JP2006212895A - 積層体、建築用部材および床暖房パネル - Google Patents

積層体、建築用部材および床暖房パネル Download PDF

Info

Publication number
JP2006212895A
JP2006212895A JP2005027070A JP2005027070A JP2006212895A JP 2006212895 A JP2006212895 A JP 2006212895A JP 2005027070 A JP2005027070 A JP 2005027070A JP 2005027070 A JP2005027070 A JP 2005027070A JP 2006212895 A JP2006212895 A JP 2006212895A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laminate
crosspiece
resin sheet
sheet
building member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005027070A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehiro Yamada
雄大 山田
Makoto Osuga
信 大須賀
Koji Maruyama
耕司 丸山
Katsuo Matsuzaka
勝雄 松坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Seikei Ltd
Original Assignee
Sekisui Seikei Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Seikei Ltd filed Critical Sekisui Seikei Ltd
Priority to JP2005027070A priority Critical patent/JP2006212895A/ja
Publication of JP2006212895A publication Critical patent/JP2006212895A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Securing Of Glass Panes Or The Like (AREA)
  • Floor Finish (AREA)
  • Central Heating Systems (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】 吸湿による膨張や熱伸縮の影響を受け難く寸法安定性に優れ、反りや曲がりが発生し難い建築用部材に好適な積層体、建築用部材および床暖房パネルを提供する。
【解決手段】 線膨張係数が−2×10−5〜1×10−5/℃、弾性率が5〜15GPaであり、樹脂成分を70%以上含有する熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に、クラフト紙、織布、及び不織布よりなる群から選ばれる少なくとも一種のシート状体(好ましくは、熱可塑性樹脂シートが、延伸倍率8〜40倍のポリオレフィン系樹脂シートからなる)が積層されてなる積層体および木質系材料の少なくとも片面に、上記積層体が積層されてなる建築用部材である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、積層体、建築用部材および床暖房パネルに関し、さらに詳しくは襖やドア若しくは各種床材などの部材に好適に用いられる積層体、建築用部材および床暖房パネルに関する。
従来、床暖房パネルなどの部材に用いられる建築用部材には、使用環境における湿度や温度の変化に起因して、吸湿による膨張や熱伸縮の影響で充分な寸法安定性が得られず、反りや曲がりが発生するという問題があった。
上記の問題を解決するため、例えば特許文献1には、特定の表面材と裏面材とを備えてなる発熱床板において、上記裏面材は、寸法変化の小さい繊維からなる芯材と、該芯材の表裏面にそれぞれ芯材の全体に亘る樹脂層を介して加熱接着された植物質繊維材料からなる薄シート層とで構成されたシート状のものとされている発熱床板が開示されている。
