JP2006212791A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】記録ヘッドHDは、複数のノズルが配列形成されたヘッドユニットH1〜H4を、記録媒体の搬送方向と直交する主走査方向Yに沿って所定間隔で整列するドット列を形成可能に当該搬送方向と交差するユニット配列方向に沿って、ヘッドユニットH1〜H4を支持する支持枠SWに並べて脱着可能に配設した構成を有し、
ヘッドユニットH1〜H4は、それぞれ平面視でヘッドユニットH1〜H4のユニット体の外側に所定の前記ノズルから所定寸法となるように調整された突出量を有する突出部を、支持枠SWに設けられた位置決め基準部に当接させて配設されている。
【選択図】 図3
Description
一般的に、複数のヘッドユニットを並べてラインヘッドを構成する場合、各ヘッドユニットは、例えば、360dpiの記録解像度では、ヘッドユニット間でのノズル間隔が±5μm程度の許容範囲内に収まるように、厳しい位置精度が要求される。このノズル間隔が許容範囲から外れてしまうと、ノズルから吐出されたインク滴が形成するドット同士の間隔が、ヘッドユニット間での記録の境界部で、他の部分よりも広くなってしまったり、狭くなってしまったりするバンディングが発生してしまう。また、ノズル間隔における許容範囲は、記録解像度が高くなるほど狭くなっていく。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ヘッドユニット間でのノズル間隔精度を向上させることが可能であるとともに、ノズル間隔精度を損なうことなくヘッドユニットを容易に交換することが可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
従って、ノズル間隔精度に影響する要因を低減でき、ノズル間隔精度の向上が可能となる。また、ヘッドユニットを交換する際には、突出部を位置決め基準部に当接させるだけで良好なノズル間隔精度を確保することが可能であり、容易且つ精度良く交換することが可能となる。
従って、偏芯部材を回転させるという簡易な方法で、ノズル間隔精度を向上させることが可能となる。
第3の発明は、第2の発明において、前記ユニット体には、少なくとも3個の前記偏芯部材が、該偏芯部材のそれぞれの前記突出量を調整可能に配設されていることを特徴とする。
本発明の実施形態におけるインクジェット記録装置1は、平面図である図1(a)及び正面図である図1(b)に示すように、ゲートローラGRと、用紙搬送部CVと、記録ヘッドHDと、を備えている。なお、この図1において、X方向は、記録用紙Pの搬送方向を示し、Y方向は、X方向と直交する方向を示している。
ここで、上記の各構成の詳細を説明する。
記録ヘッドHDは、平面図である図3に示すように、4つのヘッドユニットH1〜H4と、これらヘッドユニットH1〜H4を支持する支持枠SWとを備えて構成されている。
ヘッドユニットH1〜H4は、それぞれ平面図である図4(a)に示すように、ユニット体UBとすり割り付きの偏芯小ねじHS1〜HS3とを備えて構成されている。ユニット体UBには、側面図である図4(b)に示すように、この図で見て上下の側面のそれぞれに腕部AMが形成されている。なお、偏芯小ねじHS1〜HS3は、説明の便宜上異なる符号を付してあるが、それぞれ同じものである。
ここで、偏芯小ねじHS1〜HS3は、ユニット体UBの後述する支持枠SWに対する位置を規制するために備えられているものであり、後述する回転位置が調整された後に腕部AMに接着固定される。
支持枠SWは、平面図である図5(a)に示すように、ヘッドユニットH1〜H4ごとに、側壁によって仕切られたユニット配設槽HT1〜HT4が形成されている。これらユニット配設槽HT1〜HT4の底面には、それぞれヘッドユニットH1〜H4を挿入するヘッドユニット挿入開口部OHと、後述する十字穴付き小ねじCSをとめるねじ穴NHとが形成されている。
また、各内側壁WYは、図5(a)で見て、ユニット配設槽HT1〜HT4ごとに、X方向に沿って延びる内側壁WXとの垂直精度が高く形成されている。さらに、ユニット配設槽HT1及びHT2間の内側壁WYは、Y方向に沿って延びる直線上に位置している。ユニット配設槽HT3及びHT4間の内側壁WYも同様に、Y方向に沿って延びる直線上に位置している。
