JP2004232581A - クラッチレス圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】エアコンOFF時などの最小容量運転命令信号に基づいて素早く斜板角を最小にして好適な省燃費運転を実現できるクラッチレス圧縮機の提供を図る。
【解決手段】励磁により斜板26を直接または間接的に引きつけて斜板26の傾斜角を小さくする磁力発生手段としての電磁コイル41を、シリンダブロック2に配置した。そのため、最小容量運転命令を受けた際には、磁力発生手段41の励磁により素早く斜板26の傾斜角を最小に引き付けることができる。これにより、長時間、圧縮機を無駄に稼働させることを回避でき、好適な車両の省燃費運転を実現できる。
【選択図】 図1
【解決手段】励磁により斜板26を直接または間接的に引きつけて斜板26の傾斜角を小さくする磁力発生手段としての電磁コイル41を、シリンダブロック2に配置した。そのため、最小容量運転命令を受けた際には、磁力発生手段41の励磁により素早く斜板26の傾斜角を最小に引き付けることができる。これにより、長時間、圧縮機を無駄に稼働させることを回避でき、好適な車両の省燃費運転を実現できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置等の冷凍サイクルに介装されて該冷凍サイクル内で気化した冷媒を断熱圧縮するクラッチ圧縮機に関し、クランク室内の圧力を調整して斜板の傾斜角を変更して、冷媒の吐出容量を変更可能な可変容量のクラッチレス圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧縮機には、シリンダボアを有するシリンダブロックの前端面に、フロントハウジングを接合してクランク室を形成すると共に、前記シリンダブロックの後端面に、バルブプレートを介してリアハウジングを接合して吸入室および吐出室を形成し、前記クランク室内に軸支した駆動軸の回転を斜板によって前記シリンダボア内のピストンの往復動に変換することで、吸入室の冷媒ガスをシリンダボアに吸入して圧縮し、吐出室へ吐出するものがある。吐出容量の制御は、コントロールバルブの作動によりクランク室の圧力を制御して、斜板の傾斜角度を変化させることで行われる。なお、斜板式可変容量圧縮機は、斜板が駆動軸と一体的に回転するスワッシュ式の斜板式可変容量圧縮機と、斜板が非回転で揺動するウォッブルプレート式の斜板式可変容量圧縮機と、がある。
【0003】
この種の圧縮機では、電磁クラッチを介在させることなく、外部駆動源に直接駆動軸を連結することで、外部駆動源の駆動中に常時回転する形式のクラッチレス圧縮機が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この種のクラッチレス圧縮機では、エアコンOFF時に斜板の傾斜角を最小(0°〜3°程度)にすることで、車両の省燃費運転を実現するようになっている。つまり、斜板の傾斜角を最小(0°〜3°程度)にすることで、エンジンの駆動軸と連動する圧縮機の駆動軸に加わるトルクを最小限に抑えて車両の省燃費運転を実現する。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−205446号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種のクラッチレス圧縮機では、容量変更命令信号に基づいてコントロールバルブで給気通路を開閉制御しても、クランク室の圧力は直ちに変更できるものではなく、求めるクランク室圧になるまでにはタイムラグがある。そのため、エアコンOFF時などに最小容量運転命令信号を指令しても、求めるクランク室圧に至るまでのレスポンスが遅い分だけ、圧縮機が無駄に仕事をしてしまう。
【0007】
本発明はこのような従来技術をもとに為されたもので、エアコンOFF時などの最小容量運転命令信号に基づいて素早く斜板角を最小にして好適な省燃費運転を実現できるクラッチレス圧縮機の提供が目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、シリンダボアを有するシリンダブロックの前端面に、フロントハウジングを接合してクランク室を形成すると共に、前記シリンダブロックの後端面に、バルブプレートを介してリアハウジングを接合して吸入室および吐出室を形成し、クランク室内に軸支した駆動軸の回転を、斜板を介してピストンを往復動に変換し、吐出室とクランク室とを連通する給気通路の途中に給気通路を開閉するコントロールバルブを設けて、コントロールバルブの作動によりクランク室の圧力を調整して斜板の傾斜角を変更することで吐出容量を制御するクラッチレス圧縮機において、
励磁により斜板を直接または間接的に引きつけて斜板の傾斜角を小さくする磁力発生手段を、シリンダブロックに配置したことを特徴とするものである。
【0009】
なお、圧縮機がスワッシュ式およびウォッブルプレート式のいずれのタイプの圧縮機においても、間接的に斜板を引き付ける場合は、斜板と連動し且つシリンダブロックに近接配置されるスリーブまたはジャーナルを介して斜板を引き付ける構造が、圧縮機の構造を複雑化することなく比較的安価に製造できる利点がある(請求項3、4および請求項6、7)。
【0010】
【発明の効果】
この発明によれば、磁力発生手段の励磁により斜板を直接または間接的に引きつけることができるため、最小容量運転命令を受けた際には、磁力発生手段の励磁により素早く斜板の傾斜角を最小に引き付けることができる。これにより、長時間、圧縮機を無駄に稼働させることを回避でき、好適な車両の省燃費運転を実現できる。
