JP2006153116A - 流体封入式筒型防振組付体 - Google Patents

流体封入式筒型防振組付体 Download PDF

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Abstract

【課題】 中間スリーブ外筒部材の軸方向における十分な耐抜け力が、優れた製作性と経済性とをもって実現された流体封入式筒型防振組付体を提供する。
【解決手段】 軸部材12に本体ゴム弾性体16を介して連結された中間スリーブ14の軸方向一方側の端部を円筒部32とする一方、該中間スリーブ14に対して、シールゴム層58を介して外嵌固定された外筒部材18の軸方向一方側の端部に外フランジ部68と凹部82とを設けて、該凹部82の内側のシールゴム層58部分を係合凸部84とし、そして、中間スリーブ14の前記円筒部32の端面66を、該凹部82の最小内径部位86よりも軸方向他方側に位置せしめることにより、該端面66が、前記係合凸部84に対して軸方向に係合せしめられるように構成した。
【選択図】 図 1

Description

本発明は、流体封入式筒型防振組付体に係り、特に、軸方向の入力振動に対して、内部に封入された流体の流動作用に基づく防振効果が有利に発揮されて、自動車のサスペンション用メンバマウント等として好適に用いられる流体封入式筒型防振組付体に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する二つの部材間に介装されて、それら両部材を防振連結する防振組付体の一種として、内部に封入した流体の共振作用等の流動作用に基づいて、より優れた防振特性が発揮され得るように構成された、所謂流体封入式筒型防振組付体が、知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来の流体封入式筒型防振組付体は、例えば、防振連結されるべき一方の部材に取り付けられる軸部材に対して、その径方向外方に所定距離隔てて配された中間スリーブ(アウタ筒部材)が、本体ゴム弾性体を介して連結されると共に、かかる中間スリーブに対して、防振連結されるべき他方の部材に取り付けられる外筒部材(外挿筒金具)が、その内周面上に配設された薄肉のシールゴム層を介して、外挿されて、嵌着固定されてなっている。
また、かかる筒型防振組付体にあっては、本体ゴム弾性体に、外周面に開口するポケット部が形成されると共に、このポケット部の開口が外筒部材にて覆蓋されることにより、外筒部材と軸部材との間に、壁部の少なくとも一部が本体ゴム弾性体とシールゴム層とにて構成された、内部に非圧縮性流体が封入された流体室が設けられている。更に、中間スリーブの軸方向一方側の開口周縁部には、外フランジ部(鍔部)が形成されており、この外フランジ部によって、前記二つの部材に対する外筒部材と軸部材の取付状態下で、中間スリーブ及びそれに嵌着固定される外筒部材と軸部材との軸方向での相対変位量を制限するストッパ機構が、構成されている。そして、このような流体封入式筒型防振組付体が、例えば、自動車のサスペンション用メンバマウントやストラットバークッション、サスペンション用アッパーサポート等として、使用されている。
ところで、かくの如き構造とされた流体封入式筒型防振組付体においては、中間スリーブにおける外フランジ部の形成側端部に、軸直角方向内方に凹んだ凹部が形成される一方、外筒部材における外フランジ部の形成側端部にも、軸直角方向内方に屈曲した係合部が設けられている。そして、外筒部材の係合部が中間スリーブの凹部に対して、シールゴム層を介して係合せしめられることにより、それら外筒部材と中間スリーブとの間に及ぼされる軸方向への抜け力に対する抵抗力、つまり外筒部材と中間スリーブの軸方向における耐抜け力が、十分に確保され得るようになっている。
また、かかる筒型防振組付体では、例えば、中間スリーブに対して外筒部材を外挿せしめた状態下で、外筒部材に対する八方絞り等の縮径加工を行って、外筒部材を中間スリーブに嵌着固定せしめる際に、単に、外筒部材の外フランジ部形成側端部が他の部分よりも大きな縮径量において縮径加工せしめられるだけで、外筒部材に対して係合部が形成され、またそれと同時に、外筒部材に対する縮径力が中間スリーブにも及ぼされて、かかる縮径力にて、中間スリーブの外フランジ部形成側端部に、凹部が形成されるようになっている。
従って、このような従来の流体封入式筒型防振組付体では、中間スリーブと外筒部材の軸方向における耐抜け力を十分に確保し得る構造が、特殊な設備を用いたり、或いは特別な工程を何等付加することなく、優れた製作性とコスト性とをもって実現され得るようになっているのである。
ところが、かくの如き構造を有する流体封入式筒型防振組付体について、更なる製作性の向上と、より一層の低コスト化を図るべく、本発明者等が種々検討を加えたところ、かかる従来の筒型防振組付体にあっては、中間スリーブと外筒部材の両方に外フランジ部が形成されているため、それら中間スリーブと外筒部材に対して外フランジ部を形成するための工程をそれぞれ別々に行う必要があり、それが、筒型防振組付体の製作性とコスト性の更なる向上の妨げとなっていることが、判明した。
