JP2006049761A - 光学素子、光学素子の製造方法及び投影露光装置 - Google Patents

光学素子、光学素子の製造方法及び投影露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
長期間にわたって良好な反射特性を示す光学素子を提供する。また、特性を長期間にわたって維持することができる光学素子を投影光学系等として組み込んだ投影露光装置を提供する。
【解決手段】
二酸化珪素、アルミナ、酸化クロム、二酸化三クロム、三酸化クロム、二酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、二酸化ニオブ、五酸化二ニオブ、二酸化モリブデン、二酸化ルテニウム、三酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、三酸化二ロジウム及び二酸化ロジウムのうち少なくともいずれか1つを含有する保護層30を最表層に備えることで、投影露光装置内において極端紫外線が照射されても光学素子50表面での酸化反応を抑制することができる。これにより、光学素子50の良好な反射特性を保つことができる。
【選択図】
図1

Description

本発明は、極端紫外線用の光学素子、光学素子の製造方法、及び光学素子を用いた投影露光装置に関するものである。
近年、半導体集積回路の微細化に伴い、光の回折限界によって達成される光学系の解像度を向上させるために、従来の紫外線に代えてこれより短い波長(11〜14nm)となる極端紫外線を用いた露光技術が開発されている。これにより約5〜70nmのパターンサイズの露光が可能になるものと期待されているが、この領域の物質の屈折率は1に近いため、従来のように透過屈折型の光学素子を使用できず、反射型の光学素子が使用される。露光装置に用いられるマスクもまた、透過率確保の観点から、通常反射型の光学素子となる。この際、光学素子等において高い反射率を達成するために、使用波長域での屈折率の高い物質と屈折率の低い物質とを基板上に交互に積層させることが一般的である(特許文献1参照)。
特開2003−14893号公報
露光装置内において、極端紫外線下で上述のような光学素子等が使用される場合、環境は真空であるが、光学素子等の周囲から酸素及び水分を完全に排除することができない。一方、極端紫外線は非常に大きなエネルギーをもつ。この際、酸素及び水分などと光学素子表面の物質とが極端紫外線に照射されることで酸化反応を起こしてしまう。このような酸化が徐々に進むと、光学素子の反射特性が徐々に劣化してしまい、安定した性能を発揮させることができなくなる。よって、光学素子延いては露光装置の寿命が短くなるという問題が生じる。
従って、本発明は、長期間にわたって良好な反射特性を示す光学素子を提供することを目的とする。また、本発明は、特性を長期間にわたって維持することができる光学素子を投影光学系等として組み込んだ投影露光装置等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の発明に係る光学素子は、支持用の基板と、基板上に支持されるとともに、極端紫外光を反射する多層膜と、多層膜の最表層上に設けられ、雰囲気ガスによる酸化反応を抑制するための無機酸化物を含有する保護層とを備え、無機酸化物は、アルミナ、酸化クロム、二酸化三クロム及び三酸化クロムからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
本発明においては、光学素子が、多層膜を有する反射型の素子であり、極端紫外線等に対して良好な反射特性を有する。また、本発明においては、光学素子が、雰囲気ガスによる酸化反応を抑制するためのアルミナその他の無機酸化物を含有する保護層を備える。よって、無機酸化物を含む保護層がバリアとなって、例えば、投影露光装置内において真空中に残留する水や酸素などが光学素子の表面で酸化反応を起こすのを抑制し、さらに、酸素及び水分等が光学素子内部に侵入し多層膜を酸化することをも抑制することで、光学素子の酸化による反射率低下を防止できる。以上により光学素子全体の反射特性を保つことができる。つまり、保護層は、光学素子の酸化防止膜として機能する。また、この場合、保護層が酸化物として安定したものとなりやすく、保護層を薄くても緻密に形成することができる。また、保護層形成に当たって、後述する原料を成膜した後に酸化するという2段階の工程によって保護層を形成することが可能であり、保護層の完全な酸化を達成しやすい。保護層が完全に酸化されることにより、最表面の屈折率・消衰係数が変化すること、延いては光学素子の反射特性が変化することを防止できる。