【0011】
なお、別の手段(請求項8)として、磁力により斜板を直接または間接的に引きつける磁石を用いてもよい。この場合、最小容量運転命令によりクランク室圧が上昇して斜板がシリンダブロック側に除々に移動しつつ斜板の傾斜角が除々に小さくなる際に、斜板が磁石側に対して所定の距離以下に近づいたときに、磁石の吸引力が有効に作用し、斜板の傾斜角が素早く最小となる。つまり、従来、斜板に傾斜角の制御をクランク室圧のみに頼っていた場合に比べ、斜板の傾斜角が小さくなったときに磁石の吸引力を利用できるため、より素早く斜板の傾斜角を最小とすることができる。これにより、従来よりも圧縮機を無駄に稼働させる時間を少なくでき、好適な車両の省燃費運転を実現できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態にかかるクラッチレス圧縮機を図面を参照しつつ説明する。
【0013】
図1は本発明の第1実施形態にかかるクラッチレス圧縮機の全体断面図である。この実施形態のクラッチレス圧縮機1は、車両のエンジンルームに配置されエンジンの駆動軸の回転力を利用して可動する車両空調装置用の圧縮機であり、車両用空調装置の冷却サイクルに介装されて冷凍サイクルで気化した冷媒ガスを断熱圧縮するものである。
【0014】
この圧縮機は、このウォッブルプレート式の斜板式可変容量圧縮機であり、以下より詳しく説明する。圧縮機1は、円周方向に複数の等間隔に配置されたシリンダボア3を有するシリンダブロック2と、該シリンダブロック2の前端面に接合され該シリンダブロック2との間にクランク室5を形成するフロントハウジング4と、シリンダブロック2の後端面にバルブプレート9を介して接合され吸入室7および吐出室8を形成するリアハウジング6と、を備えている。これらシリンダブロック2とフロントハウジング4とリアハウジング6とは、複数のスルーボルトBによって締結固定される。
【0015】
バルブプレート9は、シリンダボア3と吸入室7とを連通する吸入孔11と、シリンダボア3と吐出室8とを連通する吐出孔12と、を備えている。
【0016】
バルブプレート9のシリンダブロック2側には、吸入孔を11開閉する図示せぬ弁機構が設けられ、一方、バルブプレート9のリアハウジング6側には、吐出孔12を開閉する図示せぬ弁機構が設けられている。バルブプレート9とリアハウジング6との間にはガスケットが介在し、吸入室7と吐出室8の密閉性を保持している。また、バルブプレート9の周縁にはリアハウジング6とシリンダブロック2との接合面においてOリングが介在し、圧縮機1外への冷媒漏れを防止している。
【0017】
シリンダブロック2およびフロントハウジング4の中心の支持孔19、20には軸受を介して駆動軸Sが軸支され、この駆動軸Sがクランク室5内で回転自在となっている。この駆動軸Sの前端はフロントハウジング4から外部へ突出しており、この突出端には図示せぬプーリが固定されている。このプーリは図示せぬベルトを介して車両エンジンと連結され、エンジンの回転をクラッチレスで駆動軸Sに伝える。
【0018】
クランク室5内には、前記駆動軸Sに固設したドライブプレート21と、駆動軸Sに摺動自在に嵌装したスリーブ22と、該スリーブ22にピン23により揺動自在に連結したジャーナル24と、該ジャーナル24のボス部25に軸受36を介して装着したウォッブルプレート(斜板)26と、が設けられている。ウォッブルプレート26は、クランク室5内に固定された規制プレート35に摺動自在に連結されることで、回転が防止され且つ軸線方向への揺動が許容されている。つまり、駆動軸Sを回転によりジャーナル24が回転すると、ウォッブルプレート26はジャーナル24の回転揺動に伴って、非回転で且つ軸線方向に揺動するようになっている。ウォッブルプレート26の傾斜角は、スリーブ22がシリンダブロック2側に近接移動するとウォッブルプレート26の傾斜角が減少し、一方、スリーブ22がシリンダブロック2から離れる方向に移動するとウォッブルプレート26の傾斜角が増大する。ここで、スリーブ22がシリンダブロック2側に近接した際には、一方の復帰バネ52が縮んでいるのでこの復帰バネ52の弾性復元力によりスリーブ22が中立位置に向けて復帰しやすくなっており、一方、スリーブ22がシリンダブロック2から離間している際には、他方の復帰バネ51が縮んでいるのでこの復帰バネ51の弾性復元力によりスリーブ22が中立位置にむけて復帰しやすくなっている。
【0019】
なお、ドライブプレート21とジャーナル24とは、そのヒンジアーム21h、24hを弧状の長孔27とピン28とを介して連結されており、これによりウォッブルプレート26の最大傾斜角度と最小傾斜角度とが規制されている。
【0020】
そして、各シリンダボア3に収容されたピストン29は、ピストンロッド30を介してウォッブルプレート26に連結されていて、ウォッブルプレート26の揺動によって往復運動するようになっている。圧縮機1の基本機能は、このピストン29のピストン運動により、吸入室7→バルブプレート9の吸入孔11→シリンダボア3へと吸入した冷媒を圧縮し、シリンダボア3→バルブプレート9の吐出孔12→吐出室8へと吐出するものである。
【0021】
吐出容量を可変とするために、クランク室5と吸入室7とを常時連通する抽気通路31と、クランク室5と吐出室8とを連通する給気通路32と、該給気通路32を開閉するコントロールバルブ33と、からなる圧力制御機構が設けられている。
【0022】
