JP2006170148A - タンデム型オイルポンプ - Google Patents

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Hideaki Onishi
秀明 大西
Yasushi Watanabe
靖 渡辺
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Abstract

【課題】 両方のポンプから吐出された潤滑油が衝突することなく、整流された後に合流するタンデム型オイルポンプを提供すること。
【解決手段】 ハウジング本体1の内部の第1トロコイドポンプ4と第2トロコイドポンプ5の間にスペーサ3を備えるようにし、スペーサ3には軸方向両側の吐出ポート31b,32bを仕切る仕切部33bが設けられ、仕切部33bの下流側にて吐出ポート31b,32bから吐出された潤滑油が合流するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、2対のトロコイドポンプを用いたタンデム型トロコイドポンプの技術分野に属する。
従来、ハウジング内に2つのポンプ構造体を直列に配置し、両ポンプ構成体間に仕切部材(スペーサ)を配置して互いのポンプで加圧された潤滑油を仕切部材(スペーサ)に設けられた吐出ポートで合流させて吐出するタンデムポンプが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
実開平5−79465号公報
しかしながら、上述の従来技術にあっては、仕切部材(スペーサ)に設けられた吐出ポートは軸方向に貫通して設けられており、両側に配置される2つのポンプ構成体の吐出ポートとして機能している。そのため、2つのポンプ構成体から夫々吐出された潤滑油の流れがスペーサの吐出ポートで衝突してしまい、流れが衝突する部分で乱流が発生してしまい圧力損出となりポンプ損失となってしまう。
本発明は、上述の従来の問題点に着目して成されたもので、その目的とするところは、仕切部によって両方のポンプから吐出された潤滑油が衝突することがなく、整流された後に合流するタンデム型オイルポンプを提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明のタンデム型オイルポンプでは、
内部にポンプ収容部を有するハウジングと、
前記ハウジング内に直列した状態で収容され、潤滑油を吸入した外部に吐出する2つのポンプ構成体と、
該両方のポンプ構成体を作動させるべく両方のポンプ構成体に跨って設けられ、外部から回転力が伝達される駆動軸と、
前記2つのポンプ構成体間を仕切ると共に、内周側に前記駆動軸が挿通されるスペーサと、
該スペーサの軸方向両側面に開口するように形成された吸入ポート及び吐出ポートと、
を有し、
前記スペーサには軸方向両側の吐出ポートを仕切る第1仕切部が設けられ、第1仕切部の下流側にて両吐出ポートから吐出された潤滑油が合流される、
ことを特徴とする。
よって、仕切部によって両方のポンプから吐出された潤滑油が衝突することがなく、整流された後に合流することができる。
以下に、本発明を実施する最良の形態を、実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1のオイルポンプを重力方向上方から見たときの断面図、図2は図1のV矢視図であり、実施例1は、本発明のオイルポンプを、エンジン潤滑用として適用した例である。
実施例1のオイルポンプAは、ハウジング本体1と、ポンプカバー2と、スペーサ3と、第1トロコイドポンプ4と、第2トロコイドポンプ5と、駆動軸6と、ヘリカルギヤ(動力伝達部材)7とを備えている。
[ハウジング本体]
ハウジング本体1は、ヘリカルギヤ7側に開口部1a、エンジンハウジング8側に底面部11を有する有底筒状に形成されている。図2に示すように、このハウジング本体1には、軸方向に沿って吸入口1cと吐出口1dがそれぞれ形成されている。吸入口1cは、エンジンハウジング8内の油路(不図示)を介して、エンジンオイルが溜められた図外のオイルパンと連通している。また、吐出口1dは、エンジンハウジング8内の油路(不図示)を介して、図外のオイルフィルタへ連通している。オイルフィルタで濾過されたエンジンオイルは、ベアリング、カムシャフト、バルブ等の各潤滑部分へと送られる。
