JP2006112490A - 磁気軸受装置 - Google Patents

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啓能 並木
Yoshinobu Otachi
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Abstract

【課題】 桁数の少ないA/Dコンバータであっても高精度な制御が行え、かつ外乱を受けた際にも安全に動作できる磁気軸受装置を提供する。
【解決手段】 回転体103が、あらかじめ設定した回転数に達したなどのタイミングで、ゲイン信号設定部11より高分解能モードとして高感度のゲイン信号13を指定する。外乱の加えられたときには、A/Dコンバータ10がオーバーフローし、A/Dコンバータ10の状態信号25がセットされる。このとき、ゲイン信号設定部11では、通常モードとするため低感度のゲイン信号13を指定する。このことにより、外乱の加えられたときでも測定不能とはならず、安定した位置検出が可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は磁気軸受装置に係わり、特に桁数の少ないA/Dコンバータであっても高精度な制御が行え、かつ外乱を受けた際にも安全に動作できる磁気軸受装置に関する。
近年のエレクトロニクスの発展に伴い、メモリや集積回路といった半導体の需要が急激に増大している。
これらの半導体は、極めて純度の高い半導体基板に不純物をドープして電気的性質を与えたり、エッチングにより半導体基板上に微細な回路を形成したりなどして製造される。
そして、これらの作業は空気中の塵等による影響を避けるため高真空状態のチャンバ内で行われる必要がある。このチャンバの排気には、一般に真空ポンプが用いられているが、特に残留ガスが少なく、保守が容易等の点から真空ポンプの中の一つであるターボ分子ポンプが多用されている。
また、半導体の製造工程では、様々なプロセスガスを半導体の基板に作用させる工程が数多くあり、ターボ分子ポンプはチャンバ内を真空にするのみならず、これらのプロセスガスをチャンバ内から排気するのにも使用される。
更に、ターボ分子ポンプは、電子顕微鏡等の設備において、粉塵等の存在による電子ビームの屈折等を防止するため、電子顕微鏡等のチャンバ内の環境を高度の真空状態にするのにも用いられている。
そして、このようなターボ分子ポンプは、半導体製造装置や電子顕微鏡等のチャンバからガスを吸引排気するためのターボ分子ポンプ本体と、このターボ分子ポンプ本体を制御する制御装置とから構成されている。
このターボ分子ポンプ本体の縦断面図を図5に示す。
図5において、ターボ分子ポンプ本体100は、円筒状の外筒127の上端に吸気口101が形成されている。外筒127の内方には、ガスを吸引排気するためのタービンブレードによる複数の回転翼102a、102b、102c・・・を周部に放射状かつ多段に形成した回転体103を備える。
この回転体103の中心にはロータ軸113が取り付けられており、このロータ軸113は、例えば、いわゆる5軸制御の磁気軸受により空中に浮上支持かつ位置制御されている。
上側径方向電磁石104は、4個の電磁石がX軸とY軸とに対をなして配置されている。この上側径方向電磁石104に近接かつ対応されて4個の上側径方向センサ107が備えられている。この上側径方向センサ107は回転体103の径方向変位を検出し、その信号を図示せぬ制御装置に送るように構成されている。
制御装置においては、上側径方向センサ107が検出した変位信号に基づき、PID調節機能を有する磁気軸受制御回路を介したアンプの出力により、上側径方向電磁石104の励磁を制御し、ロータ軸113の上側の径方向位置を調整する。ここで、磁気軸受制御回路は、上側径方向センサ107が検出したロータ軸113の変位のアナログセンサ信号をA/Dコンバータでデジタル信号に変換し、その信号を処理し、上側径方向電磁石104に流す電流を調整し、ロータ軸113を浮上させている。
また、上側径方向電磁石104に流す電流を微調整するため、上側径方向電磁石104に流した電流を測定し、磁気軸受制御回路にフィードバックしている。
