JP2008284739A - インクジェットヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造を複雑化することなく、インクの循環が円滑に行なわれ、微粒子含有インクの使用に適したインクジェットヘッドを提供する。
【解決手段】インクジェットヘッドは、隔壁3によって互いに隔てられた複数のインク溝41を有する圧電基板1と、上側を塞いで複数の個別インク室2として規定するノズル板21と、圧電基板1を収容する圧電基板用凹部を上面に有し、インクを出入りさせるための開口部14を有するマニホールド11とを備える。ノズル板21は、圧電基板1の上面だけでなくマニホールド11の上面にまでまたがるように延在しており、複数のノズル孔20を有する。ノズル板21によって、個別インク室2と連通する第1共通インク室5および第2共通インク室6が規定されている。第1共通インク室5はインク溝41が圧電基板1の端に至っている側において圧電基板1の外に規定されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェットヘッドおよびその製造方法に関するものである。インクジェットヘッドはたとえばプリンタなどに用いられる。
近年、プリンタにおいては、インパクト印字装置に代わって、カラー化、多階調化に対応しやすいインクジェット方式などのノンインパクト印字装置が急速に普及している。これに用いるインク噴射装置としてのインクジェットヘッドとしては、特に、印字に必要なインク滴のみを噴射するというドロップ・オン・デマンド型が、噴射効率の良さ、低コスト化の容易さなどから注目されている。ドロップ・オン・デマンド型としては、カイザー(Kyser)方式やサーマルジェット方式が主流となっている。
しかし、カイザー方式は、小型化が困難で高密度化に不向きであるという欠点を有していた。また、サーマルジェット方式は、高密度化には適しているものの、ヒータでインクを加熱してインク内にバブル(泡)を生じさせて、そのバブルのエネルギーを利用して噴射させる方式であるため、インクの耐熱性が要求され、また、ヒータの長寿命化も困難であり、エネルギー効率が悪いため、消費電力も大きくなるという問題を有していた。
このような各方式の欠点を解決するものとして、圧電材料のシェアモード変形を利用したインクジェット方式が提案されている。この方式は、圧電材料からなるインクチャンネルの壁(以下、「チャンネル壁」という。)の両側面に形成した電極を用いて、圧電材料の分極方向と直交する方向に電界を生じさせることで、シェアモードでチャンネル壁を変形させ、その際に生じる圧力波変動を利用してインク滴を吐出するものであり、ノズルの高密度化、低消費電力化、高駆動周波数化に適している。
最近はこのシェアモード変形を利用したインクジェットヘッドを産業用途に利用することが盛んに行なわれるようになり始めている。たとえば、インクとして導電材料を吐出させることによって配線を描画したり、R,G,Bの各色のインクを吐出させることによってカラーフィルタを作製したり、熱硬化性または紫外線(UV)硬化性のインクを吐出させることによって、マイクロレンズやスペーサなどのような3次元構造物を作製したり、といった応用が進められている。
このように多岐にわたるインクジェット応用分野の発展に伴い、使用されるインクも多種多様になっている。たとえば、有機溶剤を含有して揮発性の高いインクや、強酸性・強アルカリ性のインク、顔料や樹脂成分を含むインク、ビーズなどの微粒子を含有するインク、さらにはこれらを複合したインクなどが挙げられる。中でもビーズなどの微粒子を含有するインクは、インクの溶媒と含有される微粒子の比重差により、微粒子が沈殿または浮遊し、インク中の微粒子濃度に分布の偏在が引き起こされるおそれがある。分布が偏った場合、吐出時の液滴中に含まれる微粒子数にばらつきが生じてしまい、製品の性能劣化、不良発生をもたらす。さらには、ノズル孔を目詰まりさせてしまうおそれもある。
このような事態を回避するためには、インクジェットヘッド内でインクを循環、撹拌させることによって微粒子の沈殿を防止する必要がある。さらに厳密には、吐出時の液滴中に含まれる微粒子数を安定させて吐出させるためには、上述のインクの循環、撹拌はインクがノズル孔の直近にある時点においてもなされることが重要である。
ノズル孔直近までインクを循環、撹拌させるための技術として、国際公開第95/31335号パンフレット(特許文献1)に記載されたものがある。特許文献1の第2図、第3図に示されたインクジェットヘッドでは、圧力発生室は、前側にノズル孔を有するノズル板、後ろ側に振動板を配置された空間である。この圧力発生室を挟むように圧力発生室の両側に2つの共通インク室が配置されており、これら2つの共通インク室は圧力発生室に連通している。この装置では、一方の共通インク室から他方の共通インク室へ圧力発生室を介してインクを供給できる構造となっている。このインクジェットヘッドにおいては、ノズル孔のある圧力発生室自体がインクの通り道となるため、ノズル孔の直近までインクを循環することが可能である。また、特許文献1の第4図では、上記インクジェットヘッドを備える記録装置の全体が示されており、この記録装置では、インクカートリッジからインクジェットヘッドを経由してサブタンクへとインクを補充する一方、サブタンクからインクジェットヘッドを経由してインクカートリッジへと水頭差を利用してインクを戻すことも可能となっている。特許文献1の記録装置では、このようにしてインクを循環させている。
また、特開2006−142509号公報(特許文献2)に記載されたインクジェットヘッドでは、圧電基板の表面に互いに平行な2本の溝として2つの共通インク室が設けられている。これら2つの共通インク室の間に挟まれ、なおかつこれら2つの共通インク室の両方に連通するように、多数の溝状のインク室が設けられている。特許文献2に提案されているのは、この溝状インク室の壁部分の圧電材料のシェアモード変形を利用したインクジェットヘッドである。
また、特開2004−1368号公報(特許文献3)には、インクの供給/排出のための共通溝を基板裏面から加工した構造のインクジェットヘッドが記載されている。
インクジェットヘッドのひとつの方式として積層型というものがある。これは各部材を位置合わせしながら重ね合わせることによってインクジェットヘッドの構造を組み立てるものであり、その一例は、特開平6−183029号公報(特許文献4)に記載されている。
国際公開第95/31335号パンフレット 特開2006−142509号公報 特開2004−1368号公報 特開平6−183029号公報
上述したように特許文献1に記載の記録装置では、インクカートリッジとサブタンクとの間でインクがやりとりされる際に、その流通の途上でインクは一方の共通インク室から他方の共通インク室へと圧力発生室を介して供給されるため、ノズル孔直近までインクを循環することが可能であるが、このインクジェットヘッドは積層型のインクジェットヘッドであるという欠点がある。
積層型のインクジェットヘッドは、特許文献4に記載されているように、基台に振動子を取り付けたものである振動子ユニットと、流路構成部材と、振動板形成部材と、圧力発生室となるべき間隙を形成するためのスペーサと、ノズル孔を有するノズル板との5つの部材から構成されており、それぞれ位置合わせを行ない、重ね合わせることによって組み立てられている。インクジェットヘッドにおいてばらつきの少ない着弾精度、吐出性能を実現するためには、ノズル孔と駆動部の相対位置精度がきわめて重要であり、ノズル孔の中心と駆動部におけるインクの通り道の中心とが合って配置されている必要がある。したがって、これら5つの部材はそれぞれについて高精度な位置合わせが要求される。1つのインクジェットヘッドを作製するためにはこのような高精度な位置合わせを4回繰り返す必要がある。これは非常に煩雑な作業を伴うものである。また、特許文献4のインクジェットヘッドは、変位量を確保するため積層型の圧電素子を用いていること、インクジェットヘッドを構成する部品点数自体が多いことから、小型化に適していない。さらにこのような組み上げ作業の煩雑さおよび部品点数の多さにより、インクジェットヘッドのコストアップにもつながる。
これに対し、非積層型のインクジェットヘッドの例として、特許文献2に記載のシェアモード型のインクジェットヘッド126について、図26、図27を参照して説明する。なお、図中の符号および構成要素の名称は、必ずしも特許文献2のとおりではない。
このインクジェットヘッド126は、図26に示すように、圧電基板101を、長円形の凹部を有するマニホールド111に収め、複数個のノズル孔20を有するノズル板21を被せることによって組み立てられている。圧電基板101の上面には、共通インク室105,106となるべき互いに平行な2本の幅が広く浅い溝が設けられている。これら2本の溝の間を結ぶように多数本の細く深い溝が設けられている。これらの細く深い溝はノズル板21によって上側を塞がれることによって図27に示すように個別インク室102となっている。図27は、図26におけるXXVII−XXVII線に関する矢視断面図である。マニホールド111の下方にはインク管112,113がつながっている。共通インク室105,106はいずれも一端がニップル開口部114に、他端がニップル開口部115にそれぞれ連通している。ニップル開口部114,115は長円形の凹部の両端に相当する部分であり、それぞれインク管112,113に連通している。図28は、図26におけるXXVIII−XXVIII線に関する矢視断面図である。
