JP2006218107A - 可撓管およびその修理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、酸化性消毒剤、オートクレーブ等の内視鏡の消毒滅菌に対して修理部の耐性の優れた可撓管およびその修理方法を提供することを最も主要な特徴とする。
【解決手段】可撓管1の外表面を構成する外皮17と、外皮17の表面に積層されたトップコート層18の少なくともいずれか一方の被修理部位17a,18aにプラズマ照射によって反応基を突出させ、表面を粗面化したプラズマ処理部20,23を形成する。その後、プラズマ処理部20,23の被修理部位17a,18aに補修部材21を塗布させる。このとき、プラズマ処理部20は、反応基が突出し、また表面が粗面化されているため補修部材21とよく密着する。
【選択図】 図2
【解決手段】可撓管1の外表面を構成する外皮17と、外皮17の表面に積層されたトップコート層18の少なくともいずれか一方の被修理部位17a,18aにプラズマ照射によって反応基を突出させ、表面を粗面化したプラズマ処理部20,23を形成する。その後、プラズマ処理部20,23の被修理部位17a,18aに補修部材21を塗布させる。このとき、プラズマ処理部20は、反応基が突出し、また表面が粗面化されているため補修部材21とよく密着する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、例えば医療分野で使用される内視鏡の挿入部を形成する可撓管などに適用され、特に可撓管本体の少なくとも一部に被修理部位を有する可撓管およびその修理方法に関する。
一般に、医療用の内視鏡は、患者の体腔内に挿入される細長い挿入部と、この挿入部の基端部に連結された操作部とを備える。さらに、挿入部は、可撓性を有し、細長い可撓管部(蛇管)と、この可撓管部の先端に連結された湾曲部と、この湾曲部の先端に連結された硬質な先端構成部とを有する。可撓管部の基端部は、操作部に連結されている。先端構成部には、観察光学系、照明光学系、処置具挿通チャンネルの先端開口部や、送気送水ノズルなどを有する。さらに、湾曲部は、操作部の湾曲操作機構の操作によって湾曲操作され、先端構成部の向きを任意の方向に変更できるようになっている。
これらのうち湾曲部と可撓管部の外表面を形成する外皮は可撓性を有する可撓管によって構成される。従来用いられている内視鏡用の可撓管の一例を特許文献1が開示している。ここで、内視鏡の可撓管部は、フレックス(螺旋管)と、このフレックスの外周面を覆うブレード(網状管)と、このブレードの外周面を覆う可撓性を有する外皮とから構成される。さらに、外皮の表面にはトップコート層(コーティング層)が積層される。このトップコート層は、外皮の外表面に脂肪族系プレポリマーを含むコーティング剤を塗布し、完全硬化させることにより形成される。
また、内視鏡は、使用後、感染症を予防する観点からその内視鏡や付属品は洗滌、消毒、滅菌処理される。この洗滌等が繰り返し行われると、その内視鏡の挿入部やその挿入部の可動部分である湾曲部の外皮及びトップコート層が摩耗する。さらに、外皮及びトップコート層の摩耗が進むと外皮及びトップコート層等が剥離するなどの現象が生じる。外皮及びトップコート層等の剥離が生じる場合は、接着剤等の補修部材で当該部分を補強するなどの修理が行われる。
特開平8−238308号公報
内視鏡の挿入部は患者の体腔内に挿入されるというその使用環境から内視鏡の挿入部の外皮の修理時には、確実な固定や確実な水密性など高品質な修理が求められる。しかし、トップコート層などのコーティング層は完全硬化されているため、トップコート層の表面は反応基が少ない。さらに、トップコート層はすべり性向上のため、平滑性を付与しているため、接着剤等の他材料との密着性が弱い。つまり、外皮を接着剤等により修理を行っても該修理部は他の部位に比べて消毒剤等に対する耐性が弱くなる傾向がある。
特に近年では、従来のグルタルアルデヒド系消毒液に代わり、短時間で高度な消毒を行うことができる過酸化水素水や高濃度酢酸などのような酸化性消毒液の使用や、高温、高圧状態の環境下で行われるオートクレーブ滅菌などが主流となりつつある。このような内視鏡の消毒滅菌処理に対しても挿入部の外皮の修理部の耐性を高めることが望まれているのが実情である。
