JPH11153180A - 筒形防振組立体とその製造方法 - Google Patents

筒形防振組立体とその製造方法

Info

Publication number
JPH11153180A
JPH11153180A JP32263197A JP32263197A JPH11153180A JP H11153180 A JPH11153180 A JP H11153180A JP 32263197 A JP32263197 A JP 32263197A JP 32263197 A JP32263197 A JP 32263197A JP H11153180 A JPH11153180 A JP H11153180A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fitting
outer tube
cylindrical
outer cylinder
engaging portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32263197A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Arakawa
昇 荒川
Katsuhisa Ikeda
勝久 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP32263197A priority Critical patent/JPH11153180A/ja
Publication of JPH11153180A publication Critical patent/JPH11153180A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Springs (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸部材とアウタ筒部材を本体ゴム弾性体で連
結すると共に、アウタ筒部材に外挿筒金具を外嵌固定せ
しめてなる構造の筒形防振組立体において、外挿筒金具
のアウタ筒部材からの耐抜け力を、簡単な構造で向上せ
しめること。 【解決手段】 アウタ筒部材14における鍔部34の形
成側端部に対して、内方に凹んだ凹部90を形成する一
方、外挿筒金具19に対して、該凹部90に向かって内
方に屈曲した係合部92を形成した。そして、これら凹
部90と係合部92の形状的な係止力乃至は摩擦によっ
て、外挿筒金具19のアウタ筒部材14からの抜け抵抗
力を得るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、自動車におけるメンバマウント
やボデーマウント等として有利に用いられる筒形防振組
立体に関するものであり、特に、軸部材とその外周側に
離間配置されたアウタ筒部材が本体ゴム弾性体で連結さ
れると共に、該アウタ筒部材に対して外挿筒金具が外嵌
固定されてなる構造の筒形防振組立体と、その有利な製
造方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装される防振連結体乃至は防振支持体の一種として、
特開平8−177945号公報や特開平9−14331
号公報等に記載されているように、防振連結する一方の
部材に取り付けられる軸部材の外周側に離間して、防振
連結する他方の部材に取り付けられるアウタ筒部材を配
設すると共に、それら軸部材とアウタ筒部材の間に本体
ゴム弾性体を介装して弾性的に連結し、更に、アウタ筒
部材に対して外挿筒金具を外挿して嵌着固定せしめてな
る筒形防振組立体が、知られている。また、かかる筒形
防振組立体において、アウタ筒部材には、軸方向一端部
の開口周縁部において鍔部が形成されており、この鍔部
によって、防振連結する他方の部材に対するアウタ筒部
材の取付位置を規定したり、また軸部材とアウタ筒部材
の軸方向での相対変位量を緩衝的に制限するストッパ機
構を構成したりするようになっている。更に、外挿筒金
具は、例えば、その外周面上に突出する取付脚部等が形
成されてブラケットとして用いられ、或いは、前記公報
にも示されているように、ゴム弾性体に形成されたポケ
ット部の開口を覆蓋せしめて非圧縮性流体が封入された
流体室を形成する蓋部材等として有利に用いられ得る。
【0003】そして、このような筒形防振組立体は、具
体的には、例えば、自動車のボデーマウントやメンバマ
ウント,サブフレームマウント,キャブマウント、或い
はストラットバークッションの如きサスペンションブッ
シュ等として、採用され得る。
【0004】ところで、かくの如き筒形防振組立体にお
いて、外挿筒金具は、アウタ筒部材に外挿された後に八
方絞り等の縮径加工によってアウタ筒部材の外周面に嵌
着固定されているが、アウタ筒部材に対する径方向の嵌
着力だけでは、軸方向に及ぼされる抜き力に対して十分
な抵抗力、即ち耐抜け力を得ることが難しいという問題
があった。即ち、外挿筒金具は、アウタ筒部材に対する
外挿方向である鍔部側では、該鍔部への当接によって十
分な耐抜け力が確保され得るが、それと反対の軸方向で
は、アウタ筒部材に対する外挿筒金具の相対変位を有効
に規制する有効な手段がないために、軸方向の耐荷重性
や信頼性を十分に確保することが難しいという問題があ
ったのである。
【0005】なお、アウタ筒部材に対する外挿筒金具の
耐抜け力を確保するために、外挿筒金具の軸方向端部に
おいて軸直角方向外方に広がるフランジ部を形成し、こ
のフランジ部をアウタ筒部材の鍔部に重ね合わせると共
に、フランジ部の外周縁部を鍔部の外周縁部にかしめ固
定することも考えられるが、このようなかしめ構造を採
用すると、外挿筒金具にかしめ部を形成すると共に、該
かしめ部をかしめ加工することが必要となり、そのため
に特別な設備と工程が必要となるために、製作性とコス
ト性の大幅な悪化が避けられず、有効な手段ではなかっ
