JP2000274351A - 可変容量型圧縮機 - Google Patents

可変容量型圧縮機

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JP2000274351A
JP2000274351A JP11078163A JP7816399A JP2000274351A JP 2000274351 A JP2000274351 A JP 2000274351A JP 11078163 A JP11078163 A JP 11078163A JP 7816399 A JP7816399 A JP 7816399A JP 2000274351 A JP2000274351 A JP 2000274351A
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JP
Japan
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pressure
valve
valve body
crank chamber
drive shaft
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Application number
JP11078163A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuhiko Fukanuma
哲彦 深沼
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クランク室の圧力の過大な上昇を阻止するこ
とが可能な可変容量型圧縮機を提供すること。 【解決手段】 容量制御弁46は、弁体52によって弁孔53
の開度を調節することで、クランク室15への高圧な吐出
冷媒ガスの導入量を調節し、クランク室15の圧力を変更
して、吐出容量を調節する。この弁体52による弁孔53の
開度調節によっては、ソレノイドロッド63が固定鉄心60
に対してスライド移動する。従って、ソレノイドロッド
63に一体の圧力作用部91が、二つの圧力作用室90a,90b
の容積比を変更し、両室90a,90b 間において連通路92を
介したオイルOの積極的な流通が生じる。その結果、こ
の通過断面積の小さな連通路92を介したオイルOの流通
抵抗が、圧力作用部91を介してソレノイドロッド63に対
して移動抵抗として付与される。よって、圧縮機の停止
や加速カットの開始から、弁体52が緩やかに弁孔53を全
開することとなり、クランク室15の圧力が急激に上昇さ
れることはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両空調
装置に用いられて冷媒ガスの圧縮を行なうとともに、吐
出容量を変更可能な構成を有する可変容量型圧縮機に関
する。
【0002】
【従来の技術】この種の可変容量型圧縮機(以下単に圧
縮機とする)としては、例えば、図9に示すようなもの
が存在する。すなわち、ハウジング101 にはクランク室
102 が形成されるとともに、駆動軸103 が回転可能に保
持されている。リップシール104 は、ハウジング101 と
の間に介在されて駆動軸103 を封止する。
【0003】前記駆動軸103 は、電磁式の摩擦クラッチ
105 を介して外部駆動源としての車両エンジンEgに作
動連結されている。摩擦クラッチ105 は、車両エンジン
Egに作動連結されたロータ106 と、駆動軸103 に一体
回転可能に固定されたアーマチャ107 と、電磁コイル10
8 とを備えている。電磁コイル108 は、その励磁により
アーマチャ107 をロータ106 側に吸引して両者106,107
を締結することで、車両エンジンEgと駆動軸103 との
間での動力伝達を可能とする(摩擦クラッチ105 のオ
ン)。この状態から電磁コイル108 が消磁されると、ア
ーマチャ107 がロータ106 から離間して、車両エンジン
Egと駆動軸103 との間での動力伝達は遮断される(摩
擦クラッチ105 のオフ)。
【0004】回転支持体109 はクランク室102 において
駆動軸103 に固定されるとともに、この回転支持体109
には斜板110 がヒンジ機構111 を介して連結されてい
る。斜板110 は回転支持体109 にヒンジ機構111 を介し
て連結されることで、駆動軸103 と一体回転可能でかつ
駆動軸103 の軸線Lに対する傾斜角を変更可能となって
いる。最小傾斜角規定部112 は駆動軸103 に設けられ、
斜板110 の最小傾斜角を当接規定する。
【0005】シリンダボア113 、吸入室114 及び吐出室
115 はハウジング101 に形成されている。ピストン116
は、シリンダボア113 に往復動可能に収容されるととも
に、斜板110 に連結されている。ハウジング101 が備え
る弁・ポート形成体117 は、互いに隣接するシリンダボ
ア113 と吸入室114 、及びシリンダボア113 と吐出室11
4 とをそれぞれ区画している。
【0006】そして、駆動軸103 の回転運動が、回転支
持体109 、ヒンジ機構111 及び斜板110 を介してピスト
ン116 の往復運動に変換され、弁・ポート形成体117 の
吸入ポート117a及び吸入弁117bを介した、吸入室114 か
らシリンダボア113 への冷媒ガスの吸入、吸入冷媒ガス
の圧縮、及び弁・ポート形成体117 の吐出ポート117c及
び吐出弁117dを介した、圧縮済み冷媒ガスの吐出室115
への吐出の圧縮サイクルが繰り返される。
【0007】駆動軸付勢バネ118 はハウジング101 と駆
動軸103 との間に介在されている。駆動軸付勢バネ118
は、駆動軸103 を軸線L前方(図面左方)側に付勢する
ことで、各部品の製造公差を組み付け時に吸収して軸線
L前後方向のがたつきを抑制する役割を担っている。
【0008】抽気通路119 はクランク室102 と吸入室11
4 とを連通する。給気通路120 は吐出室115 とクランク
室102 とを連通する。容量制御弁121 は電磁弁よりな
り、給気通路120 の開度を調節可能である。容量制御弁
121 は、車室の温度、車室の設定温度、摩擦クラッチ10
5 のオフ、或いは車両エンジンEgの停止等に基づいて
動作される。
【0009】前記容量制御弁121 が給気通路120 の開度
を調節することで、クランク室102への高圧な吐出冷媒
ガスの導入量が調節され、抽気通路119 を介した吸入室
114への冷媒ガスの逃がし量との関係から、クランク室1
02 の圧力が変更される。従って、クランク室102 の圧
力とシリンダボア113 の圧力とのピストン116 を介した
差が変更され、斜板110 の傾斜角が変更される。その結
果、ピストン116 のストローク量が変更されて、吐出容
量が調節される。
【0010】特に、前記容量制御弁121 は、摩擦クラッ
チ105 がオフされたり、車両エンジンEgが停止したり
すると給気通路120 を全開する。従って、クランク室10
2 の圧力が上げられて、シリンダボア113 の圧力とのピ
ストン116 を介した差が大きくなり、斜板110 の傾斜角
が減少される。その結果、圧縮機は斜板110 の傾斜角を
最小として運転を停止し、よって次回の起動は負荷トル
クの最も少ない最小吐出容量状態からとなり、その起動
時に生じるショックは緩和される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術においては、例えば、車室の温度が設定温度よりもは