ここで、ヘッドユニットH1〜H4のそれぞれは、図3に示すように、支持枠SWのヘッドユニット挿入開口部OHに挿入され、偏芯小ねじHS1〜HS3を内側壁WX及び内側壁WYに当接させてX方向及びY方向の位置が決められる。そして、各ヘッドユニットH1〜H4は、2つの腕部AMに形成されているねじ挿通孔FHを介して十字穴付き小ねじCSによって、腕部AMが支持枠SWに固定されている。
上記の構成を有する記録ヘッドHDは、図1(a)に示すように、用紙搬送部CV上で、記録領域KRが記録用紙PのY方向における幅を跨ぐようにノズルNZを記録用紙Pに向けて、且つ図1(b)に示すように、ノズル面と記録用紙Pの記録面PPとの間が所定間隔に保たれるように配設されている。
用紙搬送部CVは、図1(a)に示すように、搬送部駆動モーターMoから動力が伝達される駆動ローラDSと、この駆動ローラDSに平行且つ駆動ローラDSのX方向上流側に配設される従動ローラFSと、駆動ローラDS及び従動ローラFSにかけ渡される搬送ベルトVと、を備えている。
また、従動ローラFSは、図示しないが、駆動ローラDSとの間にかけ渡される搬送ベルトVに緩みが発生しないように張力を付与するため、X方向上流方向に力が付与されている。
ゲートローラGRは、図1(a)及び(b)に示すように、用紙搬送部CVのX方向上流側に配設され、互いに外周を接し合って回転する一対のローラを備えて構成されている。このゲートローラGRは、給紙部KSによって記録用紙Pが一対のローラ間に突き当てられるように供給されると、この記録用紙PのX方向に対する傾き及びY方向の位置ずれを矯正するスキュー補正を行う。そして、このゲートローラGRは、図2に示すように、所定のタイミングでCPUから用紙供給指令を受けたゲートローラ制御部GRDによって駆動が制御され、スキュー補正を行った記録用紙Pを用紙搬送部CVに供給する。
上述した構成を有するインクジェット記録装置1は、図1(a)及び(b)に示すように、搬送ベルトV上に載置されて記録ヘッドHD下をX方向に搬送される記録用紙Pの記録面PPに向けてインク滴を吐出させて記録を行う。すなわち、インクジェット記録装置1は、搬送ベルトVによって記録ヘッドHD下を連続的又は間欠的に移動される記録用紙PにノズルNZからインク滴を吐出させ、記録ヘッドHDを移動させることなく記録を完了する。
ここで、各ヘッドユニットH1〜H4の製造方法について説明する。
ここでは、まず、回転位置調整工程で使用される治工具類及び治工具位置合わせ工程で使用される治工具類を、この順序で説明し、次に、治工具位置合わせ工程、回転位置調整工程及び接着工程を、この順序で説明し、製造方法の理解の容易化を図る。
この回転位置調整治具TLは、平面研削盤などの工作機械によって形成され、底面BM並びに内側壁TY及びTXを、それぞれの平面精度及び互いの垂直精度が高く加工されている。
また、各偏芯小ねじHS1〜HS3は、図7(a)中のB部詳細図である図9(a)に示すように、距離Rなる半径を有する頭部TBの中心が、軸部JKの中心から距離Kを隔てて偏っている。この図9(a)に示す状態では、回転位置調整治具TLの内側壁TXから軸部JKの中心までの距離が距離Rとなっている。
また、各偏芯小ねじHS1〜HS3を、図9(a)に示す状態からこの図で見て時計方向に90度回転させると、図9(c)に示すように、内側壁TXから軸部JKの中心までの距離が距離(R+K)となる。
次に、治工具位置合わせ工程で使用される治工具類について説明する。
この治工具位置合わせ工程は、回転位置調整治具TLと光学顕微鏡MS1及びMS2の光軸との位置を、基準スケールを使用して合わせる工程である。
また、スケール板BDの裏面RPには、底面図である図10(c)に示すように、側面PYに平行なスケールSC1と側面PXに平行なスケールSC2とが、側面PYから距離LX及び側面PXから距離LYの位置で交差するように刻まれている。
次に、治工具位置合わせ工程の流れを説明する。
この治工具位置合わせ工程では、まず、基準スケールSCを、平面図である図11(a)に示すように、基準スケールSCの側面PYを回転位置調整治具TLの内側壁TYに当接させ、側面PXを内側壁TXに当接させて、回転位置調整治具TLに載せる。このとき、基準スケールSCのスケールSC1及びSC2は、底面図である図11(b)に示すように、開口部OPを介して視認される。