ロータ軸113は、高透磁率材(鉄など)などにより形成され、上側径方向電磁石104の磁力により吸引されるようになっている。かかる調整は、X軸方向とY軸方向とにそれぞれ独立して行われる。
また、下側径方向電磁石105及び下側径方向センサ108が、上側径方向電磁石104及び上側径方向センサ107と同様に配置され、ロータ軸113の下側の径方向位置が、上側の径方向位置と同様に、制御装置において調整されている。
更に、軸方向電磁石106A、106Bが、ロータ軸113の下部に備えた円板状の金属ディスク111を上下に挟んで配置されている。金属ディスク111は、鉄などの高透磁率材で構成されている。ロータ軸113の軸方向変位を検出するために軸方向センサ109が備えられ、その軸方向変位信号が制御装置に送られるように構成されている。
そして、軸方向電磁石106A、106Bは、この軸方向変位信号に基づき制御装置のPID調節機能を有する磁気軸受制御回路を介したアンプの出力により、励磁制御されるようになっている。軸方向電磁石106Aは、磁力により金属ディスク111を上方に吸引し、軸方向電磁石106Bは、金属ディスク111を下方に吸引する。
このように、制御装置では、この軸方向電磁石106A、106Bが金属ディスク111に及ぼす磁力を適当に調節し、ロータ軸113を軸方向に磁気浮上させ、空間に非接触で保持する。
モータ121は、ロータ軸113を取り囲むように周状に配置された複数の磁極を備えている。これら各磁極は、制御装置のPWM制御機能を有するモータ制御回路を介した駆動回路から出力された動力信号により、モータ121を回転駆動するよう制御されている。
また、モータ121には、図示しない回転数センサ及びモータ温度センサが取り付けられており、これらの回転数センサ及びモータ温度センサの検出信号を受けて、制御装置においてロータ軸113の回転が制御されている。
回転翼102a、102b、102c・・・とわずかの空隙を隔てて複数枚の固定翼123a、123b、123c・・・が配設されている。回転翼102a、102b、102c・・・は、それぞれ排気ガスの分子を衝突により下方向に移送するため、ロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成されている。
また、固定翼123も、同様にロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成され、かつ外筒127の内方に向けて回転翼102の段と互い違いに配設されている。
そして、固定翼123の一端は、複数の段積みされた固定翼スペーサ125a、125b、125c・・・の間に嵌挿された状態で支持されている。
固定翼スペーサ125はリング状の部材であり、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス、銅などの金属、又はこれらの金属を成分として含む合金などの金属によって構成されている。
固定翼スペーサ125の外周には、わずかの空隙を隔てて外筒127が固定されている。外筒127の底部にはベース部129が配設され、固定翼スペーサ125の下部とベース部129の間にはネジ付きスペーサ131が配設されている。そして、ベース部129中のネジ付きスペーサ131の下部には排気口133が形成され、外部に連通されている。
ネジ付きスペーサ131は、アルミニウム、銅、ステンレス、鉄、又はこれらの金属を成分とする合金などの金属によって構成された円筒状の部材であり、その内周面に螺旋状のネジ溝131aが複数条刻設されている。
ネジ溝131aの螺旋の方向は、回転体103の回転方向に排気ガスの分子が移動したときに、この分子が排気口133の方へ移送される方向である。
回転体103の回転翼102a、102b、102c・・・に続く最下部には回転翼102dが垂下されている。この回転翼102dの外周面は、円筒状で、かつネジ付きスペーサ131の内周面に向かって張り出されており、このネジ付きスペーサ131の内周面と所定の隙間を隔てて近接されている。
ベース部129は、ターボ分子ポンプ本体100の基底部を構成する円盤状の部材であり、一般には鉄、アルミニウム、ステンレスなどの金属によって構成されている。
ベース部129はターボ分子ポンプ本体100を物理的に保持すると共に、熱の伝導路の機能も兼ね備えているので、鉄、アルミニウムや銅などの剛性があり、熱伝導率も高い金属が使用されるのが望ましい。
