JP2006210433A - ウエハ貼着用粘着シート及び半導体の製造方法 - Google Patents

ウエハ貼着用粘着シート及び半導体の製造方法 Download PDF

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聡史 林
Masateru Fukuoka
正輝 福岡
Munehiro Hatai
宗宏 畠井
Taihei Sugita
大平 杉田
Kazuhiro Shimomura
和弘 下村
Giichi Kitajima
義一 北島
Yasuhiko Oyama
康彦 大山
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Abstract

【課題】ICチップを破損したり、欠けを生じさせたりすることなく容易に接着剤層が形成されたICチップを得ることができるウエハ貼着用粘着シート及び半導体の製造方法を提供する。
【解決手段】基材21と、前記基材21上に形成された刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する粘着剤層22と、前記粘着剤層22上に形成されたダイ接着用接着剤層23とからなるウエハ貼着用粘着シート2であって、前記基材21は、少なくとも、高硬度の第1層211と、エキスパンディング可能な第2層212とを有する多層構造体であり、前記第1層211が前記粘着剤層22と接するように配置されているウエハ貼着用粘着シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、ICチップを破損したり、欠けを生じさせたりすることなく容易に接着剤層が形成されたICチップを得ることができるウエハ貼着用粘着シート及び半導体の製造方法に関する。
シリコン、ガリウムヒ素等の半導体ウエハは大径の状態で製造され、このウエハは素子小片(ICチップ)に切断分離(ダイシング)された後に次の工程であるマウント工程に移されている。この際、半導体ウエハはあらかじめ粘着シートに貼着された状態でダイシング、洗浄、乾燥、エキスパンディング、ピックアップの各工程が加えられ、ICチップに加工される。このような半導体ウエハのダイシング工程からピックアップ工程に至る工程においては、半導体ウエハはダイシングテープと呼ばれる粘着シート上に固定される。ダイシングテープには、ダイシング工程から乾燥工程までは半導体ウエハに対して充分な接着力を有しており、ピックアップ時にはICチップを容易に剥離でき、しかも糊残りしない程度の接着力を有しているものが望まれている。
一方、ピックアップされたICチップは、ダイボンディング工程において、エポキシ接着剤等のダイ接着用接着剤を介してリードフレーム等の支持部材に接着され、半導体が製造されている。しかし、ICチップが非常に小さな場合には、適量の接着剤を塗布することが困難であり、ICチップから接着剤がはみ出したり、あるいはICチップが大きい場合には、接着剤量が不足したりする等、充分な接着力を有するように接着を行うことができない等の問題点があった。またこのようなダイ接着用接着剤の塗布作業は煩雑でもあり、プロセスを簡略化するためにも改善が要求されている。
このような問題点を解決するために、ウエハ固定機能とダイ接着機能とを同時に兼ね備えた、ウエハ貼着用粘着シートが種々提案されている。
例えば、特許文献1には、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エポキシ樹脂、光重合性低分子化合物、熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤及び光重合開始剤よりなる組成物から形成される粘接着層と、基材とからなる粘接着テープが開示されている。この粘接着層は、ウエハダイシング時には、ウエハを固定する機能を有し、ダイシング終了後、エネルギー線を照射すると硬化し、基材との間の接着力が低下する。したがって、ICチップのピックアップを行うと、粘接着層は、チップとともに剥離する。粘接着層を伴ったICチップをリードフレームに載置して、加熱すると、粘接着層が接着力を発現し、ICチップとリードフレームとの接着が完了する。
また、特許文献2には、剥離層が実質的に存在しない表面を有する重合体支持フィルムと、導電性接着剤とからなるダイシング用フィルムが教示されている。この導電性接着剤は、上記の粘接着層と略同等の機能を有する。
更に、特許文献3には、支持基材上に設けられた加熱発泡粘着層の上に、ダイ接着用の接着剤層が設けられており、加熱により接着剤層と加熱発泡粘着層とが剥離可能となる、半導体ウエハの分断時の支持機能を兼ね備えたダイ接着用シートが開示されている。
これらのウエハ貼着用粘着シートは、いわゆるダイレクトダイボンディングを可能にし、ダイ接着用接着剤の塗布工程を省略できるようにするものである。しかしながら、実際には、粘接着層の接着力を低下させることには限界があり、ICチップをピックアップする際に、ICチップを破損したり、欠けを生じさせたり、ピックアップ自体が不可能である
ことがあるという問題点があった。