上記課題を解決するために、第2の発明に係る光学素子は、支持用の基板と、基板上に支持されるとともに、極端紫外光を反射する多層膜と、多層膜の最表層上に設けられ、雰囲気ガスによる酸化反応を抑制するための無機酸化物を含有する保護層とを備え、無機酸化物は、二酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、二酸化ニオブ、五酸化二ニオブ、二酸化モリブデン、二酸化ルテニウム、三酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、三酸化二ロジウム及び二酸化ロジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
本発明においては、光学素子が、多層膜を有する反射型の素子であり、極端紫外線等に対して良好な反射特性を有する。また、本発明においては、光学素子が、雰囲気ガスによる酸化反応を抑制するための二酸化ジルコニウムその他の無機酸化物を含有する保護層を備える。よって、無機酸化物を含む保護層がバリアとなって、例えば、投影露光装置内において真空中に残留する水や酸素などが光学素子の表面で酸化反応を起こすのを抑制し、さらに、酸素及び水分等が光学素子内部に侵入し多層膜を酸化することをも抑制することで、光学素子の酸化による反射率低下を防止できる。以上により光学素子全体の反射特性を保つことができる。つまり、保護層は、光学素子の酸化防止膜として機能する。また、この場合、保護層が酸化物として安定したものとなりやすい。また、保護層による光吸収を極めて少なくすることができ、光学素子の酸化防止膜として好適である。また、保護層形成に当たって、後述する原料を成膜した後に酸化するという2段階の工程によって保護層を形成することが可能であり、保護層の完全な酸化を達成しやすい。保護層が、完全に酸化されることにより、最表面の屈折率・消衰係数が変化すること、延いては光学素子の反射特性が変化することを防止できる。
また、第3の発明は、第1及び第2の発明に係る光学素子において、多層膜が、極端紫外線領域における真空の屈折率に対する屈折率差が小さい物質からなる第1層と、屈折率差が大きい物質からなる第2層とを基板上に交互に積層してなる。この場合、各多層膜を目的とする極端紫外線に適合させるよう所定の膜厚で数層から数百層の多層膜として交互に積層させることで、極端紫外線の反射率を高めることが可能となる。当該光学素子は、ガラス等から作製した基板上に、その反射特性を良好にするため、例えば、Mo/Siによる多層膜を有している。入射する極端紫外線に対し、Mo層は比較的小さい屈折率を持つ一方、Si層は比較的大きい屈折率を持つ。これらを所定の膜厚で数層から数百層の多層膜として交互に積層させることで極端紫外線の反射率を高めることが可能となる。
上記課題を解決するために、第4の発明に係る光学素子の製造方法は、屈折率が異なる物質を交互に積層することによって多層膜を作製する多層膜作製工程と、多層膜上に、雰囲気ガスによる酸化反応を抑制するための無機酸化物を含有する保護層を作製する保護層作製工程とを有する。
多層膜作製工程において、例えば、2種類の物質を所定の膜厚で数層から数百層の多層膜として交互に積層させ、多層膜を作製することによって極端紫外線の反射率を高めることが可能となる。また、保護層作製工程によって光学素子の酸化防止膜を比較的容易に作製することができ、当該酸化防止膜によって光学素子は光学特性(ここでは特に反射特性)を長期間安定に保持することができる。より具体的には、保護層作製工程において、例えば、無機酸化物として、アルミナ、酸化クロム、二酸化三クロム、三酸化クロム、二酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、二酸化ニオブ、五酸化二ニオブ、二酸化モリブデン、二酸化ルテニウム、三酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、三酸化二ロジウム及び二酸化ロジウムのうちのいずれかを用い、これを主成分として含有する保護層を作製することによって雰囲気ガスによる酸化反応を抑制することが可能となる。以上により、極端紫外線の反射率を保ちつつ当該光学素子の酸化防止が可能となる。