た。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、アウタ筒部材に外嵌固定された外挿筒金具
の軸方向の耐抜け力を、簡単な構造と優れた製作性をも
って有利に確保することの出来る新規な構造の筒形防振
組立体を提供すること、およびかかる筒形防振組立体の
良好なる製造方法を提供することにある。
【0007】
【解決課題】そして、このような課題を解決するため
に、本発明の特徴とするところは、軸部材の外周側に離
間して、軸方向一方の開口周縁部に鍔部を有するアウタ
筒部材が配設されていると共に、該軸部材と該アウタ筒
部材の間に本体ゴム弾性体が介装されて、それら軸部材
とアウタ筒部材が弾性的に連結されている一方、該アウ
タ筒部材に対して外挿筒金具が外挿されて嵌着固定され
ている筒形防振組立体であって、前記アウタ筒部材にお
ける前記鍔部が形成された側の軸方向端部に対して、軸
直角方向内方に凹んだ凹部が形成されていると共に、前
記外挿筒金具の該鍔部側に位置せしめられる軸方向端部
に対して、該凹部に向かって軸直角方向内方に屈曲した
係合部が形成されてなる構造の筒形防振組立体にある。
【0008】このような本発明に従う構造とされた筒形
防振組立体においては、外挿筒金具に対してアウタ筒部
材からの引抜力が作用せしめられた際、アウタ筒部材の
凹部と外挿筒金具の係合部とによって、係止力或いは摩
擦力による耐抜け力が有効に発揮されることとなる。し
かも、かかる耐抜け力の向上機構は、特別な部材や特別
な部位の追加を必要とすることなく、アウタ筒部材と外
挿筒金具に対して簡単に形状的加工を施すだけで実現さ
れることから、優れた製作性とコスト性のもとに有利に
実現され得るのである。
【0009】なお、アウタ筒部材における凹部や、外挿
筒金具における係合部は、何れも、周方向の全周に亘っ
て連続して形成されていることが望ましく、それによっ
て、外挿筒金具とアウタ筒部材に対してより大きな耐抜
け力が付与され得るが、かかる凹部或いは係合部を、周
方向に一周以下の長さで一つまたは二つ以上設けても良
い。また、外挿筒金具は、防振連結される部材に取り付
けるための脚部等が一体形成されたブラケットとして構
成されていても良い。
【0010】さらに、本発明は、専ら本体ゴム弾性体の
弾性特性によって防振効果を発揮するソリッドタイプの
筒形防振組立体にも有利に適用され得るが、その他、内
部に非圧縮性流体が封入されて、該非圧縮性流体の共振
作用等の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした
液体封入式の筒形防振組立体にも適用可能である。その
場合には、例えば、本体ゴム弾性体に対して、外周面に
開口するポケット部が形成されており、アウタ筒部材に
対して外挿筒金具がシールゴム層を介して嵌着固定され
ることにより、かかるポケット部の開口部が流体密に覆
蓋されて非圧縮性流体が封入された流体室が形成されて
なる構造が、好適に採用される。要するに、このような
構造の筒形防振組立体においては、外挿筒金具が、非圧
縮性流体が封入された流体室を封止する蓋部材として構
成されているのであり、外挿筒金具のアウタ筒部材に対
する耐抜け力が十分に確保されることによって、封入流
体のシール性の向上も図られ得るのである。
【0011】なお、アウタ筒部材と外挿筒金具の嵌着面
間に介装されるシールゴム層は、アウタ筒部材の外周
面、或いは外挿筒金具の内周面に対して、一体加硫成形
されることが望ましい。また、このようなシールゴム層
を、アウタ筒部材の凹部と外挿筒金具の係合部との間に
も介在せしめた場合には、凹部と係合部を軸方向でオー
バ−ラップさせなくても、外挿筒金具とアウタ筒部材の
間に引抜力が作用せしめられた際、それら凹部と係合部
の間でシールゴム層に有効な圧縮力が及ぼされることに
より、係止作用乃至は摩擦作用に基づく耐抜け力が有効
に発揮され得ることとなる。
【0012】また、上述の如く、例えばシールゴム層を
設けた場合等においては、必ずしも凹部と係合部を軸方
向でオーバーラップさせる必要はないが、本発明におい
て好ましくは、かかる係合部が、凹部内に入り込んで位
置せしめられることにより、それら係合部と凹部が軸方
向で互いにオーバーラップせしめられる。それによっ
て、係合部と凹部の係止作用が有効に発揮され得、以
て、外挿筒金具のアウタ筒部材に対する耐抜け力がより
一層有効に発揮されるのである。
【0013】さらに、本発明に従う構造とされた筒形防
振組立体においては、外挿筒金具において、係合部が周
方向全周に亘って連続して形成されると共に、該係合部
が形成された側の開口周縁部に対して、軸直角方向外方
に広がるフランジ部が一体形成せしめられ、該フランジ
部がアウタ筒部材の鍔部に重ね合わされてなる構造が、
好適に採用され得る。このような構造とされた筒形防振
組立体にあっては、凹部と係合部が全周に亘って形成さ
れることにより、外挿筒金具のアウタ筒部材に対する耐
抜け力がより有効に発揮されることに加えて、鍔部にフ
ランジ部が重ね合わされることにより、鍔部の強度の向
上が図られ得る。また、外挿筒金具に係合部が形成され
ていることによって、フランジ部の内径寸法が、外挿筒
金具の中央部分の外径寸法よりも小さくされていること
から、筒壁部とフランジ部の間の屈曲部位(角部)にア
ールが付されている場合にも、防振連結すべき部材に設
けられた装着孔に対して外挿筒金具を圧入装着するに際
して、かかるアールの付された角部が装着孔の周壁部に
当接することによって、装着孔の周壁部に対してフラン
ジ部が十分に密接されなくなることが防止されて、安定
した装着状態が有利に実現され得るのである。
【0014】また、上述の如き構造とされた筒形防振組
立体の製造方法に関する本発明の特徴とするところは、
本体ゴム弾性体の外周面に加硫接着されたアウタ筒部材
に対して、外挿筒金具を外挿せしめた後、該外挿筒金具
を縮径加工してアウタ筒部材に嵌着固定せしめるに際し
て、外挿筒金具の軸方向中央部分よりも軸方向端部の縮
径量を大きくして軸直角方向内方に屈曲せしめると共