コントロールバルブ33は電磁式であり、例えば外気温度,室内温度,日射量などの入力信号に基づいて生成される図示せぬオートアンプからの容量変更命令信号によりコントロールバルブ33の電磁コイルに磁力を発生させることで、給気通路32を開閉する弁体の開度が調整される。そして、コントロールバルブ33の開閉によりクランク室5内の圧力を変えると、該クランク室5と吸入室7との圧力バランス(ピストン29の前後の圧力バランス)よりウォッブルプレート26の傾角が変化して、つまり、ピストンストロークが変化して、圧縮機1の吐出容量が変わる。
【0023】
この実施形態の圧縮機1では、シリンダブロック2の前端部にクランク室5に露出するように「磁力発生手段」としての電磁コイル41が埋設されている。この電磁コイル41は、2極のうち一方はシリンダブロック2内を通って外部に配線され、容量変更命令信号の入力線43(ソレノイド電流のリード線)となり、他方はシリンダブロック2に接してアースされている。
【0024】
この実施形態では、斜板26が常磁性体(マンガン、白金、アルミニウムなど)または強磁性体(鉄、ニッケル、コバルト、フェライトなど)で形成され、電磁コイル41の磁力により引き付けられる「引き付け部材」として構成されている。
【0025】
最小容量運転命令がオートアンプから発生された際には、斜板26に傾斜角を最小にすべく、コントロールバルブ33のデューティー比または電流値が最小になるように制御される一方で、電磁コイル41にリード線43を通じてソレノイド電流が入力されて、強制的に斜板26をシリンダブロック2側に引き付けてこの斜板26の傾斜角が最小になるように制御される。
【0026】
以上のように構成された圧縮機1は、以下のように容量制御が行われる。
【0027】
冷凍サイクルの熱負荷が大きい場合には、オートアンプは必要とする冷房能力は大きいと判断し、コントロールバルブ33の電磁コイルに流す電流値またはデューティー比を大きくする信号を出力する。この信号に伴いコントロールバルブ33の弁体は閉弁方向に移動し、この結果、ピストン29によって圧縮された高圧冷媒(吐出圧力Pd)はクランク室5に導入されず、抽気通路31(常時連通路)を通じてクランク室5内から吸入室7に除々に流れ出る冷媒によって、次第にクランク室圧Pcと吸入室圧Psとが均衡していく。クランク室圧Pcと吸入室圧Psとが等しくなると、ウォッブルプレート26に働くモーメント力によりウォッブルプレート26の傾斜角が最大になり、圧縮ストロークが最大となる。従って、この状態で圧縮すると、吐出冷媒量の増加により、冷凍サイクル内を循環する冷媒循環量が増加して、大きい熱負荷に応じた適正な冷媒量となる。
【0028】
一方、冷凍サイクルにおける熱負荷が小さい場合には、オートアンプは冷房能力は小さくてもよいと判断し、コントロールバルブ33の電磁コイルに流す電流値またはデューティー比を小さくする信号を出力する。この信号に伴いコントロールバルブ33の弁体が開弁方向に移動する。この結果、ピストン29によって圧縮された高圧冷媒(吐出圧力Pd)の一部が吐出室8から給気通路を通ってクランク室に導入され、クランク室の内部圧力(クランク室圧Pc)が高められる。クランク室圧Pcが吸入室圧Psよりも少しでも大きくなると、ピン23を中心とするウォッブルプレート26の傾斜角が減少して、圧縮ストロークが短くなり、吐出冷媒量の減少により、冷凍サイクル内を循環する冷媒循環量が減少して、低い熱負荷に応じた適正な冷媒量となる。
【0029】
最小容量運転命令
ここで、図示せぬ制御手段で、エアコンがOFFされた場合や、圧縮機の省動力運転が必要と判断された場合(例えば車両の急加速時などで圧縮機の省動力運転が必要とされた場合)には、最小容量運転命令信号が生成される。この最小容量運転命令信号によって、コントロールバルブ33のデューティー比または電流値が最小になるように制御され、これによって、除々にクランク室5圧が上昇して圧縮ストロールが最小に移行するようになっている。
【0030】
またこれと同時に、最小容量運転命令信号によって「磁力発生手段」としての電磁コイル41が励磁される。これにより、強制的に斜板がシリンダブロック2側に引き付けられて斜板26の傾斜角が最小になる。つまり、最小容量運転命令信号の生成から求める吐出容量に至るまでタイムラグのあるコントロールバルブ33による容量制御をまつことなく、直ちに斜板26の傾斜角を最小にして最小容量運転ができる。このため、無駄に圧縮機が稼働する時間が短縮され、より好適な車両の省燃費運転が可能となる。
【0031】
なお、通常運転命令の場合は、「磁気発生手段」としての電磁コイル41が消磁されている。
【0032】
上述の実施形態では、斜板26を常磁性体または強磁性体で構成することでこの斜板26(請求項2対応)を「引き付け部材」としているが、ジャーナル24またはスリーブ22を常磁性体または強磁性体で構成することでこれらジャーナル24(請求項3対応)またはスリーブ22(請求項4対応)を「引き付け部材」としてもよい。
【0033】
また、上述の実施形態では、ウォッブルプレート(斜板)26が非回転で揺動するウォッブルプレート式の圧縮機1であるが、本発明にあっては、図3に示すように斜板201が駆動軸Sと一体的に回転するスワッシュ式の斜板式可変容量圧縮機200であってもよい(請求項4〜7対応)。この場合もウォッブルプレート(斜板)26を直接または間接的に引き付ける場合と同様の作用効果が得られる。
【0034】
図2は本発明の第2実施形態である(請求項8対応)。
【0035】
