JP2006018991A - 音声再生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 記憶媒体に記録された音声データ、特に圧縮音声データを任意のポイントから任意の速度で即時正、逆転再生を開始できる音声再生装置を提供する。
【解決手段】 記憶装置(15)の再生データが圧縮データの場合は、RAM(12)に一時記憶した後に、デコーダ(14)でデコードしてPCMデータ断片を切り出し、再生制御マイコン(7)を経由して、RAM(9)上に構成するPCMデータバッファに同データ断片を供給する。回転操作子(1)の操作に基づき、再生処理回路8によりFAM(9)上に構成するPCMデータバッファのPCMデータを再生することで急激な再生速度変化を吸収する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コンパクトディスクに代表される光ディスクやメモリカードに代表される半導体メモリ等の記憶媒体に記録された圧縮音声データから音声を再生する音声再生装置に関する。
近年、デジタル音声データの読み出し速度を可変操作、いわゆるスクラッチしながら音声を再生する、いわゆるDJ用音声再生装置が用いられている。一般的に、DJ用音声再生装置(たとえば、特許文献1)は、記憶媒体から読み出した音楽データをアクセスの早いRAM等に一時的に格納しておき、このRAMに格納されているデータを、ユーザの速度可変操作にあわせて読み出して音声再生させることにより再生速度を急激に変化させることを可能にしている。
なお、このようなDJ用音声再生装置においては、再生速度の変化とともに、任意の再生開始点からの即時再生が要求される。再生開始には、データの読み込み時間等のオーバヘッドがある。それゆえに、データ再生の要求に即応するために、再生が開始される可能性のある記録データ位置から数秒分の音楽データをRAM等のメモリに一時的に記憶しておいて、このメモリ(RAM)に記憶されているデータを再生している間に、後続の音楽データを記憶媒体から読み出して、さらにメモリに記憶させている。
特開平11−86446号公報
しかしながら、音楽再生のために記憶媒体から読み出す音声データが圧縮されている場合には、一連のデータストリームの中から、ユーザの可変再生動作に対応する任意の実時間に対応する部分の圧縮音楽データを切り出すことは困難である。そのような圧縮音楽データの一例として、MP3(MPEG−1 Audio レイヤIII)に代表される圧縮音楽データについて述べる。
つまり、MP3データの現フレームデータは前フレームデータと相関性がある場合が一般的である。よって、曲途中で目的の現フレームデータのみをデコードしても、デコード後のデータは音声波形としての連続性が確保できない。またビットリザーバにより、目的フレームのデータが前フレームデータに含まれる場合がある。つまり、一連のMP3データを先頭から順にデコードすることで、連続した音声データが得られる。
また、MP3に代表される圧縮音楽データは、それらの圧縮音楽データを構成する各フレームのサイズが可変、すなわち、可変ビットレート圧縮音声データ列の場合があるためである。
また、厳密にはフレームサイズは、各フレーム先頭のフレームヘッダに記述されているので、このフレームヘッダを見なければ分からない。そのために、ユーザのスクラッチ操作に対応する実時間に対応するデータを切り出す場合は、曲先頭から逐一フレームヘッダを読み進めていかなければならない。
したがって、曲データが長大で、かつユーザのスクラッチに対応する再生開始フレームが曲の後端であるほど、スクラッチに応じて音声再生されるべき目的の圧縮音楽データの読み出し時間が増大する。つまり、RAM上に数秒分の圧縮音楽データが記録されている場合にであっても、再生する曲や再生開始ポイントによっては、このRAM上の数秒分の圧縮音楽データを再生し終えるうちに目的の圧縮音楽データを記録媒体から切り出すことができない。
本発明は、上述の問題に鑑みて、記憶媒体に記録された音声データ、特に圧縮音声データを任意のポイントから任意の速度で即時に、正転再生あるいは逆転再生を開始し、連続して再生できる音声再生装置を提供することを目的とする。
上記課題に対応するために本発明に係る音声再生装置は、圧縮音声データを記録する記録媒体、
圧縮音声データを実時間デジタルサンプリングデータに変換するデコード手段と、
実時間デジタルサンプリングデータの第1の断片を一時的に格納するデータ格納手段と、
前記第1の断片の両端でデータの連続性を保持する実時間デジタルサンプリングデータの第2の断片を前記記録媒体の中から記録位置を特定して読み出すデータ読み出し手段と、
前記データ格納手段に格納された第1の断片を時系列で順方行あるいは逆方向に可変速で再生する再生手段とを備え、
前記データ格納手段に格納されている第1の断片の両端でデータの連続性を保持するように、前記データ読み出し手段と前記デコード手段を用いて前記第2の断片を前記データ格納手段に供給すると共に、前記再生手段を用いて一連の前記圧縮音声データを任意の速度で順方向と逆方向に連続して再生することを特徴とする。
本発明は、上記構成により、音声データおよび圧縮音声データの再生速度を自由に変化させて発音することができ、かつ、あらかじめ指定しておいた任意の再生開始点から即時再生開始することのできるDJ用の音声データ再生装置が実現できる。
添付の図面を参照して具体的に説明する前に、先ず、本発明の実施の形態に係る音声再生装置の基本的概念について説明する。上述のように、記録されているのがデジタル音楽データの場合には、記録媒体を速度可変に操作するユーザのスクラッチ動作で与える再生開始位置および再生速度は、デジタル音楽データを読み出して、音声を再生する位置と必ずしも一致しない。そのため、スクラッチ動作に対応して、音声を再生することが出来ない。
そこで、本発明においては、スクラッチによる指定再生開始位置より所定分だけずれた位置にあるデジタル音声データを読み出すことにより、ユーザによるスクラッチ動作により指定される記録媒体上の再生開始位置と実際に音楽データから完全な音声データを読み出せる位置のずれを吸収している。さらに、そのように調整された位置からデジタル音楽データを読み出すと共に、読み出されたデジタル音楽データから音声を生成することによって、スクラッチ動作に対応した音声再生を実現している。以下に、図面を参照して、具体的に説明する。