に、かかる縮径力をアウタ筒部材にも及ぼすことによ
り、アウタ筒部材における凹部と、外挿筒金具における
係合部とを、同時に形成するようにした筒形防振組立体
の製造方法にある。
【0015】このような本発明方法に従えば、アウタ筒
部材に対して、凹部を予め形成しておく必要がなく、か
かる凹部が、外挿筒金具における係合部の形成と同時に
形成されることから、それら凹部と係合部が、互いに対
応する形状をもって有利に且つ容易に形成され得るので
ある。しかも、それら凹部と係合部の形成が、外挿筒金
具をアウタ筒部材に嵌着固定するための絞り加工によっ
て同時に為され得ることから、凹部と係合部の形成に特
別な工程が必要とされることもなく、極めて優れた製作
性が実現され得るのである。
【0016】なお、本発明に従う構造とされた筒形防振
組立体は、かくの如き本発明方法以外の方法によっても
製造され得ることは、勿論である。具体的には、例え
ば、鍔部と凹部とが予め形成されると共に、本体ゴム弾
性体の外周面に加硫接着されたアウタ筒部材に対して、
外挿筒金具を外挿せしめた後、該外挿筒金具の開口端部
を凹部に向かって内方に屈曲加工することにより、係合
部を形成するようにしても良い。
【0017】
【発明の実施形態】以下、本発明を更に具体的に明らか
にするために、本発明の一実施形態について、図面を参
照しつつ、詳細に説明する。
【0018】先ず、図1及び図2には、本発明の一実施
形態としての自動車用サスペンションメンバマウント1
0が、示されている。このマウント10は、互いに径方
向に所定距離を隔てて配された軸部材としてのインナ筒
金具12とアウタ筒部材としてのアウタ筒金具14を有
しており、それら筒金具12,14の軸方向両端部分
が、第一の本体ゴム弾性体16と第二の本体ゴム弾性体
18によって弾性的に連結されていると共に、アウタ筒
金具14に対して、更に外挿筒金具19が外挿されて外
嵌固定されている。そして、かかるマウント10は、図
1中の上下方向が車両上下方向となり、図2中の上下方
向および左右方向が車両の前後方向および左右方向とな
る状態で、図3に示されているように、インナ筒金具1
2が、車両のボデー本体20に立設されたロッド22に
ボルト固定される一方、外挿筒金具19が、サスペンシ
ョンメンバ24に設けられた取付スリーブ26の装着孔
28に圧入固定されることによって、サスペンションメ
ンバ24のボデー本体20に対する取付部位に介装され
るようになっている。なお、マウント10の装着状態下
では、図4に示されているように、インナ筒金具12と
外挿筒金具19の間に、ボデーの分担荷重が及ぼされる
ことにより、第一及び第二の本体ゴム弾性体16,18
が弾性変形して、インナ筒金具12と外挿筒金具19が
軸方向に所定量だけ相対変位して位置せしめられる。ま
た、以下の説明中、上下方向とは、原則として、図1中
の上下方向をいうものとする。
【0019】より詳細には、インナ筒金具12は、円筒
形状を有しており、その軸方向上端部には、径方向外方
に突出する環状の径方向突部30が一体形成されてい
る。また、インナ筒金具12の周りには、アウタ筒金具
14が、径方向外方に所定距離を隔てて同軸的に配され
ている。このアウタ筒金具14は、軸方向長さがインナ
筒金具12の半分以下とされた円筒形状を有しており、
軸方向上端部には、径方向外方に広がる鍔部34が一体
形成されている。そして、かかるアウタ筒金具14は、
その軸方向上端部が、インナ筒金具12の径方向突部3
0よりも所定量だけ下方に位置せしめられた状態で、配
設されている。
【0020】また、これらインナ筒金具12と第一の外
筒分割金具32の間には、第一の本体ゴム弾性体16が
介装されている。この第一の本体ゴム弾性体16は、イ
ンナ筒金具12の径方向突部30側端部とアウタ筒金具
14の鍔部34側端部との間に介装されており、インナ
筒金具12からアウタ筒金具14側に向かって、軸方向
下方に傾斜したテーパ筒形状とされている。これによ
り、第一の本体ゴム弾性体16は、ボデー荷重の入力時
に圧縮変形せしめられて優れた耐久性が発揮されるよう
になっている。また、アウタ筒金具14の鍔部34に
は、上方に向かって突出するストッパゴム36が形成さ
れており、図4に示されているように、車両への装着状
態下で、アウタ筒金具14が、このストッパゴム36を
介してボデー本体20に当接せしめられることによっ
て、インナ筒金具12に対するアウタ筒金具14の軸方
向上方(バウンド方向)への相対的変位量が制限される
ようになっている。
【0021】要するに、第一の本体ゴム弾性体16は、
その内周面にインナ筒金具12が加硫接着されると共
に、その外周面にアウタ筒金具14が加硫接着されてお
り、それらインナ筒金具12とアウタ筒金具14を備え
た第一の一体加硫成形品37として形成されているので
ある。なお、アウタ筒金具14の内周面には、略全面に
亘って第一のシールゴム層38が形成されている。
【0022】さらに、インナ筒金具12とアウタ筒金具
14の間には、仕切ゴム40が配設されている。この仕
切ゴム40は、略円筒形状を有しており、軸方向上端部
が径方向内方に屈折せしめられて、その内周面に対し金
属製の嵌着スリーブ42が加硫接着されている一方、軸
方向下端部が径方向外方に屈曲せしめられて、その外周
面に対しオリフィス筒金具44が加硫接着されている。
要するに、仕切ゴム40は、嵌着スリーブ42とオリフ
ィス筒金具44を備えた第二の一体加硫成形品46とし
て形成されているのである。
【0023】また、嵌着スリーブ42は、小径円筒形状
を有していると共に、軸方向上側部分が僅かに大径とさ
れており、この大径部分の内周面に薄肉の第二のシール
ゴム層48が形成されている。そして、かかる嵌着スリ
ーブ42は、インナ筒金具12に圧入され、第二のシー
ルゴム層48を挟んでインナ筒金具12に対して流体密
に嵌着固定されている。また一方、オリフィス筒金具4
4は、略大径円筒形状を有していると共に、軸方向両端
