JP2005511707A - 調節された選択性を有する免疫サイトカイン - Google Patents

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Abstract

本発明は、高い治療係数を有するサイトカイン融合タンパク質、およびこのような融合タンパク質の治療係数を高めるための方法を提供する。本発明の融合タンパク質は、細胞上で発現される複数の型のサイトカイン受容体と結合することができ、複数の細胞型と結合することもできる。さらに、本発明の融合タンパク質は、患者の身体中において、対応する天然に存在するサイトカインより長い循環半減期を示す。

Description

(関連出願の引用)
本出願は、参照によりその開示全体を本明細書に組み込んだ、2001年12月4日に出願されたU.S.S.N.60/337,113、および2002年4月12日に出願されたU.S.S.N.60/371,966の、優先権および特典を請求するものである。
(発明の分野)
本発明は概して、サイトカインを含む融合タンパク質、およびこのような融合タンパク質の治療効果を高めるための方法に関する。より詳細には本発明は、対応する天然に存在するサイトカインより長い循環半減期を患者の身体中で示し、改善された治療性を有する、サイトカイン融合タンパク質に関する。特に本発明は、改善された治療特性を有するIL2融合タンパク質に関する。
(背景技術)
インターロイキン−2(IL−2)は、免疫系に作用して主に細胞仲介の免疫応答を生み出す、強力なサイトカインである。適切な条件下では、抗原部位の近辺において高濃度で、IL−2が局所的に生成されて、抗原に対する免疫応答を生み出すために必要な同時刺激シグナルが与えられる。T細胞の増殖および分化におけるその役割のために、IL−2は、腫瘍を治療するための免疫療法の手法における、候補となっている。T細胞を刺激することに加えて、IL−2がB細胞、NK細胞、リンホカイン活性化キラー細胞(LAK)、単球、マクロファージおよび樹状細胞を刺激することも示されてきている。
IL−2は、転移性腎臓癌腫および転移性メラノーマを治療するための承認された治療剤であるが、熱、悪心、血管外漏出および低血圧症を含めた、重度の毒性副作用のために、その使用は制限される。IL−2投与によって観察されるさまざまな毒性効果の中で、最も望ましくない、IL−2療法を実質的に阻害すると考えられている1つの毒性効果は、血管外漏出症(VLS)およびそれと関連する合併症である。
したがって、IL−2タンパク質の治療上の有用性をさらに高めることが、当分野では依然として必要である。
(発明の概要)
本発明は、IL−2融合タンパク質のIL−2部分の突然変異を同定して、患者に投与するときのそのタンパク質の最大有効量に対するタンパク質の最大耐量を高めることに、部分的に基づくものである。好ましい融合タンパク質は、異なる相互作用によって、患者の身体中の同じ細胞で発現される複数の受容体種に結合することができる。好ましいサイトカイン融合タンパク質は、複数の型のサイトカイン受容体複合体、複数の細胞型に結合することができるサイトカインを含む。本発明は有用な性質を有する特定のサイトカイン融合タンパク質の変異体を同定するための方法も提供する。
本発明は、突然変異IL−2部分と融合した非IL−2部分を含む融合タンパク質を提供し、この融合タンパク質は、非突然変異IL−2部分と融合した非IL−2部分を含む参照タンパク質より高い選択性を示し、その選択性は、IL−2Rβγ受容体を発現する細胞の活性化に対する、IL−2Rαβγ受容体発現細胞の活性化の比として測定される。
融合タンパク質の突然変異IL−2部分は、成熟ヒトIL−2タンパク質の、1個または複数個のアミノ酸の突然変異を含む。一実施形態では、本発明の融合タンパク質は、IL−2部分中の1個または複数個のアミノ酸位置における、アミノ酸置換を含む。他の実施形態では、本発明の融合タンパク質は、IL−2部分中の1個または複数個のアミノ酸位置における欠失を含む。他の実施形態では、本発明の融合タンパク質は、融合タンパク質のIL−2部分中の、1個または複数個のアミノ酸の改変を含む。
本発明の融合タンパク質の突然変異によって、参照融合タンパク質に対する融合タンパク質の選択性が変わり、その選択性は、IL−2Rβγ受容体発現細胞の活性化に対する、IL−2Rαβγ受容体発現細胞の活性化の比として測定される。融合タンパク質の突然変異によって、IL−2Rαβγ受容体との融合タンパク質の親和性に対する、IL−2Rβγ受容体との融合タンパク質の親和性に、差異的効果(differential effect)がもたらされる可能性もある。好ましい突然変異または変化によって、IL−2Rαβγ受容体発現細胞の融合タンパク質の活性化に対する、IL−2Rβγ受容体発現細胞の融合タンパク質の活性化が低下する。