これに対して本発明者らは、基材と、該基材上に形成された刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する粘着剤層と、該粘着剤層上に形成されたダイ接着用接着剤層とからなるウエハ貼着用粘着シートを提案してきた(特許文献4)。図2に、このウエハ貼着用粘着シートを用いたダイ接着用接着剤層が形成されたICチップの製造方法の一例を示した。図2において、ウエハ貼着用粘着シート2は、基材21と粘着剤22とダイ接着用接着剤層23の3層からなり、このウエハ貼着用粘着シート2を半導体ウエハ1に貼着する(図2A)。この状態でダイシングを行い、ダイ接着用接着剤層23まで完全に切断する(図2B)。次いで、粘着剤層22に気体発生剤から気体を発生させる刺激を与えれば、発生した気体により粘着剤層とダイ接着用接着剤層とが剥離する(図2C)。このようにして、ICチップを破損したり、欠けを生じさせたりすることなく容易にダイ接着用接着剤層が形成されたICチップを得ることができる。また、気体発生の条件等を調整することにより、気体発生によりダイ接着用接着剤層が形成されたICチップがあたかも粘着剤層上に浮いた状態(自己剥離した状態、図2C)にすることができ、特にニードルで突き上げる通常のピックアップ方法では破損してしまうような薄いICチップの場合でも、ニードルで突き上げることなく安全にピックアップできるという利点もある。
しかしながら、このウエハ貼着用粘着シートを用いて実際のICチップ製造ラインを稼働させた場合でも、依然としてピックアップ不良が生じることがあるという問題点があった。
特開平2−32181号公報 特公平3−34853号公報 特開平3−268345号公報 特開2004−186280号公報
本発明は、上記現状に鑑み、ICチップを破損したり、欠けを生じさせたりすることなく容易に接着剤層が形成されたICチップを得ることができるウエハ貼着用粘着シート及び半導体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、基材と、前記基材上に形成された刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する粘着剤層と、前記粘着剤層上に形成されたダイ接着用接着剤層とからなるウエハ貼着用粘着シートであって、前記基材は、少なくとも、高硬度の第1層と、エキスパンド可能な第2層とを有する多層構造体であり、前記第1層が前記粘着剤層と接するように配置されているウエハ貼着用粘着シートである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者が、特許文献4に記載されたウエハ貼着用粘着シートを用いてもピックアップ不良が発生する原因を検討したところ、図3に示したようなことが生じていることを突き止めた。図3において、ウエハ貼着用粘着シート2を半導体ウエハに貼着して、ダイシングを行うところまでは図2の場合と同様である(図3A、B)。しかし、実際の製造工程では、ダイシング後、すぐに剥離工程及びピックアップ工程を行うことはできない。通常は、少なくとも、ダイシング装置からピックアップ装置へと搬送することが必要である。この搬送の際に、幾分かの時間がかかり、また振動が与えられる。ダイシングにより設けられた溝はせいぜい数十μm程度であることから、搬送時の振動によりダイ接着用接着剤層23が流動して、ダイ接着用接着剤層23間が再合着してしまうことがある(図3C)。このようにダイ接着用接着剤層23間が再合着した状態で粘着剤層22に刺激を与えても
、ICチップはダイ接着用接着剤層23によって合着して充分に個々のICチップには分離していないため(図3D)、ピックアップできなかったり、ダイ接着用接着剤層を引きちぎる際の衝撃によりICチップが破損してしまったりするものと考えられる。
本発明者らは、更に鋭意検討の結果、ウエハ貼着用粘着シートの基材として、高硬度の第1層と、エキスパンディング可能な第2層とを有する多層構造体とすることにより、上述のようなダイ接着用接着剤層の再合着を防止し、ICチップを破損したり、欠けを生じさせたりすることなく容易に接着剤層が形成されたICチップを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のウエハ貼着用粘着シートは、基材と、該基材上に形成された粘着剤層と、該粘着剤層上に形成されたダイ接着用接着剤層とからなるものである。
本発明のウエハ貼着用粘着シートの形状としては特に限定されず、使用機器、使用方法又は用途に応じて、テープ状、ラベル状、シート状等あらゆる形状をとりうる。テープ状のものは取扱いの容易さの点で芯材に巻き取った形のものが好ましく、ラベル状、シート状のものは適切な大きさのシートとする又は芯材に巻き取った形とすることが製造及び取扱いの容易さの点で好ましい。
上記基材は、少なくとも、高硬度の第1層と、エキスパンディング可能な第2層とを有する多層構造体からなる。
上記第1層は、上記粘着剤層に刺激を与えて気体を発生させたときに、気体発生によって生じた応力を吸収してしまうことなく、確実に接着界面の剥離に利用できるようにする役割を有する。従って、本発明のウエハ貼着用粘着シートにおいて、上記第1層は、上記粘着剤層と接するように配置されている必要がある。
上記第2層は、本発明のウエハ貼着用粘着シートにエキスパンド性を付与して、ダイシング後にエキスパンディングして溝間隔を広げることにより上記ダイ接着用接着剤層が再合着するのを防止する役割を有する。
上記第1層は、周波数10Hz、設定歪み0.5%、昇温速度3℃/minの条件で剪断法により測定した動的粘弾性に基づく23℃における貯蔵弾性率が1×10Pa以上であることが好ましい。1×10Pa未満であると、剥離時に上記粘着剤層に刺激を与えて気体を発生させたときに、気体発生によって生じた応力が吸収されて充分な剥離圧力が得られず、剥離不良が生じることがある。より好ましくは1×10Pa以上である。