部が径方向外方に屈曲されることにより周方向に延びる
溝形断面を呈しており、外周面に開口して周方向に連続
して延びる周溝50を備えている。そして、このオリフ
ィス筒金具44は、アウタ筒金具14に内挿され、第一
のシールゴム層38を挟んで、アウタ筒金具14に対し
て流体密に嵌着固定されている。また、これにより、周
溝50の開口がアウタ筒金具14で覆蓋せしめられ、以
て、オリフィス筒金具44とアウタ筒金具14の間を周
方向に延びるオリフィス通路52が形成されている。
【0024】さらに、インナ筒金具12の軸方向下端側
には、金属スリーブ54が圧入されて外嵌固定されてい
る。この金属スリーブ54は、インナ筒金具12の略半
分の軸方向長さの円筒形状を有していると共に、軸方向
下端部が僅かに大径とされて、その内周面に第三のシー
ルゴム層56が形成されており、インナ筒金具12に対
して流体密に嵌着固定されている。
【0025】また、金属スリーブ54の径方向外方に
は、所定距離を隔てて且つ同軸的に、外挿筒金具19が
配設されている。この外挿筒金具19は、アウタ筒金具
14よりも僅かに大径の円筒形状を有していると共に、
インナ筒金具12と略同一の軸方向長さを有している。
更に、かかる外挿筒金具19の軸方向両端部は、金属ス
リーブ54の軸方向両端部からそれぞれ軸方向外方に突
出して位置せしめられており、その上端部において、径
方向外方に向かって広がる円環板形状のフランジ部58
が一体的に形成されている一方、外挿筒金具19の軸方
向下端部において、径方向内方に向かって広がる円環板
形状の内フランジ部60が一体形成されている。
【0026】更にまた、これら金属スリーブ54と外挿
筒金具19の間には、第二の本体ゴム弾性体18が介装
されている。この第二の本体ゴム弾性体18は、全体と
して厚肉の円筒形状を有しており、内周面に金属スリー
ブ54が、外周面に外挿筒金具19が、それぞれ加硫接
着された第三の一体加硫成形品62として形成されてい
る。なお、外挿筒金具19の内周面には、略全面に亘っ
て薄肉の第四のシールゴム層64が形成されている。
【0027】そして、外挿筒金具19の軸方向上側部分
が、アウタ筒金具14に外挿され、第四のシールゴム層
64を挟んで流体密に外嵌固定されている。これによ
り、インナ筒金具12の軸方向下端側において、インナ
筒金具12とアウタ筒金具14の間に第二の本体ゴム弾
性体18が介装されており、以て、インナ筒金具12と
アウタ筒金具14が、軸方向両端部分において、第一の
本体ゴム弾性体16と第二の本体ゴム弾性体18によっ
て、弾性的に連結されているのである。
【0028】また、インナ筒金具12の外周側には、第
一の本体ゴム弾性体16と第二の本体ゴム弾性体18の
軸方向対向面間に位置して、外周面に開口するポケット
部66が形成されており、このポケット部66の開口
が、外挿筒金具19によって流体密に覆蓋されることに
より、内部に非圧縮性流体が封入されて外部空間に対し
て密閉された流体室68が形成されている。なお、封入
流体としては、水やアルキレングリコール、ポリアルキ
レングリコール、シリコーン油等が好適に採用される
が、特に、流体の共振作用に基づく防振効果を有効に得
るためには、0.1Pa・s以下の粘度を有するものが
好適に採用される。
【0029】さらに、かかる流体室68は、第一の本体
ゴム弾性体16と第二の本体ゴム弾性体18の間の軸方
向中間部分に位置して配設された仕切ゴム40によっ
て、軸方向上側部分と下側部分とに流体密に二分されて
おり、以て、仕切ゴム40を挟んで、第一の本体ゴム弾
性体16側には第一の環状流体室70が形成されている
と共に、第二の本体ゴム弾性体18側には第二の環状流
体室72が形成されている。そして、これら第一の環状
流体室70と第二の環状流体室72は、周方向に所定長
さで延びるオリフィス通路52を通じて相互に連通され
ており、オリフィス通路52通じて、両環状流体室7
0,72間での流体流動が許容されるようになってい
る。
【0030】これにより、第一の環状流体室70と第二
の環状流体室72には、インナ筒金具12と外挿筒金具
19(アウタ筒金具14)の間に軸方向の振動が入力さ
れた際、相対的な内圧変化が惹起されることとなり、か
かる相対的な内圧差に基づいて、第一の環状流体室70
と第二の環状流体室72の間でオリフィス通路52を通
じての流体流動が生ぜしめられるようになっている。そ
して、その結果、良く知られているように、オリフィス
通路52を通じて流動せしめられる流体の共振作用等の
流動作用に基づいて、低動ばね効果等の防振効果が発揮
されるようになっているのである。なお、かかる流体の
流動作用に基づいて発揮される防振効果は、公知の如
く、防振を目的とする振動周波数等に応じて、オリフィ
ス通路52の長さや断面積等を調節することによってチ
ューニング可能である。
【0031】また、第二の本体ゴム弾性体18には、そ
の外周側部分において、金属スリーブ54を挟んで車両
前後方向となる径方向に対向位置し、それぞれ周方向に
1/2周弱の周方向長さをもって、軸方向上端面から外
挿筒金具19の内周面に沿って軸方向下方に延びる一対
のすぐり部74,74が、形成されている。そして、か
かる一対のすぐり部74,74が対向位置する径方向の
入力荷重に対しては、十分に軟らかいばね特性が発揮さ
れるようになっており、以て、すぐり部74,74が対
向位置する径方向と、それに直交する径方向とのばね
比、換言すれば車両前後方向と車両左右方向とのばね比
が十分に大きく設定されるようになっている。従って、
車両左右方向となる径方向では、硬いばね特性が発揮さ
れて、優れた操縦安定性を確保することが出来ると共
に、車両前後方向となる径方向では、十分に軟らかいば
ね特性が発揮されて、ハーシュネス等に対する防振性能
の向上が図られて、優れた乗り心地が達成されるのであ
る。
【0032】更にまた、金属スリーブ54の軸方向中央
部分には、合成樹脂等の少なくとも第二の本体ゴム弾性
