JP2006170149A - タンデム型オイルポンプ - Google Patents

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Hideaki Onishi
秀明 大西
Yasushi Watanabe
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Abstract

【課題】 ポンプの軸方向長を短くして車載性を向上させることができるタンデム型オイルポンプを提供すること。
【解決手段】 ハウジング本体1と、ハウジング本体1の開口部1aを封止するポンプカバー2と、第1トロコイドポンプ4及び第2トロコイドポンプ5と、駆動軸6と、第1トロコイドポンプ4及び第2トロコイドポンプ5の間を仕切ると共に、内周側に駆動軸6が挿通されるスペーサ3と、ポンプカバー2における駆動軸挿通部に設けられた軸受部2bと、スペーサ3における駆動軸挿通部に設けられた軸受部3aとを有し、駆動軸6の第1端部側は自由端とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、2対のトロコイドポンプを用いたタンデム型トロコイドポンプの技術分野に属する。
従来、有底筒状のハウジング内に2つのポンプ構造体を直列に配置して収容するタンデムポンプが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
実開平2−23283号公報
しかしながら、上述の従来技術にあっては、ポンプを駆動する駆動軸が両端部にて軸受され、駆動軸先端側に配置されているカバー(エンジンケース1)の軸受をできるだけ厚くしなければならないため、ポンプの軸方向長が長くなってしまい車載が困難となってしまうという問題があった。
本発明は、上述の従来の問題点に着目して成されたもので、その目的とするところは、ポンプの軸方向長を短くして車載性を向上させることができるタンデム型オイルポンプを提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明のタンデム型オイルポンプでは、
有底筒状に形成されたハウジングと、
該ハウジングの開口を封止するカバーと、
前記ハウジング内に直列した状態で収容され、潤滑油を吸入して外部に吐出する2つのポンプ構成体と、
該両方のポンプ構成体を作動させるべく両方のポンプ構成体に跨って設けられると共に、前記カバーを挿通して外部から回転力が伝達される駆動軸と、
前記2つのポンプ構成体間を仕切ると共に、内周側に前記駆動軸が挿通されるスペーサと、
前記カバーにおける前記駆動軸挿通部に設けられた第1軸受部と、
前記スペーサにおける前記駆動軸挿通部に設けられた第2軸受部と、
を有し、
前記駆動軸先端は軸支しない構成となっている、
ことを特徴とする。
よって、駆動軸は、スペーサとカバーによって軸受されており、先端側は軸受部が設けられていないため、ポンプの軸方向長を短くして車載性を向上させることができる。
以下に、本発明を実施する最良の形態を、実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1のオイルポンプを重力方向上方から見たときの断面図、図2は図1のV矢視図であり、実施例1は、本発明のオイルポンプを、エンジン潤滑用として適用した例である。
実施例1のオイルポンプAは、ハウジング本体1と、ポンプカバー2と、スペーサ3と、第1トロコイドポンプ4と、第2トロコイドポンプ5と、駆動軸6と、ヘリカルギヤ(動力伝達部材)7とを備えている。
[ハウジング本体]
ハウジング本体1は、ヘリカルギヤ7側に開口部1a、エンジンハウジング8側に底面部11を有する有底筒状に形成されている。図2に示すように、このハウジング本体1には、軸方向に沿って吸入口1cと吐出口1dがそれぞれ形成されている。吸入口1cは、エンジンハウジング8内の油路(不図示)を介して、エンジンオイルが溜められた図外のオイルパンと連通している。また、吐出口1dは、エンジンハウジング8内の油路(不図示)を介して、図外のオイルフィルタへ連通している。オイルフィルタで濾過されたエンジンオイルは、ベアリング、カムシャフト、バルブ等の各潤滑部分へと送られる。