インクジェットヘッド126は、構成する部品点数が少なく、組立の際に高精度な位置合わせを必要とするのは個別インク室102となるチャンネル溝が形成された圧電基板101とノズル孔20を有するノズル板21とを貼り合わせる工程のみであり、組立工程が容易で小型化にも適している。
このインクジェットヘッド126には2本のインク管112,113があるが、このうちインク管112からニップル開口部114にインクを供給し、ニップル開口部115からインク管113を通じて余分なインクを回収するように循環しているものと仮定すると、ニップル開口部114からニップル開口部115にインクが移動する際には、図26に矢印35で示すようには共通インク室105,106の大きく2通りのルートに分かれて通過することとなる。この際に、途中で折れ曲がって個別インク室102をわざわざ経由して共通インク室105,106間で行き来するよりも、そのような行き来なしに共通インク室105,106の各々のみを通っていく方が流路抵抗が明らかに小さい。したがって、大半のインクは共通インク室105,106の各々に分かれて当該共通インク室のみを経由してニップル開口部114からニップル開口部115に直行してしまうこととなる。ノズル孔20は共通インク室105,106ではなく個別インク室102の途中に開口しているので、ノズル孔20の直近の空間である個別インク室102においては積極的にインクを循環させることができないという問題がある。
また、インクジェットヘッド126においては、共通インク室105,106は、各個別インク室102の内壁面に形成された電極と、各個別インク室102の両端につながるように設けられる浅溝部の内壁面に形成された電極との間の導通を遮らないようにするために、個別インク室102の深さよりもある程度以上浅く形成されなければならない。すなわち、インクジェットヘッド126の共通インク室105,106は、圧電基板101内に形成された個別インク室102の深さよりも深くすることができないという制約がある。
インクジェットヘッド126内において個別インク室102を経由したインク流れを促進するためには、共通インク室105,106の流路抵抗は、個別インク室102の流路抵抗に比べて十分小さく、流路抵抗を無視できることが好ましい。定性的な表現をすれば、流路抵抗は流路の断面積が小さいほど、また流路の長さが長いほど大きくなる。したがって、全体的な寸法(基板の外寸、厚み)が適宜選択された場合においても、少なくとも共通インク室105,106の深さがインク室102の深さよりもある程度以上浅くなければならないという制約のあるインクジェットヘッド126は不利となる。これはインクジェットヘッド126の寸法が大きくなることによって流路が長くなった場合に特に深刻化する問題である。
また、共通インク室105,106の流路抵抗を下げるために、共通インク室105,106の幅を大きくすることで断面積を拡大しようとすると、個々の圧電基板101のサイズを大きくしなければならなくなってしまい、小型化の妨げとなる。また、圧電基板101の大型化は材料費の観点からコストアップにつながる。
さらに、図28に示すように、インクジェットヘッド126の個別インク室102は圧電基板101の両端においては、外部接続端子となる浅溝部とR形状部を介してつながっており、浅溝部は圧電基板101の両端面に開口している。このような個別インク室102および浅溝部の加工は、ダイシングブレードの上下動を利用した加工方法、すなわちいわゆるチョッパ加工で行なうことができる。溝部分のいわゆるR形状はダイシングブレードの外形が転写されたものである。個別インク室102の最大深さの部分から浅溝部までをつなぐようにR形状の加工を行なった場合、共通インク室105,106はR形状部の途中に位置することとなるのが通常である。そうなると、共通インク室105,106と個別インク室102とが交差する位置では、個別インク室102は最大深さではなくある程度浅くなっていることとなる。したがって、上述のように各個別インク室102の内壁面に形成された電極と各浅溝部の内壁面に形成された電極との導通を確保するためには、共通インク室105,106の深さはさらに浅く設定する必要が生じ、共通インク室105,106の流路抵抗を小さくすることができない。
また、これに対し、特許文献3に記載のインクジェットヘッドは、インクの供給/排出用の共通溝(共通インク室)を基板裏面から加工した構造であるので、特許文献2に記載のインクジェットヘッドに比べて共通インク室の深さを深くすることができる。これは共通インク室の流路抵抗を下げることにつながるので、インクジェットヘッド内のインクの循環をより円滑にすることができるという利点がある。
しかし、特許文献3に記載のインクジェットヘッドは基板に形成された溝の側壁の一部のみを圧電セラミクスで形成している構成となっているため、吐出性能および信頼性に問題がある。
この構成においては、インク室の側壁のうちインク吐出に寄与する領域は圧電セラミクスで形成されているが、それ以外の領域では側壁は絶縁性のセラミクスなどで構成されている。したがって、側壁の一部である圧電セラミクスが、インクを吐出させるために変形する場合、側壁の圧電セラミクスの両端は絶縁性のセラミクスなどに接着されているので、変形を阻害され、その結果、インクの吐出効率が低下する。また、絶縁性のセラミクスなどに圧電セラミクスを接着している場合、接着剤の厚みばらつきによっても圧電セラミクスの変形ばらつきに影響を及ぼす。したがって、チャンネルごとに吐出特性がばらつくことが予想される。さらに、溝を加工する場合、接着剤部と圧電セラミクスと絶縁性のセラミクスとでは加工特性が異なることにより、段差が生じる場合がある。この段差により電極形成時に導通が得られない場合があり、信頼性に問題がある。
そこで、本発明は、インクジェットヘッドの構造を複雑化することなく、インクジェットヘッド内の流路抵抗を下げ、インクの循環が円滑に行なわれやすく、ビーズなどの微粒子含有インクの使用に適したインクジェットヘッドを提供することを目的とする。さらに、本発明は、このようなインクジェットヘッドの製造方法を提案することをも目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に基づくインクジェットヘッドは、隔壁によって互いに隔てられ、かつ内壁に電極が設けられた複数のインク溝を有する圧電基板と、上記圧電基板の上記隔壁の上部に接着されることによって上記複数のインク溝の上側を塞いで上記複数のインク溝を複数の個別インク室として規定するノズル板と、上記圧電基板を収容する圧電基板用凹部を上面に有し、上記圧電基板用凹部にインクを出入りさせるための開口部を有するマニホールドとを備える。上記ノズル板は、上記圧電基板の上面だけでなく上記マニホールドの上面にまでまたがるように延在しており、上記複数の個別インク室に対応する複数のノズル孔を有する。上記ノズル板によって、上記個別インク室と連通する第1共通インク室および第2共通インク室が規定されている。上記第1共通インク室は上記インク溝が上記圧電基板の端に至っている側において上記圧電基板の外に配置されている。
本発明によれば、インクジェットヘッドの第1共通インク室の深さおよび幅を従来よりも大きく設定することが可能である。すなわち第1共通インク室の断面積を大きくすることができる。したがって、第1共通インク室の流路抵抗を下げることができ、第1共通インク室に入ったインクを円滑に個別インク室へと流すことができ、その結果、インクジェットヘッド全体の流路抵抗を下げることができる。
(実施の形態1)
(構成)
図1〜図5を参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるインクジェットヘッドについて説明する。このインクジェットヘッドは、隔壁によって互いに隔てられ、かつ内壁に電極が設けられた複数のインク溝を有する圧電基板と、前記圧電基板の前記隔壁の上部に接着されることによって前記複数のインク溝の上側を塞いで前記複数のインク溝を複数の個別インク室として規定するノズル板と、前記圧電基板を収容する圧電基板用凹部を上面に有し、前記圧電基板用凹部にインクを出入りさせるための開口部を有するマニホールドとを備え、前記ノズル板は、前記圧電基板の上面だけでなく前記マニホールドの上面にまでまたがるように延在しており、前記複数の個別インク室に対応する複数のノズル孔を有し、前記ノズル板によって、前記個別インク室と連通する第1共通インク室および第2共通インク室が規定されており、前記第1共通インク室は前記インク溝が前記圧電基板の端に至っている側において前記圧電基板の外に規定されている。このインクジェットヘッド25の外観を図1に示す。ノズル孔20を有するノズル板21がマニホールド11の上面に貼られている。マニホールド11から下方へはインク管13が突出し、第1の側方すなわち図1における左側へはインク管12が突出している。マニホールド11とノズル板21との隙間から第2の側方に向かって配線基板10が突出している。「第2の側方」は第1の側方と反対の側すなわち図1における右側である。
