JP2014116498A - 光学素子、露光装置、及びデバイスの製造方法 - Google Patents

光学素子、露光装置、及びデバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】極端紫外(EUV)光の使用による劣化を抑制しつつ、長時間に亘って良好な反射特性を示す光学素子を提供する。
【解決手段】基板2と、基板2上に形成されて、EUV光を反射させる多層膜反射層3と、多層膜反射層3上に形成されて、酸素の拡散を防止する第2のキャップ層4と、第2のキャップ層4上に形成されて、水分子の吸着を防止する第1のキャップ層5とを備え、第2のキャップ層4は、使用温度での酸素の拡散係数が8E−24m/sec以下又は標準反応ギブスエネルギーの絶対値が400kJ/mol以下であり、第1のキャップ層5は、水分子の吸着エネルギーと脱離の活性エネルギーと吸着エンタルピーとのうち何れかの絶対値が50kJ/mol以下又は水の接触角が50°以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、極端紫外(EUV:Extreme Ultra Violet)光を反射する機能を有した光学素子、並びに、そのような光学素子を用いた露光装置、そのような露光装置を用いたデバイスの製造方法に関する。
半導体集積回路の微細化に伴い、EUV光を用いた露光技術が開発されている。この領域の物質の屈折率は1に近いため、従来のような光学素子を使用できず、反射型の光学素子が用いられる。また、反射型の光学素子では、高い反射率を達成するために、使用波長域において、屈折率が高い物質と屈折率が低い物質とを基板上に交互に積層させて反射面を形成することが一般的である(例えば、特許文献1を参照。)。
上述したEUV光下で反射型の光学素子を使用する場合、露光装置内における環境を真空とするものの、光学素子の周囲から酸素及び水分等を完全に排除することは困難である。また、EUV光は非常に大きなエネルギーを有する。このため、光学素子の反射面にEUV光を照射したときに、この光学素子の表面の物質が酸素及び水分等と反応して酸化してしまうことがある。また、このような酸化が徐々に進むと、光学素子の反射特性が徐々に劣化してしまい、安定した性能を発揮させることが困難となる。このため、従来の露光装置では、EUV光の使用により光学素子の寿命が短くなるという問題が生じていた。
特開2006−173446号公報
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、極端紫外光の使用による劣化を抑制しつつ、長時間に亘って良好な反射特性を示す光学素子、並びに、そのような光学素子を用いた露光装置、そのような露光装置を用いたデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の態様に従えば、基板と、基板上に形成されて、極端紫外光を反射させる多層膜反射層と、多層膜反射層上に形成されて、酸素の拡散を防止する第2のキャップ層と、第2のキャップ層上に形成されて、水分子の吸着を防止する第1のキャップ層とを備え、第2のキャップ層は、使用温度での酸素の拡散係数が8E−24m/sec以下又は標準反応ギブスエネルギーの絶対値が400kJ/mol以下であり、第1のキャップ層は、水分子の吸着エネルギーと脱離の活性エネルギーと吸着エンタルピーとのうち何れかの絶対値が50kJ/mol以下又は水の接触角が50°以上であることを特徴とする光学素子が提供される。
また、本発明の態様に従えば、極端紫外光を出射する光源と、光源からの極端紫外光を転写用のマスクに導く照明光学系と、マスクのパターン像を感応基板上に投影する投影光学系とを備え、マスクと、照射光学系と、投影光学系とのうち、少なくとも何れか1つが上記光学素子を含むことを特徴とする露光装置が提供される。
また、本発明の態様に従えば、上記露光装置を用いて、感光剤が形成された基板の感光剤に対して露光を行う工程を含むことを特徴とするデバイスの製造方法が提供される。
以上のように、本発明の態様によれば、極端紫外光の使用による劣化を抑制しつつ、長時間に亘って良好な反射特性を示す光学素子、並びに、そのような光学素子を用いた露光装置、そのような露光装置を用いたデバイスの製造方法を提供することが可能である。
本発明の一実施形態に係る光学素子の構成例を示す断面図である。 拡散係数と標準反応ギブスエネルギーとの相関を示すグラフである。 キャップ層近傍における断面TEM写真を示す図である。 XPS計測による定量分析結果を示す図である。 波形分析による結果を示す図である。 多層膜反射鏡の構造モデルを示す断面図である。 反射率の酸化深さ依存性を計算した結果を示す図である。 水分圧1mPa、照度80mW/mmでの照射時間を1時間おきに6時間まで、酸素濃度を予測した結果を示す図である。 水分圧1mPa、照度8mW/mmでの照射時間を1時間おきに6時間まで、酸素濃度を予測した結果を示す図である。 水分圧1mPa、照度0.8mW/mmでの照射時間を1時間おきに6時間まで、酸素濃度を予測した結果を示す図である。 水分圧0.1mPa、照度80mW/mmでの照射時間を1時間おきに6時間まで、酸素濃度を予測した結果を示す図である。 水分圧1mPa、照度80mW/mmでの照射時間を6時間まで、Si層の酸化深さ(上)、絶対反射率(中)、絶対反射率(但し、初期酸化13.88Åあり。)(下)を予測した結果を示す図である。 水分圧1mPa、照度8mW/mmでの照射時間を6時間まで、Si層の酸化深さ(上)、絶対反射率(中)、絶対反射率(但し、初期酸化13.88Åあり。)(下)を予測した結果を示す図である。 水分圧1mPa、照度0.8mW/mmでの照射時間を6時間まで、Si層の酸化深さ(上)、絶対反射率(中)、絶対反射率(但し、初期酸化13.88Åあり。)(下)を予測した結果を示す図である。 水分圧0.1mPa、照度80mW/mmでの照射時間を6時間まで、Si層の酸化深さ(上)、絶対反射率(中)、絶対反射率(但し、初期酸化13.88Åあり。)(下)を予測した結果を示す図である。 水分圧1mPa、照度0.8/8/80mW/mmでの照射時間を6時間まで、相対反射率変化の実測値(プロット)と予測値(実線)とを示す図である。 水分圧0.1/1mPa、照度80mW/mmでの照射時間を6時間まで、相対反射率変化の実測値(プロット)と予測値(実線)とを示す図である。 酸化モデルの概要を示す図である。 酸化モデル〜反射率予想計算を示すブロック図である。 キャップ層サンプルの反射率の変化を示す図である。 2層化キャップ付き多層膜反射鏡の構造例(1)を示す模式図である。 2層化キャップ付き多層膜反射鏡の構造例(2)を示す模式図である。 多層膜反射層の構造モデル(1)を示す断面図である。 多層膜反射鏡の構造モデル(2)を示す断面図である。 多層膜反射鏡の構造モデル(3)を示す断面図である。 Si層の酸化深さ(上)、絶対反射率(中)、絶対反射率(但し、初期酸化13.88Åあり。)(下)について、絶対反射率計算値の横軸を初期酸化深さ分オフセットした結果を示す図である。 同酸素濃度を予測した結果を示す図である。 本発明の一実施形態に係る露光装置の構成例を示す断面図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。 別の膜構造を示す模式図である。 別の膜構造を示す模式図である。 表3のうち接触角と吸着エネルギーの両方の値がある物質をプロットした図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
