JP2006002784A - 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

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伸二 安原
Shigeo Kamamoto
繁夫 鎌本
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Abstract

【課題】 多角形振動を抑え、これにより、騒音の要因を除去することができる動力伝達チェーンを提供する。
【解決手段】 動力伝達チェーン1は、前後に並ぶ貫通孔12,13を有する複数のリンク11と、一のリンク11の前貫通孔12と他のリンク11の後貫通孔13とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク11同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン14および複数のインターピース15とを備えている。ピン14とインターピース15との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされかつインボリュートの基礎円半径が異なる2種類のピン14A,14Bが形成されている。基礎円半径が大きいピン14Aの接触位置h1は、基礎円半径が小さいピン14Bの接触位置h2よりも低くなされている。
【選択図】 図9

Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンおよびこれを用いた動力伝達装置に関する。
自動車用無段変速機として、図14に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、前後に並ぶ貫通孔を有する複数のリンクと、一のリンクの前貫通孔と他のリンクの後貫通孔とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前貫通孔に固定されかつ他のリンクの後貫通孔に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前貫通孔に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後貫通孔に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされているものが提案されている。
特開平8−312725号公報
上記特許文献1の動力伝達チェーンは、チェーンが連続体でないことから生じる多角形振動を抑制し、これを使用する無段変速機の騒音の低減が図られているが、例えばこれが搭載される自動車の静粛性を高めて快適性を向上するには、さらなる騒音低減が好ましい。
そこで、例えば、2種類の異なる形状を有する第1ピンおよび第2ピンの組を形成し、これらの組をランダムに配列することにより、騒音の低減を図ることが考えられる。しかしながら、ピン形状を変更すると、それに応じてピンが嵌め入れられる貫通孔の形状を変更することが必要となり、前後それぞれの貫通孔について、第1の組に対応したものと第2の組に対応したものとが必要であり、結局、4種類のリンクが必要となって、コストがアップするという問題がある。
この発明の目的は、多角形振動をより抑え、これにより、騒音の要因を除去することができ、しかも、コストアップを抑えることができる動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンは、前後に並ぶ貫通孔を有する複数のリンクと、一のリンクの前貫通孔と他のリンクの後貫通孔とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前貫通孔に固定されかつ他のリンクの後貫通孔に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前貫通孔に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後貫通孔に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンにおいて、第1ピンと第2ピンとの接触位置の軌跡が円のインボリュートとされかつインボリュートの基礎円半径が異なる2種類の第1ピンおよび第2ピンの組が形成され、一方の組のインボリュート基礎円半径をr1、他方の組のインボリュート基礎円半径をr2、インボリュート基礎円半径がr1の組の位相θaにおけるピン同士の接触点の半径方向位置をh1、インボリュート基礎円半径がr2の組の位相θaにおけるピン同士の接触点の半径方向位置をh2として、r1>r2で、h1<h2とされていることを特徴とするものである。
相対的に転がり接触移動するピン同士の接触位置の軌跡を円のインボリュート曲線とするには、例えば、一方のピンの接触面が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、他方のピンの接触面が平坦面(断面形状が直線)とすればよい。ピン同士の接触位置の軌跡は、両方のピンの接触面がともに曲面であっても円のインボリュート曲線とすることができ、この場合には、両方のピンの断面形状が同一とされることが好ましい。