上記第1層としては特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリプロピレン、又は、これらの複合体等からなるものが挙げられる。
上記第1層の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は100μmである。10μm未満であると、剥離時に上記粘着剤層に刺激を与えて気体を発生させたときに、気体発生によって生じた応力が吸収されて充分な剥離圧力が得られず、剥離不良が生じることがある。100μmを超えると、ダイシングによる切断が困難になることがある。
上記第2層は、周波数10Hz、設定歪み0.1%、昇温速度3℃/minの条件で引張法により測定した動的粘弾性に基づく23℃における貯蔵弾性率が3×10Pa以下であることが好ましい。3×10Paを超えると、エキスパンディングを行うことが困難で、上記ダイ接着用接着剤層が再合着するのを防止することができないことがある。
上記第2層の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は25μm、好ましい上限は200μmである。この範囲外であると、エキスパンディングを良好に行えないことが
ある。
上記粘着剤層に含有される気体発生剤から気体を発生させる刺激が光による刺激である場合には、上記基材は、全体として光を透過又は通過するものであることが好ましい。
上記基材全体の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は300μmである。10μm未満であると、シートの自立性が不足しハンドリングが困難になることがあり、300μmを超えると、刺激が光である場合には光透過率が低くなり充分に気体発生剤から気体を発生できないことがある。
上記粘着剤層は、刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する。
上記気体発生剤から気体を発生させる刺激としては、例えば、光、熱、超音波による刺激が挙げられる。なかでも光又は熱による刺激が好ましい。上記光としては、例えば、紫外線や可視光線等が挙げられる。上記刺激として光による刺激を用いる場合には、気体発生剤を含有する粘着剤層は、光が透過又は通過できるものであることが好ましい。また、上記気体発生剤から気体を発生させる刺激が熱である場合には、気体発生剤は、ダイ接着用接着剤のガラス転移温度以下の温度に加熱することにより気体を発生することが好ましい。ダイ接着用接着剤のガラス転移温度を超える温度をかけると、上記粘着剤層とダイ接着用接着剤層とがうまく剥離できないことがある。
上記刺激により気体を発生する気体発生剤としては特に限定されないが、例えば、アゾ化合物、アジド化合物が好適に用いられる。
上記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルプロピル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルエチル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−プロピル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−エチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン2−イル)プロパン]ジサルフェイトジハイドロレート、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラハイドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシアシル)−2−メチル−プロピオンアミジン]、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミジン]プロパン}、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス(4−シアンカルボニックアシッド)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。これらのアゾ化合物は、光、熱等による刺激により窒素ガスを発生する。
上記アゾ化合物としては、10時間半減期温度が80℃以上であるものがより好適である
。10時間半減期温度が80℃未満であると、本発明のウエハ貼着用粘着シートは、キャストにより粘着剤層を形成して乾燥する際に発泡を生じてしまったり、経時的に分解反応を生じて分解残渣がブリードアウトしてしまったり、経時的に気体を発生して貼り合わせた被着体との界面に浮きを生じさせてしまったりすることがある。10時間半減期温度が80℃以上であれば、耐熱性に優れていることから、高温での使用及び安定した貯蔵が可能である。
10時間半減期温度が80℃以上であるアゾ化合物としては、下記一般式(1)で表されるアゾアミド化合物等が挙げられる。下記一般式(1)で表されるアゾアミド化合物は、耐熱性に優れていることに加え、後述するアクリル酸アルキルエステルポリマー等の粘着性を有するポリマーへの溶解性にも優れ、粘着剤層中に粒子として存在しないものとすることができる。
Figure 2006210433
式(1)中、R及びRは、それぞれ低級アルキル基を表し、Rは、炭素数2以上の飽和アルキル基を表す。なお、RとRは、同一であっても、異なっていてもよい。