体18よりも硬質の材質からなるストッパリング76が
外嵌固定されており、第二の本体ゴム弾性体18に埋設
固着されている。このストッパリング76は、一対のす
ぐり部74,74が対向位置する径方向において、それ
ぞれ径方向外方に向かってすぐり部74までは至らない
高さで突出する一対のストッパ突部78,78を有して
いる。そして、これらのストッパ突部78,78の突出
先端面が、それぞれ、すぐり部74を挟んで、外挿筒金
具19に対して径方向に対向位置せしめられている。こ
れにより、ばね特性が軟らかくされた車両前後方向に相
当する径方向で大きな荷重が入力された際、ストッパ突
部78が外挿筒金具19側に当接することによってイン
ナ筒金具12と外挿筒金具19(アウタ筒金具14)の
相対的変位量を制限するストッパ機能が発揮されるよう
になっている。
【0033】また、第二の本体ゴム弾性体18には、外
挿筒金具19の内フランジ部60から軸方向外方に突出
するストッパゴム80が一体形成されている。そして、
図3に示されているように、車両への装着状態下で、イ
ンナ筒金具12に固設されるロッド22の下端部に対し
て円環板状のストッパ金具82がボルト固定せしめら
れ、このストッパ金具82に対して、外挿筒金具19の
内フランジ部60が軸方向に対向位置せしめられ、該内
フランジ部60が、ストッパゴム80を介して、ストッ
パ金具82に当接せしめられることによって、インナ筒
金具12に対する外挿筒金具19(アウタ筒金具14)
の軸方向下方(リバウンド方向)への相対的変位量が制
限されるようになっている。
【0034】ところで、上述の如き構造とされたサスペ
ンションメンバマウント10を製造するに際しては、例
えば、以下の如き手法が好適に採用される。
【0035】先ず、図4に示されているように、第一の
一体加硫成形品37と第二の一体加硫成形品46および
第三の一体加硫成形品62を、予め、それぞれ別々に加
硫成形した後、第一の一体加硫成形品37に対して第二
の一体加硫成形品46を軸方向に挿入することにより、
インナ筒金具12に嵌着スリーブを圧入して外嵌固定す
ると共に、アウタ筒金具14にオリフィス筒金具44を
内挿せしめる。それによって、第一の一体加硫成形品3
7と第二の一体加硫成形品46が組み付けられた組付体
84を得る。
【0036】次いで、このようにして得られた組付体8
4を、第三の一体加硫成形品62に対して軸方向に組み
合わせることにより、インナ筒金具12に金属スリーブ
54を圧入して外嵌固定すると共に、外挿筒金具19を
アウタ筒金具14に外挿せしめる。それによって、第
一,第二及び第三の一体加硫成形品37,46,62を
一体的に組み付ける。
【0037】また、より好適には、かかる組付体84の
第三の一体加硫成形品62に対する組付けを、非圧縮性
流体中で行い、それによって、かかる組付けと同時に、
非圧縮性流体を流体室68中に充填することが出来る。
【0038】その後、外挿筒金具19に対して縮径加工
を行う。この縮径加工は、例えば、図4に示されている
ように、適当な絞り治具86を用いた八方絞り加工や十
六方絞り加工等により、外挿筒金具19に対して、外周
面から径方向内方への圧縮力を及ぼすことによって、有
利に為され得る。そして、この縮径加工により、外挿筒
金具19を縮径させると共に、縮径力をアウタ筒金具1
4にも及ぼしめて縮径させることにより、オリフィス筒
金具44をアウタ筒金具14に対して流体密に嵌着固定
せしめると共に、アウタ筒金具14を外挿筒金具19に
対して流体密に嵌着固定せしめる。それにより、第一,
第二及び第三の一体加硫成形品37,46,62を固定
的に組付けると同時に、第一及び第二の環状流体室7
0,72を形成することにより、目的とするサスペンシ
ョンメンバマウント10を完成させることが出来る。
【0039】そこにおいて、絞り治具86の上端部に
は、内周面側に突出する絞り突起88が形成されてお
り、軸方向中央部分よりも絞り突起88が形成された上
端部の方が径方向の絞り率が大きくなるようにされてい
る。なお、特に本実施形態では、かかる絞り突起88
が、絞り治具86の上端部に向かって傾斜面をもって次
第に突出し、上端部で突出高さが最大となると共に、突
出先端部に滑らかなアール面とされた断面形状をもっ
て、絞り治具86の周方向に連続して形成されている。
【0040】このような絞り治具86によって上述の如
き外挿筒金具19の絞り加工を行うことにより、外挿筒
金具19は、その筒壁部の全体が縮径される以上に、上
端部が、絞り突起88によって大きく縮径されると共
に、かかる縮径力がアウタ筒金具14の上端部にも及ぼ
される。その結果、図1に示されているように、アウタ
筒金具14における鍔部34側の開口端部が径方向に縮
径されて小径化されることにより、該アウタ筒金具14
の上端部において径方向内方に凹んだ凹部90が、周方
向に連続して形成されている。また、外挿筒金具19に
おけるフランジ部58側の開口端部が径方向に縮径され
て小径化されることにより、該外挿筒金具19の上端部
において、アウタ筒金具14の凹部90に向かって径方
向内方に屈曲して突出する係合部92が、周方向に連続
して形成されている。
【0041】そして、このような凹部90と係合部92
が形成されていることによって、上述の如き構造とされ
たサスペンションメンバマウント10においては、アウ
タ筒金具14と外挿筒金具19の間で、極めて優れた軸
方向の耐抜け力が発揮され得るのである。即ち、図3に
示されている如き、サスペンションメンバマウント10
の装着状態下で、インナ筒金具12と外挿筒金具19の
間に軸方向の荷重が入力されると、アウタ筒金具14と
外挿筒金具19の間に軸方向の相対変位力が及ぼされる
こととなる。その際、アウタ筒金具14に対する外挿筒
金具19の軸方向上方への変位は、外挿筒金具19のフ
ランジ部58がアウタ筒金具14の鍔部34に当接され
ていることによって確実に防止されるが、アウタ筒金具
14から外挿筒金具19が軸方向下方に引き抜かれる方