しかし、上記のような裏面材は、必ずしも十分な強度や耐水性を有さず、例えば積層界面から水分が浸入する所謂ウィーピング現象などによって、発熱床材に用いられた木質系材料の吸湿膨張などの問題が起こりやすく、また発熱床材に用いられる発熱体や断熱材に悪影響を及ぼすなどの問題が生じやすくなるとともに、上記の吸水膨張や材料の熱伸縮により発生する床材の反りや曲がりについて、必ずしも十分な防止効果が得られないことがあった。
このため、必要に応じてアルミ箔などの金属箔が併用されて積層されることもあるが、この場合には、コストアップの問題とともに、分別廃棄処理やリサイクル上の問題があった。
特開平11−093388号公報
本発明の目的は、上記従来の問題点に鑑み、吸湿による膨張や熱伸縮の影響を受け難く寸法安定性に優れ、反りや曲がりが発生し難い建築用部材に好適な積層体、建築用部材および床暖房パネルを提供することにある。
請求項1記載の積層体は、線膨張係数が−2×10−5〜1×10−5/℃、弾性率が5〜15GPaであり、樹脂成分を70%以上含有する熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に、クラフト紙、織布、及び不織布よりなる群から選ばれる少なくとも一種のシート状体が積層されてなることを特徴とする。
請求項2記載の積層体は、請求項1記載の積層体であって、線膨張係数が−2×10−5〜1×10−5/℃、弾性率が5〜15GPaであることを特徴とする。
請求項3記載の積層体は、請求項1又は2記載の積層体であって、熱可塑性樹脂シートが、延伸倍率8〜40倍のポリオレフィン系樹脂シートからなることを特徴とする。
請求項4記載の建築用部材は、木質系材料の少なくとも片面に、請求項1〜3記載の積層体が積層されてなることを特徴とする。
請求項5記載の建築用部材は、延伸倍率8〜40倍のポリオレフィン系樹脂シートと木質系材料とが、熱可塑性樹脂を介して接合されてなることを特徴とする。
請求項6記載の床暖房パネルは、平行に対峙して配置された桟材と、桟材の一面に亘って接合された表面材と、桟材の他面に亘って接合された裏面材とで構成された枠内に、発熱体及び断熱材とが配設されてなり、上記裏面材が請求項1〜3記載の積層体からなることを特徴とする。
請求項7記載の床暖房パネルは、平行に対峙して配置された桟材と、桟材の一面に亘って接合された表面材と、桟材の他面に亘って接合された裏面材とで構成された枠内に、発熱体及び断熱材とが配設されてなり、上記裏面材が延伸倍率8〜40倍のポリオレフィン系樹脂シートからなり、上記裏面材と桟材とが、熱可塑性樹脂を介して接合されていることを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における熱可塑性樹脂シートは、線膨張係数が−2×10−5〜1×10−5/℃、弾性率が5〜15GPaであり、樹脂成分を70%以上含有するものである。
上記線膨張係数が小さすぎる場合は、積層体の界面剥離が生じることがあり、大きすぎる場合には、積層体自体が熱伸縮して反りや曲がりを防止する効果が得られないことがある。
上記弾性率が小さすぎる場合は、得られる積層体の強度不足により、上記吸水膨張や熱伸縮の抑制効果が不十分になり、反りや曲がりの防止効果が不十分になることがある、また、弾性率が大きすぎる場合は、積層体が堅くなりすぎて巻きぐせなどの悪影響で接着性が低下することがある。
上記樹脂成分が少なすぎる場合は、積層体の耐水性が不十分になって、ウィーピング現象などが起こりやすくなる。
上記熱可塑性樹脂シートを構成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂などが挙げられる。
また、上記熱可塑性樹脂シートは、上記熱可塑性樹脂が延伸成形されてなるものであると、得られるシートの線膨張係数や弾性率が制御し易い点で好ましい。
本発明の積層体は、上記熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に、クラフト紙、織布、及び不織布よりなる群から選ばれる少なくとも一種のシート状体が積層されてなるものである。
本発明におけるクラフト紙とは、クラフトパルプからなる紙を指し、機械的強度が高く、耐水性に優れたものである。上記クラフト紙は単独で積層されても良いが、少なくとも片面がポリエチレンでコートされた場合には耐水性が向上した積層体となる点で好ましい。
上記クラフト紙の目付量は、小さすぎると吸湿による膨潤が生じ、大きすぎると延伸シート固有の機械的物性を発現できない虞があるので、50〜100g/mが好ましい。
本発明における不織布とは、合成繊維、天然繊維、ガラス繊維などを適当な方法でマットや薄綿状にして、接着剤や繊維自身の融着力によって、繊維同士を接合してつくった布をいう。また、織布とは、合成繊維、天然繊維、ガラス繊維などからなる織物をいう。
