JP2006224456A - インクジェットヘッド及びインクジェットヘッド製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド及びインクジェットヘッド製造方法 Download PDF

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徹 大西
Satoyuki Sagara
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Abstract

【課題】ノズルプレートがヘッド部に接着される際に、ノズルプレートの反りを抑制しつつ、接着剤がノズル孔の内面に流れ込むことを確実に防止し、且つ、気泡が発生することによるノズル孔間の連通状態を防止してインク滴の密着力の向上及びインク滴の吐出精度を維持する。
【解決手段】複数のインク室23を有するヘッド部2と、複数のノズル孔31のそれぞれが複数のインク室23に連通するように接着面3A側がヘッド部2の端部に接着されたノズルプレート3であって、接着面3A側における複数のノズル孔31のそれぞれを個別に含む範囲に凹形状を呈する複数の接着剤溜部32を有するノズルプレート3と、を備える。
【選択図】 図3

Description

この発明は、ノズルプレートに形成された複数のノズル孔からインク滴を吐出するインクジェットヘッド及びこのインクジェットヘッドの製造方法に関する。
近年、プリンタにおいては、インパクト印字装置に代わって、カラー化、多階調化に対応し易いインクジェットプリンタ等のノンインパクト印字装置が急速に普及しつつある。
インクジェットプリンタは、インクジェットヘッドを有し、画像データに基づいて用紙等にインク滴を吐出することで画像形成を行う。インクジェットヘッドは、複数のインク室を有するヘッド部、複数のインク室のそれぞれに連通した複数のノズル孔を有するノズルプレート等から構成される。
このインクジェットヘッドを構成するノズルプレートは、ポリイミド、ポリエーテルサルフォン等の高分子材料で形成され、接着面においてヘッド部に接着される。ノズル孔は、形状の精度を向上させる観点からエキシマレーザ等のレーザを用いて形成される。具体的には、ノズルプレートのノズル孔が加工される箇所に対応する透明な部分が設けられたアブレーションマスクを介して、ノズルプレートに接着面側からエキシマレーザを照射する。
ノズルプレートのエキシマレーザが照射された箇所の高分子材料は、エキシマレーザを吸収するので分子結合が切られ、分子又は原子に分解される。この分解された分子又は原子を蒸発させることにより飛散させることでノズル孔が形成される。
なお、インク滴の吐出精度を維持するために接着剤を用いてノズルプレートをヘッド部に接着する際に余剰の接着剤がノズル孔に流れ込まないようにする必要がある。
また、ノズル孔は、インク滴の吐出精度を向上させるためにノズルプレートの接着面側の断面積の方が外部に面する側の断面積よりも大きいテーパ形状を呈している。
ここで、インクジェットヘッドのノズル孔に要求される条件は、孔径の変動が小さいこと及びテーパ角が大きいことである。孔径の変動が大きいとテーパ形状の内周面が滑らかな形状になり難く、ノズル孔の内部を通過するインクの抵抗となる。そのため、インク滴の吐出精度に影響を与えることになる。また、ノズル孔のテーパ角が小さいと、テーパ角の大きいノズル孔に比べて容積が小さくなるので、吐出するインク滴の体積が大きい場合に吐出後に外部からノズル孔を介してインク室に気泡が侵入してしまう。
ノズル孔の内部のインクは、ノズル孔径の大きい側から小さい側に向かう方向に引き付けられ易いので、テーパ角の大きなノズル孔ほどインクを吐出し易く、また空気を吸い込み難くなる。
ところが、エキシマレーザは、精度の高い均一な形状のノズル孔を形成できる一方で、テーパ角を大きくできない欠点がある。通常、インクジェットヘッドのノズル孔のテーパ角は片側で10〜20°必要であるが、エキシマレーザを用いるとテーパ角が4〜8°程度のノズル孔しか形成できない。