図1に示すように、本実施の形態においては、音声再生装置SRAは、例えばMP3のような可変ビットレートで圧縮されたデジタルオーディオデータからの音声再生処理に用いられる。好ましくは、デジタルターンテーブルとして構成される。音声再生装置SRAは、主に再生制御部20とデータ生成部21の2つに大別される。再生制御部20は、回転操作子1、速度センサ2、速度検出回路3、表示・操作盤4、再生制御マイコン7、再生処理回路8、RAM9、およびDAC10を含む。回転操作子1は、再生される音楽データが記録されている記録媒体を模しており、ユーザの回転操作に応答して、再生速度および再生開始位置に対する指示が受け付けられる。なお、再生制御マイコン7、RAM9、および再生処理回路8は、データバス等の信号線を介して互いに接続されている。
速度センサ2は、回転操作子1の回転を検出して回転信号を生成する。回転信号には、回転操作子1の回転速度と回転位置の情報が含まれる。速度検出回路3は、回転信号に基づいて、回転操作子1の回転速度と回転位置を表す回転データi1を生成する。この構成は、例えば、手動により、あるいはモーター駆動により回転するターンテーブルの円周に等間隔で刻まれたスリットを通過する光を光センサで検出して一定時間置きにカウントすることにより実現できる。
表示・操作盤4には、再生開始ポイント呼び出しボタン5、再生開始ポイント設定ボタン6などが設けられている。なお、再生開始ポイント呼び出しボタン5は、単に再生開始ボタンとしてもよい。
再生開始ポイント呼び出しボタン(再生開始ボタン)5は、ユーザが音声再生装置SRAに対して、音声の再生開始を指示するための入力手段である。再生開始ポイント設定ボタン6は、ユーザが音声再生装置SRAに対して、音声を即時再生開始させたい記録媒体上のポイント(位置)を設定するためのボタンである。なお、この「ポイント」は、正確にいえば、記録媒体を模した回転操作子1の上での再生開始位置を意味する。なお、表示・操作盤4には、ユーザの操作の便宜を図って、表示装置(図示せず)などが配置される。
次に、図2を参照して、RAM9の内部記憶構造について説明する。RAM9の内部記憶領域は、α個のPCM補助バッファ41_1〜41_α(αは任意の整数)と1つのPCM再生バッファ領域44とを含む。なお、なお、PCM補助バッファ41_1〜41_αのそれぞれあるいは全体をPCM補助バッファ44と総称する。
PCM補助バッファ41は、再生開始ポイント設定ボタン6が押されたときに再生開始点を含めた近傍の短時間のPCMデータ断片、たとえば3秒分と、アルバム、トラック、フレーム数オフセット値をセットで記憶する。上述のように、α個のPCM補助バッファ41_1〜41_αを配置することで、再生開始ポイントを同時に複数設定できる。
一方、PCM再生バッファ44は、記録媒体から読み出された再生開始ポイントの近傍の再生用PCMデータ断片が数秒分だけ格納する。本実施の形態においては、サンプリング周波数が44.1kHzの16ビットステレオデータがPCM再生バッファ44に格納される。なお、PCM再生バッファ44はその目的から、急激な再生速度の変化に追従するために、ある程度のバッファサイズが必要であるが、実時間で約15秒再生できるデータを格納するサイズがあれば十分である。15秒再生出来るデータ容量とは、44100×2×2×15= 2.646Mバイトに相当する。なお、PCM再生バッファ44は、リングバッファとして構成される。
図3を参照して、再生制御マイコン7のソフトウェア機能について説明する。なお、同図に示すように、再生制御マイコン7のソフトウェアは、階層的に構成されており、UI処理部31、操作子速度演算部32、および再生データ管理部33に大別される。
UI処理部31は、表示・操作盤4の表示装置に再生位置等の情報を表示させるとともに、各種ボタンの押下を監視する。操作子速度演算部32は、速度検出回路3から送信される回転速度情報i1をリアルタイムで再生速度情報に変換する。再生データ管理部33は、後述するRAM9上に構成されるPCM各種バッファの状態を管理するものであり、再生速度制御部34、PCM補助バッファ管理部35、およびPCM再生バッファ管理部36を含む。
再生速度制御部34は、操作子速度演算部32が出力する再生速度情報を再生処理回路8に伝達する。PCM補助バッファ管理部35は、RAM9上に構成されるPCM補助バッファ41〜43のデータ残存状況を監視し、必要に応じてマイコン通信制御部37を介してデータ生成マイコン11に対してPCMデータの要求を出力する。PCM再生バッファ管理部36は、RAM9上に構成されるPCM再生バッファ44のデータ残存状況を監視し、必要に応じてマイコン通信制御部37を介してデータ生成マイコン11に対してPCMデータの要求を出す。
つまり、PCM再生バッファ管理部36は、PCM再生バッファ44に格納されているPCMデータの残存状況、音声再生位置、および再生速度情報等を総合的に判断して、PCM再生バッファ44上のPCMデータが不足しないよう、データを次々に更新する。このようにして、PCM再生バッファ管理部36はRAM9上に構成されるPCM再生バッファ44を伴って実時間デジタルサンプリングデータの断片を一時的に格納するデータ格納手段を提供している。
ユーザは、上述の如く構成された表示・操作盤4を操作して、CDなどの記録媒体に記録された楽曲の特定のポイントからの即時再生を指示できる。具体的な操作方法としては、ユーザは、CDなどの記憶媒体に圧縮音楽データとして記録されている楽曲を再生させながら、再生開始ポイントを設定したいところで、再生開始ポイント設定ボタン6を押すと、音声再生装置SRAではこの再生開始ポイントを記憶する。再生開始ポイントは複数記憶できる。次にユーザが先に設定しておいた再生開始ポイントから再生を開始したい場合は、再生開始呼び出しボタン5を押すことで、音声再生装置SRAが再生データを即時準備して、即時再生を開始する。
なお、再生処理回路8は、PCM再生バッファ44に格納されたPCMデータ断片を時系列で順方行と逆方向に可変速で再生する再生手段を提供している。つまり、再生処理回路8は、再生速度制御部34から出力される再生速度情報に基づいて、PCM再生バッファ44に格納されている音声データをデジタル加工して、DAC10に出力する。音声データは、音声波形がサンプリング周期で量子化されたデジタルデータであり、再生速度に応じて音声波形を時間軸に対して圧縮あるいは伸張してアナログ変換して音声信号Saとして出力することで、聴感上アナログレコードを早回ししたり、ゆっくり回転させたりしたときと同じような音声出力を得ることができる。このような波形データのデジタル加工は、一般的にDSP等を利用した演算処理にて実現できる。なお、再生処理回路8は、PCM再生バッファ44の一端から他端までを繰り返し再生するように構成されている。
