JP2946711B2 - 容量可変揺動斜板型圧縮機 - Google Patents

容量可変揺動斜板型圧縮機

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JP2946711B2
JP2946711B2 JP2258611A JP25861190A JP2946711B2 JP 2946711 B2 JP2946711 B2 JP 2946711B2 JP 2258611 A JP2258611 A JP 2258611A JP 25861190 A JP25861190 A JP 25861190A JP 2946711 B2 JP2946711 B2 JP 2946711B2
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crank chamber
suction
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一哉 木村
学 杉浦
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、吸入室と吐出室とクランク室とを備え、ク
ランク室圧力と吸入圧力との差圧に応じてピストンのス
トロークが変更されることにより揺動板の傾斜角が変化
して圧縮容量が制御される容量可変揺動斜板型圧縮機の
改良に関し、詳しくは、容量制御の応答性を満足しつつ
圧縮効率を向上させた特に車両空調用に供して好適な容
量可変揺動斜板型圧縮機に関する。
[従来の技術] 従来の容量可変揺動斜板型圧縮機(以下、単に圧縮機
という。)として、特開昭63−16177号公報に開示され
たものが知られている。この圧縮機は、ハウジング及び
シリンダブロックとにより形成されるクランク室内に駆
動軸が回転可能に延在されており、この駆動軸にはロー
タが固着され、このロータには斜板が揺動可能に枢支さ
れている。斜板には揺動板が回転を抑止された状態で係
止されており、この揺動板にはピストンが係留されるこ
とにより、ピストンが揺動板の傾斜角に応じてシリンダ
ボア内を往復動可能に収納されている。また、リア側の
ハウジングにはシリンダボア内に流体を供給する吸入室
と、シリンダボア内でピストンによって圧縮された流体
が吐出される吐出室とが形成されており、ハウジング及
びシリンダブロックにはクランク室と吸入室とを連通す
る通路が形成されている。通路内には、クランク室圧力
と吸入圧力との差圧に応動する感圧手段としてのベロー
ズをもつ制御弁が装備されている。この制御弁は、ベロ
ーズの伸縮によってクランク室圧力を調整し、ピストン
の背面に作用する力を変化せしめ、揺動板のモーメント
変化による傾斜角変位を通じてピストンのストロークを
変化させ、もって吐出容量を制御する。また、ベローズ
には可変付勢手段としてのソレノイドが結合されてお
り、外部入力によりベローズの圧力制御点を変化させう
るようになっている。なお、同様の圧縮機が特開昭62−
218669号公報にも開示されている。
かかる圧縮機にあっては、外部入力を付加しない通常
運転時では、一定の圧力制御点に設定されたベローズの
下、クランク室圧力と吸入圧力との差圧に応じた吐出容
量制御が行われる。そして、例えば車両の急加速時のよ
うに運転フィーリングの悪化を避けるべく突然の容量低
下を要望する際には、所定の外部入力によってベローズ
の圧力制御点を変化させ、かかる変化した圧力制御点の
ベローズの下で、吐出容量制御が行われる。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記従来の圧縮機では、制御弁がクランク室
と吸入室とを連通する通路内に設けられており、シリン
ダボア内からのブローバイガスを用いてクランク室圧力
の上昇を図っている。このため、例えば、車両の急加速
時、エンジン負荷を軽減すべくクランク室圧力を急上昇
させ、圧縮機を大容量から小容量へ迅速に容量制御せん
としても、クランク室圧力の上昇速度が遅いため、大容
量から小容量への容量制御の応答性が充分でないという
不具合があった。
本出願人は、この大容量から小容量への容量制御の応
答性を向上させた圧縮機を先に提案した。この圧縮機
は、第5図、第6図又は第7図に要部を示すように、吐