(光学素子)
図1は、本発明の一実施形態に係る光学素子1の構成例を示す断面図である。
この光学素子1は、露光装置等で使用される極端紫外(EUV)光を反射する機能を有した多層膜反射鏡である。
具体的に、この光学素子1は、基板2と、この基板2上に形成されて、極端紫外光を反射させる多層膜反射層3と、この多層膜反射層3上に形成されて、酸素の拡散を防止する第2のキャップ層4と、この第2のキャップ層4上に形成されて、水分子の吸着を防止する第1のキャップ層5とを概略備えている。
基板2は、例えば合成石英ガラスや低膨張ガラスなどからなり、その上面2aを所定精度で研磨する鏡面加工を施すことによって、その上面2aが凹面(反射面)を形成している。なお、この基板2の上面10aは、このような凹面に限らず、光学素子1の用途に応じて、凸面や平面、多面などの任意の形状に加工することが可能である。
多層膜反射層3は、基板10の上面2aに屈折率が異なる2種類の物質を交互に積層した数層から数百層程度の多層膜からなる。この多層膜反射層3では、EUV光の反射率を高めるため、EUV光の吸収の少ない物質を多数積層させ、それぞれの反射波の位相が合うように光干渉理論に基づいて各層の膜厚の調整が行われている。
具体的に、この多層膜反射層3は、EUV光の波長域(11〜14nm)に対して、比較的屈折率の小さい物質(例えばMoなど。)からなる薄膜(低屈折率層)3aと、比較的屈折率の大きい物質(例えばSiなど。)からなる薄膜(高屈折率層)3bとを、反射波の位相が合うように所定の膜厚で、交互若しくは任意の順序で積層させることによって形成されている。
なお、図1では、薄膜3aと薄膜3bとが交互に積層された構成となっているが、薄膜3bと薄膜3aとが交互に積層された構成であってもよい。また、この多層膜反射層3の最上層は、薄膜3aであっても薄膜3bであってもよい。さらに、薄膜3a,3bの間には、その境界で互いの物質が拡散することによって拡散層(例えばMoSiなど。)が形成された構成であってもよい。
一方、多層膜反射層3は、薄膜3a,3bの間に、拡散防止膜(図示せず。)を配置した構成とすることも可能である。特に、この多層膜反射層3を構成する薄膜3a,3bに金属やシリコン等を用いた場合には、これら薄膜3a,3bの境界付近において、互いの材料が混ざり合って、その界面が曖昧になり易い。この場合、光学素子1の反射特性が影響を受けて、反射率が低下してしまうことがある。
そこで、多層膜反射層3を形成する際に、薄膜3a,3bの間に拡散防止膜を形成することによって、これらの薄膜3a,3bの界面を明瞭化する。これにより、光学素子50の反射特性を向上させることができる。なお、拡散防止膜には、例えばBCやC、MoC、MoO等を用いることができる。また、後述する第1のキャップ層5と同じ材料を用いてもよい。
上記第2のキャップ層4を構成する物質には、例えば、Au、Ag、Pd、Ir、Pt、Se、Rh、S、Mo、Ru、Pbなどの純金属又はこれらを含む合金を用いることができる。また、上記第2のキャップ層4を構成する物質には、例えば、Au、Ag、Pd、Ir、Pt、Se、Rh、S、Mo、Ru、Pbなどを含む化合物を用いることができる。
また、上記第2のキャップ層4を構成する物質には、例えば、TiAlN、ZrN、HfN、YN、ScN、LaN、MgN、CaN、SrN、BaN、TiN、WN、RuTiO、RuTiN、TaSiNなどを用いてもよい。なお、これらの元素の比率は、1:1以外も存在し得る。
一方、上記第1のキャップ層5を構成する物質には、例えば、Nb、Au、Graphite(C)、Graphite like carbon、DLC(Diamond like carbon)、ta−C(tetrahedral amorphous carbon)、CeO、ZnO、MFI Zeolite、PTFE(Polytetrafluoroethylene)、MoSやWoSなどの硫化物、Mgの合金、MgとLiを含む合金、TiN、Pd、Agなどを用いることができる。なお、これらの構成元素の比率は、上記以外でも利用し得る。Graphite like carbonは、エタノールなどの炭化水素雰囲気中でミラー表面にEUV又はDUV(deep ultra violet)又はEB(electron beam)を照射して成膜することが望ましい。
また、上記第1のキャップ層5を構成する物質には、例えば、RuTiO、RuとPt,Pd,Ti,Moなどの合金や、TiAlN、ZrN、HfN、YN、ScN、LaN、MgN、CaN、SrN、BaN、TiN、WN、RuTiN、TaSiN、MoNなどの窒化物を用いてもよい。なお、これらの物質は、上記第2のキャップ層4や後述する第3のキャップ層(図30を参照。)に用いることも可能である。なお、これらの構成元素の比率は、上記以外でも利用し得る。
上記第2のキャップ層4を構成する物質には、例えば、Ru、Ro、Pt、Au、Ag、Nb、Pd、Os、Ir、Si、Cr、Ti、Zr、Hf、Ge、Al、W、Sn、Ta、Mo、C等の単体、若しくはこれらの群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含む合金又は混合物を用いてもよい。なお、これらの物質は、上記第1のキャップ層5に用いることも可能である。
一方、上記第1のキャップ層5を構成する酸化物には、例えば、SiO、NbO、NbO、Nb、Nb、CrO、CrO、Cr、CrO、Al、ZrO等の無機酸化物を用いてもよい。このうち、Nb、Crの酸化膜は、成膜時にCr、Nbを薄く成膜することによって自然に酸化膜となる。なお、これらの酸化物は、上記第2のキャップ層4や後述する第3のキャップ層(図30を参照。)に用いることも可能である。なお、これらの構成元素の比率は、上記以外でも利用し得る。
その他にも、第1のキャップ層5を構成する酸化物としては、SiやB等の非金属元素の酸化物や、Sc、Tb、Pd、Ru、Rh、Ti、Mo、V、Ba、Be、Eu、Gd、La、Mo、Nd、Pr、Sm、Sr、Ti、Y、Zr、Rb等の金属元素の酸化物を用いてもよい。なお、これらの酸化物は、上記第2のキャップ層4や後述する第3のキャップ層(図30を参照。)に用いることも可能である。