るかに高い場合、つまり、車室の冷房要求が高い場合に
は、容量制御弁121 により給気通路120 が全閉されて、
圧縮機の吐出容量が最大に調節される。
【0012】ここで、圧縮機が最大吐出容量にて運転さ
れた状態から、摩擦クラッチ105 がオフされるか、或い
は車両エンジンEgが停止して圧縮機が停止されたとす
る。また、車両の急加速時において、圧縮機の吐出容量
を最小として車両エンジンEgの負荷を軽減する、「加
速カット」と呼ばれる冷房要求に応じない制御が実行さ
れたとする。
【0013】このような場合、前記容量制御弁121 は、
吐出容量を最小とすべく全閉状態にある給気通路120 を
急激に全開することになる。従って、吐出室115 の高圧
冷媒ガスが急激にクランク室102 へ供給され、抽気通路
119 が冷媒ガスの急激な流入分を逃がしきらないことか
ら、クランク室102 の圧力が過大に上昇する。その結
果、シリンダボア113 とクランク室102 との圧力差が過
大に拡大される。
【0014】このため、傾斜角を最小とした斜板110
(図9において二点鎖線で示す)は、最小傾斜角規定部
112 に過大な力で押しつけられるし、ヒンジ機構111 を
介して回転支持体109 をリヤ側に強く引っ張ることにな
る。その結果、駆動軸103 が軸線L後方側に向かう強い
移動力を受け、駆動軸付勢バネ118 の付勢力に抗してス
ライド移動してしまう。
【0015】駆動軸103 が軸線L方向にスライド移動す
ると、そのリップシール104 との摺動位置が、コンタク
トラインと呼ばれる所定の位置を逸脱することがある。
駆動軸103 の外周面において、コンタクトラインから外
れた箇所には、スラッジ等の異物が付着していることが
多い。このため、リップシール104 は、駆動軸103 との
間にスラッジが噛み込まれて軸封性能が低下し、ガス漏
れ等の不具合が生じる問題がある。
【0016】その外にも、特に摩擦クラッチ105 のオフ
時の場合、言い換えれば、車両エンジンEgと駆動軸10
3 との間での動力伝達が遮断された場合、駆動軸103 が
軸線L後方側にスライド移動すると、駆動軸103 に固定
されたアーマチャ107 がロータ106 側に移動する。摩擦
クラッチ105 のオフ状態におけるロータ106 とアーマチ
ャ107 との間のクリアランスは、微小(例えば、0.5mm
)に設定されている。従って、前述した駆動軸103 の
軸線L後方側へのスライド移動によって、ロータ106 と
アーマチャ107 との間のクリアランスが容易に消滅して
しまい、アーマチャ107 が回転状態にあるロータ106 に
摺接して異音や振動を生じたり、さらには動力伝達を許
容してしまう問題を生じる。
【0017】また、特に加速カットの場合、駆動軸103
が軸線L後方側にスライド移動すると、この駆動軸102
に対し、回転支持体109 、ヒンジ機構111 及び斜板110
を介して連結されているピストン116 が、シリンダボア
113 内を後方側にスライド移動して、その死点が弁・ポ
ート形成体117 側にずれようとする。従って、ピストン
116 が上死点に位置する際に弁・ポート形成体117 に対
して衝撃的に衝突し、この衝突に起因して振動や騒音が
発生したり、ピストン116 或いは弁・ポート形成体117
が破損する等の問題が生じる。
【0018】なお、駆動軸103 のスライド移動を防止す
るため、駆動軸付勢バネ118 の付勢力を大きくする対策
が考えられるが、その大きな荷重を受承することとなる
スラストベアリング122 の耐久性の低下及び動力損失の
増大という新たな問題が発生してしまう。
【0019】本発明は、上記従来技術に存在する問題点
に着目してなされたものであって、その目的は、クラン
ク室の圧力の過大な上昇を阻止することが可能な可変容
量型圧縮機を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明では、冷凍回路に適用されて冷媒ガス
の圧縮を行なう可変容量型圧縮機であって、ハウジング
にはクランク室及びシリンダボアが形成されるとともに
クランク室を挿通するようにして駆動軸が回転可能に保
持され、前記クランク室において駆動軸にはカムプレー
トが一体回転可能でかつ傾斜角を変更可能に連結され、
前記シリンダボアにはカムプレートに連結されたピスト
ンが往復動可能に収容され、前記ハウジングには吸入ポ
ート、吸入弁、吐出ポート及び吐出弁を有する弁・ポー
ト形成体が、ピストンとでシリンダボアを閉塞するよう
にして装着され、前記ハウジングと駆動軸との間には、
ピストンが弁・ポート形成体から離間する方向に駆動軸
を軸線に沿って付勢する駆動軸付勢部材が介在され、前
記クランク室と吐出圧力領域とは給気通路を介して連通
され、前記クランク室と吸入圧領域とは抽気通路を介し
て常時連通され、外部からの制御によって、給気通路又
は抽気通路の少なくとも一方の開度を調節することでク
ランク室の圧力を変更する容量制御弁を備え、前記クラ
ンク室の圧力とシリンダボアの圧力とのピストンを介し
た差に応じてカムプレートの傾斜角を変更して吐出容量
を調節する構成の可変容量型圧縮機において、前記容量
制御弁はダンパ手段を備え、前記ダンパ手段は、容量制
御弁がクランク室の圧力を高めるように給気通路又は抽
気通路の少なくとも一方の開度を調節する場合、この開
度の急激な変更を阻止する構成であることを特徴として
いる。
【0021】この構成においては、容量制御弁が外部か
らの制御によってクランク室の圧力を調節し、圧縮機の
吐出容量を調節する。従って、例えば、圧縮機の停止時
に、吐出容量を積極的に最小とすることで負荷トルクを
小さくして、次回の起動時に生じるショックを緩和する
構成とすることも可能である。また、冷房要求に応じず
に、吐出容量を最小とすることも可能である。これらの
容量制御が、例えば、最大吐出容量にて圧縮機が運転さ
れている状態から行われると、従来技術においてはクラ
ンク室の圧力が急激に高められて過大に上昇しようとす
る。
【0022】しかし、本発明においてはダンパ手段が容
量制御弁に備えられ、このダンパ手段は、容量制御弁が
クランク室の圧力を高めるように給気通路又は抽気通路
の少なくとも一方の開度を調節する場合、この開度の急
激な変更を阻止する。従って、クランク室の圧力が急激
に上昇されることを防止でき、クランク室の圧力が過大
に上昇してシリンダボアの圧力との差が過大に拡大する
ことはない。その結果、駆動軸が、駆動軸付勢部材の付
勢力に抗して軸線方向にスライド移動してしまう現象が
生じることを阻止することができる。
【0023】請求項2の発明では、請求項1記載の可変
容量型圧縮機において、前記容量制御弁は、少なくとも
給気通路の開度を調節する構成であることを特徴として
いる。
【0024】この構成においては、クランク室の圧力制
御に高圧な吐出圧力を取り扱うこととなり、例えば、容
量制御弁が抽気通路のみを開閉してクランク室の圧力を
調節する場合、つまり、吐出圧力よりも低い圧力を取り
扱う場合と比較して、クランク室の圧力を速やかに上昇
させることができる。従って、圧縮機が停止された場
合、速やかに吐出容量を最小とすることができ、停止か
ら間もない圧縮機の次回の起動をも最小吐出容量からと
することができる。別の見方をすれば、容量制御弁が抽
気通路のみを開閉して吐出容量を調節する場合と比較し
て、クランク室の圧力が過大に上昇する問題が生じ易