上記不織布及び織布を構成する繊維としては特に限定されないが、後述する木質系材料と積層するには、天然繊維、就中植物繊維が好ましい。また、合成繊維からなる不織布又は織布を使用する場合には不織布又は織布の表層にコロナ放電処理を施すことが好ましい。このような不織布又は織布を使用することにより、後述する木質系材料との接着力が向上し、結果として耐水性に優れた建築用部材を得ることができる。
上記クラフト紙、織布、及び不織布及びよりなる群から選ばれる少なくとも一種のシート状体は、上記熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に積層されるが、両面に積層された場合には、熱伸縮や吸湿を更に確実に抑制することが出来る点で好ましい。
上記シート状体が、耐水性を有するものであると、更に好ましい。このようなシート状体としては、例えばクラフト紙の片面にポリエチレンをコートしたものや、VRシート(大日本印刷社製)、合成紙(合成樹脂を主原料とする特殊加工紙:例ユポ特殊加工紙(王子油化合成紙社製)などがあげられる。
上記積層体の線膨張係数が−2×10−5〜1×10−5/℃、弾性率が5〜15GPaである場合には、寸法安定性に優れ、反りや曲がりに対する効果が更に確実になる点で好ましい。上記線膨張係数が小さすぎると、積層体の界面剥離が生じることがあり、大きすぎる場合には、積層体自体が熱伸縮して反りや曲がりを防止する効果が低下することがある。また、上記弾性率が小さすぎる場合は、得られる積層体の強度不足により、上記吸水膨張や熱伸縮の抑制効果が不十分になり、反りや曲がりの防止効果が不十分になることがあり、弾性率が大きすぎる場合は、積層体が堅くなりすぎて巻きぐせなどの悪影響で貼り合わせが困難になる可能性がある。
上記熱可塑性樹脂シートが、延伸倍率8〜40倍のポリオレフィン系樹脂シートからなる場合には、シート自体の耐水性が向上するので、強度と耐水性のバランスに優れた積層体が得られ易くなる点で好ましい。
上記延伸オレフィン系樹脂シートの延伸倍率は、特に限定されないが、8〜40倍が好ましく、より好ましくは10〜35倍である。上記樹脂発泡体の両面に、延伸オレフィン系樹脂シートが積層されることで、得られる積層体の反りや曲がりを防止することができる。延伸倍率が小さ過ぎると充分な引張弾性率が発揮されないことがあり、また、熱伸縮が大きくなりすぎることがある。延伸倍率が大きくなり過ぎると延伸成形時にシートが破断し易くなることがある。
上記延伸オレフィン系樹脂シートを構成するオレフィン系樹脂としては、シート形成能を有する任意のオレフィン系樹脂が使用でき、例えば、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ペンテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等が挙げられ、高密度ポリエチレン樹脂が好適に使用される。
上記高密度ポリエチレン樹脂の密度は小さくなると延伸しても形状追随性が向上しなくなるので、0.94g/cm以上が好ましい。
また、高密度ポリエチレン樹脂の重量平均分子量は、小さくなり過ぎると延伸しても剛性があまり向上せず、大きくなり過ぎると成形や延伸がしにくくなるので、20万〜50万が好ましく、メルトインデックス(MI)は成形性が優れている0.1〜20が好ましく、より好ましくは0.2〜10である。
本発明においては、上記高密度ポリエチレンを単独で用いてもよいが、他のポリオレフィンを高密度ポリエチレン100重量部に対し30重量部以下の割合で混入させてもよい。併用される他のポリオレフィンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニルなどを挙げることができる。
更に上記高密度ポリエチレンは架橋されたものが用いられてもよい。この場合得られる樹脂シートのゲル分率は20%以上であることが好ましい。
上記オレフィン系樹脂シートの延伸方法は従来公知の任意の方法が採用されてよいが、8〜40倍と高度に延伸するのであるから、オレフィン系樹脂シートを圧延した後、延伸又は延伸を複数回繰り返す多段延伸する方法が好ましい。
上記圧延は、オレフィン系樹脂シートを一対の反対方向に回転するロールに供給し、押圧してシートの厚みを薄くすると共に伸長する方法であり、圧延されたシートは延伸シートとは異なり、オレフィン系樹脂が配向されることなく緻密になっているので、高度に延伸しやすくなっている。