そこで、エキシマレーザを用いて必要なテーパ角を確保するため、近年のインクジェットヘッドの製造方法には、例えば、複数のアブレーションマスクを使用して複数回のレーザ照射を行い、ノズル孔に階段状にテーパを形成する工程を含んだ構成のものがある(例えば特許文献1,2参照。)。
しかし、必要なテーパ角を確保するために段差部を設けて階段状にノズル孔が形成されるので、従来の段差部のないテーパ状のノズル孔に比べて孔径の大きいノズル孔が形成され、ヘッド部にノズルプレートを接着する際、従来よりも接着剤がノズル孔の内部に流れ込み易くなってしまっていた。
そのため、ノズル孔の内周面に固着した接着剤の突起がインクの流れを妨げるので、ノズル孔からのインクの一回あたりの吐出量が減少してしまう問題があった。また、接着剤によりノズル孔が塞がれてインクの吐出ができなくなる問題もあった。
そこで、これらの問題を解決するために、近年のインクジェット装置には、図10に示すようなノズルプレート200のノズル孔210の周辺において余剰の接着剤を逃がすための溝部220を形成したインクジェットヘッドを備えた構成のものがある(例えば、特許文献3〜6参照。)。
特開平5−77425号公報 特開平9−66606号公報 実開昭63−189637号公報 特開平7−117230号公報 特開平11−227194号公報 特開2002−307687公報
しかしながら、上述の特許文献3〜6の構成では、図11に示すように、ヘッド部300にノズルプレート200を接着する際にノズル孔210と溝部220との間にある余剰の接着剤250のうちの一部は溝部220に流れ込むが、残りはノズル孔210に流れ込んでしまう可能性がある。また、余剰の接着剤250が溝部220に流れ込む際に気泡を含む場合があり、気泡の熱膨張や接着剤の侵食等によってノズル孔210間を連通してしまう可能性がある。さらに、この気泡によってノズルプレート200とヘッド部300との密着力が低下してしまう。しかも、図10に示す溝部220のような溝形状を有する構成では、ノズルプレート200が反ってしまう可能性がある。
この発明の目的は、ノズルプレートがヘッド部に接着される際に、ノズルプレートの反りを抑制しつつ、接着剤がノズル孔の内面に流れ込むことを確実に防止し、且つ、気泡が発生することによるノズル孔間の連通状態を防止してインク滴の密着力の向上及びインク滴の吐出精度を維持するインクジェットヘッド及びこのインクジェットヘッドの製造方法を提供することにある。
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を備えている。
(1)複数のインク室を有するヘッド部と、
複数のノズル孔のそれぞれが前記複数のインク室に連通した状態で、接着面が前記ヘッド部の端部に接着されたノズルプレートであって、前記接着面における前記複数のノズル孔のそれぞれを個別に含む範囲に凹形状を呈する複数の接着剤溜部を有するノズルプレートと、を備えたことを特徴とするインクジェットヘッド。
この構成においては、ノズルプレートのヘッド部との接着面に凹形状の複数の接着剤溜部が形成されている。また、接着面において、複数の接着剤溜部のそれぞれが連通することなく形成され、複数のノズル孔のそれぞれが個別に各接着剤溜部に含まれる。そのため、ノズルプレートがヘッド部に接着される際、ノズル孔に流れ込もうとする余剰の接着剤が全て接着剤溜部に流れ込む。
(2)前記複数の接着剤溜部は、前記接着面における全面がそれぞれ前記複数のインク室に対向していることを特徴とする。
この構成においては、複数の接着剤溜部のそれぞれの接着面における全面が各インク室に対向した状態でノズルプレートとヘッド部とが接着され、接着剤溜部がヘッド部の壁面に対向することがない。したがって、ヘッド部の壁面と接着剤溜部の一部とで凹部が形成されることがなく、接着剤溜部の一部に空気が溜まることがない。
(3)前記複数の接着剤溜部は、前記接着面において長方形を呈することを特徴とする。