この第2実施形態の圧縮機100は、「磁力発生手段」としての電磁コイル41に代えて永久磁石101を用いた点で、第1実施形態の圧縮機1と異なっている。この場合、最小容量運転命令によりクランク室圧が上昇して斜板26がシリンダブロック2側に除々に移動しつつ斜板26の傾斜角が除々に小さくなる際に、斜板26が磁石101に対して所定の距離以下に近づいたときに磁石101の吸引力が大きく作用し、斜板26の傾斜角が素早く最小となる。つまり、斜板の傾斜角の制御をクランク室圧のみに頼っていた従来構造に比べ、より素早く斜板26の傾斜角を最小とすることができる。これにより、従来に比べて圧縮機を無駄に稼働させる時間を少なくでき、好適な車両の省燃費運転を実現できる。
【0036】
なお、上記実施形態では、スリーブ22の軸方向両側に復帰バネ51、52が設けられているが、復帰バネは配設しなくてもまたは一方のみに配設してあってもよい。好ましくは、少なくともスリーブ22のシリンダブロック2側に設けられた復帰バネ52を介装した構造であり、この場合は、磁石101の助力により最小傾斜角に強く引き寄せられている斜板26を、復帰バネ52の弾性復元力により復帰させやすい。
【0037】
以上要するに、本発明によれば、励磁により斜板を直接または間接的に引きつけて斜板の傾斜角を小さくする磁力発生手段をシリンダブロックに配置するか、または、磁力により斜板を直接または間接的に引きつけて斜板の傾斜角を小さくする磁石をシリンダブロックに配置したため、斜板の傾斜角の制御をクランク室圧のみに頼っていた従来構造に比べ、より素早く斜板の傾斜角を最小とすることができ、圧縮機を無駄に稼働させる時間を少なくでき、好適な圧縮機の省動力運転を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるクラッチレス圧縮機の全体断面図。
【図2】本発明の第2実施形態にかかるクラッチレス圧縮機の全体断面図。
【図3】スワッシュ式の斜板式圧縮機を示す全体断面図。
【符号の説明】
1 クラッチレス圧縮機
2 シリンダブロック
3 シリンダボア
4 フロントハウジング
5 クランク室
6 リアハウジング
7 吸入室
8 吐出室
26 ウォッブルプレート(斜板)
29 ピストン
32 給気通路
33 コントロールバルブ
36 軸受
41 電磁コイル(磁力発生部材)
100 圧縮機
101 斜板
200 クラッチレス圧縮機
201 磁石
S 駆動軸
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置等の冷凍サイクルに介装されて該冷凍サイクル内で気化した冷媒を断熱圧縮するクラッチ圧縮機に関し、クランク室内の圧力を調整して斜板の傾斜角を変更して、冷媒の吐出容量を変更可能な可変容量のクラッチレス圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧縮機には、シリンダボアを有するシリンダブロックの前端面に、フロントハウジングを接合してクランク室を形成すると共に、前記シリンダブロックの後端面に、バルブプレートを介してリアハウジングを接合して吸入室および吐出室を形成し、前記クランク室内に軸支した駆動軸の回転を斜板によって前記シリンダボア内のピストンの往復動に変換することで、吸入室の冷媒ガスをシリンダボアに吸入して圧縮し、吐出室へ吐出するものがある。吐出容量の制御は、コントロールバルブの作動によりクランク室の圧力を制御して、斜板の傾斜角度を変化させることで行われる。なお、斜板式可変容量圧縮機は、斜板が駆動軸と一体的に回転するスワッシュ式の斜板式可変容量圧縮機と、斜板が非回転で揺動するウォッブルプレート式の斜板式可変容量圧縮機と、がある。
【0003】
この種の圧縮機では、電磁クラッチを介在させることなく、外部駆動源に直接駆動軸を連結することで、外部駆動源の駆動中に常時回転する形式のクラッチレス圧縮機が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この種のクラッチレス圧縮機では、エアコンOFF時に斜板の傾斜角を最小(0°〜3°程度)にすることで、車両の省燃費運転を実現するようになっている。つまり、斜板の傾斜角を最小(0°〜3°程度)にすることで、エンジンの駆動軸と連動する圧縮機の駆動軸に加わるトルクを最小限に抑えて車両の省燃費運転を実現する。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−205446号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種のクラッチレス圧縮機では、容量変更命令信号に基づいてコントロールバルブで給気通路を開閉制御しても、クランク室の圧力は直ちに変更できるものではなく、求めるクランク室圧になるまでにはタイムラグがある。そのため、エアコンOFF時などに最小容量運転命令信号を指令しても、求めるクランク室圧に至るまでのレスポンスが遅い分だけ、圧縮機が無駄に仕事をしてしまう。
【0007】
本発明はこのような従来技術をもとに為されたもので、エアコンOFF時などの最小容量運転命令信号に基づいて素早く斜板角を最小にして好適な省燃費運転を実現できるクラッチレス圧縮機の提供が目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、シリンダボアを有するシリンダブロックの前端面に、フロントハウジングを接合してクランク室を形成すると共に、前記シリンダブロックの後端面に、バルブプレートを介してリアハウジングを接合して吸入室および吐出室を形成し、クランク室内に軸支した駆動軸の回転を、斜板を介してピストンを往復動に変換し、吐出室とクランク室とを連通する給気通路の途中に給気通路を開閉するコントロールバルブを設けて、コントロールバルブの作動によりクランク室の圧力を調整して斜板の傾斜角を変更することで吐出容量を制御するクラッチレス圧縮機において、
