JP2012002466A - 床暖房用バックシート - Google Patents

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JP2012002466A JP2010140040A JP2010140040A JP2012002466A JP 2012002466 A JP2012002466 A JP 2012002466A JP 2010140040 A JP2010140040 A JP 2010140040A JP 2010140040 A JP2010140040 A JP 2010140040A JP 2012002466 A JP2012002466 A JP 2012002466A
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Abstract

【課題】温度変化による伸縮が小さく、さらには湿度変化に対しても伸縮が小さく、したがって寸法安定性に優れた床暖房用バックシートを提供する。
【解決手段】ガラス長繊維クロスに、混抄紙を含む合成紙が積層されている。ガラス長繊維クロスは、単繊維径が6〜11μmのガラス長繊維が、経、緯の糸密度がともに25本/25mm以上、経、緯の糸密度差が15本/25mm以下の平織とされており、その質量が150g/m以上である。混抄紙は、ポリエステル繊維と天然パルプがポリエステル繊維:天然パルプ=2:8〜4:6の質量比率で配合されたものである。
【選択図】なし

Description

本発明は床暖房用バックシートに関し、詳しくは、電気式などの床暖房に用いられるフローリング材と建物の床材との間に設けられる床暖房用バックシートに関する。
この種の床暖房用バックシートは、フローリング材に貼り合わされてフローリング材と一体化されることで、熱によるフローリング材の膨張、収縮を規制するために用いられる。このため、バックシートには、寸法安定性が求められる(特許文献1)。
特許文献1に記載されたバックシートは、ガラス繊維と合成繊維とを含むガラスペーパーにて構成されている。
特開平11−140788号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたバックシートでは、ガラス繊維は大きな熱伸縮を生じないものの、合成繊維にはある程度以上の熱伸縮が生じるため、十分な寸法安定性が得られず、シート全体の反りや曲がりを十分に抑えることができない。
そこで本発明は、温度変化による伸縮が小さく、さらには湿度変化に対しても伸縮が小さく、このため寸法安定性に優れた床暖房用バックシートを提供することを目的とする。
この目的を達成するため本発明の床暖房用バックシートは、ガラス長繊維クロスに、混抄紙を含む合成紙が積層されており、前記ガラス長繊維クロスは、単繊維径が6〜11μmのガラス長繊維が、経、緯の糸密度がともに25本/25mm以上、かつ経、緯の糸密度差が15本/25mm以下の平織とされたものであって、その質量が150g/m以上であり、前記混抄紙は、ポリエステル繊維と天然パルプとが、ポリエステル繊維:天然パルプ=2:8〜4:6の質量比率で配合されたものであることを特徴とする。
このような構成であると、所定の単繊維径のガラス長繊維が所定の糸密度で平織とされかつ所定値以上の質量を有するガラス長繊維クロスが用いられるとともに、このガラス長繊維クロスに、ポリエステル繊維と天然パルプとが所定の質量比率で配合された混抄紙を含む合成紙が積層されているため、温度変化による伸縮が小さく、さらには湿度変化に対しても伸縮が小さく、したがって寸法安定性に優れた床暖房用バックシートを得ることができる。
本発明の床暖房用バックシートによれば、合成紙が、混抄紙に、無機質を含むコート層が積層されたものであることが好適である。
本発明の床暖房用バックシートによれば、コート層は質量が10g/m以上であることが好適である。
本発明の床暖房用バックシートによれば、ガラス長繊維クロスへの水系の熱可塑性エマルジョン樹脂の含浸により、ガラス長繊維クロスに同樹脂が含浸されていることが好適である。