内部構造について説明するために、インクジェットヘッド25からノズル板21を外したところを図2に示す。圧電基板1は、隔壁3によって互いに隔てられ、かつ内壁に電極が設けられた複数のインク溝41を有する。マニホールド11は、圧電基板1を収容する圧電基板用凹部17を上面に有し、圧電基板用凹部17にインクを出入りさせるための開口部14,15を有する。
さらに、図1におけるIII−III線に関する矢視断面図を図3に示す。ノズル板21は、圧電基板1の隔壁3の上部に接着されることによって複数のインク溝41の上側を塞いで複数のインク溝41を複数の個別インク室2として規定する。ノズル板21は、圧電基板1の上面だけでなくマニホールド11の上面にまでまたがるように延在している。ノズル板21は、複数の個別インク室2に対応する複数のノズル孔20を有する。
図1におけるIV−IV線に関する矢視断面図を図4に示す。図4に示すように、ノズル板21によって、個別インク室2と連通する第1共通インク室5および第2共通インク室6が規定されている。第1共通インク室5は、インク溝41が圧電基板1の端に至っている側において圧電基板1の外に配置されている。インク溝41が圧電基板1の端に至っている側とは、図2における圧電基板1の左側である。図4に示すように、第1共通インク室5は、マニホールド11とノズル板21と圧電基板1とによって囲まれることによって形成されている。一方、第2共通インク室6は圧電基板1の上面を掘り下げるようにして規定されている。第2共通インク室6は、インク溝41と直交する方向に延在する溝状の空間となっている。すなわち、第2共通インク室6は、図4における紙面に垂直な方向に延在している。
図2に示したマニホールド11を単独で取り出したところを図5に示す。マニホールド11の上面には、圧電基板用凹部17の他に配線基板用凹部16も設けられている。マニホールド11は、インクの供給あるいは排出のためのインク管12,13を備える。インク管12は開口部14を通じて圧電基板用凹部17に、インク管13は開口部15を通じて圧電基板用凹部17に、それぞれ連通している。
図2〜図4に示した圧電基板1は、分極の向きの異なる2枚の圧電基板を互いに貼り合わせたものである。本発明のインクジェットヘッド25は、圧電材料のシェアモード変形を利用したインクジェット方式に分類される。この方式は、圧電材料からなるインク室2の隔壁3の両壁面に形成した電極を用いて、圧電材料の分極方向と直交する方向に電界を生じさせることで、個別インク室2の両側の隔壁3をシェアモードで変形させ、その際に生じる圧力波変動を利用してインク滴を吐出するものであり、ノズルの高密度化、消費電力の低減、駆動周波数の増大に適している。
インクの吐出に寄与するアクティブエリアを図4中にA1,A2で示す。上述のように個別インク室2を形成する圧電基板1の隔壁3の上面にノズル板21が接着されていることにより、アクティブエリアはノズル孔20の両側に設けられる構成となる。この構成であれば、アクティブエリアがノズル孔の片側のみに設けられている場合に比べて、比較的低い吐出電圧で駆動させることができ、発熱や消費電力の面で有利である。
(作用・効果)
本実施の形態におけるインクジェットヘッド25による作用効果について説明する。ノズル孔20直近の個別インク室2内にインク流れを形成するためには、
供給側の共通インク室 → 個別インク室 → 排出側の共通インク室
という3者間でのインクの流れが確実に形成されることが求められるが、本実施の形態におけるインクジェットヘッド25によれば、個別インク室2の長手方向の両端においてそれぞれ個別インク室2の長手方向に直交する方向に延在して複数の個別インク室2と一括して連通する第1共通インク室5および第2共通インク室6があるので、第1共通インク室5および第2共通インク室6のいずれか一方から個別インク室2を介して他方へとインクを供給することができる構造となっており、インクに駆動力を与えさえすれば、上述の3者間でのインク流れを実現することができる。インクが一方の共通インク室から他方の共通インク室へと移動する際には必ずいずれかの個別インク室2を通過することとなり、ノズル孔21直近の箇所も通過することとなるので、ノズル孔直近までインクを循環させることが可能となる。
また、インク流路が上述のようになっている場合でも、共通インク室を含むインクジェットヘッド内の流路抵抗が大きいと、インクジェットヘッド内において個別インク室を通過するインク流れが積極的に形成されず、インクの循環がうまくいかないおそれがある。しかし、本実施の形態におけるインクジェットヘッド25では、第1共通インク室5は、インク溝41が圧電基板1の端に至っている側において圧電基板1の外に配置されているので、第1共通インク室5の深さは、圧電基板1の厚みや個別インク室2の深さによって制限されることがなく、圧電基板内に共通インク室を形成した場合に比べて、第1共通インク室5の深さを深く設定することが可能となる。
また、圧電基板外に形成される第1共通インク室5の幅W(図4参照)は、マニホールド11の内壁面11nから圧電基板1の外壁面1nまでの距離によって既定されるので、マニホールドの圧電基板用凹部17を広く形成することにより、第1共通インク室5の幅Wを自由に拡げることが可能である。
以上のことより、本実施の形態におけるインクジェットヘッドは、第1共通インク室の深さおよび幅を従来よりも大きく設定することが可能である。すなわち第1共通インク室の断面積を大きくすることができる。したがって、第1共通インク室の流路抵抗を下げることができ、第1共通インク室に入ったインクを円滑に個別インク室2へと流すことができる。これはインクジェットヘッド全体の流路抵抗を下げることにつながる。これにより、たとえばインクジェットヘッドを長尺化した場合においても、第1共通インク室の流路抵抗を小さくすることによってインクジェットヘッド内のインク流量を十分に確保することができ、共通インク室から個別インク室へのインクの循環を円滑に行なうことができる。
また、本実施の形態では、第1,第2共通インク室が共に圧電基板内に形成されている場合に比べて、少なくとも第1共通インク室が圧電基板外に形成されているので、圧電基板への溝加工の回数を削減することができる。そのため、本実施の形態では、工程数を減らすことによってインクジェットヘッド作製を簡便にすることができ、これに伴ってコスト削減を図ることが可能である。
さらに、本実施の形態におけるインクジェットヘッドによれば、圧電基板内に形成する共通インク室の数を従来の2から1に減らすことができるので、圧電基板の寸法を小さくすることができる。これにより、ウエハ状の圧電基板の1枚当たりから取ることができる製品数を増やすことができるので、インクジェットヘッドのコストを下げることができる。
図4に示すように、複数のインク溝41は直線状であり、底面が同一高さで連続する。隔壁3の上面の高さは変化しているが、インク溝41の底面は同一高さとなっている。圧電基板1の第1共通インク室5と反対側の端においては、隔壁3の上部が削り取られることによって浅溝部8が設けられており、配線基板10の端はこの浅溝部8に接続されている。浅溝部8と第2共通インク室6との間には保護壁7がある。保護壁7は隔壁3がアクティブエリアと同様に高いまま残っている部分である。この構成のインクジェットヘッドであれば、溝加工の際にダイシングブレードの上下動を利用した加工方法(いわゆる「チョッパ加工」)を行なう必要がなく、回転するダイシングブレードを一定の深さで一直線状に移動させるだけでよく、特殊なダイシングマシンを必要としないので好都合である。
従来、チョッパ加工によりインク溝の一部にダイシングブレードの外径形状を転写させることによって、図28に示すように溝深さが徐々に浅くなるR形状部を形成し、さらに、その続きとして外部接続端子を形成するための浅溝部8を形成した構成とした場合、R形状部の長さは、インク溝の駆動部分が深いほど、また、浅溝部8が浅いほど大きくなる。また、R形状部の長さは、ダイシングブレードの外径が大きいほど大きくなる。そのため、結果的に1枚のウエハ状圧電基板から切り出すことができるインクジェットヘッドの数(いわゆる「取れ数」)に大きく影響する。この様子を詳細に説明するため、図28における個別インク室2から浅溝部8に移行するR形状部の部分拡大断面図を図6に示す。
仮に、個別インク室2の深さを240μm、浅溝部8の深さを5μm、ダイシングブレードの外形寸法を25.4mmとすると、ダイシングブレードの外径形状が転写された領域すなわちR形状部の長さLは、次式によって求められる。
Figure 2008284739
L=3.48mm
図6に示されるように、R形状部の長さLには、第2共通インク室6の幅が含まれている。仮に、図6においてインクジェットヘッドの吐出に必要な領域、すなわちノズル孔を挟むアクティブエリアの合計幅が3mm、第2共通インク室6の幅が2mm、外部接続端子である浅溝部8の長さが1mmとした場合を考えてみる。図28に示したような従来技術に基づくインクジェットヘッド26は、2つの外部接続端子である浅溝部8を有しているので、インクジェットヘッド26の全長さは、
(1+3.48)+3+(3.48+1)=11.96mm
となる。
本実施の形態では、第1共通インク室5は圧電基板1外に形成されているためその分のサイズの縮小ができ、さらにチョッパ加工を必要とせず、一定深さで一直線状に溝加工を行なうだけでよいので、1つの外部接続端子である浅溝部8に関して、圧電基板の長さから、R形状部の長さLと第2共通インク室6の幅との差の分を削減することができる。したがって、インクジェットヘッド25の長さは、仮に保護壁7の幅が0.5mmであるとすれば、