また、図2に示すように、ハウジング本体1の吸入口1cは、エンジンハウジング8に組み付けられたとき、重力方向上側に位置し、吐出口1dは、重力方向下側に位置するように設定されている。
ハウジング本体1の底面部11には、組み付け時に駆動軸6の第1端部6aを保持する圧入受け冶具11b(図11参照)を挿入するための貫通部11aが形成されている。この貫通部11aは、円形の穴であり、穴の内周は、後述する駆動軸6の第1端部6aの外径よりも小径に設定されている。
また、底面部11において、第1トロコイドポンプ4と接する第1トロコイドポンプ側面12には、吸入口1cと連通する吸入ポート12aと、吐出口1dと連通する吐出ポート12bとが形成されている。吸入ポート12aは、吸入口1cと対応して重力方向下側に位置する。吐出ポート12bは、吐出口1dと対応して重力方向上側に位置する。
[ポンプカバー]
ポンプカバー2は、ハウジング本体1の開口部1aを封止するもので、ポンプカバー2の中央には、駆動軸6を回転可能に軸支する軸受部2bが形成されている。また、図3に示すように、ポンプカバー2において、第2トロコイドポンプ5と接する第2トロコイドポンプ側面21には、吸入口1cと連通する吸入ポート21aと、吐出口1dと連通する吐出ポート21bとが形成されている。さらに、第2トロコイドポンプ側面21には、吐出ポート21bと連通し、軸受部2bを潤滑する潤滑溝2cが形成されている。
ハウジング本体1およびポンプカバー2は、エンジンハウジング8に形成された4つの雌ねじ部8aと対応する位置に、ボルト穴1b,2aがそれぞれ形成され、これらボルト穴1b,2aに挿通されたボルト9によりポンプカバー2側からエンジンハウジング8に共締めされている。
[スペーサ]
図4はスペーサ3の第2トロコイドポンプ側面31を示す図1のS4−S4断面図、図5はスペーサ3の第1トロコイドポンプ側面32を示す図、図6は図5のS6−S6断面図である。
スペーサ3は、第1トロコイドポンプ4と第2トロコイドポンプ5とを仕切ると共に、駆動軸6を支持するもので、中央には、駆動軸6を回転可能に軸支する軸受部3aが形成されている。
スペーサ3において、第2トロコイドポンプ5と接する第2トロコイドポンプ側面31には、吸入口1cと連結する吸入ポート31aと、吐出口1dと連通する吐出ポート31bとが形成されている。
また、スペーサ3において、第1トロコイドポンプ4と接する第1トロコイドポンプ側面32には、吸入口1cと連結する吸入ポート32aと、吐出口1dと連通する吐出ポート32bとが形成されている。さらに、第1トロコイドポンプ側面32には、吐出ポート32bと連通し、軸受部3aを潤滑する潤滑溝3bが形成されている。
吸入ポート31aと吸入ポート32aをこのように設けることによって、スペーサ3の吸入口1c側は、第1トロコイドポンプ4側と第2トロコイドポンプ5側を仕切部33aで仕切る構造となる。また、吐出ポート31bと吐出ポート32bをこのように設けることによって、スペーサ3の吐出口1d側は、第1トロコイドポンプ4側と第2トロコイドポンプ5側を仕切部33bで仕切る構造となる。
[第1トロコイドポンプ]
図7は、第1トロコイドポンプ4を示す図1のS7−S7断面図である。
第1トロコイドポンプ4は、ハウジング本体1内の底面部11に面して配置され、ドライブロータである第1インナロータ4aと、ドリブンロータである第1アウタロータ4bとから構成されている。第1インナロータ4aの内周には、後述する駆動軸6の第1端部6aと嵌合する嵌合穴4cが形成されている。ここで、第1トロコイドポンプ4は、エンジンハウジング8に組み付けられたとき、重力方向上側に高圧となる吐出作動室4dが位置し、重力方向下側に負圧となる吸入作動室4eが位置するように設定されている。
[第2トロコイドポンプ]
図8は、第2トロコイドポンプ5を示す図1のS8−S8断面図である。
第2トロコイドポンプ5は、ハウジング本体1内の開口部1a側に第1トロコイドポンプ4と直列に配置され、ドライブロータである第2インナロータ5aおよびドリブンロータである第2アウタロータ5bとから構成されている。
第2インナロータ5aの中央には、駆動軸6が挿通される挿通穴5cが形成されている。また、第2インナロータ5aにおいて、スペーサ3の第2トロコイドポンプ側面31と接するスペーサ側面51には、後述する駆動軸6に挿通されたピン10が嵌り込むピン溝5dが形成されている。第2トロコイドポンプ5も、第1トロコイドポンプ4と同様に、エンジンハウジング8に組み付けられたとき、重力方向上側に高圧となる吐出作動室5eが位置し、重力方向下側に負圧となる吸入作動室5fが位置するように設定されている。