ピン同士の接触点は、ピンがチェーンの直線部分から曲線部分に移行する際に変化し、h1およびh2を求めるときの所定の位相θaとしては、例えば、プーリとの噛み込み位置が選択される。また、ピン同士の接触点の半径方向位置の基準は、リンクの下端面またはプーリの回転中心とすればよい。
2種類のピンの組の数は、同数またはほぼ同数であってもよいが、一方が他方の2倍程度であったり5倍程度であったりしてもよい。そして、異なる基礎円半径のピンの組(したがって接触位置が異なるピンの組)は、ランダムに配列される。このようにすると、チェーンのプーリ進入時にチェーンを持ち上げようとするモーメント力がランダムとなることにより、ピンの進入角がランダムとなる。また、チェーン直線状態においても、モーメント力がランダムに作用する。
リンクの貫通孔は、同孔に嵌め入れられるピンの基礎円半径によらずに、実質的に同一形状とされていることが好ましい。「実質的に同一」は、すべての貫通孔形状が、通常の方法で同一形状に製作しようとしたときに生じる誤差範囲内にあることを意味する。両ピンの接触点の半径方向位置を同じにしたまま、基礎円半径を変更すると、それに応じて貫通孔形状を変更することが必要となるが、基礎円半径の変更と同時に両ピンの接触点の半径方向位置を適切に変更することにより、貫通孔形状を変えることなく、基礎円半径を変更することが可能となる。これにより、ランダム配列とするのに、リンクの種類を増加する必要がなく、コストアップが防止される。
ピッチが異なる2種類のリンクが形成されており、これらのリンクがランダムに配列されていることが好ましい。ピッチは、貫通孔同士の間隔を意味し、貫通孔の形状は同一のまま貫通孔同士の間隔を変えることによって、異なるピッチのリンクを得ることができる。リンク自体の大きさは、ピッチに応じて変えてもよいし、変えなくてもよい。2種類のピッチ(リンク)の数は、同数またはほぼ同数であってもよいが、一方が他方の2倍程度であったり5倍程度であったりしてもよい。また、ピンの組の数と対応するようにその数を決めてもよいし、また、ピンの組の数とは無関係にその数を決めてもよい。
上記において、異なる形状のピンの組および異なるピッチのリンクをランダムに配列するに際しては、同じ形状で連続するピンの組の数または同じ形状で連続するリンクの数を素数とするとともに、次の4つの条件が少なくとも1つ(好ましくは2以上)満たされているようにすることが好ましい。
A)任意の点を基準として±5%の範囲内に同種要素の配列数が現れない。
B)最大度数の配列数が、存在する最小度数の配列数の3倍以上とならない。
C)異種要素を含む同種要素連続配列数の種類が3種を超える。
D)60°以下の配列パターンの回転対称性を持つ部分が全体の50%を超えない。
この明細書において、「ランダム配列」とは、狭義には、上記4つの条件の少なくとも1つが満たされていることを意味するが、例えば、abbabbという配列を1カ所にだけ設け、これ以外の箇所について、A)が成り立っている場合もランダム配列と見なされるべきであり、「ランダム配列」には、各要素が全体にわたって周期性または規則性なく並んでいるものはもちろんのこと、全体の中のごく一部にだけ周期性または規則性を持たせたものも含まれるものとする。
第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では「インターピース」と称す)とされる。
そして、リンクの前貫通孔は、ピンが固定されるピン固定部およびインターピースが移動可能に嵌め入れられるインターピース可動部からなり、リンクの後貫通孔は、ピンが移動可能に嵌め入れられるピン可動部およびインターピースが固定されるインターピース固定部からなるものとされる。前後貫通孔は、結合されて1つの孔とされてもよい。
なお、この明細書において、リンクの長さ方向の一端側を前、同他端側を後としているが、この前後は便宜的なものであり、リンクの長さ方向が前後方向と常に一致することを意味するものではない。
この発明による動力伝達チェーンは、いずれか一方のピン(インターピース)が他方のピン(ピン)よりも短くされ、長い方のピンの端面が無段変速機のプーリの円錐状シーブ面に接触し、この接触による摩擦力により動力を伝達するものであることが好ましい。各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無段変速機のシーブ面間距離したがってチェーンの巻き掛け半径が変化し、スムーズな動きで無段の変速を行うことができる。
この発明による動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備えたもので、動力伝達チェーンが上記いずれかに記載のものとされる。
この動力伝達装置は、自動車の無段変速機としての使用に好適なものとなる。
この発明の動力伝達チェーンによると、各組のピンのインボリュート基礎円半径が異なることにより、チェーンのプーリ進入時にチェーンを持ち上げようとするモーメント力がランダムとなることにより、ピンの進入角がランダムとなり、同じ基礎円半径とすることに伴って生じる所定周波数におけるピークレベルを確実に所定値以下に低減することができるので、多角形振動による共振を回避することができ、これにより、チェーンに起因する騒音を大幅に低減することができる。しかも、接触位置が異なるピンの組がランダムに配列されることで、チェーン直線状態においても、モーメント力がランダムに作用し、より大きな騒音低減効果が得られる。
