中の残揮発成分量を求めるために、信越シリコーン(株)製 LS−8660を内部標準物質、和光純薬(株)製 シクロへキサンを溶媒として、和光純薬(株)製 脱水トルエン、信越シリコーン(株)製 KF−9902、和光純薬(株)製 アリルグリシジルエーテルを用いて検量線を作成した。サンプルの調製について、LS−8660の0.20wt%シクロへキサン溶液を予め調製し、この調製溶液と、本製造方法により得られるSiH基含有化合物を等量混ぜたものを均一にしたものを用いた。
約1重量%のトルエン溶液を調製し、WATERS社製LC MODULE1を使用、トルエン溶媒で流量1ml/min、カラム温度40℃、ポリスチレン換算、接続カラムは昭和電工社製カラム4本(KF806L/KF804L/KF8025/KF802)を用いて、RI検出器で測定した。
東京計器(株)製、E型粘度計を用いた。測定温度23.0℃、EHD型48φ1倍コーンで測定した。
2Lオートクレーブにトルエン696g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン463gを入れ、気相部を窒素で置換した後、ジャケット温105℃で加熱、攪拌した。トリアリルイソシアヌレート80g、トルエン80g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.050gの混合液を40分かけて滴下した。滴下終了から3時間後に1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認し、冷却により反応を終了した。1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの未反応率は57%だった。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトルエンを合計5,000ppm以下まで減圧留去し、無色透明の液体を得た。
2Lオートクレーブにトルエン600g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン200gを入れ、気相部を窒素で置換した後、ジャケット温50℃で加熱、攪拌した。アリルグリシジルエーテル96g、トルエン96g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.027gの混合液を60分かけて滴下した。滴下終了後にジャケット温を60℃に上げて40分反応させ、1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認した。トリアリルイソシアヌレート14g、トルエン14gの混合液を滴下した後、ジャケット温を105℃に上げて、トリアリルイソシアヌレート56g、トルエン56g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.017gの混合液を30分かけて滴下した。滴下終了から4時間後に1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認し、冷却により反応を終了した。1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの未反応率は3.9%だった。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトルエンとアリルグリシジルエーテルの副生物(アリルグリシジルエーテルのビニル基の内転移物(シス体及びトランス体))を合計5,000ppm以下まで減圧留去し、無色透明の液体を得た。
2Lオートクレーブにトルエン720g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン240gを入れ、気相部を窒素で置換した後、ジャケット温50℃で加熱、攪拌した。アリルグリシジルエーテル171g、トルエン171g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.049gの混合液を90分かけて滴下した。滴下終了後にジャケット温を60℃に上げて40分反応させ、1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認した。トリアリルイソシアヌレート17g、トルエン17gの混合液を滴下した後、ジャケット温を105℃に上げて、トリアリルイソシアヌレート66g、トルエン66g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.033gの混合液を30分かけて滴下した。滴下終了から4時間後に1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認し、冷却により反応を終了した。1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの未反応率は0.8%だった。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトルエンとアリルグリシジルエーテルの副生物(アリルグリシジルエーテルのビニル基の内転移物(シス体及びトランス体))を合計5,000ppm以下まで減圧留去し、無色透明の液体を得た。
2Lオートクレーブにトルエン600g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン200gを入れ、気相部を窒素で置換した後、ジャケット温50℃で加熱、攪拌した。アリルグリシジルエーテル190g、トルエン190g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.033gの混合液を90分かけて滴下した。滴下終了後にジャケット温を60℃に上げて120分反応させ、1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認した。トリアリルイソシアヌレート14g、トルエン14gの混合液を滴下した後、ジャケット温を105℃に上げて、トリアリルイソシアヌレート56g、トルエン56g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.028gの混合液を30分かけて滴下した。滴下終了から9時間後の1H−NMRによるアリル基の反応率が90%だった。冷却により反応を終了した。1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの未反応物は見られなかった。トルエンとアリルグリシジルエーテルの副生物(アリルグリシジルエーテルのビニル基の内転移物(シス体及びトランス体))を合計5,000ppm以下まで減圧留去し、無色透明の液体を得た。
2Lオートクレーブにトルエン362g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン362gを入れ、気相部を窒素で置換した後、ジャケット温105℃で加熱、攪拌した。ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート100g、トルエン100g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.049gの混合液を90分かけて滴下した。滴下終了から2時間後に1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認し、冷却により反応を終了した。1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの未反応率は55%だった。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトルエンを合計5,000ppm以下まで減圧留去し、無色透明の液体を得た。