圧延温度は、低くなると均一に圧延できず、高くなると溶融切断するので、圧延する際のロール温度は、圧延するオレフィン系樹脂シートのオレフィン系樹脂の「融点−40℃」〜融点の範囲が好ましく、より好ましくは、オレフィン系樹脂の「融点−30℃」〜「融点−5℃」である。
尚、本発明において、融点とは示差走査型熱量測定機(DSC)で熱分析を行った際に認められる、結晶の融解に伴う吸熱ピークの最大点をいう。
又、圧延倍率は小さいと後の延伸に負担がかかり、大きくするのは圧延が困難になるので4〜10倍が好ましい。尚、本発明において、圧延倍率及び延伸倍率は、圧延又は延伸前のシートの断面積を圧延又は延伸後のシートの断面積で除した値である。
上記延伸は、従来公知の任意の方法でよく、例えば、ロール延伸法、ゾーン延伸法により、ヒータや熱風により加熱しながら延伸する方法が挙げられる。
延伸温度は、低くなると均一に延伸できず、高くなるとシートが溶融切断するので、延伸するオレフィン系樹脂シートのオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点の範囲が好ましく、より好ましくは、オレフィン系樹脂の「融点−50℃」〜「融点−5℃」である。
又、圧延後の延伸倍率は、全体の延伸倍率が8〜40倍であるから、圧延倍率を考慮し、全体の延伸倍率がこの範囲にはいるように決定すればよいが、圧延後の延伸が少ないと機械的強度が向上しないので、2倍以上が好ましく、より好ましくは3倍以上である。尚、全体の延伸倍率は圧延倍率と圧延後の延伸倍率を乗じた数値である。
延伸オレフィン系樹脂シートは、薄くなると機械的強度が低下し、厚くなると延伸方向に割れやすくなるため、その厚みは一般に0.05〜1.5mmであり、好ましくは0.15〜0.7mmである。
上記延伸オレフィン系樹脂シートがアニール処理されたものであると、熱伸縮若しくは反りや曲がりを防止する効果が更に向上する点で好ましい。
本発明の建築用部材は、木質系材料の少なくとも片面に、上記積層体が積層されてなるものである。上記構成は、木質系材料の少なくとも片面に上記積層体が積層されてなるものであれば特に限定されず、例えば木質系材料の両面に上記積層体が積層されたものであってもよい。
上記木質材料としては特に限定されず、例えば、天然木、合板、パーチクルボード、ウエハーボード、MDF等の木質ボード類、木質チップ(木片)、木粉等を合成樹脂等に充填した合成木材、合成樹脂、及びこれらの積層体等が挙げられる。また、上記木質材料が床暖パネルなど発熱手段が組み込まれたものであってもよい。床暖パネルなど木質材料の温度変化が顕著な場合には、本発明の寸法安定性に優れ反りや曲がりが発生し難いという効果は更に顕著に発揮される。
上記積層体を木質系材料に積層する方法としては、特に限定されず、接着剤(ホットメルト接着剤を含む)や粘着剤を用いる方法などが挙げられる。
上記接着剤としては、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤などが挙げられるが、コストなどの経済性の点からエマルジョン系接着剤が好ましく用いられる。エマルジョン系接着剤としては、例えば、酢酸ビニル系接着剤、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤などが挙げられる。また、シート状体としてオレフィン系不織布が用いられる場合には、エチレン酢酸ビニル系接着剤(以下、「EVA]ということもある)が木材との接着性に優れる点で好ましい。
また、上記積層体を木質系材料に接着性フィルムを介して熱融着し積層することも可能である。この場合には、接着性フィルムが溶融することで積層体と木質系材料とが強固に接着される点で好ましい。
上記接着性フィルムがエチレン酢酸ビニル系樹脂フィルムであると、加熱により溶融させやすくなり、より強固に積層される点で好ましい。
上記において、エチレン酢酸ビニル系樹脂フィルムのメルトインデックス(MI)は、小さすぎると流動性が不足し積層不良になることがあり、大きすぎると積層時に端部からはみ出し製品不良が発生することがあるので、1.0〜10.0であることが好ましい。
上記建築用部材が、延伸倍率8〜40倍のポリオレフィン系樹脂シートと木質系材料とが、熱可塑性樹脂を介して接合されてなる場合には、ポリオレフィン系樹脂シートと木質系材料とが、強固に接合されて一体化され、本発明の寸法安定性に優れ反りや曲がりが発生し難いという効果が顕著に発揮される点で好ましい。また、上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートの表面に熱可塑性樹脂を積層した後、コロナ放電処理を施した場合には、さらに強固に接合される点でより好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、ポリエチレン系樹脂やエチレン酢酸ビニル系樹脂などが挙げられる。