出室89とクランク室82とを給気通路951、952、953によ
り連通するとともに、クランク室82と吸入室88とを抽気
通路941、942、943により連通させ、該給気通路951、95
2、953内には、内部圧力に応動するベローズ96を介して
開度を調整する弁体971、972、973と、該ベローズ96の
圧力制御点を変化させるソレノイド98とを備えた制御弁
991、992、993が設けられたものである。第5図に示す
制御弁991では内部圧力としてクランク室圧力Pcを採用
し、第6図に示す制御弁992では内部圧力として吸入圧
力Psを採用し、第7図に示す制御弁993では内部圧力と
して吐出圧力Pdを採用している。
これらの制御弁991、992、993が設けられた圧縮機で
は、各内部圧力Pc、Ps、Pdと大気圧及びばね力との対抗
を考慮してベローズ96の圧力制御点が一定に設定され、
各内部圧力Pc、Ps、Pdの変化により、弁体971、972が給
気通路951、952の開度を調整するか、弁体973が給気通
路953から抽気通路943への流体の流量を調整するかして
通常の容量制御運転を行なう。また、これらの圧縮機で
は、ソレノイド98への励磁により、上記ベローズ96の圧
力制御点を変化させて応答性を向上させることができ
る。
しかしながら、第5図及び第6図に示す制御弁991、9
92が設けられた圧縮機では、クランク室82と吸入室88と
が一定の断面積の抽気通路941、942で連通されており、
クランク室圧力Pcと吸入圧力Psとの差圧(Pc−Ps)が大
きい場合には、クランク室82から吸入室88へ漏洩する流
体量が多くなり、圧縮効率が低下してしまう。かかる流
体の漏洩を防止すべく抽気通路941、942の断面積を縮小
化することも考えられる。しかし、これでは、クランク
室圧力Pcが低下しにくくなり、小容量から大容量への容
量制御が困難になってしまう。また、特に圧縮機を車両
空調用に供した場合、クランク室82内に液冷媒が溜った
状態でクランク室圧力Pcが低下しにくく、最大容量への
応答性に欠ける、いわゆる冷え遅れが起動時に生じやす
くなってしまう。
一方、第7図に示す制御弁993が設けられた圧縮機で
は、弁体973としてボール弁を採用し、この弁体973が対
向した弁座の中間付近にある場合、吐出室89から吸入室
88へ流体が直接漏洩し、やはり圧縮効率が低下してしま
う。
本発明は、容量制御の応答性を満足しつつ、圧縮効率
をも向上することを解決すべき課題とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の圧縮機は、上記課題を解決するため、前記ク
ランク室と前記吐出室とを連通する給気通路と、該クラ
ンク室と前記吸入室とを連通する抽気通路とを設け、 該給気通路内には、中間圧力室と、制御用感圧手段を
介して内部圧力によって中間圧力室圧力を一定値に制御
する制御用弁手段とを備えた制御弁を設けるとともに、 該給気通路の該制御弁より該クランク室側には、該中
間圧力室と連通し該クランク室からの流体の逆流を阻止
する逆止弁と、該中間圧力室圧力に応動する調整用感圧
手段と、該調整用感圧手段を介して前記抽気通路の開度
を調整する調整用弁手段とを備えた調整弁を設けるとい
う新規な手段を採用している。
前記制御弁又は前記調整弁は、それぞれ制御用感圧手
段又は調整用感圧手段の圧力制御点を変化させる可変付
勢手段を備えることが望ましい。
[作用] 制御弁の制御用感圧手段は、吐出圧力、クランク室圧
力及び吸入圧力の内部圧力とばね等の力により圧力制御
点が設定される。制御用弁手段は、この制御用感圧手段
の下、逆止弁がクランク室から中間圧力室への流体の逆
流を阻止するため、中間圧力室圧力を一定値に制御す
る。
そして、調整弁の調整用感圧手段はこの中間圧力室圧
力に応動し、調整用弁手段はこの調整用感圧手段を介し
て抽気通路の開度を調整する。
すなわち、熱負荷が下がったとすると、吸入圧力は低
下するので、中間圧力室圧力と吸入圧力との差圧が大き
くなり、調整用弁手段は抽気通路の開度を縮小する。こ
のため、流体はクランク室から吸入室へ漏洩しにくく、
かつ中間圧力室を経て逆止弁を押し開いた流体がクラン
ク室に導かれる。よって、クランク室圧力は速やかに上
