JP2001301073A - ハニカムコア材を芯材とする積層構造体 - Google Patents

ハニカムコア材を芯材とする積層構造体

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JP2001301073A
JP2001301073A JP2000118224A JP2000118224A JP2001301073A JP 2001301073 A JP2001301073 A JP 2001301073A JP 2000118224 A JP2000118224 A JP 2000118224A JP 2000118224 A JP2000118224 A JP 2000118224A JP 2001301073 A JP2001301073 A JP 2001301073A
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honeycomb core
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thermoplastic resin
laminated structure
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Eitoku Yasuda
永徳 安田
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SHINKO KASEI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハニカムコア材を芯材とし、両面に熱可塑性樹
脂シートが設けられたサンドイッチ構造を有し、かつ引
張り接着力の高い積層構造体を提供する。 【解決手段】両面の熱可塑性樹脂シートが、無機フィラ
ー20〜85重量%を含む厚み1〜10mmのものであっ
て、(1)ハニカムコア材と該シートとの間に介在する
接着層が、厚み200〜5,000μmの接着剤層から
なり、かつハニカムコア材の端面が、該接着剤層とシー
トとの界面まで貫入しているか、あるいは(2)上記接
着層がシートに接する接着剤層Aと合成紙とハニカムコ
ア材に接する厚み200〜5,000μmの接着剤層B
からなり、かつハニカムコア材の端面が、接着剤層Bと
合成紙との界面まで貫入している構造を有する積層構造
体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハニカムコア材を芯
材とする積層構造体に関する。さらに詳しくは、本発明
は、ハニカムコア材を芯材とするサンドイッチ構造を有
し、該ハニカムコア材とその両面に設けられた熱可塑性
樹脂シートとの接着性が良く、例えばドア、壁材、間仕
切りなどの建築用材料として、あるいは家具や台所製品
のキャビネットの表面化粧板、机の天板などとして好適
に用いられる積層構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、紙、プラスチック、アルミニウム
などの軽量材料からなるハニカムコア材を芯材とし、そ
の両面に熱可塑性樹脂シートを設けてなるサンドイッチ
構造の積層体は、軽量性、断熱性、防音性などに優れて
いることから、ドア、壁材、間仕切りなどの建築用材料
として賞用されており、また、軽量性の点から、家具や
台所製品のキャビネットの表面化粧板、あるいは机の天
板などとしても用いられている。ところで、建築用材料
や家具、台所製品のキャビネットなどの表面化粧板など
には、これまで、適度の柔軟性を有し、かつ加工性が良
いことなどから、一般に塩化ビニル系樹脂製シートが用
いられてきた。しかしながら、この塩化ビニル系樹脂製
シートは、耐久性(摩耗、傷付き、窪みなどに対する耐
性)や清掃性が悪く、かつ焼却時に有害な塩素やダイオ
キシンを発生するため、環境汚染の面で問題を有する
上、その中に含まれている可塑剤がブリードしやすく、
外観不良を引き起こすなどの問題も有していた。したが
って、塩化ビニル系樹脂を使用しないで、環境に対して
優しい建築材料や化粧板などの開発が望まれている。こ
のような状況下で、ハニカムコア材を芯材とするサンド
イッチ構造の積層体においても、その両面の熱可塑性樹
脂シートとして、環境に対して優しいシートが望まれ、
ポリプロピレン系樹脂シートなどのポリオレフィン系樹
脂シートが用いられるようになってきた。このようなハ
ニカムコア材を芯材とする積層構造体においては、ハニ
カムコア材と両面の熱可塑性樹脂シートとの接着強度が
重要となる。ハニカムコア材は、その構造的特徴から、