また、従来の流体封入式筒型防振組付体では、中間スリーブにおける凹部と外筒部材における係合部との間にシールゴム層が介在せしめられているところから、上記せる如く、中間スリーブに外挿された外筒部材に対する縮径加工により、中間スリーブと外筒部材とに対して凹部と係合部とを同時に形成する際に、それら外筒部材の凹部が形成されるべき部位と中間スリーブの係合部が形成されるべき部位との間に位置するシールゴム層部分が弾性変形せしめられ、それによって、外筒部材から中間スリーブに伝達されるべき縮径力が、不可避的に吸収乃至は減少せしめられる。そして、そのような縮径力の吸収量乃至は減少量が著しく大きい場合には、中間スリーブに設けられる凹部の形状が、外筒部材の係合部の形状と大きく異なるようになって、かかる凹部に対する係合部の係合が不十分なものとなってしまい、その結果、中間スリーブと外筒部材の軸方向における耐抜け力の低下が惹起される懸念があったのである。
なお、かかる懸念を解消するには、外筒部材に対する縮径加工を、より大きな縮径力をもって実施することが容易に考えられるが、そうすると、縮径加工のための設備が大型なものとなって、設備コストの高騰が惹起されることとなる。
また、予め凹部が形成された中間スリーブを用いて、縮径加工により、外筒部材のみに係合部を形成することも、考えられる。しかしながら、そのような中間スリーブを用いる場合には、外筒部材に対して作用せしめられる縮径力の解消後に不可避的に生ずる外筒部材の拡径方向への戻り変形によって、係合部の内側のシールゴム層部分の内周面と凹部の内周面との間に微細な隙間が形成され、その結果、外筒部材と中間スリーブとの間のシール性が低下してしまう恐れがあったのである。
特開平11−153180号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、中間スリーブと、それに外嵌固定された外筒部材の軸方向における耐抜け力が、より優れた製作性の実現と更なるコストダウンを図りつつ、十分な大きさにおいて安定的に確保され得る新規な構造を備えた流体封入式筒型防振組付体を提供することにある。
そして、かかる課題の解決のために、本発明の第一の態様とするところは、軸部材の径方向外方に所定距離隔てて配されて、該軸部材に本体ゴム弾性体を介して連結された中間スリーブに対して、内周面上に薄肉のシールゴム層が配設された外筒部材が外挿されて、該シールゴム層を介して該中間スリーブに嵌着固定されることにより、該軸部材と該外筒部材との間に、壁部の少なくとも一部が該本体ゴム弾性体と該シールゴム層とにて構成されて、非圧縮性流体が封入された流体室が設けられてなると共に、軸方向一方側の端部に外フランジ部が形成された流体封入式筒型防振組付体において、前記外筒部材の軸方向一方側の開口周縁部に、前記外フランジ部が形成されると共に、該外筒部材の軸方向一方側の筒壁部分に、軸直角方向内方に凹んだ凹部が形成されて、該外筒部材の内周面上に配設された前記シールゴム層のうち、該凹部の内側に位置せしめられる部分が、軸直角方向内方に突出する係合凸部とされる一方、該外筒部材における軸方向一方側に対応する前記中間スリーブの軸方向一方側の端部が、軸直角方向において凹凸のない円筒部とされると共に、該円筒部の端面が、該外筒部材における前記凹部の最小内径部位よりも軸方向他方側に位置せしめられることにより、該円筒部の端面が、前記シールゴム層の係合凸部に対して、軸方向に係合せしめられて、構成されていることを特徴とする流体封入式筒型防振組付体にある。
すなわち、この本発明に従う流体封入式筒型防振組付体の第一の態様においては、前述せる如きストッパ機構を構成する外フランジ部が、外筒部材の軸方向一方側の開口周縁部のみに設けられて、中間スリーブの軸方向一方側の開口周縁部が、シンプルな形状の円筒部とされている。そのため、かかる外フランジ部が、外筒部材と中間スリーブの両方における軸方向一方側の開口周縁部にそれぞれ設けられてなる従来の流体封入式筒型防振組付体とは異なって、中間スリーブに対して、外フランジ部を形成するための加工を何等施す必要がなく、その分だけ、製作工程が簡素化されると共に、製作コストの低減も有利に図られ得る。
また、かかる第一の態様では、円筒部の端面が、外筒部材における凹部の内側に位置するシールゴム層部分からなる係合凸部に対して軸方向に係合せしめられており、それによって、中間スリーブと外筒部材の軸方向における耐抜け力が十分に確保され得るようになっている。それ故、例えば、中間スリーブに対する外筒部材の外挿状態下で、外筒部材に対する縮径加工等を行って、外筒部材を中間スリーブに嵌着固定せしめる際に、中間スリーブに対する加工を何等行うことなく、単に、外筒部材の軸方向一方側の筒壁部分を、他の筒壁部分よりも大きな縮径量において、比較的に小さな縮径力にて縮径加工せしめて、かかる筒壁部分に凹部を形成するだけで、凹部の内側に位置するシールゴム層部分にて係合凸部を形成すると共に、かかる係合凸部と中間スリーブの端面との係合を実現させることが出来る。