2Lオートクレーブにトルエン500g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン200gを入れ、気相部を窒素で置換した後、ジャケット温50℃で加熱、攪拌した。アリルグリシジルエーテル95g、トルエン95g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.027gの混合液を80分かけて滴下した。滴下終了後にジャケット温を60℃に上げて60分反応させ、1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認した。ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート110g、トルエン110g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.243gの混合液の5分の1量を滴下した後、ジャケット温を105℃に上げて、残りの5分の4量を30分かけて滴下した。滴下終了から2時間後に1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認し、冷却により反応を終了した。1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの未反応率は4.0%だった。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトルエンとアリルグリシジルエーテルの副生物(アリルグリシジルエーテルのビニル基の内転移物(シス体及びトランス体))を合計5,000ppm以下まで減圧留去し、無色透明の液体を得た。
2Lオートクレーブにトルエン600g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン200gを入れ、気相部を窒素で置換した後、ジャケット温50℃で加熱、攪拌した。アリルグリシジルエーテル142g、トルエン142g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.041gの混合液を90分かけて滴下した。滴下終了後にジャケット温を60℃に上げて60分反応させ、1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認した。ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート110g、トルエン110g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.230gの混合液の5分の1量を滴下した後、ジャケット温を105℃に上げて、残りの5分の4量を30分かけて滴下した。滴下終了から2時間後に1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認し、冷却により反応を終了した。1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの未反応率は1.0%だった。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトルエンとアリルグリシジルエーテルの副生物(アリルグリシジルエーテルのビニル基の内転移物(シス体及びトランス体))を合計5,000ppm以下まで減圧留去し、無色透明の液体を得た。
500ml四つ口フラスコにトルエン218g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン109gを入れ、気相部を窒素で置換した後、オイルバス温90℃で加熱、攪拌した。白色粉末状のビスフェノールSのジアリルエーテル10gをトルエン3gで添加し、続けて白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)をトルエンで1000倍に薄めた溶液3.93gをシリンジで滴下した。ビスフェノールSのジアリルエーテルは数分で溶解した。60分後、ビスフェノールSのジアリルエーテル10gをトルエン3gで添加し、続けて白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)をトルエンで1000倍に薄めた溶液2.62gをシリンジで滴下した。さらに60分後、ビスフェノールSのジアリルエーテル10gをトルエン3gで添加し、続けて白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)をトルエンで1000倍に薄めた溶液1.31gをシリンジで滴下した。滴下終了から3時間後に1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認し、冷却により反応を終了した。1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの未反応率は60%だった。反応液にゲル化遅延剤として、トリフェニルフォスフィンをトルエンで100倍に希釈した溶液1.58gを添加した。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトルエンを合計5,000ppm以下まで減圧留去し、微黄色透明の液体を得た。
1Lの四つ口フラスコにトルエン365g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン146gを入れ、気相部を窒素で置換した後、ジャケット温55℃で加熱、攪拌した。アリルグリシジルエーテル104g、トルエン104g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.030gの混合液を120分かけて滴下した。60分後、1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認した。ビスフェノールSのジアリルエーテル20gをトルエン20gで添加し、ガラス壁についたビスフェノールSのジアリルエーテルをトルエン4gで流し入れた。ジャケット温95℃に変更した。内温95℃に安定したところで、ビスフェノールSのジアリルエーテル20gとトルエン20gと白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)をトルエンで100倍に薄めた溶液0.493gを添加し、ガラス壁についたビスフェノールSのジアリルエーテルをトルエン4gで流し入れた。この操作を20分毎に4回実施した(実施例6で使用したビスフェノールSのジアリルエーテルは100g)。滴下終了から2時間後に1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認し、冷却により反応を終了した。1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの未反応率は0.4%だった。反応液にゲル化遅延剤として、トリフェニルフォスフィンをトルエンで100倍に希釈した溶液0.199gを添加した。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトルエンとアリルグリシジルエーテルの副生物(アリルグリシジルエーテルのビニル基の内転移物(シス体及びトランス体))を合計5,000ppm以下まで減圧留去し、微黄色透明の液体を得た。
Claims (9)
- (A)1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサン化合物と、(B)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する化合物を、(D)ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させた後、さらに得られた反応物と、(C)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する化合物を、(D)ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させることを特徴とする、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物の製造方法。
- (A)成分の1分子中のSiH基の平均数(α)、(A)成分とヒドロシリル化反応する(B)成分の平均分子数(β)、(A)成分とヒドロシリル化反応する(C)成分のアリル基の数が平均して1個とすると、(α−β)≦3.5であることを特徴とする請求項1に記載のSiH基含有化合物の製造方法。