その両面の熱可塑性樹脂シートとの接着が、線状接着と
なるため、接着剤を用いる通常の接着では接着強度が弱
く、耐久性に乏しいという問題が生じる。そこで、この
ような問題を解決するために、例えば(1)ハニカムコ
ア材の端面に接着剤を塗布して固化させたのち、この上
にさらに同一又は異なる接着剤を塗布し、表面板を接着
する方法により作製されたハニカムサンドイッチパネル
(特開昭55−103948号公報)、(2)高温加熱
圧着法によりハニカムコア材の端面を、接着性フィルム
を介して無機フィラーを高充填した熱可塑性樹脂シート
に喰い込ませてなる複合積層体(特公昭57−2091
号公報)などが開示されている。しかしながら、上記
(1)のハニカムサンドイッチパネルにおいては、接着
剤層を単にハニカムコア材及び表面板に対して、それぞ
れ接着性の良い接着剤からなる二層構造にして、コア材
と表面板の接着性を向上させたものであり、コア材端面
の接着剤層への喰い込みについては言及されていない。
また、コア材は、端面が必ずしも同一平面上にあるとは
いえず、多少の凹凸があり、したがって、この方法で
は、コア材が表面板に満遍なく均一に接着するとは限ら
ないという問題もある。一方、前記(2)の複合積層体
においては、コア材の端面が熱可塑性樹脂シートの中へ
喰い込んでいるので、コア材端面の凹凸の問題も解消さ
れ、接着強度の高いものが得られるが、該熱可塑性樹脂
シートにコア材端面を喰い込ませるために、高温での圧
着成形を必要とし、例えば熱可塑性樹脂シートがポリプ
ロピレン系樹脂シートの場合には、170℃前後の温度
において、0.5〜1MPa程度の圧で圧着成形しなけ
ればならない。したがって、設備費やユーティリティが
高くつき、得られる複合積層体がコスト高になるのを免
れない。また、熱可塑性樹脂シートの外側表面に絵柄層
やクリアコート層などが設けられたり、エンボス加工が
施されている場合、これらが損傷を受けるおそれがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、ハニカムコア材を芯材とするサンドイッ
チ構造を有し、該ハニカムコア材とその両面に設けられ
た熱可塑性樹脂シートとの接着性が良く、かつ高温圧着
することなく、低温圧着成形により低コストで簡単に得
ることができ、例えば建築用材料、家具や台所製品のキ
ャビネットの表面化粧板、机の天板などとして好適に用
いられるハニカムコア材を芯材とする積層構造体を提供
することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の好ま
しい性質を有する積層構造体を開発すべく鋭意研究を重
ねた結果、無機フィラーを高充填した肉厚の熱可塑性樹
脂シート、好ましくはポリオレフィン系樹脂シートを、
ハニカムコア材の両面に接着層を介して設けたものであ
って、上記接着層として、通常よりも厚い接着剤層をそ
れぞれ設け、これに特定の深さまでハニカムコア材の端
面を貫入させてなる積層構造体、あるいは上記接着層と
して、熱可塑性樹脂シートに接する接着剤層Aと、熱可
塑性樹脂合成紙と、ハニカムコア材に接する通常よりも
厚い接着剤層Bの三層構造のものをそれぞれ設け、該接
着剤層Bに、特定の深さまでハニカムコア材の端面を貫
入させてなる積層構造体が、その目的に適合し得ること
を見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、(1)ハニカムコア材の両面
に、接着層を介して無機フィラー20〜85重量%を含
む厚み1〜10mmの熱可塑性樹脂シートが設けられてな
る積層構造体であって、上記接着層が、それぞれ厚み2
00〜5,000μmの接着剤層からなり、かつ該接着
剤層に、上記ハニカムコア材の両端面が、接着剤層と熱
可塑性樹脂シートとの界面まで貫入していることを特徴
とするハニカムコア材を芯材とする積層構造体、(2)
ハニカムコア材の両面に、接着層を介して無機フィラー
20〜85重量%を含む厚み1〜10mmの熱可塑性樹脂
シートが設けられてなる積層構造体であって、上記接着
層が、それぞれ、熱可塑性樹脂シートに接する接着剤層
Aと、熱可塑性樹脂合成紙と、ハニカムコア材に接する
厚み200〜5,000μmの接着剤層Bの三層構造か
らなり、かつ該接着剤層Bに、上記ハニカムコア材の両
端面が、接着剤層と熱可塑性樹脂合成紙との界面まで貫
入していることを特徴とするハニカムコア材を芯材とす
る積層構造体、(3)熱可塑性樹脂シートが、ポリオレ
フィン系樹脂シートである第1項又は第2項記載のハニ
カムコア材を芯材とする積層構造体、及び(4)熱可塑