昇する。こうして、圧縮機は、ピストンのストロークが
短縮されることにより揺動板の傾斜角が縮小され、もっ
て速やかに吐出容量を縮小する。
逆に、熱負荷が増加する場合には、吸入圧力は上昇す
るので、中間圧力室圧力と吸入圧力との差圧が小さくな
り、調整用弁手段は抽気通路の開度を拡大する。このた
め、流体は抽気通路から吸入室に流出し、クランク室圧
力は速やかに低下する。こうして、圧縮機は、ピストン
のストロークが延長されることにより揺動板の傾斜角が
拡大され、もって吐出容量を速やかに拡大する。
またこのとき、クランク室から吸入室へ流出する流体
は、クランク室圧力と吸入圧力との差圧が大きい場合で
あっても、調整用弁手段が中間圧力室圧力と吸入圧力と
の差圧に応じて抽気通路の開度を調整するため、最適に
調整される。
可変付勢手段を備えた制御弁又は調整弁を採用した場
合には、制御用感圧手段又は調整用感圧手段の圧力制御
点が変化する。このため、中間圧力室圧力の設定値も変
化し、変化した中間圧力室圧力の下で調整用弁手段が調
整用感圧手段を介して抽気通路の開度を調整する。こう
して、本発明の圧縮機では、異なった設定の下で、内部
圧力に応じて容量制御を行ない、容量制御の一層の迅速
な応答性も得られる。
[実施例] 以下、本発明を具体化した実施例1〜3を図面を参照
しつつ説明する。
(実施例1) 本実施例の圧縮機では、第1図に示すように、シリン
ダブロック1の一端面にはフロントハウジング2が接合
され、他端面には弁板3を介してリアハウジング4が接
合されている。フロントハウジング2内のクランク室5
には駆動軸6が回転可能に延在されており、この駆動軸
6にはロータ7が固着されている。ロータ7には長孔7b
が形成されており、この長孔7bにはピン8aが摺動自在に
挿入されることにより斜板8が駆動軸6に対して揺動可
能に枢支されている。斜板8の揺動面には揺動板9が回
転を抑止された状態で係止されており、この揺動板9に
はシリンダブロック1に複数形成されたシリンダボア1a
内にピストンロッド10を介してピストン11が係留されて
いる。また、クランク室5内には駆動軸6と平行にガイ
ド棒12が配置されており、このガイド棒12は揺動板9の
一端部によって挟持されることにより揺動板9をガイド
棒12に対して摺動可能となしている。こうして、ピスト
ン11は、駆動軸6の回転による揺動板9の傾斜角に応じ
てシリンダボア1a内を往復動する。また、リアハウジン
グ3内には吸入室13と吐出室14とが形成されており、図
示しない冷凍回路と連通する吸入室13内の冷媒ガスは図
示しない吸入弁、弁板3の吸入ポート13aを介してシリ
ンダボア1a内に供給され、シリンダボア1a内でピストン
11によって圧縮された冷媒ガスは弁板3の吐出ポート14
a、吐出弁14bを介して吐出室14に吐出され、さらに冷凍
回路へと送り出される。また、シリンダブロック1及び
リアハウジング4にはクランク室5と吐出室14とを連通
する給気通路15が形成され、シリンダブロック1にはク
ランク室5と吸入室13とを連通する抽気通路16が形成さ
れている。給気通路15内には、後述する制御弁171が装
備されており、この制御弁171よりクランク室5側には
後述する調整弁181が装備されている。
制御弁171は、リアハウジング4の給気通路15に形成
された空間に弁本体20が内装され、この弁本体20には下
端に弁座21に接離可能に対向配置された制御用弁手段と
しての弁体22をもつ支持ロッド23が、その上端をばね24
を介して調整ねじ25により支持され、この中央下方を制
御用感圧手段としてのベローズ26に気密的に固着される
ことにより内装されている。弁体22及び弁座21は、ベロ
ーズ26、リアハウジング4及び弁本体20とともに中間圧
力室28を形成し、この中間圧力室28は給気通路15を経て
調整弁181と接続されている。また、弁本体20には支持
ロッド23の大径部を上半分程度覆うソレノイド27が設け
られている。
弁体22には、弁開方向にばね24とベローズ26との付勢
力及びソレノイド27の励磁による支持ロッド23が固定鉄
芯に吸引される力が作用し、弁開方向に中間圧力室圧力
Pwがベローズ26に及ぼす力が作用している。中間圧力室
圧力Pwが大きくなると、ベローズ26を弁閉方向に押圧す