励磁により斜板を直接または間接的に引きつけて斜板の傾斜角を小さくする磁力発生手段を、シリンダブロックに配置したことを特徴とするものである。
【0009】
なお、圧縮機がスワッシュ式およびウォッブルプレート式のいずれのタイプの圧縮機においても、間接的に斜板を引き付ける場合は、斜板と連動し且つシリンダブロックに近接配置されるスリーブまたはジャーナルを介して斜板を引き付ける構造が、圧縮機の構造を複雑化することなく比較的安価に製造できる利点がある(請求項3、4および請求項6、7)。
【0010】
【発明の効果】
この発明によれば、磁力発生手段の励磁により斜板を直接または間接的に引きつけることができるため、最小容量運転命令を受けた際には、磁力発生手段の励磁により素早く斜板の傾斜角を最小に引き付けることができる。これにより、長時間、圧縮機を無駄に稼働させることを回避でき、好適な車両の省燃費運転を実現できる。
【0011】
なお、別の手段(請求項8)として、磁力により斜板を直接または間接的に引きつける磁石を用いてもよい。この場合、最小容量運転命令によりクランク室圧が上昇して斜板がシリンダブロック側に除々に移動しつつ斜板の傾斜角が除々に小さくなる際に、斜板が磁石側に対して所定の距離以下に近づいたときに、磁石の吸引力が有効に作用し、斜板の傾斜角が素早く最小となる。つまり、従来、斜板に傾斜角の制御をクランク室圧のみに頼っていた場合に比べ、斜板の傾斜角が小さくなったときに磁石の吸引力を利用できるため、より素早く斜板の傾斜角を最小とすることができる。これにより、従来よりも圧縮機を無駄に稼働させる時間を少なくでき、好適な車両の省燃費運転を実現できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態にかかるクラッチレス圧縮機を図面を参照しつつ説明する。
【0013】
図1は本発明の第1実施形態にかかるクラッチレス圧縮機の全体断面図である。この実施形態のクラッチレス圧縮機1は、車両のエンジンルームに配置されエンジンの駆動軸の回転力を利用して可動する車両空調装置用の圧縮機であり、車両用空調装置の冷却サイクルに介装されて冷凍サイクルで気化した冷媒ガスを断熱圧縮するものである。
【0014】
この圧縮機は、このウォッブルプレート式の斜板式可変容量圧縮機であり、以下より詳しく説明する。圧縮機1は、円周方向に複数の等間隔に配置されたシリンダボア3を有するシリンダブロック2と、該シリンダブロック2の前端面に接合され該シリンダブロック2との間にクランク室5を形成するフロントハウジング4と、シリンダブロック2の後端面にバルブプレート9を介して接合され吸入室7および吐出室8を形成するリアハウジング6と、を備えている。これらシリンダブロック2とフロントハウジング4とリアハウジング6とは、複数のスルーボルトBによって締結固定される。
【0015】
バルブプレート9は、シリンダボア3と吸入室7とを連通する吸入孔11と、シリンダボア3と吐出室8とを連通する吐出孔12と、を備えている。
【0016】
バルブプレート9のシリンダブロック2側には、吸入孔を11開閉する図示せぬ弁機構が設けられ、一方、バルブプレート9のリアハウジング6側には、吐出孔12を開閉する図示せぬ弁機構が設けられている。バルブプレート9とリアハウジング6との間にはガスケットが介在し、吸入室7と吐出室8の密閉性を保持している。また、バルブプレート9の周縁にはリアハウジング6とシリンダブロック2との接合面においてOリングが介在し、圧縮機1外への冷媒漏れを防止している。
【0017】
シリンダブロック2およびフロントハウジング4の中心の支持孔19、20には軸受を介して駆動軸Sが軸支され、この駆動軸Sがクランク室5内で回転自在となっている。この駆動軸Sの前端はフロントハウジング4から外部へ突出しており、この突出端には図示せぬプーリが固定されている。このプーリは図示せぬベルトを介して車両エンジンと連結され、エンジンの回転をクラッチレスで駆動軸Sに伝える。
【0018】
クランク室5内には、前記駆動軸Sに固設したドライブプレート21と、駆動軸Sに摺動自在に嵌装したスリーブ22と、該スリーブ22にピン23により揺動自在に連結したジャーナル24と、該ジャーナル24のボス部25に軸受36を介して装着したウォッブルプレート(斜板)26と、が設けられている。ウォッブルプレート26は、クランク室5内に固定された規制プレート35に摺動自在に連結されることで、回転が防止され且つ軸線方向への揺動が許容されている。つまり、駆動軸Sを回転によりジャーナル24が回転すると、ウォッブルプレート26はジャーナル24の回転揺動に伴って、非回転で且つ軸線方向に揺動するようになっている。ウォッブルプレート26の傾斜角は、スリーブ22がシリンダブロック2側に近接移動するとウォッブルプレート26の傾斜角が減少し、一方、スリーブ22がシリンダブロック2から離れる方向に移動するとウォッブルプレート26の傾斜角が増大する。ここで、スリーブ22がシリンダブロック2側に近接した際には、一方の復帰バネ52が縮んでいるのでこの復帰バネ52の弾性復元力によりスリーブ22が中立位置に向けて復帰しやすくなっており、一方、スリーブ22がシリンダブロック2から離間している際には、他方の復帰バネ51が縮んでいるのでこの復帰バネ51の弾性復元力によりスリーブ22が中立位置にむけて復帰しやすくなっている。
