JP2016068382A - インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェットヘッドの内部を流れるインクをスムーズにノズルへと供給することができる、インクジェットヘッドを提供する。
【解決手段】インクジェットヘッド31は、第一部材40と第二部材47と第三部材51と第四部材59を備える。第一部材はノズル41を含む。第二部材は第一流路48を含む。第三部材は、圧力室52と第一流入部を含む。第一流入部53は、第一流路を流れるインクを圧力室へと流す。第四部材には駆動素子61が設けられる。第一部材と第二部材と第三部材と第四部材は、第一接着層63と第二接着層64と第三接着層65によって接合される。第一流入部は、第一内周面54と第二内周面55と第一段差面56を含む。第一内周面は第一流路に繋がり、流路径が第一値に設定される。第二内周面は圧力室に繋がり、流路径が第二値に設定される。第一段差面は、第一方向において第一内周面と第二内周面の境界に生じる。
【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェットヘッドと、インクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置のインクジェットヘッドに関する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、インクジェットヘッドが開示されている。このインクジェットヘッドでは、流路板と駆動板が接着剤によって接合される。流路板には、ノズル溝と逃げ溝が設けられる。駆動板を接合したとき、接着剤は逃げ溝へ流入する。
特許文献2には、インクジェット記録ヘッドが開示されている。このインクジェット記録ヘッドでは、ノズルプレートとプールプレートと供給孔プレートと圧力室プレートと振動プレートが順次積層され、アクチュエータが取り付けられる。各プレートは、それぞれ複数の接着剤層によって張り合わされる。各接着剤層の厚さは、張り合わされる2枚の基板のうちの薄い方に応じて調整される。薄い基板の張り合わせに用いられる接着剤層の厚さは、この基板よりも厚い基板の張り合わせに用いられる接着剤層の厚さよりも薄くされる。
特許文献3には、液体噴出装置としてのインクジェット印刷ヘッドが開示されている。このインクジェット印刷ヘッドは、液体流路部材を備える。液体流路部材は、噴出孔プレートと、プールプレートと、供給孔プレートと、封止プレートと、圧力室プレートと、振動プレートを積層したものである。液体流路部材の内部には、各プレートに形成された貫通孔により、液体プールから供給孔、供給連通路、圧力室、連通孔、液体噴出孔に至るまでの液体流路が形成される。液体流路部材は、各プレートが接着剤層を介して積層接着されたものである。液体流路部材では、相対する何れか一方のプレートの表面に、プレート間のシール性を高める接着剤遮蔽用突起部が貫通孔の周囲に隔壁状に形成される。突起部は、相対する他方のプレートの表面に当接する。
特許文献4には、液滴吐出ヘッドが開示されている。この液滴吐出ヘッドでは、素子基板と支持基板が接着剤を介して接合される。素子基板は、第一の基板と、第二の基板と、第三の基板を接合したものである。接着剤の塗布異常が生じた場合、硬化途中の余剰接着剤が第一の基板の共通インク供給口内、及び支持基板のインク供給口内壁へ食み出す。食み出した接着剤は、支持基板に設けられた段差内に留まる。
特開平5−330067号公報 特許第3166741号公報 特許第4620955号公報 特開2009−143014号公報
インクジェットヘッドを、複数の部材を積層して形成することがある。複数の部材を積層して形成されたインクジェットヘッドの内部には、インクタンクから供給されたインクをノズルへと流す流路が形成されている。この流路は、積層される各部材に、予め形成された穴及び/又は溝を、それぞれ接続して、連続させることで形成される。インクジェットヘッドを形成する各部材は、積層された状態で接着層によって接合される。接着層は、接着剤によって形成される。従って、インクジェットヘッドを組み立てる際、各部材の端面に塗布された接着剤が、インクジェットヘッドの内部の流路となる、前述の穴及び/又は溝へと流れ込むことがある。穴及び/又は溝へと流れ込んだ接着剤によって、インクジェットヘッドの内部の流路が、狭くなり又は詰まることがある。このような場合、インクジェットヘッドの内部におけるインクの流れが阻害されることとなる。この結果、ノズルからのインクの吐出不良が発生し、高精細な画像が記録できなくなることがある。
本発明は、インクジェットヘッドの内部を流れるインクをスムーズにノズルへと供給することができる、インクジェットヘッドとインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、インクを吐出するノズルを含む第一部材と、インクタンクから供給された前記インクが流れる第一流路と、前記ノズルに繋がる第二流路と、を含む第二部材と、前記インクを貯留する圧力室と、前記第一流路と前記圧力室とを接続し、且つ前記第一流路を流れる前記インクを前記圧力室へと流す第一流入部と、前記圧力室と前記第二流路とを接続し、且つ前記圧力室に貯留された前記インクを前記第二流路へと流す流出部と、を含む第三部材と、前記圧力室に貯留された前記インクに作用し、且つ前記インクを前記ノズルから吐出させるエネルギーを発生する駆動素子が設けられた第四部材と、接着剤によって形成され、前記第一部材と、前記第一部材に積層される前記第二部材と、を接合する第一接着層と、接着剤によって形成され、前記第二部材と、前記第二部材に積層される前記第三部材と、を接合する第二接着層と、接着剤によって形成され、前記第三部材と、前記第三部材に積層される前記第四部材と、を接合する第三接着層と、を備え、前記第一流入部は、前記第一流路に繋がり、流路径が第一値に設定された第一内周面と、前記圧力室に繋がり、流路径が前記第一値より小さい第二値に設定された第二内周面と、前記インクが前記第一流入部を前記第一内周面に沿って流れる第一方向において、前記第一内周面と前記第二内周面との境界に生じる第一段差面と、を含む、インクジェットヘッドである。