上記エチレン酢酸ビニル系樹脂のメルトインデックス(MI)は、小さすぎると流動性が不足し積層不良になることがあり、大きすぎると積層時に端部からはみ出し製品不良が発生することがあるので、1.0〜10.0であることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂を介して接合する方法としては、例えば、上記熱可塑性樹脂からなる、フィルム、接着剤(ホットメルト接着剤を含む)などを介在させ、圧着若しくは熱融着などにより接合する方法が挙げられる。
上記において、延伸オレフィン系樹脂シートと木質系材料の間に、押出成形などによってフィルム状に吐出された溶融状態の熱可塑性樹脂を介在させつつシート状体を積層すると、延伸オレフィン系樹脂シートとシート状体とが、熱融着され強固に接合される点で好ましい。
本発明の床暖房パネルは、平行に対峙して配置された桟材と、桟材の一面に亘って接合された表面材と、桟材の他面に亘って接合された裏面材とで構成された枠内に、発熱体及び断熱材とが配設されてなり、上記裏面材が上記積層体からなるものである。
上記表面材としては、特に限定されないが、例えば、木材単板や木質単板に不飽和ポリエステル、アクリル、スチレン、フェノール等の合成樹脂液を注入固化してなる合成樹脂注入木材単板、或いは合板、WPC化粧合板、金属板から形成されるものが挙げられ、木材単板や合成樹脂注入木材単板の場合には、その裏面に適宜厚さを有する合板やMDF、パーティクルボード等の単体又は複合体からなる木質基材が貼り合わせられたものであってもよい。
また、本発明の床暖房パネルは、平行に対峙して配置された桟材と、桟材の一面に亘って接合された表面材と、桟材の他面に亘って接合された裏面材とで構成された枠内に、発熱体及び断熱材とが配設されてなり、上記裏面材が延伸倍率8〜40倍のポリオレフィン系樹脂シートからなり、上記裏面材と桟材とが、熱可塑性樹脂を介して接合されているものであってもよい。
本発明によれば、延伸オレフィン系樹脂シートの少なくとも片面に、クラフト紙、織布、及び不織布よりなる群から選ばれる少なくとも一種のシート状体が積層されてなることを特徴とするので、積層体におけるウィーピング現象などが起こりにくく、耐水性と強度を兼ね備えた積層体が得られ、吸湿による膨張や熱伸縮を抑制し、寸法安定性に優れ、反りや曲がりが発生し難い建築用部材に好適な積層体を提供することができる。
また、上記積層体の線膨張係数が−2×10−5〜1×10−5/℃、弾性率が5〜15GPaであると、寸法安定性に優れ、反りや曲がりの防止効果が向上し、上記効果は更に確実なものとなる。
本発明の建築用部材は、木質系材料の少なくとも片面に、上記積層体が積層されてなるものである。上記構成は、木質系材料の少なくとも片面に上記積層体が積層されてなることを特徴とするので、上記同様に、吸湿による膨張や熱伸縮の影響を受け難く寸法安定性に優れ、反りや曲がりが発生し難い建築用部材を提供することができる。
上記建築用部材が、延伸倍率8〜40倍のポリオレフィン系樹脂シートと木質系材料とが、熱可塑性樹脂を介して接合されてなる場合には、ポリオレフィン系樹脂シートと木質系材料とが、強固に接合されて一体化され、上記効果は更に確実なものとなる。
本発明の床暖房パネルは、平行に対峙して配置された桟材と、桟材の一面に亘って接合された表面材と、桟材の他面に亘って接合された裏面材とで構成された枠内に、発熱体及び断熱材とが配設されてなり、上記裏面材が上記積層体からなるので、上記効果は更に確実なものとなる。
上記床暖房パネルが、平行に対峙して配置された桟材と、桟材の一面に亘って接合された表面材と、桟材の他面に亘って接合された裏面材とで構成された枠内に、発熱体及び断熱材とが配設されてなり、上記裏面材が延伸倍率8〜40倍のポリオレフィン系樹脂シートからなり、上記裏面材と桟材とが、熱可塑性樹脂を介して接合されている場合には、裏面材と桟材とが強固に接合されて一体化され、上記効果は更に確実なものとなる。
以下に実施例および比較例を示すことにより、本発明を具体的に説明する。
尚、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