また、図2に示すように、ハウジング本体1の吸入口1cは、エンジンハウジング8に組み付けられたとき、重力方向上側に位置し、吐出口1dは、重力方向下側に位置するように設定されている。
ハウジング本体1の底面部11には、組み付け時に駆動軸6の第1端部6aを保持する圧入受け冶具11b(図11参照)を挿入するための貫通部11aが形成されている。この貫通部11aは、円形の穴であり、穴の内周は、後述する駆動軸6の第1端部6aの外径よりも小径に設定されている。
また、底面部11において、第1トロコイドポンプ4と接する第1トロコイドポンプ側面12には、吸入口1cと連通する吸入ポート12aと、吐出口1dと連通する吐出ポート12bとが形成されている。吸入ポート12aは、吸入口1cと対応して重力方向下側に位置する。吐出ポート12bは、吐出口1dと対応して重力方向上側に位置する。
[ポンプカバー]
ポンプカバー2は、ハウジング本体1の開口部1aを封止するもので、ポンプカバー2の中央には、駆動軸6を回転可能に軸支する軸受部2bが形成されている。また、図3に示すように、ポンプカバー2において、第2トロコイドポンプ5と接する第2トロコイドポンプ側面21には、吸入口1cと連通する吸入ポート21aと、吐出口1dと連通する吐出ポート21bとが形成されている。さらに、第2トロコイドポンプ側面21には、吐出ポート21bと連通し、軸受部2bを潤滑する潤滑溝2cが形成されている。
ハウジング本体1およびポンプカバー2は、エンジンハウジング8に形成された4つの雌ねじ部8aと対応する位置に、ボルト穴1b,2aがそれぞれ形成され、これらボルト穴1b,2aに挿通されたボルト9によりポンプカバー2側からエンジンハウジング8に共締めされている。
[スペーサ]
図4はスペーサ3の第2トロコイドポンプ側面31を示す図1のS4−S4断面図、図5はスペーサ3の第1トロコイドポンプ側面32を示す図、図6は図5のS6−S6断面図である。
スペーサ3は、第1トロコイドポンプ4と第2トロコイドポンプ5とを仕切ると共に、駆動軸6を支持するもので、中央には、駆動軸6を回転可能に軸支する軸受部3aが形成されている。
スペーサ3において、第2トロコイドポンプ5と接する第2トロコイドポンプ側面31には、吸入口1cと連結する吸入ポート31aと、吐出口1dと連通する吐出ポート31bとが形成されている。
また、スペーサ3において、第1トロコイドポンプ4と接する第1トロコイドポンプ側面32には、吸入口1cと連結する吸入ポート32aと、吐出口1dと連通する吐出ポート32bとが形成されている。さらに、第1トロコイドポンプ側面32には、吐出ポート32bと連通し、軸受部3aを潤滑する潤滑溝3bが形成されている。
[第1トロコイドポンプ]
図7は、第1トロコイドポンプ4を示す図1のS7−S7断面図である。
第1トロコイドポンプ4は、ハウジング本体1内の底面部11に面して配置され、ドライブロータである第1インナロータ4aと、ドリブンロータである第1アウタロータ4bとから構成されている。第1インナロータ4aの内周には、後述する駆動軸6の第1端部6aと嵌合する嵌合穴4cが形成されている。ここで、第1トロコイドポンプ4は、エンジンハウジング8に組み付けられたとき、重力方向上側に高圧となる吐出作動室4dが位置し、重力方向下側に負圧となる吸入作動室4eが位置するように設定されている。
[第2トロコイドポンプ]
図8は、第2トロコイドポンプ5を示す図1のS8−S8断面図である。
第2トロコイドポンプ5は、ハウジング本体1内の開口部1a側に第1トロコイドポンプ4と直列に配置され、ドライブロータである第2インナロータ5aおよびドリブンロータである第2アウタロータ5bとから構成されている。
第2インナロータ5aの中央には、駆動軸6が挿通される挿通穴5cが形成されている。また、第2インナロータ5aにおいて、スペーサ3の第2トロコイドポンプ側面31と接するスペーサ側面51には、後述する駆動軸6に挿通されたピン10が嵌り込むピン溝5dが形成されている。第2トロコイドポンプ5も、第1トロコイドポンプ4と同様に、エンジンハウジング8に組み付けられたとき、重力方向上側に高圧となる吐出作動室5eが位置し、重力方向下側に負圧となる吸入作動室5fが位置するように設定されている。