る力が大きくなって弁開度は小さくなり、吐出室14から
中間圧力室28へ流入するガス量が減少し、中間圧力室圧
力Pwが低下する。逆に、中間圧力室圧力Pwが小さくなる
と、ベローズ26の弁閉方向に押圧する力が小さくなって
弁開度は大きくなり、流入ガス量が増加して中間圧力室
圧力Pwは大きくなる。そして、外乱がなければ、弁開方
向の力と弁閉方向の力とが釣合う弁開度で弁体22が安定
する。こうして、この制御弁171は、吐出室14と中間圧
力室28とのガス流路面積を自動的に調節し、中間圧力室
圧力Pwをばね24、ベローズ26とソレノイド27の励磁とに
よって決定される値に保持する。
また、調整弁181では、シリンダブロック1の給気通
路15におけるクランク室5側に形成された空間に調整用
感圧手段としてのスプール41がばね43を介して内装され
ている。なお、給気通路15における調整弁181の下流
側、すなわちクランク室5側は抽気通路16と兼用されて
いる。このスプール41は、クランク室5側にばね42を介
して調整用弁手段としての小径部46が一体的に形成され
ており、かつ小径部46とともにガス通路47が貫設されて
いる。このガス通路47は、スプール41に内装された逆止
弁としてばね44により付勢されたボール弁45により開閉
可能となされており、ボール弁45を介して給気通路15と
して作用する。
この調整弁181では、前記設定中間圧力室圧力Pw0
下、吸入圧力Psとクランク室圧力Pcとが以下の関係を有
する。ここで、 スプール41の断面積;A0 給気通路15の開口面積;A1 ばね43の付勢力;Fb0 ばね42の付勢力;Fb1 設定中間圧力室圧力;Pw0 とすると、 (A0−A1)Ps+A1Pc+Fb1=A0Pw0+Fb0 …(1)式 となる。この(1)式を整理すると、 Pc−Ps=−PsA0/A1+A0/A1{Pw0+(Fb0−Fb1)/A0} …(2)式 となる。(2)式は吸入圧力Psと差圧(Pc−Ps)との関
係を示しており、スプール41はこの(2)式に従って比
例制御を行なうことがわかる。
つまり、第2図に吸入圧力Psと差圧(Pc−Ps)との関
係を示すように、Ps<Pw0+(Fb0−Fb1)/A0のときが制
御範囲となり、設定中間圧力室圧力Pw0の直線に従うPs
の値によってスプール41の進退が決定される。
すなわち、圧縮機では、熱負荷が下がったとすると、
吸入圧力Psが低下するので、設定中間圧力室圧力Pw0
吸入圧力Psとの差圧(Pw0−Ps)が大きくなり、スプー
ル41の進動により小径部46は抽気通路16の開度を縮小す
る。このため、冷媒ガスはクランク室5から吸入室13へ
漏洩しにくく、かつ吐出室14から中間圧力室28を経てボ
ール弁45を押し開いた冷媒ガスがクランク室5に導かれ
る。よって、クランク室圧力Pcは速やかに上昇する。こ
うして、圧縮機は、ピストン11のストロークが縮小され
ることにより揺動板9の傾斜角が縮小され、もって吐出
容量を縮小する。なお、冷媒ガスがボール弁45を押し開
くことにより、中間圧力室圧力Pwが設定中間圧力室圧力
Pw0を下回れば、第1図に示す制御弁171の弁体22はベロ
ーズ26の伸長により弁座21から離れ、中間圧力室圧力Pw
が設定中間圧力室圧力Pw0に保たれる。
逆に、第2図に示すように、Ps>Pw0+(Fb0−Fb1)/
A0のときは、スプール41が小径部46をクランク室5から
離す方向に力を受ける全開範囲であり、Pc−Ps=0とな
る。
すなわち、吐出容量の小容量状態が継続されたことに
よって、あるいは熱負荷が増加した場合には、吸入圧力
Psが上昇するので、設定中間圧力室圧力Pw0と吸入圧力P
sとの差圧(Pw0−Ps)が小さくなり、スプール41の退動
により小径部46は抽気通路16の開度を拡大する。このた
め、冷媒ガスは抽気通路16から吸入室13に流出し、クラ
ンク室圧力Pcは速やかに低下する。こうして、圧縮機
は、ピストン11のストロークが増大されることにより揺
動板9の傾斜角が拡大され、もって吐出容量が増加す
る。クランク室圧力Pc−吸入圧力Ps=0となれば、最大
容量が保証され、前記起動時の冷え遅れの防止も図られ
る。
したがって、この圧縮機では、容量制御の応答性が満
足される。
またこのとき、クランク室5から吸入室13へ流出する