図9は、第1トロコイドポンプ4および第2トロコイドポンプ5の歯の位相を示す図であり、第1トロコイドポンプ4と第2トロコイドポンプ5は、インナロータとアウタロータの歯の噛み合い位置がアウタロータの回転角で互いに36°ずらして配置されている。なお、図9中の矢印は、駆動軸6の回転方向を示す。
(第1トロコイドポンプ4、第2トロコイドポンプ5が2つのポンプ構成体に相当する)
[駆動軸]
駆動軸6は、ポンプカバー2からハウジング本体1の外部に突出した第2端部6bにヘリカルギヤ7が圧入され、ヘリカルギヤ7の回転力を第1トロコイドポンプ4および第2トロコイドポンプ5へ伝達する。
駆動軸6は、円柱状部材で構成され、第1インナロータ4aと対応する第1端部6aのみを二面幅状に切り欠き、第1インナロータ4aの嵌合穴4cと嵌合する二面幅部6cが形成されている。
また、駆動軸6において、ピン溝5dと対応する位置には、駆動軸6の径方向にピン穴6dが貫通し、このピン穴6dに、ピン10が挿入されている。ピン10は、ピン穴6dよりも長く形成され、その両端がピン穴6dの両側から突出するようにピン溝5dが設定されている。ピン10と、第2インナロータ5に形成されたピン溝5dにより、駆動軸6の第1端部6aから第2端部6bの方向へ向かって作用するスラスト力を、第2インナロータ5の側面で受ける脱落防止機構62が構成されている。
[ヘリカルギヤ]
ヘリカルギヤ7は、図外のギヤを介してクランクシャフトの回転力を駆動軸6へ伝達する。実施例1では、駆動軸6に対し、図1の矢印方向、すなわち、駆動軸6の第1端部6aから第2端部6bの方向へ向かってスラスト力が発生するよう、ヘリカルギヤ7の歯形が設定されている。
次に、作用を説明する。
[オイルポンプ駆動作用]
エンジンが駆動すると、クランクシャフトの回転力がヘリカルギヤ7を介して駆動軸6へ入力される。これにより、第1トロコイドポンプ4と第2トロコイドポンプ5が駆動される。
第1トロコイドポンプ4が駆動されると、膨張行程にある吸入作動室4eが負圧となり、オイルパンに溜められたエンジンオイルは、ハウジング本体1の吸入ポート12aとスペーサ3の吸入ポート32aを介して、第1トロコイドポンプ4の吸入作動室4eへ流入する。
第1トロコイドポンプ4の作動室へ流入したエンジンオイルは、圧縮工程にある吐出作動室4d内で昇圧され、ハウジング本体1の吐出ポート12bとスペーサ3の吐出ポート32bを介して、吐出口1dへ吐出される。
同様に、第2トロコイドポンプ5が駆動されると、膨張行程にある吸入作動室5fが負圧となり、エンジンオイルは、ポンプカバー2の吸入ポート21aとスペーサ3の吸入ポート31aを介して、第2トロコイドポンプ4の吸入作動室5fへ流入する。
第2トロコイドポンプ5の作動室へ流入したエンジンオイルは、圧縮工程にある吐出作動室5e内で昇圧され、ポンプカバー2の吐出ポート21bとスペーサ3の吐出ポート31bを介して、吐出口1dへ吐出される。
[位相による脈圧抑制作用]
第1トロコイドポンプ4と第2トロコイドポンプ5は、互いのインナロータとアウタロータとの歯の噛み合い位置をアウタロータの回転角で互いに36°ずらして配置されているため、図10に示すように、それぞれの脈圧は、お互いに打ち消し合うような位相となる。これにより、吐出口1dから出力されるエンジンオイルの合成脈圧が抑制される。
[貫通部からのオイル漏れ抑制作用]
実施例1では、ハウジング本体1の底面部11に、ヘリカルギヤ7を組み付ける際に圧入受け冶具11bを挿入する貫通部11aが形成されている。よって、ポンプ駆動時、この貫通部11aからハウジング本体1の外部へ若干のオイル漏れが発生する可能性がある。
これに対し、実施例1では、第1トロコイドポンプ4の吐出作動室4dを重力方向上側に配置し、吸入作動室4eを重力方向下側に配置している。これにより、貫通部11aへ若干のオイル漏れが発生した場合でも、直ちに吸入ポート12aから吸入作動室4eへと吸収される。よって、貫通部11aを設けたにもかかわらず、底面部11から外部へのオイル漏れを抑制できる。また、外部から空気を吸入してしまうのを抑制できる。
