JP2006220050A - 圧縮機および圧縮機の制御弁 - Google Patents

圧縮機および圧縮機の制御弁 Download PDF

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Koichi Shimada
浩一 島田
Fumimasa Okabe
文聖 岡部
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Abstract

【課題】 起動性を確保しつつも速やかにデストロークに変更できる低コストな圧縮機およびその制御弁の提供を図る。
【解決手段】制御弁100は、抽気通路31を開閉する抽気通路用弁体131と、給気通路32を開閉する給気通路用弁体112と、両弁体131、112に電磁吸引力を及ぼす電磁発生手段122と、を備え、抽気通路用弁体131は、給気通路用弁体112の開弁度を調整するために電磁発生手段122に電力供給すると開弁する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、クランク室内の圧力を調整して吐出量を変更する可変容量圧縮機およびそれに用いる制御弁に関する。
可変容量圧縮機では、吐出容量の調整を行う容量制御機構が設けられている。
例えば特許文献1に開示される容量制御機構は、吐出室の圧力をクランク室に導入する給気通路と、クランク室の圧力を吸入室に導出する抽気通路と、給気通路の途中に介在されて該給気通路を開閉制御する電磁制御弁と、を備えて構成されている。電磁制御弁により給気通路の開度を調整すると、吐出室からクランク室に導入する高圧冷媒の量が調整され、クランク室の圧力が調整される(つまりピストンを挟んだクランク室圧と吸入室圧との差圧が調整される)。すると、ピストンストロークが変わり、圧縮機の吐出量が変更される。
特許第2567947号
このような可変容量圧縮機においては、例えば圧縮機の吐出量に対して蒸発器で受ける熱負荷が小さいときには、蒸発器が過剰に冷却されてこの状態が長く続くと蒸発器が凍結してしまうため、速やかにデストロークに変更できると好ましい。また、可変容量圧縮機が車両に搭載される場合は、車両の加速時に圧縮機で消費する動力を低減することで効率的な車両の急加速が可能となるため、このような場合も速やかにデストロークに変更できると好ましい。
そのため、吐出室から給気通路を通じてクランク室に導入した高圧冷媒が、抽気通路を通じてクランク室から大量に排出されてないように、抽気通路の通路断面積は小さく設定されている。なお、通常は抽気通路の途中に通路断面積を絞った固定絞り部が設けられている。
しかしながら、このように抽気通路の通路断面積が小さいと、圧縮機の停止時にクランク室に溜まった液冷媒が圧縮機の起動時に速やかにクランク室から排出されず、この液冷媒が駆動軸またはカム(斜板)の回転によりかき回されて気化しクランク室がどんどん高圧となるため、クランク室を低圧にしてピストンストロークを大きくしようとしてもできない不都合が生じる。つまり、抽気通路の通路断面積が小さいと、圧縮機の起動性が劣ってしまう。
なお、外気温度が高温であるほどまた圧縮機の放置時間(停止時間)が長いほど、外気温度の影響を受けやすい冷凍サイクルの構成要素(蒸発器、凝縮器、配管)で気化した冷媒が、外気温度の影響を受けにくい圧縮機のクランク室に液化して溜まるため、クランク室内に大量の液冷媒が溜まってしまう。そのため、特に圧縮機の起動性が重視される夏期ほど、圧縮機の機動性が低下してしまうことになる。
ここでこのような課題を解消すべく、起動性を確保しつも速やかにデストロークに変更できる構造として、抽気通路の通路断面積を大きく設定してこの抽気通路を開閉する電磁制御弁(弁体および電磁発生手段)を設けた構造が考えられる。この構造によれば抽気通路を任意に開閉できるため、圧縮機の起動時には抽気通路を開くことで圧縮機の起動性を確保できるし、デストロークにしたい時には抽気通路を閉じることで速やかにデストロークにできる。
しかしながら、給気通路と抽気通路のぞれぞれに電磁制御弁(特に電磁発生手段)を付加すると圧縮機の製造コストが嵩んでしまう。
