JP2006089665A - フェノール樹脂成形材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、弾性率が高く変形を受けにくい成形品を得ることができるフェノール樹脂成形材料を提供することである。
【解決手段】 フェノール樹脂と、ベーマイトを含有し、更に充填材を含むものであり、好ましくは上記ベーマイトはナノベーマイトを含むものであり、上記ナノベーマイトの平均粒径が0.1〜100nmであるフェノール樹脂成形材料。
【選択図】 なし
【解決手段】 フェノール樹脂と、ベーマイトを含有し、更に充填材を含むものであり、好ましくは上記ベーマイトはナノベーマイトを含むものであり、上記ナノベーマイトの平均粒径が0.1〜100nmであるフェノール樹脂成形材料。
【選択図】 なし
Description
本発明は、フェノール樹脂成形材料に関するものである。
フェノール樹脂成形材料の成形品は、耐熱性、電気的特性、機械的特性、寸法安定性などのバランスに優れ、自動車の機構部品や電機部品をはじめとして広範囲の分野に利用されている。
自動車の機構部品用途においては金属部品からの置き換えが主であり、熱時の成形品強度が重要特性である。これらの用途では熱で劣化しづらい無機基材が用いられ、その中でもガラス繊維を充填したタイプのフェノール樹脂成形材料が主となっている。
自動車の機構部品用途においては金属部品からの置き換えが主であり、熱時の成形品強度が重要特性である。これらの用途では熱で劣化しづらい無機基材が用いられ、その中でもガラス繊維を充填したタイプのフェノール樹脂成形材料が主となっている。
強度とともに応力が加わった場合の耐変形性も機構部品の用途では重要項目となる。例えば金属部品と一体化した製品については、温度変化時の金属との線膨張係数の違いによるクラックを抑制するため、材料に靭性(低弾性化、伸び向上)を付与し、耐変形性の向上を図ることが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、変形を抑制したい場合は逆に弾性率を高めることが有効である。一般的には充填材の比率を高めることで弾性率を高めることができるが、樹脂の割合が減ることにより成形性の低下、比重が高くなりコストアップ、重量アップ等の問題も残る。
特開2004−131703号公報
本発明は、上記の問題を解決するために種々検討した結果なされたものであり、その目的とするところは弾性率の高い成形品を得られるフェノール樹脂成形材料を提供することである。
このような目的は、以下(1)〜(3)に記載の本発明により達成される。
(1)フェノール樹脂と、ベーマイトとを含有することを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
(2)更に、充填材を含むものである(1)に記載のフェノール樹脂成形材料。
(3)前記ベーマイトは、平均粒径が0.1〜100nmであるナノベーマイトを含むものである(1)又は(2)に記載のフェノール樹脂成形材料。
(1)フェノール樹脂と、ベーマイトとを含有することを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
(2)更に、充填材を含むものである(1)に記載のフェノール樹脂成形材料。
(3)前記ベーマイトは、平均粒径が0.1〜100nmであるナノベーマイトを含むものである(1)又は(2)に記載のフェノール樹脂成形材料。
本発明は、フェノール樹脂と、ベーマイトとを含有することを特徴とするフェノール樹脂成形材料であり、本発明のフェノール樹脂成形材料を使用すれば、弾性率が高く変形を受けにくい成形品を得ることができる。
以下に、本発明のフェノール樹脂成形材料(以下、単に「成形材料」ということがある)について詳細に説明する。本発明は、フェノール樹脂と、ベーマイトとを含有することを特徴とするフェノール樹脂成形材料である。
本発明で用いられるフェノール樹脂は、ノボラックタイプのフェノール樹脂、レゾールタイプのフェノール樹脂のいずれか或いは両者を併用することができ、特に限定されるものではない。また、ノボラックタイプのフェノール樹脂を用いる場合は、通常、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを併用する。
ノボラックタイプのフェノール樹脂単独使用の場合、ヘキサメチレンテトラミンはフェノール樹脂全体に対して、10〜25重量%配合することが好ましい。更に好ましくは、14〜20重量%である。前記下限値未満では硬化性が低下することがあり、前記上限値を越えると熱安定性が悪化することがある。
ノボラックタイプのフェノール樹脂単独使用の場合、ヘキサメチレンテトラミンはフェノール樹脂全体に対して、10〜25重量%配合することが好ましい。更に好ましくは、14〜20重量%である。前記下限値未満では硬化性が低下することがあり、前記上限値を越えると熱安定性が悪化することがある。
本発明で用いられるフェノール樹脂の含有量は特に限定されないが、ヘキサメチレンテトラミンを配合する場合はその量を含めて、成形材料全体に対して15〜65重量%が好ましい。更に好ましくは30〜50重量%である。前記下限値未満では成形材料の生産が困難となること及び材料の流動性が低下するため成形が困難になるといった問題を生じることがある。前記上限値を超えると材料の生産性が低下することがある。