冷媒ガスは、差圧(Pc−Ps)が大きい場合であっても、
スプール41の小径部46が設定中間圧力室圧力Pw0と吸入
圧力Psとの差圧(Pw0−Ps)に応じて抽気通路16の開度
を調整するため、最適に調整されている。したがって、
この圧縮機では、圧縮効率をも向上することができる。
次に、例えば車両の急加速に応じた容量制御を行なう
ため、アクセル開度等の検出指令信号によって制御弁17
1のソレノイド27を励磁すると、弁体22が弁座21から離
される方向へ力が作用するため、第2図に示すように、
設定中間圧力室圧力がPw1からより高いPw0へと変更され
る。
すなわち、ソレノイド27の励磁により、新しい設定中
間圧力室圧力Pw1と吸入圧力Psとの差圧(Pw1−Ps)は大
きくなり、スプール41の小径部46は抽気通路16の開度が
縮小する位置で釣合う。このため、クランク室圧力Pcは
急速に上昇し、圧縮機は吐出容量を急速に縮小する。
したがって、この圧縮機では、ソレノイド27への励磁
により小容量側への容量制御の一層の迅速な応答性が得
られる。
なお、上記実施例の圧縮機では、ソレノイド27への励
磁を特定時にのみ行なう構成としたが、常時励磁を行な
い、その電流値を調整する構成にしてもよい。これによ
り、特に低い蒸発温度を必要とするなどの要請にも対応
することが可能となる。
(実施例2) 本実施例の圧縮機は、第3図に示すように、実施例1
の圧縮機と制御弁及び調整弁の構成及び取付けが異なる
のみであるため、同一の構成については同一符号を付
し、詳述を省略する。この圧縮機では、次の制御弁172
及び調整弁182を採用している。
制御弁172は、リアハウジング4の吐出室14と連通す
る空間に弁本体30が内装され、この弁本体30には左端に
弁座31に接離可能に対向配置された制御用弁手段として
の弁体32をもつ支持ロッド33がその右端をダイアフラム
34に固定され、ダイアフラム34がばね35を介して調整ね
じ36により支持されることにより構成されている。弁体
32及び弁座31は、ダイアフラム34及び弁本体30とともに
中間圧力室37を形成し、この中間圧力室37は給気通路15
を経て後述する調整弁182と接続されている。
この制御弁172の中間圧力室37は、弁体32が弁座31と
離れる方向にばね35の付勢力が作用するダイアフラム34
によって中間圧力室37の圧力が設定圧力Pwになるように
作動する。すなわち、中間圧力室圧力Pwが大きくなる
と、ダイアフラム34を弁閉方向に押圧する力が大きくな
って弁開度は小さくなり、吐出室14から中間圧力室37へ
流入するガス量が減少し、中間圧力室圧力Pwは低下す
る。逆に、中間圧力室圧力Pwが小さくなると、ダイアフ
ラム34の弁閉方向に押圧する力が小さくなって弁開度は
大きくなり、流入ガス量は増加して中間圧力室圧力Pwは
大きくなる。そして、外乱がなければ、弁開方向の力と
弁閉方向の力とが釣合う弁開度で弁体32が安定する。
調整弁182では、リアハウジング4及びシリンダブロ
ック1に形成された空間に弁本体50が内装され、この弁
本体50と空間との間には調整用感圧手段としてのプラン
ジャ53がばね51を介して内装されている。なお、この実
施例においても給気通路15における調整弁182の下流
側、すなわちクランク室5側は抽気通路16と兼用されて
いる。このプランジャ53は、クランク室5側にばね52を
介して調整用弁手段としての小径部56が一体的に形成さ
れており、かつ小径部56とともにガス通路57が貫設され
ている。このガス通路57は、プランジャ53に内装された
逆止弁としてばね54により付勢されたボール弁55により
開閉可能となされており、ボール弁55を介して給気通路
15として作用する。また、弁本体50には、プランジャ53
の左部を覆うソレノイド58が設けられており、ソレノイ
ド58への電流の励磁により小径部56が抽気通路16の開度
を拡大する方向へ力が作用する。
この調整弁182では、ソレノイド58の励磁時において
設定中間圧力室圧力Pw1と、吸入圧力Psと、クランク室
圧力Pcとが前記実施例1の(2)式と同様に以下の関係