本発明は、上記事情を考慮し、起動性を確保しつも速やかにデストロークに変更できる低コストな圧縮機およびその制御弁の提供を目的とする。
請求項1の発明は、シリンダボアに往復動自在に収容されたピストンと、前記シリンダボアの上死点側に吸入弁を介して連通する吸入室と、前記シリンダボアの上死点側に吐出弁を介して連通する吐出室と、前記ピストンより下死点側のクランク室と、前記クランク室内で回転する駆動軸と、前記駆動軸の回転を各ピストンの往復動に変換するものであり且つ前記ピストンを挟んでのクランク室圧と吸入室圧との差圧によりピストンストロークを変更するカムと、前記クランク室圧を調整することでクランク室圧と吸入室圧との差圧によりピストンストロークを変更して吐出容量を制御する制御弁と、を備えた圧縮機であって、
前記制御弁は、前記クランク室と前記吸入室とを連通する抽気通路の途中に配置されて該抽気通路を開閉する抽気通路用弁体と、前記吐出室と前記クランク室とを連通する給気通路の途中に配置され該給気通路を開閉する給気通路用弁体と、電力供給により磁束を発生させて前記抽気通路用弁体および前記給気通路用弁体に電磁吸引力を及ぼす電磁発生手段と、を備え、
前記給気通路用弁体は、付勢手段により開弁方向に一定の付勢力で常時付勢され且つ前記電磁発生手段の電磁吸引力により閉弁方向への付勢力が調整されることで開弁度が調整され、前記抽気通路用弁体は、付勢手段によって閉弁方向に一定の付勢力で常時付勢され且つ前記電磁発生手段の電磁吸引力により閉弁方向への付勢力が調整されるものであり、前記電磁発生手段の電磁吸引力が生じると電磁吸引力の大きさにかかわらず前記抽気通路を閉じ且つ前記電磁発生手段の電磁吸引力が消えると前記抽気通路を開くことを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の圧縮機であって、圧縮機が介装されている冷凍サイクルの冷媒圧力または冷媒圧力差を検出して冷凍サイクルの冷媒圧力又は冷媒圧力差を維持するように、前記給気通路用弁体に対して荷重を付与する感圧部を備えることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、クランク室圧を調整することでピストンを挟んでのクランク室圧と吸入圧との差圧によりピストンストロークを調整して吐出量を制御する圧縮機の制御弁であって、
前記クランク室と前記吸入室とを連通する抽気通路の途中に配置されて該抽気通路を開閉する抽気通路用弁体と、前記吐出室と前記クランク室とを連通する給気通路の途中に配置され該給気通路を開閉する給気通路用弁体と、電力供給により磁束を発生させて前記抽気通路用弁体および前記給気通路用弁体に電磁吸引力を及ぼす電磁発生手段と、を備え、
前記給気通路用弁体は、付勢手段により開弁方向に一定の付勢力で常時付勢され且つ前記電磁発生手段の電磁吸引力により閉弁方向への付勢力が調整されることで開弁度が調整され、
前記抽気通路用弁体は、付勢手段によって閉弁方向に一定の付勢力で常時付勢され且つ前記電磁発生手段の電磁吸引力により閉弁方向への付勢力が調整されるものであり、前記電磁発生手段の電磁吸引力が生じると電磁吸引力の大きさにかかわらず前記抽気通路を閉じ且つ前記電磁発生手段の電磁吸引力が消えると前記抽気通路を開くことを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項3に記載の圧縮機の制御弁であって、圧縮機が介装されている冷凍サイクルの冷媒圧力または冷媒圧力差を検出して冷凍サイクルの冷媒圧力又は冷媒圧力差を維持するように、前記給気通路用弁体に対して荷重を付与する感圧部を備えることを特徴とするものである。
請求項1および3の発明によれば、給気通路の開弁度を調整すべく電磁発生手段へ電力供給した際には抽気通路が開き、電磁発生手段への電力供給を停止した際には給気通路が開き且つ抽気通路が閉じる。