【0019】
なお、ドライブプレート21とジャーナル24とは、そのヒンジアーム21h、24hを弧状の長孔27とピン28とを介して連結されており、これによりウォッブルプレート26の最大傾斜角度と最小傾斜角度とが規制されている。
【0020】
そして、各シリンダボア3に収容されたピストン29は、ピストンロッド30を介してウォッブルプレート26に連結されていて、ウォッブルプレート26の揺動によって往復運動するようになっている。圧縮機1の基本機能は、このピストン29のピストン運動により、吸入室7→バルブプレート9の吸入孔11→シリンダボア3へと吸入した冷媒を圧縮し、シリンダボア3→バルブプレート9の吐出孔12→吐出室8へと吐出するものである。
【0021】
吐出容量を可変とするために、クランク室5と吸入室7とを常時連通する抽気通路31と、クランク室5と吐出室8とを連通する給気通路32と、該給気通路32を開閉するコントロールバルブ33と、からなる圧力制御機構が設けられている。
【0022】
コントロールバルブ33は電磁式であり、例えば外気温度,室内温度,日射量などの入力信号に基づいて生成される図示せぬオートアンプからの容量変更命令信号によりコントロールバルブ33の電磁コイルに磁力を発生させることで、給気通路32を開閉する弁体の開度が調整される。そして、コントロールバルブ33の開閉によりクランク室5内の圧力を変えると、該クランク室5と吸入室7との圧力バランス(ピストン29の前後の圧力バランス)よりウォッブルプレート26の傾角が変化して、つまり、ピストンストロークが変化して、圧縮機1の吐出容量が変わる。
【0023】
この実施形態の圧縮機1では、シリンダブロック2の前端部にクランク室5に露出するように「磁力発生手段」としての電磁コイル41が埋設されている。この電磁コイル41は、2極のうち一方はシリンダブロック2内を通って外部に配線され、容量変更命令信号の入力線43(ソレノイド電流のリード線)となり、他方はシリンダブロック2に接してアースされている。
【0024】
この実施形態では、斜板26が常磁性体(マンガン、白金、アルミニウムなど)または強磁性体(鉄、ニッケル、コバルト、フェライトなど)で形成され、電磁コイル41の磁力により引き付けられる「引き付け部材」として構成されている。
【0025】
最小容量運転命令がオートアンプから発生された際には、斜板26に傾斜角を最小にすべく、コントロールバルブ33のデューティー比または電流値が最小になるように制御される一方で、電磁コイル41にリード線43を通じてソレノイド電流が入力されて、強制的に斜板26をシリンダブロック2側に引き付けてこの斜板26の傾斜角が最小になるように制御される。
【0026】
以上のように構成された圧縮機1は、以下のように容量制御が行われる。
【0027】
冷凍サイクルの熱負荷が大きい場合には、オートアンプは必要とする冷房能力は大きいと判断し、コントロールバルブ33の電磁コイルに流す電流値またはデューティー比を大きくする信号を出力する。この信号に伴いコントロールバルブ33の弁体は閉弁方向に移動し、この結果、ピストン29によって圧縮された高圧冷媒(吐出圧力Pd)はクランク室5に導入されず、抽気通路31(常時連通路)を通じてクランク室5内から吸入室7に除々に流れ出る冷媒によって、次第にクランク室圧Pcと吸入室圧Psとが均衡していく。クランク室圧Pcと吸入室圧Psとが等しくなると、ウォッブルプレート26に働くモーメント力によりウォッブルプレート26の傾斜角が最大になり、圧縮ストロークが最大となる。従って、この状態で圧縮すると、吐出冷媒量の増加により、冷凍サイクル内を循環する冷媒循環量が増加して、大きい熱負荷に応じた適正な冷媒量となる。
【0028】
一方、冷凍サイクルにおける熱負荷が小さい場合には、オートアンプは冷房能力は小さくてもよいと判断し、コントロールバルブ33の電磁コイルに流す電流値またはデューティー比を小さくする信号を出力する。この信号に伴いコントロールバルブ33の弁体が開弁方向に移動する。この結果、ピストン29によって圧縮された高圧冷媒(吐出圧力Pd)の一部が吐出室8から給気通路を通ってクランク室に導入され、クランク室の内部圧力(クランク室圧Pc)が高められる。クランク室圧Pcが吸入室圧Psよりも少しでも大きくなると、ピン23を中心とするウォッブルプレート26の傾斜角が減少して、圧縮ストロークが短くなり、吐出冷媒量の減少により、冷凍サイクル内を循環する冷媒循環量が減少して、低い熱負荷に応じた適正な冷媒量となる。
【0029】
最小容量運転命令
ここで、図示せぬ制御手段で、エアコンがOFFされた場合や、圧縮機の省動力運転が必要と判断された場合(例えば車両の急加速時などで圧縮機の省動力運転が必要とされた場合)には、最小容量運転命令信号が生成される。この最小容量運転命令信号によって、コントロールバルブ33のデューティー比または電流値が最小になるように制御され、これによって、除々にクランク室5圧が上昇して圧縮ストロールが最小に移行するようになっている。
【0030】
またこれと同時に、最小容量運転命令信号によって「磁力発生手段」としての電磁コイル41が励磁される。これにより、強制的に斜板がシリンダブロック2側に引き付けられて斜板26の傾斜角が最小になる。つまり、最小容量運転命令信号の生成から求める吐出容量に至るまでタイムラグのあるコントロールバルブ33による容量制御をまつことなく、直ちに斜板26の傾斜角を最小にして最小容量運転ができる。このため、無駄に圧縮機が稼働する時間が短縮され、より好適な車両の省燃費運転が可能となる。
【0031】