く、ダンパ手段を備えることでの効果がより有効に奏さ
れる。
【0025】請求項3の発明では、請求項1又は2記載
の可変容量型圧縮機において、前記駆動軸とこの駆動軸
を回転駆動する外部駆動源との間には動力伝達を遮断可
能な電磁式の摩擦クラッチが配設され、この摩擦クラッ
チは、ハウジングに回転可能に支持されるとともに外部
駆動源に作動連結されたロータと、駆動軸に一体回転可
能に固定されるとともにロータに対向配置されたアーマ
チャと、励磁によりアーマチャをロータ側に吸引して両
者を締結し、動力伝達を可能とする電磁コイルとを備え
ていることを特徴としている。
【0026】この構成においては、摩擦クラッチによる
動力伝達の遮断時に、圧縮機の吐出容量を積極的に最小
とすることで負荷トルクを小さくして、次回の圧縮機の
起動時に生じるショックを緩和する構成とすることも可
能である。そして、例えば、圧縮機が最大吐出容量にて
運転されている状態から、摩擦クラッチにおける動力伝
達の遮断により圧縮機が停止されると、吐出容量を最小
とすべく給気通路又は抽気通路の少なくとも一方の開度
調節が行われようとする。このような場合も、請求項1
の発明と同様に、ダンパ手段によってクランク室の圧力
の過大な上昇が阻止され、例えば、駆動軸のスライド移
動によってロータとアーマチャとの間のクリアランスが
消滅してしまうことを防止できる。言い換えれば、外部
駆動源との間に摩擦クラッチを備えることで、摩擦クラ
ッチによる動力伝達の遮断時には、クランク室の圧力の
過大な上昇に起因した特異な問題が生じ易く、ダンパ手
段を備えることでの効果がより有効に奏される。
【0027】請求項4の発明では、請求項1〜3のいず
れかに記載の可変容量型圧縮機において、前記容量制御
弁は、前記給気通路又は抽気通路の少なくとも一方を開
閉する弁体と、外部からの制御によって弁体を移動させ
る弁体駆動部とを備え、前記ダンパ手段は、クランク室
の圧力を高める方向に移動する弁体に対して移動抵抗を
付与する移動抵抗付与手段により構成されていることを
特徴としている。
【0028】この構成においては、弁体がクランク室の
圧力を高めるように給気通路又は抽気通路の少なくとも
一方の開度を調節しようとすると、弁体には移動抵抗付
与手段により移動抵抗が付与される。従って、弁体によ
る給気通路又は抽気通路の少なくとも一方の開度調節が
緩やかに行われ、クランク室の圧力が急激に上昇される
ことを防止できる。
【0029】請求項5の発明では、請求項4記載の可変
容量型圧縮機において、前記移動抵抗付与手段は、前記
弁体に対して一体的に設けられた圧力作用部と、前記圧
力作用部によって弁体の移動方向前後の空間に区画形成
された二つの流体圧室と、前記二つの流体圧室を連通す
る連通路とからなり、前記弁体がクランク室の圧力を高
める方向に移動する時には、圧力作用部が二つの流体圧
室の容積比を変更することで、両室間での連通路を介し
た流体の流通により生じる抵抗で弁体に移動抵抗を付与
する構成であることを特徴としている。
【0030】この構成においては、弁体駆動部によって
弁体がクランク室の圧力を高めるように給気通路又は抽
気通路の一方の開度を調節しようとすると、弁体と一体
的に設けられた圧力作用部が二つの流体圧室の容積比を
変更することとなる。従って、両流体圧室間において、
通過断面積の小さな連通路を介して流体が流通すること
で抵抗が発生し、弁体には圧力作用部を介して移動抵抗
が付与される。その結果、弁体による給気通路又は抽気
通路の一方の開度調節が緩やかに行われ、クランク室の
圧力が急激に上昇されることを防止できる。
【0031】請求項6の発明では、請求項1〜3のいず
れかに記載の可変容量型圧縮機において、前記容量制御
弁は、前記給気通路又は抽気通路の少なくとも一方を開
閉する弁体と、外部からの制御によって弁体を移動させ
る弁体駆動部とを備え、前記ダンパ手段は、容量制御弁
がクランク室の圧力を高めるように給気通路又は抽気通
路の少なくとも一方の開度を調節する場合、弁体に付与
する移動力を段階的に変更するように弁体駆動部を制御
することで、この開度の急激な変更を阻止する構成であ
ることを特徴としている。
【0032】この構成においては、クランク室の圧力を
高めるように給気通路又は抽気通路の少なくとも一方の
開度を調節する場合、ダンパ手段は弁体に付与する移動
力を段階的に変更するように弁体駆動部を制御する。従
って、給気通路又は抽気通路の少なくとも一方が目的の
開度に急激に変更されることがなく、クランク室の圧力
が急激に上昇されることを防止できる。
【0033】請求項7の発明では、請求項1〜3のいず
れかに記載の可変容量型圧縮機において、前記容量制御
弁は、前記給気通路又は抽気通路の少なくとも一方を開
閉する弁体と、外部からの制御によって弁体を移動させ
る弁体駆動部とを備え、前記ダンパ手段は、容量制御弁
がクランク室の圧力を高めるように給気通路又は抽気通
路の少なくとも一方の開度を調節する場合、弁体に付与
する移動力を連続的に変更するように弁体駆動部を制御
することで、この開度の急激な変更を阻止する構成であ
ることを特徴としている。
【0034】この構成においては、クランク室の圧力を
高めるように給気通路又は抽気通路の少なくとも一方の
開度を調節する場合、ダンパ手段は弁体に付与する移動
力を連続的に変更するように弁体駆動部を制御する。従
って、給気通路又は抽気通路の少なくとも一方が目的の
開度に急激に変更されることがなく、クランク室の圧力
が急激に上昇されることを防止できる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を、車両空調装置
に用いられる可変容量型圧縮機において具体化した第1
〜第4実施形態について説明する。なお、第2〜第4実
施形態においては第1実施形態との相違点についてのみ
説明し、同一部材には同じ番号を付して説明を省略す
る。
【0036】(第1実施形態)図1に示すように、フロ
ントハウジング11は、センタハウジングとしてのシリ
ンダブロック12の前端部に接合固定されている。リヤ
ハウジング13は、シリンダブロック12の後端部に弁
・ポート形成体14を介して接合固定されている。フロ
ントハウジング11、シリンダブロック12及びリヤハ
ウジング13によって、圧縮機のハウジングが構成され
ている。なお、図1の左方を圧縮機の前方とし、右方を
後方とする。
【0037】前記弁・ポート形成体14は、ポート形成
板14aの前方側に吸入弁形成板14bが、後方側に吐
出弁形成板14cが、吐出弁形成板14cの後方側にリ
テーナ形成板14dがそれぞれ重合されてなる。
【0038】クランク室15は、フロントハウジング1
1とシリンダブロック12とにより囲まれて区画形成さ
れている。駆動軸16はクランク室15を挿通するよう
にして配置され、フロントハウジング11とシリンダブ
ロック12との間で回転可能に架設支持されている。
【0039】前記駆動軸16の前端側は、フロントハウ
ジング11にラジアルベアリング17を介して支持され
ている。収容孔12aはシリンダブロック12の中心部
に貫設されている。駆動軸16の後端側は収容孔12a
に挿入され、ラジアルベアリング18を介して支持され
ている。バネ座21はサークリップよりなり、収容孔1
2aの内周面(シリンダブロック12)に嵌合固定され
ている。スラストベアリング19、及び駆動軸付勢部材
としての駆動軸付勢バネ20は、収容孔12aにおいて
駆動軸16の後端面とバネ座21との間に介在されてい