また、ベース部129には、コネクタ160が配設されており、このコネクタ160は、ターボ分子ポンプ本体100と制御装置との間の信号線の出口になっている。
かかる構成において、回転翼102がモータ121により駆動されてロータ軸113と共に回転すると、回転翼102と固定翼123の作用により、吸気口101を通じてチャンバからの排気ガスが吸気される。
吸気口101から吸気された排気ガスは、回転翼102と固定翼123の間を通り、ベース部129へ移送される。そして、ベース部129に移送されてきた排気ガスは、ネジ付きスペーサ131のネジ溝131aに案内されつつ排気口133へと送られる。
なお、上記では、ネジ付きスペーサ131は回転翼102dの外周に配設し、ネジ付きスペーサ131の内周面にネジ溝131aが刻設されているとして説明した。しかしながら、これとは逆に回転翼102dの外周面にネジ溝が刻設され、その周囲に円筒状の内周面を有するスペーサが配置される場合もある。
また、吸気口101から吸引されたガスがモータ121、下側径方向電磁石105、下側径方向センサ108、上側径方向電磁石104、上側径方向センサ107などで構成される電装部側に侵入することのないよう、パージガスにて所定圧に保たれている。
このため、ベース部129には図示しない配管が配設され、この配管を通じてパージガスが導入される。導入されたパージガスは、保護ベアリング120とロータ軸113間、モータ121のロータとステータ間、ステータコラム122と回転翼102間の隙間を通じて排気口133へ送出される。
保護ベアリング120は、磁気軸受が装置異常や何らかの外乱によって回転体103の浮上を維持できなくなった場合に、ロータ軸113が各センサや各電磁石と接触しないようにするため備えられている。保護ベアリング120とロータ軸113間の隙間は、回転体103が加減速時の共振点通過時に一時的に振れが大きくなったり、あるいは微小な外乱でただちに保護ベアリング120とロータ軸113とが接触すると不都合であるから、回転体103の保持精度よりも、かなり大きくとってある。
例えば、数μmの軸保持精度に対して、保護ベアリング120とロータ軸113間の隙間は1mm程度に設定する、などである。ここで、磁気浮上していない状態において、ロータ軸113は保護ベアリング120によって支持されている。このため、磁気軸受を動作させるには、保護ベアリング120とロータ軸113間の隙間(例えば1mm)と、軸保持精度(例えば数μm)の両方を検出できる変位センサが望まれる。
しかしながら、一般に大きなフルスケールと高い分解能を両立するセンサは高価かつ大型である。また、デジタル制御回路にセンサ信号を取り込むA/Dコンバータにも大きなbit数が必要になり、高価になる。
例えば、センサ出力が−10〜10V(このときの対応する測定距離範囲は、−1mm〜1mm)に対して8bitのA/Dコンバータ(−10〜10Vフルスケールのもの)を使ったとする。この場合の測定分解能を計算(20V/256)すると、ほぼ0.08Vとなり、これは0.008mm(8μm)に相当する。
このため、8μm以下の変位は検出できない。なお、8bitをすべて使用せず、その内の1〜2bitを符号bitや状態bitとして使うことにすると、使用可能なビット数はその分減り分解能はもっと悪くなる。
そこで、この問題に対処するため、例えば、センサ出力信号に応じてシフト信号を加算し、A/Dコンバータの入カレンジ内に収まる0近傍の疑似信号とすることで、高分解能を得るようにした技術がある(特許文献1)。シフト信号は時間の関数としている。
特許第3362996号公報
ところで、特許文献1では磁気軸受起動時(浮上開始時)や加減速時など、事前に挙動の予測できる過渡応答に対しては適用可能と考えられるが、予測困難な外乱(例えば地震や人為的な接触による振動等)を受けた場合には、センサ出力信号がA/Dコンバータの入カレンジを超えることが十分に起こり得る。そして、その場合には、ロータ軸113は高速回転状態から一瞬にして制御不能な状態になるおそれがあった。
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、桁数の少ないA/Dコンバータであっても高精度な制御が行え、かつ外乱を受けた際にも安全に動作できる磁気軸受装置を提供することを目的とする。