なお、通常運転命令の場合は、「磁気発生手段」としての電磁コイル41が消磁されている。
【0032】
上述の実施形態では、斜板26を常磁性体または強磁性体で構成することでこの斜板26(請求項2対応)を「引き付け部材」としているが、ジャーナル24またはスリーブ22を常磁性体または強磁性体で構成することでこれらジャーナル24(請求項3対応)またはスリーブ22(請求項4対応)を「引き付け部材」としてもよい。
【0033】
また、上述の実施形態では、ウォッブルプレート(斜板)26が非回転で揺動するウォッブルプレート式の圧縮機1であるが、本発明にあっては、図3に示すように斜板201が駆動軸Sと一体的に回転するスワッシュ式の斜板式可変容量圧縮機200であってもよい(請求項4〜7対応)。この場合もウォッブルプレート(斜板)26を直接または間接的に引き付ける場合と同様の作用効果が得られる。
【0034】
図2は本発明の第2実施形態である(請求項8対応)。
【0035】
この第2実施形態の圧縮機100は、「磁力発生手段」としての電磁コイル41に代えて永久磁石101を用いた点で、第1実施形態の圧縮機1と異なっている。この場合、最小容量運転命令によりクランク室圧が上昇して斜板26がシリンダブロック2側に除々に移動しつつ斜板26の傾斜角が除々に小さくなる際に、斜板26が磁石101に対して所定の距離以下に近づいたときに磁石101の吸引力が大きく作用し、斜板26の傾斜角が素早く最小となる。つまり、斜板の傾斜角の制御をクランク室圧のみに頼っていた従来構造に比べ、より素早く斜板26の傾斜角を最小とすることができる。これにより、従来に比べて圧縮機を無駄に稼働させる時間を少なくでき、好適な車両の省燃費運転を実現できる。
【0036】
なお、上記実施形態では、スリーブ22の軸方向両側に復帰バネ51、52が設けられているが、復帰バネは配設しなくてもまたは一方のみに配設してあってもよい。好ましくは、少なくともスリーブ22のシリンダブロック2側に設けられた復帰バネ52を介装した構造であり、この場合は、磁石101の助力により最小傾斜角に強く引き寄せられている斜板26を、復帰バネ52の弾性復元力により復帰させやすい。
【0037】
以上要するに、本発明によれば、励磁により斜板を直接または間接的に引きつけて斜板の傾斜角を小さくする磁力発生手段をシリンダブロックに配置するか、または、磁力により斜板を直接または間接的に引きつけて斜板の傾斜角を小さくする磁石をシリンダブロックに配置したため、斜板の傾斜角の制御をクランク室圧のみに頼っていた従来構造に比べ、より素早く斜板の傾斜角を最小とすることができ、圧縮機を無駄に稼働させる時間を少なくでき、好適な圧縮機の省動力運転を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるクラッチレス圧縮機の全体断面図。
【図2】本発明の第2実施形態にかかるクラッチレス圧縮機の全体断面図。
【図3】スワッシュ式の斜板式圧縮機を示す全体断面図。
【符号の説明】
1 クラッチレス圧縮機
2 シリンダブロック
3 シリンダボア
4 フロントハウジング
5 クランク室
6 リアハウジング
7 吸入室
8 吐出室
26 ウォッブルプレート(斜板)
29 ピストン
32 給気通路
33 コントロールバルブ
36 軸受
41 電磁コイル(磁力発生部材)
100 圧縮機
101 斜板
200 クラッチレス圧縮機
201 磁石
S 駆動軸
Claims (8)
- シリンダボア(3)を有するシリンダブロック(2)の前端面に、フロントハウジング(4)を接合してクランク室(5)を形成すると共に、前記シリンダブロック(2)の後端面に、バルブプレート(9)を介してリアハウジング(6)を接合して吸入室(7)および吐出室(8)を形成し、前記クランク室(5)内に軸支した駆動軸(S)の回転を、斜板(26)を介してピストン(29)を往復動に変換し、
前記吐出室(8)と前記クランク室(5)とを連通する給気通路(32)の途中に該給気通路(32)を開閉するコントロールバルブ(33)を設けて、該コントロールバルブ(33)の作動により前記クランク室(5)の圧力を調整して前記斜板(26、201)の傾斜角を変更することで吐出容量を制御するクラッチレス圧縮機(1、200)において、
励磁により前記斜板(26、201)を直接または間接的に引きつけて前記斜板(26、201)の傾斜角を小さくする磁力発生手段(41)を、前記シリンダブロック(2)に配置したことを特徴とするクラッチレス圧縮機(1、200)。 - 請求項1記載のクラッチレス圧縮機(1、200)において、
前記駆動軸(S)に摺動自在に嵌装したスリーブ(22)にピン(23)により揺動自在にジャーナル(24)を連結し、該ジャーナル(24)のボス部(25)に軸受(36)を介して前記斜板(26)を非回転で装着したウォッブルプレート式のクラッチレス圧縮機(1)であって、
前記磁力発生手段(41)により引きつけられる引き付け部材は、前記斜板(26)であることを特徴とするクラッチレス圧縮機(1)。 - 請求項1記載のクラッチレス圧縮機(1、200)において、
前記駆動軸(S)に摺動自在に嵌装したスリーブ(22)にピン(23)により揺動自在にジャーナル(24)を連結し、該ジャーナル(24)のボス部(25)に軸受(36)を介して前記斜板(26)を非回転で装着したウォッブルプレート式のクラッチレス圧縮機(1)であって、
前記磁力発生手段(41)により引きつけられる引き付け部材は、前記ジャーナル(24)であることを特徴とするクラッチレス圧縮機(1)。 - 請求項1記載のクラッチレス圧縮機(1、200)において、