本発明の床暖房用バックシートによれば、熱可塑性エマルジョン樹脂はオレフィン系樹脂であり、このオレフィン系樹脂が、ガラス長繊維クロスとオレフィン系樹脂との合計質量に対して5〜10質量%の割合で含浸されていることが好適である。
本発明の床暖房用バックシートによれば、無機質を含むコート層は、二酸化チタンを含むとともに、さらに必要に応じて珪酸アルミニウムとアクリル系共重合樹脂とを含むものであることが好適である。
本発明の床暖房用バックシートによれば、熱可塑性エマルジョン樹脂はオレフィン系樹脂であり、合成紙は前記熱可塑性エマルジョン樹脂と同系のオレフィン系樹脂を介してガラス長繊維クロスに貼り合わされていることが好適である。
本発明の床暖房用バックシートによれば、温度80℃の絶乾状態の環境下で48時間静置させた後のバックシートについて、縦方向および横方向の基準となる寸法を測定し、次に前記バックシートを温度40℃湿度90%の環境下で48時間静置させた後に、前記基準寸法に対する縦方向および横方向の伸びを測定したときの値が0.2%以下であり、さらに前記バックシートを温度80℃の絶乾状態の環境下で48時間静置させた後に、前記基準寸法に対する縦方向および横方向の縮みを測定したときの値が0.2%以下であり、かつ前記伸びと縮みのパーセンテージの値の差が0.1以内であることが好適である。
本発明によれば、温度変化による伸縮が小さく、さらには湿度変化に対しても伸縮が小さく、したがって寸法安定性に優れた床暖房用バックシートを得ることができる。
本発明の実施の形態の床暖房用バックシートを用いた床暖房構造を示す図である。
図1は本発明の実施の形態の床暖房用バックシートを用いた床暖房構造を示す。ここで1は建物の床材で、木材によって形成されている。床材1の表面には、たとえば電気式の床暖房用の、木質系のフローリング材2が設置される。3は本発明のバックシートで、床材1とフローリング材2との間に設けられる。詳細には、バックシート3は、フローリング材2の底面に貼り付けられて、フローリング材2と一体化される。かつ、バックシート3を床材1に貼り付けることによって、フローリング材2が床材1に固定される。なお、場合によっては、バックシート3を床材1に固定せずに、バックシート3が貼り付けられた床材1をバックシート3とともに床材1の上に単に載置するだけで敷設を行うことも可能である。
バックシート3にはガラス長繊維クロスが用いられる。このガラス長繊維クロスは、単繊維径が6〜11μmのガラス長繊維が用いられ、経、緯の糸密度が25本/25mm以上、経、緯の糸密度差が15本/25mm以下の平織で構成された、質量150g/m以上のものである。
単繊維径が6μm未満のガラス長繊維では、繊維強力が不足するためにバックシート3の寸法安定性に問題が生じる。反対に単繊維径が11μmより大きいガラス長繊維では、強力は十分であるものの、ガラス長繊維クロスの厚みが増して、バックシート3が厚くなりすぎると同時に表面に凹凸が生じやすい。
ガラス長繊維は単繊維総本数が50〜1200本であることが好ましく、より好ましくは100〜800本である。そしてガラス長繊維は、撚りがかけられたものであることが好ましく、その撚り数は25mm間で0.5〜5.0回が好ましく、0.7〜1.0回がさらに好ましい。撚り方向は、公知の右撚り(S撚り)と左撚り(Z撚り)とのいずれであっても良い。また、片撚り糸、諸撚り糸、ビッコ諸撚り糸、強撚糸、壁撚り糸、駒撚り糸等いずれでも良い。
ガラス長繊維の組成は、特に限定されるものではないが、一般的に用いられるEガラス、Dガラス、Tガラス、Cガラス、Aガラス、Lガラス、Sガラス等の組成のものが挙げられる。これらのガラスは公知の製造方法に従って製造されたもので良く、市販品を用いてもかまわない。中でも特に好ましいのは、強力とコストとのバランスがとれているEガラスである。
ガラス長繊維クロスは、上記のガラス長繊維を使用して製織される。製織のための織機としては、ジェット織機(エアージェット織機、ウォータージェット織機)、スルザー織機、レピヤー織機等の、公知の織機を用いることができる。