このため本発明(請求項1)は、センサと、該センサから出力された信号を入力信号とし、該入力信号に対しバイアス分に相当する第1のシフト信号を調整可能な第1の演算部と、該第1の演算部の出力信号を増幅し、かつ増幅度を変更可能な第1の増幅部と、該第1の増幅部で増幅された信号が入力され、アナログ/デジタル変換される変換部と、該変換部で変換された信号を増幅し、かつ増幅度を変更可能な第2の増幅部と、該第2の増幅部で増幅された信号に対しバイアス分に相当する第2のシフト信号を調整可能な第2の演算部と、前記第1の増幅部の増幅度及び前記第2の増幅部の各増幅度を設定するゲイン信号設定部と、前記第1の演算部及び前記第2の演算部の各シフト信号を設定するシフト信号設定部と、前記変換部より得られた高精度なデータを基に制御信号が生成され、該制御信号により制御が行われる電磁石と、該電磁石により浮上支持されるロータ軸とを備えて構成した。
入力信号に対しバイアス分に相当する第1のシフト信号を調整する。そして、調整された信号を増幅した後に変換部に入力する。このことにより、変換部のアナログ/デジタル変換の性能に制約のある場合であっても高い分解能で検出可能となり精度を上げることができる。
ゲイン信号設定部で増幅部の増幅度を設定可能としたので、検出精度の変更が自由に行える。このため、外乱等により入力信号が変動する場合と入力信号が安定して推移する場合等の各状況の変化に応じて随時、増幅部の増幅度を変えることができ、制御が不能となることはなく安定して行える。
また、本発明(請求項2)は、前記入力信号の変化の最大値と最小値を検出する検出手段を備え、前記シフト信号設定部の各シフト信号が該検出手段で検出された最大値と最小値を基に設定されることを特徴とする。
このことにより、最大値と最小値の間に推移するデータを効率よく取得できる。
更に、本発明(請求項3)は、前記入力信号の変化の最大値と最小値を検出する検出手段を備え、前記ゲイン信号設定部の前記第1の増幅部の増幅度及び前記第2の増幅部の各増幅度の設定が該検出手段で検出された最大値と最小値及び前記変換部の性能を基に設定されることを特徴とする。
このことにより、最大値と最小値の間に推移するデータに対する増幅率を的確に判断し設定できる。
更に、本発明(請求項4)は、前記第1の増幅部の増幅度が前記第2の増幅部の増幅度の逆数であり、かつ前記第1のシフト信号及び前記第2のシフト信号が共通であることを特徴とする。
このことにより、制御を単純化できる。
更に、本発明(請求項5)は、前記ゲイン信号設定部による前記第1の増幅部の増幅度及び前記第2の増幅部の増幅度が前記変換部の状態信号を基に切り換えられることを特徴とする。
変換部の状態信号は、例えばアナログ/デジタル変換の際のオーバーフロー状態を検出した信号であったり、あらかじめ設定された設定値を超えたときの信号等である。このことにより、例えば外乱等により変換部への入力信号がオーバーフローしたような場合であっても増幅部の増幅度を切り換えることで外乱等に影響されずに安全に制御できる。
以上説明したように本発明によれば、入力信号に対しバイアス分に相当する第1のシフト信号を調整し、この調整された信号を増幅した後に変換部に入力するように構成したので、変換部のアナログ/デジタル変換の性能に制約のある場合であっても高い分解能で検出可能となり精度を上げることができる。
また、ゲイン信号設定部で増幅部の増幅度を設定可能としたので、検出精度の変更が自由に行える。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態のブロック図を図1に示す。図1において、減算器1では、下側径方向センサ108、上側径方向センサ107などの各位置センサで検出された信号が入力信号3として入力されるようになっている。一方、この減算器1には、シフト信号設定部5で演算されたシフト信号7がD/Aコンバータ6によりデジタル/アナログ変換された後に入力され、入力信号3との間で減算処理がされるようになっている。そして、このシフト信号7により、入力信号3は適当なバイアスがかけられるようになっている。