具体的に、非金属元素の酸化物としては、例えば、SiO,B等を挙げることができる。一方、金属元素の酸化物としては、例えば、Sc、Tb、PdO、Pd、PdO、RuO、RuO、RuO、Rh、RhO、TiO、Ti、TiO、MoO、Mo、MoO、Mo、VO、V、VO、V、BaO、BeO、BeO、CaO、Eu、Gd、La、Mo11、Mo23、MoO、Mo24、NdO、Nd、PrO1.778、PrO1.833、PrO1.8、PrO1.818、Sm、SrO、Ti、TiO、TiO、Ti1−xO、Ti2n−1(n=2〜9)、VO1.76、VO1.57、VO1.80、VO1.84、VO1.86、V13、VO、VO、VO、V、V、V、V13、V13、Y、ZrO2−x、RuTiO等を挙げることができる。なお、これらの構成元素の比率は、上記以外でも利用し得る。
また、第1のキャップ層5には、上述した酸化物に限らず、例えば、B、SiN、Si、Si、BN、SrF、NiF、YF、SiC、MoSiなどを用いることができる。その他にも、例えば、Siのホウ化物やBの炭化物といった自身以外の非金属元素のホウ化物、珪化物、炭化物、窒化物、フッ化物、ベリリウム化合物などの無機物を用いることができる。また、Be、Ca、Sc、Gd、Ti、Zr、Ta、Cr、Mo、W、Ga、Sr、Nb、Eu、Nd、Pr、Rh、Ru、Sm、Tb、V、Y、La、Dy、Hf、Mn、Re、Fe、Pd、Th、Al、Ba、Rb等の金属元素のホウ化物、珪化物、炭化物、窒化物、フッ化物及びベリリウム化合物(ベリリウム自身を除く)などの無機物を用いることができる。なお、これらの無機物は、上記第2のキャップ層4や後述する第3のキャップ層(図30を参照。)に用いることも可能である。なお、これらの構成元素の比率は、上記以外でも利用し得る。
具体的に、無機物としては、例えば、SiB、SiB、SiB等の非金属ホウ化物を挙げることができる。また、BeB、CaB、ScB、ScB12、GdB、TiB、ZrB、TaB、CrB、CrB、Cr、CrB、Mo、W、W、GaB、SrB、NbB、Nb、NbB、BeB12、BeB、BeB、BeB、BeB、BeB、EuB、GdB、Gd、GdB、GdB66、MoB、MoB、Mo、MoB、MoB、Nb、Nd、NdB、NdB、NdB、Pr、PrB、PrB、RhB1.1、Rh、RuB、Ru、Ru、RuB、Sm、SmB、SmB、SmB66、TbB、TbB、TbB、TbB12、TbB66、TiB、Ti、V、VB、V、V、V、VB等の金属ホウ化物を挙げることができる。なお、これらの構成元素の比率は、上記以外でも利用し得る。
また、無機物としては、例えば、BaSi、LaSi、DySi、ZrSi、ZrSi、HfSi、CrSi、MoSi、MnSi、ReSi、FeSi、PdSi、ThSi、CaSi、CaSi、CaSi、VSi、VSi、RuSi、RhSi、TbSi、BaSi、MoSi、MoSi、NbSi、NbSi、PdSi、PdSi、PdSi、RuSi、RuSi、SrSi、SrSi、SrSi、TiSi、TiSi、TiSi、TiSi、TiSi、TiSi、TiSi、VSi、VSi、VSi、YSi、YSi、YSi、YSi、ZrSi、ZrSi、ZrSi、ZrSi、ZrSi等の金属珪化物を挙げることができる。なお、これらの構成元素の比率は、上記以外でも利用し得る。
また、無機物としては、例えば、B4C等の非金属炭化物を挙げることができる。また、LaC、BeC、MoC、MoC、MoC、SiC、VC、V、VC、TiC、ZrC、Eu、Eu、EuC、EuC、GdC、Gd、Gd、GdC、La、MoC1−x、NbC、NbC、Nd、NdC、ScC、Sc、Sc1310、Sc1519、SmC、Sm、SmC、Tb、TbC、Tb、TbC、TiC、VC、V3−x、V、V、YC、Y、Y1519、Y、YC等の金属炭化物を挙げることができる。なお、これらの構成元素の比率は、上記以外でも利用し得る。
また、無機物としては、例えば、YN、Ca、ScN、ZrN、Zr、Sr、TiN、Ti、NbN、NdN、Be、Ba、VN、MoN、MoN、LaN、AlN、NbN、TiN、V1−x、VN1−x、V3228、TiAlN、HfN、MgN、CaN、SrN、BaN、WN、RuTiN、TaSiN等の金属窒化物を挙げることができる。なお、これらの構成元素の比率は、上記以外でも利用し得る。
また、無機物としては、例えば、BaBe13、CaBe13、EuBe13、GdBe13、LaBe13、MoBe、MoBe、MoBe12、NbBe12、NbBe17、NbBe、NbBe、NbBe、NdBe13、PdBe12、PdBe、PdBe、PdBe、PdBe、PdBe、PdBe、PrBe13、RuBe17、RuBe10、RuBe、RuBe、ScBe、ScBe17、ScBe13、SmBe13、SrBe13、TbBe13、TiBe、TiBe、TiBe17、TiBe12、VBe12、VBe、YBe13、ZrBe13、ZrBe17、ZrBe、ZrBe等のベリリウム化合物を挙げることができる。なお、これらの構成元素の比率は、上記以外でも利用し得る。
第2のキャップ層4と第1のキャップ層5との組み合わせによっては、密着性が十分でないこともある。その場合には、第2のキャップ層4と第1のキャップ層5との間に中間層を挿入してもよい。例えば、第2のキャップ層4にRu、第1のキャップ5層にグラファイトを選択した場合、その間に中間層として、SiやSiOを挿入することが望ましい。また、中間層の厚さは1〜10Å程度とする。
第2のキャップ層4及び第1のキャップ層5の層厚は、光学素子1に望まれる反射特性によって決められる。一方、これら第1及び第2のキャップ層5,4の耐酸化性を最大限に利用するためには、緻密な膜形成に必要な層厚、酸素・水分の拡散が遅くなるのに十分な層厚が必要となる。
ここで、上述した第1のキャップ層5を構成する物質は、耐酸化を示すものが多く、厚く積層させることで、単独でも酸化防止膜として十分に機能し得る。しかしながら、酸化物は、酸素によるEUV光の吸収が大きいため、厚過ぎると光学素子1の反射特性の劣化を招く可能性がある。逆に、薄過ぎると単独では耐酸化性が不十分なものとなる可能性がある。
したがって、第1のキャップ層5の層厚は、これを酸化物とした場合、酸化物中の酸素によるEUV光の吸収が大きいことから、0.1〜5nmとすることが好ましい。一方、第2のキャップ層4の層厚は、その構成物質により少なからずEUV光が吸収されることから、0.1〜5nmとすることが好ましい。
また、第1及び第2のキャップ層5,4を形成する際は、表面粗さを悪化させずに緻密な膜を成膜できれば、蒸着法やスパッタ法など、成膜手法については特に問わない。また、表面粗さを悪化させずに緻密な膜を成膜するために、第2のキャップ層4の下に更に別の材料を成膜しても構わない。
なお、第1及び第2のキャップ層5,4を構成する材料の成分については、上記本実施形態に例示したものに必ずしも限定されるものではない。例えば、上記本実施形態に例示したもの以外にも、微量の成分を添加することで、所望の効果を得られるものであればよい。