ガラス長繊維クロスは、平織であって、強力および寸法安定性の点から、経、緯の糸密度は、いずれも25本/25mm以上であることが必要である。かつ、クロスの縦、横の強力バランス、寸法安定性のバランスの点から、経、緯の糸密度差が15本/25mm以下であることが必要である。経、緯の糸密度が25本/25mm未満では、強力が低くなり、また所要の寸法安定性が得られない。経、緯の糸密度差が15本/25mmを超えると、縦、横どちらかの強力が低くなった、寸法安定性のバランスが悪いクロスになってしまう。
ガラス長繊維クロスの質量は、強力と寸法安定性との点から、150g/m以上であることが必要である。
ガラス長繊維クロスは、水系の熱可塑性エマルジョン樹脂が含浸されたものであることが好ましい。含浸方法として、ディップ法、コート法等の公知の処理方法を挙げることができる。熱可塑性エマルジョン樹脂は、ガラス長繊維クロスの繊維間固定を行うことで、強力と寸法安定性に寄与するものである。この含浸が十分でない場合は、ガラス長繊維クロスの繊維が移動することによる寸法安定性の低下の可能性がある。そして、ガラス長繊維クロスを後に合成紙と貼り合わせる際に、熱融着を利用してガラス長繊維クロスと合成紙との一体化を行うことが可能である点からも、熱可塑性エマルジョン樹脂であることが好ましい。
水系の熱可塑性エマルジョン樹脂は、オレフィン系樹脂であって、ガラス長繊維クロスと熱可塑性エマルジョン樹脂との合計質量に対して5〜10質量%の割合で含浸されていることが、さらに好ましい。ポリエチレン、ポリプロピレンに代表されるオレフィン系樹脂は、一般的に疎水性であって湿度の影響を受けにくいことから、湿度下での寸法安定性が要求される本発明のバックシートにおいて、最も好ましく用いることができる。また、オレフィン系高分子の疎水性の主鎖に少量の親水性のイオン基を持たせた高分子であるアイオノマーも、水分散が可能で、強度、成形性、熱接着性等にすぐれることから、好適に用いることができる。
ガラス長繊維クロスへのオレフィン系樹脂の含浸量は、ガラス長繊維クロスとオレフィン系樹脂との合計質量に対して5〜10質量%であることが好ましい。5質量%未満では、ガラス長繊維クロスの繊維間の固定が弱くなって、クロスの強力と寸法安定性が損なわれやすい。またガラス長繊維クロスに合成紙を貼り合わせる際には、合成紙のポリエステル繊維とガラス長繊維クロスのオレフィン系樹脂との熱融着を利用した、ガラス長繊維クロスと合成紙との一体化を図ることができるが、オレフィン系樹脂の含浸量が5質量%未満であると、その一体化の効果が弱くなり、十分な接着が得られずに剥離を生じてしまうおそれがある。反対に10質量%を超える含浸量は、必要十分な量を超えており、経済的にも無駄となりやすい。
ガラス長繊維クロスに熱可塑性エマルジョン樹脂を含浸させるときには、ガラス長繊維クロスをヒートクリーニングした後に、その含浸を行わせることが好ましい。ヒートクリーニング処理することで、ガラス長繊維に付与されている一次収束剤や製織時の糊剤を完全に除去することができて、熱可塑性エマルジョン樹脂を含浸する際に、その樹脂を単繊維同士の間にまで十分に染みわたらせることができる。
そのためのヒートクリーニング方法としては、2段ヒートクリーニング法や1段ヒートクリーニング法などを挙げることができる。このうち、2段ヒートクリーニング法は、生機を約500℃以上の高温炉にて予備焼きし、予備焼きしたガラス長繊維クロスを金属製の円筒柱にロール状に巻いた状態で、バッチ式の加熱炉に、通常は約100〜600℃程度、好ましくは約300〜400℃で長時間滞留させて、本焼きを行う方法である。1段ヒートクリーニング法は、生機を金属製の円筒柱に巻き、予備焼きは行わずにバッチ式の加熱炉のみを使用して、通常は約100〜600℃程度、好ましくは約300〜400℃で長時間滞留させて、本焼きを行う方法である。
ヒートクリーニング後のガラス長繊維の表面は親水性であり、このため濡れ性の点から水系の熱可塑性エマルジョン樹脂を用いることが好適である。