る。駆動軸付勢バネ20はコイルバネよりなり、駆動軸
16を軸線L前方側に付勢する。駆動軸16の回転力
は、スラストベアリング19の介在によって、駆動軸付
勢バネ20への伝達が遮断されている。
【0040】前記駆動軸16の前端部は、フロントハウ
ジング11の前壁を貫通して外部へ突出されている。駆
動軸16の軸封装置としてはリップシール22が用いら
れ、このリップシール22は、駆動軸16の前端部とフ
ロントハウジング11との間に介在されている。リップ
シール22は、リップリング22aを以って駆動軸16
の外周面に圧接することで、駆動軸16を封止してい
る。
【0041】電磁式の摩擦クラッチ23は、外部駆動源
としての車両エンジンEgと駆動軸16との間に介在さ
れている。すなわち、摩擦クラッチ23のロータ24
は、フロントハウジング11の外壁面にアンギュラベア
リング25を介して回転可能に支持されている。車両エ
ンジンEgからのベルト26は、ロータ24の外周に巻
き掛けられている。ハブ27は駆動軸16の前端部に固
定されるとともに、その外周側でアーマチャ28を弾性
支持している。アーマチャ28は、駆動軸付勢バネ20
と反対側でロータ24に対向配置されている。電磁コイ
ル29は、フロントハウジング11の外壁面に支持され
るとともに、ロータ24内に配置されている。
【0042】そして、車両エンジンEgの起動状態に
て、電磁コイル29が通電により励磁されると、アーマ
チャ28とロータ24との間には電磁力に基づく吸引力
が作用される。従って、アーマチャ28がハブ27の弾
性力に抗して移動してロータ24と圧接し、摩擦クラッ
チ23がオン状態となる。このオン状態では、車両エン
ジンEgの駆動力が、ベルト26及び摩擦クラッチ23
を介して駆動軸16に伝達される(図1)。この状態か
ら電磁コイル29が消磁されると、アーマチャ28がハ
ブ27の弾性力によりロータ24から離間され、摩擦ク
ラッチ23がオフ状態となる。このオフ状態では、車両
エンジンEgから駆動軸16への駆動力の伝達が遮断さ
れる(図4)。
【0043】回転支持体30は、前記クランク室15に
おいて駆動軸16に固定されている。カムプレートとし
ての斜板31は、駆動軸16に傾動可能でかつ駆動軸1
6の軸線L方向にスライド移動可能に支持されている。
ヒンジ機構32は回転支持体30と斜板31との間に介
在されている。斜板31は、回転支持体30に対するヒ
ンジ機構32を介したヒンジ連結により、駆動軸16と
一体回転可能でかつ軸線Lに対する傾斜角を変更可能で
ある。
【0044】最小傾斜角規定部34は、駆動軸16にお
いて斜板31とシリンダブロック12との間に配設され
ている。最小傾斜角規定部34は、リング状の部材を駆
動軸16の外周面に外嵌固定することで形成されてい
る。図1において二点鎖線で示すように、斜板31の最
小傾斜角は、最小傾斜角規定部34との当接により規定
される。図1において実線で示すように、斜板31の最
大傾斜角は、回転支持体30との当接により規定され
る。
【0045】シリンダボア33はシリンダブロック12
に形成されている。片頭型のピストン35はシリンダボ
ア33に収容されている。シリンダボア33は、ピスト
ン35の先端面と弁・ポート形成体14の前面とで前後
が閉塞されている。ピストン35は、シュー36を介し
て斜板31の外周部に係留されている。そして、駆動軸
16の回転運動は、回転支持体30、ヒンジ機構32、
斜板31及びシュー36を介することで、シリンダボア
33におけるピストン35の往復運動に変換される。
【0046】吸入圧力領域としての吸入室37は、リヤ
ハウジング13の中央部に区画形成されている。吐出圧
力領域としての吐出室38は、リヤハウジング13にお
いて吸入室37の外周側に区画形成されている。吸入室
37及び吐出室38は、それぞれ弁・ポート形成体14
を介してシリンダボア33に隣接されている。吸入ポー
ト39及び吐出ポート40は、弁・ポート形成体14の
ポート形成板14aにおいて、シリンダボア33に対応
して形成されている。吸入弁41は、吸入弁形成板14
bにおいて吸入ポート39に対応して形成されている。
吐出弁42は、吐出弁形成板14cにおいて吐出ポート
40に対応して形成されている。リテーナ43は、リテ
ーナ形成板14dにおいて吐出弁42に対応して形成さ
れている。リテーナ43は吐出弁42の最大開度を規定
する。
【0047】そして、吸入室37の冷媒ガスは、ピスト
ン35の上死点側から下死点側への移動により、吸入ポ
ート39及び吸入弁41を介してシリンダボア33へ吸
入される。シリンダボア33に吸入された冷媒ガスは、
ピストン35の下死点側から上死点側への移動により所
定の圧力にまで圧縮され、吐出ポート40及び吐出弁4
2を介して吐出室38へ吐出される。
【0048】給気通路44は吐出室38とクランク室1
5を連通する。抽気通路45はクランク室15と吸入室
37を常時連通する。容量制御弁46は給気通路44上
に介在されている。そして、容量制御弁46が給気通路
44の開度を調節することで、クランク室15への高圧
な吐出冷媒ガスの導入量が調節され、抽気通路45を介
した冷媒ガスの吸入室37への逃がし量との関係から、
クランク室15の圧力が変更される。従って、クランク
室15の圧力とシリンダボア33の圧力とのピストン3
5を介した差が変更され、斜板31の傾斜角が変更され
る。その結果、ピストン35のストローク量が変更され
て、吐出容量が調節される。
【0049】次に、前記容量制御弁46について詳述す
る。図2に示すように、弁室51は前記給気通路44上
に区画形成されている。弁体52は弁室51に収容され
ている。弁孔53は弁室51において弁体52と対向す
るように開口されている。強制開放バネ54は弁室51
に収容され、弁孔53を開放する方向に弁体52を付勢
している。前記弁室51及び弁孔53は給気通路44の
一部を構成する。
【0050】感圧室55は前記弁室51に隣接して区画
形成されている。感圧室55は、検圧通路47を介して
吸入室37に常時連通されている。感圧部材としてのベ
ローズ56は感圧室55に収容されている。設定バネ5
7はベローズ56内に配設されている。設定バネ57
は、ベローズ56の初期長さを設定するためのものであ
る。感圧ロッド58は弁体52に一体形成され、ベロー
ズ56と弁体52とを作動連結している。
【0051】プランジャ室59は前記感圧室55と反対
側において弁室51に隣接され、その上方開口部には弁
室51と区画するようにして固定鉄心60が嵌合されて
いる。可動鉄心61はプランジャ室59に収容されてい
る。追従バネ62はプランジャ室59に収容され、可動
鉄心61を弁体52側に付勢している。ロッドガイド孔
65は固定鉄心60に貫設され、弁室51とプランジャ
室59とを連通している。ソレノイドロッド63は弁体
74に一体形成され、ロッドガイド孔65に挿通されて
いる。ソレノイドロッド63の可動鉄心61側の端部
は、強制開放バネ54及び追従バネ62の付勢力によっ
て可動鉄心61に当接されている。従って、弁体52と
可動鉄心61は、ソレノイドロッド63を介して作動連
結されている。電磁コイル64は、前記固定鉄心60及
び可動鉄心61の外側において両鉄心60,61を跨い
で配置されている。前記固定鉄心60、可動鉄心61、
電磁コイル64及びソレノイドロッド63が、容量制御
弁46の電磁構成をなして弁体駆動部を構成している。
【0052】さて、図1に示すように、上記構成の可変
