JP5211609B2 - 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

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Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンおよび動力伝達装置に関する。
自動車用無段変速機として、図8に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、騒音および振動を低減するために、リンクのピッチ長、ピンの転がり接触面形状、ピンのプーリ面との接触位置(オフセット量)などを2種類以上とすることが提案されている。
特開2006−242374号公報
上記特許文献1に示されている動力伝達チェーンでは、ピッチ長が異なる複数のリンクおよび形状が異なるピンを組み合わせることによって騒音を低減することができるが、ピッチ長ランダムとピン形状ランダムとの組合せに伴って、隣り合うリンク同士の屈曲角についても種々の大きさのものが出現することになり、最大屈曲角が大きいものは、耐久性においては不利なものとなり得る。
この発明の目的は、ピッチ長とピン形状とのランダム配列の中から、最大屈曲角に着目して好ましくないものを排除することで、騒音だけでなく耐久性も向上させた動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供することにある。
この発明は円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリとに掛け渡される動力伝達チェーンであって、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の屈曲が可能とされるとともに、第2ピンのチェーン幅方向の長さが第1ピンのチェーン幅方向の長さよりも短くなされて、第1ピンがプーリに接触して動力を伝達するようになされ、ピッチ長が異なるリンクとピン形状が異なる第1ピンとが組み合わされてランダムに配列されているものにおいて、ピッチ長に関しては、ピッチ長小のリンクL1およびピッチ長大のリンクL2の2種類があり、第1ピンのピン形状に関しては、チェーン幅方向の長さが長いピン(または転がり接触面の曲率半径が大きいピン)P1およびチェーン幅方向の長さが短いピン(または転がり接触面の曲率半径が小さいピン)P2の2種類があり、次に示す配列のうちの少なくとも1つが排除されていることを特徴とするもので、排除すべき配列は、(L1,P2)の組合せのチェーン進行方向すぐ後に(L1,P2)の組合せが来た場合に(L2,P2)が続く配列、(L2,P2)の組合せのチェーン進行方向すぐ後に(L1,P2)の組合せが来た場合に(L2,P2)が続く配列、(L1,P2)の組合せのチェーン進行方向すぐ後に(L2,P1)の組合せが来た場合に(L1,P2)が続く配列および(L1,P1)の組合せのチェーン進行方向すぐ後に(L2,P2)が続く配列とされている。
リンクのピッチ長2種類(L1およびL2)とピン形状2種類(P1およびP2)とを組み合わせる場合、(L1,P1),(L1,P2),(L2,P1)および(L2,P2)の4種類の組合せがあり、従来のランダム配列は、「ランダム」という点から、各組合せの後には、4種類全てが現れるような配列がよいと考えられていた。しかしながら、隣り合うリンク同士の最大屈曲角を考えると、これが大きいものは、耐久性に不利な要因となるので、単純にランダム配列とすることは、耐久性にとって不利な配列を出現させる可能性がある。例えば、(L1,P1)を基準とすると、これに続く組合せとして、(L1,P1),(L1,P2),(L2,P1)および(L2,P2)があり、どの組合せが続くかで騒音レベルや耐久性能が変化する可能性があるにもかかわらず、従来、このような連続の組合せは考慮されていなかった。
この発明による動力伝達チェーンでは、最大屈曲角に着目して、好ましくない組合せが後に続くことを排除することで、騒音の低減だけでなく耐久性の向上が図られている。
すなわち、ピッチ長に関して、ピッチ長小のリンクをL1、ピッチ長大のリンクをL2とし、第1ピンのピン形状に関しては、チェーン幅方向の長さが長いピンかまたは転がり接触面の曲率半径が大きいピンをP1、チェーン幅方向の長さが短いピンかまたは転がり接触面の曲率半径が小さいピンをP2とし、それらの配列に関し、例えば、(L1,P1)の組合せのチェーン進行方向すぐ後には、(L2,P2)の組合せが避けられている(言い換えると、(L1,P1)の組合せのチェーン進行方向すぐ後には、残る3種類の組合せである(L1,P1)の組合せ、(L1,P2)の組合せおよび(L2,P1)の組合せのいずれかが来るようになされている。)。
リンクおよびピンをランダム配列した場合に、隣り合うリンク同士の相対回転角(屈曲角)を求めると、例えば、図5(b)に示すものとなる。同図において、相対回転角が大きくなっているのが、(L1,P1)の組合せのチェーン進行方向すぐ後に(L2,P2)の組合せが来た箇所である。これ以外の箇所では、(L1,P1)の組合せのチェーン進行方向すぐ後に(L2,P2)の組合せが来ていないことから、(L1,P1)の組合せのチェーン進行方向すぐ後に(L2,P2)の組合せが来ることを排除することで、最大屈曲角を低減できることが分かる。
この解析結果に基づいて、最大屈曲角が大きくなる箇所を調べると、上記組合せ以外に、(L1,P2)の組合せのチェーン進行方向すぐ後に(L1,P2)の組合せが来た場合に(L2,P2)の組合せが続く組合せ、(L2,P2)の組合せのチェーン進行方向すぐ後に(L1,P2)の組合せが来た場合に(L2,P2)が続く組合せおよび(L1,P2)の組合せのチェーン進行方向すぐ後に(L2,P1)の組合せが来た場合に(L1,P2)が続く組合せにおいても、最大屈曲角が大きくなることが判明し、これに基づいて、上記の条件が抽出されている。
ここで排除するべきとして挙げられている組合せは、全部で4つあり、これら4つ全てが排除されることが最良であるが、少なくとも1つの組合せを排除すれば、従来のものに比べて、耐久性を向上させることができる。4つの組合せのうちの1つだけでなく、少なくとも2つまたは少なくとも3つを排除することがより好ましいのはもちろんのことである。