3+2+0.5+1=6.5mm
となる。
したがって、本発明のインクジェットヘッド25は、従来のインクジェットヘッドに比べて、圧電基板1のサイズを
(11.96−6.5)/11.96×100=46%
削減することができる。この結果、ウエハ状圧電基板1枚当たりの取れ数を増やすことができるので、インクジェットヘッドのコストダウンを図ることができる。
なお、浅溝部が圧電基板の一端の1ヶ所のみにあるものを想定して説明したが、本発明に基づくインクジェットヘッドを、従来の複数の浅溝部を有する構成のものに比べれば、さらにサイズダウン、コストダウンの効果が増す。
このインクジェットヘッド25は、外部から前記第1共通インク室および前記第2共通インク室のうちのいずれか一方の共通インク室へと供給されたインクのうち、前記ノズル孔から出ていく分以外はすべて前記個別インク室を経由して他方の共通インク室へと排出される構造となっている。
既に述べたように微粒子含有インクは、インクの溶媒と含有される微粒子との比重差により、微粒子が沈降または浮遊し、インク中の微粒子濃度に偏りが生じるおそれがあり、微粒子の分布を安定させてインクを吐出するためには、インクジェットヘッド内でのインクをノズル孔直近箇所まで含めて循環、撹拌させて微粒子の沈降、浮遊を防止することが求められるが、本実施の形態におけるインクジェットヘッドによれば、第1共通インク室5および第2共通インク室6のうちのいずれか一方の共通インク室から個別インク室2へと供給されたインクのうち、ノズル孔から吐出された分以外はすべて個別インク室2を経由して他方の共通インク室へと排出される。言い換えれば、インクジェットヘッド内に供給されたインクは必ずいずれかの個別インク室2を通過して反対側の共通インク室へと流れるということである。その結果、ノズル孔直近箇所においてもインク流れが積極的に形成されるので、微粒子が沈降または浮遊することが抑制され、微粒子数及び吐出を安定させることができる。なお、ここでの「ノズル孔から出ていく分」とは、ノズル孔から印刷目的で吐出される微小液滴のインクの他に、クリーニング動作においてキャップ吸引されるインクや、本吐出前のいわゆる「捨て吐出」によってノズル孔から外部へ排出されるインクも含む。
(実施の形態2の前に)
本発明に基づく実施の形態2について説明する前に、実施の形態1において生じる可能性のある問題について述べる。
既に述べたように、実施の形態1で説明したインクジェットヘッド25は溝加工された圧電基板1とマニホールド11とにまたがるようにノズル板21が接着されていて、第1の第1共通インク室5が圧電基板1外に形成されている。そのため、インクジェットヘッド25の第1共通インク室5の深さは、圧電基板1内に形成されている個別インク室2の深さによって制限されることがなく、また、圧電基板1外に形成される第1共通インク室5の幅は、マニホールド11の内壁面から圧電基板1の外壁面までの距離によって規定されるので、マニホールド11の圧電基板用凹部17を広く形成することにより拡大することができる。これにより、インクジェットヘッド25は、第1共通インク室5の断面積を従来のインクジェットヘッド26よりも大きく、すなわち流路抵抗を小さくすることができるので、インク供給性を確保することができ、個別インク室2へのインクの循環を円滑かつ確実に行なうことができるという効果を有している。
ここで、さらに第1共通インク室5の断面積を拡大して流路抵抗を下げるため、インクジェットヘッド25の圧電基板1外に形成される第1共通インク室5の幅をさらに拡大したり、あるいはインクジェットヘッドの長尺化によって第1共通インク室5の開口面積が増大したりする場合が考えられる。
しかし、図4に示したように、インクジェットヘッド25の圧電基板1外に形成される第1共通インク室5は、圧電基板1とマニホールド11とノズル板21とに囲まれた空間であるため、第1共通インク室5の容積が拡大しすぎると、その上面を規定するノズル板21の支持が不十分になるおそれがある。中でも、ノズル板21が薄いフィルム状である場合などは、たわみや変形などが生じるおそれがある。
また、インクジェットヘッド25はシェアモード変形を利用した方式であり、電圧を印加することにより、分極方向の異なる圧電材料からなる隔壁3がシェアモード変形して個別インク室2の容積を変化させ、インクをノズル孔20から吐出する仕組みとなっている。この場合、効率よく吐出を行なうためには、隔壁3の変形によって発生した圧力波が損失なくノズル孔20にまで伝搬することが重要である。ところが、ノズル板21にたわみや変形などがあると、発生した圧力波がノズル板21に吸収され、損失が大きくなってしまう。その結果、吐出に要する電圧が高くなってしまう。すなわち吐出効率が低下してしまう。さらに、ノズル板21にたわみや変形などがあることによって、圧力波の伝搬にばらつきが生じ、各ノズル孔20での吐出特性のばらつきが引き起こされるおそれがある。
また、第1または第2の共通インク室へのインク供給時のインクの流れに関しても、ノズル板21にたわみや変形などがあると、インク流れが吸収されたり、流れが不均一になるなど悪影響が生じるおそれがある。
さらに、インクジェットヘッド25を長期使用した場合、ノズル板21にインク液滴、塵埃、含有微粒子などが堆積することがある。そのような場合にはノズル板21のクリーニング動作が行なわれることが一般的である。ここでいうクリーニング動作とは、たとえば専用のキャップを押し当ててインクジェットヘッド内のインクや気泡を吸引する「キャップ吸引動作」である。あるいは、たとえばゴムなどの弾性体で形成されたワイプブレードでノズル板21を払拭する「ワイピング動作」である。
ワイピング動作を行なう際に、ノズル板21にたわみや変形などがあると、クリーニング動作を良好に行なえないばかりか、ノズル板21に対して不均一に物理的な力が加わってノズル板21をダメージを与えるおそれがある。
また、ノズル板21が接着によって保持されている領域は、圧電基板1の個別インク室2の隔壁3の上面と、マニホールド11がノズル板21に接する部分とのみであるため、第1共通インク室5の開口面積があまりに大きくなると、接着強度が弱くなり、ノズル板21が剥離したりするおそれもある。
インクジェットヘッド25の長尺化などにより、第1共通インク室5の容積が拡大し、上述したような弊害が懸念される場合には、本発明に基づく実施の形態2として以下に説明するように補強した構成を採用することが考えられる。
(実施の形態2)
(構成)
図7、図8を参照して、本発明に基づく実施の形態2におけるインクジェットヘッドについて説明する。
本実施の形態におけるインクジェットヘッド25hは、図7に示すように、ノズル板21を支持するためのスペーサ18を第1共通インク室5の内部に備える。スペーサ18は、ロの字形すなわち長方形の筒状となっている。図8には、図7のVIII−VIII線に関する矢視断面図を示す。ノズル板21はスペーサ18の上面に対して接着されている。
(作用・効果)
本実施の形態では、ノズル板21が下側からスペーサ18によって支持されるので、ノズル板21のたわみや変形を防止することができる。ノズル板21はスペーサ18の上面に対して接着されているので、接着面積が増し、その結果、接着強度も増す。
したがって、キャップ吸引動作やワイピング動作を行なう際にもノズル板21がたわんだり変形したりすることがなく、ノズル板21に付着したインク液滴、塵埃、含有微粒子などを適切に除去するクリーニング動作を実現することができる。また、スペーサの支持によってノズル板のたわみや変形が抑制されることにより吐出性能の安定化やインク供給の円滑化がもたらされる。さらにノズル板の接着が強化されるのでインクジェットヘッド自体の信頼性が増す。なお、スペーサ18の要否については、作製するインクジェットヘッドの第1共通インク室のサイズによって、使用者が適宜判断すればよい。
スペーサの形状は、使用者が適宜選択することができる。本実施の形態では一例として、図7、図8に示したようにロの字形のスペーサ18としたが、形状はこれに限定されるものではない。スペーサによって第1共通インク室5内の流路抵抗をむやみに上げてしまわないようにする点と、開口部14および個別インク室2の開口部を塞いでしまわないようにする点との2点に留意すればよく、形状は適宜選択できる。
(実施の形態3の前に)
本発明に基づく実施の形態3について説明する前に、実施の形態1において生じる可能性のある問題について述べる。
図9に実施の形態1で説明したインクジェットヘッド25の断面図を示す。図9に示すように、第1共通インク室5は、マニホールド11の圧電基板用凹部17の内面と圧電基板1の側面とノズルプレート21の下面とによって囲まれる直方体の空間となっている。しかし、インクの流れる流路構造内にコーナーやデッドスポットがあると、その部分でインクが滞留してしまい、その結果、図9に渦巻き矢印で示すように乱流が生じ、インク流れが部分的に停滞してしまう。したがって、第1共通インク室5内に均一にインク流れを形成することができず、インクの循環が不十分なものとなってしまうおそれがある。
したがって、インクジェットヘッド内でのすべてのインク流れを円滑にするためには、コーナーやデッドスポットをなくすようにすることが望ましい。
(実施の形態3)