本発明の成形材料はベーマイトを含むことを特徴とする。
ベーマイトは水酸化アルミニウムの一種でベーム石とも呼ばれており、一般的にはギブス石を脱水させると得られ化学組成はAlO(OH)である。
ベーマイトは水酸化アルミニウムの一種でベーム石とも呼ばれており、一般的にはギブス石を脱水させると得られ化学組成はAlO(OH)である。
上記のようにベーマイトは水酸化アルミニウムを脱水して得られることから熱分解温度が水酸化アルミニウムより高く安定でありプラスチックの充填剤として適している。また、モース硬度も水酸化アルミニウムが3であるのに対してベーマイトは4であり磨耗の点でも有利である。
本発明の成形材料に用いられるベーマイトは、特に限定されないが、平均粒径が0.1〜100nmであるナノベーマイトを配合することが好ましい。平均粒径がこの範囲にあるナノベーマイトを用いることで弾性率を向上させることができる。弾性率が向上するメカニズムは明らかでないが、粒径が小さくなることで材料中の分散性が高くなること、樹脂との密着面積が大きくなることが考えられる。
本発明の成形材料には充填材を用いることができる。充填材としては、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維、シリカ、炭酸カルシウム、クレー等の無機充填材が使用できる。かかる充填材は単独でもよく、二種以上を組み合わせ使用することも可能である。また、目的とする使用温度によっては木粉、合板粉、樹脂成形品の粉砕物等の有機充填材を用いても良い。
上記ガラス繊維を用いる場合は、特に限定されないが、通常のフェノール樹脂成形材料用のもの、例えば、繊維径10〜30μm、繊維長1〜6mmのチョップドストランドなどを使用することができる。
本発明において、上記各成分の他に、通常のフェノール樹脂成形材料と同様に、滑剤、着色剤、硬化助剤、難燃剤などの各種添加剤を適宜配合することができる。
本発明のフェノール樹脂成形材料は、通常の方法により製造される。即ち、上記の各成分を所定の配合割合で混合し、加熱ロール、コニーダ、二軸押出機を使用して溶融混練した後、冷却、粉砕することにより得られる。
以下、実施例により本発明を説明する。以下に実施例を示す。
実施例1
フェノール樹脂を34重量%、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを6重量%、充填材としてガラス繊維を52重量%、ナノベーマイトを5重量%、硬化助剤として酸化マグネシウムを1重量%、その他の添加剤として滑剤を1重量%、着色剤を1重量%配合し、170℃でのラボプラストミルのトルクで1.0kg・mになるまで加熱ロールで溶融混練し、冷却後粉砕して成形材料を得た。
フェノール樹脂を34重量%、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを6重量%、充填材としてガラス繊維を52重量%、ナノベーマイトを5重量%、硬化助剤として酸化マグネシウムを1重量%、その他の添加剤として滑剤を1重量%、着色剤を1重量%配合し、170℃でのラボプラストミルのトルクで1.0kg・mになるまで加熱ロールで溶融混練し、冷却後粉砕して成形材料を得た。
実施例2
ガラス繊維の代わりに炭酸カルシウムを配合した以外は実施例1と同様にして、成形材料を得た。
ガラス繊維の代わりに炭酸カルシウムを配合した以外は実施例1と同様にして、成形材料を得た。
比較例1
フェノール樹脂を34重量%、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを6重量部、充填材としてガラス繊維を57重量%、硬化助剤として酸化マグネシウムを1重量%、その他の添加剤として滑剤を1重量%、着色剤を1重量%配合し、170℃でのラボプラストミルのトルクで1.0kg・mになるまで加熱ロールで溶融混練し、冷却後粉砕して成形材料を得た。
フェノール樹脂を34重量%、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを6重量部、充填材としてガラス繊維を57重量%、硬化助剤として酸化マグネシウムを1重量%、その他の添加剤として滑剤を1重量%、着色剤を1重量%配合し、170℃でのラボプラストミルのトルクで1.0kg・mになるまで加熱ロールで溶融混練し、冷却後粉砕して成形材料を得た。
比較例2
フェノール樹脂を29重量部に減量、ヘキサメチレンテトラミンを5重量部に減量、ガラス繊維を63重量部に増量した以外は、比較例1と同様にして成形材料を得た。
フェノール樹脂を29重量部に減量、ヘキサメチレンテトラミンを5重量部に減量、ガラス繊維を63重量部に増量した以外は、比較例1と同様にして成形材料を得た。
比較例3
ガラス繊維の代わりに炭酸カルシウムを配合した以外は比較例1と同様にして成形材料を得た。
ガラス繊維の代わりに炭酸カルシウムを配合した以外は比較例1と同様にして成形材料を得た。
得られた成形材料について室温と熱時(120℃)の強度特性を評価した。これらの結果を表1下欄に示す。