本発明の光学素子1では、上述した第1及び第2のキャップ層5,4を構成する材料のうち、第2のキャップ層4については、使用温度での酸素の拡散係数が8E−24m/sec以下又は標準反応ギブスエネルギーの絶対値が400kJ/mol以下であるものを用い、第1のキャップ層5については、水分子の吸着エネルギーと脱離の活性エネルギーと吸着エンタルピーとのうち何れかの絶対値が50kJ/mol以下又は水の接触角が50°以上であるものを用いることが好ましい。これにより、本発明の光学素子1では、耐酸化性の著しい向上が可能である。
〈第一原理計算によるシミュレーション〉
具体的に、本発明では、以下の文献2などに示されている第一原理計算によって、第2のキャップ層4の拡散係数と、第1のキャップ層5の吸着エネルギーとのシミュレーションを行い、これら第1及び第2のキャップ層5,4に用いるのに好ましい材料を更に求めることが可能である。
従来のEUV露光装置用の多層膜反射鏡(光学素子)は、基板上に、Mo層とSi層とを交互に積層した多層膜反射層を形成し、この上にRuやNb、Ti、Moなどの金属又はその酸化物からなるキャップ層を形成したものからなる。なお、Moの膜厚は3nm、Siの膜厚は4nm程度であり、MoとSiの層数は、それぞれ50層程度である。また、キャップ層の膜厚は2nm程度である。
このキャップ層を構成する金属又はその酸化物を評価した結果、これらの金属や酸化物だけでは所望の特性が得られないことが分かった。すなわち、水分子に対する吸着エネルギーの絶対値が高く、酸素(原子又は分子)の拡散係数が大きいことがわかった。
そこで、本発明では、キャップ層を2層化し、そのうち多層膜反射層3上に形成された第2のキャップ層4に、酸素の拡散を防止する拡散防止層としての機能を持たせ、この第2のキャップ層4上に形成された第1のキャップ層5に、水分子の吸着を防止する吸着防止層としての機能を持たせることによって、EUV光の使用による劣化を抑制しつつ、長時間に亘って良好な反射特性を示す光学素子1を得た。
EUV光による光学素子の酸化については、下記文献1に詳しく記載されている。
[文献1] Modeling extreme ultraviolet/ H2O oxidation of ruthenium optic coatings/J. Hollenshead L.E.Klebanoff (2006)
この文献1に記載のモデルは、実験結果ともよく一致している。この文献1によると、水分子の吸着エネルギーの絶対値により水分子の光学系表面に滞在する時間は、下記式(1),(2)によって求められる。
ここで、escape周波数νは、attempt周波数ν、バインディングエネルギー(吸着エネルギー)の絶対値Eより求まる。なお、Rは気体定数、Tは絶対温度である。
例えば、第1のキャップ層5にRuを用いた場合、表面に露出しているRu金属に水分が吸着するが、その際のattempt周波数νは、文献1中の値1E−13S−1となる。一方、吸着エネルギーの絶対値は、文献1中の値54kJ/molとされているが、本発明者の実験結果へのフィッティングの結果からは、51kJ/molとなった。なお、フィッティングの方法については後述する。
また、下記文献2に記載の第一原理による計算によると、この値は51.3kJ/molと報告されている。
[文献2] water adsorption on metal surfaces: a general picture from density functional theory studies/ S. Meng, E. G. Wang, et al.(2004)
escape周波数νの逆数は、水分子の平均吸着滞在時間τである。すなわち、水分子が吸着してから脱離するまでの平均時間を表す。この滞在時間τが長いほど第1のキャップ層5の表面に吸着する水分子の数が増えることなる。この場合、酸素原子の生成量が増え、第1のキャップ層5を透過して第2のキャップ層4に到達する酸素原子が増加する。
したがって、水分子の吸着エネルギーの絶対値が小さいほど、酸素原子の生成を抑えられ、耐酸化性が良好となる。酸素原子の生成は、フォトンが水分子に直接作用してOH結合を断ち切り、酸素原子を生成する場合と、フォトンが一旦キャップ層や多層膜反射層に吸収され、光電子と2次電子を生成し、2次電子が表面に出現し、水分子を乖離する場合がある。何れにしろ、吸着している水分子が増えると酸素の生成も増えるので水分子の吸着エネルギーの絶対値が小さいことが望ましい。
第2のキャップ層で発生した酸素は、第1及び第2のキャップ層5,4を構成する金属内部を順に拡散して浸透してゆく。この拡散現象は、フィックの法則から時刻tと表面からの深さzにおける酸素濃度をN diff(t,z)とし、該当する層の拡散係数をDbulkとしたときに、下記式(3)の微分方程式で表される。これに初期値と境界条件を用いて数値積分することで、酸素濃度が求まる。
したがって、この拡散係数Dbulkが小さいほど、時刻tと表面からの深さzにおける酸素濃度N diff(t,z)を小さくすることができ、酸化が抑えられることになる。
また、このような酸化現象は、数値モデル化されており、様々な条件での酸化深さが計算可能であり、同時に酸化深さから反射率を計算することが可能である。したがって、反射率の測定実験の結果と、計算結果とを照合することで、吸着エネルギーの絶対値と拡散係数の両方を求めることが可能である。拡散係数の常温での測定は困難であり、データは少なく、本手法による拡散係数の決定のほかには、メカニカルスペクトルスコピーによる計測が知られている程度であり、実測データも非常に少ない。吸着エネルギーも計算例は少ない。
吸着エネルギーの測定は、マイクロカロリメトリーという手法により計測可能である。一方、吸着エネルギーの計算機シミュレーションは盛んに行われており、DFT(汎密度関数論)に基づく第一原理計算と呼ばれる手法によって計算可能である。
なお、吸着エネルギーは、脱離の活性化エネルギーと呼ばれる場合がある。また、吸着エンタルピーともほぼ等価である。
物質の酸化し易さの指標として、標準反応ギブスエネルギーΔGが知られている。標準反応ギブスエネルギーは、反応式と温度が決まれば計測可能で、下記式(4)で定義される。
式(4)中において、Rは気体定数、Tは絶対温度、PO2は対象物質Mがすべて酸化する酸素の分圧(単位は気圧)を示す。金属などの酸化反応における標準反応ギブスエネルギーは、酸化反応が発熱反応のためマイナスの値となる。酸化反応における標準反応ギブスエネルギーは、エリンガム図にまとめられ、各温度における酸化し易さの指標として用いられている。標準反応ギブスエネルギーは、酸素分子(O)1モル当たりが酸化される際のギブスエネルギーである。一方、標準生成ギブスエネルギーも化学便覧に掲載されており、酸化物の酸化のし易さ、安定性の目安とできる。標準生成ギブスエネルギーは、生成分子1モルの生成時のギブスエネルギーを示しており、酸化物の酸素原子の数をnとすると、(標準生成ギブスエネルギー)=(n/2)(標準反応ギブスエネルギー) の関係にある。なお、標準生成ギブスエネルギーは、常温以下の温度ではほとんど標準生成エントロピーと同じであるので、この値を用いてもよい。