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、酸化性消毒剤、オートクレーブ等の内視鏡の消毒滅菌に対して修理部の耐性の優れた可撓管およびその修理方法を提供することにある。
請求項1の発明は、可撓管本体の少なくとも一部に被修理部位を有する可撓管であって、前記可撓管本体の外表面を構成する外皮と、前記外皮の表面に積層されたトップコート層と、前記被修理部位の前記外皮の表面又は前記トップコート層の少なくともいずれか一方にプラズマ照射によって反応基を突出させ、表面を粗面化したプラズマ処理部と、前記プラズマ処理部に設けられ、前記被修理部位を補修する補修部材と、を具備することを特徴とする可撓管である。
そして、本請求項1の発明では、被修理部位の外皮の表面又はトップコート層の少なくともいずれか一方にプラズマ照射によって反応基を突出させ、表面を粗面化したプラズマ処理部に補修部材を設けることにより、被修理部位を補修するようにしたものである。
そして、本請求項1の発明では、被修理部位の外皮の表面又はトップコート層の少なくともいずれか一方にプラズマ照射によって反応基を突出させ、表面を粗面化したプラズマ処理部に補修部材を設けることにより、被修理部位を補修するようにしたものである。
請求項2の発明は、前記可撓管本体は、体腔内に挿入される挿入部の管部を構成する内視鏡用可撓管であることを特徴とする請求項1に記載の可撓管である。
そして、本請求項2の発明では、体腔内に挿入される挿入部の管部を構成する可撓管本体の被修理部位の外皮の表面又はトップコート層の少なくともいずれか一方にプラズマ照射によって反応基を突出させ、表面を粗面化したプラズマ処理部に補修部材を設けることにより、被修理部位を補修するようにしたものである。
そして、本請求項2の発明では、体腔内に挿入される挿入部の管部を構成する可撓管本体の被修理部位の外皮の表面又はトップコート層の少なくともいずれか一方にプラズマ照射によって反応基を突出させ、表面を粗面化したプラズマ処理部に補修部材を設けることにより、被修理部位を補修するようにしたものである。
請求項3の発明は、前記被修理部位は、前記トップコート層の剥がれ、または接着剥がれの少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の可撓管である。
そして、本請求項3の発明では、トップコート層の剥がれ、または接着剥がれの少なくともいずれか一方を含む被修理部位にプラズマ照射によって反応基を突出させ、表面を粗面化したプラズマ処理部に補修部材を設けることにより、被修理部位を補修するようにしたものである。
そして、本請求項3の発明では、トップコート層の剥がれ、または接着剥がれの少なくともいずれか一方を含む被修理部位にプラズマ照射によって反応基を突出させ、表面を粗面化したプラズマ処理部に補修部材を設けることにより、被修理部位を補修するようにしたものである。
請求項4の発明は、前記被修理部位は、内視鏡の湾曲部と前記可撓管本体との間を連結する糸巻部を含むことを特徴とする請求項2に記載の可撓管である。
そして、本請求項4の発明では、内視鏡の湾曲部と可撓管本体との間を連結する糸巻部の被修理部位にプラズマ照射によって反応基を突出させ、表面を粗面化したプラズマ処理部に補修部材を設けることにより、被修理部位を補修するようにしたものである。
そして、本請求項4の発明では、内視鏡の湾曲部と可撓管本体との間を連結する糸巻部の被修理部位にプラズマ照射によって反応基を突出させ、表面を粗面化したプラズマ処理部に補修部材を設けることにより、被修理部位を補修するようにしたものである。
請求項5の発明は、前記補修部材は、前記トップコート層の成形材料または接着部材であることを特徴とする請求項1に記載の可撓管である。
そして、本請求項5の発明では、被修理部位の外皮の表面又はトップコート層の少なくともいずれか一方にプラズマ照射によって反応基を突出させ、表面を粗面化したプラズマ処理部にトップコート層の成形材料または接着部材である補修部材を設けることにより、被修理部位を補修するようにしたものである。
そして、本請求項5の発明では、被修理部位の外皮の表面又はトップコート層の少なくともいずれか一方にプラズマ照射によって反応基を突出させ、表面を粗面化したプラズマ処理部にトップコート層の成形材料または接着部材である補修部材を設けることにより、被修理部位を補修するようにしたものである。