図4に示すフローチャートを参照して、上述の如く構成された再生制御部20の動作について説明する。図4は再生準備処理のフローチャートであり、装置の電源を入れた直後などの再生開始可能状態になるまでの準備処理である。
先ず、ステップS80において、データが準備される。これは、初期状態ではPCM再生バッファ44上には再生できるPCMデータが無いために、処理の為にデータを準部する必要があるからである。数秒再生分のデータが準備できた時点で、制御は次のステップS81に進む。
ステップS81において、バッファ上のデータの先頭アドレス(A点)が再生処理回路8に伝達される。なお、当該アドレスは、RAM上のアドレスであり、データは既に読み込まれている。つまり、本ステップにおける処理は、RAM上の再生開始位置を再生処理回路8に伝える。そして、準備処理は終了する。
準備処理の終了(完了)後に、音楽再生開始が指示されると、再生処理回路8はA1点(図6)からのPCMデータに基づいて音声再生を開始する。データ再生中は、PCM再生バッファ管理部36が定期的にPCM再生バッファ44上のPCMデータを管理する。
以下に、図5に示すフローチャートを参照して、上述のデータ再生中のPCM再生バッファ管理部36が定期的にPCM再生バッファ44に格納されるPCMデータを管理する方法について、具体的に説明する。
ステップS90において、先ず、再生速度制御部34から得られる再生速度情報に基づいて、再生方向の再生可能な連続したPCMデータ量、すなわち再生残データ量が算出される。そして、制御は次のステップS91に進む。
ステップS91において、PCM再生バッファ44に再生残データが格納されているか否か判断される。再生残データが格納されている、つまり再生の継続が可能である場合はYesと判断されて、制御は次のステップS92に進む。一方、再生残データが格納されていない、つまり再生の継続が不可能である場合はNoと判断されて、エラー復帰処理が実行される。
ステップS92において、再生速度が再生処理回路8に伝達されて、再生速度が設定される。そして、制御は次のステップS93に進む。
ステップS93において、次のPCMデータが必要か否かが判断される。なおこの判断は、再生残データ量が、次データ読み込みに要する時間に対して十分であるか否かでもって判断される。不十分、つまり再生が中断されてしまう可能性のある場合はYesと判断されて、制御は次のステップS94に進む。
ステップS94において、次データのフレーム番号が算出されて、読み込み要求フレームが確定される。そして、制御は次のステップS95に進む。
ステップS95において、算出されたフレーム願号がマイコン通信制御部37を介してデータ生成マイコン11に連絡されて、当該フレームのPCMデータが要求される。そして、制御は次のステップS96に進む。
ステップS96において、ユーザのスクラッチに応答して、要求されたフレームのPCMデータから音声(Sa)が読み出されて、次のPCMデータが取得される。そして、制御は上述のステップS90に戻る。一方、上述のステップS93においてNoと判断される場合、制御は上述のステップS94、S95、およびS96をスキップして、ステップS90に戻る。
次に、図6を参照して、上述のPCM再生バッファ管理部36によるPCM再生バッファ44に格納されるPCMデータの定期処理と順方向に再生する場合のPCM再生バッファ44の状態について説明する。図6において、上段には時刻hにおけるPCM再生バッファ44の状態が模式的に示され、下段には時刻h+jにおけるPCM再生バッファ44の状態が模式的に示されている。
なお、説明の便宜上、図6における時刻hおよび時刻h+jにおけるPCM再生バッファ44の状態を、それぞれPCM再生バッファ44(h)およびPCM再生バッファ44(h+j)と識別する。PCM再生バッファ44(h)において、時刻hの時点において再生処理回路8が処理中の再生位置をA1点とする。この時、PCM再生バッファ44(h)には、A1点からB1点までの再生用の音声データが連続して格納されているとする。なお、hは任意の時刻であり、jは任意の時間である。
一方、PCM再生バッファ44(h+j)において、つまりPCM再生バッファ44(h)からj秒後に、音声再生位置がA2まで進むとすると、新たにB1点からB2点までのデータをj秒以内に準備すれば、この再生速度で順方向Drの再生を継続することができる。逆方向再生、つまりB1点からA1点に向かっての再生についても同様である。
ある程度再生を継続すると、再生位置を中心として前後に数秒分のPCMデータを配置したPCMデータ断片が構成される。具体的に言えば、PCM再生バッファ44(h+j)において、A1点は現在再生中の音声データの始点であり、A2点は現在の再生位置であり、B2点は現在再生中の音声データの終点である。この意味において、必要に応じてA1点およびA2点を、それぞれ、再生開始位置A1および再生現在位置A2と呼び、さらに再生位置Aと総称する。同様に、B1点およびB2点を、再生開始時データ最終位置B1および再生中データ最終位置B2と呼び、さらにデータ最終位置Bと総称する。
順方向Drあるいは逆方向に再生を中断なく継続させるためには、このPCMデータ断片の両端、すなわちA1点とB2点でデータが連続となるようにPCMデータを供給し続ければよい。つまり、順方向再生ではB2点以降に、逆方向再生ではA1点以前にPCMデータを供給し続ければよい。
上述のように、PCM再生バッファ44は、リングバッファで構成されているので、j時間がPCM再生バッファ44の全体のデータ再生時間に達すると、再生開始位置A1と再生中データ最終位置B1が一致してしまう。しかしながら、音声再生装置SRAでは、再生現在位置A2がPCM再生バッファ44の一端に達すると、もう一方の端にジャンプしてその位置での音声データを再生するように構成されているので、上述のようにデータを供給し続けることで再生を継続できる。
以上のような処理では、音声データ準備の処理が早いほど再生速度を高速に保ったまま連続して再生することが可能となる。一般的には、音声データ準備処理の速度は記憶装置であるドライブの性能や、デコーダの処理速度に依存する。
次に、再度図1を参照して、データ生成部21の構成について説明する。データ生成部21は、データ生成マイコン11、RAM12、ROM13、デコーダ14、および記憶装置15を含む。データ生成マイコン11、RAM12、ROM13、およびデコーダ14は、データバス等の信号線で介して互いに接続されている。