(使用した原料)
(1)フェノール樹脂:住友ベークライト社製PR−50622
(2)充填材:ガラス繊維:日本板硝子社製「RES03−BM38」、平均繊維長3mm、平均繊維径13μm
(3)炭酸カルシウム:日東粉化社製SS80
(4)ナノベーマイト:サイゴン・メタリック・マテリアル社製CAM9010、平均粒径15nm
(5)硬化助剤:酸化マグネシウム
(6)滑剤:ステアリン酸
(7)着色剤:カーボンブラック
(1)フェノール樹脂:住友ベークライト社製PR−50622
(2)充填材:ガラス繊維:日本板硝子社製「RES03−BM38」、平均繊維長3mm、平均繊維径13μm
(3)炭酸カルシウム:日東粉化社製SS80
(4)ナノベーマイト:サイゴン・メタリック・マテリアル社製CAM9010、平均粒径15nm
(5)硬化助剤:酸化マグネシウム
(6)滑剤:ステアリン酸
(7)着色剤:カーボンブラック
(測定方法)
(1)曲げ強度
JIS−6911に準拠し、トランスファー成形(金型温度175℃、硬化時間3分間)で曲げ試験片を作製し、常温及び120℃での曲げ強度を測定した。
(2)比重
JIS−6911に準拠し、トランスファー成形(金型温度175℃、硬化時間3分間)で試験片を作製し測定した。
(1)曲げ強度
JIS−6911に準拠し、トランスファー成形(金型温度175℃、硬化時間3分間)で曲げ試験片を作製し、常温及び120℃での曲げ強度を測定した。
(2)比重
JIS−6911に準拠し、トランスファー成形(金型温度175℃、硬化時間3分間)で試験片を作製し測定した。
表1に示す結果より、無機充填材としてガラス繊維を含有する実施例1と比較例1を比較すると、実施例1はナノベーマイトを含有しており、ナノベーマイトを含まない比較例1に比べて、常温、120℃下いずれにおいても曲げ弾性率が向上した。
比較例2は比較例1より樹脂分の配合割合を減らしており、実施例1と同程度の曲げ弾性率となって
いるが、ガラス繊維の比率が高いため、比重が高くなった。
一方、無機充填材として炭酸カルシウムを含有する実施例2と比較例3を比較すると、実施例2はナノベーマイトを含有しており、ナノベーマイトを含まない比較例3に比べて、常温、120℃下いずれにおいても弾性率が向上した結果となった。
比較例2は比較例1より樹脂分の配合割合を減らしており、実施例1と同程度の曲げ弾性率となって
いるが、ガラス繊維の比率が高いため、比重が高くなった。
一方、無機充填材として炭酸カルシウムを含有する実施例2と比較例3を比較すると、実施例2はナノベーマイトを含有しており、ナノベーマイトを含まない比較例3に比べて、常温、120℃下いずれにおいても弾性率が向上した結果となった。
本発明は、高弾性率の成形品を得ることができるフェノール樹脂成形材料として好適に使用できる。
Claims (3)
- フェノール樹脂と、ベーマイトとを含有することを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
- 更に、充填材を含むものである請求項1に記載のフェノール樹脂成形材料。
- 前記ベーマイトは、平均粒径が0.1〜100nmであるナノベーマイトを含むものである請求項1又は2に記載のフェノール樹脂成形材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004278930A JP2006089665A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | フェノール樹脂成形材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004278930A JP2006089665A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | フェノール樹脂成形材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006089665A true JP2006089665A (ja) | 2006-04-06 |
Family
ID=36230947
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JP2004278930A Pending JP2006089665A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | フェノール樹脂成形材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006089665A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103087465A (zh) * | 2013-03-01 | 2013-05-08 | 无锡创达电子有限公司 | 一种酚醛树脂模塑料 |
-
2004
- 2004-09-27 JP JP2004278930A patent/JP2006089665A/ja active Pending
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