なお、上記排除すべき配列をなくすには、(L2,P2)の組合せを(L1,P1)などに置き換えてももちろんよいが、その順序だけを変更することでも排除すべき配列から外れるようにすることができる。
リンクのピッチ長が2種類とされることで、打音発生の周期がずれて、音圧レベルのピークが低減される。ピンの長さについては、これが2水準とされることで、プーリに接触する位置が2水準となり、音圧レベルのピークが低減される。また、第1ピンおよび第2ピンの転がり接触面形状については、第1ピンと第2ピンとの接触位置の軌跡がインボリュート曲線とされかつそのインボリュートの基礎円半径が2水準とされることで、音圧レベルのピークが低減される。ピンに関しては、チェーン幅方向の長さが長いピンをP1、チェーン幅方向の長さが短いピンをP2とした場合と、転がり接触面の曲率半径が大きいピンをP1、転がり接触面の曲率半径が小さいピンをP2とした場合とで同様の効果を得ることができる。第1ピンおよび第2ピンは、通常、いずれか一方の転がり接触面が平坦面とされ、他方の転がり接触面が相対的に転がり接触移動可能なインボリュート曲面に形成される。ただし、第1ピンおよび第2ピンは、それぞれの接触面が所要の曲面に形成されるようにしてもよい。
第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部の前側部分に設けられたピン固定部に固定されかつ他のリンクの後挿通部の前側部分に設けられたピン可動部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部の後側部分に設けられたピン可動部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部の後側部分に設けられたピン固定部に固定されていることが好ましい。
ピン固定部へのピンの固定は、例えば、機械的圧入によるピン固定部内縁とピン外周面との嵌合固定とされるが、これに代えて、焼き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。嵌合固定は、ピン固定部の長さ方向に対して直交する部分の縁(上下の縁)で行われるのが好ましい。この嵌合固定の後、予張力付与工程において予張力が付与されることにより、リンクのピン固定部(ピン圧入部)に均等にかつ適正な残留圧縮応力が付与される。
この発明による動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
なお、この明細書において、リンクの長さ方向の一端側を前、同他端側を後としているが、この前後は便宜的なものであり、リンクの長さ方向が前後方向と常に一致することを意味するものではない。
上記の動力伝達チェーンは、いずれか一方のピン(インターピース)が他方のピン(ピン)よりも短くされ、長い方のピンの端面が無段変速機のプーリの円錐状シーブ面に接触し、この接触による摩擦力により動力を伝達するものであることが好ましい。各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無段変速機のシーブ面間距離したがってチェーンの巻き掛け半径が変化し、スムーズな動きで無段の変速を行うことができる。
この発明による動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備えたもので、動力伝達チェーンが上記に記載のものとされる。
この動力伝達装置は、自動車等の車両の無段変速機としての使用に好適なものとなる。
この発明の動力伝達チェーンおよび動力伝達装置によると、ランダム配列を基本としながら、最大屈曲角に着目して、好ましくない組合せが後に続くことを排除することで、耐久性の点からも配列の適正化が図られており、これにより、使用するリンクおよびピンの形状を変更することなく、その配列の変更だけで、騒音の低減および耐久性の向上が実現されている。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図2の上下をいうものとする。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)(21)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)(21)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者は、インターピース(15)が前側に、ピン(14)が後側に配置された状態で対向させられている。
この発明の動力伝達チェーン(1)では、リンク(11)(21)については、図2に示したリンク(11)と図3に示したリンク(21)との2種類が使用されており、ピン(14)の断面形状については、図4(a)に示したものと図4(b)に示したものとの2種類が使用されている。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
図2および図3に示すように、リンク(11)(21)の前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。
各ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向の幅が広くなされており、インターピース(15)の上下縁部には、各ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)(21)を連結するに際しては、一のリンク(11)(21)の前挿通部(12)と他のリンク(11)(21)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)(21)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)(21)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)(21)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)(21)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)(21)の前挿通部(12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)(21)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