- (B)成分の分子量が500以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のSiH基含有化合物の製造方法。
- (B)成分がアリルグリシジルエーテルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のSiH基含有化合物の製造方法。
- (C)成分が、1分子中にSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を2〜3個含有し、かつ、分子量が900未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のSiH基含有化合物の製造方法。
- (C)成分がトリアリルイソシアヌレートであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のSiH基含有化合物の製造方法。
- (C)成分がジアリルモノグリシジルイソシアヌレートであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のSiH基含有化合物の製造方法。
- (C)成分がビスフェノールSのジアリルエーテルであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のSiH基含有化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005164261A JP4782476B2 (ja) | 2005-06-03 | 2005-06-03 | SiH基含有化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005164261A JP4782476B2 (ja) | 2005-06-03 | 2005-06-03 | SiH基含有化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006335718A true JP2006335718A (ja) | 2006-12-14 |
JP4782476B2 JP4782476B2 (ja) | 2011-09-28 |
Family
ID=37556573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005164261A Active JP4782476B2 (ja) | 2005-06-03 | 2005-06-03 | SiH基含有化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4782476B2 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006335947A (ja) * | 2005-06-03 | 2006-12-14 | Kaneka Corp | SiH基含有化合物、その製造方法、並びに、SiH基含有化合物を用いた硬化性組成物、その硬化物 |
JP2008201851A (ja) * | 2007-02-16 | 2008-09-04 | Kaneka Corp | 硬化性組成物およびこれを用いた光学材料 |
WO2008136351A1 (ja) * | 2007-04-26 | 2008-11-13 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | 熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物を用いた光学部材 |
JP2009046616A (ja) * | 2007-08-21 | 2009-03-05 | Kaneka Corp | SiH基を有する化合物の製造方法および硬化性組成物 |
JP2012224742A (ja) * | 2011-04-19 | 2012-11-15 | Kaneka Corp | 硬化性組成物 |
JP2013540841A (ja) * | 2010-08-23 | 2013-11-07 | ダウ コーニング コーポレーション | 水性環境で安定している糖シロキサン並びにそのような糖シロキサンの調製及び使用方法 |
CN109422881A (zh) * | 2017-08-31 | 2019-03-05 | 信越化学工业株式会社 | 含环氧基异氰脲酸酯改性有机硅树脂、光敏树脂组合物、光敏干膜、层叠体和图案形成方法 |
JP2019044150A (ja) * | 2017-08-31 | 2019-03-22 | 信越化学工業株式会社 | エポキシ基含有イソシアヌル酸変性シリコーン樹脂、感光性樹脂組成物、感光性ドライフィルム、積層体、及びパターン形成方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003262701A (ja) * | 2002-03-08 | 2003-09-19 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 光学材料用組成物、光学材料、それを用いた液晶表示装置、発光ダイオードおよびそれらの製造方法 |
JP2004002783A (ja) * | 2002-04-04 | 2004-01-08 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 光学材料用組成物、光学材料、その製造方法、およびそれを用いた液晶表示装置及びled |
JP2005112740A (ja) * | 2003-10-03 | 2005-04-28 | Kaneka Corp | 硬化剤、硬化性組成物およびそれを硬化してなる硬化材 |
-
2005
- 2005-06-03 JP JP2005164261A patent/JP4782476B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003262701A (ja) * | 2002-03-08 | 2003-09-19 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 光学材料用組成物、光学材料、それを用いた液晶表示装置、発光ダイオードおよびそれらの製造方法 |
JP2004002783A (ja) * | 2002-04-04 | 2004-01-08 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 光学材料用組成物、光学材料、その製造方法、およびそれを用いた液晶表示装置及びled |
JP2005112740A (ja) * | 2003-10-03 | 2005-04-28 | Kaneka Corp | 硬化剤、硬化性組成物およびそれを硬化してなる硬化材 |
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006335947A (ja) * | 2005-06-03 | 2006-12-14 | Kaneka Corp | SiH基含有化合物、その製造方法、並びに、SiH基含有化合物を用いた硬化性組成物、その硬化物 |
JP2008201851A (ja) * | 2007-02-16 | 2008-09-04 | Kaneka Corp | 硬化性組成物およびこれを用いた光学材料 |
WO2008136351A1 (ja) * | 2007-04-26 | 2008-11-13 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | 熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物を用いた光学部材 |
JPWO2008136351A1 (ja) * | 2007-04-26 | 2010-07-29 | 日立化成工業株式会社 | 熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物を用いた光学部材 |