請求項6の発明は、可撓管本体の少なくとも一部に被修理部位を有する可撓管の修理方法であって、前記可撓管本体の外表面を構成する外皮の表面又は前記外皮の表面に積層されたトップコート層の少なくともいずれか一方に生じた前記被修理部位にプラズマを照射することにより反応基を突出させ、表面を粗面化するプラズマ処理を行う第1の工程と、前記プラズマ処理部に前記被修理部位を補修する補修部材を設ける第2の工程と、を具備することを特徴とする可撓管の修理方法である。
そして、本請求項6の発明の可撓管の修理方法では、被修理部位の外皮の表面又はトップコート層の少なくともいずれか一方にプラズマ照射によって反応基を突出させ、表面を粗面化するプラズマ処理を行う(第1の工程)。その後、プラズマ処理部に補修部材を設けることにより、被修理部位を補修する(第2の工程)ようにしたものである。
そして、本請求項6の発明の可撓管の修理方法では、被修理部位の外皮の表面又はトップコート層の少なくともいずれか一方にプラズマ照射によって反応基を突出させ、表面を粗面化するプラズマ処理を行う(第1の工程)。その後、プラズマ処理部に補修部材を設けることにより、被修理部位を補修する(第2の工程)ようにしたものである。
請求項7の発明は、前記第1の工程は、エアー又はガス又はその混合によりプラズマの照射を行う工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の可撓管の修理方法である。
そして、本請求項7の発明では、被修理部位の外皮の表面又はトップコート層の少なくともいずれか一方にエアー又はガス又はその混合によりプラズマの照射を行うようにしたものである。
そして、本請求項7の発明では、被修理部位の外皮の表面又はトップコート層の少なくともいずれか一方にエアー又はガス又はその混合によりプラズマの照射を行うようにしたものである。
請求項8の発明は、前記第1の工程は、プラズマ発生装置の電極から照射面までの照射距離を5〜15mmとしてプラズマの照射を行う工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の可撓管の修理方法である。
そして、本請求項8の発明では、被修理部位の外皮の表面又はトップコート層の少なくともいずれか一方にプラズマ発生装置の電極から照射面までの照射距離を5〜15mmとしてプラズマの照射を行うようにしたものである。
そして、本請求項8の発明では、被修理部位の外皮の表面又はトップコート層の少なくともいずれか一方にプラズマ発生装置の電極から照射面までの照射距離を5〜15mmとしてプラズマの照射を行うようにしたものである。
請求項9の発明は、前記第1の工程は、プラズマの照射は同一部位への1秒以下の照射時間で、かつ2回以上の照射回数で行う工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の可撓管の修理方法である。
そして、本請求項9の発明では、被修理部位の外皮の表面又はトップコート層の少なくともいずれか一方にプラズマの照射を行う際に、プラズマの照射は同一部位への1秒以下の照射時間で、かつ2回以上の照射回数で行うようにしたものである。
そして、本請求項9の発明では、被修理部位の外皮の表面又はトップコート層の少なくともいずれか一方にプラズマの照射を行う際に、プラズマの照射は同一部位への1秒以下の照射時間で、かつ2回以上の照射回数で行うようにしたものである。
請求項10の発明は、前記第1の工程は、前記プラズマ照射後の前記被修理部位の濡れ性を45dyn/cm以上にする工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の可撓管の修理方法である。
そして、本請求項10の発明では、被修理部位の外皮の表面又はトップコート層の少なくともいずれか一方にプラズマの照射を行う際に、プラズマ照射後の被修理部位の濡れ性を45dyn/cm以上にするようにしたものである。
そして、本請求項10の発明では、被修理部位の外皮の表面又はトップコート層の少なくともいずれか一方にプラズマの照射を行う際に、プラズマ照射後の被修理部位の濡れ性を45dyn/cm以上にするようにしたものである。
