JPH0849732A - 変速機の同期装置 - Google Patents

変速機の同期装置

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JPH0849732A
JPH0849732A JP6206048A JP20604894A JPH0849732A JP H0849732 A JPH0849732 A JP H0849732A JP 6206048 A JP6206048 A JP 6206048A JP 20604894 A JP20604894 A JP 20604894A JP H0849732 A JPH0849732 A JP H0849732A
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JP
Japan
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synchronizer
rotating body
balls
synchronized
spline
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Application number
JP6206048A
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English (en)
Inventor
Shinichi Takamura
伸一 高村
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Publication of JPH0849732A publication Critical patent/JPH0849732A/ja
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D23/00Details of mechanically-actuated clutches not specific for one distinct type
    • F16D23/02Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches
    • F16D23/04Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches with an additional friction clutch
    • F16D23/06Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches with an additional friction clutch and a blocking mechanism preventing the engagement of the main clutch prior to synchronisation
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16D2023/0681Double cone synchromesh clutches

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 テーパーコーン部での引摺りを慣性質量体に
作用する遠心力で有効に解消し、かつ慣性質量体が接触
することによるフレッティング摩耗を防止する。 【構成】 クラッチハブ20に隣接して配置されたスプ
ラインピース23,24のうちシンクロナイザリング3
0側の側面に開口しかつ開口部側ほど回転中心から離れ
る傾斜孔40,41がスプラインピース23,24に形
成され、この傾斜孔40,41の内部にシンクロナイザ
リング30の側面に当接するボール42,43が移動自
在に収容されている。ボール42,43とシンクロナイ
ザリング30とが相対回転するからフレッティング摩耗
が防止され、またボール42,43を大径化できるの
で、遠心力に基づく軸線方向力が大きくなってテーパー
コーン部38,39での引摺りを確実に防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両用の変速機、特
に手動変速機で使用されている同期装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】車両用手動変速機に用いられている同期
装置の基本的な構造を説明すると、図4は実開平3−1
15221号公報に記載されているシングルコーンタイ
プの同期装置であり、回転軸1にクラッチハブ2がスプ
ライン嵌合され、このクラッチハブ2を挟んだ左右両側