ガラス長繊維クロスには、合成紙が貼り合わされる。合成紙は、ガラス長繊維クロスの両面に貼り合わされることが好適である。この合成紙は、ポリエステル繊維と天然パルプとが、ポリエステル繊維:天然パルプ=2:8〜4:6の質量比率で配合された混抄紙を含むものである。両面に貼り合わされるのが好適である理由は、次の通りである。すなわち、ガラス長繊維クロスにて構成される図1のバックシート3の一方の面は木製のフローリング材2に貼り付けられ、かつ、その他方の面は木製の床材1に貼り付けられることが好適であるため、その両面に、天然パルプが配合された合成紙が存在することで、バックシート3と、フローリング材2および床材1との貼り合わせ性が良好になるためである。
このような合成紙以外の、たとえば天然パルプだけからなるクラフト紙等では、温度、湿度による寸法変化が大きく、寸法安定性を求められるバックシートには不適である。本発明においては、ポリエステル繊維と天然パルプとを配合して混抄したものであることで、その寸法変化を小さくすることができる。ポリエステル繊維の比率が2:8よりも小さい場合は、その合成紙の性質が天然の紙の性質に近づき、温度、湿度による寸法変化が大きくなる。また、ポリエステル繊維の比率が4:6よりも大きいと、フィブリル化しない繊維であるポリエステル繊維の量が増え、その分だけフィブリル化する繊維である天然パルプの量が減ることになって、繊維間の絡みが弱くなり、したがって出来上がった合成紙の紙力が低いものになる。
混抄紙は質量50g/m以上であることが好ましく、その片面、すなわちガラス長繊維クロスに貼り合わされる面とは反対側の面に、無機質を含むコート層であって、その質量が10g/m以上のものが積層されたものであることが好ましい。混抄紙の質量が50g/m未満では、その厚みが薄くなり、目付け斑も増えてくることからガラス長繊維クロスと貼り合わせた後にバックシートの表面にガラスクロスの凹凸が浮き出てしまう。このため、バックシートの表面に印刷を行うときの適性に劣ることになる。無機質を含むコート層は、合成紙に温度が加わった時に、混抄紙部分の縮みに対して面でその動きを止める方向に働く層である。湿度が加わった時も同様に、混抄紙部分の伸びに対して面でその動きを止める方向に働く層となる。特に無機質として二酸化チタン等の多孔質体を使えば、無機質自体が湿度を吸着することで混抄紙部分の吸湿を防ぐこともでき、好適である。
上述のように、コート層は、混抄紙の片面に積層されたものであることが必要である。コート層を片面に限る理由は、反対面はガラス長繊維クロスと貼り合わされるために、コート層を形成しない方が貼り合わせ性が良好なためである。コート層は、上記のようにその質量が10g/m以上であることが好ましい。これによって、積層対象である混抄紙の伸縮に対しその動きを止める効果を発揮することができる。質量が10g/m未満の層では、混抄紙部分の伸縮に対しその動きを止める働きが弱くなって、合成紙の寸法安定性が問題となる。
コート層に用いられる無機質は、二酸化チタンを主成分として、これに珪酸アルミニウムが配合されたものであることが好ましい。そしてコート層は、これらの無機質にアクリル系共重合樹脂を加えたものであることが、さらに好ましい。このようなものであると、コート層に用いられる無機質が、多孔質体である二酸化チタンを主体とするものであることによって、水分を吸着して合成紙の吸湿を防ぐことができ、したがって合成紙の伸びを抑制することができる。また、珪酸アルミニウムを配合しさらにアクリル系共重合樹脂を加えたものであることによって、無機質を含むコート層が強靭となり、また合成紙に対するコート層の定着も強固なものとすることができて、合成紙の伸縮に対して面でその動きを止める働きを行わせることができる。
詳細には、コート層は、全体を100質量%として、二酸化チタンを20〜40質量%含み、珪酸アルミニウムを0〜25質量%含み、アクリル系共重合樹脂を35〜80質量%含んだものであることが好適である。