向の変位が問題となる。そこにおいて、本実施形態のサ
スペンションメンバマウント10にあっては、外挿筒金
具19に形成された係合部92とアウタ筒金具14に形
成された凹部90との軸方向での係止的作用によって、
アウタ筒金具14と外挿筒金具19の間に有効な引抜抵
抗力が発揮されるのであり、以て、優れた軸方向の耐荷
重性と信頼性,耐久性が実現され得るのである。
【0042】なお、本実施形態では、アウタ筒金具14
と外挿筒金具19の間に第四のシールゴム層64が介在
せしめられており、外挿筒金具19からアウタ筒金具1
4への縮径力の伝達が第四のシールゴム層64で吸収乃
至は緩衝されることから、外アウタ筒金具14の凹部9
0と挿筒金具19の係合部92の形状は完全には一致し
ない。また、それら凹部90と係合部92の間に第四の
シールゴム層64が挟圧されて介在せしめられることか
ら、係合部92の内径寸法は、必ずしも凹部90の外径
寸法よりも小さくしなくても、アウタ筒金具14に対し
て外挿筒金具19を軸方向下方に引き抜く方向の軸方向
引抜力の作用時には、係合部92と凹部90の間で第四
のシールゴム層64が圧縮作用を受けることによって、
該第四のシールゴム層64を介しての凹部90と係合部
92の係止力や摩擦力によって、アウタ筒金具14と外
挿筒金具19の間に、有効な引抜抵抗力が生ぜしめられ
ることとなる。換言すれば、アウタ筒金具14の凹部9
0と外挿筒金具19の係合部92は、必ずしも軸方向に
オーバーラップさせなくても、第四のシールゴム層64
を挟んで重ね合わされた凹部90と係合部92によっ
て、アウタ筒金具14と外挿筒金具19の間に有効な耐
抜け力が付与され得るのである。
【0043】しかも、特に本実施形態においては、この
ように優れた耐抜け力を付与する凹部90と係合部92
が、外挿筒金具19をアウタ筒金具14に嵌着固定する
ために従来から採用されていた外挿筒金具19の絞り工
程において、特定の絞り治具86を採用することによ
り、同時に形成されることから、かかる凹部90や係合
部92を形成するために特別な工程や作業が必要とされ
ることもないのであり、優れたマウント製造性が発揮さ
れるのである。
【0044】加えて、本実施形態では、外挿筒金具19
の軸方向上端側の開口周縁部にフランジ部58が形成さ
れており、該フランジ部58がアウタ筒金具14の鍔部
34に重ね合わされると共に、外挿筒金具19に外嵌固
定されるサスペンションメンバ24の取付スリーブ26
の軸方向上端面が、該フランジ部58の下面に当接され
ることによって、サスペンションメンバマウント10が
サスペンションメンバ24に対して位置決めされるよう
になっているが、そこにおいて、外挿筒金具19のフラ
ンジ部58側端部が係合部92によって小径化されてい
ることから、フランジ部58の内径寸法が、サスペンシ
ョンメンバ24の取付スリーブ26の内径寸法よりも小
さく設定されている。それ故、取付スリーブ26の軸方
向端面が、外挿筒金具19におけるフランジ部58の径
方向中間部分に当接せしめられることとなり、外挿筒金
具19においてフランジ部58が屈曲形成された上端隅
部に付されたアール部が、取付スリーブ26の当接部位
よりも径方向内方に位置せしめられることから、かかる
アール部によって、取付スリーブ26のフランジ部58
に対する当接が邪魔されるようなことがなく、安定した
当接状態が有利に実現されて、良好なる位置決め精度が
発揮されるのである。
【0045】以上、本発明の一実施形態について詳述し
てきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、
かかる実施形態に関する具体的な記載によって、何等限
定的に解釈されるものではない。
【0046】例えば、図5に示されているように、アウ
タ筒金具14の凹部90に外挿筒金具19の係合部92
を入り込ませて、アウタ筒金具14の外径寸法:φEよ
りも係合部92の内径寸法:φDを小さく設定すること
により、凹部90と係合部92を軸方向でオーバーラッ
プして形成しても良い。それによって、凹部90と係合
部92により、軸方向での形状的な係止作用が発揮され
て、より大きな耐抜け力を得ることが出来る。
【0047】また、図6に示されているように、外挿筒
金具19におけるフランジ部58は、必ずしも形成する
必要はない。なお、上記図5及び図6においては、その
理解を容易とするために、前記実施形態と同様な構造と
された部材および部位に対して、それぞれ、図中に、前
記実施形態と同一の符号を付しておく。
【0048】さらに、本発明は、非圧縮性流体が封入さ
れた流体室を有しない筒形防振組立体にも適用可能であ
り、例えば、互いに径方向に離間配置された軸部材とア
ウタ筒部材を本体ゴム弾性体で連結すると共に、取付用
脚部等が一体形成された筒形ブラケットとしての外挿筒
金具を、アウタ筒部材に外嵌固定せしめてなる構造の筒
形防振組立体等においても、有利に適用され得る。
【0049】また、流体室を形成する場合でも、流体室
やオリフィス通路等の具体的構造は、要求される防振特
性等に応じて適宜に決定されるものであって、何等限定
されるものでない。例えば、周方向に分割された複数の
流体室をオリフィス通路で連通せしめてなる構造を有
し、軸直角方向の入力振動に対して流体の流動作用に基
づく防振効果を発揮し得るようにした防振組立体等に
も、本発明は、同様に適用可能である。
【0050】さらに、アウタ筒部材の凹部と外挿筒金具
の係合部との嵌着面間には、必ずしもシールゴム層を介
在せしめる必要はない。
【0051】また、係合部や凹部の形成方法も、例示の
如き絞り加工に限定されるものでなく、例えば転動ロー
ラ等を用いて形成するようにしても良い。更にまた、凹
部と係合部は、必ずしも同時に形成する執拗はなく、例
えば、予め凹部が形成されたアウタ筒部材を用い、係合
部が形成されていない外挿筒金具を外挿せしめた後に、
外挿筒金具を該凹部側に屈曲させて係合部を形成するこ
と等も、可能である。