性樹脂合成紙が、ポリオレフィン系樹脂合成紙である第
2項又は第3項記載のハニカムコア材を芯材とする積層
構造体、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のハニカムコア材を芯材と
する積層構造体(以下、単に「本発明の積層構造体」と
称す。)は、ハニカムコア材の両面に、接着層を介して
無機フィラーが高充填された熱可塑性樹脂シートが設け
られたサンドイッチ構造を有するものである。本発明の
積層構造体における両面の熱可塑性樹脂シートには、樹
脂成分として熱可塑性樹脂が用いられ、この熱可塑性樹
脂としては、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられるが、これら
の中で、特にポリオレフィン系樹脂が好適である。この
ポリオレフィン系樹脂としては、特に制限はなく、例え
ばエチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテ
ン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン
−1などのα−オレフィンの単独重合体やこれらの共重
合体、あるいはこれらと他の共重合可能な不飽和単量体
との共重合体などが挙げられる。代表例としては、高密
度、中密度、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエ
チレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体など
のポリエチレン類、プロピレン単独重合体、プロピレン
−エチレンブロック共重合体やランダム共重合体、プロ
ピレン−エチレン−ジエン化合物共重合体などのポリプ
ロピレン類、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン
−1などを挙げることができる。上記ポリプロピレン類
の中では結晶性のポリプロピレン系樹脂がよく用いら
れ、この結晶性のポリプロピレン系樹脂としては、例え
ば結晶性を有するアイソタクチックプロピレン単独重合
体、エチレン単位の含有量の少ないエチレン−プロピレ
ンランダム共重合体、プロピレン単独重合体からなるホ
モ部とエチレン単位の含有量の比較的多いエチレン−プ
ロピレンランダム共重合体からなる共重合部とから構成
されたプロピレンブロック共重合体、さらには前記プロ
ピレンブロック共重合体における各ホモ部又は共重合部
が、さらにブテン−1などのα−オレフィンを共重合し
たものからなる結晶性のプロピレン−エチレン−α−オ
レフィン共重合体などが挙げられる。このポリオレフィ
ン系樹脂は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよく、また、再生品も用いることができる
が、積層構造体の用途に応じて適宜選択して用いるのが
好ましい。この熱可塑性樹脂シートは、無機フィラー2
0〜85重量%を含むことが必要である。この含有量が
20重量%未満では切削加工性や剛性などが不十分であ
るし、85重量%を越えるとシート成形性及び耐衝撃性
が低下する上、重量が重くなり、好ましくない。好まし
い無機フィラーの含有量は30〜75重量%の範囲であ
る。ここで、無機フィラーとしては、例えば炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、カオリン、シリカ、パーライト、硫酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、焼成アルミナ、ケイ酸カルシ
ウム、タルク、マイカなどが挙げられ、これらは単独で
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。これらの無機フィラーの中で、切削性及び経済性な
どの点から、炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニ
ウム及び水酸化マグネシウムが好ましく、特に炭酸カル
シウムが好適である。この炭酸カルシウムとしては特に
制限はなく、沈降製炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、軽質炭酸カルシウムなど、いずれも用いることがで
きる。この炭酸カルシウムの平均粒径は、通常0.05
〜200μm、好ましくは0.5〜20μmの範囲であ
る。該シートには、所望により、各種添加成分、例えば
酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、塩素