ガラス長繊維クロスに合成紙を貼り合わせる際には、熱可塑性樹脂を用いて、その熱接着作用を利用することができる。そのための熱可塑性樹脂は、ガラス長繊維クロスに含浸することができる水系の熱可塑性エマルジョン樹脂と同系のオレフィン系樹脂であることがさらに好ましい。その厚みは、20〜90μmであることが好ましい。ガラス長繊維クロスに含浸されているオレフィン系樹脂と、ガラス長繊維クロスに合成紙を貼り合わせているオレフィン系樹脂とが熱溶融して一体化することで、ガラス長繊維クロスからの合成紙の剥離を抑制することができ、同時に、合成紙と一体化された長繊維ガラスクロスによって、合成紙の伸縮の動きを効果的に止めることができるからである。
貼り合わせのためのオレフィン系樹脂の厚みは、ガラス長繊維クロスの表面の凹凸を吸収し、さらに合成紙におけるコート層が無い面にアンカー効果として入り込み、一体化させるに必要な厚みでなくてはならない。20μm未満の厚みでは、十分な熱融着による貼り合わせを行いにくい。また、90μmを超える厚みは、必要十分な量を超えており経済的にも意味がないうえに、貼り合わせのためのオレフィン系樹脂を溶融押し出しによる熱ラミネート法形成する場合には、吐出量が多くなり過ぎることから、貼り合わせのためのライン速度が遅くなって、生産効率が悪化することがある。
本発明のバックシートは、温度80℃の絶乾状態の環境下で48時間静置させた後のバックシートについて、縦方向および横方向の基準となる寸法を測定し、次に前記バックシートを温度40℃湿度90%の環境下で48時間静置させた後に、前記基準寸法に対する縦方向および横方向の伸びを測定したときの値が0.2%以下であり、さらに前記バックシートを温度80℃の絶乾状態の環境下で48時間静置させた後に、前記基準寸法に対する縦方向および横方向の縮みを測定したときの値が0.2%以下であり、かつ前記伸びと縮みのパーセンテージの値の差が0.1以内である寸法安定性を持つことが好ましい。
このように縦方向と横方向とで寸法安定性の差が少なく、また伸びと縮みの差も少ないことで復元性も有していれば、温度や湿度の変化による床暖房システムの全体の反りや曲がりを効果的に抑えることが可能である。
以下に実施例および比較例を示すことにより、本発明を具体的に説明する。尚、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
ガラス長繊維クロスとして、ユニチカ社製の平織クロス「H201」を用いた。この「H201」は、単繊維径9μm、単繊維総本数400本で67.5texであり、経糸密度42本/25mm、緯糸密度32本/25mm、糸密度差10本/25mmで製織され、質量が200g/mであった。このガラス長繊維クロスをヒートクリーニングした後、そのクロスに、水系の熱可塑性エマルジョン樹脂として、ポリエチレン系水性エマルジョン樹脂を15g/m含浸させた。
次に前記処理により樹脂を含浸させたガラス長繊維クロスの一方の面に、混抄紙(80g/m、ポリエステル繊維と天然パルプとの質量比が、ポリエステル繊維:天然パルプ=2:8)にコート層(20g/m;二酸化チタン30質量%、珪酸アルミニウム10質量%、アクリル系共重合樹脂60質量%)をコートした合成紙を貼り合せた。貼り合せ用の熱可塑性樹脂として、低密度ポリエチレンポリマー(ノバテックLD「LC522」、日本ポリエチレン社製)を用いた。
かつ、ガラス長繊維クロスの他方の面にも、同様にして合成紙を貼り合わせることで、バックシートを得た。
(実施例2)
ガラス長繊維クロスとして、単繊維径6μm、単繊維総本数800本で67.5texのガラス長繊維を、経糸密度42本/25mm、緯糸密度32本/25mm、糸密度差10本/25mmで製織した質量200g/mの平織クロスを用いた。それ以外は実施例1と同様にして、バックシートを得た。
(実施例3)
ガラス長繊維クロスとして、ユニチカ社製の平織クロス「H220」を用いた。この「H220」は、単繊維径9μm、単繊維総本数400本で67.5texのガラス長繊維を、経糸密度44本/25mm、緯糸密度35本/25mm、糸密度差9本/25mmで製織した、質量220g/mのクロスであった。それ以外は実施例1と同様にして、バックシートを得た。
