JP2006112490A - 磁気軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 回転体103が、あらかじめ設定した回転数に達したなどのタイミングで、ゲイン信号設定部11より高分解能モードとして高感度のゲイン信号13を指定する。外乱の加えられたときには、A/Dコンバータ10がオーバーフローし、A/Dコンバータ10の状態信号25がセットされる。このとき、ゲイン信号設定部11では、通常モードとするため低感度のゲイン信号13を指定する。このことにより、外乱の加えられたときでも測定不能とはならず、安定した位置検出が可能となる。
【選択図】 図1
Description
これらの半導体は、極めて純度の高い半導体基板に不純物をドープして電気的性質を与えたり、エッチングにより半導体基板上に微細な回路を形成したりなどして製造される。
そして、これらの作業は空気中の塵等による影響を避けるため高真空状態のチャンバ内で行われる必要がある。このチャンバの排気には、一般に真空ポンプが用いられているが、特に残留ガスが少なく、保守が容易等の点から真空ポンプの中の一つであるターボ分子ポンプが多用されている。
更に、ターボ分子ポンプは、電子顕微鏡等の設備において、粉塵等の存在による電子ビームの屈折等を防止するため、電子顕微鏡等のチャンバ内の環境を高度の真空状態にするのにも用いられている。
そして、このようなターボ分子ポンプは、半導体製造装置や電子顕微鏡等のチャンバからガスを吸引排気するためのターボ分子ポンプ本体と、このターボ分子ポンプ本体を制御する制御装置とから構成されている。
図5において、ターボ分子ポンプ本体100は、円筒状の外筒127の上端に吸気口101が形成されている。外筒127の内方には、ガスを吸引排気するためのタービンブレードによる複数の回転翼102a、102b、102c・・・を周部に放射状かつ多段に形成した回転体103を備える。
この回転体103の中心にはロータ軸113が取り付けられており、このロータ軸113は、例えば、いわゆる5軸制御の磁気軸受により空中に浮上支持かつ位置制御されている。
ロータ軸113は、高透磁率材(鉄など)などにより形成され、上側径方向電磁石104の磁力により吸引されるようになっている。かかる調整は、X軸方向とY軸方向とにそれぞれ独立して行われる。
また、下側径方向電磁石105及び下側径方向センサ108が、上側径方向電磁石104及び上側径方向センサ107と同様に配置され、ロータ軸113の下側の径方向位置が、上側の径方向位置と同様に、制御装置において調整されている。
このように、制御装置では、この軸方向電磁石106A、106Bが金属ディスク111に及ぼす磁力を適当に調節し、ロータ軸113を軸方向に磁気浮上させ、空間に非接触で保持する。
また、モータ121には、図示しない回転数センサ及びモータ温度センサが取り付けられており、これらの回転数センサ及びモータ温度センサの検出信号を受けて、制御装置においてロータ軸113の回転が制御されている。
また、固定翼123も、同様にロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成され、かつ外筒127の内方に向けて回転翼102の段と互い違いに配設されている。
そして、固定翼123の一端は、複数の段積みされた固定翼スペーサ125a、125b、125c・・・の間に嵌挿された状態で支持されている。
固定翼スペーサ125の外周には、わずかの空隙を隔てて外筒127が固定されている。外筒127の底部にはベース部129が配設され、固定翼スペーサ125の下部とベース部129の間にはネジ付きスペーサ131が配設されている。そして、ベース部129中のネジ付きスペーサ131の下部には排気口133が形成され、外部に連通されている。
ネジ溝131aの螺旋の方向は、回転体103の回転方向に排気ガスの分子が移動したときに、この分子が排気口133の方へ移送される方向である。
回転体103の回転翼102a、102b、102c・・・に続く最下部には回転翼102dが垂下されている。この回転翼102dの外周面は、円筒状で、かつネジ付きスペーサ131の内周面に向かって張り出されており、このネジ付きスペーサ131の内周面と所定の隙間を隔てて近接されている。
ベース部129はターボ分子ポンプ本体100を物理的に保持すると共に、熱の伝導路の機能も兼ね備えているので、鉄、アルミニウムや銅などの剛性があり、熱伝導率も高い金属が使用されるのが望ましい。
また、ベース部129には、コネクタ160が配設されており、このコネクタ160は、ターボ分子ポンプ本体100と制御装置との間の信号線の出口になっている。
吸気口101から吸気された排気ガスは、回転翼102と固定翼123の間を通り、ベース部129へ移送される。そして、ベース部129に移送されてきた排気ガスは、ネジ付きスペーサ131のネジ溝131aに案内されつつ排気口133へと送られる。
なお、上記では、ネジ付きスペーサ131は回転翼102dの外周に配設し、ネジ付きスペーサ131の内周面にネジ溝131aが刻設されているとして説明した。しかしながら、これとは逆に回転翼102dの外周面にネジ溝が刻設され、その周囲に円筒状の内周面を有するスペーサが配置される場合もある。
このため、ベース部129には図示しない配管が配設され、この配管を通じてパージガスが導入される。導入されたパージガスは、保護ベアリング120とロータ軸113間、モータ121のロータとステータ間、ステータコラム122と回転翼102間の隙間を通じて排気口133へ送出される。
例えば、センサ出力が−10〜10V(このときの対応する測定距離範囲は、−1mm〜1mm)に対して8bitのA/Dコンバータ(−10〜10Vフルスケールのもの)を使ったとする。この場合の測定分解能を計算(20V/256)すると、ほぼ0.08Vとなり、これは0.008mm(8μm)に相当する。