また、貫通部11aを、駆動軸6の第1端部6aの外径よりも小径に設定したため、ハウジング本体1の底面部11と第1トロコイドポンプ4との摺動面から漏れたエンジンオイルは、駆動軸6の第1端部6a端面と底面部11の貫通部11a周縁によって構成される絞りを通過することとなり、オイル漏れを抑制できる。
[ポンプ組み付け方法]
次に、実施例1のオイルポンプ4の組み付け方法について説明する。
(第1工程)
ハウジング本体1に対し、第1インナロータ4a、第1アウタロータ4b、スペーサ3を順に組み付ける。
続いて、駆動軸6のピン穴6dに、ピン10を差し込み、第2インナロータ5aの挿通穴5cに、スペーサ側面51から駆動軸6を挿入する。この工程により、駆動軸6と第2インナロータ5aとが脱落防止機構62にて一体化される(図11(a))。
次に、ハウジング本体1の開口部1aを上方に向け、駆動軸6の第1端部6aを、スペーサ3の軸受部3aと第1インナロータ4aの嵌合穴4cとに挿入する。このとき、第2インナロータ5aはピン10とピン溝5dとの係合による脱落防止機構62によって下方側を支持されるため、駆動軸6を第1インナロータ4aに差し込む際、第2インナロータ5aが落下することがない。また、重力によって第2インナロータ5aがピン10の両端を下方へ押圧するため、ピン穴6dからのピン10の脱落が防止される。
最後に、第2インナロータ5aを収容するようにハウジング本体1内に第2アウタロータ5bを組み付ける。このとき、駆動軸6は、脱落防止機構62によって軸方向への相対移動が規制されるため、ハウジング本体1に対して位置がずれることはない。
(第2工程)
ポンプカバー2の軸受部2bに駆動軸6の第2端部6bを挿入し、ハウジング本体1の開口部1aにポンプカバー2を被せる。このとき、ハウジング本体1とポンプカバー2をボルト9で仮止めしておく(図11(b))。
(第3工程)
ハウジング本体1の底面部11に形成された貫通部11aからハウジング本体1内へ圧入受け冶具11bを挿入し、駆動軸6の第1端部6aを固定する。この状態で、ヘリカルギヤ7を駆動軸6の第2端部6bヘを圧入する(図11(c),(d))。このとき、駆動軸6の第1端部6aは、圧入受け冶具11bで支持されているため、ヘリカルギヤ7の圧入作業に伴い、ハウジング本体1が変形するのを防止できる。
[スペーサによる整流化作用]
実施例1のオイルポンプAでは、第1トロコイドポンプ4、第2トロコイドポンプ5により、昇圧されたオイルは、夫々軸方向の両サイドに吐出される。
これにより、スペーサ3へは、両側から吐出オイルが流れ込むことになる。実施例1では、スペーサ3に仕切部33bを設けて、吐出ポート31b,32bを形成している(図12参照、図12中符号Fは流れを示す)。
よって、スペーサ3において、対向する吐出の流れがぶつかりを生じることはなく、それぞれが別の吐出ポート31b,32bで吐出口1dへ流れを変え、その後ほぼ同じ方向の流れ、つまり吐出口1dへ向かう流れとして合流することになる。
つまり、対向する吐出流れは仕切部33bにより整流化されているのである。
さらに、実施例1のオイルポンプAでは、ハウジング本体1の吸入口1cからの流れがスペーサ3の仕切部33aにより2つの流れに分けられた後、それぞれの吸入ポート31a,32aから第1トロコイドポンプ4、第2トロコイドポンプ5へ流入する。この吸入側においても、分流がスムーズに行われる。つまり整流化されているのである。
オイルポンプAは、吐出側においては、オイルが昇圧されているが、吸入側では負圧によりオイルを引き込む。そのため、吸入側の流れの乱れが大きい場合には、その部分で、渦を生じ、減圧沸騰によりキャビテーションを生じやすくなる。キャビテーションをポンプ吸入側で生じれば、気体の圧縮性により、オイルポンプはその性能を著しく低下させてしまうことになる。実施例1では、仕切部33aによる整流化が、キャビテーションの発生を防止する。
また、このオイルポンプAは、自動車のオイルパンに溜められたオイルを吸入する。オイルパンのオイルは、自動車の振動等によって、内部に気泡を有する場合があるため、オイルポンプAはキャビテーションを生じていなくても内部へ気泡が入ってくる場合がある。この場合に好ましいのは、その気泡がオイルポンプA内部に溜まることなく、外部へ排出されることである。
吸入側、吐出側に流れの乱れが大きく、渦が生じていると、この部分に気泡が溜まり、さらに外部から気泡が入ると、この気泡が成長し、吸入側もしくは吐出側で、圧力損出が大きくなり、ポンプの昇圧性能を低下させることになる。