図10、図11を参照して、本発明に基づく実施の形態3におけるインクジェットヘッドについて説明する。
本実施の形態におけるインクジェットヘッド25iは、図10に示すように、第1共通インク室5を構成する辺の少なくとも1つが、第1共通インク室5の内側から見て凹状の曲面となるように形成されており、この曲面は隣接する内面と滑らかに連なっていることが好ましい。この例では、辺31のみが第1共通インク室5の内側から見て凹状の曲面となるように形成されており、この曲面は隣接する内面と滑らかに連なっている。このような形状であることを1辺が「R形状」であるともいう。なお、辺31は図10において紙面に垂直な方向に延在している。
このインクジェットヘッド25iを得るには、圧電基板用凹部17の内部の1辺がR形状であるマニホールド11iを使用すればよい。マニホールドが型成形によって作られる部品である場合には、成形の型の1辺をR形状にしておけばよい。マニホールド11が切削加工によって作られる部品である場合には、1辺をボールエンドミルで切削し、R形状にしておけばよい。このようなマニホールド11iを用いれば、既に1辺がR形状になっているので、このようなマニホールド11iに圧電基板1を配置し、ノズルプレート21を接着すれば、第1共通インク室5の1辺をR形状にすることができる。
あるいは、所望の辺がまだR形状となっていないマニホールド11を用いる場合であっても、図11に示すように、通常の直方体のマニホールド11に対して圧電基板1を配置した後、ディスペンサ37などを用いて接着剤36をマニホールド11のコーナー部5c、および圧電基板1とマニホールド11とによって構成される辺5dに塗布すればよい。硬化前の接着剤36は、表面張力によって、図11に示すようにフィレット形状を形成する。その状態で接着剤36を硬化させれば、第1共通インク室5の下側の各辺をR形状にすることができる。
また、ノズル板21を接着する際にマニホールド11の上面とノズル板21とに挟まれた余剰接着剤38が第1共通インク室5側へはみ出すことにより、図11に示すように第1共通インク室5の上側のコーナー部にも自ずとR形状が形成される。
(作用・効果)
本実施の形態では、第1共通インク室のコーナー部がR形状となっているので、図10、図11に矢印で示すようにコーナー部においても乱流を生じることなく、円滑にインク流れを通過させることができる。その結果、インクジェットヘッド内でのインク流れを円滑にすることができる。
(実施の形態4)
さらに、インクジェットヘッド全体としてのインクの循環を円滑・確実にするためには、実施の形態1〜3で説明したように供給側の共通インク室である第1共通インク室5内でのインク流れを考えるだけでは不十分であり、第1共通インク室5に向かうインク流れ、すなわちインク管12から開口部14を介して第1共通インク室5へ流れ込むインク流れを考慮する必要がある。
図12に第1共通インク室5に対して片側のみに開口部14aがあるマニホールド11dを示す。一般に、インク流れは供給口から離れるほど減衰していくので、図12に示されたマニホールド11dでは、開口部14aから遠ざかるほど、インク流れが滞りやすくなる。したがって、第1共通インク室5のうち開口部14aから遠い方の領域には十分にインク流れが行き渡らず、ビーズなど含有微粒子の沈降が生じるおそれがある。このような共通インク室へのインク供給に関わる問題は、インクジェットヘッドが長尺化すると、さらに顕著に現れる。
したがって、開口部から第1共通インク室5に対して流れ込むインク流れを均一化するとともに、第1共通インク室5の隅々まで流れいく流量および流速を確保することが重要となる。そのために、本発明に基づく実施の形態4では、開口部の配置について検討する。
図13〜図15を参照して、本発明に基づく実施の形態4におけるインクジェットヘッドについて説明する。
本実施の形態におけるインクジェットヘッドの第1の例では、図13に示すように、開口部14a,14bが、第1共通インク室5を挟むように配置されている。このようなインクジェットヘッドは、実施の形態1のインクジェットヘッド25に比べてマニホールドの形状を変えることによって得ることができる。このインクジェットヘッドはマニホールド11eを備えている。開口部14a,14bから続く通路はマニホールド11eの内部で合流しており、下方に突出するインク管12eと連通している。
この例では、導入されたインクは、両側の開口部14a,14bから第1共通インク室5の中央へと流れ行き、さらに個別インク室2へと続くインク流れが形成される。したがって、インクの供給および循環が円滑かつ確実に行なわれるようになる。
本実施の形態におけるインクジェットヘッドの第2の例としては、図14に示すように、第1共通インク室5に開口する開口部14cは、第1共通インク室の底面に配置されている。このインクジェットヘッドはマニホールド11fを備えている。個別インク室2の開口部が並ぶ方向45に関して、第1共通インク室5の底面の中央に配置されていることが好ましい。開口部14cは下方に突出するインク管12fと連通している。
この例では、第1共通インク室5内に導入されたインクは、第1ニップル開口部14から放射状に広がって第1共通インク室5内にインク流れを形成し、さらに個別インク室2へと続く均一なインク流れが形成される。その結果、インクの供給および循環が円滑かつ確実に行なわれるようになる。
さらに、図2、図4に示したように、開口部14は、第1共通インク室5の側壁に設けられていてもよい。開口部14は、長穴形状であり、開口部14からつながるインク通路は、第1共通インク室5から遠ざかるにつれて細くなるテーパ形状となっていることが好ましい。
インク通路の内部がテーパ状となっていることは、開口部14から第1共通インク室5に入ったインクが第1共通インク室5内で均一に拡散していく助けとなる。さらに、開口部14が長穴形状であることより、図15に示すようにテーパ形状によって均一化されたインク流れを保ったまま第1共通インク室5から個別インク室2へと流れる十分な流量のインク流れを形成することができる。
また、さらにインクジェットヘッド全体としてのインクの循環を考えると、上述のように第1共通インク室5へ流れ込むインク流れを対象とするのみでは不十分であり、第1共通インク室5から個別インク室2を経由して第2共通インク室6へと流れるインク流れを考慮する必要がある。その結果、排出側の共通インク室である第2共通インク室6内のインク流れも均一であることが求められる。したがって、図13、図14、図15で示したマニホールドの開口部の形状および配置の考え方は、第2共通インク室6に開口する開口部15にも適用することができる。
(実施の形態5)
図16、図17を参照して、本発明に基づく実施の形態5におけるインクジェットヘッドについて説明する。排出側の共通インク室である第2共通インク室6内の流路抵抗も低い方が望ましい。本発明に基づく実施の形態5では、この点を配慮し、図16に示すようにインクジェットヘッドの排出側の共通インク室である第2共通インク室6uを圧電基板1uの裏面側から形成してもよい。
図28に示した従来のインクジェットヘッド26のように、圧電基板1の上面から掘り下げるようにして第2共通インク室6を加工する場合には、各個別インク室2の内壁面に形成された電極と各浅溝部8の内壁面に形成された電極との導通を確保するため、第2共通インク室6の深さを個別インク室2の深さより深くすることができない。さらに、個別インク室2は圧電基板1の両端面に外部接続端子となる浅溝部8が開口し、インク室2から両端の浅溝部8につながる部分にはR形状部が設けられている。上記の通り、各インク室2の内壁面に形成された電極4と各浅溝部8の内壁面に形成された電極4との導通を確保する必要があるため、R形状の分さらに第2の共通インク室6の深さを浅く設定する必要がある。
これに対し、本実施の形態では、圧電基板1uの裏面から削り取るように第2共通インク室6uが形成されているので、第2共通インク室を加工する場合は、第2共通インク室6uの深さは、上面から加工する場合のように個別インク室2の深さによって制限されることがなく、各個別インク室2の内壁面に形成された電極と各浅溝部8の内壁面に形成された電極との導通が確保できる幅を残せば、第2共通インク室6uの深さを深く設定することが可能である。
これにより、たとえばインクジェットヘッドを長尺化した場合においても、第2共通インク室の流路抵抗を小さくすることができるので、インク流れをスムーズにすることができ、インクジェットヘッド内のインクの循環をより円滑・確実にすることができる。
ただし、第2共通インク室は必ずしも圧電基板の裏面側から形成されなければならないとは限らない。圧電基板の上面から形成された第2共通インク室であっても、インクの循環が十分に行なえるものであれば、第2共通インク室は圧電基板の上面から形成されたものでよい。
さらに第1共通インク室5および第2共通インク室6内の流路抵抗を下げるため、マニホールドの表面で共通インク室に向けて開口する各開口部は、マニホールド内にザグリ加工されていてもよい。たとえば、図16に示すように、第2共通インク室6uに対応する開口部15uがマニホールド11u内にザグリ加工された構造であってもよい。図17に示すように第2共通インク室6uの幅に合わせて開口部15uがマニホールド11u内に大きくザグリ加工された構造であってもよい。図17に示した例では開口部15uだけでなく第1共通インク室5uも同程度に深く掘られている。図16または図17に例示したような構成によれば、第1共通インク室5,5uおよび第2共通インク室6uの深さは、圧電基板1uの厚みや個別インク室2の深さによって制限されることがないので、自由に深く設定することが可能である。その結果、各共通インク室の流路抵抗を下げることができ、インクジェットヘッド全体としてのインクの循環をより円滑・確実にすることができる。