捕捉剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、離型剤、着色剤、さ
らには可塑剤やプロセスオイルや流動パラフィンなどの
軟化剤、他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーなど
を適宜含有させることができる。このシートを作製する
には、まず、前述したポリオレフィン系樹脂などの熱可
塑性樹脂と、成形材料全量に基づき20〜85重量%の
炭酸カルシウムなどの無機フィラーと、さらに所望によ
り用いられる各種添加成分とを配合し、タンブラーブレ
ンダー、ヘンシェルミキサーなどで混合するか、又は混
合後さらに単軸押出機や多軸押出機を用いて溶融混練造
粒することにより、シート用成形材料を調製する。次い
で、この成形材料を、公知の方法、例えばキャスト成
形、押出しシート成形、カレンダー成形などの方法によ
って成形し、シートを作製する。なお、押出機中でこの
成形材料を発泡させ、適当な発泡倍率を有する発泡シー
トを作製してもよい。
【0006】本発明においては、熱可塑性樹脂シートと
して、1〜10mmの厚みを有し、積層構造体の用途に応
じて、上記範囲で適宜選定された厚みを有する熱可塑性
樹脂シートが用いられる。この熱可塑性樹脂シートの外
側表面には、所望により、エンボス加工を施したり、絵
柄層を設けてもよく、さらに耐摩耗性、耐候性、耐傷付
き性、耐汚染性などを付与する目的で、クリアコート層
を設けることができる。本発明においては、両側の2枚
の熱可塑性樹脂シートは、同一材料からなるものであっ
てもよいし、異なる材料からなるものであってもよく、
また同一の厚さを有するものであってもよいし、異なる
厚さを有するものであってもよい。本発明においては、
このようにして得られた熱可塑性樹脂シートの少なくと
も接着層が設けられる面に、該接着層との密着性を向上
させる目的で、所望により、該シートに酸化法や凹凸化
法などの物理的又は化学的表面処理を施すことができ
る。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロ
ム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処
理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサ
ンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これら
の表面処理法は、シートの種類に応じて適宜選ばれる
が、一般にはコロナ放電処理法が、効果及び操作性など
の面から、好ましく用いられる。一方、ハニカムコア材
を形成する素材としては特に制限はなく、従来ハニカム
コア材に使用されている公知のもの、例えばクラフト
紙、セミケミカルパルプ紙などの紙類、アスベスト紙や
アラミド繊維紙などの紙様素材、各種プラスチック、ア
ルミニウム、鉄、銅などの金属などを挙げることができ
る。このハニカムコア材のセルサイズ(六角形の短径)
は、通常5〜30mm程度、厚さは、通常3〜50mm程度
であり、積層構造体の用途に応じて適宜選定することが
できる。このハニカムコア材は、使用時には展張した状
態で用いる。本発明の積層構造体においては、このハニ
カムコア材の両面に、前記熱可塑性樹脂シートが接着層
を介して設けられたものであるが、熱可塑性樹脂シート
とハニカムコア材との接着に関して、下記の2つの態様
がある。すなわち、(1)上記接着層が、それぞれ厚み
200〜5,000μmの接着剤層からなり、かつ該接
着剤層に、前記ハニカムコア材の両端面が、接着剤層と
熱可塑性樹脂シートとの界面まで貫入している状態のも
の、及び(2)上記接着層が、それぞれ熱可塑性樹脂シ
ートに接する接着剤層Aと、熱可塑性樹脂合成紙と、ハ
ニカムコア材に接する厚み200〜5,000μmの接
着剤層Bの三層構造からなり、かつ該接着剤層Bに、前
記ハニカムコア材の両端面が、接着剤層と熱可塑性樹脂
合成紙との界面まで貫入している状態のもの、がある。
上記(1)の態様においては、接着剤として、ハニカム
コア材と熱可塑性樹脂シートの両方に対して、良好な接
着性を有するものが用いられる。このような接着剤とし
ては、加熱時に粘着性を示すもの、例えば塩素化ポリオ
レフィン樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、
アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂、アクリル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系
樹脂、アイオノマー系樹脂などを主成分とする公知の接
着剤の中から、ハニカムコア材及び熱可塑性樹脂シート
の材質に応じて、適宜選択して用いることができる。接
着剤層の厚さは、通常の接着では1〜20μm程度であ
るが、本発明においては、ハニカムコア材の端面を該接
着剤層の中に貫入させるために、通常の接着の場合より
も、はるかに厚い200〜5,000μmとする。この
接着剤は、ハニカムコア材の端面に塗布してもよいし、
熱可塑性樹脂シートの表面に塗布してもよく、あるいは
その両方に塗布してもよいが、熱可塑性樹脂シートの表
面に塗布するのが、作業性の面から好ましい。接着剤を
塗布する方法については、本発明では、通常よりもかな
り厚く塗布するために経済性の面から、熱可塑性樹脂シ
ートの表面におけるハニカムコア材の端面が接する部分
に、選択的に塗布するのが有利である。したがって、塗
布部分にクシ状の刻みを設けたくし目ごてや、ロール表
面に溝が設けられた縞ロールなどを用い、使用するハニ
カムコア材の端面の形状に合わせて、接着剤を塗布する
のがよい。このようにして接着剤を塗布したのち、加熱
圧着法によりハニカムコア材と熱可塑性樹脂シートを接
着させる。この際の加熱圧着条件としては、使用する接
着剤の種類などに応じて適宜選定されるが、一般的には
15〜80℃の範囲において、0.5〜3.0MPaの加
圧下に圧着して、接着させる。これにより、ハニカムコ
ア材の端面を接着剤層の中に、該接着剤層と熱可塑性樹
脂シートとの界面まで貫入させ、ハニカムコア材と熱可
塑性樹脂シートとを強固に接着させる。
【0007】一方、前記(2)の態様は、上記(1)の
態様よりも、さらに強固にハニカムコア材と熱可塑性樹
脂シートとを接着させた状態を示す。この(2)の態様
においては、まず熱可塑性樹脂シートの表面に、接着剤
層Aを介してフィルム状の熱可塑性樹脂合成紙を設け
る。この熱可塑性樹脂合成紙は、熱可塑性樹脂と無機充
填剤との組合わせにより表層を紙化したものであって、
極めて接着剤との密着性に優れている。この熱可塑性樹
脂合成紙としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレ
ン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂
合成紙などが知られているが、本発明においては、特に
ポリオレフィン系樹脂合成紙が好ましく用いられる。上
記ポリオレフィン系樹脂合成紙はポリプロピレンやポリ
エチレンに、全重量に基づき、炭酸カルシウムと酸化チ
タンを5〜30重量%程度配合して成膜したものであ
り、本発明においては、厚みが50〜150μm程度の
フィルム状のものが用いられる。また、この熱可塑性樹
脂合成紙と熱可塑性樹脂シートの間に設けられる接着剤
層Aに用いられる接着剤としては、熱可塑性樹脂シート
と同質のフィルム、あるいは加熱時に粘着性を示すもの
が挙げられる。ここで、加熱時に粘着性を示す接着剤と
しては、前記(1)の態様において例示した接着剤の中
から、該合成紙と熱可塑性樹脂シートの両方に対して、
良好な接着性を示すものを適宜選択し用いることができ
る。該接着剤層Aの厚さは1〜20μm程度である。な
お、接着剤層Aとして熱可塑性樹脂シートと同質のフィ
ルムを用いる場合には、予め合成紙の裏面に、ウレタン
系やアクリル系などの接着剤により、該フィルムを接着
しておくのが有利であり、これにより、該合成紙は熱可
塑性樹脂シートに熱融着が可能となる。次に、接着剤層
Bを設けるが、この接着剤としては、前記(1)の態様
において例示した接着剤の中から、ハニカムコア材と合
成紙の両方に対して良好な接着性を示すものを適宜選択
して用いることができる。この接着剤層Bの厚さは、ハ
ニカムコア材の端面を該接着剤の中に貫入させるため
に、前記(1)の態様の場合と同様に、通常の接着の場
合よりも、はるかに厚い200〜5,000μmとす
る。この接着剤は、ハニカムコア材の端面に塗布しても
よいし、熱可塑性樹脂合成紙の表面に塗布してもよく、
あるいはその両方に塗布してもよいが、熱可塑性樹脂合
成紙の表面に塗布するのが、作業性の面から好ましい。
接着剤の塗布方法としては、前記(1)の態様で説明し
たとおりである。このようにして接着剤を塗布したの
ち、加熱圧着法によりハニカムコア材と熱可塑性樹脂シ
ートを接着させる。この際の加熱圧着条件としては、使
用する接着剤の種類などに応じて適宜選択されるが、一
般的には、前記(1)の態様における条件と同様の条件