前記駆動軸(S)に摺動自在に嵌装したスリーブ(22)にピン(23)により揺動自在にジャーナル(24)を連結し、該ジャーナル(24)のボス部(25)に軸受(36)を介して前記斜板(26)を非回転で装着したウォッブルプレート式のクラッチレス圧縮機(1)であって、
前記磁力発生手段(41)により引きつけられる引き付け部材は、前記スリーブ(22)であることを特徴とするクラッチレス圧縮機(1)。 - 請求項1記載のクラッチレス圧縮機(1、200)において、
前記駆動軸(S)に摺動自在に嵌装したスリーブ(22)にピン(23)により揺動自在にジャーナル(24)を連結し、該ジャーナル(24)のボス部(25)に前記斜板(201)を固定したスワッシュ式のクラッチレス圧縮機(200)であって、
前記磁力発生手段(41)により引きつけられる引き付け部材は、前記斜板(201)であることを特徴とするクラッチレス圧縮機(200)。 - 請求項1記載のクラッチレス圧縮機(1、200)において、
前記駆動軸(S)に摺動自在に嵌装したスリーブ(22)にピン(23)により揺動自在にジャーナル(24)を連結し、該ジャーナル(24)のボス部(25)に前記斜板(201)を固定したスワッシュ式のクラッチレス圧縮機(200)であって、
前記磁力発生手段(41)により引きつけられる引き付け部材は、前記ジャーナル(24)であることを特徴とするクラッチレス圧縮機(200)。 - 請求項1記載のクラッチレス圧縮機(1、200)において、前記駆動軸(S)に摺動自在に嵌装したスリーブ(22)にピン(23)により揺動自在にジャーナル(24)を連結し、該ジャーナル(24)のボス部(25)に前記斜板(201)を固定したスワッシュ式のクラッチレス圧縮機(200)であって、
前記磁力発生手段(41)により引きつけられる引き付け部材は、前記スリーブ(22)であることを特徴とするクラッチレス圧縮機(200)。 - シリンダボア(3)を有するシリンダブロック(2)の前端面に、フロントハウジング(4)を接合してクランク室(5)を形成すると共に、前記シリンダブロック(2)の後端面に、バルブプレート(9)を介してリアハウジング(6)を接合して吸入室(7)および吐出室(8)を形成し、前記クランク室(5)内に軸支した駆動軸(S)の回転を、斜板(26、201)を介してピストン(29)を往復動に変換し、
前記吐出室(8)と前記クランク室(5)とを連通する給気通路(32)の途中に該給気通路(32)を開閉するコントロールバルブ(33)を設けて、該コントロールバルブ(33)の作動により前記クランク室(5)の圧力を調整して前記斜板(26、201)の傾斜角を変更することで吐出容量を制御するクラッチレス圧縮機(100)において、
磁力により前記斜板(26、201)を直接または間接的に引きつけて前記斜板(26、201)の傾斜角を小さくするための磁石(101)を前記シリンダブロック(2)に配置したことを特徴とするクラッチレス圧縮機(100)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003023580A JP2004232581A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | クラッチレス圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003023580A JP2004232581A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | クラッチレス圧縮機 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004232581A true JP2004232581A (ja) | 2004-08-19 |
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JP2003023580A Pending JP2004232581A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | クラッチレス圧縮機 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102013114139B4 (de) | 2013-08-27 | 2023-01-26 | Hyundai Motor Company | Struktur eines variablen Schrägscheibentyp-Kompressors mit einer Fixiervorrichtung des Neigungswinkels der Schrägscheibe |
-
2003
- 2003-01-31 JP JP2003023580A patent/JP2004232581A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102013114139B4 (de) | 2013-08-27 | 2023-01-26 | Hyundai Motor Company | Struktur eines variablen Schrägscheibentyp-Kompressors mit einer Fixiervorrichtung des Neigungswinkels der Schrägscheibe |
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