データ生成マイコン11はデータ生成部21の全体の動作を制御する。RAM12は音楽データから生成されるPCMデータおよびデコーダ14に入力される前の圧縮データを一時的に保持する。ROM13は無音ダミーフレームを保持する。そして、デコーダ14は圧縮音声データをデコードしてPCMデータを生成する。記憶装置15は、一般的にCD−ROMドライブやハードディスクドライブ、メモリカードインタフェース等で構成されて、記憶媒体から圧縮デジタルデータなどの記録データを読み出すことができる。
図7を参照して、データ生成マイコン11のソフトウェア機能について説明する。なお、同図に示すように、データ生成マイコン11のソフトウェアは、階層的に構成されており、メディア管理部51およびデータ生成部52に大別される。なお、メディア管理部51およびデータ生成部52は、マイコン通信制御部50を介して伝達される再生制御マイコン7からの要求に基づいて動作する。そして、メディア管理部51は、現在音声データを読み出している記録媒体に関する各種情報を管理する。
データ生成部52は、読み込み対象データに応じて各々独立した処理を行うCD−MP3解析部53、CD−DA解析部54、およびメモリカード解析部55を含む。CD−MP3解析部53、およびCD−DA解析部54は、共用のフレームREAD処理部61に対してフレームデータの読み込みを指示する。そして、メモリカード解析部55は専用のフレームREAD処理部62に対してフレームデータの読み込みを指示する。フレームREAD処理部61およびフレームREAD処理部62は、それぞれ、ファィルシステム63およびファィルシステム64にアクセスして、記憶装置15内の記録媒体からデータを読み出す。
図8を参照して、RAM12の内部記憶構造について説明する。RAM12の内部記憶領域は、フレームオフセット管理テーブル70、デコーダ入力側データ列バッファ71、デコーダ出力側データ列バッファ72、およびダミーフレームバッファ73を含む。フレームオフセット管理テーブル70は、圧縮音声データのフレーム番号とオフセット値の組み合わせを一時的に記憶する。デコーダ入力側データ列バッファ71は、デコーダ14に入力する前の圧縮音声データを一時的に蓄積する。デコーダ出力側データ列バッファ72は、デコーダ14でデコード後のPCMデータを一時的に格納する。ダミーフレームバッファ73は、後述する無音ダミーフレームを生成する際に利用されるデータの仮配置エリアである。なお、記憶装置15から読み出される音楽データが、非圧縮のPCMデータである場合には、フレームオフセット管理テーブル70、デコーダ入力側データ列バッファ71、デコーダ出力側データ列バッファ72、およびダミーフレームバッファ73は不要である。
上述のように構成されたデータ生成マイコン11およびRAM12によって、任意な実時間のデジタルサンプリングデータ断片を生成するのに必要な圧縮音声データ断片を、記録媒体から記録位置を特定して読み出すデータ読み出し手段を実現できる。具体的に言えば、再生制御部20が実時間単位で要求する任意のPCMデータ断片を生成するのに必要な圧縮音声データ断片が記録媒体のどこに記録されているかが演算処理により特定される。そして、特定された記録位置が特定記憶装置15およびデコーダ14に指示されて、再生制御部20が要求する任意の実時間デジタルサンプリングデータ断片が再生制御部20に転送される。
本実施形態においては、好ましくは、再生制御部20およびデータ生成部21はそれぞれ1つのCPUにより演算処理を分担し、複数の通信経路とデータ転送用経路を備えることで、同期処理を実現している。マイコンの処理速度が十分速ければ、再生制御部20およびデータ生成部21の2つのマイコンを1つにすることも可能である。
図9を参照して、ROM13の内部記憶構造について説明する。ROM13は、それぞれ異なるサンプリング周波数ごとにMP3エンコードされたデータが格納されるMP3無音フレームデータ領域13_1、MP3無音フレームデータ領域13_2、およびMP3無音フレームデータ領域13_3を含む。なお、MP3無音フレームデータは、後述する無音ダミーフレームを生成する際に利用するデータ列である。
次に、上述した構成を利用した再生手段を順に説明する。先ず、圧縮音声データ先頭からの再生について説明する。本実施形態では、最小読込単位を1フレームとしている。CD−DAの場合、75フレームで1秒を構成する。サンプリング周波数が44.1kHz、16ビット・ステレオ・サンプリングデータの場合、1秒間のデータは176400(44100×4)バイトである。従って、1フレームのデータは、2352(176400/75)バイトである。最初はPCM再生バッファ44には再生すべきPCMデータが無いため、音声を再生できない。音声再生が可能な状態にするために、以下のステップST1〜ST11に示す準備処理を行う。
<ステップST1>
本実施の形態においては、再生開始点からK秒分(K × 75フレーム)の音楽データをPCM再生バッファ44に準備することで再生可能状態となる。Kは好ましくは任意の自然数である。このPCM再生バッファ44にK秒分の音楽データを準備する処理のうち、再生制御部20による処理については、既に図4のフローチャートを参照して説明した通りである。つまり、PCMデータ先読み処理においては、マイコン通信制御部37および50を介してデータ生成部21に対してデータの要求を開始する(ステップS80)。
なお、データ要求信号i2は、アルバム番号、トラック番号、読み出し開始フレーム番号、読み出しフレーム数等の対象の音楽データを特定する情報で構成される。アルバム番号およびトラック番号は、対応する音楽を一意に定義する必要はなく、記憶装置15において対象の曲ファイルの位置を特定できればよい。この場合、PCM再生データバッファ10にはデータは格納されておらず、また、圧縮音声データの先頭からの再生であるために、読み出しデータは、たとえばアルバム番号1、トラック番号1、読み出し開始フレーム番号:0フレーム、および読み出しフレーム数1として要求される。
<ステップST2>
データ生成部21のメディア管理部51は、データ要求信号i2を受けると、要求されたトラック(MP3ファイル)が未だオープンされていない場合、トラック(MP3ファイル)をオープンし、データ読み出しに備える。
<ステップST3>