次に、回転位置調整工程の流れを説明する。
次いで、光学顕微鏡MS1及びMS2でノズルNZの位置を把握しながら各偏芯小ねじHS1〜HS3を、頭部TBと内側壁TY及びTXとの当接を保ったまま回転させ、ユニット体UBの回転位置調整治具TLに対する位置を合わせる。
次に、光学顕微鏡MS2における水平線HL2及び垂直線PL2の交点が、図12(b)に示すように、ノズルNZnの中心とノズルNZ1の中心とを結んだ線上に位置するように、各偏芯小ねじHS1〜HS3を回転させる。
つまり、ノズルNZ1の中心位置に光学顕微鏡MS1の十字線の交点を合わせることによって、ユニット体UBの回転位置調整治具TLに対する位置を調整し、ノズルNZnの中心とノズルNZ1の中心とを結んだ線上に光学顕微鏡MS2の十字線の交点を合わせることによって、ユニット体UBの回転位置調整治具TLに対する傾きを調整する。
なお、本実施形態において、内側壁WY及びWXが位置決め基準部に対応し、偏芯小ねじHS1〜HS3が偏芯部材に対応している。
そして、これらヘッドユニットH1〜H4は、偏芯小ねじHS1〜HS3を支持枠SWの内側壁WX及び内側壁WYに当接させて、腕部AMが十字穴付き小ねじCSによって支持枠SWに固定されている。
この場合、多角形を構成する各周辺を支持枠SWの内側壁WX及び内側壁WYに当接させるように、偏芯小ねじHS1〜HS3の回転量が調整される。従って、偏芯小ねじHS1〜HS3の頭部TBが支持枠SWの内側壁WX及び内側壁WYに安定して当接するので、各ヘッドユニットH1〜H4の支持枠SWに対する位置の安定性を増すことが可能となる。
また、本実施形態では、ブラック色の記録を行うライン型インクジェット記録装置を例に説明したが、これに限定されず、マゼンタ色、シアン色及びイエロー色の記録を行う記録ヘッドHDを加えた4種類、さらに、ライトシアン色及びライトマゼンタ色を加えた6種類等、任意の種類の記録ヘッドHDを備える構成とすることができ、これに応じてヘッドユニットH1〜H4及び支持枠SWの構成を変更すればよい。
また、記録媒体は記録用紙Pに限らず、インク滴が付着してドットを形成できるものであれば、任意の記録媒体を適用することができる。
Claims (3)
- 記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、該記録媒体搬送手段によって搬送される前記記録媒体にノズルからインク滴を吐出して記録を行う記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置であって、
前記記録ヘッドは、複数の前記ノズルが配列形成されたヘッドユニットの複数を、前記記録媒体の搬送方向と直交する主走査方向に沿って所定間隔で整列するドット列を形成可能に当該搬送方向と交差するユニット配列方向に沿って、当該複数のヘッドユニットを支持する支持枠に並べて脱着可能に配設した構成を有し、
前記複数のヘッドユニットは、それぞれ平面視で当該ヘッドユニットのユニット体の外側に所定の前記ノズルから所定寸法となるように調整された突出量を有する突出部を、前記支持枠に設けられた位置決め基準部に当接させて配設されていることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記突出量は、軸部の一端部に平面視で当該軸部より大きい外周を有する頭部を前記軸部に対して偏芯させて形成した偏芯部材を前記ユニット体に、平面視で前記頭部が前記ユニット体の外側に突出するように、且つ前記軸部を中心に回転可能に配設し、前記頭部の前記ユニット体からの突出量が前記所定のノズルから所定寸法となるように調整されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記ユニット体には、少なくとも3個の前記偏芯部材が、該偏芯部材のそれぞれの前記突出量を調整可能に配設されていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
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