本発明によれば、外皮の表面又はトップコート層の少なくともいずれか一方の剥離部などの被修理部位にプラズマが照射され、表面の付着物の除去、反応基の突出、表面の粗面化などが行われるので、被修理部位への補修部材の密着性がよい。その結果、酸化性消毒剤、オートクレーブ等の内視鏡消毒滅菌に対して修理部位が修理部位以外の部位と同等程度に耐性の優れた可撓管およびその修理方法を提供することができる。
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図3を参照して説明する。図1は本実施の形態の可撓管1を含む電子スコープタイプの内視鏡2の全体図を示す。内視鏡2は、体腔内に挿入される挿入部3と、操作部4と、ユニバーサルコード5とを有する。
挿入部3は、可撓性を有し、細長い可撓管部(蛇管)6と、この可撓管部6の先端に連結された湾曲部7と、この湾曲部7の先端に連結された硬質な先端構成部8とを有する。可撓管部6の基端部は、操作部4に連結されている。
先端構成部8には、図示しない観察光学系、照明光学系、処置具挿通チャンネルの先端開口部や、送気送水ノズルなどを有する。さらに、湾曲部7は、操作部4の湾曲操作機構の操作によって湾曲操作され、先端構成部8の向きを任意の方向に変更できるようになっている。
また、操作部4には、湾曲操作機構の湾曲操作ノブ9と、吸引ボタン10と、送気送水ボタン11と、複数の撮影用の制御スイッチ12などが配設されているとともに、処置具挿通チャンネルに連通される処置具挿通部13などが設けられている。
さらに、操作部4には、ユニバーサルコード5の基端部が連結されている。このユニバーサルコード5の先端部には、図示しない光源装置や、ビデオプロセッサなどに着脱可能に接続されるコネクタ部14が配設されている。
また、挿入部3の湾曲部7と可撓管部6の外表面を形成する外皮15は可撓性を有する可撓管1によって構成される。図2及び図3は可撓管部6の断面図を示す。可撓管部6は金属平板を螺旋状に巻回させた螺旋管であるフレックス15と、このフレックス15の外表面に設けられた網状管であるブレード16と、このブレード16の外表面に設けられた熱可塑性エラストマー樹脂からなる外皮17とを備える。さらに、外皮17の外表面にはトップコート層18が積層されている。フレックス15は内壁により内部に中空部分が形成され、該中空部分を図示しないチャンネルチューブや光ファイバー等の各種チューブ等が挿通される。
本実施の形態では、外皮17の熱可塑性エラストマー樹脂の材料としてポリエステル、ポリウレタン、オレフィン、スチレン等があげられるが、熱可塑性エラストマーであればこの限りで無い。また、トップコート層18としては、フッ素、ポリウレタン系のものがあげられる。
また、図2は、可撓管1のトップコート層18の一部が補修された補修部19の状態を示す。このトップコート層18の補修部19にはトップコート層18に生じた剥離部などの補修対象となる被修理部位18aの表面にプラズマを照射させたプラズマ処理部20が形成されている。さらに、このプラズマ処理部20には補修部材21を塗布して補修部19が形成されている。
また、図3は、可撓管1の外皮17及びトップコート層18の一部が補修された補修部22の状態を示す。この補修部22には外皮17及びトップコート層18にそれぞれ剥離部などの補修対象となる被修理部位17a,18aが形成されている。これら外皮17及びトップコート層18の被修理部位17a,18aの表面にはプラズマを照射させたプラズマ処理部23がそれぞれ形成されている。さらに、これらのプラズマ処理部23には補修部材21を塗布して補修部22が形成されている。
ここで、プラズマ処理部20,23は、トップコート層18に生じた剥離部などの補修対象となる被修理部位18aや、外皮17及びトップコート層18の被修理部位17a,18aの表面にプラズマを照射し、反応基を突出させ表面を粗面化された部位である。