この構成においては、接着面において複数の接着剤溜部が長方形を呈している。接着面における接着剤溜部の面の範囲は隣接する他の接着剤溜部に連通しない限られた範囲に制限されるが、形状が長方形なので制限された範囲内において最大限の大きさが確保される。また、接着面における接着剤溜部の面の範囲が、対向するインク室に制限される場合であっても、制限された範囲内において最大限の大きさが確保される。
(4)前記複数のノズル孔は、断面形状が円形状であり、
前記複数の接着剤溜部のそれぞれは、前記接着面において前記複数のノズル孔の同心円形状を呈することを特徴とする。
この構成においては、接着面における複数の接着剤溜部のそれぞれが複数のノズル孔の同心円形状を呈している。したがって、接着剤溜部の外周形状が同形状であるので、ノズルプレートがヘッド部に接着される際、余剰の接着剤が一部に偏らずに均等に接着剤溜部に流れ込む。
(5)前記複数の接着剤溜部は、前記複数のノズル孔に連通していない凹部を備えたことを特徴とする。
この構成においては、複数の接着剤溜部のそれぞれに、各ノズル孔に連通していない凹部が形成されている。したがって、余剰の接着剤が接着剤溜部に流れ込んだ際に、この凹部にも流れ込む。
(6)(1)〜(5)の何れかに記載のインクジェットヘッドの製造方法であって、
前記ノズルプレートを形成するシートにレーザを照射して前記複数の接着剤溜部及び前記複数のノズル孔を形成する工程と、
前記シートにレーザを照射してカッティングを行って複数の前記ノズルプレートを切り出す工程と、
接着剤を用いて前記ノズルプレートを前記ヘッド部に接着する工程と、をこの順に含むことを特徴とする。
この構成においては、ノズルプレートを形成するためのシートに複数の接着剤溜部及び複数のノズル孔が形成された後、シートがカッティングされて複数のノズルプレートが形成される。次に、接着剤でノズルプレートとヘッド部とが接着される。したがって、レーザによって精度よく接着剤溜部及びノズル孔が形成され、ノズルプレートがヘッド部接着される際、ノズル孔に流れ込もうとする余剰の接着剤が全て接着剤溜部に流れ込む。
この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)接着面における複数のノズル孔のそれぞれを個別に含む範囲に凹形状を呈する複数の接着剤溜部を備えることによって、接着剤を用いてヘッド部にノズルプレートを接着する際、ノズル孔に流れ込もうとする余剰の接着剤を全て接着剤溜部に流れ込ませることができるので、ノズル孔に接着剤が流れ込むことを確実に防止できる。また、余剰の接着剤が接着剤溜部に流れ込む際に気泡を含んでもノズル孔から外部に排出できる。これらにより、インク滴の吐出精度を維持することができ、ノズルプレートとヘッド部との密着力を向上させることができる。さらに、接着面において、各ノズル孔を個別に含むように、且つ、それぞれが連通していない状態で複数の接着剤溜部を形成しているので、ノズルプレートが反ってしまうこともない。
(2)複数の接着剤溜部の接着面における全面のそれぞれを複数のインク室に対向させることによって、インク滴の吐出精度に影響を与える接着剤溜部の一部に空気が溜まることを防止することができる。
(3)接着面における複数の接着剤溜部を長方形に形成することによって、制限された範囲内で接着面における接着剤溜部の面の範囲を最大限の大きさにすることができ、ノズルプレートとヘッド部との密着力を向上させることができる。
(4)接着面における複数の接着剤溜部のそれぞれを複数のノズル孔の同心円形状に形成することによって、余剰の接着剤をノズル孔の周囲に均等に固着させることができるので、接着剤がノズル孔の周囲の一部に偏って固着することがなく、インク滴の吐出に影響を与えることを防止できる。
(5)複数の接着剤溜部のそれぞれに、各ノズル孔に連通していない凹部を形成することによって、より多くの量の余剰の接着剤を接着剤溜部に流れ込ませることができるので、より確実にノズル孔に接着剤が流れ込むことを防止できる。