容量型圧縮機(以下単に圧縮機とする)において、その
吸入室37と吐出室38とは、外部冷媒回路71で接続
されている。外部冷媒回路71は、凝縮器72、膨張弁
73及び蒸発器74を備えている。外部冷媒回路71と
圧縮機とで、車両空調装置の冷凍回路が構成されてい
る。
【0053】車両空調装置のメインスイッチであるエア
コンスイッチ80、車両の車室内の温度を検出するため
の車室温度センサ81、乗員が車室内の温度を設定する
ための車室温度設定器82、及びアクセル開度センサ8
3は、それぞれ制御コンピュータCに接続されている。
制御コンピュータCは、摩擦クラッチ23及び容量制御
弁46の各電磁コイル29,64と、車両バッテリ等の
電源Sとの間の給電ライン上に介在されている。制御コ
ンピュータCは、エアコンスイッチ80のオン・オフ、
車室温度センサ81からの車室温度、車室温度設定器8
2からの設定温度、及びアクセル開度センサ83からの
アクセル開度等の外部信号に基づいて、電源Sから各電
磁コイル29,64への給電を制御する。
【0054】なお、一般的に、車両エンジンEgの運転
が停止された状態(詳しくは、図示しないイグニッショ
ンキーがアクセサリーオフの位置に操作された状態)で
は、車両の電装品への給電はその殆どが停止され、これ
は車両空調装置も例外ではない。従って、車両エンジン
Egの運転が停止されると、各電磁コイル29,64と
電源Sとの間の給電ラインは、制御コンピュータCより
も上流側で遮断され、電源Sから各電磁コイル29,6
4に対する給電は停止される。
【0055】次に、前記容量制御弁46の動作について
説明する。車両エンジンEgの運転状態において、エア
コンスイッチ80のオン状態のもとで、車室温度センサ
81からの検出温度が車室温度設定器82の設定温度以
上となると、制御コンピュータCは電源Sから電磁コイ
ル29へ電流を入力させる。従って、摩擦クラッチ23
がオン状態となって圧縮機が起動される。
【0056】この状態で容量制御弁46のベローズ56
は、感圧室55の吸入圧力に応じて伸縮しようとし、こ
のベローズ56の伸縮により、弁体52には感圧ロッド
58を介して弁孔53を開放又は閉塞する方向への荷重
が付与される。また、制御コンピュータCは、車室温度
センサ81からの車室温度、及び車室温度設定器82か
らの設定温度に基づいて、容量制御弁46の電磁コイル
64への入力電流値を決定する。制御コンピュータC
は、決定された値の電流を電源Sから電磁コイル64へ
入力させる。電磁コイル64に電流が入力されると、固
定鉄心60と可動鉄心61との間には入力電流値に応じ
た吸引力(電磁力)が生じる。この吸引力は、弁孔53
の開度を小さくする方向への荷重として弁体52に付与
される。
【0057】このように、弁体52による弁孔53の開
度は、ベローズ56の伸縮により付与される荷重、固定
鉄心60と可動鉄心61との間の吸引力により付与され
る荷重、及び各バネ54,62の付勢力により付与され
る荷重等の総合力によって決定される。
【0058】例えば、制御コンピュータCは、車室温度
と設定温度との差が大きいほど、つまり、車室の冷房要
求が高いほど、容量制御弁46の電磁コイル64に対す
る入力電流値を大きくする。従って、固定鉄心60と可
動鉄心61との間の吸引力が強くなって、弁体52に付
与される弁孔53の開度を小さくする方向への荷重が増
大する。従って、容量制御弁46は、吸入圧力の目標
(設定吸入圧力)を低く設定するとともに、この設定吸
入圧力を維持するようにベローズ56により弁体52を
動作させて弁孔53を開閉する。つまり、容量制御弁4
6は、電磁コイル64への入力電流値が増大されること
によって、より低い吸入圧力を保持するように圧縮機の
吐出容量を調節する。
【0059】弁孔53(給気通路44)の開度が小さく
なれば、吐出室38からクランク室15へ供給される冷
媒ガスの流量が減少する。クランク室15に供給される
冷媒ガスの量が減少すると、抽気通路45を介した吸入
室37への冷媒ガスの逃がしにより、クランク室15の
圧力が次第に低下していく。従って、クランク室15の
圧力とシリンダボア33の圧力とのピストン35を介し
た差が小さくなり、斜板31の傾斜角が増大される。そ
の結果、ピストン35のストローク量が増大し、圧縮機
の吐出容量が増大される。
【0060】逆に、制御コンピュータCは、車室温度と
設定温度との差が小さいほど、つまり、車室の冷房要求
が低いほど、容量制御弁46の電磁コイル64に対する
入力電流値を小さくする。このため、固定鉄心60と可
動鉄心61との間の吸引力が弱くなって、弁体52に付
与される弁孔53の開度を小さくする方向への荷重が減
少する。従って、容量制御弁46は、設定吸入圧力を高
く設定するとともに、この設定吸入圧力を維持するよう
にベローズ56により弁体52を動作させて弁孔53を
開閉する。つまり、容量制御弁46は、電磁コイル64
への入力電流値が減少されることによって、より高い吸
入圧力を保持するように圧縮機の吐出容量を調節する。
【0061】弁孔53(給気通路44)の開度が大きく
なれば、吐出室38からクランク室15へ供給される冷
媒ガスの流量が増大する。クランク室15に供給される
冷媒ガスの量が増大すると、抽気通路45がその増大分
を逃がしきらないことから、クランク室15の圧力が次
第に上昇していく。従って、クランク室15の圧力とシ
リンダボア33の圧力とのピストン35を介した差が大
きくなる。その結果、斜板31の傾斜角が減少され、ピ
ストン35のストローク量が減少して圧縮機の吐出容量
が減少される。
【0062】次に、本実施形態の特徴的な構成について
説明する。図2及び図3に示すように、圧力作用空間9
0は、固定鉄心60においてロッドガイド孔65の途中
に形成され、流体としてのオイルOを密封収容してい
る。圧力作用部91は、ソレノイドロッド63において
圧力作用空間90に位置する部位に、リング状の部材を
外嵌固定することで形成されている。圧力作用部91
は、圧力作用空間90を上下二つの圧力作用室90a,
90bに区画する。圧力作用部91の外径は圧力作用空
間90の内径より若干小さく、この径差の領域が連通路
92として両圧力作用室90a,90bを連通してい
る。
【0063】そして、図2の状態から図3の状態へ、或
いはその逆のように、ソレノイドロッド63が固定鉄心
60に対して上下方向へスライド移動すると、ソレノイ
ドロッド63に一体の圧力作用部91が二つの圧力作用
室90a,90bの容積比を変更することとなり、両室
90a,90b間において連通路92を介したオイルO
の積極的な流通が生じる。従って、この通過断面積の小
さな連通路92に生じるオイルOの流通抵抗が、圧力作
用部91を介してソレノイドロッド63に対して移動抵
抗として付与される。これら圧力作用空間90、圧力作
用室90a,90b、圧力作用部91及び連通路92か
らなる流体ダンパ構成が、ダンパ手段としての移動抵抗
付与手段を構成している。
【0064】次に、本実施形態の特徴的な作用について
説明する。前記制御コンピュータCは、圧縮機の運転状
態にてエアコンスイッチ80がオフされると、電磁コイ
ル29に対する給電を停止して摩擦クラッチ23をオフ
状態とするとともに、容量制御弁46の電磁コイル64
に対する給電制御を入力電流値ゼロにて停止する。
【0065】また、前記制御コンピュータCは、圧縮機
の運転状態にて、車両を急加速させるべく運転者により
アクセルが大きく踏み込まれ、アクセル開度センサ83