そのため、圧縮機の起動に伴い電磁発生手段に電力を供給すれば、抽気通路が開いた状態で給気通路の開度を調整できる。するとクランク室に溜まった液冷媒は抽気通路を通じてクランク室外へ速やかに排出され、圧縮機の起動性が向上する。また、デストロークにしたい場合には、電磁発生手段への電力供給を遮断すれば抽気通路が閉じ且つ給気通路が開き、これによりクランク室の圧力が速やかに上昇して速やかにデストロークになる。
このように請求項1および3の発明によれば、給気通路の弁体を開閉する電磁発生手段と抽気通路の弁体を開閉する電磁制御手段とを別々に設けない低コストな構造でありながら、圧縮機の起動性を確保しつつも速やかにデストロークに変更できる構造となる。
請求項2および4の発明によれば、電磁吸入力を変更しない限り、設定された冷媒圧力となるように実際の冷媒圧力が自律的に調節される。外部からの制御によって電磁吸入力を変更すれば冷媒圧力の設定値が変更され、この新たな設定値となるように実際の冷媒圧力が調節される。そのため、冷凍サイクルを安定した状態で制御できる。
以下、本発明にかかる可変容量圧縮機の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。この実施形態の圧縮機1は、車両のエンジンルームに配置されエンジンの駆動軸の回転力を利用して駆動し、車両用空調装置の冷凍サイクルに介装されて冷凍サイクルで気化した冷媒ガスを断熱圧縮するものである。
まず図1を参照して圧縮機1の全体構造を説明する。
圧縮機1は、斜板式可変容量圧縮機である。圧縮機1は、円周方向に複数の等間隔に配置されたシリンダボア3を有するシリンダブロック2と、該シリンダブロック2の前端面に接合され該シリンダブロック2との間にクランク室5を形成するフロントハウジング4と、シリンダブロック2の後端面にバルブプレート9を介して接合され吸入室7および吐出室8を形成するリアハウジング6と、を備えている。これらシリンダブロック2とフロントハウジング4とリアハウジング6とは、複数のスルーボルトBによって締結固定される。
バルブプレート9は、シリンダボア3と吸入室7とを連通する吸入孔11と、シリンダボア3と吐出室8とを連通する吐出孔12と、を備えている。
バルブプレート9のシリンダブロック2側には、吸入孔11を開閉する吸入弁13v(図3参照)が設けられ、一方、バルブプレート9のリアハウジング6側には、吐出孔12を開閉する吐出弁14v(図3参照)が設けられている。
シリンダブロック2およびフロントハウジング4の中心の支持孔19、20には軸受17、18を介して駆動軸10が軸支され、この駆動軸10がクランク室5内で回転自在となっている。この駆動軸10の前端はフロントハウジング4から外部へ突出しており、この突出端には電磁クラッチ54を介してプーリ55が回転自在に配置されている。このプーリ55は図示せぬベルトを介して外部駆動源としての車両エンジンと連結され、電磁クラッチ54がON状態でエンジンの回転を駆動軸10に伝える。
クランク室5内には、前記駆動軸10に固定したドライブプレート21と、駆動軸10に摺動自在に嵌装したスリーブ22と、該スリーブ22にピン23により揺動自在に連結したジャーナル24と、該ジャーナル24のボス部25に軸受36を介して装着した「カム」としてのワブルプレート(斜板)26と、が設けられている。ワブルプレート26は、クランク室5内に固定された規制プレート35と軸方向に沿って摺動自在に連結されることで、回転が阻止された状態で軸線方向へスライドしつつその傾斜角を変更できるようになっている。ワブルプレート26の傾斜角は、スリーブ22がシリンダブロック2側に近接移動すると減少し、一方、スリーブ22がシリンダブロック2から離れる方向に移動すると増大する。ここで、スリーブ22がシリンダブロック2側に近接した際には、一方の復帰バネ52が縮んでいるのでこの復帰バネ52の弾性復元力によりスリーブ22が中立位置に向けて復帰しやすくなっており、一方、スリーブ22がシリンダブロック2から離間している際には、他方の復帰バネ51が縮んでいるのでこの復帰バネ51の弾性復元力によりスリーブ22が中立位置にむけて復帰しやすくなっている。なお、ドライブプレート21とジャーナル24とは、そのヒンジアーム21h、24hを弧状の長孔27とピン28とを介して連結されており、これによりワブルプレート26の最大傾斜角度と最小傾斜角度とが規制されている。