また、第5の発明は、第4の発明に係る光学素子の製造方法において、保護層作製工程が、保護層を構成する原材料となる無機材料層を前記多層膜上に成膜する成膜工程と、原材料を酸化して無機酸化物とすることにより、無機材料層の少なくとも表面部分に保護層を作製する酸化工程とを含む。この場合、作製される保護層は、まず成膜工程において、原材料である無機材料をスパッタ法等により多層膜上に成膜し、出来上がった無機材料層を次の酸化工程において酸化させることによって作製される。
また、第6の発明は、第4の発明に係る光学素子の製造方法において、保護層作製工程が、無機酸化物からなる無機材料層を前記多層膜上に成膜する成膜工程と、無機酸化物をさらに酸化することにより、無機材料層の少なくとも表面部分に保護層を作製する酸化工程とを含む。この場合、作製される保護層は、まず成膜工程において、無機酸化物をスパッタ法等により多層膜上に成膜し、出来上がった無機材料層を次の酸化工程においてさらに酸化させることによって作製される。
また、第7の発明は、第5及び第6の発明に係る光学素子の製造方法の酸化工程において、基板を所定温度以下の低温に保ちつつ、無機材料層に対して酸素を含む雰囲気及びビームのいずれかを当てる。この場合、ある所定温度以上に光学素子が達することがないので、無機材料層を酸化させる際に、加熱による多層膜等の損傷を防ぐことができる。
また、第8の発明は、第5〜第7の発明に係る光学素子の製造方法の酸化工程において、酸素、オゾン及び酸素ラジカルのいずれかの暴露により無機材料層を酸化させる。この場合、低温で十分な酸化を達成することができるので、加熱による光学素子の損傷を防ぎつつ所望の膜厚の保護層を形成することが可能である。
また、第9の発明は、第8の発明に係る光学素子の製造方法において、オゾン及び酸素ラジカルが、酸素雰囲気下での紫外線照射及びプラズマ形成のいずれかにより発生する。この場合、所望の膜厚の保護層を形成する酸化工程において、加熱による光学素子の損傷を防ぎつつ必要に足る酸化反応を得ることができる。
上記課題を解決するために、第10の発明に係る投影露光装置は、極端紫外光を発生させる光源と、光源からの極端紫外光を転写用のマスクに導く照明光学系と、マスクのパターン像を感応基板上に形成する投影光学系とを備え、マスク、照明光学系及び投影光学系のうち少なくともいずれか1つが第1〜第3の発明いずれかの光学素子を含む。
当該投影露光装置は、第1〜第3の発明のいずれかの光学素子を用いることにより、装置内において、酸素及び水分などと光学素子表面の物質とが極端紫外線に照射されることで酸化反応を起こすことが抑制されるので、光学素子の反射特性を長期間にわたって維持することができ、光学素子が長寿命となる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態である光学素子50の構造を示す断面図である。この光学素子50は、凹面反射鏡であり、多層膜構造を支持する母材となる基板10と、反射用の多層膜20と、表層となる保護層30とを有する。多層膜20は、基板10上に屈折率が異なる2種類の物質を例えば交互に積層することで形成した数層から数百層の多層膜である。この多層膜20を構成する2種類の薄膜層L1、L2は、例えば、Mo層及びSi層とすることができる。
基板10上の多層膜20については、反射鏡である光学素子50の反射率を高めるために、吸収の少ない物質を多数積層させ、それぞれの反射波の位相が合うように光干渉理論に基づいて各層の膜厚の調整が行われている。つまり、投影露光装置等で使用される極端紫外線の波長領域に対して、比較的屈折率の小さい薄膜層L1(具体例ではMo層)と比較的屈折率の大きい薄膜層L2(具体例ではSi層)とを、基板10上に、反射波の位相が合うよう所定の膜厚で交互もしくは任意順序に積層させる多層膜作製工程によって多層膜20が作製されている。
尚、多層膜20が、薄膜層L1と薄膜層L2との間にさらに拡散防止膜(不図示)を備えてもよい。多層膜20を形成する薄膜層L1、L2として、特に金属やシリコン等を用いた場合には、薄膜層L1と薄膜層L2との境界付近においておのおのを形成する材料同士が混ざり合い、界面が曖昧になりやすい。これにより、反射特性が影響を受け、光学素子50の反射率が下がってしまうことがある。そこで、界面を明瞭化するために、多層膜20の形成にあたって、薄膜層L1と薄膜層L2との間に、さらに拡散防止膜を設ける。材料としては、例えばBCやC、MoC等が用いられる。このように界面を明確化することにより、光学素子50の反射特性が向上する。