により検出されたアクセル開度が所定値よりも大きくな
ると、容量制御弁46の電磁コイル64に対する給電制
御を、入力電流値ゼロにて所定時間停止する(以降加速
カットと呼ぶ)。
【0066】さらに、圧縮機の運転状態にて、車両エン
ジンEgが停止されると、電源Sから各電磁コイル2
9,64への給電ラインは、制御コンピュータCよりも
上流側で遮断される。
【0067】このように、摩擦クラッチ23のオフ、或
いは車両エンジンEgの停止によって、容量制御弁46
の電磁コイル64に対する給電制御が入力電流値ゼロに
て停止されると、固定鉄心60と可動鉄心61との間の
吸引力が消失し、設定吸入圧力が最高値に固定される。
従って、容量制御弁46は給気通路44を全開し、圧縮
機は斜板31の傾斜角を最小とする。その結果、次回の
圧縮機の起動は、負荷トルクの最も少ない最小吐出容量
状態からとなり、その起動時に生じるショックは緩和さ
れる。
【0068】また、加速カットによって、容量制御弁4
6の電磁コイル64に対する給電制御が入力電流値ゼロ
にて停止されると、前述した圧縮機の停止時と同様にし
て設定吸入圧力が最高値に固定される。従って、容量制
御弁46は給気通路44を全開し、圧縮機は斜板31の
傾斜角を最小とする。その結果、圧縮機は負荷トルクの
小さい最小吐出容量となり、車両エンジンEgの負荷が
軽減されて、車両の鋭い加速を得ることができる。
【0069】さて、前述した圧縮機の停止や加速カット
が、最大吐出容量での運転状態から行われると、容量制
御弁46においては、弁孔53を全閉した状態(図3)
にある弁体52が弁孔53を急激に全開(図2)しよう
とする。つまり、固定鉄心60に対するソレノイドロッ
ド63のスライド移動が急激に行われようとする。
【0070】しかし、固定鉄心60に対するソレノイド
ロッド63のスライド移動によっては、両圧力作用室9
0a,90b間における連通路92を介したオイルOの
流通により生じる抵抗が、圧力作用部91及びソレノイ
ドロッド63を介して弁体52に移動抵抗として付与さ
れる。従って、図5のタイムチャートに示すように、圧
縮機の停止や加速カットの開始から、弁体52が緩やか
に弁孔53を全開することとなり、クランク室15の圧
力が急激に上昇されることはなく、クランク室15の圧
力が過大に上昇されることはない。
【0071】以上のようにして、クランク室15とシリ
ンダボア33との差圧の過大な拡大が阻止され、傾斜角
を最小とした斜板31が、最小傾斜角規定部34に過大
な力で押しつけられたり、ヒンジ機構32を介して回転
支持体30を強く引っ張ることがなくなる。従って、駆
動軸16が、駆動軸付勢バネ20の付勢力に抗して軸線
L後方側にスライド移動してしまう現象は生じない。
【0072】上記構成の本実施形態においては、次のよ
うな効果を奏する。 (1)上述した流体ダンパ構成90〜92によって、ク
ランク室15の圧力との差の過大な拡大を阻止すること
ができ、駆動軸16が、駆動軸付勢バネ20の付勢力に
抗して軸線L後方側にスライド移動することを防止でき
た。従って、次のような効果を奏する。
【0073】(1-1 )リップシール22と駆動軸16と
の相対スライド移動を阻止することができる。従って、
リップシール22のリップリング22aと駆動軸16と
の摺動位置が、その駆動軸16上の所定のコンタクトラ
インを大きく逸脱することがない。このため、リップリ
ング22aと駆動軸16との摺接面間に、前記コンタク
トライン以外の部分に付着されたスラッジ等の異物が噛
み込まれることが回避される。従って、リップシール2
2が早期に劣化したり、ガス漏れを生じたりすることが
抑制され、ひいては圧縮機の耐久性の向上につながる。
【0074】(1-2 )摩擦クラッチ23は、アーマチャ
28がロータ24に対して軸線L前後方向に接離され
る。従って、摩擦クラッチ23がオフ状態の時、駆動軸
16に軸線L後方側へのスライド移動が生じていると、
ロータ24とアーマチャ28との間に吸引力が生じてい
ないにもかかわらず、両者24,28間に所定のクリア
ランス(図4)を確保できない事態が起こり得る。しか
し、前述したように、駆動軸16の軸線L後方側へのス
ライド移動が阻止されており、ロータ24とアーマチャ
28との間に所定のクリアランスを確保できて、摩擦ク
ラッチ23がオフ状態にて両者24,28が接触したま
まの状態となることがない。従って、ロータ24とアー
マチャ28との間に摺動が生じることがなく、両者2
4,28間の動力伝達を確実に遮断できるとともに、両
者24,28の摺動に基づく異音・振動の発生や発熱を
も防止することができる。
【0075】(1-3 )ピストン35は、回転支持体3
0、ヒンジ機構32、斜板31及びシュー36を介して
駆動軸16に連結されている。従って、前述したよう
に、駆動軸16の軸線L後方側へのスライド移動を防止
できることは、ピストン35が弁・ポート形成体14側
へスライド移動することの防止につながる。その結果、
加速カットの時、ピストン35が上死点に位置する際
に、その先端面が弁・ポート形成体14に衝突すること
を回避することができ、振動・騒音の発生を抑制するこ
とができる。また、ピストン35と弁・ポート形成体1
4との衝突に基づく両者35,14の破損も回避され、
ひいては、圧縮機の耐久性を向上することにつながる。
【0076】(2)容量制御弁46は、給気通路44を
開閉することで、高圧な吐出冷媒ガスのクランク室15
への流入量を調節して圧縮機の吐出容量を調節する。従
って、例えば、抽気通路45を開閉して、クランク室1
5から吸入室37への冷媒ガス(吐出冷媒ガスより低
圧)の流出量を調節することで圧縮機の吐出容量を調節
する構成と比較して、クランク室15を速やかに昇圧さ
せることができる。従って、圧縮機が停止された場合、
速やかに吐出容量を最小とすることができ、停止から間
もない圧縮機の次回の起動をも最小吐出容量からとする
ことができる。別の見方をすれば、容量制御弁46が抽
気通路45のみを開閉して吐出容量を調節する場合と比
較して、クランク室15の圧力が過大に上昇する問題が
生じ易く、吸入室圧力制御弁91を備えることのでの効
果がより有効に奏される。
【0077】(3)流体ダンパ構成90〜92は、圧縮
機に対する給電ラインが制御コンピュータCの上流側で
遮断されるような場合(車両エンジンEgの停止時)に
おいても、上述したダンパ作用を奏することができる。
【0078】(4)例えば、容量制御弁46の電磁6
0,61,63,64構成を変更し、固定鉄心60と可
動鉄心61との間に生じる吸引力が、弁孔53の開度を
大きくする方向への荷重として弁体52に付与される構
成とすることも、本発明の趣旨を逸脱するものではな
い。つまり、電磁コイル64への入力電流値が大きくな
るほど、設定吸入圧力を高く設定する構成とすることで
ある。この場合、特に、車両エンジンEgの停止時おい
て吐出容量を最小に変更するためには、言い換えれば、
設定吸入圧力を最高値とするためには、電磁コイル64
と電源Sとの給電ラインが、制御コンピュータCよりも
上流側で遮断されないような特別な構成が必要で、既存
の車両給電系に対して大幅な構造変更を強いることにな
る。
【0079】しかし、本実施形態の容量制御弁46は、
電磁コイル64への入力電流値が小さくなるほど、設定
吸入圧力を高く設定する構成である。従って、設定吸入
圧力を最高値とする場合、制御コンピュータCは電磁コ
イル64への給電を停止し、これは車両エンジンEgの
停止時に、電磁コイル64と電源Sとの給電ラインが制