このような構造により、駆動軸10を回転によりジャーナル24が回転すると、ワブルプレート26は非回転で且つ軸線方向に揺動する。ワブルプレート26の揺動すると、ピストンロッド30を介してワブルプレート26に連結されたピストン29が各シリンダボア3内で往復運動する。ピストン29が往復動すると、吸入室7の冷媒は吸入室7→バルブプレート9の吸入孔11→シリンダボア3へと吸入しされたのちシリンダボア3内で圧縮され、シリンダボア3→バルブプレート9の吐出孔12→吐出室8へと吐出される。
ここで圧縮機の吐出容量を可変とするために、圧縮機には容量制御機構が設けられている。この実施形態の容量制御機構は、クランク室5と吸入室7とを連通する抽気通路31(図1中矢示で示す)と、クランク室5と吐出室8とを連通する給気通路32(図1中矢示で示す)と、抽気通路31および該給気通路32を開閉する制御弁100と、を有する。なお、抽気通路31は途中に固定絞り部(オリフィス)を備えない。制御弁100の開度を調整してクランク室圧Pcを調整すると、該クランク室5と吸入室7との圧力バランス(ピストン29の前後の圧力バランス)が変化してピストンストロークが変化して、圧縮機1の吐出容量が変わる。
制御弁
以下、容量制御用の制御弁100の構成を図2、3を参照して詳しく説明する。
この制御弁100は、リアハウジング6に組み付けられている。制御弁100のハウジングは、バルブケース101およびこのバルブケース101の下部に連結されたソレノイドケース121、および各ケース101、121の開口端部を閉塞するキャップ102、103、104からなる。バルブケース101は、抽気通路31の一部を構成する通路部分(108、109、133、134、135)と、給気通路32の一部を構成する通路部分(105a、105b、105c、105d)と、感圧室109(この例では感圧室109は抽気通路31の一部を兼ねている)と、を備えている。バルブケース101の中央部には、給気通路用の弁体112が形成されたロッド111がスライド自在に配置されているとともに、前記ロッド111に外側から装着され該ロッド111に対してスライド自在な抽気通路用の弁体131が配置されている。
次に、抽気通路31の開閉機構および給気通路32の開閉機構を説明する。まず、給気通路32の開閉機構から説明する。
給気通路32の一部を構成する通路部分は、弁座106に貫通形成された弁孔105bと、弁孔105bよりも吐出クランク室側の通路105aと、弁孔105bよりもクランク室側の弁室105cおよび通路105dと、を備えて構成されている。
前記弁孔105bおよび弁室105cをロッド111が貫通しており、弁室105c内にロッド111の弁体112が配置されている。弁体112は、ロッド111の上下方向へのスライドに伴って弁座106に接離して弁孔105bを開閉する。
ロッド111は、スプリングS1、S2、S3により弾性支持されており、弁体112の開弁方向Y(図3中下方)に向けて第1スプリングS1の付勢力f1が付加されているとともに弁体112の閉弁方向X(図3中上方)に第2スプリングS2および第3スプリングS3の付勢力f2、f3が付加されている。
また、ロッド111には、感圧室109に配置されたベローズ(感圧部)115の自由端(図3中下端)が連結されている。感圧室109は通路108を介して吸入室7と連通しており、これにより内部圧力は吸入室圧Psに相当する。ベローズ115は感圧室109の内部圧力(吸入室圧Ps)に感応して伸縮し、この伴う付勢力Ps×Aの変化に応じて弁体112に加わる開弁方向への付勢力と閉弁方向への付勢力との釣り合いが変化する。この実施形態では、吸入室圧Psが上昇した際にベローズ115が縮んで閉弁方向Xへの付勢力を上昇させ(つまり圧縮機1の吐出量に対して蒸発器で受ける熱負荷が大きいときに給気通路32を閉じてクランク室圧Pcを低下させて圧縮機1の吐出量を多くし)且つ吸入室圧Psが下降した際にはベローズ115が伸びて閉弁方向Xへの付勢力を下降させる(つまり圧縮機1で吐出する冷媒流量に対して蒸発器で受ける熱負荷が小さいときに給気通路32を開いてクランク室圧Pcを上昇させて圧縮機1の吐出量を少なくする)ようになっている。言い換えれば、熱負荷に応じた冷媒吐出量となるようにベルローズが配置されている。なお、この実施形態ではベローズ115内は真空を封入して一定圧としているが、例えば大気または任意の気体を封入して一定圧としてもよい。