本実施形態において、光学素子50は、多層膜20の最表層上にさらに保護層30を有する。この保護層30は、無機酸化物を含む材料で形成される。より具体的には、保護層30は、全体として無機酸化物で形成されており、この無機酸化物が、二酸化珪素、アルミナ、酸化クロム、二酸化三クロム及び三酸化クロムのうち少なくともいずれか1つを主成分として含み、酸化防止膜としての役割を果たす。これらの物質はいずれも化学的に安定した酸化物であるため、自身は極端紫外線下であっても酸化され難く、その下の多層膜20の酸化による劣化を阻止することができる。また、特に、これらの物質は、薄くても緻密な成膜が可能であるので、酸素や水を通し難く、酸化の内部への進行を阻止する役割を有する。また、膜厚を薄くできるので、保護層30の極端紫外線の吸収等に起因する光学素子50の反射特性の劣化を抑えることができる。特性を保つための1つの基準として、保護層30の膜厚を4nm以下とすれば光吸収による反射率の低下を十分に抑えられると考えられる。
また、光学素子50を形成する別の態様として、保護層30を形成すべき無機酸化物が、二酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、二酸化ニオブ、五酸化二ニオブ、二酸化モリブデン、二酸化ルテニウム、三酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、三酸化二ロジウム及び二酸化ロジウムのうち少なくともいずれか1つを含むものであってもよく、この場合も同じく酸化防止膜としての役割を果たす。これらの物質はいずれも化学的に安定した酸化物であるため、自身は極端紫外線下であっても酸化され難く、その下の多層膜20の酸化による劣化を阻止することができる。また、上記酸化物は、酸化物であっても特に光吸収が少なく、光学素子50の表面を覆う酸化防止膜として優れている。特に、上述の酸化物を用いる場合においても、特性を保つための1つの基準として、保護層30の膜厚を4nm以下とすれば光吸収による反射率の低下はさらに確実に抑えられると考えられる。
図2及び図3は、保護層30を成膜する保護層作製工程の一態様を説明する図である。図2は、保護層作製工程のうち、多層膜20上に無機材料層41を形成する成膜工程を行うための成膜装置60の構造を概略的に説明する図である。尚、本実施形態においては、成膜方法の一態様としてマグネトロンスパッタ法を用いる。図3は、保護層作製工程のうち、無機材料層41を酸化させることで保護層30を完成する酸化工程を行うための酸化膜形成装置70の構造を概略的に説明する図である。これら2つの工程を経て光学素子50の表面に保護層30が作製される。工程を2段階にすることにより、まず、成膜工程において、無機酸化物を直接成膜するのではなく、酸化する前の金属等の原材料で成膜するので、より緻密な膜形成が可能となる。また、後段の酸化工程において、酸素ガス、オゾン又は酸素ラジカルに暴露させることで、酸化工程を低温下で行うことが可能となる。
まず、本実施形態における成膜工程について説明する。図2に示した成膜装置60は、成膜室である真空チャンバ61と、ステージ62と、永久磁石64と、バッキングメタル65と、整合回路67と、高周波電源68と、スパッタガス導入口GIと、排気口GEとを備える。
ステージ62は、真空チャンバ61上部に配置され、処理対象40(保護層30形成前の光学素子50)を支持するとともに正電圧が印加される陽極63となる。永久磁石64は、真空チャンバ61下部にステージ62と対向して配置され、スパッタの効率を上げるための磁界を形成する。バッキングメタル65は、永久磁石64上に設置され、保護層30の原材料であるターゲット69を支持するとともに負電圧が印加される陰極66となる。高周波電源68は、整合回路67を介してインピーダンス整合された高周波電力を供給する。スパッタガス導入口GIは、真空チャンバ61側壁に設置されスパッタガスを導入する。排気口GEも、スパッタガス導入口GIと同じく、真空チャンバ61側壁に設置され排気を行うための排気装置(不図示)に接続されている。
真空チャンバ61中のステージ62上に固定された処理対象40は、基板10上に多層膜20を積層した段階のものである。一方、ステージ62に対向して配置されたターゲット69は、保護層30を構成するための原材料となる金属等である。