リンク(11)(21)のピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、インターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、インターピース固定部(17)とピン可動部(16)との境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(17)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の転がり接触面(14a)が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート曲線とされ、インターピース(15)の転がり接触面(15c)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)(21)がチェーン(1)の直線領域から曲線領域へまたは曲線領域から直線領域へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその転がり接触面(14a)がインターピース(15)の転がり接触面(15c)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)内を移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(19)内を固定状態のピン(14)に対してその転がり接触面(15c)がピン(14)の転がり接触面(14a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。
この動力伝達チェーン(1)では、ピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされていることにより、ピンおよびインターピースの接触面がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
より一層の騒音および振動の低減のためには、形状が異なる2種類以上のリンク(11)(21)やピン(14)をランダムに配列することが好ましく、これにより、打音発生の周期がずれて、音のエネルギーが異なる周波数帯に分散され、音圧レベルのピークが低減される。
図2および図3において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線領域においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチ長である。図2のリンク(11)に対して、AB間の距離(ピッチ長)を大きくしたものが、図3のリンク(21)となっており、リンク(11)(21)については、ピッチ長大のものと小のものとが使用されている。
図4において、ピン(14)のインボリュート曲線の半径Rbについて、図4(a)に示すインボリュート曲線の半径Rbが大きいものと図4(b)に示すインボリュート曲線の半径Rbが小さいものとの2種類が使用されている。これら2種類のピン(14)は、図2のピッチ長が小さいリンク(11)および図3のピッチ長が長いリンク(21)のいずれにも挿通可能であり、リンク(11)のピッチ長2種類(以下では、ピッチ長小を「L1」、ピッチ長大を「L2」とする)とピン形状2種類(以下では、Rb大を「P1」、Rb小を「P2」とする)とを組み合わせることで、(L1,P1),(L1,P2),(L2,P1)および(L2,P2)の4種類の組合せが可能となっている。
従来のランダム配列は、上記4種類のランダム配列とされており、各組合せの後には、4種類の組合せの全てが現れるような配列がよいと考えられていた。しかしながら、隣り合うリンク同士の最大屈曲角を考えると、最大屈曲角が大きいものは、耐久性低下の要因となり得るので、単純にランダム配列とすることは、騒音および耐久性を含めて考えた場合、最適でない可能性がある。そこで、最大屈曲角に着目して、以下のようにして、好ましくない組合せが後に続くことを排除することで、騒音の低減だけでなく耐久性の向上が図られている。
図5(a)は、従来の配列の1例を示すもので、(L1,P2)の組合せの後に、4種類全ての組合せが現れている。この従来の配列の隣り合うリンク(11)(21)同士の相対回転角(屈曲角)を求めたのが、図5(b)に示されている。図5(b)において、相対回転角が大きくなっているのは、(L1,P1)の組合せの後に(L2,P2)の組合せが続いた箇所である。これ以外の箇所では、(L1,P1)の組合せの後には、(L2,P2)の組合せ以外の(L1,P1)の組合せ、(L1,P2)の組合せまたは(L2,P1)の組合せが続いており、この解析結果から、(L1,P1)の組合せの後に(L2,P2)の組合せが続くことを排除することで、最大屈曲角大のものを減らすことができることが分かる。
このような観点から、更に解析を行って、最大屈曲角大となる組合せをチェックすると図6(a)(b)(c)に示した配列の箇所で図5(b)に示したのと同様の相対回転角度大となることが分かった(解析結果の図示は省略)。すなわち、これらの配列をなくすことで、耐久性に不利な要因である最大屈曲角を低減できることが分かる。なお、図6(a)(b)(c)に示した配列は、この順序で続いた場合に最大屈曲角が大きくなることから、2番目の組合せと3番目の組合せの順序を変更するだけでも、最大屈曲角大となることを解消することができる。
なお、上記においては、第1ピンのピン形状について、転がり接触面の曲率半径が大きいピンP1および転がり接触面の曲率半径が小さいピンP2を例示しているが、チェーン幅方向の長さが長いピンおよびチェーン幅方向の長さが短いピンの2種類を使用する場合でも、長いピンをP1、短いピンをP2とすることで、上記と同様の屈曲角低減効果を得ることができる。
この動力伝達チェーン(1)は、図8に示すV型プーリ式CVTで使用されるが、この際、図7に示すように、プーリ軸(2e)を有するプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)にインターピース(15)の端面が接触しない状態で、ドライブピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。