を採用することができる。これにより、ハニカムコア材
の端面を接着剤層Bの中に、該接着剤層と熱可塑性樹脂
合成紙との界面まで貫入させ、ハニカムコア材と熱可塑
性樹脂シートとを強固に接着させる。このように、本発
明の積層構造体は、低温圧着成形法を採用することがで
きるので、高温圧着成形法に比べて、熱可塑性樹脂シー
トの外側表面に、様々な加飾加工や表面特性改良加工な
どが施されていても、圧着成形時に、それらに損傷を与
えることがない上、低コストで製造することができる。
図1及び図2は、それぞれ本発明の積層構造体の異なる
例の部分拡大断面図である。図1で示される本発明の積
層構造体10は、熱可塑性樹脂シート1とハニカムコア
材2が接着剤層3によって接着されており、そして、ハ
ニカムコア材2が接着剤層3の中に、該接着剤層と熱可
塑性樹脂シート1との界面まで貫入している状態を示
す。一方、図2で示される本発明の積層構造体20は、
熱可塑性樹脂シート1とハニカムコア材2が、接着剤層
A4と熱可塑性樹脂合成紙5と接着剤層B3'からなる
接着層6によって接着されており、そしてハニカムコア
材2が接着剤層B3'の中に、該接着剤層と熱可塑性樹
脂合成紙5との界面まで貫入している状態を示す。
【0008】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。なお、得られた積層構造体の平面
引張り接着力は、下記の方法に従って測定した。 〈平面引張り接着力〉積層構造体から、2.0cm角の試
験片を切り出し、引張り試験機で引張り速度5mm/分に
て測定した。 実施例1 (1)ポリプロピレン樹脂シートの作製 ホモポリプロピレン[重量平均分子量約32万、MI
3.1g/10分]45重量部、平均粒径1.0μmの炭
酸カルシウム粉末55重量部、ヒンダードフェノール系
酸化防止剤0.2重量部をドライブレンドしたのち、二
軸混練機にて溶融混練し、押出しシート成形により、厚
さ3.0mmのポリプロピレン樹脂シートを作製した。次
に、このシートの片面に常法に従って、コロナ放電処理
を施したのち、巾1000mm、長さ3250mmのシート
2枚を切り出した。 (2)積層構造体の作製 前記(1)で得られた2枚のポリプロピレン樹脂シート
のコロナ放電処理面に、それぞれウレタン系接着剤を乾
燥厚みが400μmになるように、くし目ごてを用いて
塗付し、実質上ハニカムコア材の端面が接する部分に接
着剤層を設けた。次に、ハニカムコア材として、ペーパ
ーハニカム「ローヤルコア」[ローヤル工業社製、商品
名:セルサイズ(六角形の短径)20.5mm、空隙率
(展張後の紙部分に対する空間の割合)95%、厚み2
0mm、展張後の大きさ巾950mm×長さ3200mm、使
用原紙セミケミカルパルプ紙]を用い、ポリプロピレン
樹脂シート/接着剤層/ハニカムコア材(展張)/接着
剤層/ポリプロピレン樹脂シートの構成になるように各
材料を重ね、これを、プレス機にて、温度40℃、圧
2.0MPaの条件で加熱圧着成形することにより、図
1で示すように、ハニカムコア材の両端面が、接着剤層
とポリプロピレン樹脂シートとの界面まで貫入してなる
積層構造体を作製した。この積層構造体の引張り接着力
は1.7N/mm2であった。 実施例2 (1)ポリプロピレン樹脂シートの作製 実施例1(1)と同様にして、巾1000mm、長さ32
50mmであり、かつ片面にコロナ放電処理を施したポリ
プロピレン樹脂シート2枚を作製した。 (2)合成紙貼付シートの作製 高密度ポリエチレンに炭酸カルシウムと酸化チタンを配
合して成膜してなる厚さ100μmの合成紙の片面に、
塩素化ポリプロピレン樹脂からなる厚さ3μmの接着剤
層Aを設けた。前記(1)で得られた2枚のポリプロピ
レン樹脂シートのコロナ放電処理面に、それぞれ上記合
成紙を塩素化ポリプロピレン樹脂からなる接着剤層A
が、該シートに接するようにして、温度150℃でのプ
レス法による熱融着により積層することによって、合成
紙貼付シートを作製した。 (3)積層構造体の作製 前記(2)で得られた2枚の合成紙貼付シートの合成紙
上に、それぞれウレタン系接着剤(前出)を、乾燥厚み
が600μmになるように、くし目ごてを用いて塗布
し、実質上ハニカムコア材の端面が接する部分に接着剤
層Bを設けた。次に、ハニカムコア材として、ペーパー
ハニカム「ローヤルコア」(前出)を用い、ポリプロピ
レン樹脂シート/接着剤層A/合成紙/接着剤層B/ハ
ニカムコア材(展張)/接着剤層B/合成紙/接着剤層
A/ポリプロピレン樹脂シートの構成になるように各材
料を重ね、これを、プレス機にて、温度40℃、圧1.