まず、前段階として、排気口GEに接続されている排気装置(不図示)を用いて真空チャンバ61内の排気が行われる。この際、真空チャンバ61内のステージ62上に処理対象40が設置される。次に、所定量のArガス等のスパッタガスをスパッタガス導入口GIより真空チャンバ61内に導入し、真空チャンバ61内のスパッタガスの圧力を所望の値にする。次に、高周波電源68からの電源出力を、整合回路67によってインピーダンス整合をとりつつ、バッキングメタル65を介してターゲット69へ印加することで、ターゲット69周辺にプラズマを発生させる。この際、永久磁石64によってプラズマが高密度化されており、効率よくスパッタが行われ、処理対象40上に保護層30の原材料となる無機材料層41が成膜される。
次に、本実施形態における酸化工程について説明する。図3に示した酸化膜形成装置70は、真空チャンバ71と、ステージ72と、酸化ガス導入口RIと、排気口REと、酸化ガス供給装置73とを備える。
ステージ72は、真空チャンバ71上部(又は下部)に配置され、処理対象140(保護層30形成中の光学素子50)を支持する。酸化ガス導入口RIは、酸化ガスとなる酸素ガス等を供給する酸化ガス供給装置73に接続されており、酸化ガスを真空チャンバ71内に導入する。排気口REは、酸化ガス等の排気を行うための排気装置(不図示)に接続されている。真空チャンバ71中のステージ72上に固定された処理対象140は、基板10上に設けた多層膜20上に無機材料層41が成膜されたものである。
まず、前段階として、排気口REに接続されている排気装置(不図示)を用いて真空チャンバ71内の真空排気が行われる。この際、真空チャンバ71内のステージ72上に処理対象140が設置される。次に、所定量の酸素ガスを酸化ガス導入口RIより真空チャンバ71内に導入し、真空チャンバ71内の酸素ガスの圧力を所望の値にする。これにより、無機材料層41を酸素ガスに暴露させ、無機材料層41を酸化した無機酸化物からなる保護層30が作製される。ここで、酸化ガスとして、酸素ガスの代わりにオゾン及び酸素ラジカルが用いられる場合、真空チャンバ71内に、酸素ガスに対して紫外線を照射してオゾンを生成する、又は、酸素ガスを高周波等によってプラズマ化するための活性化装置74をさらに設けることにより、オゾン又は酸素ラジカルを発生させる。あるいは、上記のような活性化装置74は真空チャンバ71内に設置する必要はなく、酸化ガス供給装置73内において紫外線を酸素ガスに照射する、又は、高周波等により酸素ガスをプラズマ化することにより、オゾン又は酸素ラジカルを発生させ、これを酸化ガス導入口RIを通じて真空チャンバ71内に送ることもできる。
尚、本実施形態とは別の酸化工程として、酸素イオンビームの照射により金属等の原材料を酸化させることもできる。この場合、酸素イオンビームの照射によって的確に無機材料層41の酸化が行われる。
本実施形態において、上述の図2、図3によって示した2つの工程は、それぞれ別の装置によって行っているが、これらは、例えば、開閉式の隔壁を介して接続した一体の装置としてもかまわない。この場合、成膜工程で成膜した後、処理対象40を大気にさらすことなく真空チャンバ61から真空チャンバ71に移動させることができるので、保護層30の形成前に多層膜20が劣化することを防止できる。また、2つの工程において、当該スパッタ用のガスや酸化ガス等の雰囲気が当該光学素子及び真空チャンバ内の各装置に与える影響が少なければ、2つの工程を1つの装置内で行うことも可能である。この場合、例えば、真空チャンバ61と真空チャンバ71とは同一となり、図2、図3における各部は一つの装置に全て収められるものとなる。
尚、本実施形態においては、成膜工程においてマグネトロンスパッタ法を用いたが、当該成膜工程において、表面粗さを悪化せず繊密な膜ができれば蒸着、他のスパッタ法など成膜手法を問わない。例えば、イオンビームスパッタ法により成膜を行うことも可能である。
また、表面粗さを悪化せず繊密な膜を形成するのを助けるため、保護層30と多層膜20の最表面層との間に別の材料を成膜してもよい。
〔第2実施形態〕
本実施形態では、無機酸化物を成膜工程において用いる。第1実施形態の成膜工程において、無機酸化物を直接成膜するのではなく、酸化する前の金属等の原材料で成膜する、としたが、無機酸化物であっても、十分緻密な膜形成が可能であれば、成膜工程において無機酸化物を用いてもよい。
