JP2006259351A - 感光性組成物及びカラーフィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光重合性モノマー、非感光性樹脂及び/又は感光性樹脂、重合開始剤、及び溶剤を含有し、前記光重合性モノマーは、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレートを含み、多官能ウレタンアクリレートのウレタン基数は1.0×10−3mol/g以上、二重結合基数は4.5×10−3mol/g以上であり、光重合性モノマー中の多官能ウレタンアクリレートの含有量は50重量%以上であることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
光重合性モノマーとは、ラジカルにより重合が誘起されるモノマーのことであり、本発明の第1の実施形態に係る感光性組成物では、光重合性モノマーとして、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレートを含んでいる。なお、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートとの組み合わせは任意であり、特に限定されるものではない。また、1種の多官能ウレタンアクリレートを単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の第1の実施形態に係る感光性組成物には、非感光性樹脂及び/又は感光性樹脂が配合される。現在、環境問題の観点から、現像液として有機溶剤は殆ど使われなくなり、アルカリ現像液が主流となっているが、アルカリ現像液を用いる場合、感光性組成物にはアルカリ可溶型非感光性樹脂を含有させることが好ましい。
本発明の第1の実施形態に係る感光性組成物が、カラーフィルタの着色層又は遮光層を形成するためのものである場合、着色材として顔料を更に含有する必要がある。感光性組成物中の顔料の配合量は特に限定されるものではないが、感光性組成物総量100の1〜20重量%程度であることが好ましい。また、カラーフィルタの分光調整等のために、複数種の顔料を組み合わせて用いることもできる。以下に、着色層用の有機顔料の具体例をカラーインデックス(C.I)ナンバーで示す。
Pigment Green:<C.I>1,1:x,2,2:x,4,7,10,36,37
Pigment Orange:<C.I>2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73
Pigment Red:<C.I>1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:3,81:x,83,88,90,97,112,119,122,123,144,146,149,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,180,184,185,187,188,190,192,200,202,206,207,208,209,210,215,216,217,220,223,224,226,227,228,240,246,254,255,264,272,279
Pigment Violet:<C.I>1,1:x,3,3:3,3:x,5:1,19,23,27,29,30,32,37,40,42,50
Pigment Yellow:<C.I>1,2,3,4,5,6,10,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,144,146,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214
また、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、及び現像性等を確保するために、上記有機顔料と組み合わせて、無機顔料を用いることも可能である。無機顔料としては、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉等を挙げることができる。さらに、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る感光性組成物が着色材として顔料を含有する場合には、顔料を分散させるための分散剤を含有する必要がある。分散剤としては、界面活性剤、顔料の中間体、染料の中間体、ソルスパース(商品名、ゼネカ(株)社製)等が使用される。分散剤の添加量は特に限定されるものではないが、顔料の配合量を100として、1〜10重量%とすることが好ましい。
本発明の第1の実施形態に係る感光性組成物に好適に使用される重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系化合物、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2.4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)]、o−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物ボレート系化合物、カルバソール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が挙げられる。これらは1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合開始剤と光増感剤とを併用することが好ましい。光増感剤としては、α−アシロキシムエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4.4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン系化合物を用いることができる。これらの光増感剤は、1種または2種以上を混合して用いることができる。
本発明の第1の実施形態に係る感光性組成物には、基板上への均一な塗布を可能とするために、水や有機溶剤等の溶剤が配合される。また、本発明の一実施形態に係る感光性組成物がカラーフィルタの着色層や遮光層に用いる場合、溶剤は、顔料を均一に分散させる機能も有する。好適に使用される有機溶剤としては、シクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、モノマー組成、用いる重合開始剤の種類等に応じて、これらを単独でもしくは混合して用いることが出来る。
本発明の第1の実施形態に係る感光性組成物は、公知の方法により調製することが出来る。例えば、光重合性モノマー、感光性樹脂、重合開始剤、顔料、分散剤、及び溶剤からなる感光性組成物は、以下の方法により調製することができる。
カラーフィルタは、基板上に所定のパターンで配列した色の異なる複数の着色層と、隣接する着色層間を遮光する遮光層とを具備してなり、これら着色層と遮光層上には、これらを保護するためのオーバーコート層が形成されることもある。また、液晶表示装置用カラーフィルタでは、遮光層及び/又は着色層上に、セルギャップを均一化するための柱状の凸部(フォトスペーサ)、セルギャップに段差を形成するための光路差調整層が形成されることもある。そして、本実施形態に係るカラーフィルタは、着色層及び/又は遮光層が所定の光重合性モノマーを含む本発明の第1の実施形態である感光性組成物を用いて形成されているか、着色層及び/又は遮光層とこれらの上に形成された保護層、フォトスペーサ、光路差調整層のいずれかを具備し、当該保護層、フォトスペーサ、光路差調整層が所定の光重合性モノマーを含む本発明の第1の実施形態である感光性組成物を用いて形成されているものである。