を有する。ここで、 プランジャ53の断面積;A0 給気通路15の開口面積;A1 ばね51の付勢力;Fb0 ばね52の付勢力;Fb1 設定中間圧力室圧力;Pw0 ソレノイド58の吸引力;Fm として求めると、 Pc−Ps=−PsA0/A1 +A0/A1{Pw0+(Fb0−Fb1−Fm)/A0} …(3)式 となる。(3)式は吸入圧力Psと差圧(Pc−Ps)との関
係を示しており、プランジャ53はこの(3)式に従って
比例制御を行なうことがわかる。よって、この圧縮機に
おいても実施例1の圧縮機と同様の作用及び効果が得ら
れる。
また、この圧縮機では、実施例1の圧縮機のように中
間圧力室圧力Pwを変更する場合には制御用感圧手段とし
て感圧面積の大きなダイアフラムを採用すると大きな力
を要し、ソレノイドの小型化が図れないのであるが、中
間圧力室圧力Pwをソレノイド58の励磁により変化させる
ことはないため、ベローズと比較して腐蝕しにくくかつ
ヒステリシスの少ないダイアフラム34を採用することが
できる。このため、この圧縮機では、ソレノイドの小型
化が図れるとともに、長期信頼性の向上をも図ることが
できる。
(実施例3) 本実施例の圧縮機は、第4図に示すように、実施例1
の調整弁181と実施例2の制御弁172とを組合せてなるも
のである。この圧縮機においては、ソレノイドによる容
量制御は不能であるが、他の作用及び効果を実施例1、
2の圧縮機と同様に得ることができる。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明の圧縮機は、制御用感圧
手段と制御用弁手段と中間圧力室とを備えた制御弁を給
気通路に設け、給気通路の制御弁よりクランク室側に逆
止弁と調整用感圧手段と調整用弁手段とを備えた調整弁
を設け、かつ抽気通路を設けたため、内部圧力によりク
ランク室と吸入室との抽気通路の開度を調節可能とする
ことができ、吐出室から吸入室への流体の過剰な漏洩を
防止することができる。したがって、この圧縮機では、
容量制御の応答性において満足できるとともに、圧縮効
率をも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明の実施例1に係り、第1図は
圧縮機の断面図、第2図は吸入圧力と差圧(Pc−Ps)と
の関係を示すグラフである。第3図は実施例2の圧縮機
の断面図である。第4図は実施例3の圧縮機の断面図で
ある。第5〜7図は本出願人が先に提案した圧縮機の要
部を示す断面図である。 5……クランク室(Pc……クランク室圧力) 9……揺動板、11……ピストン 13……吸入室(Ps……吸入圧力) 14……吐出室(Pd……吐出圧力) 15……給気通路、16……抽気通路 171、172……制御弁 22、32……弁体(制御用弁手段) 26……ベローズ(制御用感圧手段) 34……ダイアフラム(制御用感圧手段) 27、58……ソレノイド(可変付勢手段) 28、37……中間圧力室(Pw……中間圧力室圧力) 181、182……調整弁 41……スプール(調整用感圧手段) 53……プランジャ(調整用感圧手段) 45、55……ボール弁(逆止弁) 46、56……小径部(調整用弁手段)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸入室と吐出室とクランク室とを備え、ク
    ランク室圧力と吸入圧力との差圧に応じてピストンのス
    トロークが変更されることにより揺動板の傾斜角が変化
    して圧縮容量が制御される容量可変揺動斜板型圧縮機に
    おいて、 前記クランク室と前記吐出室とを連通する給気通路と、
    該クランク室と前記吸入室とを連通する抽気通路とを設
    け、 該給気通路内には、中間圧力室と、制御用感圧手段を介
    して内部圧力によって中間圧力室圧力を一定値に制御す
    る制御用弁手段とを備えた制御弁を設けるとともに、 該給気通路の該制御弁より該クランク室側には、該中間
    圧力室と連通し該クランク室からの流体の逆流を阻止す
    る逆止弁と、該中間圧力室圧力に応動する調整用感圧手
    段と、該調整用感圧手段を介して前記抽気通路の開度を
    調整する調整用弁手段とを備えた調整弁を設けているこ
    とを特徴とする容量可変揺動斜板型圧縮機。
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