に被同期歯車3,4が回転自在に配置されている。これ
らの被同期歯車3,4のクラッチハブ2側の部分には、
スプラインピース5,6がスプライン嵌合されている。
さらにこれらのスプラインピース5,6のうちクラッチ
ハブ2側に延びたボス部の外周部にテーパーコーン部
7,8が形成されており、これらのテーパーコーン部
7,8にシンクロナイザリング9,10が軸線方向へ所
定寸法、移動可能に嵌合されている。そしてクラッチハ
ブ2の外周部に、ハブスリーブ11が軸線方向へのみ移
動可能に係合しており、このハブスリーブ11の内周側
の両端部にチャンファが形成されるとともに、前記各シ
ンクロナイザリング9,10の外周にチャンファが形成
され、さらに前記各スプラインピース5,6の外周部に
ハブスリーブ11と係合するスプラインが形成されてい
る。
【0003】上記の同期装置においては、ハブスリーブ
11をいずれか一方の被同期歯車3,4側に移動させる
と、それに伴いシンクロナイザリング9,10が図示し
ないキーに押されてスプラインピース5,6側に移動す
る。その結果、シンクロナイザリング9,10がテーパ
ーコーン部7,8によってスプラインピース5,6と係
合し、同期回転し始める。ハブスリーブ11のチャンフ
ァとシンクロナイザリング9,10のチャンファとが接
触した後、ハブスリーブ11を更に移動させると、ハブ
スリーブ11はシンクロナイザリング9,10のチャン
ファを押し分けて前進し、スプラインピース5,6のス
プラインと係合する。
【0004】同期装置におけるシンクロナイザリング
9,10は、ハブスリーブ11を被同期歯車3,4側の
スプラインピース5,6に係合させる際に作用するもの
であり、図4に示すニュートラル状態あるいは図示しな
い歯車で所定の変速段を設定している状態では、シンク
ロナイザリング9,10はクラッチハブ2と共に停止し
ている。しかるにシンクロナイザリング9,10をクラ
ッチハブ2側に移動させる強制力が作用していない場合
には、テーパーコーン部7,8を介してスプラインピー
ス5,6と係合することがあり、このような状態では、
シンクロナイザリング9,10がクラッチハブ2と共に
停止しているのに対して、スプラインピース5,6が回
転しているので、テーパーコーン部7,8で滑りが生
じ、ここに滑り摩擦が発生する。このような摩擦が引摺
りトルクを生じさせ、動力損失の要因や潤滑油の昇温、
シンクロナイザリングの寿命低下の要因になり、また接
触時のステックスリップによりシンクロナイザリングが
おどって異音を発生させる原因にもなる。
【0005】そこで図4に示す従来の同期装置では、ク
ラッチハブ2うちハブスリーブ11を係合させている箇
所の裏面側すなわち内周面に、軸線方向の両端部から中
心部に向けて次第に半径が増大するテーパ面12,13
を形成する一方、シンクロナイザリング9,10には半
径方向に沿う孔14,15を形成し、これらの孔14,
15に慣性質量体であるボール16,17を移動自在に
収容し、このボール16,17が遠心力によって外周側
に突出するように構成している。
【0006】したがってハブスリーブ11が係合してい
ないスプラインピース5,6側のシンクロナイザリング
9,10は、前記ボール16,17が遠心力によって外
周側に押し出されることにより、ボール16,17がク
ラッチハブ2のテーパ面12,13に沿って軸線方向で
の中心側へ移動しようとするので、スプラインピース
5,6から離れる方向に付勢され、テーパーコーン部
7,8での滑りが解消される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の同期装
置は、ボール16,17に作用する遠心力をテーパ面1
2,13によって軸線方向力に変換し、その軸線方向力
によってシンクロナイザリング9,10を復帰移動させ
るよう構成したものであるが、クラッチハブ2と各シン
クロナイザリング9,10とは相対回転しないうえに、
各ボール16,17は極めて狭い面積でテーパ面12,
13に接触することになるから、この接触部分にフレッ
ティング摩耗が生じるおそれがある。
【0008】またボール16,17を保持させているシ
ンクロナイザリング9,10は、軸線方向に移動する小
さい部品であるから、これに保持させることのできるボ
ール16,17は質量の小さい小型のものとせざるを得
ず、しかもクラッチハブ2に形成することのできるテー
パ面12,13のテーパ角は、クラッチハブ2の強度を
確保するうえから大きい角度とすることが困難である。
したがって上記従来の同期装置においては、シンクロナ
イザリング9,10を復帰移動させるに充分な軸線方向
力を発生させることが困難であり、実用に供するには未
だ改善するべき余地が多分にあった。