また、補修部材21としては、プラズマ処理部20,23の上にトップコート層18と同一材料のコーティング層を設けてもよいし、接着剤を用いてもよい。ここで補修部材21として使用される材料としてはポリウレタン、脂肪族系、芳香族ポリウレタン、フッ素、エポキシ等が含有されている素材が好適である。その他、プラズマ処理部20,23に塗布した時、反応基と結合し得る材料が望ましいが、プラズマによる粗面化によりアンカー効果が得られるため、上記材料に限らない。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の可撓管1の具体的な修理方法について説明する。ここでは、最初に図2に示すように可撓管1のトップコート層18の一部が補修された補修部19を成形する場合について説明する。このトップコート層18の補修部19には、まず、トップコート層18の被修理部位18aに生じた剥離部などの補修対象となる被修理部位18aの表面にプラズマを照射させたプラズマ処理部20が形成される(第1の工程)。
この第1の工程では、予めプラズマ発生器(図示しない)により発生させたプラズマ粒子をエアー又はガス又はその混合によりトップコート層18の被修理部位18aに吹き付けることにより、プラズマの照射を行う。これによりトップコート層18の被修理部位18aの表面に付着した有機物及び無機物を除去できる。このとき、トップコート層18の表面の粗面化も行える。さらに、トップコート層18の表面の分子結合をプラズマにより切断し、反応基を表面に突出させることができる。
このとき、プラズマの好適な照射条件としては次の通りである。
(1)プラズマ発生装置の電極(図示しない)からトップコート層18の被修理部位18aの表面までの照射距離は5〜15mmである。
(2)プラズマの照射時間及び照射回数はそれぞれ同一部位へ1秒以下、2回以上である。
(3)プラズマ照射後の濡れ性は45dyn/cmである。
その後、プラズマ処理部20に補修部材21を塗布することにより、補修部19が形成される(第2の工程)。この第2の工程では、プラズマ処理部20の上に補修部材21としてトップコート層18と同一材料のコーティング層を設けてもよいし、接着剤を用いてもよい。これにより、トップコート層18の被修理部位18aの補修が終了する。
次に、図3に示すように可撓管1の外皮17及びトップコート層18の一部が補修された補修部22を形成する場合について説明する。この外皮17及びトップコート層18の補修部22の成形時には、まず、外皮17及びトップコート層18の被修理部位17a,18aの表面にはプラズマを照射させたプラズマ処理部23が形成される(第1の工程)。この第1の工程でのプラズマの照射作業およびプラズマの好適な照射条件などは、トップコート層18の補修部19を形成する場合と同様である。
その後、プラズマ処理部23に補修部材21を塗布することにより、補修部22が形成される(第2の工程)。この第2の工程では、プラズマ処理部23の上に補修部材21としてトップコート層18と同一材料のコーティング層を設けてもよいし、接着剤を用いてもよい。これにより、外皮17及びトップコート層18の被修理部位17a,18aの補修が終了する。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の可撓管1の修理方法では、プラズマ処理により外皮17及びトップコート層18の表面の有機物及び無機物の除去、表面の粗面化を行うことにより、補修部材21を外皮17及びトップコート層18に塗布した場合にその密着性を高めることが出来る。また、プラズマ処理により外皮17の表面に反応基を突出させておくことで、トップコート層18が完全硬化させられるため製造時に少ない反応基の量を再び増やすことができる。つまりプラズマ処理部20に補修部材21を塗布した場合にその密着性を高めることができる。その結果、酸化性消毒剤、オートクレーブ等の内視鏡消毒滅菌に対して修理部位が修理部位以外の部位と同等程度に耐性の優れた可撓管1およびその修理方法を提供することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、可撓管1の被修理部位は、内視鏡2の湾曲部7と可撓管部6との間を連結する糸巻部であってもよい。さらに、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 内視鏡可撓管の外皮表面またはトップコート層にプラズマを照射し、反応基を突出させ、表面を粗面化した上に補修部材を設けたことを特徴とする内視鏡可撓管。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 内視鏡可撓管の外皮表面またはトップコート層にプラズマを照射し、反応基を突出させ、表面を粗面化した上に補修部材を設けたことを特徴とする内視鏡可撓管。