図9は、第1トロコイドポンプ4および第2トロコイドポンプ5の歯の位相を示す図であり、第1トロコイドポンプ4と第2トロコイドポンプ5は、インナロータとアウタロータの歯の噛み合い位置がアウタロータの回転角で互いに36°ずらして配置されている。なお、図9中の矢印は、駆動軸6の回転方向を示す。
(第1トロコイドポンプ4、第2トロコイドポンプ5が2つのポンプ構成体に相当する)
[駆動軸]
駆動軸6は、ポンプカバー2からハウジング本体1の外部に突出した第2端部6bにヘリカルギヤ7が圧入され、ヘリカルギヤ7の回転力を第1トロコイドポンプ4および第2トロコイドポンプ5へ伝達する。
駆動軸6は、円柱状部材で構成され、第1インナロータ4aと対応する第1端部6aのみを二面幅状に切り欠き、第1インナロータ4aの嵌合穴4cと嵌合する二面幅部6cが形成されている。
また、駆動軸6において、ピン溝5dと対応する位置には、駆動軸6の径方向にピン穴6dが貫通し、このピン穴6dに、ピン10が挿入されている。ピン10は、ピン穴6dよりも長く形成され、その両端がピン穴6dの両側から突出するようにピン溝5dが設定されている。ピン10と、第2インナロータ5に形成されたピン溝5dにより、駆動軸6の第1端部6aから第2端部6bの方向へ向かって作用するスラスト力を、第2インナロータ5の側面で受ける脱落防止機構62が構成されている。
[ヘリカルギヤ]
ヘリカルギヤ7は、図外のギヤを介してクランクシャフトの回転力を駆動軸6へ伝達する。実施例1では、駆動軸6に対し、図1の矢印方向、すなわち、駆動軸6の第1端部6aから第2端部6bの方向へ向かってスラスト力が発生するよう、ヘリカルギヤ7の歯形が設定されている。
次に、作用を説明する。
[オイルポンプ駆動作用]
エンジンが駆動すると、クランクシャフトの回転力がヘリカルギヤ7を介して駆動軸6へ入力される。これにより、第1トロコイドポンプ4と第2トロコイドポンプ5が駆動される。
第1トロコイドポンプ4が駆動されると、膨張行程にある吸入作動室4eが負圧となり、オイルパンに溜められたエンジンオイルは、ハウジング本体1の吸入ポート12aとスペーサ3の吸入ポート32aを介して、第1トロコイドポンプ4の吸入作動室4eへ流入する。
第1トロコイドポンプ4の作動室へ流入したエンジンオイルは、圧縮工程にある吐出作動室4d内で昇圧され、ハウジング本体1の吐出ポート12bとスペーサ3の吐出ポート32bを介して、吐出口1dへ吐出される。
同様に、第2トロコイドポンプ5が駆動されると、膨張行程にある吸入作動室5fが負圧となり、エンジンオイルは、ポンプカバー2の吸入ポート21aとスペーサ3の吸入ポート31aを介して、第2トロコイドポンプ4の吸入作動室5fへ流入する。
第2トロコイドポンプ5の作動室へ流入したエンジンオイルは、圧縮工程にある吐出作動室5e内で昇圧され、ポンプカバー2の吐出ポート21bとスペーサ3の吐出ポート31bを介して、吐出口1dへ吐出される。
[位相による脈圧抑制作用]
第1トロコイドポンプ4と第2トロコイドポンプ5は、互いのインナロータとアウタロータとの歯の噛み合い位置をアウタロータの回転角で互いに36°ずらして配置されているため、図10に示すように、それぞれの脈圧は、お互いに打ち消し合うような位相となる。これにより、吐出口1dから出力されるエンジンオイルの合成脈圧が抑制される。
[貫通部からのオイル漏れ抑制作用]
実施例1では、ハウジング本体1の底面部11に、ヘリカルギヤ7を組み付ける際に圧入受け冶具11bを挿入する貫通部11aが形成されている。よって、ポンプ駆動時、この貫通部11aからハウジング本体1の外部へ若干のオイル漏れが発生する可能性がある。
これに対し、実施例1では、第1トロコイドポンプ4の吐出作動室4dを重力方向上側に配置し、吸入作動室4eを重力方向下側に配置している。これにより、貫通部11aへ若干のオイル漏れが発生した場合でも、直ちに吸入ポート12aから吸入作動室4eへと吸収される。よって、貫通部11aを設けたにもかかわらず、底面部11から外部へのオイル漏れを抑制できる。また、外部から空気を吸入してしまうのを抑制できる。
また、貫通部11aを、駆動軸6の第1端部6aの外径よりも小径に設定したため、ハウジング本体1の底面部11と第1トロコイドポンプ4との摺動面から漏れたエンジンオイルは、駆動軸6の第1端部6a端面と底面部11の貫通部11a周縁によって構成される絞りを通過することとなり、オイル漏れを抑制できる。
[ポンプ組み付け方法]
次に、実施例1のオイルポンプ4の組み付け方法について説明する。
(第1工程)
ハウジング本体1に対し、第1インナロータ4a、第1アウタロータ4b、スペーサ3を順に組み付ける。
続いて、駆動軸6のピン穴6dに、ピン10を差し込み、第2インナロータ5aの挿通穴5cに、スペーサ側面51から駆動軸6を挿入する。この工程により、駆動軸6と第2インナロータ5aとが脱落防止機構62にて一体化される(図11(a))。
次に、ハウジング本体1の開口部1aを上方に向け、駆動軸6の第1端部6aを、スペーサ3の軸受部3aと第1インナロータ4aの嵌合穴4cとに挿入する。このとき、第2インナロータ5aはピン10とピン溝5dとの係合による脱落防止機構62によって下方側を支持されるため、駆動軸6を第1インナロータ4aに差し込む際、第2インナロータ5aが落下することがない。また、重力によって第2インナロータ5aがピン10の両端を下方へ押圧するため、ピン穴6dからのピン10の脱落が防止される。
最後に、第2インナロータ5aを収容するようにハウジング本体1内に第2アウタロータ5bを組み付ける。このとき、駆動軸6は、脱落防止機構62によって軸方向への相対移動が規制されるため、ハウジング本体1に対して位置がずれることはない。
(第2工程)
ポンプカバー2の軸受部2bに駆動軸6の第2端部6bを挿入し、ハウジング本体1の開口部1aにポンプカバー2を被せる。このとき、ハウジング本体1とポンプカバー2をボルト8で仮止めしておく(図11(b))。
(第3工程)
ハウジング本体1の底面部11に形成された貫通部11aからハウジング本体1内へ圧入受け冶具11bを挿入し、駆動軸6の第1端部6aを固定する。この状態で、ヘリカルギヤ7を駆動軸6の第2端部6bヘを圧入する(図11(c),(d))。このとき、駆動軸6の第1端部6aは、圧入受け冶具11bで支持されているため、ヘリカルギヤ7の圧入作業に伴い、ハウジング本体1が変形するのを防止できる。
[車載性の向上作用]
実施例1のオイルポンプAでは、駆動軸6は、ポンプカバー2の軸受部2bと、スペーサ3の軸受部3aにより軸支する。
これにより、駆動軸6の軸方向の長さは、第1インナロータ4aと係合する長さまでとなる。そのため、ハウジング本体1の底面部11は、軸受けのための厚みを必要としない。よって、オイルポンプAの軸方向長さは短くなり、取付の自由度が増し車載性が向上する。
言い換えて説明すると、第1トロコイドポンプ4と第2トロコイドポンプ5を有するタンデム型のオイルポンプAにおいて、ハウジング本体1の底面部11は、片面だけに吸入ポート12a,吐出ポート12bを凹部形状で形成すればよい。一方、スペーサ3には、第1トロコイドポンプ4用に吸入ポート32a,吐出ポート32b、第2トロコイドポンプ5用に吸入ポート31a,吐出ポート31b、つまり両面に当接面より凹んだ形状を形成する必要がある。そのため、底面部11より厚みを必要とする。このスペーサ3に軸受部3aを設けるとハウジング本体1の底面部11を薄くすることができ、軸方向の短縮化となる。
[不要な流れの防止]
実施例1では、スペーサ3に軸受部3aを設けている。ハウジング本体1の底面部11で軸を受ける場合、スペーサ3における駆動軸6の挿通部分は、軸ぶれ等に際しても駆動軸6に接触しないように大きな隙間(クリアランス)を設ける必要がある。これに対して、実施例1では、スペーサ3に軸受部3aを設けているので、軸受部3aと駆動軸6のクリアランスは狭くなる。
実施例1では、スペーサ3に潤滑溝3bを設け、駆動軸6と軸受部3aのクリアランスに潤滑油を供給する。
軸受部3aと駆動軸6のクリアランスが狭くなると、第1トロコイドポンプ4の吐出作動室4dからの吐出油が軸受部3aと駆動軸6の間に大きく流れ込むことがなくなり、不要な流れが防止される。よって、不要な流れは潤滑のために必要な分以外が防止され吐出部分での効率の低下を防止することになる。
[耐振動性]
実施例1のオイルポンプAは、エンジンハウジング8からヘリカルギヤ側が横方向に突出するように取り付けられるため、エンジンの振動等により片持ち状態で振動することになる。これに対して、軸方向に長さが短いことは、オイルポンプAのヘリカルギヤ側の振動を抑制することになる。