これによれば、第一流入部が、第二内周面に対応する第一流入部の部分(第二部分)で、第二接着層を形成する接着剤によって、狭くなり又は詰まることを抑制することができる。第二部材に対応する部材と、第三部材に対応する部材を接合する際、第二接着層に対応する接着層を形成する接着剤が、それぞれの部材における各端面の間から食み出し、第一流路に対応する流路と、圧力室に対応する空間を接続する流入部の側へと流れ込むことが考えられる。この場合、この流入部は、流れ込む接着剤によって、狭くなり又は詰まった状態となることが想定される。この流入部が前述した状態となると、インクの流れが阻害され、第一流路に対応する流路から圧力室に対応する空間へのインクの流れがスムーズに行われなくなる。インクの流れが停止することもある。その結果、ノズルからのインクの吐出に関し、安定性が低下する。上述したインクジェットヘッドでは、第二部材と第三部材の各端面の間から、第二接着層を形成する接着剤が食み出したとしても、第一内周面と第一段差面の角部と第一段差面において、第一内周面に沿って流れ込み第二部分の側へと進行する接着剤を、停止させることができる。その結果、接着剤が、第二部分に到達することを防止することができる。第二部分における第一流入部の詰まりを抑制し、インクを第一流路から圧力室へと流すことができる。ノズルからのインクの吐出の安定性が低下することを防ぐことができる。
インクジェットヘッドにおいて、前記第一段差面は、前記第一方向に直交する第二方向に沿った面である、ようにしてもよい。これによれば、第一内周面と第一段差面の角部の形状を直角とすることができる。第一内周面に沿って流れ込む接着剤を、この角部において停止させることができる。例えば、第一内周面と第一段差面のなす角を90°より広くした構成と比較し、接着剤の進行を停止させる性能を向上させることができる。
インクジェットヘッドにおいて、前記第二内周面では、前記第一方向に対応する寸法が第三値に設定され、前記第一内周面では、前記第一方向に対応する寸法が前記第三値より大きい第四値に設定される、ようにしてもよい。これによれば、第二部材と第三部材の各端面の間から食み出した接着剤に対する許容量を増加させることができる。第二部材と第三部材を接合する際、接合対象の端面に、接合に適切な量の接着剤を塗布することが可能となる。第二接着層による第二部材と第三部材の接合強度を向上させることができる。例えば、画像の記録時において、第二部材と第三部材の間からインクが漏れるといった事態の発生を防ぐことができる。
インクジェットヘッドにおいて、前記第一流入部は、前記第一内周面に対応する前記第一流入部の第一部分の流路面積が、前記第一流入部との境界における前記第一流路の流路面積より狭く設定され、前記第一段差面の面積が、前記第二内周面に対応する前記第一流入部の第二部分の流路面積より広く設定された流路である、ようにしてもよい。これによれば、インクを、第一流路から圧力室へとスムーズに流すことができる。第二部分の側へと進行する接着剤を、第一段差面上において停止させることができる。
インクジェットヘッドにおいて、前記第一部材は、前記第二流路と前記ノズルとを接続し、且つ前記第二流路を流れる前記インクを前記ノズルへと流す第二流入部を含み、前記第二流入部は、流路径が、前記第二流入部との境界における前記ノズルの直径より大きい第五値に設定された第三内周面と、前記インクが前記第二流入部を前記第三内周面に沿って流れる第三方向において、前記第三内周面と前記ノズルとの境界に生じる第二段差面と、を含む、ようにしてもよい。これによれば、ノズルが、第一接着層を形成する接着剤によって、狭くなり又は詰まることを抑制することができる。第一部材に対応する部材と、第二部材に対応する部材を接合する際、第一接着層に対応する接着層を形成する接着剤が、それぞれの部材における各端面の間から食み出し、ノズルへと流れ込むことが考えられる。この場合、ノズルは、流れ込む接着剤によって、狭くなり又は詰まった状態となることが想定される。ノズルが前述した状態となると、インクの吐出が阻害され、又はインクの吐出が行われなくなる。つまり、ノズルからのインクの吐出に関し、安定性が低下する。上述したインクジェットヘッドでは、第一部材と第二部材の各端面の間から、第一接着層を形成する接着剤が食み出したとしても、第三内周面と第二段差面の角部と第二段差面において、第三内周面に沿って流れ込みノズルの側へと進行する接着剤を、停止させることができる。その結果、接着剤が、ノズルに到達することを防止することができる。接着剤によるノズルの詰まりを抑制し、インクを第二流路からノズルへと流すことができる。ノズルからのインクの吐出の安定性が低下することを防ぐことができる。上記において、第三方向は、第一方向に沿った方向であってもよい。即ち、第三方向は、第一方向と同じ、又は第一方向と反対の方向となる場合がある。
本発明の他の側面は、上述したインクジェットヘッドを備える、インクジェット記録装置である。これによれば、上述した機能が実現されたインクジェット記録装置とすることができる。
本発明によれば、インクジェットヘッドの内部を流れるインクをスムーズにノズルへと供給することができる、インクジェットヘッドとインクジェット記録装置を得ることができる。
インクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。 インクジェットヘッドの概略構成を示す斜視図である。 図2に示すP−Q−R−S線断面図である。インクジェットヘッドの内部流路の一例を示す。
本発明を実施するための実施形態について、図面を用いて説明する。本発明は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に示す構成の一部は、省略し又は他の構成等に置換してもよい。他の構成を含むようにしてもよい。
<インクジェット記録装置>
インクジェット記録装置10について、図1を参照して説明する。インクジェット記録装置10では、記録媒体15が搬送され、記録媒体15の記録面16に画像が記録される。インクジェット記録装置10では、各種の記録媒体15を対象として画像が記録される。記録媒体15としては、例えば、布帛又は建築用資材が挙げられる。実施形態では、記録媒体15が長尺の布帛である場合を例に説明する。画像の記録に用いられるインク色は、ブラック、マゼンタ、イエロー及びシアンの4色とする。インク色は、これら以外の色であってもよい。インク色数は、3色以下又は5色以上としてもよい。図1で搬送方向の下流側に図示された記録媒体15の部分に付した網点模様は、記録媒体15に記録された画像に対応する。