このような構成により、給気通路用の弁体112の自律的な力の釣り合いは以下のようになる。
開弁方向Y(図3中下方向)の力の和はf1であり、閉弁方向X(図3中上方向)の力の和はf2+f3+Ps×A(+F1sol)である。開弁方向の力(図3中下向きの力)が閉弁方向(図3中上向きの力)に勝つときロッド111が押し下げられて開弁し、給気通路32を通じてクランク室5に吐出室8の圧力が流入することになる。
但し、上式において、
A :ベローズの有効受圧面積
f1 :第1スプリングによる力
f2 :第2スプリングによる力
f3 :第3スプリングによる力
F1sol :ソレノイドコイルによる力
Pd :吐出室8内の圧力
Pc :クランク室5の圧力
Ps :吸入室7の圧力
である。
感圧部115の圧力制御点を変更しうる「外部制御手段」としてのソレノイド部120は、バルブケース101の下端部に固定されたソレノイドケース121と、このソレノイドケース121内に配置されたソレノイドコイル122と、ソレノイドコイル122の中央に固定された固定鉄心123と、固定鉄心123の下方に配置されソレノイドコイル122の励磁・消磁により固定鉄心123に向けて(図3中上方に向けて)スライドする可動鉄心124と、を備えている。可動鉄心124はソレノイドケース121および固定鉄心123を貫通する前記ロッド111の下端部111bと連結されている。
制御装置90によりソレノイドコイル(電磁発生手段)122に電力供給すると、固定鉄心123に対して可動鉄心124が電磁吸引力で吸引される。電磁吸引力の大きさを変更することで感圧部115の圧力制御点を変更できるようになっている。電磁吸引力の大きさは、ソレノイドコイル122に通電する電圧値またはデューティー比(電流値に相当)を制御することで行われる。この実施形態では、ソレノイドコイル122に通電すると図3中上方に向けてロッド111に付勢力を与えることができる。
次に、抽気通路31の開閉構造を説明する。
抽気通路31の一部を構成する通路部分は、弁座132に形成された弁孔133と、該弁孔133よりも吸入室7側の通路(この例では感圧室109および通路108が相当する)と、該弁孔133よりもクランク室側の弁室134および通路135と、を備えて構成されている。
弁室134内には抽気通路用弁体131が配置されており、この抽気通路用弁体131が弁座132に接離して弁孔133を開閉する。また抽気通路用弁体131は第4スプリングS4の付勢力f4により抽気通路用弁体131の閉弁方向X(図3中上方)に向けて付勢されている。また抽気通路用弁体131は磁性体で構成されており、給気通路用弁体112の開弁度を調整すべくソレノイドコイル122へ電力供給すると、微少な電力供給量にて下方の固定鉄心123に吸引されて開弁するように設定されている。つまり、微少な電力供給量(この例ではデューティー30%付近)でも、第4スプリングS4の付勢力f4よりも電磁吸引力が大きくなるように第4スプリングS4のバネ定数が設定されている。
次に、この実施形態の可変容量圧縮機1の作用を図3〜図5を参照しつつ説明する。
まず、圧縮機1を起動すると、制御装置90は車内設定温度や各種センサなどの検出信号に基づき、電磁発生手段としてのソレノイドコイル122に電力供給して図4または図5に示すように給気通路32の開度を調整する。このとき、抽気通路31が開いた状態となるため、クランク室5に溜まった液冷媒は抽気通路31を通じてクランク室5外へ排出される。
なお、圧縮機1の起動からある程度時間が経過した安定的な運転中においても同様の制御が行われる。