【0009】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たもので、シンクロナイザリングと被同期回転体との間
の引摺りトルクを解消するための復帰移動力を充分大き
くすることが容易であり、またフレッティング摩耗の発
生するおそれのない変速機の同期装置を提供することを
目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、ハブスリーブを係合させる被同期回
転体に遠心力によってシンクロナイザリング側に突出す
る慣性質量体を保持させ、この慣性質量体に作用する遠
心力によってシンクロナイザリングを復帰移動させるよ
う構成したことを特徴とするものである。より具体的に
は、この発明は、回転部材に取り付けられたクラッチハ
ブの外周部に、ハブスリーブが軸線方向にのみ移動可能
に係合され、前記ハブスリーブの軸線方向への移動によ
ってハブスリーブに係合する被同期回転体がクラッチハ
ブに隣接しかつ前記回転部材に対して回転自在に配置さ
れ、この被同期回転体もしくは該被同期回転体と一体に
回転する部材に接近することに伴って前記被同期回転体
もしくは該被同期回転体と一体に回転する部材との間で
トルク伝達されるシンクロナイザリングが配置された変
速機の同期装置において、前記被同期回転体に保持され
かつ遠心力が作用することによって前記シンクロナイザ
リング側に移動してシンクロナイザリングを前記被同期
回転体から離れる方向に押圧する慣性質量体を備えてい
ることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】この発明においては、被同期回転体が回転する
と、これに保持させた慣性質量体に遠心力が作用し、遠
心力を受けた慣性質量体はシンクロナイザリング側に向
けて移動する。その結果、慣性質量体がシンクロナイザ
リングの側面を被同期回転体から離れる方向に押圧す
る。そのためシンクロナイザリングは被同期回転体との
係合が解消され、両者の間でトルク伝達する部分におけ
る摩擦すなわち引摺りトルクが解消される。
【0012】そしてシンクロナイザリングと被同期回転
体とは相対回転するから、慣性質量体がシンクロナイザ
リングの側面に当接することによるフレッティング摩耗
が防止される。また被同期回転体はシンクロナイザリン
グに比較して大きい部品であるから、これに保持させ得
ることのできる慣性質量体を大型のものとすることがで
き、その結果、シンクロナイザリングを復帰移動させる
軸線方向力を必要十分に大きな力とすることができる。
【0013】
【実施例】つぎにこの発明を実施例に基づいて詳細に説
明する。図1および図2においてクラッチハブ20とそ
の左右に位置する高速ギヤ21および低速ギヤ22と
が、図示しない回転軸に嵌合されており、クラッチハブ
20はその回転軸にスプライン嵌合されるとともに、各
ギヤ21,22は回転軸に対して回転自在に取り付けら
れている。また各ギヤ21,22には、クラッチハブ2
0側に突出したボス部が形成されており、ここにスプラ
インピース23,24がそれぞれスプライン嵌合されて
いる。このスプラインピース23,24はこの発明にお
ける被同期回転体であって、これらは各ギヤ21,22
と一体的に形成されていてもよく、あるいは圧入嵌合さ
れていてもよい。
【0014】クラッチハブ20の外周部の複数箇所に
は、キー25が軸線方向へ前後動するよう装着されてお
り、さらにその外周側には、軸線方向の両端部にチャン
ファを形成したハブスリーブ26が、クラッチハブ20
と一体回転しかつ軸線方向に前後動し得るよう取り付け
られている。なお、前記キー25はその外周側に設けら
れた一対のキースプリング27によってクラッチハブ2
0から脱落しないように保持されている。
【0015】図1および図2に示す同期装置は、いわゆ
るトリプルコーンタイプのものであって、シンクロナイ
ザインナーリング(以下、単にインナーリングと記す)
28,29と、シンクロナイザミドルリング(以下、単
にミドルリングと記す)30,31と、シンクロナイザ
アウターリング(以下、単にアウターリングと記す)3
2,33との3つのシンクロナイザリングが、クラッチ
ハブ20と各スプラインピース23,24との間に配置
されている。すなわち各スプラインピース23,24に
は、クラッチハブ20側に突出したボス部が形成されて
おり、ここにインナーリング28,29が軸線方向に移
動可能にそれぞれ嵌合されている。
【0016】そしてこのボス部とインナーリング28,
29との間には、インナーリング28,29がスプライ
ンピース23,24側に移動した際に互いに密着嵌合す
るテーパーコーン部34,35が形成されている。また