上記一般式(1)で表されるアゾアミド化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルプロピル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルエチル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−プロピル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−エチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]等が挙げられる。なかでも、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)及び2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]は、溶剤への溶解性に特に優れていることから好適に用いられる。
なかでも、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルプロピル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルエチル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−プロピル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−エチル−2−メチルプロピオンアミド)等の下記一般式(1)で表されるアゾアミド化合物が好ましい。
上記アジド化合物としては、例えば、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン、テレフタルアジド、p−tert−ブチルベンズアジド等や、3−アジドメチル−3−メチルオキセタンを開環重合することにより得られるグリシジルアジドポリマー等のアジド基を有するポリマー等が挙げられる。これらのアジド化合物は、光、熱及び衝撃等による刺激により窒素ガスを発生する。
これらの気体発生剤のうち、上記アジド化合物は衝撃を与えることによっても容易に分解して窒素ガスを放出することから、取扱いが困難であるという問題がある。更に、上記アジド化合物は、いったん分解が始まると連鎖反応を起こして爆発的に窒素ガスを放出しその制御ができないことから、爆発的に発生した窒素ガスによってウエハが損傷することがあるという問題もある。このような問題から上記アジド化合物の使用量は限定されるが、限定された使用量では充分な効果が得られないことがある。
一方、上記アゾ化合物は、アジド化合物とは異なり衝撃によっては気体を発生しないことから取扱いが極めて容易である。また、連鎖反応を起こして爆発的に気体を発生することもないためウエハを損傷することもなく、光の照射を中断すれば気体の発生も中断できることから、用途に合わせた接着性の制御が可能であるという利点もある。従って、上記気体発生剤としては、アゾ化合物を用いることがより好ましい。
上記気体発生剤を含有することにより、上記粘着剤層に刺激を与えると気体発生剤から発生した気体が、上記粘着剤層とダイ接着用接着剤との接着面の少なくとも一部を剥がすことにより、粘着力が低下して粘着剤層とダイ接着用接着剤とを容易に剥離することができる。
上記気体発生剤は、上記粘着剤層中に溶解していることが好ましい。上記気体発生剤が粘着剤層中に溶解していることにより、刺激を与えたときに気体発生剤から発生した気体が効率よく粘着剤層の外に放出される。また、上記気体発生剤が粘着剤層中に粒子として存在すると、気体を発生させる刺激として光を照射したときに粒子の界面で光が散乱して気体発生効率が低くなってしまったり、粘着剤層の表面平滑性が悪くなったりすることがある。なお、上記気体発生剤が粘着剤層中に溶解していることは、電子顕微鏡により粘着剤層を観察したときに気体発生剤の粒子が見あたらないことにより確認することができる。
上記気体発生剤を粘着剤層中に溶解させるためには、上記粘着剤層を構成する粘着剤に溶解する気体発生剤を選択すればよい。なお、粘着剤に溶解しない気体発生剤を選択する場合には、例えば、分散機を用いたり、分散剤を併用したりすることにより粘着剤層中に気体発生剤をできるかぎり微分散させることが好ましい。粘着剤層中に気体発生剤を微分散させるためには、気体発生剤は、微小な粒子であることが好ましく、更に、これらの微粒子は、例えば、分散機や混練装置等を用いて必要に応じてより細かい微粒子とすることが好ましい。即ち、電子顕微鏡により上記粘着剤層を観察したときに気体発生剤を確認することができない状態まで分散させることがより好ましい。
上記気体発生剤の含有量としては、気体発生剤の種類により適宜選択すればよいが、例えば、気体発生剤としてアゾ化合物を用いる場合には、粘着剤層を構成する粘着剤100重量部に対して好ましい下限は5重量部、好ましい上限は50重量部である。5重量部未満であると、充分な剥離圧力が得られず剥離できないことがあり、50重量部を超えると、溶解性が悪化し、ブリード等の不具合が発生することがある。より好ましい下限は15重量部、より好ましい上限は30重量部である。
上記粘着剤層を構成する粘着剤としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル共重合