実施例1においては、吸入側、吐出側で仕切部33a,33bにより流れが整流化されるため、内部へ流入する気泡を留めることなく排出する。このことは、上記キャビテーション発生に対しても、気泡の成長を抑制することになる。
次に効果を説明する。
実施例1のオイルポンプAにあっては、以下に列挙する効果が得られる。
(1)内部に空間を有する形状のハウジング本体1及びポンプカバー2と、ハウジング本体1内に直列した状態で収容され、潤滑油を吸入して外部に吐出する第1トロコイドポンプ4及び第2トロコイドポンプ5と、第1トロコイドポンプ4及び第2トロコイドポンプ5の両方を作動させるべく第1トロコイドポンプ4及び第2トロコイドポンプ5の両方に跨って設けられ、外部から回転力が伝達される駆動軸6と、第1トロコイドポンプ4及び第2トロコイドポンプ5の間を仕切ると共に、内周側の駆動軸6が挿通されるスペーサ3と、スペーサ3の軸方向両側面に開口するように形成された吸入口1c及び吐出口1dと、スペーサ3には軸方向両側の吐出ポート31b,32bを仕切る仕切部33bが設けられ、仕切部33bの下流側にて吐出ポート31b,32bから吐出された潤滑油が合流されるため、仕切部によって両方のポンプから吐出された潤滑油が衝突することがなく、整流された後に合流する。
(2)スペーサ3には軸方向両側の吸入ポート31a,32aを仕切る仕切部33aが設けられているため、第1トロコイドポンプ4及び第2トロコイドポンプ5に吸入される際の潤滑油の流れ方向が変化せず、流れ方向が頻繁に変化することによる流体の抵抗が小さくなりキャビテーションを防止することができる。
(3)ハウジング本体1とポンプカバー2により内部は円筒形状の空間に形成され、スペーサ3は仕切部33及び/又は仕切部33bを介して軸方向少なくとも一部分の外周が連続した円形となるように構成したため、スペーサは強度がアップし、長期の使用に対して有利となる。また、スペーサの強度アップは、生産工程においても好ましい。
(他の実施例)
以上、本発明のタンデム型トロコイドポンプを、実施例1に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、各実施例に示した構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、さらに仕切部33a,33bの整流化作用を高めるために、図13に示すように、仕切部33a,33bの周縁部に面取を設けることが好ましい。面取の形状としては、C面取やR形状、テーパ形状等がある。この面取部により、よりスムーズに流れが合流・分離するため、さらに整流化作用が高められる。
また、図14に示すように、仕切部33a,33bは、外周が円形でなくてよく、また吐出ポート31b,32b若しくは吸入ポート31a,32aの一部を仕切るものであってもよい。
また例えば、駆動軸6の軸受をハウジング本体1に設けても良い。図15は、タンデム型トロコイドポンプCの構成を示す縦断面図であり、スペーサ3の内周3cは、駆動軸6と非接触となるように設定されている。ハウジング本体1の底面部11には、軸受部11cが突設され、この軸受部11cの内周に、駆動軸6の第1端部6aを延長して形成された非軸受部6eが回転可能に支持されている。
さらに、上記各実施例から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項2に記載のオイルポンプにおいて、
前記ポンプ収容部の内周であって両ポンプ構成体に跨って伸びる吸入通路及び吐出通路を有し、該吸入通路及び吐出通路は前記第1仕切部材及び/又は前記第2仕切部材の外周位置に配置されることを特徴とするタンデム型オイルポンプ。
よって、第1トロコイドポンプ4及び第2トロコイドポンプ5に吸入される際の潤滑油の流れ方向が変化せず、流れ方向が頻繁に変化することによる流体の抵抗が小さくなりキャビテーションを防止することができる。
(ロ)請求項1〜3、(イ)に記載のタンデム型オイルポンプにおいて、
前記第1仕切部材及び/又は前記第2仕切部材の先端縁部には、面取り(テーパ,アールを含む)が設けられていることを特徴とするタンデム型オイルポンプ。
よって、両側のポートから潤滑油の流れが滑らかに分岐あるいは合流するため、よりキャビテーションや圧力損失を防止することができる。