一方、データ生成部21が受け取る開始フレーム番号は実時間指定であるため、これをMP3フレームに換算する。図10に示すように、実時間基準でm番目のフレームに該当するMP3データのフレーム番号nとの間には、「n=m×(44100/75)/S」という関係がある。ただし、Sは、MP3データ1フレームあたりのサンプル数であり、サンプリング周波数44.1kHzであれば1152サンプル、サンプリング周波数48kHzであれば1058サンプル、サンプリング周波数32kHzであれば、1586サンプルである。この場合、実時間でpフレームのデータはMP3換算では、p×(44100/75)/S+1フレームに相当する。そのために、実時間でpフレームのデータを得るためには、MP3フレームをp×(44100/75)/S + 1フレーム分デコードする必要がある。このようなPCMフレーム数からMP3フレーム数への変換は、フレーム変換部56で処理される。
<ステップST4>
データ生成部21は、MP3換算後のフレーム数と、トラック先頭(ヘッダを除くMP3ファイル先頭)からのバイト数をフレームオフセット管理テーブル70に新規登録する。MP3の1フレーム目は、オフセット値が0であることは明らかであるが、2フレームのオフセット値は1フレーム目のデータサイズによって決まる。MP3のフレームサイズはそのフレームのMPEG形式(バージョン)やビットレート、サンプリング周波数等によって決まるが、いずれも各フレームデータの先頭にあるフレームヘッダを解析する必要がある。このようなフレームオフセット登録・参照処理はフレームオフセット管理部57で処理される。
<ステップST5>
データ生成部21は、ファイルから先頭フレームヘッダを読み出し、フレームサイズを計算して次のフレーム番号とオフセット値をフレームオフセット管理テーブル70に登録するとともに、先頭フレームデータ(圧縮音声データ)をデコーダ入力側データ列バッファ71に読み出して、デコーダ14にデコードを指示する。
<ステップST6>
デコーダ14は、デコーダ入力側データ列バッファ71に格納されているフレームデータ(圧縮音声データ)をPCMデータに変換し、デコーダ出力側データ列バッファ72に展開する。
<ステップST7>
2フレーム目も同様に、3フレーム目のオフセット値をフレームオフセット管理テーブル70に登録して、2フレーム目のフレームデータをデコーダ入力側データ列バッファ71に読み出して、デコーダ14にデコードを指示する。
<ステップST8>
デコーダ14は、デコーダ入力側データ列バッファ71に格納されている2フレーム目のフレームデータ(圧縮音声データ)をデコードして得られるPCMデータをデコーダ出力側データ列バッファ72に展開する。
<ステップST9>
データ生成部21は、上述のステップST3における換算結果に基づいて、デコーダ出力側データ列バッファ72上に展開されたデータから再生制御部20が要求しているデータのみを切り出して、再生管理部20に転送する。つまり、デコーダ出力側データ列バッファ72に展開されるデータは、ステップST3で換算されたフレーム数を元に展開したデータである。それゆえに、再生制御部20の要求データ量に対して余分なデータがあるため、PCMデータを切り出す必要がある。
図11に、上述のデータ切り出しを模式的に示す。図11において、上段にはMP3データストリームが模式的に示され、下段にはデコード後のPCMデータが模式的に示されている。なお、説明の便宜上、図11におけるMP3データストリームおよびデコード後のPCMデータをそれぞれ、デコード前MP3データDbおよびデコード後PCMデータDaと識別する。
デコード前MP3データDbのnフレームからn+fフレームまでが展開されてデコード後PCMデータDaが生成される。なお、デコード後PCMデータDaはフレームのデータ量が固定であるため、切り出しポイントX−Yは一意に決まり、この部分を切り出して再生制御部20に転送する。なお、デコード後PCMデータDaから切り出させた部分を切り出しPCMデータDと識別する
<ST10>
1フレーム分のデータを受けた再生制御部20では、これをPCM再生バッファ44の先頭に配置し、次のフレームをアルバム番号1、トラック番号1、読み出し開始フレーム番号:1フレーム、および読み出しフレーム数1として要求する。
<ST11>
再生制御部20は、受け取ったデータが前回受け取ったデータに連続するようにPCM再生バッファ44上に配置していく。このような操作を、75回繰り返すと、PCM再生バッファ44には1秒分のデータが蓄積されて再生が可能となる。
本実施の形態においては、再生制御およびPCMデータ生成処理、および再生処理はそれぞれ独立した並列処理として実行される。ステップST1〜ST11による準備処理は、音声再生装置SRAの電源を入れた直後、あるいは記憶装置15で記録媒体を認識した直後から処理の開始が可能である。よって、実際にユーザの再生開始命令により即時再生を開始できる。なお、説明の便宜上再生管理部20がデータを受けとった後に次のデータ要求を行うように記述している。しかしながら、連続再生の場合には、このような処理では即時再生に間に合わないため、データの要求と、データの展開はタスクを分離するなど、双方独立した処理として待ち時間が発生しないようにしている。
次に、圧縮音声データ列からなる曲途中からの即時再生の方法について説明する。
ユーザは先ず、即時再生を行う即時再生開始ポイントを指定する。即時再生開始ポイントは曲の再生位置が設定したいポイントに到達した時点で再生開始ポイント設定ボタン6を押すことで設定される。PCM補助バッファ管理部35が再生開始ポイント設定ボタン6の押下を検値した時点で、再生地点から、たとえば3秒分のデータがPCM補助バッファ41にコピー(複写)される。同時に、オフセット情報がデータ生成部21に対して要求される。なお、PCM補助バッファ41は不揮発性の着脱可能な記録媒体でもよい。
図12に、要求を受けた時点でのデータ生成部21のフレームオフセット管理テーブル70の状態を示す。同図において、符号s1はn番フレームのフレームサイズを表し、s2はn+1番フレームのフレームサイズを表し、s3はn+2番フレームのフレームサイズを表している。つまり、フレームオフセット管理テーブル70には、再生位置より先読みされたデータを先頭に、オフセットとフレーム番号の対が履歴として蓄積されている。
要求を受けたPCMデータ生成部21のフレームオフセット管理部57は、フレームオフセット管理テーブル70を参照して要求フレーム番号のオフセット値を取得する。取得したオフセット値は再生制御部20に返される。オフセット値を受け取った再生制御部20のPCM補助バッファ管理部35は、先にコピーした3秒分の先頭データとアルバム、トラック、フレーム数、およびオフセット値をセットでPCM補助バッファ41に記録して設定処理が完了される。