ミドルリング30,31は、内外周両側をテーパ面とし
た環状の部材であって、インナーリング28,29の外
周側に軸線方向に移動可能に嵌合されており、またこの
ミドルリング30,31はスプラインピース23,24
と一体回転するようスプラインピース23,24に係合
されている。そしてインナーリング28,29の外周面
とミドルリング30,31の内周面との間に、軸線方向
への移動によって互いに係合するテーパーコーン部3
6,37が形成されている。さらにアウターリング3
2,33は、ミドルリング30,31の外周側に軸線方
向へ前後動し得るように嵌合されており、このアウター
リング32,33の外周側には、前記ハブスリーブ26
のチャンファと対向するチャンファが一定間隔に形成さ
れている。
【0017】このアウターリング32,33は、クラッ
チハブ20と一体回転するようにクラッチハブ20に係
合しており、またアウターリング32,33とインナー
リング28,29とは、アウターリング32,33のう
ち内周側に延びた部分に、インナーリング28,29に
形成した突起部を係合させることにより、両者一体とな
って回転するように構成されている。そしてアウターリ
ング32,33とミドルリング30,31との間には、
軸線方向への移動によって互いに係合するテーパーコー
ン部38,39が形成されている。
【0018】そして前記スプラインピース23,24の
うちアウターリング32,33に対向する箇所には、ア
ウターリング32,33側に開口した傾斜孔40,41
が、円周方向に一定間隔をあけて複数個形成され、これ
らの傾斜孔40,41に慣性質量体であるボール42,
43がそれぞれ移動自在に収容されている。ここで各傾
斜孔40,41は、ボール42,43に遠心力が作用し
た場合にボール42,43をスプラインピース23,2
4側に案内するための孔であって、回転中心からの寸法
が開口部側で大きくなるように、すなわち回転中心から
遠くなるように軸線方向に対して傾斜して形成されてい
る。なお、このような案内作用は、傾斜孔40,41の
内面のうちスプラインピース23,24の半径方向での
外側に位置する面で生じるので、この部分が図に示すよ
うに傾斜していれば、傾斜孔40,41の全体が特に傾
斜している必要はない。さらにまた傾斜孔40,41の
開口部はアウターリング32,33の側面に対向してお
り、したがってボール42,43はアウターリング3
2,33の側面に当接するように構成されている。
【0019】なおここでボール42,43の直径は、ス
プラインピース23,24とアウターリング32,33
との間の最大距離、すなわちアウターリング32,33
がスプラインピース23,24から最も離れた場合の両
者の隙間の寸法以上とすることが好ましく、このように
すればボール42,43が傾斜孔40,41から抜け落
ちることが防止される。また傾斜孔40,41の長さ
は、アウターリング32,33が軸線方向に移動するの
で、その移動を許容できるようにボール42,43を後
退させる長さであることが必要であり、ボール42,4
3がアウターリング32,33を押してスプラインピー
ス23,24から最も遠ざかった位置からボール42,
43が後退し得る長さに設定する。
【0020】つぎに上述した同期装置の作用について説
明すると、図1は、ニュートラル状態あるいは他の歯車
によって変速段が設定されている状態を示しており、ハ
ブスリーブ26はいずれのスプラインピース23,24
とも係合していない。したがってクラッチハブ20およ
びこれをスプライン嵌合させてある回転軸が停止してお
り、これに対して低速ギヤ21および高速ギヤ22が回
転している。これらのギヤ21,22とスプラインピー
ス23,24とは一体化されているから、スプラインピ
ース23,24も回転しており、その結果、スプライン
ピース23,24の傾斜孔40,41に収容してあるボ
ール42,43には遠心力が作用している。したがって
ボール42,43は、傾斜孔40,41の内面に沿って
半径方向で外側に移動し、その結果、傾斜孔40,41
の開口部と対向しているアウターリング32,33の側
面に当接している。すなわちアウターリング32,33
をボール42,43がスプラインピース23,24から
離れる方向に押圧しており、したがってアウターリング
32,33とミドルリング30,31との間のテーパー
コーン部38,39での係合が解除され、この部分での
滑りは生じない。
【0021】ここで、遠心力および軸線方向に作用する
各荷重について図3を参照して説明すると、ボール4
2,43に作用する遠心力FB は FB =(4πr3 /3)×ρ×R×ω2 で表される。なお、この式でrはボールの半径、ρはボ
ール1個当たりの比重、Rは各ボールの公転半径(回転