ここで、拡散係数の常温での測定は困難であり、データが少ないため、標準反応ギブスエネルギーで拡散係数の肩代わりができないか、その相関関係の有無を調べた。
表1は、候補となる素材の反応式と常温(300K)での標準反応ギブスエネルギーをほぼアルファベット順に並べたものである。なお、同じ素材でも複数の反応がある。例えば、Moは酸化してMoO又はMoOとなる。これらを標準反応ギブスエネルギーの絶対値が小さい順に並べ替えたものを表2に示す。
ここで、酸化物が複数あるもので、Mo、Nbの酸化物は物性をXPSにて調査した結果、MoOとNbOがほぼ100%であった。表1,2の拡散係数は、上述した反射率からの見積もりにより得られた値である。これら拡散係数と標準反応ギブスエネルギーとの相関を示すグラフを図2に示す。
この図2に示すグラフから、拡散係数と標準反応ギブスエネルギーには強い相関が見られた。すなわち、この図2に示すグラフでは、標準反応ギブスエネルギーの単位を−kJ/molとしているため、右上がりのグラフとなっている。また、このグラフでは左に向かうほど、拡散係数は小さく、酸化の進行が進みにくくなり、同時に標準反応ギブスエネルギーの絶対値小さくなるので、これは酸化物と平衡状態に達する酸素分圧が大きくなり、酸化しにくいということを意味する。
以上のことから、拡散係数と標準反応ギブスエネルギーには、このような強い相関が見られるので、拡散係数の変わりに第2のキャップ層4の素材を標準反応ギブスエネルギーを目安に選択することも可能である。
具体的に、標準反応ギブスエネルギーの絶対値は、小さいほど望ましいが、目安として、カーボン(C)よりも標準反応ギブスエネルギーの絶対値が小さい素材を選択することが望ましい。これは多層膜ミラーがカーボンコンタミで汚染した場合に、酸素ガス単体又は酸素ガスとUV光又は酸素ガスとEUV光を組み合わせて洗浄し、カーボンをCO又はCOにして気化させて飛ばしてしまうことが必要になるが、その際にキャップ金属が酸化することは望ましくないからである。
一方、表3に示すように、水分子の吸着エネルギーの絶対値と、水の撥水性を示す指標である水との接触角に相関があることがさまざまな物質のデータからわかった。例えば、Auでは接触角が50°程度であるので、これ以上の接触角であれば吸着エネルギーの絶対値がほぼ50kJ/mol以下であると言える。
図32には、表3のうち接触角と吸着エネルギーの両方の値がある物質をプロットした。図32に示すように、接触角の値に凹凸はあるが吸着エネルギーとは概ね負の相関があると言える。すなわち、吸着エネルギーの絶対値が小さいほど接触角が大きくなる。
〈多層膜構造の把握の必要性〉
多層膜反射層は、スパッタリングにより真空中で成膜される。また、設計された膜厚とするため、事前に測定された成膜レートに基づき成膜時間により膜厚が管理される。多層膜反射層の各層の間には、拡散によるグラデーション部分が存在する。また、多層膜反射層の表面及びその近傍には、空気中での保管により酸化膜が成長する。
成膜された膜構造を正しく知ることは多層膜反射層の酸化を見積もる上で重要である。ひとつは酸素原子の拡散を見積もるため、もうひとつは反射率を計算する上で重要である。しかしながら、キャップ層とSi層の拡散具合、並びにキャップ層とSi層の酸化の度合いは、サンプルごとに異なり、経験値は存在しない。これらをなるべく正確に見積もる必要がある。
そこで、サンプルとしては、今まで数多く作製されたMo層とSi層とを交互に積層した多層膜反射層について、反射率のシミュレーションによる計算結果と、実測の反射率との対比から、Mo層とSi層との間の拡散層が層厚1.25nmのMoSiと、2層目以降について層厚26.8ÅのSi層と、層厚18ÅのMo層として見積もられており、本研究でもこの値を用いた。
〈Siキャップ酸化見積もりと実測値〉
本研究では、断面TEM像と、XPSによる定量分析結果と、反射率のシミュレーションによる計算結果とを比較して、キャップ層近傍の組成を推定した。
図3は、キャップ層近傍における断面TEM写真である。
この図3に示す断面TEM写真から、MoSiと表面(図4では上側)との間の距離が53.5Åと測定された。そして、この間の組成をXPS計測値から推定する。
図4は、XPS計測による定量分析結果である。
図4のサンプルの初期状態の結果はREFで示されており、SiOの酸素原子の割合は48.2、SiOの割合は、24.1(=48.2/2)と推定した。したがって、組成比は、Si:SiO=17.3:24.1である。図4には、REFの他に照射後の結果も示されている。
一方、図5は、波形分析による結果である。
この波形分析によれば、組成比は、Si:SiO=21.6:19.8である。
次に、膜厚比の算出を行った。
表4に示すように、膜厚比=組成比*分子体積であることから、膜厚比は、SiOをSiOと見なすと、波形分析の結果から、以下のとおりとなる。
Si:SiO=21.6:19.8=21.6*2:19.8*2*2.27=21.6:44.946=1:2.08
次に、XPS計測による観測深さの推定を行った。
このXPS計測による量分析値から組成毎の膜厚に変換するには、XPSによる計測厚さが必要である。公称値は50Å程度とされているが、確定的ではない。ここでは、パラメータとして、XPS観測深さを40〜50Åに設定し、計算される反射率と実測の反射率との比較から、XPS観測深さを推定した。同時に、もうひとつの未知定数、多層膜界面粗さも、1Å、2Åでパラメータとして設定し推定した。
表5に示す反射率の試算結果と実測の反射率(65.9%)から、XPS観測深さとしては、45Å、界面粗さとしては1Åを採用した。また、最終的に推定された多層膜反射鏡の構造モデルを図6示す。
〈反射率の酸化深さ依存性〉
図6に示す多層膜反射層について、反射率の酸化深さ依存性を計算した結果を表6及び図7に示す。なお、図7中に示す曲線は、それぞれ絶対反射率と、相対反射率との近似曲線である。
表6及び図7に示す結果から、Si層の1層目が全て酸化しても、78.5Åの酸化膜が形成されるだけで、反射率も相対値で8.16%までしか落ちないことがわかる。
〈酸素原子拡散モデル〉
酸化原子拡散モデルとして、文献データなどからMoの拡散係数は小さく、酸素の拡散がここで十分小さくなるため、多層膜モデルとしてはMo層までの構造とし、境界条件として、Mo層の最下部の酸素濃度をゼロとして見積もりを行った。