【0052】更にまた、前記実施形態では、外挿筒金具
19の軸方向長さか、アウタ筒金具14の軸方向長さの
2倍以上とされていたが、防振組立体の構造等によって
適当に変更され得るものであり、例えば軸方向長さが略
同一のアウタ筒部材と外挿筒金具を有する防振組立体等
にも、本発明は、同様に適用され得る。
【0053】加えて、本発明は、例示の如きサスペンシ
ョンメンバマウントの他、デフマウントやボデーマウン
ト,サブフレームマウント,キャブマウント,ストラッ
トバークッション等、更にはその他の各種の機械装置等
における筒形防振組立体に対しても、適用可能であるこ
とは、勿論である。
【0054】その他、一々列挙はしないが、本発明は当
業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加
えた態様において実施され得るものであり、また、その
ような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何
れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言
うまでもない。
【0055】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた流体封入式筒形防振組立体において
は、アウタ筒部材の凹部と外挿筒金具の係合部とによっ
て、係止力或いは摩擦力による耐抜け力が有効に発揮さ
れるのであり、しかも、これらの凹部と係合部は、アウ
タ筒部材と外挿筒金具に対して簡単な形状的加工を施す
だけで実現されることから、優れた製作性とコスト性の
もとに軸方向の耐荷重強度と耐久性の向上が有利に達成
されるのである。
【0056】また、本発明方法に従えば、アウタ筒部材
における凹部と外挿筒金具における係合部とが、互いに
高精度に対応した形状をもって、外挿筒金具をアウタ筒
部材に嵌着固定するための絞り加工と同時に形成される
ことから、それら凹部と係合部の形成に特別な加工工程
が必要とされることがないのであり、従って、かかる凹
部と係合部によって優れた耐抜け力を発揮する筒形防振
組立体を、極めて優れた製作性をもって容易に製造する
ことが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての自動車用サスペン
ションメンバマウントの縦断面図であって、図2におけ
るI−I断面に相当する図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1に示されたサスペンションメンバマウント
の車両への装着状態を示す、図1に対応した縦断面図で
ある。
【図4】図1に示されたサスペンションメンバマウント
の製造方法を説明するための製造工程図である。
【図5】本発明の別の実施形態としての自動車用サスペ
ンションメンバマウントの要部を示す縦断面図である。
【図6】本発明の更に別の実施形態として自動車用サス
ペンションメンバマウントの要部を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
10 サスペンションメンバマウント 12 インナ筒金具 14 アウタ筒金具 16 第一の本体ゴム弾性体 18 第二の本体ゴム弾性体 19 外挿筒金具 34 鍔部 86 絞り治具 88 絞り突起 90 凹部 92 係合部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸部材の外周側に離間して、軸方向一方
    の開口周縁部に鍔部を有するアウタ筒部材が配設されて
    いると共に、該軸部材と該アウタ筒部材の間に本体ゴム
    弾性体が介装されて、それら軸部材とアウタ筒部材が弾
    性的に連結されている一方、該アウタ筒部材に対して外
    挿筒金具が外挿されて嵌着固定されている筒形防振組立
    体において、 前記アウタ筒部材における前記鍔部が形成された側の軸
    方向端部に対して、軸直角方向内方に凹んだ凹部が形成
    されていると共に、前記外挿筒金具の該鍔部側に位置せ
    しめられる軸方向端部に対して、該凹部に向かって軸直
    角方向内方に屈曲した係合部が形成されていることを特
    徴とする筒形防振組立体。
  2. 【請求項2】 前記本体ゴム弾性体に対して、外周面に
    開口するポケット部が形成されており、前記アウタ筒部
    材に対して前記外挿筒金具がシールゴム層を介して嵌着
    固定されることにより、かかるポケット部の開口部が流
    体密に覆蓋せしめられて非圧縮性流体が封入された流体
    室が形成されている請求項1に記載の筒形防振組立体。
  3. 【請求項3】 前記係合部が、前記凹部内に入り込んで
    位置せしめられることにより、該係合部と該凹部が軸方
    向で互いにオーバーラップせしめられている請求項1又
    は2に記載の筒形防振組立体。
  4. 【請求項4】 前記外挿筒金具において、前記係合部が
    周方向全周に亘って連続して形成されていると共に、該
    係合部が形成された側の開口周縁部に対して、軸直角方
    向外方に広がるフランジ部が一体形成されており、該フ
    ランジ部が前記アウタ筒部材の鍔部に重ね合わされてい
    る請求項1乃至3の何れかに記載の筒形防振組立体。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れかに記載の筒形防
    振組立体を製造するに際して、 前記本体ゴム弾性体の外周面に加硫接着された前記アウ
    タ筒部材に対して、前記外挿筒金具を外挿せしめた後、
    該外挿筒金具を縮径加工して該アウタ筒部材に嵌着固定
    せしめるに際して、該外挿筒金具の軸方向中央部分より
    も軸方向端部の縮径量を大きくして軸直角方向内方に屈
    曲せしめると共に、かかる縮径力を該アウタ筒部材にも
    及ぼすことにより、該アウタ筒部材における前記凹部