減算器1でバイアスのかけられた信号は増幅器9でK倍の増幅がされるようになっている。増幅器9は、例えば次段のA/Dコンバータ10の入カフルスケール一杯(あるいは任意の増幅倍)まで増幅したり、増幅度を戻したりするようにゲイン信号設定部11がゲイン信号13を更新するようになっている。そして、このゲイン信号13が増幅器9の増幅度Kを指定するようになっている。増幅器9の簡略回路図としては、例えば図2のように構成できる。このとき、ゲイン信号13によりスイッチ12を切り換えることで増幅度が変えられるようになっている。
減算器1でバイアス調整され、かつ増幅器9で増幅された信号15はA/Dコンバータ10に入力され、アナログ/デジタル変換されるようになっている。そして、このアナログ/デジタル変換された信号を元に高分解能に評価された後、この信号が元の増幅されない状態に戻されるようになっている。このため、増幅器17では、増幅器9で増幅された増幅度Kに対する増幅度1/Kを設定することにより信号を増幅前の状態に戻すようになっている。
増幅度1/Kは、ゲイン信号設定部11により指定される。但し、ゲイン信号設定部11からは増幅度Kが指定され、増幅器17(デジタルにて構成されている)内部で増幅度1/Kに読み変えられてもよい。そして、この増幅器17を通った信号19は加算器21でシフト信号7(デジタル値)が加算され、バイアスのかけられる前に戻されるようになっている。
加算器21で加算された信号23は、シフト信号設定部5及びゲイン信号設定部11に入力され、それぞれシフト信号の設定値、ゲイン信号の設定値が判断されるようになっている。そして、この判断のために、A/Dコンバータ10の状態信号25がシフト信号設定部5及びゲイン信号設定部11に入力されるようになっている。A/Dコンバータ10の状態信号25は、例えばA/Dコンバータ10がオーバーフローしたり、ある設定値を超えたりしたようなときに出力される信号である。また、このシフト信号設定部5及びゲイン信号設定部11には、更に外部よりターボ分子ポンプ本体100の運転状態を示す運転状態信号27が入力されるようになっている。
運転状態信号27は、例えば回転体103が剛体モードの共振周波数を超えるときに出力されたり、ポンプ始動から定常運転に到達したときに出力されたりする。そして、この運転状態信号27を基にゲイン信号設定部11でゲイン信号13が指定若しくは切り換えられるようになっている。そして、信号23若しくはA/Dコンバータ10で高精度に読み込まれたデジタル値は制御処理部24へと伝えられ、以降の制御に使用されるようになっている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
以降の説明では、簡単のため、ゲイン信号設定部11での感度の切り換えは低感度と高感度の2モードとする。但し、この切り換えは複数段に細かく感度設定されてもよい。A/Dコンバータ10の有効桁数は例えば8ビットである。
図3に運転のフロー(イ欄)と共に運転時間とセンサ出力の関係図(ロ欄)及びこのときの運転モード(ハ欄)を示す。図3の運転フローにおいて、ステップ1(図中S1と略す)で電源投入され、ステップ2で磁気浮上が開始される。例えば、ステップ1の際の運転時間とセンサ出力の関係図は図(a)となるが、理解し易いようにステップ1の右隣に対応するように記載している(以下同様)。
回転体103の浮上開始時には、ゲイン信号設定部11より通常モードとして低感度のゲイン信号13が指定される。ここに、通常モードとは、ロータ軸113の可動範囲の全域に渡り、A/Dコンバータ10のフルスケールが対応した状態をいう。
また、回転体103の加速時も浮上開始時と同様にゲイン信号設定部11より通常モードとして低感度のゲイン信号13が指定される。低感度とするのは、浮上途中においては、剛体モードの共振点等を通過することもあり、最初から安定した状態にロータ軸113を保持するのは困難だからである(ステップ3を参照)。即ち、この間の制御では、ロータ軸113の浮上位置が相当広範囲に振れるおそれがあるため、この広範囲をカバーして位置検出する必要があり、増幅器9の感度は低感度とする。このとき逆に高感度に設定していると測定不能となることがある。A/Dコンバータ10では、フルスケールに対し入力された信号が低い分解能で検出される。