本実施形態において用いる装置は、第1実施形態と同様であるから、図2をそのまま用いるものとし、説明を省略する。図2において、成膜材料であるターゲット69に用いる無機酸化物として、本実施形態では、特に、アルミナ、酸化クロム、二酸化三クロム、三酸化クロム、二酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、二酸化ニオブ、五酸化二ニオブ、二酸化モリブデン、二酸化ルテニウム、三酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、三酸化二ロジウム及び二酸化ロジウムのうちのいずれかを用いる。これらを成膜工程によって成膜する。成膜後の無機材料層41の組成が化学的に安定した酸化物でなければ、さらに図3と同様の装置を用いて第1実施形態と同様の酸化工程を経ることによって保護層30の形成が行われる。
これまで酸化物層成膜の方法として、例えば、(a)ターゲットとして無機物単体又は混合物を用い、スパッタガスに酸素ガス等を混入して成膜時に酸化物を合成する方法、(b)ターゲットとして酸化物そのものを用いる方法(c)ターゲットとして酸化物そのものを用い、スパッタガスに酸素ガスを混入して成膜する方法、等があるが、どの方法でも、成膜された酸化物層が不安定となる可能性がある。しかるに、本実施形態においては、成膜工程の後、必要に応じて、さらに酸化工程を含めることにより、成膜後は、酸化が十分でない場合であっても無機材料層41を、酸化工程により十分に酸化し、化学組成が確立し、安定した酸化物とすることができ、所望の保護層30を形成することができる。
〔第3実施形態〕
図4は、第1又は第2実施形態に係る光学素子を光学部品として組み込んだ、第3実施形態に係る投影露光装置の構造を説明する図である。
この投影露光装置は、主に、極端紫外線光源S、コンデンサC、照明光学系IR〜IR、マスクMを支持するステージMST、投影光学系PR〜PR、感応基板(ウエハ)WAを支持するステージWST等により構成されている。
極端紫外線光源Sには、プラズマ励起用レーザ光を発生するレーザ光源Lと、ターゲット材料であるキセノン等のガスを筐体SC中に供給するチューブTとが付設されている。チューブTの先端から出射するキセノンにレーザ光源Lからのレーザ光を集光させることにより、その部分のターゲット材がプラズマ化して極端紫外線を発する。コンデンサCは、チューブTの先端で発生した極端紫外線を集光する。コンデンサCを経た極端紫外線は、収束されつつ筐体SC外に射出し、コリメータミラーCMに入射する。尚、以上のようなレーザプラズマ光源に代えて、放電プラズマ光源、SOR光源からの放射光等を使用することができる。
照明系光学素子IR〜IRは、反射型のオプティカルインテグレ一夕IR、IR、コンデンサミラーIR等により構成されている。この照明系光学素子IR〜IRによって、マスクM上の所定領域を所望の波長の極端紫外線で均一に照明することができる。
極端紫外線の波長域で完全に透明な物質は存在しないので、マスクMには透過型のマスクではなく反射型のマスクが使用される。
投影光学系PR〜PRは、通常複数の多層膜ミラー等により構成されている。マスクM上に形成された回路パターンは、このような投影光学系PR〜PRによってレジストが塗布されたウエハWA上に結像してこのレジストに転写される。尚、極端紫外線は大気に吸収されて減衰するが、装置全体を真空チャンバVCによって覆って、極端紫外線の光路を所定の真空度(例えば、1.3×10−3Pa以下)に維持することで、極端紫外線の減衰を低減している。
以上の投影露光装置において、コンデンサC、コリメータミラーCM、照明系光学素子IR〜IR、マスクM、若しくは投影光学系PR〜PRとして、第1又は第2実施形態に例示されている光学素子50を用いる。この際、光学素子50の光学面の形状は、凹面に限らず、平面、凸面、多面等組み込む場所によって適宜調整する。
以上説明した投影露光装置では、高反射率で高精度に制御された光学素子が用いられているので、投影露光装置内の光学素子表面での酸化反応を抑制することができ、光学素子の反射特性が劣化するのを防ぎ、延いては投影露光装置の寿命を長くすることができる。
第1実施形態に係る光学素子の構造の一態様を示す断面図である。 保護層作製工程のうちの成膜工程を説明するための図である。 保護層作製工程のうちの酸化工程を説明するための図である。 第1実施形態等に係る光学素子を光学部品として組み込んだ第3実施形態に係る投影露光装置の図である。
符号の説明