[コスト低減]
実施例1のオイルポンプAは、ポンプカバー2の軸受部2bとスペーサ3の軸受部3aにより駆動軸6を軸支する、つまりハウジング本体1と別体の物により駆動軸6を軸支する。そのため、実施例1の容易な一方向の組み付けが、可能となる。つまり、有底筒状のハウジング本体1内部に、第1インナロータ4a、第1アウタロータ4b、スペーサ3を組み付けた状態で、第2インナロータ5aをピン10で取り付けた駆動軸6を差し込むことのみで組み付けできる。これは、駆動軸6の第1端部から手前側に向かって2面幅部6c、円柱形状部分という順の配置となっているからできるのであり、ハウジング本体1の底面部11に軸受部を設けると、軸径を2面幅より小径にしなくてはならず、軸受能力が著しく低下してしまう。また、スペーサ3がハウジング本体1と別体でないと、この組み付けはできない。
つまり、駆動軸6の軸受部(2b,3a)をポンプカバー2とスペーサ3に設けることにより、図11を示して説明した容易な一方向組み付けを可能としているのである。
一方向組み付けは、各組み付け工程において、部品をターンさせる装置と時間を省くことができ、さらに、加工や測定についても同様であるので、非常に製造コストを抑制する効果を有するものである。
[スペーサによる軸支作用]
実施例1のオイルポンプAでは、第1トロコイドポンプ4の吐出ポート32bから昇圧した潤滑油を、潤滑溝3bにより軸受部3aと駆動軸6のクリアランスに供給する。この潤滑油の供給は、第1トロコイドポンプ4の回転に応じたものとなる。よって、駆動軸6の回転がエンジンからの駆動に応じて高速になると、その分、高く昇圧した潤滑油が供給されるのである。すると、このスペーサ3の軸受部3aは、流体軸受に非常に近い作用を得ることができ、抵抗の非常に少ない軸支を得ることになる。
なお、実施例1においては、スペーサ3は、ハウジング本体1の内穴により外周を支持される。ハウジング本体1によるスペーサ3の支持は、駆動軸6等の回転中心を、3点が作る3角形内に位置させる3点を含む面での支持構造であればよく、スペーサ3の外周が全周なく切欠しているものや、外周が一部しかないものであってもよい。
スペーサ3の外周が、このような3点を含む面で支持される構造であることにより、ハウジング本体1の開口部1aから挿入されるスペーサ3は、いずれかの径方向に対しても大きな軸ずれを生じることなく確実に支持される。
次に効果を説明する。
実施例1のオイルポンプAにあっては、以下に列挙する効果が得られる。
(1)有底筒状に形成されたハウジング本体1と、ハウジング本体1の開口部1aを封止するポンプカバー2と、ハウジング本体1内部に直列した状態で収容され、潤滑油を吸入して外部に吐出する第1トロコイドポンプ4及び第2トロコイドポンプ5と、両方のポンプを作動させるべく両方のポンプに跨って設けられると共に、ポンプカバー2を挿通して外部から回転力が伝達される駆動軸6と、第1トロコイドポンプ4及び第2トロコイドポンプ5の間を仕切ると共に、内周側に駆動軸6が挿通されるスペーサ3と、ポンプカバー2における駆動軸挿通部に設けられた軸受部2bと、スペーサ3における駆動軸挿通部に設けられた軸受部3aとを有し、駆動軸6の第1端部側は軸支しない構成となっているため、ポンプの軸方向長を短くして車載性を向上させることができる。
(2)スペーサ3の軸受部3aに第1トロコイドポンプ4における吐出ポート32bから潤滑油を導入する潤滑溝3bがもうけられているため、軸受部3aを潤滑した潤滑油は外部に漏れるのではなく、第1及び第2トロコイドポンプ5の吸入作動室4e及び5fから吸入されるようにできる。
(3)スペーサ3の外周は、ハウジング本体1の開口部1a内部により、少なくとも回転中心を囲む3点を含む面で支持されるため、軸受部3aを径方向に対し確実に支持できる。
さらに、上記各実施例から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項1に記載のタンデム型オイルポンプにおいて、
前記第1軸受部に一方の前記ポンプ構成体における吐出部から潤滑油を導入する導入部が設けられていることを特徴とするタンデム型オイルポンプ。
よって、第1軸受部へ潤滑油が供給されるため、第1軸受部を潤滑でき耐久性を向上することができる。
(ロ)請求項2又は請求項3に記載のタンデム型オイルポンプにおいて、