体、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂;SEBS、SIS、SBR等のゴム、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等を用いることができる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記粘着剤層は、刺激により架橋する架橋性樹脂成分を含有してもよい。刺激を与えて上記架橋性樹脂成分を架橋させることにより、上記粘着剤層の弾性率が上昇し粘着力が低減する。更に、弾性率の上昇した硬い硬化物中で気体発生剤から気体を発生させると、発生した気体の大半は外部に放出され、放出された気体は、被着体から粘着剤の接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる。上記架橋性樹脂成分を架橋させる刺激は、上記気体発生剤から気体を発生させる刺激と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
このような架橋性樹脂成分としては、例えば、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分とし、必要に応じて光重合開始剤を含んでなる光硬化型粘着剤や、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分とし、熱重合開始剤を含んでなる熱硬化型粘着剤等からなるものが挙げられる。
このような光硬化型粘着剤又は熱硬化型粘着剤等の後硬化型粘着剤は、光の照射又は加熱により粘着剤層の全体が均一にかつ速やかに重合架橋して一体化するため、重合硬化による弾性率の上昇が著しくなり、粘着力が大きく低下する。また、弾性率の上昇した硬い硬化物中で気体発生剤から気体を発生させると、発生した気体の大半は外部に放出され、放出された気体は、被着体から粘着剤の接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる。
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)と反応させることにより得ることができる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー;アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマー;アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。上記多官能オリゴマー又はモノマーとしては、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5,000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。このようなより好ましい多官能オリゴマー又はモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光重合開始剤としては、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物;フォスフィンオキシド誘導体化合物;ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱重合開始剤としては、熱により分解し、重合硬化を開始する活性ラジカルを発生するものが挙げられ、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエール、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。なかでも、熱分解温度が高いことから、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が好適である。これらの熱重合開始剤のうち市販されているものとしては特に限定されないが、例えば、パーブチルD、パーブチルH、パーブチルP、パーメンタH(以上いずれも日本油脂製)等が好適である。これら熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記後硬化型粘着剤には、以上の成分のほか、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜配合してもよい。また、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を加えることもできる。
上記粘着剤層の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は3μm、好ましい上限は50μmである。3μm未満であると、接着力が不足しダイシング時にチップとびが発
生することがあり、50μmを超えると、接着力が高すぎるために剥離性が低下し、良好なピックアップが実現できなくなることがある。