Si層とMo層との中間に位置するMoSi拡散層の拡散係数は不明であるが、Si層とMo層との拡散係数が1桁以上違うため、ここではより拡散し易いSi層の値とした。したがって、酸素原子拡散モデルとしてのキャップ層下の1層目のSi層の厚さは、上記表6から、Si層:36.49Å、MoSi層:12.5Åとを合わせて、48.99Åとした。初期酸化深さは、30.38/2.27=13.38Åとし、Mo層の厚さは、図6から18Åとした。
予測された酸素濃度から反射率を求めるには、深さ方向の酸素濃度分布を多層膜の層毎に積分し、単位面積当たりの酸素原子数を求め、層毎の酸化物をストイキオメトリーの酸化物とみなして、酸化物の厚さと酸化前の酸素深さを求め、図7に示す多項式から反射率に変換する。
〈2次電子収率〉
酸化見積もりに必要な2次電子収率は実測したデータを用いた。
〈SAGA実験条件での酸化見積もり結果〉
SAGA−LS(佐賀県立九州シンクロトロン光研究センター)での酸化実験条件によるSiキャップ層の酸素濃度の予測結果を図8〜図11に示し、同酸化膜厚と反射率予測結果を図12〜図15に示す。なお、酸化膜厚と反射率の変換は、図7中に示す多項式を用いている。
その結果、6時間レベルでは、酸素濃度はMo層で十分減衰しており、Si/Moの2層モデルで十分であることがわかる。また、絶対反射率は、初期酸化を含む場合と含まない場合でかなり様子が異なり、初期酸化深さを正確に知ることが重要であることがわかる。
したがって、初期酸化は、図7に示す近似曲線の酸化深さに初期酸化量のオフセットを入れることで実現させた。酸化深さは、酸素原子の浸透する深さで、酸化物となった後の体積膨は反映させていない。
〈実測値と予測値の比較〉
以上の見積もり結果を実験結果と同じグラフにまとめたものを図16及び図17に示す。
図16及び図17に示すように、推定された物性値(吸着エネルギーと拡散係数)において、複数の照度及び水分圧での酸化による反射率劣化が6時間以内で1%未満の乖離で予測できている。
なお、酸化モデルの概要は、図18に示すようなモデルになっている(上記文献1を参照。)。また、酸化モデル〜反射率予想計算は、図19に示すブロック図のような構成になっている。
〈キャップ層物性値の推定〉
上述したように、反射率劣化の実験結果に酸化モデルの見積もり結果をフィッティングさせることで、キャップ層の未知の物性値(吸着エネルギーと拡散係数)を推定することが可能となった。表7は、この方法によって推定された物性値の一覧である。
表7に示すように、6時間後の酸化膜厚に着目すると、必ずしも拡散係数が小さいものが酸化膜厚が小さいとは言えず、吸着エネルギーも影響が大きい。これは、吸着エネルギーが低いと、水分子がキャップ層の表面に吸着する時間が短いため、解離して発生する酸素原子数が少なくなるためである。
〈吸着エネルギーの推定〉
上述した酸化モデルに基づく反射率劣化予測の結果と反射率劣化の実験結果とを比較しながら、拡散係数と吸着エネルギーとをパラメータとして、トライ&エラー方式で変化させることにより、予測値の実測値へのフィッティングの最適状態をもたらす推定値を見出すことができる。このようにして求めた拡散係数と吸着エネルギーの推定値を表7に示す。
なお、実際には、これら2つの物性値の他に、XPSの観察深さと多層膜反射層の界面の粗さも不明であるので、これらも含めてトライ&エラー方式で最適状態をもたらす4つのパラメータを決めた。また、複数の物質のキャップ層に関して、XPSの観察深さと多層膜反射層の界面の粗さはほぼ一定値であるので、これら2つのパラメータとして変化させることには多くの労力を費やすことは無かった。
〈吸着エネルギーの計算〉
吸着エネルギーの計算は、前述したように第一原理計算を用いて行われている(上文献2を参照。)。
Ruの第一原理計算結果(51.3kJ/mol)とRuOの推定値51kJ/mol(表7を参照。)は大変近く、この酸化による反射率劣化に基づく物性値(酸素元素の拡散係数、水分子の吸着エネルギー)の推定方法は信頼し得る。RuとRuOは酸化の有無が違いとしてあるが、吸着エネルギーや拡散係数は酸素原子が添加される前の金属マトリックスの物性でほぼ決まっていると思われる。したがって、この場合は、酸化の有無はあまり重要視しなくてよい。
上記文献2によると、Auの吸着エネルギーは45(meV/molecule)=43.7kJ/molでNbOに近い。しかしながら、Auは薄い薄膜を均一にスパッタすることが難しいと言われており、場合によっては成膜に関する技術開発が必要である。
今後様々な物質の吸着エネルギーや拡散係数の第一原理により計算されることになっているが、その際に目指すべき吸着エネルギーは現状の最良値として、水分子の吸着エネルギーの絶対値(又は脱離の活性エネルギーの絶対値、又は吸着エンタルピーの絶対値):50kJ/mol以下、酸素原子の拡散係数:8E−24m/sec以下を挙げたい。
ここで、なぜ拡散係数の目標値にMoOの値を取り上げなかったかというと、Moは酸化の際、結晶粒界から酸化が始まる傾向があり、結晶のグレインが目立ち、表面粗さが劣化しやすくなりがちであるためである。そのため反射率が良くない。
その計測結果を図20に示す。同図でDoseとあるが、照度は80mW/mmで一定なので、1800J/mm−2の時点で照射時間は6.25時間である。また、水分圧は1mPaのデータである。
第一原理計算により様々な化合物の吸着エネルギー、拡散係数の推定も可能であるので、今後様々な化合物の探索を行う。その際の指標も現時点では前掲の値となる。
〈複合キャップ構成例〉
HVMでは、酸化による劣化が懸念されるため、高耐酸化性の多層膜構造とする。
図21に2層化キャップ付き多層膜反射鏡の構造例(1)を示す。
この2層化キャップ付き多層膜反射鏡(1)では、第2のキャップ層に拡散係数の小さい素材を用い、酸素原子がSi/Mo多層膜反射層(SiとMoの積層順序はどちらであってもよい。すなわち、2層化キャップの直下はSiであってもMoであってもよい。)へ拡散することを抑える。一方、第1のキャップ層に吸着エネルギーの絶対値が小さい素材を用い、反射面への水分子の吸着を抑えて酸素原子の発生を抑制する。
以上のように、キャップ層を2層化し、それぞれの特性を目的に応じて最適化することにより、従来よりも高い耐酸化性を得ることが可能である。
図22に2層化キャップ付き多層膜反射鏡の構造例(2)を示す。
この2層化キャップ付き多層膜反射鏡(2)では、第1のキャップ層が酸化物になっているタイプである。耐酸化性は、2層化キャップ付き多層膜反射鏡(1)が優れている。
〈2層化キャップ酸化モデル〉
次に、2層化キャップ付き多層膜反射鏡(2)の見積もり結果を示す。
RuOキャップ層の膜構造の最表面にNbOを成膜することを想定した。
キャップの厚さは、以下の3種類とした。
(1)Nb=5Å、RuO=10Å
(2)Nb=8Å、RuO=10Å
(3)Nb=5Å、RuO=13Å
RuOxキャップ層のXPS計測結果を元に、酸化するSi層はキャップ層下1層目のSi層の厚さは、上記表6から、Si層:30.67Å、MoSiと合わせて45.9Åとした。この部分の拡散係数はSi層の拡散係数を用い、酸化体積はMoSi層もSiと見なして計算した。見積もりに用いた物性値は以下のとおりである。