マニホールドの開口部および第2共通インク室の形状については、上述したものに限定されることなく、これらの要素を適宜組み合わせて使用することができる。
なお、上記各実施の形態では、圧電基板1外に形成された第1共通インク室に対して外部からインクを供給し、第2共通インク室から外部へインクを排出することを前提に説明したが、インクの流れる向きは逆であってもよい。インクの流れる向きが逆の場合であっても同様に考えることができる。
(ノズル板)
なお、ノズル板21は、紫外線エネルギーを吸収可能な高分子材料からなることが好ましい。このことについて以下説明する。
インクジェットヘッドに用いられるノズル孔は、一般的に直径10〜100μmと非常に小さな円形である。また、ノズル孔の直径にばらつきがあると、液滴の吐出体積のばらつきや吐出精度劣化につながる。また、本来円形であるべきノズル孔の形状のばらつきもまた吐出精度を劣化させるので、非常に高いノズル孔の加工精度が求められる。
また、ノズル板の材質によっては、CO2レーザなどを用いた加工を行なうと、発熱によりノズル孔のエッジ部分が溶解するなどして形状精度が劣化するおそれがある。形状精度の劣化は、吐出精度に対して悪影響を及ぼすおそれがある。
これに対して、エキシマレーザは、発振波長が200nm近辺の紫外光であり、熱を発生させることなく、加工材料を蒸発によって切除するというアブレーション作用による加工を行なうことができる。したがって、ノズル孔の加工にエキシマレーザを用いれば、エッジのダレのないきれいな円形に加工することができる。上述したように、エキシマレーザ加工は、加工精度に優れ、また、比較的簡便にノズル孔を形成することができるため、ノズル孔加工に好適である。
このとき、ノズル板の材料として、紫外線エネルギー領域の波長を吸収する高分子材料を用いれば、エキシマレーザの加工精度を劣化させることなく、直径および形状の揃ったノズル孔をより安定的に加工することができる。なお、このような高分子材料としては、たとえば、ポリイミドフィルムやポリエーテルサルフォンなどが挙げられる。また、ノズル板の材料としてフィルム状の高分子材料などを使用する場合は特に、上述したようなノズル板のたわみや変形が懸念されるので、実施の形態2で説明したスペーサを用いることが望ましい。
(実施の形態6)
(製造方法)
本発明に基づく実施の形態6として、インクジェットヘッドの製造方法について説明する。この製造方法は、上記各実施の形態のいずれかで説明したインクジェットヘッドを製造するための方法であって、圧電基板に対して溝加工を行なうことによって前記複数のインク溝を形成する工程と、前記複数のインク溝の内壁に導電体膜を形成することによって前記電極とする工程と、前記圧電基板用凹部を有する前記マニホールドを前記圧電基板に取り付ける工程と、前記複数のインク溝および前記圧電基板用凹部を塞ぐように、前記ノズル板を接着することによって、前記複数のインク溝を複数の個別インク室とすると同時に前記の圧電基板用凹部の一部を前記圧電基板の外の前記第1共通インク室とする工程とを含む。
(複数のインク溝を形成する工程)
まず、圧電基板に対して溝加工を行なうことによって複数のインク溝41を形成する工程を行なう。すなわち、図18に示されるように、圧電基板1に対してダイシングブレード30を用いて複数のインク溝41を直線状に平行に加工する。これには回転するダイシングブレード30を矢印の方向に繰返し移動させればよい。溝加工は、一定深さで直線状に行なうことが好ましい。
なお、圧電基板1は、外寸は15×6.25mm、厚さが3mmであり、分極方向の異なる0.15mmと2.85mmの2枚の圧電基板を貼り合わせることにより形成されたものである。インク溝41をノズル板で塞ぐことによって形成される個別インク室2は、深さが260μm、幅が80μmであり、隣接するインク室2間のピッチは169μmである。これにより、150DPIのノズル密度が得られる。
(電極を形成する工程)
上述のようにして、圧電基板1に複数の個別インク室となるべきインク溝41を形成した後、複数のインク溝41の内壁に導電体膜を形成することによって電極とする工程を行なう。すなわち、各インク溝41の内壁面に蒸着、スパッタ、メッキ法などを利用して電極を形成する。なお、電極の形成時には、インク溝41の内壁面以外の圧電基板1の表面にも電極が形成される。この状態では、隣接するインク溝41同士が短絡した状態となるため電極を形成した後、ダイシングマシンを利用して圧電基板1の表面を厚さ20μmだけ研削加工し、圧電基板1の上面に形成された不要な電極を除去する。この結果、圧電基板1の厚さは3mmから2.98mmへ、またインク溝41の深さは260μmから240μmへと変化し、各インク溝41の内壁面のみに電極4が形成された状態となる。なお、上記研削加工により圧電基板1の裏面と表面の平行度のずれは最大でも1μm以内に整えられる。
(第2共通インク室6などを形成する工程)
次いで、図19に示されるように、幅の広いダイシングブレード31により、第2共通インク室6となる凹みおよび外部接続端子となる浅溝部8をそれぞれ形成する。第2共通インク室6は、個別インク室2となるべきインク溝41に直交するように浅溝部8の手前に形成される。第2共通インク室6の凹みおよび浅溝部8は、インク溝41の深さよりも浅く形成する。こうすることにより、図4に示すように、各個別インク室2の内壁面に形成された電極と各浅溝部8の内壁面に形成された電極との導通状態は確保される。
本実施の形態では、第2共通インク室6は、深さが200μm、幅が2mmになるように加工した。また、浅溝部8は深さが10μm以下、幅は個別インク室2の幅と一致する80μmとなるように、また、保護壁7の幅が0.6mmとなるようにした。この浅溝部8を作るために、深さを230μm以上として幅1.2mmにわたって研削加工した。
これにより、インクジェットヘッドのインク排出を担う第2共通インク室6と、外部基板との接続に用いられる外部接続用端子となる浅溝部8を形成することができる。
上述したように、インクジェットヘッド内のインクの円滑な循環に関しては、排出側の流路抵抗も小さい方が好ましいので、この例では第2共通インク室の幅を2mmとしたが、第2共通インク室6の幅は、可能な範囲でなるべく広く設定される方が好ましい。しかしながら、広く設定しすぎるとその分だけ圧電基板1のサイズを大きくせざるを得なくなるという弊害が生じるので、適宜設計すればよい。
また、第2共通インク室の形成方法は、圧電基板1の上面側から加工することに限定されない。上述したように、第2共通インク室は圧電基板1の裏面に設けてもよいので、圧電基板1の裏側から研削加工してもよい。圧電基板1の裏面側から加工すれば、第2共通インク室の深さは、上面から加工する場合のようにインク溝の深さによって制限されることがなく、インク溝の内壁面に形成された電極と各浅溝部の内壁面に形成された電極との導通が確保できる幅さえ残せば、第2共通インク室の深さを深く設定することが可能である。なお、このように第2共通インク室を圧電基板1の裏面側から加工した場合は、後述するマニホールドの開口部及びインク管13の位置を適宜合わせることが必要である。
以上の工程は、説明しやすくするため、1つの圧電基板1について述べたが、実際はウエハ状圧電基板の状態で加工が行なわれ、1枚のウエハ状圧電基板に複数の圧電基板1がレイアウトされた状態となる。
各圧電基板1は、上述のウエハ状圧電基板状態からダイシングマシンを利用して個別に分割することにより得られる。したがって、ウエハ状圧電基板1枚当たりからの圧電基板1の取れ数は、各圧電基板1のサイズが大きくなるほど少なくなるので、インクジェットヘッドのコストが高くなる。本発明によるインクジェットヘッドは、従来のインクジェットヘッド26のように第1共通インク室5と第2共通インク室6とが両方とも圧電基板1内に形成されているよりも、第1の共通インク室5を圧電基板1外に形成することができるので、各圧電基板1のサイズを小さくすることができ、ウエハ状圧電基板1枚当たりからの圧電基板1の取れ数を増やすことができる。その結果、インクジェットヘッドのコストダウンを図ることができる。
(配線基板を接続する工程)
次いで、図20に示されるように、外部接続用端子としての浅溝部8に、外部基板としての配線基板10をACF(異方性導電フィルム)9を介して接続する。これにより、圧電基板1の各個別インク室2の両側の隔壁に画像データに基づいた電圧を印加することが可能となり、外部から駆動することが可能となる。なお、外部基板との接続方法としては、上述のACF9を用いた接続方法以外にも、外部基板のリードを圧電基板1の外部接続端子に直接接続する方法や、外部基板のリードを圧電基板1の外部接続端子にワイヤーボンディングする方法などがある。