(実施例4)
ガラス長繊維クロスとして、ユニチカ社製の平織クロス「H202」を用いた。この「H202」は、単繊維径9μm、単繊維総本数400本で67.5texのガラス長繊維を、経糸密度44本/25mm、緯糸密度32本/25mm、糸密度差12本/25mmで製織した、質量210g/mのクロスであった。それ以外は実施例1と同様にして、バックシートを得た。
(実施例5)
ガラス長繊維クロスとして、ユニチカ社製の平織クロス「H350」を用いた。この「H350」は、単繊維径9μm、単繊維総本数800本で135texのガラス長繊維を、経糸密度32本/25mm、緯糸密度30本/25mm、糸密度差2本/25mmで製織した、質量350g/mのクロスであった。それ以外は実施例1と同様にして、バックシートを得た。
(実施例6)
混抄紙として、質量が80g/m、ポリエステル繊維と天然パルプとの質量比が、ポリエステル繊維:天然パルプ=3:7のものを用いた。それ以外は実施例1と同様にして、バックシートを得た。
(比較例1)
実施例1の合成紙に代えて、クラフト紙(75g/m)を用いた。それ以外は実施例1と同様にして、バックシートを得た。
(比較例2)
ガラス長繊維クロスとして、ユニチカ社製のからみ織クロス「L90」を用いた。この「L90」は、質量90g/m、単繊維径9μm、経糸密度16×2本/25mm、緯糸密度16本/25mm、経緯糸密度差16本/25mmであった。また、ヒートクリーニングを行わなかった。それ以外は実施例1と同様にして、バックシートを得た。
(比較例3)
ガラス長繊維クロスとして、ユニチカ社製のガラス直交ネット「C22」を用いた。この「C22」は、質量125g/m、単繊維径9μm、経糸密度5×2本/25mm、緯糸密度5本/25mm、糸密度差5本/25mmであった。また、ヒートクリーニングを行わなかった。それ以外は実施例1と同様にしてバックシートを得た。
(比較例4)
ガラス長繊維クロスとして、ユニチカ社製の平織クロス「H47」を用いた。この「H47」は、単繊維径5μm、単繊維総本数200本で11.2texのガラス長繊維を、経糸密度55本/25mm、緯糸密度50本/25mm、糸密度差5本/25mmで製織した、質量47g/mのものであった。それ以外は実施例1と同様にして、バックシートを得た。
(比較例5)
ガラス長繊維クロスとして、ユニチカ社製の平織クロス「M85」を用いた。この「M85」は、単繊維径9μm、単繊維総本数400本で67.5texのガラス長繊維を、経糸密度16本/25mm、緯糸密度15本/25mm、糸密度差1本/25mmで製織した、質量85g/mのものであった。それ以外は実施例1と同様にして、バックシートを得た。
(比較例6)
ガラス長繊維クロスとして、単繊維径9μm、単繊維総本数400本で67.5texのガラス長繊維を、経糸密度42本/25mm、緯糸密度22本/25mm、糸密度差20本/25mmで製織した、質量175g/mの平織クロスを用いた。それ以外は実施例1と同様にして、バックシートを得た。
(比較例7)
混抄紙として、質量が80g/m、ポリエステル繊維と天然パルプとの質量比が、ポリエステル繊維:天然パルプ=0:10のものを用いた。それ以外は実施例1と同様にして、バックシートを得た。
(比較例8)
混抄紙として、質量が80g/m、ポリエステル繊維と天然パルプとの質量比が、ポリエステル繊維:天然パルプ=8:2のものを用いた。それ以外は実施例1と同様にして、バックシートを得た。
実施例1〜6のバックシートと比較例1〜8のバックシートとを、それぞれ210×298mmの試験体にカットし、その質量が定常になるように、温度80℃湿度0%(絶乾状態)の環境下に48時間静置させた。そして、静置後の試験体の縦方向および横方向の寸法を測定して、これらを基準寸法とした。