軸中心からボールの中心までの距離)、ωはスプライン
ピースの回転角速度である。この遠心力FB に基づいて
生じる軸線方向力が、車両の振動などによってアウター
リングをスプラインピース側に押す力FSより大きけれ
ば、アウターリング32,33のスプラインピース側へ
の移動(あるいはおどり)を防止することができ、これ
は FS <FB sinθ・cosθ×N である。なお、θは傾斜孔の傾斜角度、Nはスプライン
ピースごとのボールの数である。したがって傾斜孔の角
度をある程度大きくすることにより、アウターリング3
2,33のスプラインピース23,24側への移動を阻
止し、またアウターリング32,33のいわゆるおど
り、およびそれに起因する異音や摩耗を防止することが
できる。なお、ボール42,43の遠心力に基づく軸線
方向力は、ハブスリーブ26の移動を阻止する方向に作
用するから、傾斜孔40,41の角度を大きくするとし
ても、それに伴って生じる軸線方向力が、シフト操作力
の上限あるいは片側シンクロ時のギヤ抜け荷重の上限よ
りも小さくなるように設定することが好ましい。
【0022】図2は低速段へのシフトを完了した状態を
示しており、図1に示す状態において、ハブスリーブ2
6を図の右方向に押すと、キー25がハブスリーブ26
と共に軸線方向に移動し、このキー25がアウターリン
グ33をスプラインピース24側へ押す。ボール43に
作用する遠心力に基づく軸線方向力は、シフト操作力よ
りも小さいから、アウターリング33はボール43をス
プラインピース24側へ押しつつ軸線方向に移動し、そ
の結果、各テーパーコーン部35,37,39において
トルク伝達が生じ、シンクロナイザリングおよびクラッ
チハブ20が次第に回転し始める。この状態でハブスリ
ーブ26のチャンファとアウターリング33のチャンフ
ァとが対向した状態になり、この状態からハブスリーブ
26を更に軸線方向に押せば、各チャンファが接触し、
同期が完了する。そしてハブスリーブ26が更に移動す
ることにより、アウターリング33のチャンファを押し
分けてハブスリーブ26がスプラインピース24側に移
動し、最終的にはそのスプラインに係合し、シフトが完
了する。
【0023】したがって上記の同期装置においては、被
同期回転体であるスプラインピース23,24に保持さ
せたボール42,43の遠心力によって、アウターリン
グ32,33をテーパーコーン部38,39での係合が
外れる方向に押圧するよう構成してあるから、テーパー
コーン部38,39での引摺りトルクによる動力損失や
油温の上昇を防止することができる。またアウターリン
リグ30のいわゆるおどりを防止することができるか
ら、アウターリング32,33がキー25に衝突するこ
とによる摩耗や折損を防止することができる。特に上述
した同期装置では、最も外周側のアウターリングにボー
ルの遠心力による軸線方向力を作用させるように構成し
てあるので、遠心力が回転半径に比例して大きくなるこ
とにより、実用上、充分に大きい軸線方向力を発生させ
ることができ、また寸法上余裕のあるスプラインピース
23,24にボール42,43を保持させる構成である
から、慣性質量体であるボール42,43として比較的
大型のものを使用することが可能となり、この点でもシ
ンクロナイザリングをテーパーコーン部での係合を外す
方向に充分押圧することが可能となる。そしてトリプル
コーンタイプあるいはダブルコーンタイプの同期装置で
は、外周側のテーパーコーン部での引摺りトルクによる
動力損失が最も大きいが、上記の装置では最外周のテー
パーコーン部での引摺りトルクを解消できるので、動力
損失の低減効果に優れている。
【0024】またアウターリング32,33とスプライ
ンピース23,24とは、非シフト時には相対回転する
からボール42,43が接触することによるアウターリ
ング32,33の側面におけるフレッティング摩耗を防
止することができる。なお、アウターリング32,33
とスプラインピース23,24との相対回転によってボ
ール42,43が高速回転することが考えられるが、こ
の部分には充分に潤滑油が供給されるので、摩耗や発熱
などを有効に防止することができる。
【0025】なお、傾斜孔40,41の内径はボール4
2,43が自由に移動できる寸法に設定するから、組付
け時にボール42,43が傾斜孔40,41から脱落す
るおそれがある。このような不都合を防止するためには
傾斜孔もしくはボールに充分なグリースを塗布してお
き、その粘性によってボールの脱落を防止することが好
ましい。その場合、グリースは使用時の温度上昇によっ
て流れて他の部分の潤滑の用に供される。なおまたボー
ル42,43の脱落を確実に防止するためには、傾斜孔
40,41の開口端を僅かかしめることとしてもよい。