次に、ステップ4では、回転体103が、あらかじめ設定した回転数(例えば、共振点通過の回転数や定格回転数)に達した、あるいは電子顕微鏡で測定を開始する、などのタイミングで、ゲイン信号設定部11より高分解能モードとして高感度のゲイン信号13を指定する(図(e)を参照)。これらは、自動的に信号を取り合うことで行われることが望ましい。
このときの通常モードと高分解能モードの間におけるモード変更及び中心合わせの概念を図4を基に説明する。中心合わせは、モード変更を効果的なものとするため、センサ出力から判断される中心位置と構造上の中心位置である0をまず一致させた上でモード変更しようとするものである。
例えば、センサ出力が−5〜5V(このときの対応する測定距離範囲は、−5mm〜5mm)のセンサと、入力フルスケールが−5〜5VのA/Dコンバータを仮想する。なお、ここでの仕様はあくまで概念を分かりやすく説明するためにのみ利用しており、実際の制御に利用されているセンサ等の仕様とは異なる。
上側径方向センサ107や下側径方向センサ108等の対向差分式センサを利用した場合、センサ出力から判断される中心位置は構造上の中心位置である0に一致するのが理想だが、実際には電磁気的あるいは機械的な中心ずれがあるので、構造上の中心位置は0から少しずれるのが普通である。図4(a)では、このずれの存在のため、定格運転時のロータ軸113の変位がセンサ出力から判断される中心位置である0ではなく、少しずれたセンサ出力が2〜3V(変位では2〜3mmの位置)の範囲の所でロータ軸113が回転している。このようにセンサ出力から見た仮想中心と真の構造上の中心位置のずれが大きい場合は、シフト信号設定部5でこのずれ分を判断し、減算器1で入力信号3に対してシフト信号7をもってバイアスをかけて調整することとする。図4(a)において、このバイアスは2.5V程度であり、この2.5Vを入力信号3に対して調整することで、減算器1の出力信号は図4(b)に示すように−0.5〜0.5Vとなる。
このずれ分を判断する方法として、シフト信号設定部5では、入力された信号23の最大値及び最小値を観測する。そして、この最大値と最小値の中心位置を求めてずれ分を判断する。そして、シフト信号7には、このずれ分を指定する。 ゲイン信号設定部11では、この減算器1の出力信号に対し、A/Dコンバータ10の入力フルスケールである例えば−5〜5Vとなるように増幅器9の増幅度Kを10倍に設定する。定格運転で安定した状態においては、図4(a)の場合、2〜3mmの範囲で運転されており、この範囲を観測すれば十分だからである。このため、この範囲を拡大して観測することとする。この増幅器9からの信号をA/Dコンバータ10に取り込めば、図4(c)に示すように、−5〜5Vの入力フルスケールに対して全域を利用可能である。このことにより、A/Dコンバータ10のビット数を有効に使うことができ、センサとしての分解能も高くできる。
ゲイン信号13の倍率は、本実施形態の説明では低感度から一気に高感度に設定するとして説明したが、徐々に倍率を上げていくようにしてもよい。基本的には、分解能が上がるほど、保持精度も向上する。
なお、前述したシフト信号7によるバイアス調整と、ゲイン信号13による感度調整とはA/Dコンバータ10の入力フルスケールに対してなるべく全域を無駄なく利用し精度良く位置検出しようとするため、仮想的に信号を操作したものである。このため、現実の変位信号に復元して制御するため、増幅器17で倍率を増幅器9による増幅前の状態に戻し、かつ加算器21で減算器1によるバイアスのかけられる前に戻す。
図3のステップ5で外乱の加えられたときには、A/Dコンバータ10がオーバーフローし、A/Dコンバータ10の状態信号25がセットされる。このとき、ゲイン信号設定部11では、通常モードとするため低感度のゲイン信号13を指定する(図(f)及び図(g)を参照。感度の切り換えにより図(f)から図(g)に移行する)。このことにより、外乱の加えられたときでも測定不能とはならず、安定した位置検出が可能となる。
なお、本実施形態ではA/Dコンバータ10がオーバーフローしたとして説明したが、A/Dコンバータ10が所定の設定値を超えたら低感度のゲイン信号13を指定するようにしてもよい。この際には、一気に通常モードに移行させてもよいが、徐々に通常モードに向けて倍率を下げるようにしてもよい。