従って、この第一の態様においては、中間スリーブに対する外筒部材の外挿状態下で、それら中間スリーブと外筒部材の互いに対応する部位に、凹部や係合部が設けられて、かかる凹部と係合部との係合によって、中間スリーブと外筒部材の軸方向における耐抜け力を確保するようにした従来の流体封入式筒型防振組付体とは異なって、例えば、中間スリーブに外挿された外筒部材に対する縮径加工時に、それら中間スリーブと外筒部材との間のシールゴム層の弾性変形に起因して惹起される凹部と係合部の形状の不一致によって、それら凹部と係合部との係合不足が生じ、その結果、中間スリーブと外筒部材の軸方向における耐抜け力が低下してしまうようなことが有利に解消され得るといった特徴が発揮されることとなる。
しかも、かかる第一の態様では、中間スリーブの軸方向一方側の端部が軸直角方向において凹凸のない円筒部とされていることによって、シールゴム層の係合凸部における円筒部の端面との係合部分よりも軸方向他方側の部分が、円筒部の平滑な外周面に接触せしめられるようになる。そのため、例えば、上記せる如き縮径加工により、外筒部材に凹部を形成するに際して、外筒部材に作用せしめられる縮径力の解消後に、凹部形成部位が、多少、戻り変形せしめられても、シールゴム層における係合凸部の内周面と中間スリーブにおける円筒部の外周面との間に隙間が形成されるようなことが有利に解消され得る。そして、それにより、外筒部材に対する凹部の形成に起因した外筒部材と中間スリーブとの間のシール性の低下が生ずるようなことが確実に防止され得るといった特徴も発揮される。
また、かかる本発明に従う流体封入式筒型防振組付体の第二の態様では、前記外筒部材における前記凹部の最小内径部位の半径が、前記中間スリーブの前記円筒部の外径部位の半径よりも、前記シールゴム層の前記係合凸部の厚さの35%に相当する寸法だけ小さくされた値から、かかる35%相当寸法だけ大きくされた値までの範囲内の大きさにおいて設定される。
さらに、本発明に従う流体封入式筒型防振組付体の第三の態様においては、前記シールゴム層における前記係合凸部よりも軸方向他方側の内周面上に、該シールゴム層による前記外筒部材と前記中間スリーブとの間のシール性を高めるためのシール突起が形成されることとなる。
更にまた、本発明に従う流体封入式筒型防振組付体の第四の態様では、前記外筒部材の軸方向一方側の開口周縁部に設けられた前記外フランジ部における軸方向一方側の面上に、所定高さをもって突出するストッパゴムが設けられる。
そして、本発明に従う流体封入式筒型防振組付体の第一の態様によれば、前述せる如き特徴が発揮されることによって、従来の流体封入式筒型防振組付体において惹起される問題が悉く解消され得る。従って、中間スリーブと、それに外嵌固定された外筒部材の軸方向における耐抜け力が、より優れた製作性の実現と更なるコストダウンを図りつつ、十分な大きさにおいて安定的に確保され得ることとなるのである。
また、本発明に従う流体封入式筒型防振組付体の第二の態様によれば、例えば、前述せる如き縮径加工による外筒部材への凹部の形成によって、外筒部材に予め設けられた外フランジ部が変形するようなことが有利に防止されつつ、中間スリーブにおける円筒部の端面に対するシールゴム層の係合凸部の係合が確実に実現され得る。その結果として、中間スリーブと外筒部材の軸方向における十分な耐抜け力が、より安定的に確保され得る。
さらに、本発明に従う流体封入式筒型防振組付体の第三の態様においては、例えば、前述せる如き縮径加工による外筒部材への凹部の形成による影響を殆ど受けることなく、中間スリーブと外筒部材との間のシール性が、より安定的に確保され得る。
更にまた、本発明に従う流体封入式筒型防振組付体の第四の態様によれば、防振連結されるべき二つの部材に対する外筒部材と軸部材の取付状態下において、中間スリーブ及びそれに嵌着固定される外筒部材と軸部材との軸方向での相対変位が、緩衝的に制限されて、より優れた防振特性が発揮され得ることとなる。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明に従う一実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1及び図2には、本発明に従う構造を有する流体封入式筒型防振組付体の一実施形態としての自動車用サスペンションメンバマウントが、その縦断面形態と横断面形態とにおいて、それぞれ概略的に示されている。それらの図から明らかなように、本実施形態のサスペンションメンバマウント10は、互いに径方向に所定距離を隔てて配された軸部材としての内筒金具12と中間スリーブ14とを有し、それら内筒金具12と中間スリーブ14とが、本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結された構造とされている。また、かかる中間スリーブ14には、外筒部材としての外筒金具18が外挿されて、嵌着固定されている。
そして、このようなメンバマウント10は、図1中の上下方向が車両上下方向となり、図2中の上下方向及び左右方向が車両の前後方向及び左右方向となる状態で、図3に示されるように、内筒金具12が、車両のボデー本体20に立設されたロッド22にボルト固定される一方、外筒金具18が、サスペンションメンバ24に設けられた取付スリーブ26の装着孔28に圧入固定されることによって、サスペンションメンバ24のボデー本体20に対する取付部位に介装されるようになっている。なお、以下の説明中、上下方向とは、原則として、図1中の上下方向をいうものとする。