重量平均分子量(Mw)3.3×10、融点135℃の高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製)を押出機に供給して樹脂温度200℃で溶融混練した後、Tダイを用いてシート状に成形してポリエチレン樹脂シートを得た。
得られたポリエチレン樹脂シートを120℃に加熱した圧延成形機(積水工機製作所製)を用いて圧延倍率10.6倍に圧延し、得られた圧延シートを110℃に加熱された熱風加熱式の多段延伸装置(協和エンジニアリング製)にて倍率が1.27倍の多段延伸を行い、総延伸倍率13.5倍の延伸ポリエチレン樹脂シートを得た。
得られた延伸ポリエチレン樹脂シートの両面に、クラフト紙を積層し積層体を得た。積層方法は押出成形によってフィルム状に吐出された溶融状態のポリエチレン系樹脂を、延伸ポリエチレン樹脂シートとクラフト紙の間に介在させつつ熱融着することで実施した。尚、上記において得られた延伸ポリエチレン樹脂シートの線膨張係数は−1.0×10−5/℃、弾性率は14GPaであった。また、得られた積層体の線膨張係数は−0.4×10−5/℃、弾性率は9.5GPaであった。
(実施例2)
両面に芯鞘構造を有するPP/PEの不織布を積層し、コロナ放電処理した以外は実施例1と同様である。尚、得られた積層体の線膨張係数は−1.0×10−5/℃、弾性率は13.5GPaであった。
(実施例3)
実施例1により得られた積層体を、酢酸ビニル系のエマルジョン系接着剤を用いてMDF(厚み:5mm)に接着し積層して建築用部材を得た。
(実施例4)
実施例2より得られた積層体を、酢酸ビニル系のエマルジョン系接着剤を用いてMDF(厚み:5mm)に接着し積層して建築用部材を得た。
(実施例5)
延伸オレフィン系樹脂シートの表面に低密度ポリエチレンのフィルムを積層した後コロナ放電処理した積層体を酢酸ビニル系のエマルジョン系接着剤を用いてMDF(厚み:5mm)に接着し積層して建築用部材を得た。
(実施例6)
角棒形状の桟材を平行に対峙して配置し、該桟材の上面に長方形板状の表面材(木質単板に不飽和ポリエステルを注入固化してなる合成樹脂注入木材単板)、該桟材の下面に裏面材を熱可塑性樹脂(エチレン酢酸ビニル系樹脂)を介して接合して構成した枠内に、発熱体と断熱材を配設して床暖房パネルを得た。尚上記裏面材としては、実施例1で得られた積層体を用いた。
(実施例7)
裏面材として実施例2で得られた積層体を用いたこと以外は実施例6と同様にして床暖房パネルを得た。
(実施例8)
裏面材として実施例5で得られた積層体を用いたこと以外は実施例6と同様にして床暖房パネルを得た。
(比較例1)
延伸ポリエチレン系樹脂シートの代わりにガラス繊維50重量%含有するポリプロピレン系樹脂繊維強化シートを用いたこと以外は実施例1と同様にして積層体を得た。得られた積層体の線膨張係数は−1.6×10−5/℃、弾性率は7.7GPaであった。
(比較例2)
比較例1の積層体をMDFに接着し積層して建築部材を得た。
(比較例3)
MDF単体を建築用部材として用いた。
(比較例4)
裏面材として比較例1で得られた積層体を用いたこと以外は実施例6と同様にして床暖房パネルを得た。
得られた積層体、建築用部材および床暖房パネルについて以下の評価を行った。評価結果は表1〜2に示した。
(耐水性)
表面吸水試験として、上記で得られた積層体の上面の部分を常温の水と接触させた状態で72時間保持した後、水と接触させた部分のシート厚みを測定し、初期値(水を接触させる前のシート厚み)と比較した。吸水による厚みの変化が小さいほど耐水性に優れていると評価される。
(反り量)
(1)建築用部材
上記で得られた建築用部材を切断して試料(長さ700×巾300mm)を切り出し、上部に開口部(長さ600×巾300mm)を有する80℃水槽の開口部を塞ぐように載置し、開口部において80℃の熱水から発生する水蒸気が評価試料に接触するようになされた状態で1時間保持した後、試料を平面状に載置して試料の反り量を測定した。反り量は、試料の端部または中央部における試料下面と平面との距離の最大値とした。
(2)床暖房パネル
反りの代用特性として上記で得られた床暖房パネルに通電し(昇温)、長手方向の伸びを測定した。伸びが小さい程、反りを低減(防止)可能と評価される。
Figure 2006212895
Figure 2006212895
表1〜2により明らかなように、本発明の積層体は、水分と接触した場合でも吸水による変化が小さく耐水性に優れていることが判明した。また、本発明の建築用部材、建築用部材およびそれを用いた床暖房パネルは反りや曲がりが発生し難く、吸湿による膨張や熱伸縮の影響を受け難く寸法安定性に優れていることが判明した。