なお、このままでは、保護壁7はインク溝41が貫通していることによって櫛歯状になっているので、第2共通インク室6と配線基板10とは連通している状態になっている。配線基板10は、インクに触れることにより溶解または膨潤するおそれがあるので、配線基板10がインクに触れないようにする必要がある。そこで、上述の配線基板10の接続を行なった後、保護壁7のインク溝41による連通部分を接着剤によって封止する工程を行なう。こうすれば、配線基板10が確実にインクに触れないようにすることができるため、信頼性のあるインクジェットヘッドを作製することができる。
すなわち、インクジェットヘッドの製造方法としては、電極を配線基板と接続する電気的接続工程を含み、この電気的接続工程は、個別インク室内のインクが配線基板に触れないように個別インク室の端を封止する工程を含むことが好ましい。
(電極保護膜を形成する工程)
次いで、圧電基板1の各インク溝41の内壁面に形成された電極を保護するために、電極保護膜(図示せず)を約10μmの厚さで形成する。この電極保護膜は、その形成時に何も措置をしないと圧電基板1および配線基板10のあらゆる表面に付着してしまうので、付着させる必要のない配線基板10には電極保護膜の形成前にマスキングテープなどでマスクし、付着防止を図る。
(マニホールドを圧電基板に取り付ける工程)
次に、圧電基板用凹部を有するマニホールドを圧電基板1に取り付ける工程を行なう。
まず、図5に示したようなマニホールド11を予め作製する。マニホールド11は厚さ10mmのアルミ、ステンレス、セラミクスなどからなる板材に2種類のザグリ加工を施して作製する。すなわち、マニホールド11は、0.25mmの深さだけザグリ加工を施して形成された配線基板用凹部16と、2.98mmの深さのザグリ加工によって形成された圧電基板用凹部17とを有する。圧電基板用凹部17の内側の側面には、図5に示すように、開口部14が長穴形状で開口しており、その内部はテーパ状となっている。開口部14にはインク管12が接続される。
また、圧電基板用凹部17の上面には、図5に示すように、開口部15が両側に形成されており、マニホールド11の裏面からはインク管13が接続される。インク管13から続く通路はマニホールド11の内部で分岐して2つの開口部15に連通している。このように通路が内部で分岐した構造は、マニホールドを複数の部分に分けて内部の通路に相当する部分を加工した後にこれらの複数の部分を組み合わせて1つのマニホールドの完成体とすることにより、実現することができる。
なお、上述した例のマニホールドは一例であり、マニホールドの外形、配線基板用凹部16と圧電基板用凹部17との位置関係、ザグリ加工の深さ、開口部14,15の配置および加工形状は、インクジェットヘッド内のインクの循環のしやすさを考慮し、また圧電基板1内に形成された第2共通インク室6の形状に合わせて適宜選択すればよい。また、実施の形態3で述べたように、マニホールド11を作製する際に第1共通インク室5を構成する辺をR形状になるように加工しておいてもよい。圧電基板用凹部のうち、第1共通インク室となる部分の辺のうち少なくとも1つを凹状の曲面となるように形成することが好ましい。
次いで、図21に示されるように、配線基板10が接続された圧電基板1を、マニホールド11の圧電基板用凹部17内に配置し、圧電基板用凹部17の内壁と圧電基板1との隙間に接着剤を流し込み、圧電基板1を圧電基板用凹部17に接着する。
さらに、図11に示したように、ディスペンサ37などを用いて接着剤36をマニホールド11のコーナー部、および圧電基板1とマニホールド11とによって構成される辺に塗布してもよい。硬化前の接着剤36は、コーナー部では液体の表面張力によって、図11に示したようなフィレット形状を形成する。その状態で接着剤36を硬化させれば、圧電基板用凹部17の内部の辺がR形状であるマニホールド11を用意することなく、第1の共通インク室5を構成する辺をR形状にすることができる。
(ノズル板を接着する工程)
次に、複数のインク溝41および圧電基板用凹部17を塞ぐように、ノズル板21を接着することによって、複数のインク溝41を複数の個別インク室2とすると同時に圧電基板用凹部17の一部を圧電基板1の外の第1共通インク室5とする工程を行なう。これは図2に示したように、圧電基板1とマニホールド11とにまたがるようにノズル板21を接着する。これにより、インクジェットヘッド内に個別インク室2と第1共通インク室5と第2共通インク室6とが形成される。ノズル板21はノズル孔20を有している。ノズル孔20の各々は個別インク室2の各々に対応する位置に配置されている。
なお、ノズル板21を接着する際にマニホールド11とノズル板21との間で挟まれて押し出された余剰接着剤が第1共通インク室5側へはみ出すことにより、図11に示すように上面のコーナー部にもR形状が形成されることが好ましい。このようにはみ出させるために塗布する接着剤の量をある程度多めにしてもよい。
圧電基板1にノズル板21を接合した後、ノズル板21とマニホールド11との隙間、および、ノズル板21と配線基板10との隙間に接着剤を流し込んで封止する。
以上の工程により図1に示したインクジェットヘッド25が作製される。
(複数の圧電基板を1つのマニホールドに取り付ける例)
図22に示すように、上述したような圧電基板1を複数作製し、1つのマニホールド11kの凹部内に、互いに対向するように配置し、これらの複数の圧電基板1およびマニホールド11kにまたがるように1枚のノズル板21kを接着してもよい。ただし、ノズル板21kは、複数の圧電基板1に対応するようにノズル孔20の列を複数有する。開口部14cはマニホールド11kの凹部の底面の中央に1つ設けられている。第2共通インク室6に連通するマニホールド11k側の開口部は図22には表れていないが紙面の奥手前から第2共通インク室6をそれぞれ挟むように2対設けられている。この構成によれば、マニホールド11k内に形成される1つの第1共通インク室5kを2つの圧電基板1が共有することができる。このように組み立てたインクジェットヘッド25kは、ノズル孔20の列が複数あるので、2つのインクジェットヘッドを別途作製することなく、省スペースで作製することができる。
(ノズル板の製造方法)
ここで、上述のノズル板21の製造方法について図23〜図25を参照して詳しく説明する。まず、図23に示されるように、紫外線エネルギーを吸収する高分子材料からなる基材フィルム22のインク吐出面となる側に、インクに対して撥水効果のある撥水膜23を成膜し、さらにこの撥水膜23を保護するために撥水膜23上に保護テープ24を貼り付ける。紫外線エネルギーを吸収する高分子材料としては、ポリイミドフィルム、あるいは、ポリエーテルサルフォンなどが挙げられるので、これらの材料のいずれかで基材フィルム22を形成することとしてよい。
次いで、図24に示すように、ノズル孔20に対応する位置に開口28を有するノズル孔形成用マスク27を用い、パルス制御されたエキシマレーザ光を照射する。この際、エキシマレーザ光が、基材フィルム22および撥水膜23を透過し、保護テープ24の一部に達するように照射されることにより、基材フィルム22を構成する高分子の分子結合が切断され、分子あるいは原子状態に分解して蒸発するというアブレーション作用が起こり、その結果、ノズル孔形成用マスク27の開口28に対応した位置に基材フィルム22および撥水膜23を貫通するノズル孔20が形成される。必要な数のノズル孔20を形成し終えた後に保護テープ24を剥がす。その後、保護テープ24を貼り付けていた粘着剤および加工時の残渣などを除去するために適宜洗浄を行なう。こうして図25に示すようにノズルプレート21が作製される。
上述した通り、エキシマレーザ光は、発振波長が200nm近辺の紫外光であり、エキシマレーザ加工によれば、熱を発生させることなく、加工材料を蒸発によって切除するというアブレーション作用による加工を行なうことができるため、エッジのダレのないノズル孔をきれいな円形に加工することができる。また、エキシマレーザ加工は、加工精度に優れ、また、比較的簡便にノズル孔を形成することができるため、ノズル孔加工に好適な加工方法である。本実施の形態では、ノズル板の基材として、紫外線エネルギー領域の波長を吸収可能な高分子材料を用いるため、ノズル孔加工に好適なエキシマレーザ光の加工精度を劣化させることなく、ノズル孔径、形状の揃ったノズル孔をより安定的に加工することができる。
以上のように、本発明を適用すれば、従来のインクジェットヘッドに比べて、インクジェットヘッド内のインクの供給および循環を円滑かつ確実に行なうことができるとともに、加工工程数の削減、加工精度の向上を図ることができる。さらにインクジェットヘッドを構成する圧電基板のサイズを小さくすることができるので、インクジェットヘッドのコストを下げることができる。