前記導入部は溝によって構成されていることを特徴とするタンデム型オイルポンプ。
よって、穴加工を不用とするため、容易に導入部を形成することができる。
(ハ)請求項1に記載のタンデム型オイルポンプにおいて、
前記駆動軸における軸受される部位は円筒状に形成され、各軸受部は円形の穴として構成されていることを特徴とするタンデム型オイルポンプ。
よって、潤滑油は駆動軸の円筒状部外周と軸受部としての穴内周との間をクリアランス分だけ流れるため、軸受部での潤滑油の不要な流れを極力防止することができる。
(ニ)請求項1に記載のタンデム型オイルポンプにおいて、
前記ポンプ構成体はトロコイドポンプによって構成されていることを特徴とするタンデム型オイルポンプ。
よって、トロコイドポンプを駆動する駆動軸の先端を自由端にし、ポンプの軸方向長を短くして車載性を向上させることができる。
実施例1のオイルポンプAを重力方向上方から見たときの断面図である。 図1のV矢視図である。 ポンプカバー2の第2トロコイドポンプ側面を示す図1のS3−S3断面図である。 スペーサ3の第2トロコイドポンプ側面31を示す図1のS4−S4断面図である。 スペーサ3の第1トロコイドポンプ側面32を示す図である。 図5のS6−S6断面図である。 第1トロコイドポンプを示す図1のS7−S7断面図である。 第2トロコイドポンプを示す図1のS8−S8断面図である。 第1トロコイドポンプ4および第2トロコイドポンプ5の歯の位相を示す図である。 実施例1の脈圧抑制作用を示す図である。 実施例1のオイルポンプAの組み付け方法を示す図である。
符号の説明
1 ハウジング本体
1a 開口部
1b ボルト穴
1c 吸入口
1d 吐出口
11 底面部
11a 貫通部
11b 圧入受け冶具
12 第1トロコイドポンプ側面
12a 吸入ポート
12b 吐出ポート
2 ポンプカバー
2a ボルト穴
2b 軸受部
2c 潤滑溝
21 第2トロコイドポンプ側面
21a 吸入ポート
21b 吐出ポート
211 トロコイドポンプ側面
3 スペーサ
3a 軸受部
3b 潤滑溝
31 第2トロコイドポンプ側面
31a 吸入ポート
31b 吐出ポート
32 第1トロコイドポンプ側面
32a 吸入ポート
32b 吐出ポート
33a 仕切部
33b 仕切部
4 第1トロコイドポンプ
4a 第1インナロータ
4b 第1アウタロータ
4c 嵌合穴
4d 吐出作動室
4e 吸入作動室
5 第2トロコイドポンプ
5a 第2インナロータ
5b 第2アウタロータ
5c 挿通穴
5d ピン溝
5e 吐出作動室
5f 吸入作動室
51 スペーサ側面
6 駆動軸
6a 第1端部
6b 第2端部
6c 二面幅部
6d ピン穴
7 ヘリカルギヤ
8 エンジンハウジング
8a 雌ねじ部
9 ボルト
10 ピン
62 脱落防止機構

Claims (3)

  1. 有底筒状に形成されたハウジングと、
    該ハウジングの開口を封止するカバーと、
    前記ハウジング内に直列した状態で収容され、潤滑油を吸入して外部に吐出する2つのポンプ構成体と、
    該両方のポンプ構成体を作動させるべく両方のポンプ構成体に跨って設けられると共に、前記カバーを挿通して外部から回転力が伝達される駆動軸と、
    前記2つのポンプ構成体間を仕切ると共に、内周側に前記駆動軸が挿通されるスペーサと、
    前記カバーにおける前記駆動軸挿通部に設けられた第1軸受部と、
    前記スペーサにおける前記駆動軸挿通部に設けられた第2軸受部と、
    を有し、
    前記駆動軸先端は軸支しない構成となっている、
    ことを特徴とするタンデム型オイルポンプ。
  2. 請求項1に記載のタンデム型オイルポンプにおいて、
    前記第2軸受部に一方の前記ポンプ構成体における吐出部から潤滑油を導入する導入部が設けられている、
    ことを特徴とするタンデム型オイルポンプ。
  3. 請求項1に記載のタンデム型オイルポンプにおいて、
    前記スペーサの外周は、前記ハウジングの開口内部により、少なくとも回転中心を囲む3点を含む面で支持される、
    ことを特徴とするタンデム型オイルポンプ。
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