また、r1>r2で、h1<h2とすることで、インボリュート基礎円半径が異なっていても、ピン同士の接触位置の軌跡がほぼ等しくなり、ピンに応じてリンクの貫通孔形状を変える必要がなく、リンクの種類の増加すなわちコストアップを伴うことなく、上記効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、図3の左を前、右を後というものとする。
図1および図2は、この発明による動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後貫通孔(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。
図3に示すように、前貫通孔(12)は、ピン(14)(実線で示す)が固定されるピン固定部(12a)およびインターピース(15)(二点鎖線で示す)が移動可能に嵌め入れられるインターピース可動部(12b)からなり、後貫通孔(13)は、ピン(14)(二点鎖線で示す)が移動可能に嵌め入れられるピン可動部(13a)およびインターピース(15)(実線で示す)が固定されるインターピース固定部(13b)からなる。そして、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前貫通孔(12)と他のリンク(11)の後貫通孔(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の前貫通孔(12)に固定されかつ他のリンク(11)の後貫通孔(13)に移動可能に嵌め入れられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の前貫通孔(12)に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンク(11)の後貫通孔(13)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の接触面(14a)が、図4に示すように、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)の接触面(15a)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から円弧部分へまたは円弧部分から直線部分へと移行する際、前貫通孔(12)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(12b)内を固定状態のピン(14)に対してその接触面(15a)がピン(14)の接触面(14a)に転がり接触(厳密には若干のすべり接触を含む転がり接触(転がり滑り接触)となっている)しながら移動し、後貫通孔(13)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその接触面(14a)がインターピース(15)の接触面(15a)に転がり接触(厳密には若干のすべり接触を含む転がり接触(転がり滑り接触)となっている)しながらピン可動部(13a)内を移動する。なお、図3において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がこの明細書におけるピッチとされている。
このような動力伝達チェーン(1)では、図5に示すピンの運動軌跡に伴う多角形振動が生じる。図5において、ピン(四角印で示す)が直線部分からプーリと接触する円弧状部分に移行する噛込位置においては、プーリの接線方向とピン進入方向とが異なっており(これらの方向同士のなす角が進入角)、ピンは下降しながらプーリと接触する。プーリと接触する際のピンの下降量が初期噛込位置変化量として示されている。直線部分にあるピンも噛込位置におけるピンの下降の影響を受けて上下移動し、この上下移動量が振幅となる。このようなピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じる。
ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされていることにより、ピンおよびインターピースの接触面がともに円弧面である場合などと比べて、上記の振幅を小さくすることができる。しかしながら、この構成であっても、リンク(11)、ピン(14)およびインターピース(15)を1種類とし、振動軽減対策を行わなかった場合、図6に示すように、大きな音圧レベルのピークが生じ、これが人間には騒音として感じられる。したがって、接触位置の軌跡が円のインボリュートとされているものにおいても、多角形振動のより一層の減少が望まれている。
そこで、この発明による動力伝達チェーンにおいては、すべてのリンク(11)、ピン(14)およびインターピース(15)が同一形状になされているのではなく、多角形振動による共振を回避するために、図7に示すように、異なる基礎円半径R1またはR2を有する2種類のピン(14A)(14B)およびインターピース(15A)(15B)の組が使用されており、好ましくは、さらに、図8に示すように、異なるピッチP1またはP2のリンク(11A)(11B)が使用されている。なお、図7において、基礎円半径がR2のピン(14B)の形状は、基礎円半径R1のピン(14A)と形状が違うことを示すために描かれたもので、実際の形状とは相違している。