(付記項2) 内視鏡可撓管のコート剥がれ、接着剥がれと言った修理部位面にプラズマを照射する工程と、プラズマを照射した面に補修部材を設ける工程とからなる内視鏡可撓管の修理方法。
(付記項3) 付記項2において、プラズマを照射する工程は、エアー又はガス又はその混合によりトップコート又は外皮修理部表面に照射することを特徴とする内視鏡可撓管の修理方法。
(付記項4) 付記項2におけるプラズマ照射の条件は、プラズマ発生装置の電極から修理面までの照射距離を5〜15mmであることを特徴とする内視鏡可撓管の修理方法。
(付記項5) 付記項2におけるプラズマ照射の条件は、プラズマの照射時間及び照射回数は同一部位へ1秒以下、2回以上であることを特徴とする内視鏡可撓管の修理方法。
(付記項6) 付記項2におけるプラズマ照射後の修理部の濡れ性は45dyn/cm以上であることを特徴とする内視鏡可撓管の修理方法。
(付記項7) 内視鏡可撓管のトップコート層にプラズマを照射し、反応基を突出させ、表面を粗面化した上に接着部材を設けたことを特徴とする内視鏡可撓管。
本発明は、例えば医療分野で使用される内視鏡の挿入部を形成する可撓管を製造する技術分野や、可撓管本体の少なくとも一部に被修理部位を有する可撓管およびその修理方法を使用する技術分野で有効である。
1…可撓管、2…内視鏡、3…挿入部、17…外皮、18…トップコート層、19…補修部、20,23…プラズマ処理部、21…補修部材。
Claims (10)
- 可撓管本体の少なくとも一部に被修理部位を有する可撓管であって、
前記可撓管本体の外表面を構成する外皮と、
前記外皮の表面に積層されたトップコート層と、
前記被修理部位の前記外皮の表面又は前記トップコート層の少なくともいずれか一方にプラズマ照射によって反応基を突出させ、表面を粗面化したプラズマ処理部と、
前記プラズマ処理部に設けられ、前記被修理部位を補修する補修部材と、
を具備することを特徴とする可撓管。 - 前記可撓管本体は、体腔内に挿入される挿入部の管部を構成する内視鏡用可撓管であることを特徴とする請求項1に記載の可撓管。
- 前記被修理部位は、前記トップコート層の剥がれ、または接着剥がれの少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の可撓管。
- 前記被修理部位は、内視鏡の湾曲部と前記可撓管本体との間を連結する糸巻部を含むことを特徴とする請求項2に記載の可撓管。
- 前記補修部材は、前記トップコート層の成形材料または接着部材であることを特徴とする請求項1に記載の可撓管。
- 可撓管本体の少なくとも一部に被修理部位を有する可撓管の修理方法であって、
前記可撓管本体の外表面を構成する外皮の表面又は前記外皮の表面に積層されたトップコート層の少なくともいずれか一方に生じた前記被修理部位にプラズマを照射することにより反応基を突出させ、表面を粗面化するプラズマ処理を行う第1の工程と、
前記プラズマ処理部に前記被修理部位を補修する補修部材を設ける第2の工程と、
を具備することを特徴とする可撓管の修理方法。 - 前記第1の工程は、エアー又はガス又はその混合によりプラズマの照射を行う工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の可撓管の修理方法。
- 前記第1の工程は、プラズマ発生装置の電極から照射面までの照射距離を5〜15mmとしてプラズマの照射を行う工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の可撓管の修理方法。
- 前記第1の工程は、プラズマの照射は同一部位への1秒以下の照射時間で、かつ2回以上の照射回数で行う工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の可撓管の修理方法。
- 前記第1の工程は、前記プラズマ照射後の前記被修理部位の濡れ性を45dyn/cm以上にする工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の可撓管の修理方法。
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