一方、アルバム、トラック、フレーム数、およびオフセット値をセットとした設定情報は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリに記録しておけば、音声再生装置SRAの電源を切っても設定内容を別途呼び出すことができる。また、不揮発性メモリがメモリカードのような着脱可能な可搬性メモリ媒体であれば、これに記録しておけば、同じ構成を持つ他の装置でも設定内容を呼び出して利用できる。さらに、上記の各データを、記憶装置15の複数の記憶媒体、たとえばCDごとに記憶しておけば、CDを変えても、次回の再生時に参照することができる。
しかしながら、音声再生装置SRAの電源を切った場合や記録媒体を交換した5−場は、即時再生開始ポイント近傍の再生用PCMデータはバッファ上からは破棄されてしまう。そこで、前述の再生準備処理と同様に電源投入直後、あるいは記録媒体を検出した直後からPCM補助バッファ41にPCMデータを準備しておく。
図13に示すフローチャートを参照して、上述のPCM補助バッファ41にPCMデータを準備する方法について説明する。動作が開始されると、先ず、
ステップS100において、即時再生開始ポイント設定が済んでいるか否かが判断される。具体的には、PCM補助バッファ管理部35はUI処理部31が保持する即時再生開始ポイント(頭出し)設定情報を参照し、即時再生開始ポイント設定の有無を判定する。即時再生開ポイント設定が成されていれば、Yesと判断されて、制御は次のステップS101に進む。
ステップS101において、補助バッファが準備済みであるか否かが判断される。具体的には、該当する即時再生開始ポイント近傍の再生用PCMデータがPCM補助バッファ41に残っているかどうかを判断する。残っていなければNo、つまり補助バッファは準備されていないと判断されて、制御は次のステップS102に進む。
ステップS102において、準備すべきPCMデータ断片のフレームが確定される。そして、制御は次のステップS103に進む。
ステップS103において、ステップS102において確定されたフレームが要求される。具体的には、先に記憶しているアルバム、トラック、フレーム数、およびオフセット値からなる設定情報を伴ってデータ生成部21に対してデータが要求される。そして、制御は次のステップS104に進む。
ステップS104において、ステップS103において要求されたフレームの音声データが取得される。なお、データ生成部21に対してオフセット値を提供することで、データ生成部21は目的のフレームまで一気にシークすることができ、データ切り出しまでの時間を短縮することができる。そして、制御は次のステップS105に進む。
なお、上述のステップS100においてNo、そしてステップS101においてYesと判断される場合、それぞれ制御はステップS105に進む。
ステップS105において、頭出し開始要求があるか否かが判断される。要求がある場合にはYesと判断されて、制御は後述のS110に進む。一方、要求がある場合には、Yesと判断されて、制御は次のステップS106に進む。
ステップS106において、データ生成部21が切り出したPCMデータ断片がPCM補助バッファ41_1〜41_αのいずれかに格納される。そして、準備処理が完了する。
次に、図14に示すフローチャートを参照して、上述の如く設定された再生ポイントをユーザが指定して即時再生開始させる方法について説明する。ユーザが再生開始ポイント呼び出しボタン5を押すと、UI処理部31がボタンの押下を検値し、再生制御部20のPCM補助バッファ管理部35に頭出し再生要求として通値する。そして、頭出し再生要求に応答して、PCM補助バッファ管理部35による再生処理が開始される。
先ず、ステップS110において、PCM補助バッファ41は準備済みであるか否かが判断される。具体的には、PCM補助バッファ41_1〜41_αの何れかにPCMデータが格納されているかが判定される。PCMデータが格納されていればYes、つまり準備がされていると判断される。そして、制御は次のステップS111に進む。
ステップS111において、再生要求に対応するPCMデータがPCM補助バッファから読み出されて、PCM再生バッファ44に書き戻(複写)される。そして、制御は次のステップS112に進む。
ステップS112において、再生処理回路8に対して、再生開始点のRAMアドレスが伝えられて、PCM再生バッファ44に書き戻されているPCMデータの先頭からの再生が指示される。なお、同時に、設定されているアルバム、トラック、フレーム数、およびオフセット値がデータ生成部21に伝えられる。そして、処理は終了される。
次に、図15に示すフローチャートを参照して、PCMフレームデータの要求に応答して、データ生成部21によって実行される処理について説明する。PCMフレームデータの要求を受けると、
ステップS120において、データ生成部52は、メディア管理部51が管理する記録媒体情報に基づいて、解析処理を分岐させる。本例においては、再生中の記録媒体の内容に応じて、MP3、CDDA、或いはAACの処理に分岐される。なお、紙面の都合上、本例においては、MP3である場合について以下に説明するが、その処理内容は基本的にCDDA或いはAACにおいても同様である。よって、制御は、次のステップS121に進む。
ステップS121において、フレーム変換処理が行われる。具体的には、フレーム変換部56は再生制御部20が要求する読み出し開始フレーム数(実時間フレーム)をMP3フレーム換算する。そして、制御は次のステップS122に進む。
ステップS122において、デコードを開始するフレーム番号が確定される。具体的には、デコードを開始するフレームとして、数フレーム前のフレーム番号が決定される。つまり、上述のように、MP3データの現フレームデータは、先頭から順にデコードすることで、連続した音声データを得ることができるように構成されている。また、ビットリザーバにより、目的のフレームのデータが前フレームデータに含まれる場合がある。そのために、連続したPCMデータを得るためにデコード処理とビットリザーバを考慮して数フレーム手前からデコードするものである。
なお、ステップS122におけるデコード開始フレームの確定についてより詳細に説明する。前の音声データに連続するようなPCMデータを切り出すためには、該当するMP3フレームの2フレーム前からデコードすれば十分である。さらにビットリザーバ処理のためには、最大512バイト分のデータを前フレーム以前に遡れば良い。なお、遡るフレーム数(p)はサンプリング周波数により異なり、例えば44.1kHzであれば8フレーム遡ることでリザーブデータが全て取得できる。目的のフレーム数から遡るフレーム数を(p)とする。この場合、(p)は10(2+8)となる。このようにして、デコード開始フレームが確定すれば、制御は次のステップS123に進む。