内容量が1リットルの5つ口反応容器に、グリシジルメタクリレート284g、アクリル酸144g、メトキシフェノール0.4g、及びトリフェニルホスフィン5gを仕込み、80℃で12時間反応させ、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルプロピルメタクリレートを得た。更に、これにヘキサメチレンジイソシアネート168gを仕込み、60℃で8時間反応させ、(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレート(1)を含む生成物を得た。生成物中、多官能ウレタンアクリレート(1)の占める割合は、100重量%である。なお、IR分析により反応生成物中にイソシアネート基が存在しないことを確認した。
内容量が1リットルの5つ口反応容器に、グリシジルメタクリレート142g、アクリル酸77g、メトキシフェノール0.2g、トリフェニルホスフィン3gを仕込み、80℃で12時間反応させ、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルプロピルメタクリレートを得た。更に、これにトリメチロールプロパンのヘキサメチレンジイソシアネート付加物[コロネートHL(日本ポリウレタン(株)製)]490gを仕込み、60℃で8時間反応させ、(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレート(2)を含む生成物を得た。生成物中、多官能ウレタンアクリレート(2)の占める割合は、100重量%である。なお、IR分析により反応生成物中にイソシアネート基が存在しないことを確認した。
内容量が1リットル5つ口反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)432g、ヘキサメチレンジイソシアネート84gを仕込み、60℃で8時間反応させ、(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレート(3)を含む生成物を得た。生成物中、多官能ウレタンアクリレート(3)の占める割合は、70重量%であり、残部を他の光重合性モノマーで占めている。なお、IR分析により反応生成物中にイソシアネート基が存在しないことを確認した。
内容量が1リットルの5つ口反応容器に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成(株)製)623g、ヘキサメチレンジイソシアネート44gを仕込み、60℃で8時間反応させ、(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレート(4)を含む生成物を得た。生成物中、多官能ウレタンアクリレート(4)の占める割合は、45重量%であり、残部を他の光重合性モノマーで占めている。なお、IR分析により反応生成物中にイソシアネート基が存在しないことを確認した。
以下の手順で、カラーフィルタの作製に用いる赤に着色されたアルカリ現像型感光性組成物を調製した。
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッド B−CF」)
分散剤(味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821」) 2重量部
アクリルワニス(固形分20重量%) 108重量部
その後、光重合性モノマーとして、上記合成例1で合成した多官能ウレタンアクリレート(1)を含む下記の組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルターで濾過し、赤色着色組成物を得た。
アクリルワニス(固形分20重量%) 16重量部
多官能ウレタンアクリレート(1) 6重量部
光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー369」) 0.3重量部
光増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.2重量部
シクロヘキサノン 27重量部
(実施例2)
光重合性モノマーとして、上記合成例2で合成した多官能ウレタンアクリレート(2)を含む生成物を用いた以外は実施例1と同様にして、赤に着色されたアルカリ現像型感光性着色組成物を調製した。
光重合性モノマーとして、上記合成例3で合成した多官能ウレタンアクリレート(3)を含む生成物を用いた以外は実施例1と同様にして、赤に着色されたアルカリ現像型感光性組成物を調製した。
光重合性モノマーとして、上記合成例3で合成した多官能ウレタンアクリレート(3)を含む生成物とジペンタエリスリトールヘキサアクリレートカプロラクトン変性(日本化薬社製「DPCA−30」)を8対2の割合で混合したものを用いた以外は実施例1と同様にして、赤に着色されたアルカリ現像型感光性組成物を調製した。
比較のため、実施例1〜4とは異なる光重合性モノマーを用いて、感光性組成物を調製した。すなわち、光重合性モノマーとして、東亜合成社製「アロニックスM−402」を用いた以外は実施例1と同様にして、赤に着色されたアルカリ現像型感光性着色組成物を調製した。
光重合性モノマーとして、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートカプロラクトン変性(日本化薬社製「DPCA−30」)を用いた以外は比較例1と同様にして、赤に着色されたアルカリ現像型感光性組成物を調製した。
光重合性モノマーとして、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(大阪有機化学工業社製「PET−4A」)を用いた以外は比較例1と同様にして、赤に着色されたアルカリ現像型感光性組成物を調製した。
光重合性モノマーとして、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(大阪有機化学工業社製「DiTMP−4A」)を用いた以外は比較例1と同様にして、赤に着色されたアルカリ現像型感光性組成物を調製した。
光重合性モノマーとして、上記合成例4で合成した多官能ウレタンアクリレート(4)を含む生成物を用いた以外は比較例1と同様にして、赤に着色されたアルカリ現像型感光性組成物を調製した。
各実施例及び比較例において調製した各感光性組成物について、以下のようにして評価を行った。はじめに、ガラス基板上に、得られた感光性組成物をスピンコート法により塗布した後、乾燥し、感光性組成物層を形成した。なお、スピンコート条件は500rpm、5秒とした。次いで、ガラス基板を70℃に保持したホットプレート上に載置して、1分間仮焼成した後、感光性組成物層の表面を指で触れ、タック性を評価した。
<現像性>
○:未露光領域には、残査が全く確認されなかった。
○:断面形状が順テーパー
×:断面形状が逆テーパー
<膜厚膨潤率評価(膨潤率)>
○:膜厚膨潤率がNMP浸漬20分で2%以内。
○:NMP浸漬時間30分で外観に変化無し。
それらの結果を下記表1に示す。
Claims (4)
- 光重合性モノマー、非感光性樹脂及び/又は感光性樹脂、重合開始剤、及び溶剤を含有し、前記光重合性モノマーは、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレートを含み、多官能ウレタンアクリレートのウレタン基数は1.0×10−3mol/g以上、二重結合基数は4.5×10−3mol/g以上であり、光重合性モノマー中の多官能ウレタンアクリレートの含有量は50重量%以上であることを特徴とする感光性組成物。
- 顔料及び分散剤を更に含有することを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
- 請求項2に記載の感光性組成物の層を硬化してなる着色層及び/又は遮光層を具備することを特徴とするカラーフィルタ。
- 着色層、遮光層、及び前記着色層及び/又は遮光層上に形成された、請求項1または2に記載の感光性組成物の硬化層を具備し、前記硬化層は、保護層、液晶表示装置のセルギャップを均一化するための柱状の凸部、及び前記セルギャップに段差を形成するための光路差調整層の少なくとも一つであることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタ。
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