この発明による動力伝達チェーン(1)では、従来、図11(c)に示すように、すべてのリンク、ピンおよびインターピースが同じピッチP1で同じ基礎円半径R1を有しているのに対し、図11(a)に示すように、図7に示した2種類のピン(14A)(14B)を使用し、ピッチP1はすべて同じとされるとともに、第1組のピン(14A)のインボリュートの基礎円半径がR1であれば、第2組のピン(14B)のインボリュートの基礎円半径がR2、第3組のピン(14B)のインボリュートの基礎円半径がR2、第4組のピン(14A)のインボリュートの基礎円半径がR1というように、基礎円の大きさが変更されしかも不規則な順で(ランダムに)配列されている。
基礎円の半径が異なるピン(14A)(14B)およびインターピース(15A)(15B)の組を2種類製作するには、例えば、ピン(14A)の接触面(14a)を半径R1の基礎円を持つインボリュート形状に、ピン(14B)の接触面(14a)を半径R2の基礎円を持つインボリュート形状に形成し、インターピース(15A)(15B)は、その接触面(15a)が平坦面のもの1種類とすればよい。ピン(14A)(14B)とインターピース(15A)(15B)とはその断面形状を逆にしてもよく、ピンとインターピースとの接触位置の軌跡が円のインボリュートとなりかつピンとインターピースとが同じ断面形状を有するようにしてもよい。
より好ましくは、図11(b)に示すように、図8に示した2種類のリンク(11A)(11B)と図7に示した2種類のピン(14A)(14B)および1種類のインターピース(15)とを使用し、第1のリンク(11A)のピッチがP1であれば、第2のリンク(11B)のピッチがP2、第3のリンク(11B)のピッチがP2、第4のリンク(11A)のピッチがP1というように、ピッチの大きさが変更されしかも不規則な順で(ランダムに)配列される。この動力伝達チェーン(1)を製作するには、ピン(14A)の接触面(14a)を半径R1の基礎円を持つインボリュート形状に、ピン(14B)の接触面(14a)を半径R2の基礎円を持つインボリュート形状に形成し、貫通孔(12)(13)の形状は同一のまま貫通孔(12)(13)同士の間隔(したがってピッチ)が異なるリンク(11A)(11B)を2種類製作し、これらの2種類のリンク(11A)(11B)と2種類のピン(14A)(14B)とを適宜組み合わせて連続させていけばよい。
さらに、この発明による動力伝達チェーン(1)においては、異なる基礎円半径を有する2種類のピン(14A)(14B)を使用するに際し、図9に示すように、リンク(11)の形状については、その前後貫通孔(12)(13)形状が、同孔(12)(13)に嵌め入れられるピン(14A)(14B)のインボリュート基礎円半径によらずに、同一とされるとともに、ピン(14A)(14B)とインターピース(15)とが接触する位置が異なるように形成されている。
図9において、同図(a)に示す一方のピン(14A)のインボリュート基礎円半径をr1、同図(b)に示す他方のピン(14B)のおよびインボリュート基礎円半径をr2、インボリュート基礎円半径がr1のピン(14A)・インターピース(15A)の組の位相θ=θa(例えば、プーリの噛み込み位置)におけるピン(14A)・インターピース(15A)接触点の半径方向位置(リンクの下端面からの高さ)をh1(θa)、インボリュート基礎円半径がr2のピン(14B)・インターピース(15B)の組の位相θ=θaにおけるピン(14B)・インターピース(15B)接触点の半径方向位置をh2(θa)として、r1>r2で、h1(θa)<h2(θa)とされている。具体的数値は、例えば、r1=70mm、r2=51mm、h1=4.17mm、h2=4.47mmとなる。
図10に示すように、インボリュート軌跡は、基礎円半径を変更するとこれに伴って変更し、インボリュート曲線長さは、基礎円半径が大きいほど大きくなる。したがって、基礎円半径が大きいものについては、リンク(11)の貫通孔(12)(13)の高さを高くする必要があるが、r1>r2で、h1<h2という条件を満たすことにより、貫通孔(12)(13)の形状を変えることなく、異なる基礎円半径の組を得ることができる。
上記実施形態の動力伝達チェーン(1)によると、接触位置の軌跡をインボリュート曲線とすることにより、図12に示すように、ピン(14A)(14B)およびインターピース(15)がプーリ(2)に噛み込まれても同図に一点鎖線で示す直線Lの方向にチェーン(1)が引き続けられることにより、噛み込む位置と噛み込み後の移動によるチェーン(1)の多角形振動を最小限に抑えることができる。そして、ピン(14A)(14B)とインターピース(15)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされかつインボリュートの基礎円半径が異なる2種類のピン(14A)(14B)およびインターピース(15)の組が設けられるとともに、これらのピン(14A)(14B)およびインターピース(15)の組がランダムに配列されているものでは、打音発生の周期がずれ、音のエネルギが異なる周波数帯に分散されるので、音圧レベルのピークを低減することができる。また、接触点の半径方向位置が異なるピン(14A)(14B)の組がランダムに配列されることで、チェーン直線状態においても、モーメント力がランダムに作用し、より大きな騒音低減効果が得られる。さらに、ピッチが異なる2種類のリンク(11A)(11B)もランダムに配列されているものでは、より一層、音圧レベルのピークを低減することができる。こうして、図6における鋭いピークは、その音のエネルギが異なる周波数帯へ分散させられることで、大幅に低減され、人間が感じる騒音が減少する。