その後、試験体を温度40℃湿度90%の環境下に48時間静置させた後に、上記の基準寸法に対する縦方向および横方向の伸びを測定した。続いてさらに温度80℃湿度0%の環境下に48時間静置させた後に、上記の基準寸法に対する縦方向および横方向の縮みを測定した。
その結果を表1に示す。
Figure 2012002466
表1に示されるように、実施例1〜6では伸びおよび縮みはいずれも0.2%以下だったが、比較例1〜8ではそれぞれ0.2%を超えてしまった。
また、実施例1〜6は伸びと縮みのパーセンテージの値の差が0.1以内で、差が小さく復元性を有していたが、比較例1、3、7、8は、伸びと縮みのパーセンテージの値の差が0.1を超えており、復元性に欠けていた。
以上の性能評価から明らかなように、本発明のバックシートは、温度、湿度が変化したときの寸法変化が小さく、床暖房用システム用として優れたバックシートであった。
1 床材
2 フローリング材
3 バックシート

Claims (8)

  1. ガラス長繊維クロスに、混抄紙を含む合成紙が積層されており、前記ガラス長繊維クロスは、単繊維径が6〜11μmのガラス長繊維が、経、緯の糸密度がともに25本/25mm以上、かつ経、緯の糸密度差が15本/25mm以下の平織とされたものであって、その質量が150g/m以上であり、前記混抄紙は、ポリエステル繊維と天然パルプとが、ポリエステル繊維:天然パルプ=2:8〜4:6の質量比率で配合されたものであることを特徴とする床暖房用バックシート。
  2. 合成紙は、混抄紙に、無機質を含むコート層が積層されたものであることを特徴とする請求項1記載の床暖房用バックシート。
  3. コート層は質量が10g/m以上であることを特徴とする請求項2記載の床暖房用バックシート。
  4. ガラス長繊維クロスへの水系の熱可塑性エマルジョン樹脂の含浸により、ガラス長繊維クロスに同樹脂が含浸されていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の床暖房用バックシート。
  5. 熱可塑性エマルジョン樹脂はオレフィン系樹脂であり、このオレフィン系樹脂が、ガラス長繊維クロスとオレフィン系樹脂との合計質量に対して5〜10質量%の割合で含浸されていることを特徴とする請求項4記載の床暖房用バックシート。
  6. 無機質を含むコート層は、二酸化チタンを含むとともに、さらに必要に応じて珪酸アルミニウムとアクリル系共重合樹脂とを含むものであることを特徴とする請求項2または3記載の床暖房用バックシート。
  7. 熱可塑性エマルジョン樹脂はオレフィン系樹脂であり、合成紙は前記熱可塑性エマルジョン樹脂と同系のオレフィン系樹脂を介してガラス長繊維クロスに貼り合わされていることを特徴とする請求項4記載の床暖房用バックシート。
  8. 温度80℃の絶乾状態の環境下で48時間静置させた後のバックシートについて、縦方向および横方向の基準となる寸法を測定し、
    次に前記バックシートを温度40℃湿度90%の環境下で48時間静置させた後に、前記基準寸法に対する縦方向および横方向の伸びを測定したときの値が0.2%以下であり、
    さらに前記バックシートを温度80℃の絶乾状態の環境下で48時間静置させた後に、前記基準寸法に対する縦方向および横方向の縮みを測定したときの値が0.2%以下であり、
    かつ前記伸びと縮みのパーセンテージの値の差が0.1以内であることを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項記載の床暖房用バックシート。
JP2010140040A 2010-06-21 2010-06-21 床暖房用バックシート Active JP5615056B2 (ja)

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JPH1193388A (ja) * 1997-09-22 1999-04-06 Daiken Trade & Ind Co Ltd 発熱床板
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