Claims (7)

  1. 線膨張係数が−2×10−5〜1×10−5/℃、弾性率が5〜15GPaであり、樹脂成分を70%以上含有する熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に、クラフト紙、織布、及び不織布よりなる群から選ばれる少なくとも一種のシート状体が積層されてなることを特徴とする積層体。
  2. 線膨張係数が−2×10−5〜1×10−5/℃、弾性率が5〜15GPaであることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 熱可塑性樹脂シートが、延伸倍率8〜40倍のポリオレフィン系樹脂シートからなることを特徴とする請求項1又は2記載の積層体。
  4. 木質系材料の少なくとも片面に、請求項1〜3記載の積層体が積層されてなることを特徴とする建築用部材。
  5. 延伸倍率8〜40倍のポリオレフィン系樹脂シートと木質系材料とが、熱可塑性樹脂を介して接合されてなることを特徴とする建築用部材。
  6. 平行に対峙して配置された桟材と、桟材の一面に亘って接合された表面材と、桟材の他面に亘って接合された裏面材とで構成された枠内に、発熱体及び断熱材とが配設されてなり、上記裏面材が請求項1〜3記載の積層体からなることを特徴とする床暖房パネル。
  7. 平行に対峙して配置された桟材と、桟材の一面に亘って接合された表面材と、桟材の他面に亘って接合された裏面材とで構成された枠内に、発熱体及び断熱材とが配設されてなり、上記裏面材が延伸倍率8〜40倍のポリオレフィン系樹脂シートからなり、上記裏面材と桟材とが、熱可塑性樹脂を介して接合されていることを特徴とする床暖房パネル。
JP2005027070A 2005-02-02 2005-02-02 積層体、建築用部材および床暖房パネル Pending JP2006212895A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005027070A JP2006212895A (ja) 2005-02-02 2005-02-02 積層体、建築用部材および床暖房パネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005027070A JP2006212895A (ja) 2005-02-02 2005-02-02 積層体、建築用部材および床暖房パネル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006212895A true JP2006212895A (ja) 2006-08-17