次に、このような安定的な運転中において、制御装置90が圧縮機をデストロークに変更すると判断した場合には、制御装置90はソレノイドコイル122への電力供給を遮断する。すると、図3に示すように抽気通路31が閉じ且つ給気通路32が開く。これにより、クランク室5の圧力が速やかに上昇してピストンストロークが速やかにデストロークとなる。
制御装置90が圧縮機をデストロークに変更すると判断する場合は、例えば車内設定温度が車内温度よりも高くなって蒸発器の吹出温度をこれ以上下げたくない場合や、蒸発器の吹出温度が所定値よりも低くなって凍結の恐れが有る場合や、車両加速時に圧縮機で消費する動力をゼロに近づける場合などがある。
次に、この実施形態の効果をまとめる。
(1)この実施形態によれば、制御弁100は、抽気通路31を開閉する抽気通路用弁体131と、給気通路32を開閉する給気通路用弁体112と、電力供給により磁束を発生させて抽気通路用弁体131および給気通路用弁体112に電磁吸引力を及ぼす電磁発生手段122と、を備え、抽気通路用弁体131は、給気通路用弁体112の開弁度を調整するために電磁発生手段122に電力供給すると開弁する構造である。具体的には給気通路用弁体112は、付勢手段S1、S2、S3により開弁方向に一定の付勢力で常時付勢され且つ電磁発生手段122の電磁吸引力により閉弁方向への付勢力が調整されることで開弁度が調整される。また、抽気通路用弁体131は、付勢手段S4によって閉弁方向に一定の付勢力で常時付勢され且つ電磁発生手段122の電磁吸引力により閉弁方向への付勢力が調整されるものであり、電磁発生手段122の電磁吸引力が生じると電磁吸引力の大きさにかかわらず抽気通路31を閉じ且つ電磁発生手段122の電磁吸引力が消えると抽気通路31を開く。
このような構造により、給気通路32の開弁度を調整すべく電磁発生手段122へ電力供給した際には抽気通路31が開き、電磁発生手段122への電力供給を停止した際には給気通路32が開き且つ抽気通路31が閉じる。そのため、圧縮機を起動時すると抽気通路31が開いた状態で給気通路32の開度を調整でき、クランク室5に溜まった液冷媒を抽気通路31を通じてクランク室5外へ排出できる。結果、圧縮機の起動性を向上できる。
また、デストロークに変更したい場合には、電磁発生手段122への電力供給を遮断すれば抽気通路31が閉じ且つ給気通路32が開くので、クランク室5の圧力を速やかに上昇させてピストンストロークを速やかにデストロークにできる。
このようにこの実施形態によれば、給気通路32を開閉するための電磁発生手段と抽気通路31を開閉するための電磁発生手段とを別々に設けない低コストな構造でありながら、圧縮機の起動性を確保し且つ速やかにデストロークに変更できる。
また、抽気通路用弁体131を弾性支持する付勢手段(S1、S2、S3、115)と、給気通路用弁体112を弾性支持する付勢手段(S4)とは、互いに独立しているため、弁体131、112の開度調整の制御が行い易い構造である。
(2)この実施形態によれば、圧縮機1が介装されている冷凍サイクルの冷媒圧力(この例では吸入室圧Ps)を検出して冷凍サイクルの冷媒圧力(吸入室圧Ps)を維持するように、給気通路用弁体112に対して荷重を付与する感圧部115を備える構造である。つまり、蒸発器で受ける熱負荷が大きい時に(この例では吸入室圧Psが高い時に)給気通路用弁体112を閉弁方向に移動させる荷重を大きくし、蒸発器で受ける熱負荷が小さい時に(この例では吸入室圧Psが低い時)に給気通路用弁体112を開弁方向に移動させる荷重を大きくする感圧部115を備える構造である。
そのため、電磁吸入力を変更しない限り、設定された冷媒圧力となるように実際の冷媒圧力が自律的に調節される。外部からの制御によって電磁吸入力を変更すれば冷媒圧力の設定値が変更され、この新たな設定値となるように実際の冷媒圧力が調節される。そのため、冷凍サイクルを安定した状態で制御できる。
なお、本発明は上述の実施形態のみに限定されない。