上記ダイ接着用接着剤としては特に限定されず、従来公知のダイ接着用接着剤を用いることができ、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド、ポリエチレン、ポリスルホン等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂主成分とする接着剤、アクリル樹脂、ゴム系ポリマー、フッ素ゴム系ポリマー、フッ素樹脂等を主成分とする接着剤等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記ダイ接着用接着剤層は、更に、必要に応じてフィラーを含有していてもよい。このようなフィラーとしては、例えば、導電性の付与を目的とした導電性フィラー、熱伝導性の付与を目的とした熱伝導性フィラー等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記導電性フィラーとしては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、ステンレス、カーボン、セラミック、又は、ニッケル、アルミニウム等を銀で被覆したもの等が挙げられる。また、上記熱伝導性フィラーとしては、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、ステンレス、シリコン、ゲルマニウム等の金属材料やそれらの合金等が挙げられる。
上記フィラーの含有量としては特に限定されないが、ダイ接着用接着剤100重量部に対して、好ましい下限は10重量部、好ましい上限は4000重量部である。10重量部未満であると、所望する特性が得られないことがあり、4000重量部を超えると、接着強度が低下することがある。
上記ダイ接着用接着剤層の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は3μm、好ましい上限は100μmである。3μm未満であると、ダイ接着力が不足することがあり、100μmを超えると、粘着剤層との接着力が大きくなりすぎるため、ピックアップに不具合をきたすことがある。
本発明のウエハ貼着用粘着シートを製造する方法としては特に限定されず、例えば、まず共押出法等の従来公知の方法により製造した多層構造からなる上記基材上に上記粘着剤層を形成させた後、形成された粘着剤層上にダイ接着用接着剤層を形成する方法等が挙げられる。
上記基材上に上記粘着剤層を形成させる方法としては特に限定されず、例えば、バインダー樹脂と上記気体発生剤とを混練した粘着剤組成物を上記基材上に流延して固化させる方法等が挙げられる。
しかしながら、バインダー樹脂と気体発生剤とを混練する際に生じる熱により気体発生剤の分解が起こることがあり、多量の気体発生剤を含有する粘着剤組成物を製造することが困難な場合がある。このような場合には、気体発生剤、アクリル系モノマー又はアクリル系オリゴマーを主成分とする重合性原料、及び、気体発生剤の感光波長よりも長波長の紫外線又は可視光を照射されることで活性化する光重合開始剤等を含有する原料に、気体発生剤の感光波長の感光波長よりも長波長の紫外線又は可視光波長の光を照射して光重合開始剤を活性化して重合性原料を重合させて粘着剤組成物を得る方法が好適に用いられる。この方法によれば、接着樹脂と気体発生剤とを混練する必要がなく、熱により気体発生剤の分解が始まるおそれがない。また、粘着剤組成物の製造を1回の反応で完了することができ、溶剤を使用する必要もないので、多量の気体発生剤を含有する粘着剤組成物を安全かつ容易に製造できる。
上記粘着剤層上にダイ接着用接着剤層を形成する方法としては特に限定されず、例えば、
離型処理が施されたシート上にダイ接着用接着剤の原料を塗布、乾燥してダイ接着用接着剤層を形成させた後、得られたダイ接着用接着剤層を基材上に形成された粘着剤層上に重ねる方法;予め成形されたダイ接着用接着剤からなるシート上記粘着剤層上に積層する方法等が挙げられる。
本発明のウエハ貼着用粘着シートは、上述の構成よりなることから、上述のようなダイ接着用接着剤層の再合着を防止し、ICチップを破損したり、欠けを生じさせたりすることなく容易に接着剤層が形成されたICチップを得ることができる。
本発明のウエハ貼着用粘着シートを用いて半導体の製造方法としては、例えば、少なくとも、ダイ接着用接着剤層を介して半導体ウエハを本発明のウエハ貼着用粘着シートに貼り付ける工程と、上記ウエハ貼着用粘着シートに貼り付けた半導体ウエハをダイシングしてICチップとすると同時に、上記ウエハ貼着用粘着シートの第1層を切断する工程と、上記ICチップが貼り付いたウエハ貼着用粘着シートをエキスパンディングする工程と、上記ウエハ貼着用粘着シートに刺激を与えて気体発生剤から気体を発生させてウエハ貼着用粘着シートの粘着剤層とダイ接着用接着剤層とを剥離させ、ダイ接着用接着剤層が付着したICチップを得る工程と、上記ダイ接着用接着剤層が付着したICチップを支持部材上にダイ接着用接着剤層を介して接着する工程を有する方法が好適である。
このような半導体の製造方法もまた、本発明の1つである。
以下、図1を用いて本発明の半導体の製造方法を説明する。
図1において、ウエハ貼着用粘着シート2は、基材21と粘着剤22とダイ接着用接着剤層23からなる。基材21は、更に、第1層211と第2層212の2層からなる。
本発明の半導体の製造方法では、まず、ダイ接着用接着剤層23を介して半導体ウエハ1をウエハ貼着用粘着シート2に貼り付ける(図1A)。
上記半導体ウエハとしては特に限定されず、例えば、高純度なシリコン単結晶やガリウム砒素単結晶等をスライスし、表面に所定の回路パターンが形成されたものが挙げられる。
本発明の半導体の製造方法では、次いで、ウエハ貼着用粘着シートに貼り付けた半導体ウエハをダイシングしてICチップとする。このとき同時に、ウエハ貼着用粘着シート2の基材21のうち、第1層211を切断する(図1B)。第2層212については、半ば程度までは切断されてもよいが、あまり深く切断されるとエキスパンディング時に破損してしまうことがある。