御コンピュータCよりも上流側で遮断されることと結果
として同じ状態をもたらすことになる。よって、車両エ
ンジンEgの停止時おいて吐出容量を最小とする構成
を、既存の車両給電系に対して構造変更を強いることな
く達成することができた。
【0080】(第2実施形態)図6に示すように、本実
施形態において圧力作用空間90はプランジャ室59が
兼ねており、プランジャ室59にはオイルOが密封収容
されている。圧力作用部91は、弁体52と一体的に動
作される可動鉄心61が兼ねている。連通路92は可動
鉄心61に貫設され、プランジャ室59において可動鉄
心61の上下に区画形成された二つの圧力作用室90
a,90bを連通している。そして、可動鉄心61(弁
体52)が上下方向へ移動すると、両圧力作用室90
a,90b間において通過断面積の小さな連通路92を
介したオイルOの流通により生じる抵抗が、可動鉄心6
1及びソレノイドロッド63を介して弁体52に移動抵
抗として付与される。
【0081】本実施形態においても上記第1実施形態と
同様な作用・効果を奏する他、圧力作用空間90として
プランジャ室59を、圧力作用部91として可動鉄心6
1をそれぞれ利用しているため、部品点数増を伴うこと
なく流体ダンパ構成を圧縮機に適用することができた。
【0082】(第3実施形態)本実施形態においては、
制御コンピュータC(図1)が、容量制御弁46をダン
パ制御することでダンパ手段が構成されている。すなわ
ち、制御コンピュータCは、設定吸入圧力を高める場
合、容量制御弁46の電磁コイル64(図2)に入力す
る電流値を、目標とする値まで段階的に下げてゆくよう
にプログラムされている。つまり、制御コンピュータC
は、設定吸入圧力を高める場合、電磁構成60,61,
63,64によって弁体52に付与する、弁孔53を開
放する方向への荷重を段階的に小さくする。
【0083】例えば、図7のタイムチャートにおいて
は、容量制御弁46の設定吸入圧力が最低値の状態か
ら、摩擦クラッチ23がオフされるか或いは加速カット
が開始されて、設定吸入圧力が最高値に変更されるまで
過程を示す。この場合、制御コンピュータCは、設定吸
入圧力を三段階に増大変更し、つまり、電磁コイル64
に入力される電流値を三段階に下げることで、最低値か
ら最高値までの変更が急激に行われないようにしてい
る。
【0084】従って、弁体52は、全閉(或いは全閉に
近い開度)状態の弁孔53を急激に全開することはな
く、クランク室15の圧力が急激に上昇されることはな
くて、クランク室15の圧力が過大に上昇することを防
止できる。その結果、車両エンジンEgの停止時を除い
て(車両エンジンEgの停止時には、それと同時に容量
制御弁46の電磁コイル64に対する給電ラインが制御
コンピュータCの上流側で遮断されてしまうから)、上
記第1実施形態の(1)と同様な効果を奏する。
【0085】上記構成の本実施形態においては、制御コ
ンピュータCによる制御によって、容量制御弁46がダ
ンパ的な作用を奏するように構成されている。従って、
設定吸入圧力を高める場合にのみ、つまり、クランク室
15の圧力が過大に上昇するような場合にのみ、弁孔5
3の開度増大を緩やかに行なうことができる。言い換え
れば、設定吸入圧力を低める時にはダンパ的な作用が奏
されないようにでき、この時の弁孔53の開度変更は速
やかに行なうことができる。従って、圧縮機の吐出容量
増大の応答性が高められ、車両空調装置は大きな冷房要
求に対して速やかに応答することができる。
【0086】(第4実施形態)本実施形態においては、
上記第3実施形態と同様に、制御コンピュータC(図
1)が、容量制御弁46をダンパ制御することでダンパ
手段が構成されている。すなわち、制御コンピュータC
は、設定吸入圧力を高める場合、容量制御弁46の電磁
コイル64(図2)に入力する電流値を、目標とする値
まで連続的に下げてゆくようにプログラムされている。
つまり、制御コンピュータCは、設定吸入圧力を高める
場合、電磁構成60,61,63,64によって弁体5
2に付与する、弁孔53を開放する方向への荷重を連続
的に小さくする。
【0087】例えば、図8のタイムチャートにおいて
は、容量制御弁46の設定吸入圧力が最低値の状態か
ら、摩擦クラッチ23がオフされるか或いは加速カット
が開始されて、設定吸入圧力が最高値に変更されるまで
過程を示す。この場合、制御コンピュータCは、設定吸
入圧力を連続的に増大変更し、つまり、電磁コイル64
に入力される電流値を連続的に下げることで、最低値か
ら最高値までの変更が急激に行われないようにしてい
る。従って、弁体52は、全閉(或いは全閉に近い開
度)状態の弁孔53を急激に全開することはなく、クラ
ンク室15の圧力が急激に上昇されることはなくて、ク
ランク室15の圧力が過大に上昇することを防止でき
る。その結果、車両エンジンEgの停止時を除いて、上
記第1実施形態の(1)と同様な効果を奏する。
【0088】なお、本実施形態或いは上記第3実施形態
においては、例えば、車両エンジンEgの停止によって
も、給電ラインが制御コンピュータCの上流側で遮断さ
れないように車両の給電系を変更すれば、或いは、電源
Sと制御コンピュータCとの間に電力の貯溜機能を付加
すれば、車両エンジンEgの停止時においても、制御コ
ンピュータCによる設定吸入圧力の連続的或いは段階的
な変更は可能となる。
【0089】上記構成の本実施形態においては、制御コ
ンピュータCによる制御によって、容量制御弁46がダ
ンパ的な作用を奏するように構成されている。従って、
設定吸入圧力を低める時にはダンパ的な作用が奏されな
いようにでき、この時の弁孔53の開度変更は速やかに
行なうことができる。その結果、圧縮機の吐出容量増大
の応答性が高められ、車両空調装置は大きな冷房要求に
対して速やかに応答することができる。
【0090】なお、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で以
下の態様でも実施できる。 ○上記第3或いは第4実施形態において、設定吸入圧力
が最低値から最高値に変更される場合にのみ、設定吸入
圧力を段階的或いは連続的に変更するように構成するこ
と。このようにすれば、その他の設定吸入圧力の増大時
には、速やかに吐出容量を減少させることができ、車両
空調装置の冷房フィーリングが良好となる。
【0091】○上記各実施形態において容量制御弁46
は、感圧構成(56,58等)と電磁構成(60,6
1,63,64等)との協動で弁体52を動作させて、
給気通路44を開閉する構成であったが、これを変更
し、例えば、図9の従来技術と同様に、電磁構成のみで
弁体52を動作させて給気通路44を開閉する構成とす
ること。
【0092】○容量制御弁46を、給気通路44及び抽
気通路45の両方を開閉することで吐出容量を調節する
構成とすること。この場合、抽気通路45は全閉されな
い構成、つまり、抽気通路45を常時連通とすることが
重要である。
【0093】○容量制御弁46を、抽気通路45のみを
開閉することで吐出容量を調節する構成とすること。こ
の場合にも、抽気通路45を常時連通とすることが重要
である。
【0094】○ワッブルタイプの可変容量型圧縮機にお
いて具体化すること。上記実施形態から把握できる技術
的思想について記載すると、前記弁体駆動部は電磁構成
60,61,63,64からなり、入力電流値が小さく
なるほど弁孔53の開度が大きくなる方向に弁体51を
移動させる構成である請求項4〜7のいずれかに記載の