50…光学素子、 30…保護層、 20…多層膜、 10…基板、 L1、L2…薄膜層、 40、140…処理対象、 41…無機材料層、 60…成膜装置、 61、71…真空チャンバ、 62、72…ステージ、 64…永久磁石、 65…バッキングメタル、 67…整合回路、 68…高周波電源、 69…ターゲット、 GI…スパッタガス導入口、 GE、RE…排気口、 70…酸化膜形成装置、 73…酸化ガス供給装置、 74…活性化装置、 RI…酸化ガス導入口、 S…極端紫外線光源、 C…コンデンサ、 IR〜IR…照明光学系、 M…マスク、 MST、WST…ステージ、 PR〜PR…投影光学系、 WA…ウエハ

Claims (10)

  1. 支持用の基板と、
    前記基板上に支持されるとともに、極端紫外光を反射する多層膜と、
    前記多層膜の最表層上に設けられ、雰囲気ガスによる酸化反応を抑制するための無機酸化物を含有する保護層とを備え、
    前記無機酸化物は、アルミナ、酸化クロム、二酸化三クロム及び三酸化クロムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする光学素子。
  2. 支持用の基板と、
    前記基板上に支持されるとともに、極端紫外光を反射する多層膜と、
    前記多層膜の最表層上に設けられ、雰囲気ガスによる酸化反応を抑制するための無機酸化物を含有する保護層とを備え、
    前記無機酸化物は、二酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、二酸化ニオブ、五酸化二ニオブ、二酸化モリブデン、二酸化ルテニウム、三酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、三酸化二ロジウム及び二酸化ロジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする光学素子。
  3. 前記多層膜は、極端紫外線領域における真空の屈折率に対する屈折率差が小さい物質からなる第1層と、屈折率差が大きい物質からなる第2層とを基板上に交互に積層してなることを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一項記載の光学素子。
  4. 屈折率が異なる物質を交互に積層することによって多層膜を作製する多層膜作製工程と、
    前記多層膜上に、雰囲気ガスによる酸化反応を抑制するための無機酸化物を含有する保護層を作製する保護層作製工程と、
    を有する光学素子の製造方法。
  5. 前記保護層作製工程は、
    前記保護層を構成する原材料となる無機材料層を前記多層膜上に成膜する成膜工程と、
    前記原材料を酸化して無機酸化物とすることにより、前記無機材料層の少なくとも表面部分に前記保護層を作製する酸化工程と、
    を含む請求項4記載の光学素子の製造方法。
  6. 前記保護層作製工程は、
    無機酸化物からなる無機材料層を前記多層膜上に成膜する成膜工程と、
    前記無機酸化物をさらに酸化することにより、前記無機材料層の少なくとも表面部分に前記保護層を作製する酸化工程と、
    を含む請求項4記載の光学素子の製造方法。
  7. 前記酸化工程において、前記基板を所定温度以下の低温に保ちつつ、前記無機材料層に対して酸素を含む雰囲気及びビームのいずれかを当てることを特徴とする請求項5及び請求項6のいずれか記載の光学素子の製造方法。
  8. 前記酸化工程において、酸素、オゾン及び酸素ラジカルのいずれかの暴露により前記無機材料層を酸化させることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項記載の光学素子の製造方法。
  9. 前記オゾン及び酸素ラジカルは、酸素雰囲気下での紫外線照射及びプラズマ形成のいずれかにより発生することを特徴とする請求項8記載の光学素子の製造方法。
  10. 極端紫外光を発生させる光源と、
    前記光源からの極端紫外光を転写用のマスクに導く照明光学系と、
    前記マスクのパターン像を感応基板上に形成する投影光学系とを備え、
    前記マスク、前記照明光学系及び前記投影光学系のうち少なくともいずれか1つが請求項1から請求項3のいずれか一項記載の光学素子を含むことを特徴とする投影露光装置。
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