例えば、上述の本実施形態では、感圧部が吸入室の冷媒圧力に基づく荷重を給気通路用弁体に付与する構造であるが、本発明では、感圧部が冷凍サイクルに設けられた第1圧力監視点の冷媒圧力とこの第1圧力監視点よりも低圧側である下流側の第2圧力監視点の冷媒圧力と、の差に基づく荷重を給気通路用弁体に付与する構造であってもよい。
また、上述の実施形態では、感圧部は、熱負荷が大きいときに(吸入圧が高いときに)給気通路用弁体に付与する閉弁方向への荷重を大きくする一方で熱負荷が小さいときに(吸入圧が低いときに)給気通路用弁体に付与する閉弁方向への荷重を小さくする構造であるが、その逆に熱負荷が大きいときに(吸入圧が高いときに)給気通路用弁体に付与する開弁方向への荷重を大きくする一方で熱負荷が小さいときに(吸入圧が低いときに)給気通路用弁体に付与する開弁方向への荷重を小さくする構造であってもよい。また、その他の感圧構造を採用してもよい。
また、上述の実施形態では感圧部として主にベローズを用いているが、本発明にあっては感圧部として例えばダイアフラムなどその他の形態をとっても良い。
また、上述の実施形態の圧縮機1は、斜板26が非回転で揺動するワブルプレート式の斜板式可変容量圧縮機1であるが、本発明は斜板26が駆動軸10と一体的に回転するスワッシュ式の斜板式可変容量圧縮機にも適用できるし、斜板式以外の可変容量圧縮機にも適用できる。
また、上述の実施形態では電磁クラッチ54を備える圧縮機で構成されているが、本発明にあってはクラッチレス圧縮機であってもよい。
また、上述の実施形態では、固定絞り部を有さない抽気通路31を開閉する構造であったが、本発明では抽気通路31とは別にさらに固定絞り部付きの抽気通路を備える構造であってもよい。
またその他、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で変更可能である。
本発明の実施形態の可変容量圧縮機を示す断面図。 同可変容量圧縮機のリアハウジングの断面図。 同可変容量圧縮機の制御弁を中心にした容量制御系の構成を示す図であって、ソレノイドコイルへ電力供給されていない図。 同可変容量圧縮機の制御弁を中心にした容量制御系の構成を示す図であって、ソレノイドコイルへ電力供給された状態で給気通路用弁体が閉弁している図。 同可変容量圧縮機の制御弁を中心にした容量制御系の構成を示す図であって、ソレノイドコイルへ電力供給された状態で給気通路用弁体が開弁している図。
符号の説明
1…圧縮機
3…シリンダボア
5…クランク室
7…吸入室
8…吐出室
26…ワブルプレート(斜板、カム)
29…ピストン
31 抽気通路
32…給気通路
100…制御弁
105a…通路(給気通路)
105b…弁孔(給気通路)
105c…弁室(給気通路)
105d…通路(給気通路)
108…通路(抽気通路)
109…感圧室(抽気通路)
112…給気通路用弁体
115…ベローズ(感圧部)
122…ソレノイドコイル(電磁力発生手段)
133…弁孔(抽気通路)
134…弁室(抽気通路)
135…通路(抽気通路)
f1…第1スプリングの付勢力
f2…第2スプリングの付勢力
f3…第3スプリングの付勢力
f4…第4スプリングの付勢力
S1…第1スプリング
S2…第2スプリング
S3…第3スプリング
S4…第4スプリング
Pc…クランク室圧
Pd…吐出室圧
Ps…吸入室圧
X…給気通路用弁体の閉弁方向、抽気通路用弁体の閉弁方向
Y…給気通路用弁体の開弁方向、抽気通路用弁体の閉弁方向

Claims (4)

  1. シリンダボア(3)に往復動自在に収容されたピストン(29)と、
    前記シリンダボア(3)の上死点側に吸入弁(13v)を介して連通する吸入室(7)と、
    前記シリンダボア(3)の上死点側に吐出弁(14v)を介して連通する吐出室(8)と、
    前記ピストンより下死点側のクランク室(5)と、
    前記クランク室(5)内で回転する駆動軸(10)と、
    前記駆動軸(10)の回転を各ピストン(29)を往復動に変換するカム(26)と、
    前記クランク室圧(Pc)を調整することでクランク室圧(Pc)と吸入室圧(Ps)との差圧によりピストンストロークを変更して吐出容量を制御する制御弁(100)と、