(6)レーザを用いて接着剤溜部及びノズル孔の形成及びノズルプレートの切り出しを行うことによって、精度よくノズルプレートを形成でき、生産性を向上させることができる。
以下、この発明の最良の実施形態に係るインクジェットヘッドを図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1及び図2は、この発明の実施形態に係るインクジェットヘッドの構成を示す概略図である。インクジェットヘッド1は、画像形成を行うインクジェットプリンタ等を構成するインクジェット装置に備えられ、画像データに基づいて用紙等にインク滴を吐出する。
また、インクジェットヘッド1は、ヘッド部2及びノズルプレート3等から構成されている。ヘッド部2は、ヘッド基板21及び蓋22等から構成され、内部に複数のインク室23を備えている。インク室23は、インクを収容している。
ヘッド基板21は、それぞれがインク室23を構成する複数の溝211を備え、電圧の印加によって剪断変形してインク室23の容積を変化させることでインク滴をノズル孔31から吐出する。また、ヘッド基板21は、分極処理を施したチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)やチタン酸鉛(PZ)などの圧電セラミック材料からなる圧電性基板で形成されている。
蓋22は、溝211の開口部に対向するようにヘッド基板21に接着され、インク室23の一部を構成している。
ヘッド部2の製造は、ダイヤモンドブレードを用いて、ヘッド基板21に溝深さ約300μm、幅約100μmに複数の溝211を形成する。次に、蒸着装置、スパッタリング装置又はプラズマCVD装置を用いて、溝211の壁面(側面)にCu、Al、Cr、Au等の導電性を有する金属膜を約1μm程度の膜厚となるように時間を調節しながら成膜し、圧電駆動用の電極膜212を形成する。これにより、ヘッド基板21が形成される。
次に、蓋22のヘッド基板21との接着面を研磨加工し、さらにヘッド基板21の蓋22との接着面上の不要な電極膜を除去して研磨加工を施する。その後、ヘッド基板21と蓋22とを接着剤を用いて接着する。これにより、ヘッド部2が形成される。
ノズルプレート3は、複数のノズル孔31を備え、接着面においてノズル孔31のそれぞれが各インク室23に連通した状態でヘッド部2に接着される。複数のノズル孔31は、一列に配置されインク室23に収容されているインクを吐出する。
また、ノズルプレート3は、厚さ約50μm程度のポリイミド等の高分子材料で形成されている。複数のノズル孔31は、レーザ加工装置等を用いて形成される。次に、製造したノズルプレート3のノズル孔31が、ヘッド基板21のインク室23の中心位置となるように位置合わせを行い、5μm程度の均一な厚さに接着剤が塗布されたヘッド部2の壁面にノズルプレート3を加圧接着することで、ヘッド部2とノズルプレート3とが接着される。
図3は、接着面3A側から見たノズルプレート3の構成を示す概略図である。図4は、図3に示すA−A′断面を示す断面図である。ノズルプレート3には、複数のノズル孔31のそれぞれの周辺に接着剤溜部32が形成されている。複数の接着剤溜部32は、図4に示すように、ノズルプレート3の接着面3Aにおいて凹形状を呈し、ノズル孔31に連通している。
また、複数の接着剤溜部32は、余剰の接着剤を収容する。接着剤40によってノズルプレート3がヘッド部2に接着される際、余剰の接着剤40は、接着面3Aから溢れてノズル孔31に向かって流れ込もうとするが、図4に示すように各接着剤溜部32に流れ込み固着する。したがって、ノズル孔31に余剰の接着剤40が流れ込んでしまうのを確実に防止できる。これにより、ノズル孔31に接着剤40が流れ込んで壁面に固着してインクの一回あたりの吐出量が少なくなることを防止でき、またノズル孔31を塞いでしまうことを防止できる。
なお、接着剤溜部32の容積が小さいと、余剰の接着剤40を十分に収容できず、ノズル孔31に流れ込み易くなるので、余剰の接着剤40を十分に収容できる容積とする必要がある。