インクジェット記録装置10は、図1に示すように、搬送部20と、記録部30と、移動部70と、メインタンク80K,80M,80Y,80Cと、供給流路81K,81M,81Y,81Cを備える。搬送部20は、記録媒体15を、記録媒体15の長手方向に沿って搬送する。搬送部20によって搬送される記録媒体15は、記録部30を通過する。実施形態では、搬送部20によって記録媒体15が搬送される方向を「搬送方向」という。記録媒体15の長手方向及び搬送方向に直交する方向を「主走査方向」という。主走査方向は、記録媒体15の短手方向に一致する。記録媒体15の短手方向は、記録媒体15の幅方向である。記録媒体15の長手方向に一致し、記録媒体15の短手方向及び主走査方向に直交する方向を「副走査方向」という。
記録部30は、インクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cと、キャリッジ35を備える。インクジェットヘッド31Kは、ブラックインクを吐出し、ブラックインクによって画像を記録するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド31Kには、ブラックインクを吐出するノズル41(図3参照)が複数形成される。インクジェットヘッド31Mは、マゼンタインクを吐出し、マゼンタインクによって画像を記録するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド31Mには、マゼンタインクを吐出するノズル41が複数形成される。インクジェットヘッド31Yは、イエローインクを吐出し、イエローインクによって画像を記録するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド31Yには、イエローインクを吐出するノズル41が複数形成される。インクジェットヘッド31Cは、シアンインクを吐出し、シアンインクによって画像を記録するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド31Cには、シアンインクを吐出するノズル41が複数形成される。
キャリッジ35には、インクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cが所定の位置に位置決めされた状態でそれぞれ搭載される。インクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cは、図1に示すように、主走査方向に隣り合った状態でキャリッジ35に搭載される。インクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cの配列順序は、図1とは異なる順序としてもよい。これらの配列順序は、諸条件を考慮して適宜決定される。インクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cに関するこの他の説明は後述する。
移動部70は、記録部30を、主走査方向に往復移動させる。移動部70は、図1に示すように、2個のプーリ71,72と、タイミングベルト73と、モータ74を含む。2個のプーリ71,72は、搬送部20を基準として、主走査方向の両側にそれぞれ設けられる。プーリ71には、モータ74が連結される。プーリ72は、回転自在に支持される。プーリ71は、モータ74の回転に伴い回転する。タイミングベルト73は、張力が作用した状態でプーリ71,72に架け渡される。タイミングベルト73には、キャリッジ35に固定された支持部76を介して記録部30が取り付けられる。
メインタンク80Kは、ブラックインクを貯留する。供給流路81Kは、メインタンク80Kとインクジェットヘッド31Kを繋ぐ。ブラックインクは、メインタンク80Kから流出し、供給流路81Kを流れて、インクジェットヘッド31Kに供給される。メインタンク80Mは、マゼンタインクを貯留する。供給流路81Mは、メインタンク80Mとインクジェットヘッド31Mを繋ぐ。マゼンタインクは、メインタンク80Mから流出し、供給流路81Mを流れて、インクジェットヘッド31Mに供給される。メインタンク80Yは、イエローインクを貯留する。供給流路81Yは、メインタンク80Yとインクジェットヘッド31Yを繋ぐ。イエローインクは、メインタンク80Yから流出し、供給流路81Yを流れて、インクジェットヘッド31Yに供給される。メインタンク80Cは、シアンインクを貯留する。供給流路81Cは、メインタンク80Cとインクジェットヘッド31Cを繋ぐ。シアンインクは、メインタンク80Cから流出し、供給流路81Cを流れて、インクジェットヘッド31Cに供給される。
図1では、供給流路81K,81M,81Y,81Cは、簡略化された状態で図示されている。供給流路81K,81M,81Y,81Cは、記録部30の主走査方向への往復移動に対応可能な状態で設けられる。インクジェット記録装置10は、上述した各部の他、不図示のポンプを備える。ポンプは、インク色数に対応して4台設けられる。4台のポンプは、供給流路81K,81M,81Y,81Cにそれぞれ設けられる。メインタンク80K,80M,80Y,80Cに貯留された各色のインクは、各色用のポンプによってインクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cに送られる。
インクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cは、同様の構成を有する。メインタンク80K,80M,80Y,80Cは、同様の構成を有する。供給流路81K,81M,81Y,81Cは、同様の構成を有する。実施形態では、インクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cを区別せず、又はこれらを総称する場合、「インクジェットヘッド31」という。メインタンク80K,80M,80Y,80Cを区別せず、又はこれらを総称する場合、「メインタンク80」という。供給流路81K,81M,81Y,81Cを区別せず、又はこれらを総称する場合、「供給流路81」という。
インクジェット記録装置10での画像の記録は、制御装置に、画像の記録の開始指令が入力された場合に開始される。図1では、制御装置の図示は省略されている。制御装置は、インクジェット記録装置10と通信可能に接続され、インクジェット記録装置10を制御する。制御装置への開始指令の入力に伴い、移動部70と搬送部20は、次のように動作する。即ち、移動部70において、プーリ71に連結されたモータ74が時計回りと反時計回りに往復して回転する。モータ74の回転に伴い、プーリ71が左右両側に往復して回転する。図1でプーリ71の内側に示す「弧状の矢印」は、プーリ71の回転方向を示す。モータ74が所定の方向に回転することでプーリ71が左回転すると、タイミングベルト73も左回転する。プーリ72は、左回転するタイミングベルト73に従動して回転する。これに伴い、記録部30は、主走査方向の第二側から第一側に移動する。記録部30が主走査方向の第一側の移動端に到達すると、モータ74の回転方向は反転し、プーリ71は、右回転する。プーリ71が右回転すると、タイミングベルト73も右回転する。プーリ72は、右回転するタイミングベルト73に従動して回転する。これに伴い、記録部30は、主走査方向の第一側から第二側に移動する。記録部30が主走査方向の第二側の移動端に到達すると、モータ74の回転方向は再度反転し、プーリ71は、再度左回転する。
搬送部20は、上述した記録部30の主走査方向への往復移動に対応して、記録媒体15を搬送方向に搬送する。即ち、搬送部20による記録媒体15の搬送は、記録部30の主走査方向への往復移動に応じて間欠的に行われる。各色のインクは、記録部30が主走査方向に移動している所定のタイミングで、インクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cにそれぞれ形成されたノズル41から、記録媒体15に向けて吐出される。インクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cの各ノズル41から吐出された各色のインクは、記録媒体15の記録面16に着弾する。着弾した各色のインクによって記録媒体15の記録面16に、画像が記録される。記録媒体15の記録面16は、記録媒体15が記録部30を通過する際、各色用のインクジェットヘッド31の吐出面42(図3参照)と対向する面である。吐出面42は、各色用のインクジェットヘッド31でノズル41が形成された面である。
移動部70は、画像の記録が終了するまで動作する。従って、記録部30の主走査方向への往復移動は、画像の記録が終了するまで繰り返される。搬送部20は、例えば、画像の記録が終了した後、所定のタイミングで停止する。搬送部20の停止に伴い、搬送方向への記録媒体15の搬送も終了する。
<インクジェットヘッド>
インクジェットヘッド31について、図2及び図3を参照して説明する。上述した通り、インクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cは、同様の構成を有する。従って、以下では、インク色を区別することなく説明する。
インクジェットヘッド31に形成される複数のノズル41は、その半数が副走査方向に配列して1列のノズル列をなし、このノズル列が主走査方向に2列設けられた状態で配置される。この場合、2本のノズル列は、副走査方向に所定量だけずれた状態で主走査方向に隣り合って設けられる。即ち、複数のノズル41は、千鳥状に配置される。このような複数のノズル41の配置は例示である。従って、複数のノズル41の配置は、このような配置とは異なる配置としてもよい。実施形態では、ノズル41は、吐出面42におけるノズル41の直径φFが、後述する第二流入部43との境界におけるノズル41の直径φGより小さいテーパ形状とされている。ノズル41の形状は、これとは異なる形状であってもよい。例えば、ノズル41は、直径φF,φGが同一となるストレート形状としてもよい。
インクジェットヘッド31は、内部流路32を含む。内部流路32は、インクジェットヘッド31の内部に形成された流路である。内部流路32は、供給口33(図2参照)を通過してインクジェットヘッド31に供給されたインクをノズル41へと流す。供給口33には、メインタンク80に接続される供給流路81の端部とは反対側となる、供給流路81の端部が接続される。供給口33と複数のノズル41のそれぞれは、内部流路32によって接続される(図1参照)。メインタンク80から供給されたインクは、供給口33からインクジェットヘッド31内に流入し、内部流路32を流れる。内部流路32を流れるインクは、複数のノズル41にそれぞれ到達し、各ノズル41から吐出される。
インクジェットヘッド31は、図3に示すように、第一部材40と、第二部材47と、第三部材51と、第四部材59と、第一接着層63と、第二接着層64と、第三接着層65を備える。第一部材40は、複数のノズル41を含む。即ち、インクジェットヘッド31において、複数のノズル41は、第一部材40に形成される。この他、第一部材40は、第二流入部43を含む。第二流入部43については後述する。第二部材47は、第一流路48と、第二流路49を含む。第一流路48は、メインタンク80から供給されたインクが流れる流路である。第二流路49は、ノズル41へと繋がる流路である。
第三部材51は、圧力室52と、第一流入部53と、流出部57を含む。圧力室52は、インクを貯留する。第一流入部53は、第一流路48と圧力室52を接続する。第一流入部53は、第一流路48を流れるインクを圧力室52へと流す流路である。圧力室52に貯留されるインクは、第一流路48から第一流入部53を通過して、圧力室52に流入する。第一流入部53に関し、その形状についての説明は後述する。流出部57は、圧力室52と第二流路49を接続する。流出部57は、圧力室52に貯留されたインクを第二流路49へと流す流路である。圧力室52に貯留されたインクは、圧力室52から流出部57を通過して、第二流路49へと流れる。
第四部材59には、駆動素子61が設けられる。実施形態では、駆動素子61は、第四部材59の鉛直方向の上側の端面に接合される。駆動素子61は、第四部材59を挟み、圧力室52に対向する。駆動素子61の接合には、接着剤が用いられる。接着剤としては、例えば、後述する、第一接着層63と第二接着層64と第三接着層65を形成する接着剤と同様の接着剤が用いられる。駆動素子61は、インクをノズル41から吐出させるエネルギーを発生する。駆動素子61としては、例えば、ピエゾ素子が挙げられる。駆動素子61がピエゾ素子である場合、ノズル41からインクを吐出させるエネルギーは、ピエゾ素子が変形することで発生する。ピエゾ素子は、電圧の印加に応じて変形する。圧力室52に貯留されたインクには、駆動素子61が発生させたエネルギーが作用する。即ち、圧力室52に貯留されたインクには、ピエゾ素子の変形に伴う圧力が作用する。圧力室52に貯留されたインクは、自身に作用する圧力によって、圧力室52から流出部57を通過して、第二流路49へと流れ込む。これに伴い、ノズル41からインクが吐出される。駆動素子61としては、公知のインクジェットヘッドと同様、ヒータを採用することもできる。駆動素子61がヒータである場合、ノズル41からインクを吐出させるエネルギーは、ヒータが発生させた熱エネルギーである。
第一部材40の第二流入部43は、ノズル41と第二流路49を接続する。第二流入部43は、第二流路49を流れるインクをノズル41へと流す流路である。第二流路49を流れるインクは、第二流路49から第二流入部43を通過して、ノズル41へと到達する。第二流入部43に関し、その形状についての説明は後述する。
第一部材40と第二部材47と第三部材51と第四部材59は、次に説明する状態で積層され、第一接着層63と第二接着層64と第三接着層65によってそれぞれ接合される。第一接着層63と第二接着層64と第三接着層65は、接着剤が硬化した接着層である。接着剤としては、例えば、エポキシ系又はアクリル系の接着剤が用いられる。実施形態では、第一部材40と第二部材47と第三部材51と第四部材59が積層される方向は、鉛直方向である。
第二部材47は、第一部材40に積層される。第一接着層63は、第一部材40と第二部材47を接合する。即ち、第一部材40と第二部材47は、第一部材40の鉛直方向の上側の端面と、第二部材47の鉛直方向の下側の端面が対向する状態で積層され、第一接着層63によって接合される。第一部材40の鉛直方向の上側の端面は、鉛直方向において、吐出面42とは反対側となる端面である。インクジェットヘッド31における吐出面42は、第一部材40の鉛直方向の下側の端面によって形成される。第一接着層63を形成する接着剤は、第一部材40の鉛直方向の上側の端面と、第二部材47の鉛直方向の下側の端面の一方又は両方に塗布される。例えば、接着剤は、第二部材47の鉛直方向の下側の端面に塗布される。
第三部材51は、第二部材47に積層される。第二接着層64は、第二部材47と第三部材51を接合する。即ち、第二部材47と第三部材51は、第二部材47の鉛直方向の上側の端面と、第三部材51の鉛直方向の下側の端面が対向する状態で積層され、第二接着層64によって接合される。第二接着層64を形成する接着剤は、第二部材47の鉛直方向の上側の端面と、第三部材51の鉛直方向の下側の端面の一方又は両方に塗布される。例えば、接着剤は、第二部材47の鉛直方向の上側の端面に塗布される。
第四部材59は、第三部材51に積層される。第三接着層65は、第三部材51と第四部材59を接合する。即ち、第三部材51と第四部材59は、第三部材51の鉛直方向の上側の端面と、第四部材59の鉛直方向の下側の端面が対向する状態で積層され、第三接着層65によって接合される。第三接着層65を形成する接着剤は、第三部材51の鉛直方向の上側の端面と、第四部材59の鉛直方向の下側の端面の一方又は両方に塗布される。例えば、接着剤は、第三部材51の鉛直方向の上側の端面に塗布される。第四部材59の鉛直方向の上側の端面には、上述した通り、駆動素子61が接合される。
第一部材40と第二部材47と第三部材51と第四部材59が、第一接着層63と第二接着層64と第三接着層65によってそれぞれ接合される等して、インクジェットヘッド31が一体的に組み立てられたとする。この場合、第一流路48と第一流入部53と圧力室52と流出部57と第二流路49と第二流入部43は、それぞれ接続されて、連続した流路を形成する。この流路は、インクジェットヘッド31の内部流路32に含まれる。即ち、第一流路48と第一流入部53と圧力室52と流出部57と第二流路49と第二流入部43は、少なくとも、内部流路32のうちの支流路となる部分を形成する。内部流路32の支流路は、供給口33を端部とする内部流路32の本流部34から、各ノズル41の側へと分岐した部分である。本流部34は、副走査方向に延在した状態で設けられる。図3では、主として、内部流路32の支流路の部分が図示されている。図3では、切断面から視線方向(図2に示す「P−Q−R−S線」参照)の後方に見える形態の図示は、本流部34を除き、適宜省略されている。
<第一流入部>
第一流入部53の形状について、図3を参照して説明する。第一流入部53は、第一内周面54と、第二内周面55と、第一段差面56を含む。第一内周面54は、第一流入部53の内周面の全体のうち、第一流路48に繋がる第一流入部53の第一方向における第一部分を形成する内周面の部分である。第二内周面55は、第一流入部53の内周面の全体のうち、圧力室52に繋がる第一流入部53の第一方向における第二部分を形成する内周面の部分である。第一方向は、第一流路48から圧力室52へと流れるインクが、第一流入部53を流れる方向である。即ち、第一方向は、第一内周面54と第二内周面55に沿った方向となる。実施形態では、第一方向は、鉛直方向の下側から上側となる。
第一内周面54は、流路径が直径φAに設定される。第二内周面55は、流路径が直径φBに設定される。直径φBは、直径φAより小さな値に設定される(直径φB<直径φA)。従って、第一流入部53では、第一方向において、第一内周面54と第二内周面55の境界に、第一段差面56が生じる。即ち、第一段差面56は、前述した境界に生じる、環状の段差面である。第一段差面56は、第二方向に沿った面である。第二方向は、第一方向に直交する方向である。実施形態では、第二方向は、水平方向となる。
ここで、第一流路48では、第一流入部53との境界における流路径が、直径φDに設定される。直径φAは、直径φDより小さな値に設定される(直径φA<直径φD)。更に、「直径φB<直径φA」に設定される直径φA,φBに関し、直径φA,φBは、次の関係を満足する値にそれぞれ設定される。即ち、直径φA,φBは、「(π×直径φA/4)−(π×直径φB/4)>π×直径φB/4」が満足される値にそれぞれ設定される。ここで、「π×直径φA/4」は、第一内周面54に対応する第一流入部53の第一部分の流路面積である。「π×直径φB/4」は、第二内周面55に対応する第一流入部53の第二部分の流路面積である。そのため、「(π×直径φA/4)−(π×直径φB/4)」は、第一段差面56の面積である。従って、第一流入部53は、第一内周面54に対応する第一流入部53の第一部分の流路面積が、第一流入部53との境界における第一流路48の流路面積より狭く設定され、第一段差面56の面積が、第二内周面55に対応する第一流入部53の第二部分の流路面積より広く設定された流路である。
第一内周面54では、第一方向に対応する寸法が寸法HKに設定される。第二内周面55では、第一方向に対応する寸法が寸法HLに設定される。寸法HKは、寸法HLより大きな値に設定される(寸法HK>寸法HL)。従って、第一流入部53は、第一方向(鉛直方向)において、第一内周面54に対応する第一流入部53の第一部分の寸法HKが、第二内周面55に対応する第一流入部53の第二部分の寸法HLより長く設定された流路でもある。
<第二流入部>
第二流入部43の形状について、図3を参照して説明する。第二流入部43は、第三内周面44と、第二段差面45を含む。第三内周面44は、第二流入部43の内周面である。第三内周面44は、流路径が直径φEに設定される。実施形態では、直径φEは、第二流入部43の流路径ということもできる。直径φEは、第二流入部43との境界におけるノズル41の直径φGより大きな値に設定される(直径φE>直径φG)。従って、第二流入部43には、第三方向において、第三内周面44とノズル41の境界に、第二段差面45が生じる。即ち、第二段差面45は、前述した境界に生じる、環状の段差面である。第三方向は、第二流路49からノズル41へと流れるインクが、第二流入部43を流れる方向である。即ち、第三方向は、第三内周面44に沿った方向となる。実施形態では、第三方向は、鉛直方向の上側から下側となる。第二段差面45は、第二方向に沿った面である。従って、第二段差面45は、第一段差面56に平行な面となる。
<実施形態の効果>
実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)インクジェットヘッド31では、第一部材40と第二部材47と第三部材51と第四部材59が、第一接着層63と第二接着層64と第三接着層65によってそれぞれ接合される(図2及び図3参照)。第三部材51には、圧力室52と第一流入部53と流出部57が設けられる(図3参照)。第一流入部53は、第二部材47に設けられた第一流路48と、圧力室52を接続し、且つ第一流路48を流れるインクを圧力室52へと流す。第一流入部53では、第一流入部53をインクが流れる第一方向(鉛直方向の下側から上側)において、第一内周面54と第二内周面55の境界に、第一段差面56が設けられる(図3参照)。
そのため、第一流入部53が、第二内周面55に対応する第一流入部53の第二部分で、第二接着層64を形成する接着剤によって、狭くなり又は詰まることを抑制することができる。第二部材47に対応する部材と、第三部材51に対応する部材を接合する際、第二接着層64に対応する接着層を形成する接着剤が、それぞれの部材における各端面の間から食み出し、第一流路48に対応する流路と、圧力室52に対応する空間を接続する流入部の側へと流れ込むことが考えられる。この場合、この流入部は、流れ込む接着剤によって、狭くなり又は詰まった状態となることが想定される。この流入部が前述した状態となると、インクの流れが阻害され、第一流路48に対応する流路から圧力室52に対応する空間へのインクの流れがスムーズに行われなくなる。インクの流れが停止することもある。その結果、ノズルからのインクの吐出に関し、安定性が低下する。インクジェットヘッド31では、第二部材47と第三部材51の各端面の間から、第二接着層64を形成する接着剤が食み出したとしても、第一内周面54と第一段差面56の角部と第一段差面56において、第一内周面54に沿って流れ込み第二部分の側へと進行する接着剤を、停止させることができる。その結果、接着剤が、第二部分に到達することを防止することができる。第二部分における第一流入部53の詰まりを抑制し、インクを第一流路48から圧力室52へと流すことができる。ノズル41からのインクの吐出の安定性が低下することを防ぐことができる。インクジェットヘッド31では、インクをスムーズにノズル41へと供給することができる。
(2)第一流入部53では、第一段差面56を、第一方向に直交する第二方向に沿った面とした(図3参照)。そのため、第一内周面54と第一段差面56の角部の形状を直角とすることができる。第一内周面54に沿って流れ込む接着剤を、この角部において停止させることができる。例えば、第一内周面と第一段差面のなす角を90°より広くした構成と比較し、接着剤の進行を停止させる性能を向上させることができる。ところで、第一段差面を、第一内周面とのなす角が90°未満となる面とすることもできる。但し、第一内周面と第一段差面のなす角が90°未満である場合、第一内周面と第一段差面の角部の領域に、インク溜まりが発生し易くなる。この部分におけるスムーズなインクの流れを実現する対策が必要となる場合もある。第一段差面56を第二方向に沿った面とすることで、インク溜まりの発生をなくすことができる。特別な対策を行うことなく、この部分におけるスムーズなインクの流れが可能となる。
(3)第一流入部53では、第一方向(鉛直方向)における寸法HKが寸法HLより長く設定される(図3参照)。寸法HKは、第一内周面54に対応する第一流入部53の第一部分の寸法である。寸法HLは、第二内周面55に対応する第一流入部53の第二部分の寸法である。そのため、第二部材47と第三部材51の各端面の間から食み出した接着剤に対する許容量を増加させることができる。第二部材47と第三部材51を接合する際、接合対象の端面に、接合に適切な量の接着剤を塗布することが可能となる。第二接着層64による第二部材47と第三部材51の接合強度を向上させることができる。例えば、画像の記録時において、第二部材47と第三部材51の間からインクが漏れるといった事態の発生を防ぐことができる。
(4)第一流入部53では、第一内周面54に対応する第一流入部53の第一部分の流路面積が、第一流入部53との境界における第一流路48の流路面積より狭く設定される。第一流入部53では、第一段差面56の面積が、第二内周面55に対応する第一流入部53の第二部分の流路面積より広く設定される。そのため、インクを、第一流路48から圧力室52へとスムーズに流すことができる。第二部分の側へと進行する接着剤を、第一段差面56上において停止させることができる。内部流路32内に、インクと共に気泡が存在したとしても、スムーズなインクの流れにより、この気泡を排出することが可能となる。
(5)ノズル41を含む第一部材40には、第二流入部43が設けられる(図3参照)。第二流入部43は、ノズル41と、第二部材47に設けられた第二流路49を接続し、且つ第二流路49を流れるインクをノズル41へと流す。第二流入部43では、第二流入部43をインクが流れる第三方向(鉛直方向の上側から下側)において、第二流入部43の第三内周面44とノズル41の境界に、第二段差面45が設けられる。そのため、ノズル41が、第一接着層63を形成する接着剤によって、狭くなり又は詰まることを抑制することができる。第一部材40に対応する部材と、第二部材47に対応する部材を接合する際、第一接着層63に対応する接着層を形成する接着剤が、それぞれの部材における各端面の間から食み出し、ノズルへと流れ込むことが考えられる。この場合、ノズルは、流れ込む接着剤によって、狭くなり又は詰まった状態となることが想定される。ノズルが前述した状態となると、インクの吐出が阻害され、又はインクの吐出が行われなくなる。つまり、ノズルからのインクの吐出に関し、安定性が低下する。インクジェットヘッド31では、第一部材40と第二部材47の各端面の間から、第一接着層63を形成する接着剤が食み出したとしても、第三内周面44と第二段差面45の角部と第二段差面45において、第三内周面44に沿って流れ込みノズル41の側へと進行する接着剤を、停止させることができる。その結果、接着剤が、ノズル41に到達することを防止することができる。接着剤によるノズル41の詰まりを抑制し、インクを第二流路49からノズル41へと流すことができる。ノズル41からのインクの吐出の安定性が低下することを防ぐことができる。
<変形例>
実施形態は、次のようにすることもできる。以下に示す変形例のうちの幾つかの構成は、適宜組み合わせて採用することもできる。以下では上記とは異なる点を説明することとし、同様の点についての説明は適宜省略する。
(1)上記では、インクジェット記録装置10がシリアル型である場合を例として説明した(図1参照)。インクジェットヘッド31における構造は、ライン型のインクジェットヘッドに採用することもできる。ライン型のインクジェットヘッドでは、複数のノズルは、記録媒体15の短手方向に一致する主走査方向に配列される。ノズルが配列される主走査方向の範囲は、例えば、記録媒体15の幅W(図1参照)以上とされる。ノズル列数は、上記同様、複数列とされることもある。
(2)上記では、メインタンク80とインクジェットヘッド31が供給流路81を介して直接接続されたインクジェット記録装置10を例として説明した(図1参照)。インクジェット記録装置10は、上述した各部の他、サブタンクを備えるようにしてもよい。サブタンクは、各色用のインクジェットヘッド31のそれぞれに対応して設けられる。各色用のサブタンクは、各色用の供給流路81の途中に設けられる。サブタンクは、供給流路81の第一部分を介してメインタンク80から供給されたインクを貯留する。サブタンクに貯留されたインクは、サブタンクから流出し、供給流路81の第二部分を流れてインクジェットヘッド31に供給される。供給流路81の第一部分は、メインタンク80とサブタンクを繋ぐ供給流路81の部分である。供給流路81の第二部分は、サブタンクとインクジェットヘッド31を繋ぐ供給流路81の部分である。供給流路81の第二部分の両端部のうち、インクジェットヘッド31の側の端部は、供給口33に接続される。
(3)上記では、第二流入部43を含む第一部材40を例として説明した(図3参照)。第一部材において、第二流入部43は省略するようにしてもよい。この場合、第一部材は、ノズルと第二流路49を接続し、第二流路49を流れるインクをノズルへと流す流入部として、次のような形状の第三流入部を含む。例えば、第三流入部は、ノズルと同一径のストレート状とされる。実施形態では、ノズル41は、吐出面42におけるノズル41の直径φFが、第二流入部43との境界におけるノズル41の直径φGより小さいテーパ形状とされている(図3参照)。このような場合、第三流入部の寸法は、内周面が第二流路49の側のノズルの直径(図3に示す「直径φG」参照)と同一径とされる。この他、第三流入部は、内周面をノズルの内周面と同じ又は異なる角度のテーパ面(円錐台状の面)とした形状とするようにしてもよい。
(4)上記では説明を省略したが、第二流入部43の形状は、次のようにしてもよい。即ち、直径φEは、直径φJより小さな値に設定される(直径φE<直径φJ 図3参照)。直径φEは、上述した通り、第三内周面44の流路径である。直径φJは、第二流入部43との境界における第二流路49の流路径である(図3参照)。更に、「直径φE>直径φG」に設定される直径φEに関し、直径φEは、次の関係を満足する値にそれぞれ設定するようにしてもよい。即ち、直径φEは、「(π×直径φE/4)−(π×直径φG/4)>π×直径φG/4」が満足される値にそれぞれ設定される。ここで、「π×直径φE/4」は、第二流入部43の流路面積である。「π×直径φG/4」は、第二流入部43との境界におけるノズル41の流路面積(開口面積)である。そのため、「(π×直径φE/4)−(π×直径φG/4)」は、第二段差面45の面積である。この場合、第二流入部43は、流路面積が、第二流入部43との境界における第二流路49の流路面積より狭く設定され、第二段差面45の面積が、第二流入部43との境界におけるノズル41の流路面積より広く設定された流路となる。
第二流入部43(第三内周面44)における、第三方向に対応する寸法を寸法HMとする。ノズル41における、第三方向に対応する寸法(ノズル長)を寸法HNとする。寸法HMは、寸法HNより大きな値に設定するようにしてもよい(寸法HM>寸法HN)。この場合、第二流入部43は、第三方向(鉛直方向)において、第三内周面44の寸法HMが、ノズル41の寸法HNより長く設定された流路となる。
(5)上記では、インクが第一流入部53を流れる第一方向として、鉛直方向の下側から上側を例として説明した(図3参照)。インクジェットヘッドにおける内部流路は、第一方向が水平方向となる状態であってもよい。例えば、インクが、第一流入部を主走査方向に流れる状態の内部流路としてもよい。この場合、第一方向に直交する第二方向は、鉛直方向となる。
インクジェットヘッド31において、第一方向と第三方向が、共に鉛直方向となる内部流路32を例として説明した(図3参照)。例えば、第一方向が水平方向となり、第三方向が鉛直方向となる内部流路としてもよい。この場合、第一流入部と第二流入部は、第一段差面と第二段差面が直交する関係で、内部流路の所定の位置にそれぞれ設けられる。即ち、実施形態における、第一流路48と第一流入部53と圧力室52と流出部57と第二流路49と第二流入部43の各配置は、例示である。第一流路と第一流入部と圧力室と流出部と第二流路と第二流入部は、諸条件を考慮して、鉛直方向若しくは水平方向、又はこれら両方向に対して傾斜した方向に適宜設けられる。
10 インクジェット記録装置、 15 記録媒体、 16 記録面、 20 搬送部
30 記録部、 31,31K,31M,31Y,31C インクジェットヘッド
32 内部流路、 33 供給口、 34 本流部、 35 キャリッジ
40 第一部材、 41 ノズル、 42 吐出面、 43 第二流入部
44 第三内周面、 45 第二段差面、 47 第二部材、 48 第一流路
49 第二流路、 51 第三部材、 52 圧力室、 53 第一流入部
54 第一内周面、 55 第二内周面、 56 第一段差面、 57 流出部
59 第四部材、 61 駆動素子、 63 第一接着層、 64 第二接着層
65 第三接着層、 70 移動部、 71,72 プーリ
73 タイミングベルト、 74 モータ、 76 支持部
80,80K,80M,80Y,80C メインタンク
81,81K,81M,81Y,81C 供給流路
φA,φB,φD,φE,φF,φG,φJ 直径
HK,HL,HM,HN 寸法、 W 幅

Claims (6)

  1. インクを吐出するノズルを含む第一部材と、
    インクタンクから供給された前記インクが流れる第一流路と、前記ノズルに繋がる第二流路と、を含む第二部材と、
    前記インクを貯留する圧力室と、前記第一流路と前記圧力室とを接続し、且つ前記第一流路を流れる前記インクを前記圧力室へと流す第一流入部と、前記圧力室と前記第二流路とを接続し、且つ前記圧力室に貯留された前記インクを前記第二流路へと流す流出部と、を含む第三部材と、
    前記圧力室に貯留された前記インクに作用し、且つ前記インクを前記ノズルから吐出させるエネルギーを発生する駆動素子が設けられた第四部材と、
    接着剤によって形成され、前記第一部材と、前記第一部材に積層される前記第二部材と、を接合する第一接着層と、
    接着剤によって形成され、前記第二部材と、前記第二部材に積層される前記第三部材と、を接合する第二接着層と、
    接着剤によって形成され、前記第三部材と、前記第三部材に積層される前記第四部材と、を接合する第三接着層と、を備え、
    前記第一流入部は、
    前記第一流路に繋がり、流路径が第一値に設定された第一内周面と、
    前記圧力室に繋がり、流路径が前記第一値より小さい第二値に設定された第二内周面と、
    前記インクが前記第一流入部を前記第一内周面に沿って流れる第一方向において、前記第一内周面と前記第二内周面との境界に生じる第一段差面と、を含む、インクジェットヘッド。
  2. 前記第一段差面は、前記第一方向に直交する第二方向に沿った面である、請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記第二内周面では、前記第一方向に対応する寸法が第三値に設定され、
    前記第一内周面では、前記第一方向に対応する寸法が前記第三値より大きい第四値に設定される、請求項1又は請求項2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記第一流入部は、前記第一内周面に対応する前記第一流入部の第一部分の流路面積が、前記第一流入部との境界における前記第一流路の流路面積より狭く設定され、前記第一段差面の面積が、前記第二内周面に対応する前記第一流入部の第二部分の流路面積より広く設定された流路である、請求項1から請求項3の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記第一部材は、前記第二流路と前記ノズルとを接続し、且つ前記第二流路を流れる前記インクを前記ノズルへと流す第二流入部を含み、
    前記第二流入部は、
    流路径が、前記第二流入部との境界における前記ノズルの直径より大きい第五値に設定された第三内周面と、
    前記インクが前記第二流入部を前記第三内周面に沿って流れる第三方向において、前記第三内周面と前記ノズルとの境界に生じる第二段差面と、を含む、請求項1から請求項4の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
  6. 請求項1から請求項5の何れか1項に記載のインクジェットヘッドを備える、インクジェット記録装置。
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