そこで、この問題に対処するため、例えば、センサ出力信号に応じてシフト信号を加算し、A/Dコンバータの入カレンジ内に収まる0近傍の疑似信号とすることで、高分解能を得るようにした技術がある(特許文献1)。シフト信号は時間の関数としている。
ゲイン信号設定部で増幅部の増幅度を設定可能としたので、検出精度の変更が自由に行える。このため、外乱等により入力信号が変動する場合と入力信号が安定して推移する場合等の各状況の変化に応じて随時、増幅部の増幅度を変えることができ、制御が不能となることはなく安定して行える。
また、ゲイン信号設定部で増幅部の増幅度を設定可能としたので、検出精度の変更が自由に行える。
以降の説明では、簡単のため、ゲイン信号設定部11での感度の切り換えは低感度と高感度の2モードとする。但し、この切り換えは複数段に細かく感度設定されてもよい。A/Dコンバータ10の有効桁数は例えば8ビットである。
図3に運転のフロー(イ欄)と共に運転時間とセンサ出力の関係図(ロ欄)及びこのときの運転モード(ハ欄)を示す。図3の運転フローにおいて、ステップ1(図中S1と略す)で電源投入され、ステップ2で磁気浮上が開始される。例えば、ステップ1の際の運転時間とセンサ出力の関係図は図(a)となるが、理解し易いようにステップ1の右隣に対応するように記載している(以下同様)。
回転体103の浮上開始時には、ゲイン信号設定部11より通常モードとして低感度のゲイン信号13が指定される。ここに、通常モードとは、ロータ軸113の可動範囲の全域に渡り、A/Dコンバータ10のフルスケールが対応した状態をいう。
例えば、センサ出力が−5〜5V(このときの対応する測定距離範囲は、−5mm〜5mm)のセンサと、入力フルスケールが−5〜5VのA/Dコンバータを仮想する。なお、ここでの仕様はあくまで概念を分かりやすく説明するためにのみ利用しており、実際の制御に利用されているセンサ等の仕様とは異なる。
なお、前述したシフト信号7によるバイアス調整と、ゲイン信号13による感度調整とはA/Dコンバータ10の入力フルスケールに対してなるべく全域を無駄なく利用し精度良く位置検出しようとするため、仮想的に信号を操作したものである。このため、現実の変位信号に復元して制御するため、増幅器17で倍率を増幅器9による増幅前の状態に戻し、かつ加算器21で減算器1によるバイアスのかけられる前に戻す。
また、A/Dコンバータ10がオーバーレンジでなくなれば、通常の磁気浮上動作が可能なので、外乱によって一時的にロータ軸113の振れが大きくなったのであれば、じきに収束する。この振れが収束するまでには少し時間がかかるので、例えば数秒間は高分解能モードにならないようにしてもよいし、前述のように徐々に分解能を高めていってもよい。
その後、ステップ7で電子頼微鏡による測定が終了したり、ターボ分子ポンプ本体100の減速を開始したりするような場合にはゲイン信号設定部11では、通常モードとするため低感度のゲイン信号13を指定する(感度の切り換えにより図(h)から図(i)に移行する)。
以上により、A/Dコンバータ10のbit数を有効に使え、bit数の小さい経済的なA/Dコンバータで高い分解能が得られる。外乱などによっても安定した動作が確保できる。
また、本実施形態中、デジタルにて構成するとして説明した部分について、ノイズや精度が問題になる場合や、D/Aコンバータ6を使用したくない場合等には、アナログ回路にて構成されてもよい。
3 入力信号
5 シフト信号設定部
6 D/Aコンバータ
7 シフト信号
9、17 増幅器
10 A/Dコンバータ
11 ゲイン信号設定部
13 ゲイン信号
21 加算器
24 制御処理部
25 状態信号
27 運転状態信号
100 ターボ分子ポンプ本体
Claims (5)
- センサと、
該センサから出力された信号を入力信号とし、該入力信号に対しバイアス分に相当する第1のシフト信号を調整可能な第1の演算部と、
該第1の演算部の出力信号を増幅し、かつ増幅度を変更可能な第1の増幅部と、該第1の増幅部で増幅された信号が入力され、アナログ/デジタル変換される変換部と、
該変換部で変換された信号を増幅し、かつ増幅度を変更可能な第2の増幅部と、該第2の増幅部で増幅された信号に対しバイアス分に相当する第2のシフト信号を調整可能な第2の演算部と、
前記第1の増幅部の増幅度及び前記第2の増幅部の各増幅度を設定するゲイン信号設定部と、
前記第1の演算部及び前記第2の演算部の各シフト信号を設定するシフト信号設定部と、
前記変換部より得られた高精度なデータを基に制御信号が生成され、該制御信号により制御が行われる電磁石と、
該電磁石により浮上支持されるロータ軸とを備えたことを特徴とする磁気軸受装置。 - 前記入力信号の変化の最大値と最小値を検出する検出手段を備え、
前記シフト信号設定部の各シフト信号が該検出手段で検出された最大値と最小値を基に設定されることを特徴とする請求項1記載の磁気軸受装置。 - 前記入力信号の変化の最大値と最小値を検出する検出手段を備え、
前記ゲイン信号設定部の前記第1の増幅部の増幅度及び前記第2の増幅部の各増幅度の設定が該検出手段で検出された最大値と最小値及び前記変換部の性能を基に設定されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の磁気軸受装置。 - 前記第1の増幅部の増幅度が前記第2の増幅部の増幅度の逆数であり、かつ前記第1のシフト信号及び前記第2のシフト信号が共通であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の磁気軸受装置。
- 前記ゲイン信号設定部による前記第1の増幅部の増幅度及び前記第2の増幅部の増幅度が前記変換部の状態信号を基に切り換えられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気軸受装置。
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