本実施形態において、表1に示すように、ヘッド部2の壁面に塗布する接着剤の厚さを5μmとした場合において、接着剤溜部32の深さをノズル孔31の深さの半分とし、開口面32a及び底面32bの面積を変化させてノズルプレート3とヘッド部2との接着剤がノズル孔31に流れ込むか否かの実験を行った。ここで、表1の開口面32a及び底面32bの面積は、接着面3A側のノズル孔31の面積との比で表している。
表1に示すように、ノズル孔31の面積に対し接着剤溜部32の開口面32a及び底面32bの面積が1.5倍以上における場合では、余剰の接着剤40がノズル孔31に流れ込まなかった。
Figure 2006224456
なお、本実施形態では、接着剤溜部32の深さをノズル孔31の深さの半分としたが、特にこれに限定されるものではなく、余剰の接着剤を収容するのに好適な接着剤溜部32の容積を確保できることを条件に接着剤溜部32とノズル孔31との関係を適宜設定できる。また、本実施形態では開口面32a及び底面32bの面積及び形状を同一にしているが、接着剤溜部32が余剰の接着剤を収容するのに十分な容積となることを条件に接着剤溜部32及びノズル孔31を異なる面積又は形状とすることもできる。
なお、接着剤溜部32は、接着面3Aにおいて全面がインク室23に対向していることが望ましい。つまり、開口32a及び底面32bの前面がインク室23に対向していることが望ましい。図5に示すように全面が対向していないと、ノズルプレート3がヘッド部2に接着される際、接着剤溜部32のインク室23に対向していない箇所であるヘッド部2の壁面と接着剤溜部32とが対向する空隙部(本発明の凹部に相当する。)が形成されるので、インク滴の吐出の際にインク等に含まれている気泡45がこの空隙部に入り込む虞があるからである。つまり、インク滴の吐出においてヘッド基板21が剪断変形する時に気泡45がダンパーの役目をして、インク滴を吐出するためのエネルギを吸収してしまうため、吐出精度の低下の原因となるからである。
また、接着剤溜部32は、図6に示すように、ノズルプレート3の接着面3A側に開口した凹部34を底面32bに形成してもよい。凹部34は、ノズル孔31には連通せず、接着剤溜部32に流れ込んできた余剰の接着剤40を収容する。これによって、より多くの量の余剰の接着剤40を接着剤溜部32に流れ込ませることができるので、ヘッド部2とノズルプレート3との密着力の向上を図ることができる。
本実施形態では、接着剤溜部32をインク室23の形状に沿って長方形に形成しているが特にこれに限定されるものではない。例えば、図7に示すように、円形のノズル孔31に同心円形状になるように接着部材溜部32を形成してもよい。これにより、接着剤溜部32の外周形状が同一となるので、余剰の接着剤40が偏って流れ込んで固着することを防止でき、インク滴の吐出に影響を与えることを防止できる。
なお、ノズルプレート3の接着面3Aにおける接着剤溜部32の形状を長方形にすると、接着面3Aにおける接着剤溜部32の面の範囲は隣接する他の接着剤溜部32に連通しない限られた範囲に制限されるが、この制限された範囲内で接着面3Aにおける接着剤溜部32の面の範囲を最大限の大きさに形成することができ、ヘッド部2とノズルプレート3との密着力を向上させることができる。
ノズルプレート3は、図4に示すようにノズルプレート3が多数個取りされる高分子材料のシート12にレーザ照射装置からレーザを照射することで形成される。
レーザ照射装置は、アブレーションマスク50、レンズ51、図示しないレーザ照射部等を備え、シート12にアブレーションマスク50及びレンズ51を介して図8に示す矢印方向のエキシマレーザ等のレーザを照射する。
アブレーションマスク50は、ノズル孔列50A、接着剤溜部枠列50B、長枠50C及び短枠50Dが形成されている。ノズル孔列50Aは、単一のノズルプレート3に形成されるべき複数のノズル孔31の列に対応するパターンである。接着剤溜部枠列50Bは、単一のノズルプレート3に形成されるべき複数の接着剤溜部32の列に対応するパターンである。長枠50C及び短枠50Dは、シート12からノズルプレート3を切り出す際に用いられ、単一のノズルプレート3の外周の長辺及び短辺に対応したパターンである。