なお、図12において、チェーンの曲線部の中心を原点、チェーンの直線部の方向をX軸、これに直交する方向をY軸、原点と転がり接触中心とを結ぶ線とY軸とのなす角(位相)をθとする。また、チェーン直線時でのピンとインターピースとの接触部を原点とし、チェーン直線方向をx軸、これに直交する方向をy軸とし、チェーン曲線部のピンとインターピースの接触位置におけるピン接線方向とy軸のなす角をγとすると、円のインボリュート曲線は、基礎円の半径をRbとして、次の式で与えられる。
x=Rb・(sinγ−γ・cosγ)
y=Rb・(cosγ+γ・sinγ)−Rb
上記の動力伝達チェーンは、図14に示したCVTで使用されるが、この際、図13に示すように、インターピース(15)がピン(14)よりも短くされ、インターピース(15)の端面がプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。ピン(14)とインターピース(15)とは、上述のように、転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの一部を示す平面図である。 図2は、同拡大斜視図である。 図3は、同拡大側面図である。 図4は、接触面の基礎円半径を説明する図である。 図5は、ピンの運動軌跡を示す図である。 図6は、等ピッチ配列を採用したときの音圧レベルを示すグラフである。 図7は、異なる形状のピンがランダムに配列された一例を示す図である。 図8は、異なる形状のリンクがランダムに配列された一例を示す図である。 図9は、この発明による動力伝達チェーンのピン形状およびリンク形状を示す図である。 図10は、インボリュート曲線に基づく接触位置の軌跡と基礎円半径との関係を示す図である。 図11は、この発明による動力伝達チェーンのピッチおよび基礎円半径とランダム配列の一例を示す図である。 図12は、この発明による動力伝達チェーンの噛み込み前後のピンの状態を示す図である。 図13は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図14は、この発明による動力伝達チェーンが使用される一例の無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(2a)(3a) 固定シーブ
(2b)(3b) 可動シーブ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(11)(11A)(11B) リンク
(12)(13) 貫通孔
(14)(14A)(14B) ピン(第1ピン)
(15)(15A)(15B) インターピース(第2ピン)

Claims (4)

  1. 前後に並ぶ貫通孔を有する複数のリンクと、一のリンクの前貫通孔と他のリンクの後貫通孔とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前貫通孔に固定されかつ他のリンクの後貫通孔に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前貫通孔に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後貫通孔に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンにおいて、第1ピンと第2ピンとの接触位置の軌跡が円のインボリュートとされかつインボリュートの基礎円半径が異なる2種類の第1ピンおよび第2ピンの組が形成され、一方の組のインボリュート基礎円半径をr1、他方の組のインボリュート基礎円半径をr2、インボリュート基礎円半径がr1の組の位相θaにおけるピン同士の接触点の半径方向位置をh1、インボリュート基礎円半径がr2の組の位相θaにおけるピン同士の接触点の半径方向位置をh2として、r1>r2で、h1<h2とされていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. リンクの貫通孔は、同孔に嵌め入れられるピンの基礎円半径によらずに、実質的に同一形状とされている請求項1の動力伝達チェーン。
  3. ピッチが異なる2種類のリンクが形成されており、これらのリンクがランダムに配列されている請求項1または2の動力伝達チェーン。
  4. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項1から3までのいずれかに記載のものである動力伝達装置。
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