ステップS123において、オフセット情報が登録済みであるか否かが判断される。具体的には、フレームオフセット管理部57がフレームオフセット管理テーブル70に対して、読み出し開始フレームを検索する。なお、曲途中からの頭出し再生時については、曲先頭からの再生ではないので、登録されていない場合がほとんどである。登録されていない場合はNo判断されて、制御はステップS124に進む。
ステップS124おいて、目的のフレームの最も近傍のフレームオフセット値(i)が取得される。なお、紙面の都合上、図面においては、フレームオフセット値(i)を(i)と表している。そして、制御は次のステップS125に進む。
ステップS125において、フレームオフセット値(i)までシークする。そして、ステップS126において、フレームオフセット値(i)よりフレームヘッダがよみだされる。そして、ステップS127において、読み出されたフレームヘッダが解析されて、フレームサイズ(s1)が取得される。
ステップS128において、フレームオフセット値(i)に基づいて、対応する1フレームのデータフレームサイズ(s1)が読み出される。ステップS129において、次のフレーム先頭(つまり、(i)=(i)+s1)が登録される。そして、ステップS130において、次のフレームオフセット値(i)として、フレームオフセット値(i)+フレームサイズ(s1)がセットされる。
ステップS131において、次フレームが目的フレームであるか否かが判断される。次フレームが目的フレームであると判断されるまで、制御は上述のステップS126にもどる。このようにして、ステップS126〜sq131における処理を繰り返して、フレーム先頭に到達するまでフレームを1つずつ読み進める。
一方、上述のステップS123でYes、つまり登録されている場合は、制御はステップS134に進む。
ステップS134において、フレームオフセット値(j)として、フレームオフセット値(i)がセットされる。そして、制御はステップS132に進む。
ステップS132において、目的フレームのオフセット値(j)が取得される。なお、紙面の都合上、図面においては、フレームオフセット値(j)を(j)と表している。そして、制御は次のステップS133に進む。
ステップS133において、フレームオフセット値(j)までシークする。そして制御は、上述のステップS126〜S131をスキップして、ステップS140に進む。つまり、曲途中からの頭出し再生時については、曲先頭からの再生ではないので、登録されていない場合がほとんどである。このため、再生制御部20から通値される開始フレームと、該フレームのオフセット値をフレームオフセット管理テーブル70に新規登録し、同時に該フレームのオフセット値まで一気にシークする。
上術の処理の結果、コード開始フレームの先頭までファイルポインタが移動した後に、
ステップS140において、n=0がセットされる。そして、制御は次のステップS141に進む。
ステップS141においては、n<pであるか否かが判断される。今回は、直前のステップSS140において、n=0とセットされているので、Yesと判断される。そして、制御は次のステップS142に進む。
ステップS142において、オフセット値(j)に基づいて、対応するフレームヘッダが読み出される。そして、制御は次のステップS143に進む。
ステップS143において、読み出されたフレームヘッダが改正されて、フレームサイズ(s2)が取得される。そして、制御は次のステップS144に進む。
ステップS144において、オフセット値(j)に基づいて、対応する1フレームのデータが読み出される。そして、制御は次のステップS145に進む。
ステップS145において、リザーブデータが切り出される。なお、切り出されたリザーブデータはダミーフレームバッファに格納される。そして、制御は次のステップS146に進む。
ステップS146において、ステップS129において、フレームオフセット値(j)が登録される。そして、ステップS146において、フレームオフセット値(j)として、フレームオフセット値(j)+フレームサイズ(s2)がセットされる。そして、ステップS148において、n=n+1がセット(1でインクリメント)されて、制御は上述のステップS141に進む。そして、nが(p)と等しくなった時点で、ステップS1141でNoと判断される。そして、制御はステップS150に進む。
このように、上述のステップS140〜S148を繰り返すことにより、ダミーフレーム生成部58はフレームを1つずつ(p)フレームまで読み進め。そして、同時に各フレームから得られるリザーブデータを切り出してダミーフレームバッファに集約する(ステップS145)。 そして、(p)フレームまで読み進めて(ステップS141でNo)、リザーブデータが全て集約される。
そして、ステップS150において、ROM13に予め構成しておいたサンプリング周波数毎の無音MP3エンコードデータの後端に、集約したリザーブデータを配したダミーフレームが生成される。そして、制御は次のステップS160に進む。
ステップS160において、デコード指示がされて、以降、必要フレーム分が順次デコードされる。そして、制御は終了する。
図16を参照して、ダミーフレーム生成を含むデコード入力データ列の概念をについて説明する。目的のPCMデータを得るためには、計算上はQフレームからデコードすればよい。しかしながら、デコーダを破綻させず、かつ連続したPCMデータを得る場合ためには、その2フレーム前のP1フレーム、および1フレーム前のP2フレームを順にデコードする必要がある。さらにP1フレームのリザーブデータを矛盾なく処理するため、最大512バイト分のデータを前フレーム以前にさかのぼって読み出し、これを、無音区間を含むP0のようなフレームに集約し、デコード制御部59がP0、P1、P2の順にデコード指示すればよい。なお、同図において、P0フレームは、P1フレームのビットリザーバ考慮した補助フレームであり、前半部は無音データであり、後半部はP1のメインフレームのデータを集約したものである。
なお、デコーダ14は、順にPCMデータに変換し、デコーダ出力側データ列バッファ72に展開する。PCMデータ転送制御部60は再生制御部20が要求するPCMデータフレームを切り出して再生制御部20に転送する。
以上のように、本実施の形態においては、データ格納手段であるPCM再生バッファ44に格納したデジタルサンプリングデータの両端に記憶装置の記録媒体からデジタルサンプリングデータを供給することにより、回転操作子1の回転に従って順方向、逆方向に任意の速度で連続して音声を再生することができる。