本実施形態におけるアブレーションマスク50は、例えば、石英基板上にアルミでノズル孔列50A等のパターンを作っておいて、更にその上に2種類の誘電体膜を交互に多層積層した全反射膜を形成し、次いでアルミを溶かして所望のパターンを形成することで製造される。
アブレーションマスク50及びレンズ51を介して照射する際、例えば、レンズ51によって1/4に縮小されたノズル孔列50A等の形状がシート12に照射される。
シート12は、外枠に幅2cmのワーキングスペース12Aと、このワーキングスペースの内側に幅1cm以上のマージン領域12Bが設けられている。ノズルプレート3は、シート12のワーキングスペース12A及びマージン領域12Bよりも内側に形成される。
ノズルプレート3の形成は、まず単一のノズルプレート3に形成されるべき複数のノズル孔31の列を一単位とするノズル孔31列を、シート12に形成すべきノズルプレート3の個数分だけ形成する。具体的には、載置されているシート12に対してアブレーションマスク50を一定の位置に移動させる。次に、レーザをアブレーションマスク50のノズル孔列50Aにのみ透過させてシート12に照射する。これにより、単一のノズル孔31列が形成される。
その後、アブレーションマスク50を設定されたピッチ移動間距離だけ移動させて再びアブレーションマスク50を介してシート12にレーザを照射して単一のノズル孔31列を形成し、この動作を繰り返すことによってシート12上にノズルプレート3の個数分だけノズル孔31列が形成される。
次に、単一のノズルプレート3に形成されるべき複数の接着剤溜部32の列を一単位とする接着剤溜部32列を、シート12に形成すべきノズルプレート3の個数分だけ形成する。具体的には、シート12の端(角)に形成された一のノズル孔31列において中心に位置するノズル孔31の配置位置に基づいて、アブレーションマスク50の接着剤溜部枠列50Bにおいて中心に位置する接着剤溜部枠の移動位置をアライメントする。
その後、レーザをアブレーションマスク50の接着剤溜部枠列50Bにのみ透過させてシート12に照射する。これにより、シート12に単一の接着剤溜部32列が形成される。次に、アライメントは行わずにアブレーションマスク50をピッチ移動間距離だけ移動させて再びレーザを照射して接着剤溜部32列を形成し、この動作を繰り返して図9に示すようなノズル孔31列及び接着剤溜部32列が形成された状態となる。
なお、アライメントは、レーザ照射装置に備えられる図示しない撮像手段によって撮像されたノズル孔31列の画像データに基づいて行う。
次に、シート12から多数個のノズルプレート3を切り出す。具体的には、上述と同様にシート12の端(角)に形成された一のノズル孔31列において中心に位置するノズル孔31の配置位置に基づいて、アブレーションマスク50の長枠50Cの移動位置をアライメントする。その後、レーザをアブレーションマスク50の長枠50Cにのみ透過させてシート12に照射してカッティングする。これにより、シート12にノズルプレート3の外周の長辺が形成される。
次に、上述と同様にシート12の端(角)に形成された一のノズル孔31列において中心に位置するノズル孔31の配置位置に基づいて、アブレーションマスク50の短枠50Dの移動位置をアライメントする。その後、レーザをアブレーションマスク50の短枠50Dにのみ透過させてシート12に照射してカッティングする。これにより、シート12にノズルプレート3の外周の短辺が形成される。上記動作を繰り返し行うことによって、シート12から多数個のノズルプレート3が切り出される。
なお、ノズル孔31等の深さ形状は、レーザのショット数、もしくはレーザのパワーを制御することによって形成される。
本実施形態においては、ノズル孔31、接着剤溜部32の形成、及び、ノズルプレート3の切り出しを単一のアブレーションマスク50を用いているので、θずれを発生することがなく、精度よくノズルプレート3を形成でき、生産性を向上させることができる。