より詳細には、図1及び図2から明らかな如く、内筒金具12は、円筒形状を有しており、その軸方向上端部には、径方向外方に突出する環状の径方向突部30が一体形成されている。また、内筒金具12の周りには、金属製の中間スリーブ14が、径方向外方に所定距離を隔てて同軸的に配置されている。
この中間スリーブ14は、全体として、大径の略薄肉円筒形状を呈している。そして、軸方向中間部が周方向に連続した凹溝状に小径化されており、それによって、軸方向上側端部と軸方向下側端部とが、それぞれ、軸直角方向に凹凸のない上側大径円筒部32と下側大径円筒部34とされていると共に、軸方向中間部が小径円筒部36とされている。また、かかる中間スリーブ14における車両前後方向(図2中、上下方向)に相当する径方向両側部分には、上側大径円筒部32の下側部分と小径円筒部36の全体と下側大径円筒部34の上側部分とを切り欠いた切欠形態をもって、半周には所定寸法至らない周方向長さで延びる一対の窓部38,38が形成されている。
そして、このような中間スリーブ14と、それに対して径方向に所定距離を隔てて配された内筒金具12との間に、全体として、略厚肉円筒形状を呈する本体ゴム弾性体16が介装されており、この本体ゴム弾性体16によって、内筒金具12と中間スリーブ14とが弾性的に連結されている。なお、この本体ゴム弾性体16は、内筒金具12と中間スリーブ14がセットされた成形型内で加硫成形されている。即ち、かかる本体ゴム弾性体16が、内外周面に内筒金具12と中間スリーブ14とが加硫接着された一体加硫成形品39として、形成されているのである。
また、本体ゴム弾性体16の軸方向中間部における車両前後方向(図2中、上下方向)に相当する径方向両側部分には、半周には所定寸法至らない周方向長さで延びる、凹陥部形態を呈する一対のポケット部40,40が形成されている。そして、それら一対のポケット部40,40が、中間スリーブ14における一対の窓部38,38を通じて、それぞれ、中間スリーブ14の外周面において開口せしめられている。また、かかる本体ゴム弾性体16の各ポケット部40の形成部分の上端面と下端面とには、それらの端面において開口する上側すぐり部42と下側すぐり部44とが、所定の深さをもって、それぞれ形成されている。
かくして、本体ゴム弾性体16における各ポケット部40の形成部分のうち、各ポケット部40と上側及び下側すぐり部42,44とを仕切る仕切部分が、それぞれ薄肉部46とされている。一方、本体ゴム弾性体16のうち、周方向において各ポケット部40の形成部分にて挟まれた部分であって、ポケット部40が形成されていない部分が、それぞれ厚肉部48とされている。換言すれば、車両前後方向に相当する径方向において対向位置する本体ゴム弾性体16部分が、薄肉部46とされている一方、車両左右方向に相当する径方向において対向位置する本体ゴム弾性体16部分が、厚肉部48とされている。
これによって、ここでは、車両左右方向に相当する径方向において硬いばね特性が発揮されて、優れた操縦安定性が確保され得るようになっていると共に、車両前後方向に相当する径方向にて柔らかいばね特性が発揮されて、ハーシュネス等に対する防振性能の向上が図られ、以て、優れた乗り心地が達成され得るように構成されているのである。
また、かかる本体ゴム弾性体16の内外周面に内筒金具12と中間スリーブ14とが加硫接着されてなる一体加硫成形品39には、同一形状とされた一対のオリフィス形成部材50,50が、組み付けられている。このオリフィス形成部材50,50は、それぞれ、全体として、略半円環形状を有しており、その外周面における幅方向(軸方向)の中央部には、周方向の一端部の端面において開口して、半周強の周方向長さをもって連続して延びる凹溝52が形成されている。また、それら各オリフィス形成部材50における周方向の略中央部には、幅方向の一端部の端面において開口して、幅方向の中央部に向かって連続して延び、且つかかる幅方向中央部において凹溝52と連通する縦溝54が形成されている。
そして、このような一対のオリフィス形成部材50,50が、それぞれの凹溝52が開口せしめられる周方向の端面同士において対向せしめられ、且つそれぞれの縦溝54が開口せしめられる幅方向の端面を下方側に位置せしめるように配された状態で、縦溝中間スリーブ14の小径円筒部36に対して、一対の窓部38,38のそれぞれの開口方向側から嵌め込まれて、組み付けられている。
これにより、一対のオリフィス形成部材50,50の各凹溝52が周方向に接続され、以て、周方向に半周強の長さで延び、且つ長さ方向の両端部において、各縦溝54を通じて、本体ゴム弾性体16における一対のポケット部40,40にそれぞれ連通された周溝56が形成されているのである。なお、本実施形態では、本体ゴム弾性体16の一部が、中間スリーブ14の小径円筒部36の内外周面を取り巻くように形成されており、それによって、各オリフィス形成部材50と、それが嵌め込まれる小径円筒部36との間に、かかる本体ゴム弾性体16部分が介在せしめられて、それら各オリフィス形成部材50と小径円筒部36との間がシールされるようになっている。