本発明の半導体の製造方法では、次いで、上記ICチップが貼り付いたウエハ貼着用粘着シート2をエキスパンディングする工程を行う(図1C)。既に基材21の硬質211は切断されていることから、実際にエキスパンディングされるのは第2層212のみであることから、極めて容易にエキスパンディングすることができる。エキスパンディングにより、ダイシングにより生じた溝の間隔が広がることから、振動等が与えられてもダイ接着用接着剤層23が再合着することはない。
本発明の半導体の製造方法では、次いで、ウエハ貼着用粘着シート2に刺激を与えて粘着剤層22中の気体発生剤から気体を発生させる。気体発生剤から発生した気体は粘着剤層22とダイ接着用接着剤層23との接着面の少なくとも1部を剥がして接着力を低下させることから、粘着剤層22とダイ接着用接着剤層23とを容易に剥離させることができる。これにより、ダイ接着用接着剤層が付着したICチップを得ることができる(図1D)。
本発明の半導体の製造方法では、得られたダイ接着用接着剤層が付着したICチップを支持部材上にダイ接着用接着剤層を介して接着することにより半導体を作製する。
本発明によれば、ICチップを破損したり、欠けを生じさせたりすることなく容易に接着剤層が形成されたICチップを得ることができるウエハ貼着用粘着シート及び半導体の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
<基材の作製>
第1層として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(周波数10Hz、設定歪み0.5%、昇温速度3℃/minの条件で剪断法により測定した動的粘弾性に基づく23℃における貯蔵弾性率が1.3×10Pa:東レ社製、ルミラーフィルム)と、第2層として、共押出法により得た表面が粘着加工された厚さ50μmの低密度ポリエチレンシート(周波数10Hz、設定歪み0.1%、昇温速度3℃/minの条件で引張法により測定した動的粘弾性に基づく23℃における貯蔵弾性率が3.0×10Pa:三井化学社製、ミラソン12)を使用し、これらの第1層と第2層をラミネートして2層構造の積層体を得た。この積層体の第1層の表面にコロナ処理を施し、これを基材とした。
<粘着剤の調製>
下記に記載した化合物をホモディスパー攪拌機を用いて混合して、粘着剤層用の粘着剤の酢酸エチル溶液を調製した。
根上工業社製、バラクロンW248E 100重量部
日本ポリウレタン社製、コロネートL 1.5重量部
2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド) 50重量部
<ダイ接着用接着剤の調製>
下記に記載した化合物をホモディスパー攪拌機を用いて混合して、ダイ接着用接着剤の酢酸エチル溶液を調製した。
日本油脂社製、マープルーフG2050M 10重量部
大日本インキ化学社製、EXA−7200HH 45重量部
大日本インキ化学社製、HP−4032D 45重量部
ジャパンエポキシレジン社製、YH−307 50重量部
1−シアノ−2−フェニルイミダゾール 4重量部
チッソ社製、サイラエースS320 2重量部
<ウエハ貼着用粘着シートの作製>
粘着剤層用の粘着剤の酢酸エチル溶液を、離型処理を施した厚さ50μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥皮膜の厚さが約10μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。次いで、該粘着剤層の表面に基材の第1層側が粘着剤層に接するようにラミネートした。その後、40℃、3日間静置養生を行った。
一方、ダイ接着用接着剤の酢酸エチル溶液を、離型処理が施されたPETフィルム上に乾燥後の厚さが40μmとなるようにドクターナイフで塗工した後、110℃にて3分間乾燥させてダイ接着用接着剤層を形成した。
基材上に形成された粘着剤層の他方の表面の離型処理が施されたPETフィルムを剥がし
、粘着剤層上にダイ接着用接着剤層が重なるようにダイ接着用接着剤層が形成されたPETフィルムを重ねて、60℃に加熱したラミネーター(ラミーコーポレーション社製、LMP−350EX)を用いて圧着して、ウエハ貼着用粘着シートを得た。
(実施例2)
基材の第2層として、厚さ50μmの軟質塩化ビニルシート(周波数10Hz、設定歪み0.1%、昇温速度3℃/minの条件で引張法により測定した動的粘弾性に基づく23℃における貯蔵弾性率が2.0×10Pa:日東電工社製、SPV224)を用いた以外は実施例1と同様にしてウエハ貼着用粘着シートを得た。
(実施例3)
基材の第1層として、厚さ50μmの高密度ポリエチレンシート(周波数10Hz、設定歪み0.5%、昇温速度3℃/minの条件で剪断法により測定した動的粘弾性に基づく23℃における貯蔵弾性率が4.00×10Pa:東ソー社製、ニポロンハード7300A)を用いた以外は実施例1と同様にしてウエハ貼着用粘着シートを得た。
(比較例1)
基材として、共押出法により得た表面が粘着加工された厚さ50μmの低密度ポリエチレンシート(周波数10Hz、設定歪み0.1%、昇温速度3℃/minの条件で引張法により測定した動的粘弾性に基づく23℃における貯蔵弾性率が3.0×10Pa:三井化学社製、ミラソン12)のみを用いた以外は実施例1と同様にしてウエハ貼着用粘着シートを得た。
(比較例2)
基材として、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(周波数10Hz、設定歪み0.1%、昇温速度3℃/minの条件で引張法により測定した動的粘弾性に基づく23℃における貯蔵弾性率が1.3×10Pa:東レ社製、ルミラーフィルム)のみを用いた以外は実施例1と同様にしてウエハ貼着用粘着シートを得た。