以上のように、ノズルプレート3のノズル孔31の周辺に接着剤溜部32を形成することにで、余剰の接着剤40のノズル孔314への流れ込みを確実に防止することができ、ヘッド部2とノズルプレート3との密着力を向上させることができる。
また、余剰の接着剤40が接着剤溜部32に流れ込む際に気泡を含んでも、ノズル孔31と接着剤溜部32とが連通しているので、気泡をノズル孔31から外部に排出できる。これにより、ヘッド部2とノズルプレート3との接着力を強力にでき、高い密着性を確保することができる。さらに、接着面3A側において各ノズル孔31を含むように複数の接着剤溜部32を形成しているので、ノズルプレート3が反ってしまうこともない。
なお、本発明の実施形態では、インクジェットプリンタに用いられるインクジェット装置のインクヘッドについて説明したが、製造装置等に用いるインクジェット装置のインクヘッドにも適用可能である。
この発明の実施形態に係るインクジェットヘッドの構成を示す概略図である。 同インクジェットヘッドの構成を示す簡略図である。 同インクジェットヘッドに備えられるノズルプレートの一部の構成を示す概略図である。 図3に示すA−A′断面を示す断面図である。 インクジェットヘッドに備えられるノズルプレートの構成を示す断面図である。 この発明の実施形態に係るインクジェットヘッドに備えられるノズルプレートの一部の構成を示す断面図である。 同インクジェットヘッドに備えられるノズルプレートの一部の構成を示す上面図である。 ノズルプレートを製造する際に用いるアブレーションマスクの構成を示す斜視図である。 シート状のノズルプレートの状態を示す上面図である。 従来のノズルプレートの構成を示す概略図である。 従来のノズルプレートの構成を示す概略図である。
符号の説明
1−インクジェットヘッド
2−ヘッド部
3−ノズルプレート
3A−接着面
23−インク室
31−ノズル孔
32−接着剤溜部
32a−開口面
32b−底面
34−凹部
40−接着剤

Claims (6)

  1. 複数のインク室を有するヘッド部と、
    複数のノズル孔のそれぞれが前記複数のインク室に連通した状態で、接着面が前記ヘッド部の端部に接着されたノズルプレートであって、前記接着面における前記複数のノズル孔のそれぞれを個別に含む範囲に凹形状を呈する複数の接着剤溜部を有するノズルプレートと、を備えたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記複数の接着剤溜部は、前記接着面における全面がそれぞれ前記複数のインク室に対向していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記複数の接着剤溜部は、前記接着面において長方形を呈することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記複数のノズル孔は、断面形状が円形状であり、
    前記複数の接着剤溜部のそれぞれは、前記接着面において前記複数のノズル孔の同心円形状を呈することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記複数の接着剤溜部は、前記複数のノズル孔に連通していない凹部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載のインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記ノズルプレートを形成するシートにレーザを照射して前記複数の接着剤溜部及び前記複数のノズル孔を形成する工程と、
    前記シートにレーザを照射してカッティングを行って複数の前記ノズルプレートを切り出す工程と、
    接着剤を用いて前記ノズルプレートを前記ヘッド部に接着する工程と、をこの順に含むことを特徴とするインクジェットヘッド製造方法。
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