そして、このような一対のオリフィス形成部材50,50が組み付けられた一体加硫成形品39に対して、内周面の全面に亘って薄肉のシールゴム層58が形成されてなる外筒金具18が、外挿されて、嵌着固定されている。
かくして、一対のポケット部40,40の開口が、流体密に覆蓋されると共に、オリフィス形成部材50,50によって形成された周溝56が流体密に覆蓋されている。そして、それによって、それぞれ内部に所定の非圧縮性流体が封入された第一流体室60及び第二流体室62と、それら第一流体室60と第二流体室62とを相互に連通するオリフィス通路64とが、形成されているのである。
なお、ここでは、外筒金具18の内周面に形成されたシールゴム層58の内周面のうち、中間スリーブ14の上側大径円筒部32の上部外周面に接触せしめられる部位と、下側大径円筒部34の下部外周面に接触せしめられる部位と、オリフィス形成部材50の外周面に接触せしめられる部位とに、周方向に連続して延びる突条形態を呈するシール突起(65)の複数が、互いに軸方向に所定の間隔をおいて、それぞれ一体形成されており(図5参照)、それによって、外筒金具18と中間スリーブ14との間のシール性が、より十分に高められるようになっている。また、第一及び第二流体室60,62に封入される非圧縮性流体としては、水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油等が採用され得、特に、流体の共振作用に基づく防振効果を有効に得るためには、0.1Pa・s以下の粘度を有する低粘性流体が好適に採用される。更に、かかる流体の封入は、例えば、一体加硫成形品39に対する外筒金具14の組み付けを流体中で行うこと等によって、有利に為され得る。
そして、このような構造とされた本実施形態のメンバマウント10においては、内筒金具12と外筒金具18の間に軸方向の振動荷重が及ぼされると、本体ゴム弾性体16の薄肉部46の弾性変形に基づいて第一流体室60と第二流体室62の間で相対的な内圧変動が惹起されるようになる。また、それにより、第一流体室60と第二流体室62の間で、オリフィス通路64を通じての流体流動が生ぜしめられ、以て、かかる流体の共振作用に基づいて防振効果が発揮され得るようになっている。そして、このような防振効果と、前述せる如き車両前後方向における柔らかいばね特性と車両左右方向における硬いばね特性とによって得られる防振効果とが相俟って、より一層優れた乗り心地が実現され得るようになっているのである。なお、流体の共振作用に基づく防振効果は、オリフィス通路64の長さや断面積等を調節することによって、適当にチューニングすることが可能である。
ところで、かくの如き本実施形態においては、外筒金具18の軸方向長さ(高さ)が、中間スリーブ14よりも十分に大きくされている。そして、そのような外筒金具18の中間スリーブ14に対する外嵌固定状態下で、中間スリーブ14の上側大径円筒部32の上端面66よりも上側に位置する外筒金具18の上側開口周縁部に、軸直角方向外方に所定寸法突出し、且つ周方向に連続して延びる外フランジ部68が、一体的に形成されている。また、かかる状態下において、中間スリーブ14の下側大径円筒部34の下端面70よりも下側に位置する外筒金具18の下側開口周縁部には、軸直角内方に突出する内フランジ部72が、一体的に周設されている。
すなわち、ここでは、外筒金具18の上端部が、中間スリーブ14の上端面66よりも上方に延び出す延出筒壁部分と、その先端に設けられた外フランジ部68とを有して構成されている一方、その下端部が、中間スリーブ14の下端面70よりも下方に延び出す延出筒壁部分と、その先端に設けられた内フランジ部72とを含んで構成されているのである。
また、そのような外筒金具18における外フランジ部68の上面には、所定高さの略山形形状をもって突出する複数のストッパゴム74が、シールゴム層58と一体的に形成されている。一方、内フランジ部64の下面にも、所定高さの略山形形状をもって突出する複数の緩衝ゴム76が、シールゴム層58と一体的に設けられている。更に、それら複数のストッパゴム74と緩衝ゴムは、それぞれ、周方向に等間隔をおいて位置せしめられている。
そして、メンバマウント10が、図3に示されるようにして車両に取り付けられた状態下において、軸方向に大きな振動荷重が入力せしめられた際に、各ストッパゴム74と各緩衝ゴム76とが、ボデー本体20や、ボデー本体20に立設されたロッド22にボルト固定されるストッパ金具78に対して当接せしめられることにより、内筒金具12に対する外筒金具18との軸方向における相対変位量が規制されるようになっている。即ち、それら外フランジ部68及びストッパゴム74と内フランジ部72及び緩衝ゴム76とにて、ストッパ機構が構成されているのである。
さらに、ここでは、内フランジ部72の上面に、外筒金具18における下端部の前記延出筒壁部分に相当する肉厚をもった連結ゴム部80が形成され、この連結ゴム部80にて、内フランジ部72の下面に設けられた緩衝ゴム74と外筒金具18の内周面に固着されたシールゴム層58とが互いに連結されて、一体化されている。これによって、中間スリーブ14の下端面70が、連結ゴム部80を介して、内フランジ部72の上面と対向位置せしめられており、以て、中間スリーブ14と外筒金具18との間に、外筒金具18を上方に引き抜くような引抜力、若しくは中間スリーブ14を上方に引き抜くような引抜力が作用せしめられた際に、中間スリーブ14の下端面70に対する連結ゴム部80及び内フランジ部72の係止作用に基づいて、かかる引抜きが阻止されるようになっている。