JP2009046616A (ja) * | 2007-08-21 | 2009-03-05 | Kaneka Corp | SiH基を有する化合物の製造方法および硬化性組成物 |
JP2013540841A (ja) * | 2010-08-23 | 2013-11-07 | ダウ コーニング コーポレーション | 水性環境で安定している糖シロキサン並びにそのような糖シロキサンの調製及び使用方法 |
JP2012224742A (ja) * | 2011-04-19 | 2012-11-15 | Kaneka Corp | 硬化性組成物 |
CN109422881A (zh) * | 2017-08-31 | 2019-03-05 | 信越化学工业株式会社 | 含环氧基异氰脲酸酯改性有机硅树脂、光敏树脂组合物、光敏干膜、层叠体和图案形成方法 |
KR20190024833A (ko) * | 2017-08-31 | 2019-03-08 | 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 | 에폭시기 함유 이소시아누르산 변성 실리콘 수지, 감광성 수지 조성물, 감광성 드라이 필름, 적층체 및 패턴 형성 방법 |
JP2019044150A (ja) * | 2017-08-31 | 2019-03-22 | 信越化学工業株式会社 | エポキシ基含有イソシアヌル酸変性シリコーン樹脂、感光性樹脂組成物、感光性ドライフィルム、積層体、及びパターン形成方法 |
US11294282B2 (en) | 2017-08-31 | 2022-04-05 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Epoxy-containing, isocyanurate-modified silicone resin, photosensitive resin composition, photosensitive dry film, laminate, and pattern forming process |
JP7077795B2 (ja) | 2017-08-31 | 2022-05-31 | 信越化学工業株式会社 | エポキシ基含有イソシアヌル酸変性シリコーン樹脂、感光性樹脂組成物、感光性ドライフィルム、積層体、及びパターン形成方法 |
TWI779084B (zh) * | 2017-08-31 | 2022-10-01 | 日商信越化學工業股份有限公司 | 含環氧基之異氰脲酸改性矽酮樹脂、感光性樹脂組成物、感光性乾膜、層合體、及圖型形成方法 |
KR102605592B1 (ko) | 2017-08-31 | 2023-11-22 | 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 | 에폭시기 함유 이소시아누르산 변성 실리콘 수지, 감광성 수지 조성물, 감광성 드라이 필름, 적층체 및 패턴 형성 방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4782476B2 (ja) | 2011-09-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4782476B2 (ja) | SiH基含有化合物の製造方法 | |
JP4925026B2 (ja) | 有機水素シリコン化合物由来の分岐ポリマーの調製方法 | |
EP3665210B1 (en) | Method for preparing a graft copolymer with a polyolefin backbone and polyorganosiloxane pendant groups | |
JP5426064B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
CN101346415B (zh) | 固化性组合物 | |
KR20050007354A (ko) | 바스 수명이 연장된 조성물 | |
JPH05320346A (ja) | アルケニルオキシ基を有するシロキサンコポリマー、その製法、これを含有する光架橋可能なオルガノポリシロキサンの組成物及び光架橋可能な被覆物の製法 | |
JP4723289B2 (ja) | SiH基含有化合物、その製造方法、並びに、SiH基含有化合物を用いた硬化性組成物、その硬化物 | |
Sahmetlioglu et al. | Silicon acetal metathesis polymerization | |
EP2276794B1 (en) | Silicon-containing polymer, method of manufacturing thereof, and curable polymer composition | |
CN113260640B (zh) | 包含有机聚硅氧烷交联物和(甲基)丙烯酸系聚合物的互穿网络聚合物及其制造方法 | |
JP2009019140A (ja) | 硬化性組成物 | |
JP2007009041A (ja) | 硬化性組成物及びその硬化物 | |
JP2007154008A (ja) | エポキシ基含有オルガノシロキサン化合物の製造方法 | |
Pawluc et al. | Synthesis of phenylene–silylene–ethylene polymers via transition metal complex catalyzed hydrosilylation polymerization | |
JP4475413B2 (ja) | オリゴシロキサン変性ノルボルネン系樹脂及びその製造方法 | |
CN115584204A (zh) | 一种超低离型力有机硅uv涂料 | |
JP4468629B2 (ja) | 末端にエポキシ基含有ケイ素基を有する有機重合体およびその製造方法 | |
JP2009046617A (ja) | SiH基含有化合物の製造方法 | |
KR20150084940A (ko) | 광-이량체화 작용기-함유 유기폴리실록산, 활성화 에너지 방사선-경화가능한 유기폴리실록산 조성물, 및 그의 경화된 생성물 | |
JP2004175887A (ja) | 硬化性組成物 | |
Melendez‐Zamudio et al. | High Refractive Index, Enantiopure Silicones Based on BINOL | |
JP4631270B2 (ja) | SiH基を有する環状シロキサン骨格含有化合物の製造法 | |
JP2011099036A (ja) | 耐熱性に優れた硬化物 | |
EP0913420A2 (en) | Silphenylenesilalkylene polymer, methods for preparing same, and coating composition |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20060922 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080421 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110118 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110125 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110310 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20110310 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110614 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110707 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4782476 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |