JP2001334658A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP2001334658A
JP2001334658A JP2000156091A JP2000156091A JP2001334658A JP 2001334658 A JP2001334658 A JP 2001334658A JP 2000156091 A JP2000156091 A JP 2000156091A JP 2000156091 A JP2000156091 A JP 2000156091A JP 2001334658 A JP2001334658 A JP 2001334658A
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ink
channel
nozzle
opening diameter
electrode
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JP2000156091A
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English (en)
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Hitoshi Isono
仁志 磯野
Yoshinori Nakajima
吉紀 中島
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクチャンネルごとのインク滴の吐出ばら
つきを低減できるように改良されたインクジェットヘッ
ドを提供することを主要な目的とする。 【解決手段】 インクチャンネルごとに異なる電極の深
さに応じて、インクチャンネルごとにイナータンスが連
続的に変化するノズルを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的に、インク
ジェットヘッドに関し、より特定的には、インクチャン
ネル内に電極が設けられ、インクチャンネル内に圧力変
動を生じさせてインクを吐出させる方式のインクジェッ
トヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、インパクト印字装置に代わり、カ
ラー化、多階調化に適したインクジェット方式等のノン
インパクト印字装置が急速に普及している。中でも、印
字時のみに必要なインクを吐出させるドロップ・オン・
デマンド型が印字効率の良さ、低コスト化、低ランニン
グコスト化に有利であるなどの点から注目されており、
圧電素子を用いたカイザー方式や、サーマルジェット方
式が主流となっている。
【0003】しかしながら、カイザー方式は、小型化が
難しく、高密度化には適さないという欠点を有してい
た。また、サーマルジェット方式は、高密度には適して
いるものの、ヒータを加熱することで、インク内にバブ
ル(泡)を生じさせて、そのバブルのエネルギーを吐出
に使用するため、インクの耐久性に対する要求が厳し
く、また、ヒータの寿命を長くすることが困難であり、
さらに、消費電力も大きくなるという問題を有してい
た。
【0004】このような欠点を解決するものとして、圧
電材料の剪断モードを利用したインクジェット方式が提
案されている。この方式は、圧電材料からなるインクチ
ャンネル壁に形成した電極に電圧を印加することによ
り、圧電材料の分極方向と直交する方向に電界を加え、
チャンネル壁を剪断モードで変形させて、その際に生じ
る圧力波変動を利用してインク滴を吐出させるものであ
り、ノズルの高密度化、低消費電力化、高駆動周波数化
に適している。このような、剪断モードを利用したイン
クジェットヘッドの構造を図11を用いて説明する。
【0005】インクジェットヘッドは、図11の上下方
向に分極処理を施した圧電体に複数の溝4が形成された
ベース部材1と、インク供給口21と共通インク室22
が形成されたカバー部材2と、ノズル孔10が開けられ
たノズル板9を貼合わせることで、インクチャンネル4
が形成されている。チャンネル壁3には、電界を印加す
るための電極5が上方半分に形成されている。インクチ
ャンネルの後端部は、溝加工時に使用されるダイシング
ブレードの直径に対応したR形状に加工されており、6
には外部との通電のための電極引出部としての浅溝部が
同じくダイシングブレードにより加工されている。浅溝
部6に形成された電極は、浅溝部6の後端部でたとえば
フレキシブル基板のような外部の電極8とワイヤボンデ
ィングにより接続されている。
【0006】次に、図11に示したインクジェットヘッ
ドの製造方法について、図12を用いて説明する。
【0007】図12(a)に示すように、上下方向に分
極処理が施された圧電体12に、ダイシング加工が可能
なドライレジストフィルム11をラミネートする。
【0008】次に、図12(b)に示すように、ダイシ
ングブレードによりインクチャンネル4となる溝部と浅
溝部6を加工する。その後、電極となる金属がチャンネ
ル壁3の上半分にだけ付着するように、入射方向を設定
して、図12(b)のA方向、B方向から斜方蒸着す
る。その後、ドライレジストフィルム11をリフトオフ
することで、図11に示すような、チャンネル壁3の上
半分と浅溝部6内に金属膜が形成されたアクチュエータ
としてのベース部材1を作製する。
【0009】カバー部材2は、機械加工あるいはサンド
ブラスト加工にて、インク供給口21と共通インク室2
2が設けられる。サンドブラスト加工を行なう場合は、
インク供給口21と共通インク室22以外をレジストフ
ィルムあるいはメタルマスクでマスキングした後に施せ
ばよい。
【0010】ノズル板9は、高分子材料の場合は、エキ
シマレーザ加工にて、所定の大きさのノズル孔が孔開け
加工されるが、パンチング加工等で、金属材料にノズル
孔を設けてもよい。このようにして作製されたベース部
材1とカバー部材2とノズル板9は、それぞれ、所望の
位置に接着剤により貼合わされる。このようにして作製
されたインクジェットヘッドは、インク供給口21が、
図示しない外部のインク貯蔵タンクに接続され、インク
が共通インク室22を介して、複数のインクチャンネル
4ごとに供給される。チャンネル壁3の上半分に設けら
れた電極は、それぞれ1つのインクチャンネル4の内部
では、同電位になるように、インクチャンネル後端部の
R形状部で接続され、浅溝部6を介して外部の電極8と
接続される。
【0011】そして、それぞれのインクチャンネル4に
形成されている電極同士は、独立して、外部電極8と接
続されている。印字データに応じて所定のインクチャン
ネルが選択され、チャンネル壁3の分極方向と直交する
方向に電界がかかるように、外部の電極8より電圧が印
加される。電界が印加されたチャンネル壁3は剪断変形
を起こし、その結果インクチャンネル内に圧力波変動が
生じて、ノズル孔10よりインク滴が吐出する。なお、
図11では、電極引出部と外部の電極がワイヤボンディ
ングにより接続されているが、異方性導電膜(ACF)
を用いて接続する方法も従来より採用されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来のインクジェット
ヘッドでは、アクチュエータとしてのベース部材に上下
方向に分極された圧電体12を用いており、剪断モード
でチャンネル壁を変形させるために、チャンネル壁の上
半分に電極を形成していた。これに対し、アクチュエー
タとしてのベース部材を、チャンネル壁の高さの半分の
位置で、上下方向に分極の方向が異なる圧電体を積層し
た複合材料を用いるいわゆるシェブロン方式と呼ばれる
構造も従来より提案されていた。
【0013】この場合、電極をチャンネル壁の全面に形
成すればよいので、電極の形成位置を、チャンネル壁の
上半分に限定する必要はなく、電極の形成方法として、
無電解めっき法等を用いることができるという特徴があ
るが、アクチュエータとしてのベース部材の製造コスト
が高くなるという問題があった。
【0014】そこで、現在では、ベース部材として、上
下方向に分極処理が施された1枚の圧電体を用いる方式
が主流となっており、チャンネル壁の上半分のみに、斜
方蒸着により電極が形成されている。
【0015】図13を用いて、従来の電極の形成方法に
ついて詳細に説明する。チャンネル壁3の上半分に電極
膜を形成するには、一般に斜方蒸着法が用いられ、蒸着
粒子の入射方向を変えて2回蒸着する。
【0016】図13(a)は、1回の蒸着の状態を示し
ており、チャンネル壁の高さが300μm、幅が80μ
m、ドライレジストフィルムの高さが30μmの場合、
チャンネル壁3の左側上半分に電極を形成するために、
法線に対し66°の入射角度で蒸着粒子を入射する。
【0017】続いて、図13(b)は、2回の蒸着の状
態を示しており、チャンネル壁3の右側上半分に電極を
形成するために、同じく法線に対し66°の入射角度で
蒸着粒子を入射する。その後、ドライレジスト11上に
形成された金属膜を、ドライレジスト11とともにリフ
トオフすることで、図13(c)に示すような、チャン
ネル壁3の側壁の上半分にのみ電極5が形成されたベー
ス部材1を作製する。このように、チャンネル壁3に形
成される電極の深さは、チャンネル深さが半分になるよ
うに形成される。
【0018】特開平6−28892号公報には、この電
極の深さの交差が、設定値に対して±30%以内であれ
ば、インクチャンネルの容積変化が±5%以内に収まる
と開示されている。しかしながら、近年のインクジェッ
トプリンタに要求されている高品質の印字では、インク
滴の体積が小さくなって、数ピコリットルの大きさにな
っている。このような微小なサイズのインク滴を安定し
て吐出するには、±5%のインクチャンネルの容積の変
化は決して小さな値ではない。
【0019】また、同公報では、電極形成時の電極深さ
のばらつき、特に、チャンネル壁の両側での電極深さの
違いについては何ら記載されておらず、インクチャンネ
ルの容積変化が、チャンネル壁の両側での電極深さの違
いに大きく影響される。
【0020】従来用いられている電極の形成方法には、
これまで着目されていなかった、避けられない問題が内
包されており、電極の形成高さが、チャンネル壁の両側
で異なり、インクチャンネルによって不均一になるとい
う問題があった。
【0021】これについて、図14を用いて詳細に説明
する。図14は、斜め蒸着に用いる蒸着装置およびベー
ス部材1の位置関係を示したものである。図14で、蒸
着源15は、るつぼ16に入れられて蒸着装置の下方の
中心に位置され、蒸着装置の上方の基板ホルダ17には
所定の角度をもって、ベース部材1が取付けられてい
る。蒸着源を点源とみなした場合の蒸着源15から飛翔
する蒸着粒子のベース部材1への入射の様子を、図14
を用いて詳細に説明する。
【0022】図14は、蒸着源15からベース部材1の
チャンネル列の中心部までの鉛直距離が50cm、水平
距離が20cmの場合を示しており、ベース部材1に
は、インクチャンネル4が180DPI(dot/in
ch)で200個形成されている。この場合、インクチ
ャンネル4は、幅約28mm(=25.4[inch/
mm]/180[dot/inch]*200[do
t])の長さにわたり形成されることになる。
【0023】図14の場合、チャンネル列の中心部での
電極形成深さをチャンネル深さの半分にするために、ベ
ース部材1は45.8°の角度で基板ホルダ17に取付
けられている。チャンネル壁の片面への金属膜の形成が
終了後、残る片面へ金属膜を形成するために、ベース部
材1は180°方向を変えられ、再び蒸着される。
【0024】ところで、チャンネル列は有限の長さを持
っており、チャンネル列の端部では、蒸着粒子への入射
角度が異なってしまう。これについて、図15を用いて
詳細に説明する。
【0025】図15は、蒸着粒子の入射の様子をベース
部材1を平行において模式的に示したものである。チャ
ンネル列の中心部での入射角度が66°である場合、チ
ャンネル端部での入射角度は、それぞれ64.7°およ
び67.4°となる。
【0026】つまり、図15を参照して、蒸着源15を
点源とみなした場合、蒸着源15により近いチャンネル
列端部における入射角度は、中心部での入射角度に比べ
て大きくなり、67.4°また、蒸着源15により遠い
チャンネル列端部における入射角度は、中心部での入射
角度に比べて小さくなり、64.7°となる。
【0027】その結果、電極5となる金属膜の形成深さ
は、図16に示すように、チャンネル列の中心部では1
50μmであるのに対し、チャンネル列の端部では、そ
れぞれ138.5μmおよび162.2μmとなる。
【0028】さらに、金属膜の蒸着時にベース部材を1
80°回転させて2回蒸着するために、チャンネル列の
端部では、チャンネル壁の両側に形成される電極の深さ
が異なる結果となる。剪断モードで圧電体を変形させる
場合、チャンネル壁の上半分にのみ電極が形成されてい
る場合は、最も効率よく変形することができるが、チャ
ンネル壁の両側で電極の深さが異なると、変形量が低下
する。これについて、図17を用いて詳細に説明する。
【0029】図17(a)は、電極の深さがチャンネル
壁3の上半分に形成されている場合、また、図17
(b)は両側で異なる場合のチャンネル壁3の変形モー
ドをそれぞれ模式的に示した図である。
【0030】図17(a)で、上下方向に分極された圧
電体からなるチャンネル壁3の上半分に電極が形成され
ている場合、両側の電極より電圧を印加するとチャンネ
ル壁3の上半分にのみ分極方向と直交する方向に電界が
加わり、電界が加えられた圧電体に剪断歪が生じる。チ
ャンネル壁3の上下は固定されているので、剪断歪によ
りチャンネル壁3は、破線で示すようにチャンネル壁3
の中心部Aで屈曲するように変形する。
【0031】これに対し、図17(b)では、チャンネ
ル壁3の両側で電極深さが異なり、剪断歪を起こすため
に有効に働く領域は、電極深さの浅い領域となる。その
結果、歪量が小さくなり、しかも、屈曲点が図17
(a)のAより上方向のA′に移動することになり、イ
ンクチャンネル4の体積変位が小さくなり、インク滴を
ノズルより吐出するための圧力変化が小さくなってしま
う。このように、従来のインクジェットヘッドでは、イ
ンクチャンネルによって、剪断歪を起こすための電圧を
印加する電極の深さが変化してしまい、複数のインクチ
ャンネルから吐出するイン滴の吐出速度や吐出体積がば
らつくという問題があった。
【0032】本発明は、かかる問題を解決するためにな
されたもので、インクチャンネルごとのインク滴の吐出
ばらつきを低減できるインクジェットヘッドを提供する
ことを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の問題
を解決するための手段として、以下の構成を備えてい
る。
【0034】この発明の第1の局面に従うインクジェッ
トヘッドは、少なくとも一部が圧電材料で形成され、か
つその表面に平行に並んで複数の溝が設けられ、さらに
それぞれの溝の側壁の一部に電極が設けられたベース部
材と、上記ベース部材の上記複数の溝を覆うように設け
られて圧力室となるインクチャンネルを構成するカバー
部材と、上記インクチャンネルに連通するノズルとを備
え、上記電極に駆動電圧を印加して、上記側壁に剪断変
形を生じさせることにより上記インクチャンネルに圧力
振動を生じさせて上記ノズルよりインクを吐出させるも
のである。
【0035】上記ノズルのイナータンスがインクチャン
ネルごとに連続的に変化することを特徴とする。
【0036】この構成においては、チャンネル壁に設け
られた電極の深さがチャンネル列の並びに従って連続的
に変化することによるインクチャンネルの体積変位のば
らつきに起因するインク滴のばらつきを、上記ノズルの
イナータンスを連続的に変化させることで低減すること
ができるので、高品質の印字を行なうことができる。
【0037】この発明の第2の局面に従うインクジェッ
トヘッドにおいては、上記イナータンスが連続的に変化
するノズルで、複数のインクチャンネルの列の中心部に
位置するノズルのイナータンスが最も大きいことを特徴
とする。
【0038】この構成においては、チャンネル壁に電極
となる金属膜を斜方蒸着により形成するときに、ベース
部材をチャンネル列の中心部を回転軸として180°回
転させてチャンネル壁の両側に電極を形成した場合に、
チャンネル壁に設けられた電極の深さが、チャンネル列
の中心部を対称にしてチャンネル列の並びに従って連続
的に変化することによるインクチャンネルの体積変位の
ばらつきに起因するインク滴のばらつきを、上記チャン
ネル列の中心部の上記ノズルのイナータンスを最も大き
くして連続的に変化させることで低減することができる
ので、高品質の印字を行なうことができる。
【0039】この発明の第3の局面に従うインクジェッ
トヘッドにおいては、上記イナータンスが連続的に変化
するノズルで、複数のインクチャンネルの列のどちらか
一方の端部に位置するノズルのイナータンスが最も大き
いことを特徴とする。
【0040】この構成においては、チャンネル壁に電極
となる金属膜を斜方蒸着により形成するときに、ベース
部材をチャンネル列のどちらか一方の端部を回転軸とし
て180℃回転させてチャンネル壁の両側に電極を形成
した場合、チャンネル壁に設けられた電極の深さが、チ
ャンネル列のどちらか一方の端部よりチャンネル列の並
びに従って連続的に変化すことによるインクチャンネル
の体積変位のばらつきに起因するインク滴のばらつき
を、上記チャンネル列のどちらか一方の端部の上記ノズ
ルのイナータンスを最も大きくして連続的に変化させる
ことで低減することができるので、高品質の印字を行な
うことができる。
【0041】この発明の第4の局面に従うインクジェッ
トヘッドにおいては、イナータンスが連続的に変化する
上記ノズルで、ノズル孔のテーパ角度がチャンネルごと
に連続的に変化することを特徴とする。
【0042】この構成においては、チャンネル壁に設け
られた電極の深さがチャンネル列の並びに従って連続的
に変化することによるインクチャンネルの体積変位のば
らつきに起因するインク滴のばらつきを、上記ノズル孔
のテーパ角度を連続的に変化させることにより、上記ノ
ズルのイナータンスを連続的に変化させることで低減す
ることができるので、各ノズルより吐出されるインク滴
のばらつきを低減することができ、高品質の印字を行な
うことができる。
【0043】この発明の第5の局面に従うインクジェッ
トヘッドにおいては、上記テーパ角度が連続的に変化す
るノズルで、複数のインクチャンネル列の中心部に位置
するノズルのテーパ角度が最も小さいことを特徴とす
る。
【0044】この構成においては、チャンネル壁に電極
となる金属膜を斜方蒸着により形成するときに、ベース
部材をチャンネル列の中心部を回転軸として180°回
転させてチャンネル壁の両側に電極を形成した場合、チ
ャンネル壁に設けられた電極の深さが、チャンネル列の
中心部を対称にしてチャンネル列の並びに従って連続的
に変化することによるインクチャンネルの体積変位のば
らつきに起因するインク滴のばらつきを、上記チャンネ
ル列の中心部の上記ノズルのテーパ角度を最も小さくし
て連続的に変化させることで、上記ノズルのイナータン
スを連続的に変化させて低減することができるので、各
ノズルより吐出されるインク滴のばらつきを低減するこ
とができ、高品質印字を行なうことができる。
【0045】この発明の第6の局面に従うインクジェッ
トヘッドにおいては、上記テーパ角度が連続的に変化す
るノズルで、複数のインクチャンネル列のどちらか一方
の端部に位置するノズルのテーパ角度が最も小さいこと
を特徴とする。
【0046】この構成においては、チャンネル壁に電極
となる金属膜を斜方蒸着により形成するときに、ベース
部材をチャンネル列のどちらか一方の端部を回転軸とし
て180°回転させてチャンネル壁の両側に電極を形成
した場合、チャンネル壁に設けられた電極の深さが、チ
ャンネル列のどちらか一方の端部よりチャンネル列の並
びに従って連続的に変化することによるインクチャンネ
ルの体積変位のばらつきに起因するインク滴のばらつき
を、上記チャンネル列のどちらか一方の端部の上記ノズ
ルのテーパ角度を最も小さくして連続的に変化させるこ
とで、上記ノズルのイナータンスを連続的に変化させて
低減することができるので、各ノズルより吐出されるイ
ンク滴のばらつきを低減することができ、高品質の印字
を行なうことができる。
【0047】この発明の第7の局面に従うインクジェッ
トヘッドにおいては、イナータンスが連続的に変化する
上記ノズルで、ノズルのインク吐出側の開口径とインク
チャンネル側の開口径の両方が、チャンネルごとに連続
的に変化することを特徴とする。
【0048】この構成においては、チャンネル壁に設け
られた電極の深さがチャンネル列の並びに従って連続的
に変化することによるインクチャンネルの体積変位のば
らつきに起因するインク滴のばらつきを、上記ノズルの
インク吐出側の開口径とインクチャンネル側の開口径の
両方を連続的に変化させることにより、上記ノズルのイ
ナータンスを連続的に変化させることで低減することが
できるので、各ノズルより吐出されるインク滴のばらつ
きを低減することができ、高品質の印字を行なうことが
できる。
【0049】この発明の第8の局面に従うインクジェッ
トヘッドにおいては、インク吐出側の開口径とインクチ
ャンネル側の開口径の両方が、チャンネルごとに連続的
に変化する上記ノズルで、複数のインクチャンネル列の
中心部に位置するノズルのインク吐出側の開口径とイン
クチャンネル側の開口径が最も小さいことを特徴とす
る。
【0050】この構成においては、チャンネル壁に電極
となる金属膜を斜方蒸着により形成するときに、ベース
部材をチャンネル列の中心部を回転軸として180°回
転させてチャンネル壁の両側に電極を形成した場合、チ
ャンネル壁に設けられた電極の深さが、チャンネル列の
中心部を対称にしてチャンネル列の並びに従って連続的
に変化することによるインクチャンネルの体積変位のば
らつきに起因するインク滴のばらつきを、上記チャンネ
ル列の中心部の上記ノズルのインク吐出側の開口径とイ
ンクチャンネル側の開口径とインクチャンネル側の開口
径の両方を最も小さくして連続的に変化させることで、
上記ノズルのイナータンスを連続的に変化させて低減す
ることができるので、各ノズルより吐出されるインク滴
のばらつきを低減することができ、高品質の印字を行な
うことができる。
【0051】この発明の第9の局面に従うインクジェッ
トヘッドにおいては、インク吐出側の開口径とインクチ
ャンネル側の開口径の両方が、チャンネルごとに連続的
に変化する上記ノズルで、複数のインクチャンネル列の
どちらか一方の端部に位置するノズルのインク吐出側の
開口径とインクチャンネル側の開口径が最も小さいこと
を特徴とする。
【0052】この構成においては、チャンネル壁に電極
となる金属膜を斜方蒸着により形成するときに、ベース
部材をチャンネル列のどちらか一方の端部を回転軸とし
て、180°回転させてチャンネル壁の両側に電極を形
成した場合、チャンネル壁に設けられた電極の深さが、
チャンネル列のどちらか一方の端部を対称にしてチャン
ネル列の並びに従って連続的に変化することによるイン
クチャンネルの体積変位のばらつきに起因するインク滴
のばらつきを、上記チャンネル列のどちらか一方の端部
の上記ノズルのインク吐出側の開口径とインクチャンネ
ル側の開口径の両方を最も小さくして連続的に変化させ
ることで、上記ノズルのイナータンスを連続的に変化さ
せて低減することができるので、各ノズルより吐出され
るインク滴のばらつきを低減することができ、高品質の
印字を行なうことができる。
【0053】
【実施例】以下、本発明による実施例を図1から図10
を用いて詳細に説明する。
【0054】<実施例1>本発明による駆動方法を用い
るインクジェットヘッドの構造を図1および図2を用い
て説明する。
【0055】インクジェットヘッドは、図1の上下方向
に分極処理を施した圧電体に複数の溝4が形成されたベ
ース部材1と、インク供給口21と共通インク室22が
形成されたカバー部材2と、ノズル孔10が開けられた
ノズル板9を貼合わせることで、インクチャンネル4が
形成されている。
【0056】ベース部材1としてPZT、カバー部材2
として、分極処理の施していないPTZを用いた。ノズ
ル板9には、厚み50μmのポリイミドフィルムを用
い、エキシマレーザ加工により、ノズル孔10が設けら
れている。チャンネル壁3には、電界を印加するための
電極5として、斜方蒸着によりA1が厚み1μm形成さ
れている。
【0057】インクチャンネルの後端部は、溝加工時に
使用されるダイシングブレードの直径に対応したR形状
に加工されており、6には外部との通電のための電極引
出部としての浅溝部が同じくダイシングブレードにより
加工されている。浅溝部6に形成された電極は、浅溝部
6の後端部で、たとえばフレキシブル基板のような外部
の電極8とワイヤボンディングにより接続されている。
【0058】なお、この浅溝部6には、チャンネル壁3
に電極5を形成するときに、同時にAlが電極として形
成されている。チャンネル壁3に設けられた電極5は、
それぞれ1つのインクチャンネル4の内部では、同電位
になるようにインクチャンネル後端部のR形状部で接続
され、浅溝部6を介して外部の電極8と接続される。そ
して、それぞれのインクチャンネル4に形成されている
電極同士は、独立して、外部電極8と接続されている。
印字データに応じて所定のインクチャンネルが選択さ
れ、チャンネル壁3の分極方向と直交する方向に電界が
かかるように、外部の電極8より電圧が印加される。電
圧が印加されたチャンネル壁3は剪断変形を起こし、そ
の結果インクチャンネル内に圧力波変動が生じて、ノズ
ル孔10よりインク滴が吐出する。
【0059】なお、図1では、電極引出部と外部の電極
はワイヤボンディング7により接続されているが、異方
性導電膜(ACF)を用いて接続してもよい。
【0060】本実施例では、チャンネル壁3への電極形
成を、チャンネル列の中心部を回転軸としてベース部材
1を180°回転させて、2回斜方蒸着することで形成
した場合について説明する。
【0061】図2は、該蒸着方法により作製されたチャ
ンネル列の断面図を示したものである。図2で、チャン
ネル壁3に設けられた電極5は、チャンネル列の中心部
では、チャンネル壁3の両側で等しい深さで上半分とな
る150μmの範囲で形成されている。一方、チャンネ
ル列の端部では、斜方蒸着の入射角度の違いによりチャ
ンネル壁3の両側で電極深さが異なり、チャンネル列の
中心部よりが浅く、端部よりが深く形成されており、チ
ャンネル列の中心部より端部に向かって連続的に変化し
ている。
【0062】図3は、チャンネルの数が200個の場
合、チャンネル壁の左右両側に形成されるそれぞれの電
極の深さを、横軸にチャンネル列の並びをとって示した
図である。図3より、チャンネル壁の中心部(チャンネ
ル列番号100付近)では、左右の電極深さは等しい
が、チャンネル列の端部(チャンネル列番号0および2
00)に向かうにつれて、左右対称に左右の電極深さが
連続的に変化していることがわかる。このような電極深
さを持つインクジェットヘッドを、すべてのチャンネル
に同一の電圧を印加した場合、チャンネル列の中心部の
チャンネル壁の変位量が最も大きくなり、チャンネル列
の端部に向かって、連続的に変位量が減少することにな
る。その結果、同一の電圧を印加した場合、仮に同一形
状のノズル孔が設けられたノズル板9を使用した場合、
ノズルごとに吐出するインクの吐出速度や吐出体積が変
化することになる。
【0063】このような電極深さの不均一に起因するイ
ンク吐出速度や吐出体積のチャンネルごとの変化を、本
実施例では、チャンネル列の中心部に設けられるノズル
孔のテーパ角度を最も小さくし、チャンネル列の端部に
向かうにつれて、連続的にテーパ角度が大きくなるよう
にすることで解決する。
【0064】図4は、本実施例によるところのノズル孔
のテーパ角度を、横軸にチャンネル列並びをとって示し
た図である。
【0065】また、図5(a)は、チャンネル列の中心
部のノズル孔の断面図、図5(b)はチャンネル列の端
部のノズル孔の断面図をそれぞれ示したものである。図
4のように、チャンネル列の中心部のノズル孔のテーパ
角度が最も小さく、チャンネル列の両端部に向かって連
続的に大きくなるように作製する。つまり、図5(a)
に示すように、チャンネル壁3の変位量が最も大きなチ
ャンネル列の中心部のノズル孔のテーパ角度が最も小さ
いので、このノズルのイナータンスが最も大きくなり、
ノズル孔のインク吐出に対する抵抗が最も大きくなる。
また、図5(b)に示すように、チャンネル列の端部に
向かうにつれて、ノズル孔のテーパ角度が大きくなり、
ノズルのイナータンスも小さくなり、インク吐出に対す
る抵抗も小さくなる。
【0066】このように、インク吐出の力に応じて、ノ
ズル孔のテーパ角度によりインク吐出に対する抵抗を連
続的に変化させることができる。このような形状のテー
パ角度を持つノズル孔10が設けられたノズル板9を用
いることにより、ノズルより吐出されるインク滴のばら
つきを低減することができ、高品質の印字を行なうこと
ができる。
【0067】なお、本実施例では、ノズル孔10のイン
ク吐出側の開口径は、φ25μmで一定として、テーパ
角度を10°から15°まで連続的に変化させたが、イ
ンク吐出側の開口径、電極の深さのばらつきに応じて、
テーパ角度を設定すればよい。また、ノズル孔10のイ
ンク供給側の開口径を一定にして、テーパ角度を変化さ
せてもよい。また、ノズル孔は、エキシマレーザ加工の
際、レーザ光の縮小率、レーザパワー、照射時間等の条
件をふることにより、テーパ角度を変化することができ
る。本実施例では、レーザパワと照射時間を一定にし、
縮小率を3から4まで変化させることで、ノズル板に入
射するレーザ光のエネルギー密度を変化させて、テーパ
角度を変化させた。
【0068】<実施例2>本発明によるところの第2の
実施例について説明する。なお、インクジェットヘッド
の構造は実施例1で説明したものと同様であるので、詳
細な説明は省略する。本実施例では、チャンネル壁3へ
の電極形成を、チャンネル列の端部を回転軸としてベー
ス部材1を180°回転させて、2回斜方蒸着すること
で形成した場合について説明する。
【0069】図6は、該蒸着方法により作製されたチャ
ンネル列の断面図を示したものである。図6で、チャン
ネル壁3に設けられた電極5は、チャンネル列の端部
(図面、最左端チャンネル)では、チャンネル壁3の両
側で等しい深さで上半分となる150μmの範囲で形成
されている。一方、チャンネル列のもう一方の端部(図
面、最右端チャンネル)では、斜方蒸着の入射角度の違
いによりチャンネル壁3の両側で電極深さが異なり、チ
ャンネル壁の片側で連続的に浅く、別の片側で連続的に
深く形成されている。
【0070】図7は、チャンネルの数が200個の場
合、チャンネル壁の左右両側に形成されるそれぞれの電
極の深さを、横軸にチャンネル列の並びをとって示した
図である。図7より、チャンネル壁の端部(チャンネル
列番号0付近)では、左右の電極深さは等しいが、チャ
ンネル列のもう一方の端部(チャンネル列番号200)
に向かうにつれて、左右の電極深さが連続的に変化して
いることがわかる。このような電極深さを持つインクジ
ェットヘッドを、すべてのチャンネルに同一の電圧を印
加した場合、電極の深さが等しいチャンネル列の端部の
チャンネル壁の変位量が最も大きくなり、チャンネル列
のもう一方の端部に向かって、連続的に変位量が減少す
ることになる。その結果、同一の電圧を印加した場合、
仮に同一形状のノズル孔が設けられたノズル板9を使用
した場合、ノズルごとに吐出するインクの吐出速度や吐
出体積が変化することになる。
【0071】このような電極深さの不均一に起因するイ
ンク吐出速度や吐出体積のチャンネルごとの変化を、本
実施例では、チャンネル列のどちらか一方の端部に設け
られるノズル孔のテーパ角度を最も小さくし、チャンネ
ル列のもう一方の端部に向かうにつれて、連続的にテー
パ角度が大きくなるようにすることで解決する。
【0072】図8は、本実施例によるところのノズル孔
のテーパ角度を、横軸にチャンネル列並びをとって示し
た図である。図8のように、チャンネル列の端部(チャ
ンネル列1)のノズル孔のテーパ角度が最も小さく、チ
ャンネル列のもう一方の端部(チャンネル列200)に
向かって連続的に大きくなっている。つまり、チャンネ
ル壁3の変位量が最も大きなチャンネル列の端部(チャ
ンネル列1)のノズル孔のテーパ角度が最も小さいの
で、このノズルのイナータンスが最も大きくなり、ノズ
ル孔のインク吐出に対する抵抗が最も大きくなる。ま
た、チャンネル列のもう一方の端部(チャンネル列20
0)に向かうにつれて、ノズル孔のテーパ角度が大きく
なり、ノズルのイナータンスも小さくなり、インク吐出
に対する抵抗も小さくなる。このように、インク吐出の
力に応じて、ノズル孔のテーパ角度によりインク吐出に
対する抵抗を連続的に変化させることができる。このよ
うな形状のテーパ角度を持つノズル孔10が設けられた
ノズル板9を用いることにより、ノズルより吐出される
インク滴のばらつきを低減することができ、高品質の印
字を行なうことができる。
【0073】なお、本実施例では、ノズル孔10のイン
ク吐出側の開口径は、φ25μmで一定として、テーパ
角度を10°から18°まで連続的に変化させたが、イ
ンク吐出側の開口径、電極の深さのばらつきに応じて、
テーパ角度を設定すればよい。また、ノズル孔10のイ
ンク供給側の開口径を一定にして、テーパ角度を変化さ
せてもよい。また、ノズル孔は、エキシマレーザ加工の
際、レーザ光の縮小率、レーザパワー、照射時間等の条
件を振ることにより、テーパ角度を変化することができ
る。本実施例では、レーザパワーと照射時間を一定に
し、縮小率を3から4まで変化させることで、ノズル板
に入射するレーザ光のエネルギー密度を変化させて、テ
ーパ角度を変化させた。
【0074】<実施例3>本発明によるところの第3の
実施例について説明する。本実施例では、チャンネル壁
3への電極形成を、チャンネル列の中心部を回転軸とし
てベース部材1を180°回転させて、2回斜方蒸着す
ることで形成した場合について説明する。なお、インク
ジェットヘッドの構造および電極の深さについては、実
施例1と同様であるので、詳細な説明は省略する。本実
施例では、ノズル孔10のインク吐出側の開口径とイン
ク供給側の開口径がともに連続的に変化する場合につい
て説明する。
【0075】図9は、本実施例によるところのノズル孔
のインク吐出側の開口径とインク供給側の開口径を、横
軸にチャンネル列並びをとって示した図である。図9の
ように、チャンネル列の中心部のノズル孔のインク吐出
側の開口径とインク供給側の開口径が最も小さく、チャ
ンネル列の両端部に向かって連続的に大きくなってい
る。つまり、チャンネル壁3の変位量が最も大きなチャ
ンネル列の中心部のノズル孔のインク吐出側の開口径と
インク供給側の開口径が最も小さいので、このノズルの
イナータンスが最も大きくなり、ノズル孔のインク吐出
に対する抵抗が最も大きくなる。
【0076】また、チャンネル列の端部に向かうにつれ
て、ノズル孔のインク吐出側の開口径とインク供給側の
開口径が大きくなり、ノズルのイナータンスも小さくな
り、インク吐出に対する抵抗も小さくなる。このよう
に、インク吐出の力に応じて、ノズル孔のインク吐出側
の開口径とインク供給側の開口径を変化させることによ
り、インク吐出に対する抵抗を連続的に変化させること
ができる。このような開口径を持つノズル孔10が設け
られたノズル板9を用いることにより、ノズルより吐出
されるインク滴のばらつきを低減することができ、高品
質な印字を行なうことができる。なお、本実施例では、
チャンネル列の中心部のノズル孔10のインク吐出側の
開口径がφ20μm、インク供給側の開口径がφ40μ
m、チャンネル列の端部のノズル孔10のインク吐出側
の開口径はφ23μm、インク供給側の開口径がφ43
μmで連続的に変化させたが、それぞれの開口径は電極
の深さのばらつきに応じて設定すればよい。
【0077】また、ノズル孔は、エキシマレーザ加工の
際、レーザ光の縮小率、レーザパワー、照射時間等の条
件を振ることにより、インク吐出側と供給側の開口径を
変化することができる。
【0078】本実施例では、レーザパワーを一定にし、
照射時間を1〜4秒、縮小率を3から4まで変化させる
ことで、ノズル板に入射するレーザ光のエネルギー密度
を変化させて、テーパ角度を変化させた。
【0079】<実施例4>本発明によるところの第4の
実施例について説明する。本実施例では、チャンネル壁
3への電極形成を、チャンネル列の端部を回転軸として
ベース部材1を180°回転させて、2回斜方蒸着する
ことで形成した場合について説明する。
【0080】なお、インクジェットヘッドの構造および
電極の深さについては、実施例2と同様であるので、詳
細な説明は省略する。本実施例では、ノズル孔10のイ
ンク吐出側の開口径とインク供給側の開口径がともに連
続的に変化する場合について説明する。図10は、本実
施例によるところのノズル孔のインク吐出側の開口径と
インク供給側の開口径を、横軸にチャンネル列並びをと
って示した図である。
【0081】図10のように、チャンネル列の端部(チ
ャンネル1)のノズル孔のインク吐出側の開口径とイン
ク供給側の開口径が最も小さくて、チャンネル列のもう
一方の端部(チャンネル200)に向かって連続的に大
きくなっている。つまり、チャンネル壁3の変位量が最
も大きなチャンネル列の端部(チャンネル1)のノズル
孔のインク吐出側の開口径とインク供給側の開口径が最
も小さいので、このノズルイナータンスが最も大きくな
り、ノズル孔のインク吐出に対する抵抗が最も大きくな
る。また、チャンネル列のもう一方の端部(チャンネル
200)に向かうにつれて、ノズル孔のインク吐出側の
開口径とインク供給側の開口径が大きくなり、ノズルの
イナータンスも小さくなり、インク吐出に対する抵抗も
小さくなる。このように、インク吐出の力に応じて、ノ
ズル孔のインク吐出側の開口径とインク供給側の開口径
を変化させることにより、インク吐出に対する抵抗を連
続的に変化させることができる。
【0082】このような開口径を持つノズル孔10が設
けられたノズル板9を用いることにより、ノズルより吐
出されるインク滴のばらつきを低減することができ、高
品質の印字を行なうことができる。
【0083】なお、本実施例では、チャンネル列の端部
(チャンネル1)のノズル孔10のインク吐出側の開口
径がφ20μm、インク供給側の開口径がφ40μm、
チャンネル列の端部のノズル孔10のインク吐出側の開
口径がφ25μm、インク供給側の開口径がφ45μm
で連続的に変化させたが、それぞれの開口径は電極の深
さのばらつきに応じて設定すればよい。
【0084】また、ノズル孔は、エキシマレーザ加工の
際、レーザ光の縮小率、レーザパワー、照射時間等の条
件を振ることにより、インク吐出側と供給側の開口径を
変化することができる。本実施例では、レーザパワーを
一定にし、照射時間を1〜4秒、縮小率を3から4まで
変化させることで、ノズル板に入射するレーザ光のエネ
ルギー密度を変化させてテーパ角度を変化させた。
【0085】今回開示された実施例はすべての点で例示
であって制限的なものではないと考えられるべきであ
る。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の
範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味およ
び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるとこ
ろのインクジェットヘッドは、インクチャンネルごとに
異なる電極の深さに応じて、インクチャンネルごとにノ
ズルのイナータンスを連続的に変化させるので、インク
チャンネルごとのインク滴の吐出のばらつきを低減する
ことができ、高品質の印字を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクジェットヘッドの実施例を示
す斜視図である。
【図2】 本発明のインクジェットヘッドの第1の実施
例を示す断面図である。
【図3】 本発明のインクジェットヘッドの第1の実施
例を示す電極深さの図である。
【図4】 本発明のインクジェットヘッドの第1の実施
例を示すノズル孔のテーパ角度の図である。
【図5】 本発明のインクジェットヘッドの第1の実施
例を示すノズル孔の断面図である。
【図6】 本発明のインクジェットヘッドの第2の実施
例を示す断面図である。
【図7】 本発明のインクジェットヘッドの第2の実施
例を示す電極深さの図である。
【図8】 本発明のインクジェットヘッドの第2の実施
例を示すノズル孔のテーパ角度の図である。
【図9】 本発明のインクジェットヘッドの第3の実施
例を示すノズル孔の開口径の図である。
【図10】 本発明のインクジェットヘッドの第4の実
施例を示すノズル孔の開口径の図である。
【図11】 従来のインクジェットヘッドを示す斜視図
である。
【図12】 従来のインクジェットヘッドの製造方法を
示した図である。
【図13】 従来のインクジェットヘッドの電極形成方
法を示した断面図である。
【図14】 従来のインクジェットヘッドの電極形成装
置を示した図である。
【図15】 従来のインクジェットヘッドの電極形成方
法を示した断面図である。
【図16】 従来のインクジェットヘッドを示した断面
図である。
【図17】 従来のインクジェットヘッドのチャンネル
の駆動の様子を示した断面図である。
【符号の説明】
1 ベース部材、2 カバー部材、3 チャンネル壁、
4 インクチャンネル、5 電極(金属膜)、6 浅溝
部、7 ボンディングワイヤ、8 外部電極、9 ノズ
ル板、10 ノズル孔、11 ドライレジストフィル
ム、12 圧電体、21 インク供給口、22 共通イ
ンク室。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部が圧電材料で形成され、
    かつその表面に平行に並んで複数の溝が設けられ、さら
    に、それぞれの溝の側壁の一部に電極が設けられたベー
    ス部材と、 前記ベース部材の前記複数の溝を覆うように設けられて
    圧力室となるインクチャンネルを構成するカバー部材
    と、 前記インクチャンネルに連通するノズルとを備え、 前記電極に駆動電圧を印加して、前記側壁に剪断変形を
    生じさせることにより前記インクチャンネルに圧力振動
    を生じさせて前記ノズルよりインクを吐出させるインク
    ジェットヘッドにおいて、 前記ノズルのイナータンスがインクチャンネルごとに連
    続的に変化することを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記イナータンスが連続的に変化するノ
    ズルで、複数のインクチャンネルの列の中心部に位置す
    るノズルのイナータンスが最も大きいことを特徴とする
    請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記イナータンスが連続的に変化するノ
    ズルで、複数のインクチャンネルの列のどちから一方の
    端部に位置するノズルのイナータンスが最も大きいこと
    を特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記イナータンスが連続的に変化する前
    記ノズルで、ノズル孔のテーパ角度がチャンネルごとに
    連続的に変化することを特徴とする請求項1に記載のイ
    ンクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 前記テーパ角度が連続的に変化するノズ
    ルで、複数のインクチャンネル列の中心部に位置するノ
    ズルのテーパ角度が最も小さいことを特徴とする請求項
    4に記載のインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 前記テーパ角度が連続的に変化するノズ
    ルで、複数のインクチャンネル別のどちらか一方の端部
    に位置するノズルのテーパ角度が最も小さいことを特徴
    とする、請求項4に記載のインクジェットヘッド。
  7. 【請求項7】 イナータンスが連続的に変化する前記ノ
    ズルで、ノズルのインク吐出側の開口径とインクチャン
    ネル側の開口径の両方が、チャンネルごとに連続的に変
    化することを特徴とする請求項1に記載のインクジェッ
    トヘッド。
  8. 【請求項8】 インク吐出側の開口径とインクチャンネ
    ル側の開口径の両方が、チャンネルごとに連続的に変化
    する前記ノズルで、複数のインクチャンネル列の中心部
    に位置するノズルのインク吐出側の開口径とインクチャ
    ンネル側の開口径が最も小さいことを特徴とする請求項
    7に記載のインクジェットヘッド。
  9. 【請求項9】 インク吐出側の開口径とインクチャンネ
    ル側の開口径の両方が、チャンネルごとに連続的に変化
    する前記ノズルで、複数のインクチャンネル列のどちら
    か一方の端部に位置するノズルのインク吐出側の開口径
    とインクチャンネル側の開口径が最も小さいことを特徴
    とする請求項7に記載のインクジェットヘッド。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009248325A (ja) * 2008-04-01 2009-10-29 Konica Minolta Holdings Inc インクジェットヘッド、インクジェットヘッドを備えた塗布装置及びインクジェットヘッドの駆動方法
JP2010247537A (ja) * 2009-04-17 2010-11-04 Xerox Corp インクジェット印刷システム
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