すなわち、本実施の形態におけるインクジェットヘッドの製造方法としては、紫外線エネルギーを吸収可能な高分子材料からなる板材にノズル孔を形成することによってノズル板を作成するノズル孔加工工程を含み、ノズル孔加工工程は、エキシマレーザ加工によって行なわれることが好ましい。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明に基づく実施の形態1におけるインクジェットヘッドの斜視図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるインクジェットヘッドの分解図である。 図1におけるIII−III線に関する矢視断面図である。 図1におけるIV−IV線に関する矢視断面図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるインクジェットヘッドに含まれているマニホールドの斜視図である。 従来技術に基づくインクジェットヘッドの部分拡大断面図である。 本発明に基づく実施の形態2におけるインクジェットヘッドの分解図である。 図7におけるVIII−VIII線に関する矢視断面図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるインクジェットヘッドの内部で生じるインクの流れの説明図である。 本発明に基づく実施の形態3におけるインクジェットヘッドの内部で生じるインクの流れの説明図である。 本発明に基づく実施の形態3におけるインクジェットヘッドを作製するために接着剤を用いてR形状の辺を形成する様子の説明図である。 第1共通インク室に対して片側のみに開口部があるマニホールドの説明図である。 本発明に基づく実施の形態4におけるインクジェットヘッドの第1の例で用いられるマニホールドの説明図である。 本発明に基づく実施の形態4におけるインクジェットヘッドの第2の例で用いられるマニホールドの説明図である。 開口部が長穴形状となっている場合のインク流れの説明図である。 本発明に基づく実施の形態5におけるインクジェットヘッドの第1の例の断面図である。 本発明に基づく実施の形態5におけるインクジェットヘッドの第2の例の断面図である。 本発明に基づく実施の形態6におけるインクジェットヘッドの製造方法の第1の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態6におけるインクジェットヘッドの製造方法の第2の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態6におけるインクジェットヘッドの製造方法の第3の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態6におけるインクジェットヘッドの製造方法の第4の工程の説明図である。 本発明に基づくインクジェットヘッドの一例として、複数の圧電基板を1つのマニホールドに取り付けた構造のインクジェットヘッドの断面図である。 本発明に基づく実施の形態6におけるインクジェットヘッドの製造方法で用いられるノズル板の製造方法の第1の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態6におけるインクジェットヘッドの製造方法で用いられるノズル板の製造方法の第2の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態6におけるインクジェットヘッドの製造方法で用いられるノズル板の製造方法の第3の工程の説明図である。 従来技術に基づくシェアモード型のインクジェットヘッドの分解図である。 図26におけるXXVII−XXVII線に関する矢視断面図である。 図26におけるXXVIII−XXVIII線に関する矢視断面図である。
符号の説明
1,1u 圧電基板、1n (圧電基板の)外壁面、2 個別インク室、3 隔壁、5,5k 第1共通インク室、5c コーナー部、5d 辺、6,6u 第2共通インク室、7 保護壁、8 浅溝部、9 ACF(異方性導電フィルム)、10 (マニホールドの)配線基板、11,11d,11e,11f,11k,11u,111 マニホールド、11n 内壁面、12,12e,12f,13,112,113 インク管、14,14a,14b,14c,15,15u 開口部、16 配線基板用凹部、17 圧電基板用凹部、18 スペーサ、20 ノズル孔、21 ノズル板、22 基材フィルム、23 撥水膜、24 保護テープ、25,25h,25i,25k インクジェットヘッド、27 ノズル孔形成用マスク、28 (ノズル孔形成用マスクの)開口、30,31 ダイシングブレード、35 矢印、36 接着剤、37 ディスペンサ、38 余剰接着剤、41 インク溝、45 方向、101 圧電基板、102 個別インク室、105,106 共通インク室、114,115 ニップル開口部、126 (従来技術に基づく)インクジェットヘッド。

Claims (15)

  1. 隔壁によって互いに隔てられ、かつ内壁に電極が設けられた複数のインク溝を有する圧電基板と、
    前記圧電基板の前記隔壁の上部に接着されることによって前記複数のインク溝の上側を塞いで前記複数のインク溝を複数の個別インク室として規定するノズル板と、
    前記圧電基板を収容する圧電基板用凹部を上面に有し、前記圧電基板用凹部にインクを出入りさせるための開口部を有するマニホールドとを備え、
    前記ノズル板は、前記圧電基板の上面だけでなく前記マニホールドの上面にまでまたがるように延在しており、前記複数の個別インク室に対応する複数のノズル孔を有し、前記ノズル板によって、前記個別インク室と連通する第1共通インク室および第2共通インク室が規定されており、前記第1共通インク室は前記インク溝が前記圧電基板の端に至っている側において前記圧電基板の外に配置されている、インクジェットヘッド。
  2. 前記複数のインク溝は、直線状であり、底面が同一高さで連続する、請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 外部から前記第1共通インク室および前記第2共通インク室のうちのいずれか一方の共通インク室へと供給されたインクのうち、前記ノズル孔から出ていく分以外はすべて前記個別インク室を経由して他方の共通インク室へと排出される構造となっている、請求項1または2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記ノズル板を支持するためのスペーサを前記第1共通インク室の内部に備える、請求項1から3のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記スペーサは、長方形の筒状となっている、請求項4に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記第1共通インク室を構成する辺の少なくとも1つが、前記第1共通インク室の内側から見て凹状の曲面となるように形成されており、前記曲面は隣接する内面と滑らかに連なっている、請求項1から5のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記開口部は、前記第1共通インク室を挟むように配置されている、請求項1から6のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記開口部は、前記第1共通インク室の底面に配置されている、請求項1から6のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記開口部は、長穴形状であり、前記開口部からつながるインク通路は、前記第1共通インク室から遠ざかるにつれて細くなるテーパ形状となっている、請求項1から8のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  10. 前記ノズル板は、紫外線エネルギーを吸収可能な高分子材料からなる、請求項1から9のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載のインクジェットヘッドを製造するための方法であって、
    圧電基板に対して溝加工を行なうことによって前記複数のインク溝を形成する工程と、
    前記複数のインク溝の内壁に導電体膜を形成することによって前記電極とする工程と、
    前記圧電基板用凹部を有する前記マニホールドを前記圧電基板に取り付ける工程と、
    前記複数のインク溝および前記圧電基板用凹部を塞ぐように、前記ノズル板を接着することによって、前記複数のインク溝を複数の個別インク室とすると同時に前記圧電基板用凹部の一部を前記圧電基板の外の前記第1共通インク室とする工程とを含む、インクジェットヘッドの製造方法。
  12. 前記溝加工は、一定深さで直線状に行なう、請求項11に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  13. 前記電極を配線基板と接続する電気的接続工程を含み、
    前記電気的接続工程は、前記個別インク室内のインクが前記配線基板に触れないように前記個別インク室の端を封止する工程を含む、請求項11または12に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  14. 前記圧電基板用凹部のうち、前記第1共通インク室となる部分の辺のうち少なくとも1つを凹状の曲面となるように形成する、請求項11から13のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  15. 紫外線エネルギーを吸収可能な高分子材料からなる板材に前記ノズル孔を形成することによって前記ノズル板を作成するノズル孔加工工程を含み、
    前記ノズル孔加工工程は、エキシマレーザ加工によって行なわれる、請求項11から14のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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