そして、図1及び図4に示されるように、本実施形態のメンバマウント10にあっては、特に、外筒金具18の上端部における前記延出筒壁部分に、径方向内方に凹んだ凹部82が、周方向に連続して設けられている。また、外筒金具の内周面に固着されたシールゴム層58のうち、かかる凹部82の形成部位たる外筒金具18の上端部における延出筒壁部分の内側に位置せしめられる部分が、凹部82の凹陥形態に基づいて、径方向内方に屈曲して突出せしめられてなる係合凸部84とされている。更に、かかる凹部82の最深部、つまり、内径が最も小さくされた最小内径部位86が、中間スリーブ14の上端面66よりも、所定寸法上方に位置せしめられている。そして、それによって、凹部82の内側に位置せしめられた係合凸部84の突出先端部分が、中間スリーブ14の上端面66に対して、軸方向において係合せしめられるようになっている。
かくして、かかるメンバマウント10においては、中間スリーブ14と外筒金具18との間に、外筒金具18を下方に引き抜くような引抜力、若しくは中間スリーブ14を上方に引き抜くような引抜力が作用せしめられた際に、シールゴム層58の係合凸部84が圧縮力を受けることとなって、かかる係合凸部84において、中間スリーブ14の上端面66に対する係止力乃至は摩擦力が生ぜしめられるようになっている。そして、そのような係止力乃至は摩擦力に基づいて、中間スリーブ14と外筒金具18との間に、有効な引抜抵抗力、つまり耐抜け力が、十分な大きさにおいて発揮され得るようになっているのである。また、このメンバマウント10では、中間スリーブ14の上側大径円筒部32における外周側角部が面取りされていることで、係合凸部84が、かかる外周側角部との接触によって傷付けられることが解消され得るようになっている。
なお、ここにおいて、シールゴム層58における係合凸部84の先端部分が中間スリーブ14の上端面66に係合せしめられるように構成されるのであれば、かかる係合凸部84の先端部分を形成せしめる凹部82の最小内径部位86の半径:R1 の大きさは、特に限定されるものではない。しかしながら、かかる凹部82の最小内径部位86の半径:R1 は、好適には、中間スリーブ14における上側大径円筒部32の外径部位の半径(外周面の半径):R2 よりも、シールゴム層58の厚さ:Tの35%に相当する寸法だけ小さくされた値:R2 −0.35・Tから、シールゴム層58の厚さ:Tの35%に相当する寸法だけ大きくされた値:R2 +0.35・Tまでの範囲内の値:R2 −0.35・T≦R1 ≦R2 +0.35・Tとされる。
何故なら、凹部82の最小内径部位86の半径:R1 の値が、上記範囲の上限値を上回る場合(上記範囲の最大値よりも大きい場合)には、凹部82の凹陥量が過小であるために、係合凸部84の先端部分の突出高さが低過ぎて、中間スリーブ14の上端面66に対する係合凸部84の係合量が著しく小さくなってしまい、その結果、かかる係合凸部84において生ずる上端面66への係止力乃至は摩擦力に基づいて発揮される耐抜け力の大きさが、不十分となってしまう恐れがあるからである。また、凹部82の最小内径部位86の半径:R1 の値が、上記範囲の下限値を下回る場合(上記範囲の最小値よりも小さい場合)には、凹部82の凹陥量が過度に大きくなってしまうため、かかる凹部82の形成時に、外筒金具18の上端部に凹部82と共に設けられる外フランジ部68が変形して、軸直角方向に突出して周方向に延びる形態を維持することが出来なくなってしまい、その結果、外フランジ部68による外筒金具18と中間スリーブ14との相対変位規制作用が損なわれる懸念が生ずるからである。
従って、ここでは、外筒金具18と中間スリーブ14との過剰な相対変位を有利に規制しつつ、それら外筒金具18と中間スリーブ14の軸方向における耐抜け力を十分に確保する上で、凹部82の最小内径部位86の半径:R1 が、上記の如き範囲内の大きさにおいて設定されることが望ましいのである。また、より望ましくは、凹部82の最小内径部位86の半径:R1 が、中間スリーブ14における上側大径円筒部32の外径部位の半径:R2 と実質的に同一の大きさとされる。
而して、かくの如き構造とされたサスペンションメンバマウント10を製造する際には、例えば、以下の如き手法が好適に採用される。
先ず、本体ゴム弾性体16の内外周面に内筒金具12と中間スリーブ14とが加硫接着された一体加硫成形品39を加硫成形する。また、それとは別に、外フランジ部68と内フランジ部72とが予め形成された外筒金具18の内周面に、シールゴム層58を形成すると共に、それら外フランジ部68と内フランジ部72とに、ストッパゴム74と緩衝ゴム76とを、それぞれ形成する。