    を備えた圧縮機(1)であって、
    前記制御弁(100)は、
    前記クランク室(5)と前記吸入室(7)とを連通する抽気通路(31)の途中に配置されて該抽気通路(31)を開閉する抽気通路用弁体(131)と、
    前記吐出室(8)と前記クランク室(5)とを連通する給気通路(32)の途中に配置され該給気通路(32)を開閉する給気通路用弁体(112)と、
    電力供給により磁束を発生させて前記抽気通路用弁体(131)および前記給気通路用弁体(112)に電磁吸引力を及ぼす電磁発生手段(122)と、
    を備え、
    前記給気通路用弁体(112)は、付勢手段(S1、S2、S3)により開弁方向に一定の付勢力で常時付勢され且つ前記電磁発生手段(122)の電磁吸引力により閉弁方向への付勢力が調整されることで開弁度が調整され、
    前記抽気通路用弁体(131)は、付勢手段(S4)によって閉弁方向に一定の付勢力で常時付勢され且つ前記電磁発生手段(122)の電磁吸引力により閉弁方向への付勢力が調整されるものであり、前記電磁発生手段(122)の電磁吸引力が生じると電磁吸引力の大きさにかかわらず前記抽気通路(31)を閉じ且つ前記電磁発生手段(122)の電磁吸引力が消えると前記抽気通路(31)を開くことを特徴とする圧縮機(1)。
  2. 請求項1に記載の圧縮機(1)であって、
    圧縮機(1)が介装されている冷凍サイクルの冷媒圧力または冷媒圧力差を検出して冷凍サイクルの冷媒圧力又は冷媒圧力差を維持するように、前記給気通路用弁体(112)に対して荷重を付与する感圧部(115)を備えることを特徴とする圧縮機(1)。
  3. クランク室圧(Pc)を調整することでピストン(29)を挟んでのクランク室圧(Pc)と吸入圧(Ps)との差圧によりピストンストロークを調整して吐出量を制御する圧縮機の制御弁(100)であって、
    前記制御弁(100)は、
    前記クランク室(5)と前記吸入室(7)とを連通する抽気通路(31)の途中に配置されて該抽気通路(31)を開閉する抽気通路用弁体(131)と、
    前記吐出室(8)と前記クランク室(5)とを連通する給気通路(32)の途中に配置され該給気通路(32)を開閉する給気通路用弁体(112)と、
    電力供給により磁束を発生させて前記抽気通路用弁体(131)および前記給気通路用弁体(112)に電磁吸引力を及ぼす電磁発生手段(122)と、
    を備え、
    前記給気通路用弁体(112)は、付勢手段(S1、S2、S3)により開弁方向に一定の付勢力で常時付勢され且つ前記電磁発生手段(122)の電磁吸引力により閉弁方向への付勢力が調整されることで開弁度が調整され、
    前記抽気通路用弁体(131)は、付勢手段(S4)によって閉弁方向に一定の付勢力で常時付勢され且つ前記電磁発生手段(122)の電磁吸引力により閉弁方向への付勢力が調整されるものであり、前記電磁発生手段(122)の電磁吸引力が生じると電磁吸引力の大きさにかかわらず前記抽気通路(31)を閉じ且つ前記電磁発生手段(122)の電磁吸引力が消えると前記抽気通路(31)を開くことを特徴とする圧縮機の制御弁(100)。
  4. 請求項3に記載の圧縮機の制御弁(100)であって、
    圧縮機(1)が介装されている冷凍サイクルの冷媒圧力または冷媒圧力差を検出して冷凍サイクルの冷媒圧力又は冷媒圧力差を維持するように、前記給気通路用弁体(112)に対して荷重を付与する感圧部(115)を備えることを特徴とする圧縮機の制御弁(100)。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009011251A1 (ja) * 2007-07-13 2009-01-22 Sanden Corporation 可変容量圧縮機の容量制御弁
JP2015021605A (ja) * 2013-07-23 2015-02-02 株式会社テージーケー 電磁弁

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