【0026】なお、この発明は、上述した実施例に限定
されないのであって、上述の実施例で示したトリプルコ
ーンタイプの同期装置以外に、ダブルコーンタイプの同
期装置やシングルコーンタイプの同期装置にも適用する
ことができる。また慣性質量体は上記のボールに限定さ
れないのであって、適宜の形状のものを使用でき、また
その材質は金属あるいは合成樹脂、もしくはセラミック
など種々のものを採用することができる。また傾斜孔は
スプラインピースを貫通したものであってもよい。そし
てその傾斜孔は、要は慣性質量体に遠心力が作用した場
合にシンクロナイザリング側に案内する斜面を有したも
のであればよく、その形状は特に限定されず、孔以外の
部分であってもよい。
【0027】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の同期装置
によれば、シンクロナイザリングと相対回転する被同期
回転体に慣性質量体を保持させ、その慣性質量体に作用
する遠心力によって慣性質量体をシンクロナイザリング
の側面に押し付けるよう構成したから、非シフト時にシ
ンクロナイザリングがテーパーコーン部で係合したり、
それに伴って引摺りトルクを発生したりすることを有効
に防止でき、また慣性質量体とシンクロナイザリングと
が相対回転することによりその接触部分でのフレッティ
ング摩耗を有効に防止することができる。
【0028】また慣性質量体は寸法的に余裕のある被同
期回転体に保持させてあるから、慣性質量体の大きさを
従来に比較して大きくすることができ、その結果、シン
クロナイザリングを軸線方向に押圧する力を必要十分に
大きくすることができる。さらに慣性質量体の遠心力に
起因する軸線方向力を生じさせる傾斜角度が特に制約さ
れないので、この点でも軸線方向力を大きくすることが
できる。
【0029】総じてこの発明によれば、シンクロナイザ
リングの被同期回転側への移動や、いわゆるおどりを有
効に防止し、引摺りトルクによる動力損失や摩耗あるい
は油温の上昇等を有効に防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す部分断面図であって
ニュートラル状態あるいは他の変速段での走行状態を示
す図である。
【図2】低速段へシフトした状態を示す断面図である。
【図3】ボールに作用する遠心力に起因して生じる各荷
重の作用状態の説明図である。
【図4】従来の同期装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
20 クラッチハブ 23,24 スプラインピース 26 ハブスリーブ 28,29 シンクロナイザインナーリング 30,31 シンクロナイザミドルリング 32,33 シンクロナイザアウターリング 42,43 ボール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転部材に取り付けられたクラッチハブ
    の外周部に、ハブスリーブが軸線方向にのみ移動可能に
    係合され、前記ハブスリーブの軸線方向への移動によっ
    てハブスリーブに係合する被同期回転体がクラッチハブ
    に隣接しかつ前記回転部材に対して回転自在に配置さ
    れ、この被同期回転体もしくは該被同期回転体と一体に
    回転する部材に接近することに伴って前記被同期回転体
    もしくは該被同期回転体と一体に回転する部材との間で
    トルク伝達されるシンクロナイザリングが配置された変
    速機の同期装置において、 前記被同期回転体に保持されかつ遠心力が作用すること
    によって前記シンクロナイザリング側に移動してシンク
    ロナイザリングを前記被同期回転体から離れる方向に押
    圧する慣性質量体を備えていることを特徴とする変速機
    の同期装置。
JP6206048A 1994-08-08 1994-08-08 変速機の同期装置 Pending JPH0849732A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005514568A (ja) * 2001-12-17 2005-05-19 スカニア シーブイ アクチボラグ(パブル) ギヤボックスの同期装置用組立体システム
JP2009197915A (ja) * 2008-02-21 2009-09-03 Aisin Ai Co Ltd 変速機のシンクロメッシュ機構
CN107237842A (zh) * 2017-06-28 2017-10-10 柳州上汽汽车变速器有限公司 汽车防脱挡高速同步器

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