なお、記憶装置15における記録媒体はCD−ROMとして例示したが、CD−ROMの他に光磁気ディスク、ハードディスクや半導体記憶装置でも差し支えない。
以上説明したように本発明の構成によれば、音声データおよび圧縮音声データの再生速度を自由に変化させて発音することができ、また、あらかじめ指定しておいた任意の再生開始点から即時再生を開始し、任意の速度で順方向、逆方向の連続した再生を行える音声データ再生装置が実現できる。また該装置を実現するためには、アクセス速度の速いRAM等の一時記憶素子の容量は数Mバイト程度あればよく、比較的安価に構成することが可能である。また、圧縮音声データの利用により楽曲あたりの記憶装置容量を削減できるため、再生装置の小型化が期待できる。このような特徴を持つ装置は、DJ用機材はもとより、映像や音声のリニア編集用機材や効果音生成機材などに利用できる。また一般家庭用オーディオ機材に組み込めば音声データの自由な編集を手軽に楽しむことができる。このように本発明の構成による音声データ再生装置は産業上の利用可能性の高いものである。
本発明の実施の形態に係る音声再生装置として構成されたデジタルターンテーブルのブロック図 図1に示した再生制御部におけるRAMの内部記憶領域の説明図 図1に示した再生制御部における再生制御マイコンのソフトウェア機能を階層的に表す図 図1に示した音声再生装置による、再生準備処理の動作を表すフローチャート 図1に示した音声再生装置による、再生定常状態における再生制御処理の動作を表すフローチャート 図2に示したPCM再生バッファの状態の説明図 図1に示したデータ生成部におけるデータ生成マイコンの機能ブロック図 図1に示したデータ生成部におけるRAMの内部記憶領域の説明図 図1に示したデータ生成部におけるROMの内部記憶領域の説明図 本発明における、MP3換算の説明図 本発明における、MP3データとPCMデータ切り出し量の関係の説明図 図8に示したRAMにおける、フレームオフセット管理テーブル70の説明図 本発明における、即時頭出し再生準備の動作を表すフローチャート 本発明における、即時頭出し再生制御処理の動作を表すフローチャート 本発明における、PCMデータ生成処理の動作を表すフローチャート 本発明における、デコード対象フレームの説明図
符号の説明
1 回転操作子
2 速度センサ
3 速度検出回路
4 表示・操作盤
5 再生開始ボタンまたは再生開始ポイント呼び出しボタン
6 再生開始ポイント設定ボタン
7 再生制御マイコン
8 再生処理回路
9 RAM
10 DAC
11 データ生成マイコン
12 RAM
13 ROM
14 デコーダ
15 記憶装置
20 再生制御部
21 データ生成部
31 UI処理部
32 操作子速度演算部
33 再生データ管理部
34 再生速度制御部
35 PCM補助バッファ管理部
36 PCM再生バッファ管理部
37 再生制御部側マイコン通信制御部
41 PCM補助バッファ1
42 PCM補助バッファ2
43 PCM補助バッファ3
44 PCM再生バッファ
50 データ生成部側マイコン通信制御部
51 記録媒体管理部
52 データ生成部
53 CD−MP3解析部
54 CD−DA解析部
55 メモリカード解析部
56 フレーム変換部
57 フレームオフセット管理部
58 ダミーフレーム生成部
59 デコード制御部
60 PCMデータ転送制御部
70 フレームオフセット管理テーブル
71 デコーダ入力側データ列バッファ
72 デコーダ出力側データ列バッファ
73 ダミーフレームバッファ
i1 回転速度データ
i2 データ要求コマンド/レスポンス信号
i3 PCMデータ
Sa 音声信号

Claims (9)

  1. 圧縮音声データを記録する記録媒体と、
    圧縮音声データを実時間デジタルサンプリングデータに変換するデコード手段と、
    前記実時間デジタルサンプリングデータの第1の断片を一時的に格納するデータ格納手段と、
    前記第1の断片の両端でデータの連続性を保持する実時間デジタルサンプリングデータの第2の断片を前記記録媒体の中から記録位置を特定して読み出すデータ読み出し手段と、
    前記データ格納手段に格納された第1の断片を時系列で順方行あるいは逆方向に可変速で再生する再生手段とを備え、
    前記データ格納手段に格納されている第1の断片の両端でデータの連続性を保持するように、前記データ読み出し手段と前記デコード手段を用いて前記第2の断片を前記データ格納手段に供給すると共に、前記再生手段を用いて一連の前記圧縮音声データを任意の速度で順方向と逆方向に連続して再生することを特徴とする音声再生装置。
  2. 前記再生手段は波形演算処理を行うことを特徴とする、請求項1に記載の音声再生装置。
  3. 前記第1の断片は、前記データ読み出し手段により前記記録媒体から読み出される可変ビットレートフレームによって構成される圧縮音声データ断片であることを特徴とする請求項1に記載の音声再生装置。
  4. 実時間における任意の再生開始点を設定する操作手段を備える請求項1に記載の音声再生装置。
  5. 所定の実時間における再生開始点からの再生開始を指示する操作手段を備える請求項1に記載の音声再生装置。
  6. 前記実時間デジタルサンプリングデータの前記再生開始点の近傍の第2の断片を、再生待機中に前記データ読み出し手段を用いて前記データ格納手段に読み出しておき、当該第2の断片を再生開始の指示に応答して即時に前記再生手段を用いて再生することを特徴とする、請求項5に記載の音声再生装置。
  7. 前記再生手段が前記データ格納手段に格納された、前記実時間サンプリングデータの第2の断片の再生を終了するまでに、当該第2の断片の両端でデータの連続を保持するような、前記実時間デジタルサンプリングデータの第3の断片を前記データ読み出し手段により前記データ格納手段に格納することを特徴とする請求項6に記載の音声再生装置(SRA)。
  8. 前記データ読み出し手段が特定する前記第1の断片の記録位置を再生する記録媒体毎に一時的に記憶しておいて次回再生開始時に参照できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の音声再生装置。
  9. 前記データ読み出し手段が特定する前記第2の断片の記録位置を、再生する記録媒体毎に不揮発性の着脱可能な記憶媒体に記憶しておいて次回再生開始時に参照できることを特徴とする請求項1に記載の音声再生装置。
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