(ハ)請求項1〜3、(イ)、(ロ)に記載のタンデム型オイルポンプにおいて、
前記ポンプ構成体はトロコイドポンプであることを特徴とするタンデム型オイルポンプ。
よって、仕切部によって両方のトロコイドポンプから吐出された潤滑油が衝突することがなく、整流された後に合流できる。
実施例1のオイルポンプAを重力方向上方から見たときの断面図である。 図1のV矢視図である。 ポンプカバー2の第2トロコイドポンプ側面を示す図1のS3−S3断面図である。 スペーサ3の第2トロコイドポンプ側面31を示す図1のS4−S4断面図である。 スペーサ3の第1トロコイドポンプ側面32を示す図である。 図5のS6−S6断面図である。 第1トロコイドポンプを示す図1のS7−S7断面図である。 第2トロコイドポンプを示す図1のS8−S8断面図である。 第1トロコイドポンプ4および第2トロコイドポンプ5の歯の位相を示す図である。 実施例1の脈圧抑制作用を示す図である。 実施例1のオイルポンプAの組み付け方法を示す図である。 仕切部33bにおけるオイルの流れの状態を示す説明図である。 仕切部33a,33bの周端部の面取りを示す説明図である。 仕切部の他の例を示す説明図である。 オイルポンプの他の例を示す断面図である。
符号の説明
1 ハウジング本体
1a 開口部
1b ボルト穴
1c 吸入口
1d 吐出口
11 底面部
11a 貫通部
11b 圧入受け冶具
12 第1トロコイドポンプ側面
12a 吸入ポート
12b 吐出ポート
2 ポンプカバー
2a ボルト穴
2b 軸受部
2c 潤滑溝
21 第2トロコイドポンプ側面
21a 吸入ポート
21b 吐出ポート
211 トロコイドポンプ側面
3 スペーサ
3a 軸受部
3b 潤滑溝
31 第2トロコイドポンプ側面
31a 吸入ポート
31b 吐出ポート
32 第1トロコイドポンプ側面
32a 吸入ポート
32b 吐出ポート
33a 仕切部
33b 仕切部
4 第1トロコイドポンプ
4a 第1インナロータ
4b 第1アウタロータ
4c 嵌合穴
4d 吐出作動室
4e 吸入作動室
5 第2トロコイドポンプ
5a 第2インナロータ
5b 第2アウタロータ
5c 挿通穴
5d ピン溝
5e 吐出作動室
5f 吸入作動室
51 スペーサ側面
6 駆動軸
6a 第1端部
6b 第2端部
6c 二面幅部
6d ピン穴
7 ヘリカルギヤ
8 エンジンハウジング
8a 雌ねじ部
9 ボルト
10 ピン
62 脱落防止機構

Claims (3)

  1. 内部にポンプ収容部を有するハウジングと、
    前記ハウジング内に直列した状態で収容され、潤滑油を吸入して外部に吐出する2つのポンプ構成体と、
    該両方のポンプ構成体を作動させるべく両方のポンプ構成体に跨って設けられ、外部から回転力が伝達される駆動軸と、
    前記2つのポンプ構成体間を仕切ると共に、内周側に前記駆動軸が挿通されるスペーサと、
    該スペーサの軸方向両側面に開口するように形成された吸入ポート及び吐出ポートと、
    を有し、
    前記スペーサには軸方向両側の吐出ポートを仕切る第1仕切部が設けられ、第1仕切部の下流側にて両吐出ポートから吐出された潤滑油が合流されることを特徴とするタンデム型オイルポンプ。
  2. 請求項1に記載のタンデム型オイルポンプにおいて、
    前記スペーサには軸方向両側の吸入ポートを仕切る第2仕切部が設けられていることを特徴とするタンデム型オイルポンプ。
  3. 請求項1に記載のタンデム型オイルポンプにおいて、
    前記ハウジングにポンプ収容部は円筒形状に形成され、前記スペーサは前記第1仕切部材及び/又は前記第2仕切部材を介して軸方向少なくとも一部分の外周が連続した円形となるように構成した、
    ことを特徴とするタンデム型オイルポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010209812A (ja) * 2009-03-11 2010-09-24 Hitachi Automotive Systems Ltd 可変容量ベーンポンプ
WO2024057753A1 (ja) * 2022-09-14 2024-03-21 日立Astemo株式会社 可変容量形ポンプ

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