Family

ID=36976502

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005027070A Pending JP2006212895A (ja) 2005-02-02 2005-02-02 積層体、建築用部材および床暖房パネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006212895A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008104670A (ja) * 2006-10-26 2008-05-08 Sekisui Seikei Ltd ブーツ
JP2008104671A (ja) * 2006-10-26 2008-05-08 Sekisui Seikei Ltd
JP2012002466A (ja) * 2010-06-21 2012-01-05 Unitika Ltd 床暖房用バックシート

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1193388A (ja) * 1997-09-22 1999-04-06 Daiken Trade & Ind Co Ltd 発熱床板
JP2000274054A (ja) * 1999-03-25 2000-10-03 Nippon Paper Industries Co Ltd 防湿性床材
JP2000271905A (ja) * 1999-03-25 2000-10-03 Nippon Paper Industries Co Ltd 木質複合基材
JP2001293829A (ja) * 2000-02-10 2001-10-23 Sekisui Chem Co Ltd ポリオレフィン系樹脂複合積層体

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1193388A (ja) * 1997-09-22 1999-04-06 Daiken Trade & Ind Co Ltd 発熱床板
JP2000274054A (ja) * 1999-03-25 2000-10-03 Nippon Paper Industries Co Ltd 防湿性床材
JP2000271905A (ja) * 1999-03-25 2000-10-03 Nippon Paper Industries Co Ltd 木質複合基材
JP2001293829A (ja) * 2000-02-10 2001-10-23 Sekisui Chem Co Ltd ポリオレフィン系樹脂複合積層体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008104670A (ja) * 2006-10-26 2008-05-08 Sekisui Seikei Ltd ブーツ
JP2008104671A (ja) * 2006-10-26 2008-05-08 Sekisui Seikei Ltd
JP2012002466A (ja) * 2010-06-21 2012-01-05 Unitika Ltd 床暖房用バックシート

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4919881B2 (ja) 複合吸音材
JP2006212895A (ja) 積層体、建築用部材および床暖房パネル
KR200465140Y1 (ko) 다층 단열시트
JP5056457B2 (ja) 防湿合板の製造方法および該防湿合板を用いた床板
JP2018052001A (ja) 表面化粧パネル、これを備えた化粧パネル及び表面化粧パネル製造方法
JP4549480B2 (ja) 高周波加熱接着用防湿化粧板及びそれを用いたフラッシュパネルの製造方法
JP7377741B2 (ja) 蓄熱ボード
JP3091468U (ja) ポリプロピレン系樹脂発泡積層体
JP2019151068A (ja) 強化木質繊維板
JPH08226221A (ja) 木質化粧床材
JP2007291711A (ja) 畳床用芯材及びそれを用いた薄畳
JP2005271310A (ja) 樹脂発泡体複合板
JP3803160B2 (ja) テーブル板
JP2001301073A (ja) ハニカムコア材を芯材とする積層構造体
JP2018164983A (ja) 表面化粧パネル及びこれを備えた化粧パネル
JP6007073B2 (ja) 補強材用積層体
JP4059333B2 (ja) 木質系芯材ボード
JP7369308B2 (ja) 積層体
JP2010115823A (ja) プラスチック積層体
JP2006043901A (ja) 積層体
JP2602459B2 (ja) 遮音性木質系床材
JP2006103150A (ja) 複合パネル及びその製造方法
JP2005047192A (ja) 樹脂発泡体複合板
JP3453440B2 (ja) 建築用内装パネル
JP2001056129A (ja) 暖房床用床材

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060411

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080131

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101026

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110308