(比較例3)
基材の第1層として、厚さ50μmの低密度ポリエチレンシート(周波数10Hz、設定歪み0.5%、昇温速度3℃/minの条件で剪断法により測定した動的粘弾性に基づく23℃における貯蔵弾性率が8.00×10Pa:東ソー社製、ペトロセンF11)を用いた以外は実施例1と同様にしてウエハ貼着用粘着シートを得た。
(比較例4)
基材の第2層として、厚さ50μmの高密度ポリエチレンシート(周波数10Hz、設定歪み0.1%、昇温速度3℃/minの条件で引張法により測定した動的粘弾性に基づく23℃における貯蔵弾性率が9.0×10Pa:東ソー社製、ニポロンハード7300A)を用いた以外は実施例1と同様にしてウエハ貼着用粘着シートを得た。
<評価>
実施例1、2及び比較例1、2で得られたウエハ貼着用粘着シートの離型処理が施されたPETフィルムを剥がし、ダイ接着用接着剤層とシリコンウエハとを重ね、100℃、10N/cmで10秒熱圧着してウエハ貼着用粘着シートとシリコンウエハとを貼り合わせた。次いで、ダイシング装置にかけて、シリコンウエハを10mm×10mmにダイシングしてICチップを得た。このとき、実施例1、2の場合には、ダイシングの刃を調整して、基材の第1層の厚み方向全てが確実に切断されるようにした。また、比較例1、2の場合には、ダイシングの刃を調整して、基材の厚み方向の半ばまでが切断されるようにした。
ダイシング後のウエハ貼着用粘着シートをピックアップ装置へ移動してからエキスパンディングした。このときのエキスパンディングの可否を評価した。
次いで、エキスパンディングした状態(又は、エキスパンディングできていない状態)で、透明PETフィルム側から超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線をPETフィルム表面への照射強度が3000mW/cmとなるよう照度を調節して1秒間照射した。照射後のICチップの状態を目視にて観察して、以下の基準により自己剥離性を評価した。なお、自己剥離しているダイ接着用接着剤層付きICチップは、吸引パッドで吸着することにより容易にピックアップすることができ、ニードルで突き上げる必要がなかった。結果を表1に示した。
〇:ダイ接着用接着剤層付きICチップが完全に粘着剤層から剥離して粘着剤層上に浮いた状態になっていた
×:一部でも粘着剤層から剥離していない部分があった
Figure 2006210433
本発明によれば、ICチップを破損したり、欠けを生じさせたりすることなく容易に接着剤層が形成されたICチップを得ることができるウエハ貼着用粘着シート及び半導体の製造方法を提供することができる。
本発明の半導体の製造方法を説明する模式図である。 従来のウエハ貼着用粘着シートを用いた半導体の製造方法を説明する模式図である。 従来のウエハ貼着用粘着シートを用いた半導体の製造方法の問題点を説明する模式図である。
符号の説明
1 半導体ウエハ
2 ウエハ貼着用粘着シート
21 基材
211 第1層
212 第2層
22 粘着剤層
23 ダイ接着用接着剤層

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材上に形成された刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する粘着剤層と、前記粘着剤層上に形成されたダイ接着用接着剤層とからなるウエハ貼着用粘着シートであって、
    前記基材は、少なくとも、高硬度の第1層と、エキスパンディング可能な第2層とを有する多層構造体であり、前記第1層が前記粘着剤層と接するように配置されている
    ことを特徴とするウエハ貼着用粘着シート。
  2. 第1層は、周波数10Hz、設定歪み0.5%、昇温速度3℃/minの条件で剪断法により測定した動的粘弾性に基づく23℃における貯蔵弾性率が1×10Pa以上であり、かつ、第2層は、周波数10Hz、設定歪み0.1%、昇温速度3℃/minの条件で引張法により測定した動的粘弾性に基づく23℃における貯蔵弾性率が3×10Pa以下であることを特徴とする請求項1記載のウエハ貼着用粘着シート。
  3. 気体発生剤から気体を発生させる刺激は、光又は熱であることを特徴とする請求項1又は2記載のウエハ貼着用粘着シート。
  4. 気体発生剤は、ダイ接着用接着剤のガラス転移温度以下の温度に加熱することにより気体を発生することを特徴とする請求項1、2又は3記載のウエハ貼着用粘着シート。
  5. 請求項1、2、3又は4記載のウエハ貼着用粘着シートを用いる半導体の製造方法であって、少なくとも、
    ダイ接着用接着剤層を介して半導体ウエハを前記ウエハ貼着用粘着シートに貼り付ける工程と、
    前記ウエハ貼着用粘着シートに貼り付けた半導体ウエハをダイシングしてICチップとすると同時に、前記ウエハ貼着用粘着シートの第1層を切断する工程と、
    前記ICチップが貼り付いた前記ウエハ貼着用粘着シートをエキスパンディングする工程と、
    前記ウエハ貼着用粘着シートに刺激を与えて気体発生剤から気体を発生させて前記ウエハ貼着用粘着シートの粘着剤層とダイ接着用接着剤層とを剥離させ、ダイ接着用接着剤層が付着したICチップを得る工程と、
    前記ダイ接着用接着剤層が付着したICチップを支持部材上にダイ接着用接着剤層を介して接着する工程を有する
    ことを特徴とする半導体の製造方法。
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