また、A/Dコンバータ10がオーバーレンジでなくなれば、通常の磁気浮上動作が可能なので、外乱によって一時的にロータ軸113の振れが大きくなったのであれば、じきに収束する。この振れが収束するまでには少し時間がかかるので、例えば数秒間は高分解能モードにならないようにしてもよいし、前述のように徐々に分解能を高めていってもよい。
次に、ステップ6で外乱による過渡状態から定常状態に復帰したら、ゲイン信号設定部11より高分解能モードとして高感度のゲイン信号13を再び指定する(図(h)を参照)。
その後、ステップ7で電子頼微鏡による測定が終了したり、ターボ分子ポンプ本体100の減速を開始したりするような場合にはゲイン信号設定部11では、通常モードとするため低感度のゲイン信号13を指定する(感度の切り換えにより図(h)から図(i)に移行する)。
以上により、A/Dコンバータ10のbit数を有効に使え、bit数の小さい経済的なA/Dコンバータで高い分解能が得られる。外乱などによっても安定した動作が確保できる。
なお、本発明の磁気軸受装置は、ターボ分子ポンプ以外にも磁気浮上式の除振台やスピンドル等にも適用可能である。
また、本実施形態中、デジタルにて構成するとして説明した部分について、ノイズや精度が問題になる場合や、D/Aコンバータ6を使用したくない場合等には、アナログ回路にて構成されてもよい。
本発明の実施形態のブロック図 増幅器の簡略回路図 運転のフロー(イ欄)、運転時間とセンサ出力の関係図(ロ欄)及びこのときの運転モード(ハ欄) モード変更及び中心合わせの概念を示す図 ターボ分子ポンプ本体の縦断面図
符号の説明
1 減算器
3 入力信号
5 シフト信号設定部
6 D/Aコンバータ
7 シフト信号
9、17 増幅器
10 A/Dコンバータ
11 ゲイン信号設定部
13 ゲイン信号
21 加算器
24 制御処理部
25 状態信号
27 運転状態信号
100 ターボ分子ポンプ本体

Claims (5)

  1. センサと、
    該センサから出力された信号を入力信号とし、該入力信号に対しバイアス分に相当する第1のシフト信号を調整可能な第1の演算部と、
    該第1の演算部の出力信号を増幅し、かつ増幅度を変更可能な第1の増幅部と、該第1の増幅部で増幅された信号が入力され、アナログ/デジタル変換される変換部と、
    該変換部で変換された信号を増幅し、かつ増幅度を変更可能な第2の増幅部と、該第2の増幅部で増幅された信号に対しバイアス分に相当する第2のシフト信号を調整可能な第2の演算部と、
    前記第1の増幅部の増幅度及び前記第2の増幅部の各増幅度を設定するゲイン信号設定部と、
    前記第1の演算部及び前記第2の演算部の各シフト信号を設定するシフト信号設定部と、
    前記変換部より得られた高精度なデータを基に制御信号が生成され、該制御信号により制御が行われる電磁石と、
    該電磁石により浮上支持されるロータ軸とを備えたことを特徴とする磁気軸受装置。
  2. 前記入力信号の変化の最大値と最小値を検出する検出手段を備え、
    前記シフト信号設定部の各シフト信号が該検出手段で検出された最大値と最小値を基に設定されることを特徴とする請求項1記載の磁気軸受装置。
  3. 前記入力信号の変化の最大値と最小値を検出する検出手段を備え、
    前記ゲイン信号設定部の前記第1の増幅部の増幅度及び前記第2の増幅部の各増幅度の設定が該検出手段で検出された最大値と最小値及び前記変換部の性能を基に設定されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の磁気軸受装置。
  4. 前記第1の増幅部の増幅度が前記第2の増幅部の増幅度の逆数であり、かつ前記第1のシフト信号及び前記第2のシフト信号が共通であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の磁気軸受装置。
  5. 前記ゲイン信号設定部による前記第1の増幅部の増幅度及び前記第2の増幅部の増幅度が前記変換部の状態信号を基に切り換えられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気軸受装置。
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