〔物性値〕
NbOの吸着エネルギー:42.5kJ/mol
NbOの拡散係数:1.8E−22m/sec
RuOの拡散係数:7.3E−24m/sec
MoOの拡散係数:3.8E−24m/sec
SiOの拡散係数:1.48E−22m/sec
反射率計算のための多層膜モデルは、図23〜図25に示す複合キャップ〔1〕,〔2〕,〔3〕とした。
複合キャップ〔1〕:Nb:5Å、RuO:10Å
複合キャップ〔2〕:Nb:8Å、RuO:10Å
複合キャップ〔3〕:Nb:5Å、RuO:13Å
図23〜25において、Ru−Ox capと同じにしたとあるのは、初期酸化の比率で、SiO=15.78Å、Si=23.72Åとしている。初期酸化深さ=初期SiO厚さ/体積比=初期SiO厚さ/2.27=15.78Å/2.27=6.95Åとなる。初期酸化深さは反射率計算のオフセットに用いる。これを図26に示す。すなわち、絶対反射率計算値の横軸を初期酸化深さ分オフセットしている。
図26中の中段のグラフに対して、下段の図が初期酸化深さ6.95Åをオフセットしたグラフとなる。図27において、キャップ層の厚さが2種類あるのは、酸化物としての厚さと酸化する前の金属相当の厚さである。拡散の計算には、金属相当(金属マトリックス)の厚さで酸素進入深さを計算している。一方、反射率の計算は、酸化した後膨張した厚さが必要で、これを用いている。
表8は、複合キャップ〔1〕,〔2〕,〔3〕とNbO単層キャップの初期反射率計算のための膜構造と初期反射率である。界面粗さRaは1〜2Åで計算すると、実測値とよく一致する。今回は2Åで見積もった。複合キャップのなかでは、初期反射率は複合キャップ〔1〕が最大で65.74%である。水分圧1mPa、照度80mW/mmとしたときの6時間照射試験後の酸化深さ(表9では酸化膜。)と反射率の予測結果を表9にまとめた。なお、膜厚の単位はÅである。酸化膜とあるのは酸素原子の入り込んだ深さで、酸化物となった時の体積膨張は考慮していない。
上記複合キャップ〔1〕,〔2〕,〔3〕の耐酸化特性を見積もった結果、酸化膜厚に着目すると、NbO単体では6時間で1.8Åの酸化膜厚ができたのに対し、上記複合キャップ〔1〕,〔2〕では0.26Å、上記複合キャップ〔3〕では0.13Åの酸化膜厚に収まり、十分の一以下の酸化膜の成長に抑えられることがわかった。また、反射率に着目すると、NbO単体では6時間で1.5%の反射率低下と見積もられるが、上記複合キャップ〔1〕,〔2〕,〔3〕では、それぞれ0.11%、0.14%、0.03%の劣化と10倍以上の改善となった。
図26は、複合キャップ〔2〕の酸化深さの増大(図中では酸化膜厚と表示。)と絶対反射率の推移の予測を示す。
以上のように、本発明の光学素子では、耐酸化性の著しい向上が可能である。また、第一原理計算によって、第2のキャップ層の拡散係数と、第1のキャップ層の吸着エネルギーをシミュレーションにより求め、これら第1及び第2のキャップ層に用いるのに好ましい材料を更に求めることが可能である。
図30は、別の膜構造を示す模式図である。この膜構造は、上記2層化キャップ層の直下に第3キャップ層が設けられた構成である。具体的に、この膜構造は、第1のキャップ層1と、第2のキャップ層2と、第3のキャップ層3と、40〜50ペア程度のMo/Si多層膜4とが基板5上に積層され、このMo/Si多層膜4の最上層、すなわち第2キャップ層2の隣がMoで終わっている構造である。
この膜構造は、Mo/Si多層膜の最上層がMoで終わる場合に特に好適である。すなわち、第3キャップ層は、Mo/Si多層膜の最上層にあるMoの表面粗さを改善し、2層化キャップ層との密着性を高める作用を持つ。この第3キャップ層は、例えば、MoSi、MoSi、MoB、MoC、B、C、Moの単体又は混合物などからなる。なお、これらの構成元素の比率は、上記以外でも利用し得る。
図31は、図30の類似の膜構造を示す模式図である。この膜構造は、図30と同様に2層化キャップ層の直下に第3キャップ層が設けられた構成であるが、更に、その下の50〜40ペアのMo/Si層4のMo層の界面にも第3キャップ層と同じ素材の界面粗さ改善層6が挿入されている。
図31の膜構造は、Mo/Si多層膜4の最上層がMoで終わる場合に特に好適である。Mo/Si多層膜4の最上層がSiで終わる場合には第3層は省略してよい。界面粗さ改善層6は、Mo/Si多層膜にあるMoの界面粗さを改善し、多層膜ミラーの反射率を向上させる。この界面粗さ改善層6は、第3キャップ層同様の物質が好適である。例えば、MoSi、MoSi、MoB、MoC、C、B、Moの単体又は混合物などからなる。なお、これらの構成元素の比率は上記以外でも利用し得る。
(露光装置)
図28は、本発明の一実施形態に係る露光装置10の構成例を示す模式図である。
この露光装置10は、光学系として、露光光としてEUV光(波長11〜14nm)を出射する光源を含む光源装置50と、EUV光を照明用のマスクMAに導く照明光学系60と、マスクMAのパターン像を感応基板であるウェハWA上に形成する投影光学系70とを概略備えている。
また、この露光装置10は、機械機構として、マスクMAを支持するマスクステージ81と、ウェハWAを支持するウェハステージ82とを概略備えている。なお、ウェハWAは、感応基板を具体化して、レジスト等の感光層を表面コートしたものである。
光源装置50は、例えば、プラズマ励起用のレーザー光を発生するレーザープラズマ光源51と、ターゲット材料であるキセノン等のガスを筐体SC中に供給するチューブ52とを備えている。励起光であるレーザー光としては、例えば炭酸ガスレーザーが用いられる。
本実施形態では、例えば波長10600nmの赤外レーザー光が用いられる。また、この光源装置50には、コンデンサミラー54やコリメータミラー55が取り付けられている。光源装置50では、チューブ52の先端から射出されるキセノンに対しレーザープラズマ光源51からのレーザー光を集光させることにより、その部分のターゲット材料をプラズマ化してEUV光を発生させる。
コンデンサミラー54は、チューブ52の先端Sで発生したEUV光を集光する。コンデンサミラー54で反射されたEUV光は、収束されつつ筐体SC外に射出し、コリメータミラー55に入射するようになっている。
なお、以上のようなレーザープラズマタイプの光源装置50からの光源光に代えて、放電プラズマ光源からの光源光、シンクロトロン放射光源からの放射光等を使用することができる。
照明光学系60は、反射型のオプティカルインテグレ一タ61、62、コンデンサミラー63、折曲ミラー64等により構成される。照明光学系60では、光源装置50からのEUV光を、多数の小ミラーを含むオプティカルインテグレ一タ61、62によって照明光として均一化しつつコンデンサミラー63によって集光し、折曲ミラー64を介してマスクMA上の所定領域(例えば帯状領域)に入射させる。これにより、マスクMA上の所定領域を適当な波長のEUV光によって均一に照明することができる。