次に、図5に示されるように、一体加硫成形品39の中間スリーブ14に一対のオリフィス形成部材50,50を組み付けた後、かかる一体加硫成形品39に対して、外筒金具18を、その上側開口部を通じて、下側から外挿せしめる。このとき、シールゴム層58の連結ゴム部80が、中間スリーブ14の下端面70に接触せしめられて、かかる下端面70と外筒金具18の内フランジ部72とが、連結ゴム部80を介して対向位置せしめられる。また、シールゴム層58の内周面における上側部位と下側部位とにそれぞれ複数設けられた各シール突起65が、中間スリーブ14の上側大径円筒部32の上部外周面と下側大径円筒部34の下部外周面とに、各々対応位置せしめられる。
その後、外筒金具18に対して縮径加工を行う。この縮径加工は、例えば、図5に示されるように、適当な絞り治具88を用いた八方絞り加工や十六方絞り加工等により、外筒金具18に対して、外周面から径方向内方への圧縮力を及ぼすことによって、有利に為され得る。そして、この縮径加工により、外筒金具18を縮径して、一対のオリフィス形成部材50,50を中間スリーブ14に対して流体密に嵌着固定せしめると共に、中間スリーブ14を外筒金具18に対して流体密に嵌着固定せしめる。それにより、一体加硫成形品39と外筒金具18とが固定的に組に付けられると同時に、第一及び第二流体室60,62が形成され、以て、目的とするサスペンションメンバマウント10が、完成されることとなる。
なお、そこにおいて、絞り治具88の上端部には、内周面側に突出する絞り突起90が形成されており、軸方向中央部分よりも絞り突起90が形成された上端部の方が径方向の絞り率が大きくなるようにされている。また、本実施形態では、かかる絞り突起90が、絞り治具88の上端部に向かって傾斜面をもって次第に突出し、上端部で突出高さが最大となると共に、突出先端部に滑らかなアール面とされた断面形状をもって、絞り治具88の周方向に連続して形成されている。
このような絞り治具88によって上述の如き外筒金具18の絞り加工を行うことにより、外筒金具18は、内周面に複数のシール突起65が設けられたシールゴム層58部分よりも上側のシールゴム層58部分の外側に位置せしめられる上端筒壁部が、それ以外の筒壁部の全体が縮径される以上に、絞り突起90によって大きく縮径される。その結果、図1に示されるように、外筒金具18における中間スリーブ14の上端面66よりも上方に延び出す延出筒壁部分が径方向に縮径されて、小径化され、以て、外筒金具18における延出筒壁部分に、径方向内方に凹んだ凹部82が、周方向に連続して形成される。また、それと同時に、かかる凹部82の内側に位置せしめられるシールゴム層58部分が、径方向内方に突出せしめられ、それによって、かかるシールゴム層58部分に、係合凸部84が、周方向に連続して形成されることとなるのである。
このように、本実施形態においては、前述せる如き外筒金具18と中間スリーブ14の軸方向における優れた耐抜け力を実現する外筒金具18の凹部82とシールゴム層58の係合凸部84とが、外筒金具18を中間スリーブ14に嵌着固定するために従来から採用されていた外筒金具18の絞り工程において、特定の絞り治具88を使用することにより、同時に形成されることから、かかる凹部82や係合凸部84を形成するために特別な工程や作業が必要とされることもないのであり、以て、優れたマウント製造性が発揮され得るのである。
しかも、本実施形態では、外筒金具18を中間スリーブ14に嵌着固定するための外筒金具18の絞り工程において、外筒金具18の上端部における前記延出筒壁部分のみが凹陥せしめられるだけで、中間スリーブ14の上端部が、何等加工されるものではない。そのため、かかる絞り工程において、例えば、外筒金具18と中間スリーブ14の両方の上端部の絞り加工を同時に行って、それらの各上端部に、互いに係合することにより耐抜け力を発揮せしめる凹部を形成する場合とは異なって、必要とされる加工力を可及的に小さく為し得るばかりでなく、外筒金具18に形成される凹部と中間スリーブに形成される凹部の形状の不一致によって、耐抜け力が低下してしまうようなこともない。
さらに、本実施形態においては、ストッパゴム74が形成されて、外筒金具18と中間スリーブ14との相対変位規制作用を発揮する外フランジ部68が、外筒金具18の上端開口部のみに設けられて、中間スリーブ14の上端部が、平滑な内外周面を有する上側大径円筒部32とされているため、かかる中間スリーブ14の上端部にも外フランジ部68を設ける場合に比して、中間スリーブ14の製作性の向上と製作コストの低減とが、有利に図られ得る。
従って、このような本実施形態によれば、中間スリーブ14と外筒金具18の軸方向における耐抜け力が、より優れた製作性の実現と一層のコストダウンを図りつつ、十分な大きさにおいて安定的に確保され得ることとなる。そして、その結果として、優れた軸方向の耐荷重性と信頼性、耐久性が、有利に実現され得るのである。
加えて、本実施形態においては、外筒金具18の凹部82の内側に、中間スリーブ14の上端部が何等位置せしめられていないところから、前述せる外筒金具18の絞り工程において、その工程完了後に、外筒金具18の凹部82が、径方向外方に、多少、戻り変形せしめられても、それによって、外筒金具18と中間スリーブ14との間のシール性が低下するようなことが有利に回避され得る。しかも、かかる凹部82は、外筒金具18と中間スリーブ14との間のシール性を高めるために、シールゴム層58の内周面に形成されたシール突起65の配設部位よりも上側に形成されるため、外筒金具18に凹部82を形成するための絞り工程によって、シール突起65によるシール性の向上作用に悪影響を及ぼすようなこともない。