実線で示した位置にあるドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)を固定シーブ(2a)に対して接近・離隔させると、ドライブプーリ(2)における巻き掛け径は、同図に鎖線で示すように、接近時には大きく、離隔時には小さくなる。ドリブンプーリ(3)では、図示省略するが、その可動シーブがドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)とは逆向きに移動し、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が大きくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が小さくなり、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が小さくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が大きくなる。この結果、変速比が1:1である状態(初期値)を基準にして、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最小で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最大であるU/D(アンダードライブ)状態が得られ、また、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最大で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最小のO/D(オーバードライブ)状態が得られる。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、リンク、ピンおよびインターピースの基準形状を示す拡大側面図である。 図3は、異なるピッチ長のリンクの形状を示す拡大側面図である。 図4は、異なる形状のピンを示す拡大側面図である。 図5(a)は、従来の配列の1例を示し、図5(b)は、この従来の配列の相対回転角についての解析結果を示している。 図6(a)(b)(c)は排除すべき配列を示す表である。 図7は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図8は、無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(2a)(3b) 固定シーブ
(2b)(3a) 可動シーブ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(11) リンク(ピッチ長小のリンク)
(12) 前挿通部
(13) 後挿通部
(14) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)
(21) リンク(ピッチ長大のリンク)

Claims (3)

  1. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリとに掛け渡される動力伝達チェーンであって、
    ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の屈曲が可能とされるとともに、第2ピンのチェーン幅方向の長さが第1ピンのチェーン幅方向の長さよりも短くなされて、第1ピンがプーリに接触して動力を伝達するようになされ、ピッチ長が異なるリンクとピン形状が異なる第1ピンとが組み合わされてランダムに配列されているものにおいて、
    ピッチ長に関しては、ピッチ長小のリンクL1およびピッチ長大のリンクL2の2種類があり、第1ピンのピン形状に関しては、チェーン幅方向の長さが長いピンP1およびチェーン幅方向の長さが短いピンP2の2種類があり、次に示す配列のうちの少なくとも1つが排除されていることを特徴とする動力伝達チェーン。
    (L1,P2)の組合せのチェーン進行方向すぐ後に(L1,P2)の組合せが来た場合に(L2,P2)が続く配列、(L2,P2)の組合せのチェーン進行方向すぐ後に(L1,P2)の組合せが来た場合に(L2,P2)が続く配列、(L1,P2)の組合せのチェーン進行方向すぐ後に(L2,P1)の組合せが来た場合に(L1,P2)が続く配列および(L1,P1)の組合せのチェーン進行方向すぐ後に(L2,P2)が続く配列。
  2. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリとに掛け渡される動力伝達チェーンであって、
    ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の屈曲が可能とされるとともに、第2ピンのチェーン幅方向の長さが第1ピンのチェーン幅方向の長さよりも短くなされて、第1ピンがプーリに接触して動力を伝達するようになされ、ピッチ長が異なるリンクとピン形状が異なる第1ピンとが組み合わされてランダムに配列されているものにおいて、
    ピッチ長に関しては、ピッチ長小のリンクL1およびピッチ長大のリンクL2の2種類があり、第1ピンのピン形状に関しては、転がり接触面の曲率半径が大きいピンP1および転がり接触面の曲率半径が小さいピンP2の2種類があり、次に示す配列のうちの少なくとも1つが排除されていることを特徴とする動力伝達チェーン。
    (L1,P2)の組合せのチェーン進行方向すぐ後に(L1,P2)の組合せが来た場合に(L2,P2)が続く配列、(L2,P2)の組合せのチェーン進行方向すぐ後に(L1,P2)の組合せが来た場合に(L2,P2)が続く配列、(L1,P2)の組合せのチェーン進行方向すぐ後に(L2,P1)の組合せが来た場合に(L1,P2)が続く配列および(L1,P1)の組合せのチェーン進行方向すぐ後に(L2,P2)が続く配列。
  3. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリとに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項1また2の動力伝達装置。
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