8MPaの条件で加熱圧着成形することにより、図2で
示すように、ハニカムコア材の両端面が、接着剤層Bと
合成紙との界面まで貫入してなる積層構造体を作製し
た。この積層構造体の引張り接着力は2.2N/mm2であ
った。 比較例1 実施例1において、接着剤層の厚みを10μmに変更し
た以外は、実施例1と全く同様にして、ポリプロピレン
樹脂シート/接着剤層/ハニカムコア材(展張)/接着
剤層/ポリプロピレン樹脂シートの構成を有する積層構
造体を作製した。この積層構造体の引張り接着力は1.
1N/mm2であった。
【0009】
【発明の効果】本発明によれば、高い引張り接着力を有
する、ハニカムコア材を芯材とし、両面が熱可塑性樹脂
シートからなるサンドイッチ構造の積層体を、低温圧着
成形により、低コストで作製することができる。また、
低温圧着成形を採用することにより、該熱可塑性樹脂シ
ートの外側表面に、絵柄層やクリアコート層などが設け
られたり、あるいはエンボス加工が施されていても、こ
れらに損傷を与えることがない。本発明の積層構造体
は、例えばドア、壁材、間仕切りなどの建築用材料とし
て、あるいは家具や台所製品のキャビネットの表面化粧
板、机の天板などとして好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の積層構造体の1例の部分拡大
断面図である。
【図2】図2は、本発明の積層構造体の別の例の部分拡
大断面図である。
【符号の説明】
1 熱可塑性樹脂シート 2 ハニカムコア材 3 接着剤層 3' 接着剤層B 4 接着剤層A 5 熱可塑性樹脂合成紙 6 接着層 10 本発明の積層構造体 20 本発明の積層構造体
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA14 AA16 AA20 AA81 AB18 AB21 AE17 BB06 BC01 4F100 AA00B AA00C AK01B AK01C AK01G AK03B AK03C AK07 AK51 AT00 AT00B AT00C BA03 BA05 BA06 BA10B BA10C CA06 CA23 CA23B CA23C CB02 DC02A DC04 DG15D DG15E DG15G EH17 EJ55 GB08 GB81 JB16B JB16C JK06 4J002 BB031 BB051 BB061 BB071 BB121 BB151 BB171 BP021 DE076 DE146 DE236 DG046 DG056 DJ006 DJ016 DJ036 DJ046 DJ056 FD016 GF00 GL00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハニカムコア材の両面に、接着層を介して
    無機フィラー20〜85重量%を含む厚み1〜10mmの
    熱可塑性樹脂シートが設けられてなる積層構造体であっ
    て、上記接着層が、それぞれ厚み200〜5,000μ
    mの接着剤層からなり、かつ該接着剤層に、上記ハニカ
    ムコア材の両端面が、接着剤層と熱可塑性樹脂シートと
    の界面まで貫入していることを特徴とするハニカムコア
    材を芯材とする積層構造体。
  2. 【請求項2】ハニカムコア材の両面に、接着層を介して
    無機フィラー20〜85重量%を含む厚み1〜10mmの
    熱可塑性樹脂シートが設けられてなる積層構造体であっ
    て、上記接着層が、それぞれ、熱可塑性樹脂シートに接
    する接着剤層Aと、熱可塑性樹脂合成紙と、ハニカムコ
    ア材に接する厚み200〜5,000μmの接着剤層B
    の三層構造からなり、かつ該接着剤層Bに、上記ハニカ
    ムコア材の両端面が、接着剤層と熱可塑性樹脂合成紙と
    の界面まで貫入していることを特徴とするハニカムコア
    材を芯材とする積層構造体。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂シートが、ポリオレフィン系
    樹脂シートである請求項1又は2記載のハニカムコア材
    を芯材とする積層構造体。
  4. 【請求項4】熱可塑性樹脂合成紙が、ポリオレフィン系
    樹脂合成紙である請求項2又は3記載のハニカムコア材
    を芯材とする積層構造体。
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