従って、このような本実施形態では、優れたシール性が安定的に確保され得、以て、第一及び第二流体室60,62内の流体の流動作用に基づく優れた防振効果が、極めて確実に且つ安定的に発揮され得るのである。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態に関する具体的な記載によって、何等限定的に解釈されるものではない。
例えば、外筒金具18の上端部に形成される凹部82の形状は、例示のものに、何等限定されるものではない。また、かかる凹部82の内側に設けられる係合凸部84の形状も、凹部82の形状に応じて適宜に変更され得るものであることは、言うまでもないところである。
さらに、それら凹部82や係合凸部84を、例示される方法以外の方法において形成することも出来る。例えば、転動ローラ等を用いて、外筒金具18の上端部を塑性加工せしめて、凹部82を形成すると共に、係合凸部84を形成するようにしても良い。
更にまた、流体室60,62やオリフィス通路64の配設位置や配設個数、配設形態等の具体的構造は、要求される防振特性等に応じて適宜に決定されるものであって、例示のものに、決して限定されるものでない。
また、軸部材としての内筒金具12と外筒部材としての外筒金具18の防振連結されるべき部材への取付構造も、公知の構造が、適宜に採用され得る。
さらに、軸部材は、例示の筒状部材以外の中実の部材であっても、何等差し支えない。
加えて、本発明は、例示の如きサスペンションメンバマウントの他、デフマウントやボデーマウント、サブフレームマウント、キャブマウント、ストラットバークッション等、更にはその他の各種の機械装置等における流体封入式筒型防振組付体の何れに対しても、適用可能であることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
本発明に従う流体封入式筒型防振組付体の一実施形態を示す縦断面説明図であって、図2におけるI−I断面に相当する図である。 図1におけるII−II断面説明図である。 図1に示された流体封入式筒型防振組付体の車両への取付状態を示す、図1に対応した縦断面説明図である。 図1における部分拡大説明図である。 図1に示された流体封入式筒型防振組付体の製造方法を説明するための製造工程図である。
符号の説明
10 サスペンションメンバマウント 12 内筒金具
14 中間スリーブ 16 本体ゴム弾性体
18 外筒金具 32 上側大径円筒部
58 シールゴム層 60 第一流体室
62 第二流体室 64 オリフィス通路
65 シール突起 68 外フランジ部
74 ストッパゴム 82 凹部
84 係合凸部 86 最小内径部位

Claims (4)

  1. 軸部材の径方向外方に所定距離隔てて配されて、該軸部材に本体ゴム弾性体を介して連結された中間スリーブに対して、内周面上に薄肉のシールゴム層が配設された外筒部材が外挿されて、該シールゴム層を介して該中間スリーブに嵌着固定されることにより、該軸部材と該外筒部材との間に、壁部の少なくとも一部が該本体ゴム弾性体と該シールゴム層とにて構成されて、非圧縮性流体が封入された流体室が設けられてなると共に、軸方向一方側の端部に外フランジ部が形成された流体封入式筒型防振組付体において、
    前記外筒部材の軸方向一方側の開口周縁部に、前記外フランジ部が形成されると共に、該外筒部材の軸方向一方側の筒壁部分に、軸直角方向内方に凹んだ凹部が形成されて、該外筒部材の内周面上に配設された前記シールゴム層のうち、該凹部の内側に位置せしめられる部分が、軸直角方向内方に突出する係合凸部とされる一方、該外筒部材における軸方向一方側に対応する前記中間スリーブの軸方向一方側の端部が、軸直角方向において凹凸のない円筒部とされると共に、該円筒部の端面が、該外筒部材における前記凹部の最小内径部位よりも軸方向他方側に位置せしめられることにより、該円筒部の端面が、前記シールゴム層の係合凸部に対して、軸方向に係合せしめられて、構成されていることを特徴とする流体封入式筒型防振組付体。
  2. 前記外筒部材における前記凹部の最小内径部位の半径が、前記中間スリーブの前記円筒部の外径部位の半径よりも、前記シールゴム層の前記係合凸部の厚さの35%に相当する寸法だけ小さくされた値から、かかる35%相当寸法だけ大きくされた値までの範囲内の大きさにおいて設定されている請求項1に記載の流体封入式筒型防振組付体。
  3. 前記シールゴム層における前記係合凸部よりも軸方向他方側の内周面上に、該シールゴム層による前記外筒部材と前記中間スリーブとの間のシール性を高めるためのシール突起が形成されている請求項1又は請求項2に記載の流体封入式筒型防振組付体。
  4. 前記外筒部材の軸方向一方側の開口周縁部に設けられた前記外フランジ部における軸方向一方側の面上に、所定高さをもって突出するストッパゴムが設けられている請求項1乃至請求項3のうちの何れか1項に記載の流体封入式筒型防振組付体。
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