可変容量型圧縮機。
【0095】このようにすれば、クランク室15の圧力
を最も上昇させるためには、容量制御弁46(電磁コイ
ル64)への入力電流値をゼロとすればよく、車両エン
ジンEgの停止時において、容量制御弁46と電源Sと
の給電ラインが、制御コンピュータCよりも上流側で遮
断されないような特別な構成は必要なくなる。
【0096】
【発明の効果】上記構成の本実施形態によれば、ダンパ
手段を備えることでクランク室の圧力の過大な上昇を阻
止することができ、クランク室の圧力とシリンダボアの
圧力との差の過大な拡大を阻止することができて、駆動
軸が駆動軸付勢部材の付勢力に抗してスライド移動して
しまうことを阻止することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 可変容量型圧縮機の縦断面図。
【図2】 容量制御弁の縦断面図。
【図3】 容量制御弁の動作を説明する要部拡大断面
図。
【図4】 摩擦クラッチのオフ状態を説明する図。
【図5】 容量制御弁の動作特性を示すタイムチャー
ト。
【図6】 第2実施形態を示す容量制御弁の要部拡大断
面図。
【図7】 第3実施形態の容量制御弁の動作特性を示す
タイムチャート。
【図8】 第4実施形態の容量制御弁の動作特性を示す
タイムチャート。
【図9】 従来の可変容量型圧縮機の縦断面図。
【符号の説明】
11…ハウジングを構成するフロントハウジング、12
…同じくシリンダブロック、13…同じくリヤハウジン
グ、14…弁・ポート形成体、15…クランク室、16
…駆動軸、20…駆動軸付勢部材としての駆動軸付勢バ
ネ、31…カムプレートとしての斜板、33…シリンダ
ボア、35…ピストン、37…吸入室、38…吐出圧力
領域を構成する吐出室、39…吸入ポート、40…吐出
ポート、41…吸入弁、42…吐出弁、44…給気通
路、45…抽気通路、46…容量制御弁、90…ダンパ
手段を構成する圧力作用空間、90a…同じく圧力作用
室、90b…同じく圧力作用室、91…同じく圧力作用
部、92…同じく連通路。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷凍回路に適用されて冷媒ガスの圧縮を
    行なう可変容量型圧縮機であって、 ハウジングにはクランク室及びシリンダボアが形成され
    るとともにクランク室を挿通するようにして駆動軸が回
    転可能に保持され、 前記クランク室において駆動軸にはカムプレートが一体
    回転可能でかつ傾斜角を変更可能に連結され、 前記シリンダボアにはカムプレートに連結されたピスト
    ンが往復動可能に収容され、 前記ハウジングには吸入ポート、吸入弁、吐出ポート及
    び吐出弁を有する弁・ポート形成体が、ピストンとでシ
    リンダボアを閉塞するようにして装着され、 前記ハウジングと駆動軸との間には、ピストンが弁・ポ
    ート形成体から離間する方向に駆動軸を軸線に沿って付
    勢する駆動軸付勢部材が介在され、 前記クランク室と吐出圧力領域とは給気通路を介して連
    通され、 前記クランク室と吸入圧力領域とは抽気通路を介して連
    通され、 外部からの制御によって、給気通路又は抽気通路の少な
    くとも一方の開度を調節することでクランク室の圧力を
    変更する容量制御弁を備え、 前記クランク室の圧力とシリンダボアの圧力とのピスト
    ンを介した差に応じてカムプレートの傾斜角を変更して
    吐出容量を調節する構成の可変容量型圧縮機において、 前記容量制御弁はダンパ手段を備え、 前記ダンパ手段は、容量制御弁がクランク室の圧力を高
    めるように給気通路又は抽気通路の少なくとも一方の開
    度を変更する場合、この開度の急激な変更を阻止する構
    成である可変容量型圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記容量制御弁は、少なくとも給気通路
    の開度を調節する構成である請求項1に記載の可変容量
    型圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記駆動軸とこの駆動軸を回転駆動する
    外部駆動源との間には動力伝達を遮断可能な電磁式の摩
    擦クラッチが配設され、この摩擦クラッチは、 ハウジングに回転可能に支持されるとともに外部駆動源
    に作動連結されたロータと、 駆動軸に一体回転可能に固定されるとともにロータに対
    向配置されたアーマチャと、 励磁によりアーマチャをロータ側に吸引して両者を締結
    し、動力伝達を可能とする電磁コイルとを備えている請
    求項1又は2に記載の可変容量型圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記容量制御弁は、 前記給気通路又は抽気通路の少なくとも一方を開閉する
    弁体と、 外部からの制御によって弁体を移動させる弁体駆動部と
    を備え、 前記ダンパ手段は、クランク室の圧力を高める方向に移
    動する弁体に対して移動抵抗を付与する移動抵抗付与手
    段により構成された請求項1〜3のいずれかに記載の可
    変容量型圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記移動抵抗付与手段は、 前記弁体に対して一体的に設けられた圧力作用部と、 前記圧力作用部によって弁体の移動方向前後の空間に区
    画形成された二つの流体圧室と、 前記二つの流体圧室を連通する連通路とからなり、 前記弁体がクランク室の圧力を高める方向に移動する時
    には、圧力作用部が二つの流体圧室の容積比を変更する
    ことで、両室間での連通路を介した流体の流通により生
    じる抵抗で弁体に移動抵抗を付与する構成である請求項
    4に記載の可変容量型圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記容量制御弁は、 前記給気通路又は抽気通路の少なくとも一方を開閉する
    弁体と、 外部からの制御によって弁体を移動させる弁体駆動部と
    を備え、 前記ダンパ手段は、容量制御弁がクランク室の圧力を高
    めるように給気通路又は抽気通路の少なくとも一方の開
    度を調節する場合、弁体に付与する移動力を段階的に変
    更するように弁体駆動部を制御することで、この開度の
    急激な変更を阻止する構成である請求項1〜3のいずれ
    かに記載の可変容量型圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記容量制御弁は、 前記給気通路又は抽気通路の少なくとも一方を開閉する
    弁体と、 外部からの制御によって弁体を移動させる弁体駆動部と
    を備え、 前記ダンパ手段は、容量制御弁がクランク室の圧力を高
    めるように給気通路又は抽気通路の少なくとも一方の開
    度を調節する場合、弁体に付与する移動力を連続的に変
    更するように弁体駆動部を制御することで、この開度の
    急激な変更を阻止する構成である請求項1〜3のいずれ
    かに記載の可変容量型圧縮機。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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