なお、EUV光の波長域で十分な透過率を有する物質は存在せず、マスクMAには透過型のマスクではなく反射型のマスクすなわちパターン状のミラーが使用されている。
投影光学系70は、多数のミラー71、72、73、74で構成される縮小投影系である。図28においてはミラーの枚数が4枚配置された構成が示されているが、例えばミラーの枚数が6枚配置された構成としても構わない。
マスクMA上に形成されたパターン像である回路パターンは、この投影光学系70によってレジストが塗布されたウェハWA上に結像してこのレジストに転写される。この場合、回路パターンが一度に投影される領域は、直線状又は円弧状のスリット領域であり、例えばマスクMAとウェハWAとを同期して移動させる走査露光によって、マスクMA上に形成された矩形の回路パターンをウェハWA上の矩形領域に無駄なく転写することができる。
マスクステージ81は、図示を省略する制御装置の制御下で、マスクMAを支持し、マスクMAの位置や速度等を精密に監視しつつ所望の位置に移動可能な構成となっている。同様に、ウェハステージ82は、制御装置の制御下で、ウェハWAを支持し、ウェハWAの位置や速度等を精密に監視しつつ所望の位置に移動可能な構成となっている。
また、光源装置50のEUV光の光路上に配置される部分と、照明光学系60と、投影光学系70とは、真空容器84内に配置されており、EUV光の減衰が防止されている。すなわち、EUV光は大気に吸収されて減衰するため、装置全体を真空容器84によって外部から遮断すると共に、EUV光の光路を所定の真空度(例えば、1.3×10−3Pa以下)に維持することで、EUV光の減衰、すなわち転写像の輝度低下やコントラスト低下を防止している。
真空容器84内においてEUV光の光路上に配置されるミラー54,55,61,62,63,64,71,72,73,74やマスクMA等の光学素子は、下地となる例えば石英ガラス製の基板上に反射用の多層膜を形成したものである。この光学素子等の光学面の形状は、典型的には凹面であるが、凹面に限らず、平面、凸面、多面等組み込む場所によって適宜調整する。
本実施形態では、これら露光装置10の光学系を構成するミラー54,55,61,62,63,64,71,72,73,74やマスクMA等の光学素子として、上記図1に例示される本発明の光学素子1を用いることができる。
また、露光装置10の光学系を構成するミラー54,55,61,62,63,64,71,72,73,74やマスクMAの全てを上記図1に示す光学素子1とする必要はなく、照明光学系60、及び投影光学系70のうち少なくとも何れか1つが、図1に示す光学素子1を含むように各光学系を構成することとしてもよい。例えば、照明光学系60を構成する各光学素子として、上記図1に示す光学素子100を用いれば、露光装置10の上流側においても高い反射率を確保することができ、スループットをより確実に向上させることができる。
(デバイスの製造方法)
以上は、露光装置10の説明であったが、このような露光装置10を用いることによって、半導体デバイスその他のマイクロデバイスを高い集積度で製造するためのデバイスの製造方法を提供することができる。
図29は、本発明の一実施形態に係るマイクロデバイスの製造方法を説明するための工程図である。
具体的に、このマイクロデバイスは、図29に示すように、マイクロデバイスの機能や性能、パターンの設計等を行う工程(S101)、この設計工程に基づいてマスクMAを作製する工程(S102)、デバイスの基材であるウェハWAを準備する基板製造工程(S103)、前述した実施形態の露光装置10によりマスクMAのパターンをウェハWAに露光する露光処理工程(S104)、一連の露光やエッチング等を繰り返しつつ素子を完成するデバイス組立工程(S105)、組立後のデバイスの検査工程(S106)等を経て製造される。なお、デバイス組立工程(S105)には、通常ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程等が含まれる。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、光源光としてEUV光を用いる露光装置について説明したが、本発明は、光源光として軟X線を用いる軟X線顕微鏡、軟X線分析装置等の軟X線光学機器にも適用可能である。具体的には、この軟X線光学機器を構成する光学素子として、上記図1に示す光学素子1を組み込むことにより、光学機器の光学特性を、コストを増大させることなく良好に維持することが可能となる。
1…光学素子(多層膜反射鏡) 2…基板 3…多層膜反射層 4…第2のキャップ層 5…第1のキャップ層
10…露光装置 50…光源装置 60…照明光学系 70…投影光学系 54,55,61,62,63,64,71,72,73,74…ミラー MA…マスク WA…ウェハ

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成されて、極端紫外光を反射させる多層膜反射層と、
    前記多層膜反射層上に形成されて、酸素の拡散を防止する第2のキャップ層と、
    前記第2のキャップ層上に形成されて、水分子の吸着を防止する第1のキャップ層とを備え、
    前記第2のキャップ層は、使用温度での酸素の拡散係数が8E−24m/sec以下又は標準反応ギブスエネルギーの絶対値が400kJ/mol以下であり、
    前記第1のキャップ層は、水分子の吸着エネルギーと脱離の活性エネルギーと吸着エンタルピーとのうち何れかの絶対値が50kJ/mol以下又は水の接触角が50°以上であることを特徴とする光学素子。
  2. 前記第1のキャップ層が酸化物からなることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記第2のキャップ層が金属からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子。
  4. 極端紫外光を出射する光源と、
    前記光源からの極端紫外光を転写用のマスクに導く照明光学系と、
    前記マスクのパターン像を感応基板上に投影する投影光学系とを備え、
    前記マスクと、前記照明光学系と、前記投影光学系とのうち、少なくとも何れか1つが請求項1〜3の何れか一項に記載の光学素子を含むことを特徴とする露光装置。
  5. 請求項4に記載の露光装置を用いて、感光剤が形成された基板の感光剤に対して露光を行う工程を含むことを特徴とするデバイスの製造方法。
JP2012270352A 2012-12-11 2012-12-11 光学素子、露光装置、及びデバイスの製造方法 Pending JP2014116498A (ja)

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