    と、該外挿筒金具における前記係合部とを、同時に形成
    することを特徴とする筒形防振組立体の製造方法。
JP32263197A 1997-11-25 1997-11-25 筒形防振組立体とその製造方法 Pending JPH11153180A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32263197A JPH11153180A (ja) 1997-11-25 1997-11-25 筒形防振組立体とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32263197A JPH11153180A (ja) 1997-11-25 1997-11-25 筒形防振組立体とその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11153180A true JPH11153180A (ja) 1999-06-08

Family

ID=18145877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32263197A Pending JPH11153180A (ja) 1997-11-25 1997-11-25 筒形防振組立体とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11153180A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10329069B4 (de) * 2002-06-27 2006-11-09 Tokai Rubber Industries, Ltd., Komaki Vibrationsisolierende Buchse
US7198258B2 (en) 2004-11-29 2007-04-03 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled cylindrical elastic mount
US7350775B2 (en) 2006-03-27 2008-04-01 Tokai Rubber Industries, Ltd. Method of manufacturing a fluid-filled cylindrical damping assembly
JP2017120110A (ja) * 2015-12-28 2017-07-06 三菱自動車工業株式会社 マウント装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10329069B4 (de) * 2002-06-27 2006-11-09 Tokai Rubber Industries, Ltd., Komaki Vibrationsisolierende Buchse
US7198258B2 (en) 2004-11-29 2007-04-03 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled cylindrical elastic mount
US7350775B2 (en) 2006-03-27 2008-04-01 Tokai Rubber Industries, Ltd. Method of manufacturing a fluid-filled cylindrical damping assembly
JP2017120110A (ja) * 2015-12-28 2017-07-06 三菱自動車工業株式会社 マウント装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3477920B2 (ja) 流体封入式防振支持体
JPH0225947Y2 (ja)
US7198258B2 (en) Fluid-filled cylindrical elastic mount
JPH0547733B2 (ja)
JPH08177945A (ja) 流体封入式筒型防振装置
EP0402919B1 (en) Fluid-filled cylindrical elastic mount having axially extending and diametrically opposite thin-walled elastic portions
JPH11153180A (ja) 筒形防振組立体とその製造方法
US5176369A (en) Fluid-filled cylindrical elastic mount having rigid protrusion axially defining fluid chamber
JP3427593B2 (ja) 流体封入式筒型マウント
JP2000337426A (ja) 流体封入式筒形マウント
JPS61109934A (ja) Ff車用エンジンマウント
JPH08177954A (ja) 流体封入式筒型防振装置
JP2008111558A (ja) 流体封入式トーコレクトブッシュおよびそれを用いたサスペンション機構
JPH0633230Y2 (ja) 流体封入式クツシヨンゴム組立体
JP3998491B2 (ja) 流体封入式防振ブッシュ
JP5907777B2 (ja) 流体封入式筒形防振装置
US20240159291A1 (en) Liquid-filled tubular vibration damping device
JPH11101295A (ja) 流体封入式筒形防振支持体
JPH0524836Y2 (ja)
JPH0534350Y2 (ja)
JPH082513Y2 (ja) 筒型防振支持体
JP2827859B2 (ja) 液体封入式ブッシュ
JP2006266438A (ja) 流体封入式筒形防振装置
JP3719054B2 (ja) 流体封入式筒形防振装置
JP2003269525A (ja) 流体封入式筒型防振装置及びその製作方法