本発明の好ましい融合タンパク質は一般に、約2倍を超える差異的効果を示す。一態様では、成長がIL−2に依存する細胞または細胞系の増殖応答によって、差異的効果を測定する。融合タンパク質に対するこの応答は、ED50値として表され、用量反応曲線のプロッティング、および50%の最大応答をもたらすタンパク質濃度の決定から、この値が得られる。参照融合タンパク質のED50値の比に対する、IL−2Rβγ受容体発現細胞、本発明の融合タンパク質のIL−2Rαβγ受容体発現細胞に関して得られるED50値の比によって、融合タンパク質の差異的効果の指標が与えられる。
非突然変異IL−2部分と融合した融合タンパク質と同じ非IL−2部分を含む参照融合タンパク質に対する、本発明の融合タンパク質の選択性を測定することができる。好ましい実施形態では、前記した本発明の融合タンパク質に関して測定される差異的効果は、約5倍と約10倍の間である。本発明の融合タンパク質によって示される差異的効果は、約10倍と約1000倍の間であることが好ましい。
他の好ましい実施形態では、融合タンパク質の選択性を、位置88においてアスパラギンからアルギニンに変わっている(N88R)アミノ酸が置換された成熟ヒトIL−2を含むIL−2部分と融合した、融合タンパク質と同じ非IL−2部分を含む参照融合タンパク質の選択性と比較する。改善された治療係数を有する本発明の融合タンパク質は、N88Rのアミノ酸が置換された参照融合タンパク質の約0.1%と約100%の間の選択性ではなく、N88Rの選択性に近い選択性を有する融合タンパク質を含む。他の実施形態では、本発明の融合タンパク質は、IL−2部分のN88Rのアミノ酸が置換された参照融合タンパク質の約0.1%と約30%の間の選択性である、選択性を有する。本発明の融合タンパク質は、約1%と約20%の間の選択性である、IL−2部分のN88Rのアミノ酸が置換された参照融合タンパク質の選択性を有する融合タンパク質も含む。本発明の融合タンパク質の選択性は、約2%と約10%の間の選択性である、成熟ヒトIL−2部分のN88Rのアミノ酸置換を含む参照融合タンパク質の選択性であってもよい。
本発明の融合タンパク質は、成熟ヒトIL−2タンパク質の血清中半減期より長い、血清中半減期を有する。本発明の融合タンパク質の長い血清中半減期は、融合タンパク質の非IL−2部分に原因がある可能性がある。たとえば、一実施形態では、本発明の融合タンパク質の非IL−2部分は、アルブミンである。他の実施形態では、本発明の融合タンパク質の非IL−2部分は、たとえばKS−1/4抗体ドメインの変異体、NHS76抗体ドメインの変異体、および14.18抗体ドメインの変異体を含む、抗体ドメインである。抗体ドメインは、さまざまな他の抗体、たとえばさまざまな腫瘍およびウイルス抗原に対する抗体から選択することもできる。
好ましい実施形態では、前記した本発明の融合タンパク質に関して測定される差異的効果は、約5倍と約10倍の間である。本発明の融合タンパク質によって示される差異的効果は、約10倍と約1000倍の間であることが好ましい。
約2倍を超える差異的効果をもたらす本発明の融合タンパク質の、IL−2部分のアミノ酸を突然変異させることは有用である。IL−2部分の異なるアミノ酸の突然変異によって、約2倍を超える、約5倍と約10倍の間、あるいは好ましくは約10倍と約1000倍の間の差異的効果がもたらされる。好ましい実施形態では、アミノ酸の突然変異は、成熟ヒトIL−2部分の位置20に対応するアスパラギン酸のトレオニンへ(D20T)の置換である。他の好ましい実施形態では、アミノ酸の突然変異は、成熟ヒトIL−2タンパク質の位置88におけるアスパラギンのアルギニンへの置換(N88R)である。本発明の融合タンパク質は、複数のアミノ酸位置での突然変異を含むこともできる。一実施形態では、本発明の融合タンパク質は、成熟ヒトIL−2タンパク質の位置88でアスパラギンがアルギニンに、位置85でロイシンがトレオニンに、および位置86でイソロイシンがトレオニンに変わる、アミノ酸の置換を含む。
IL−2部分のいくつかの位置でのアミノ酸の突然変異は、約2倍を超える差異的効果をもたらす。成熟ヒトIL−2タンパク質の位置K8、Q13、E15、H16、L19、D20、Q22、M23、N26、H79、L80、R81、D84、N88、I92、およびE95に対応するアミノ酸を、突然変異させることは有用である。突然変異させることができる他の有用なアミノ酸位置は、成熟ヒトIL−2タンパク質のL25、N31、L40、M46、K48、K49、D109、E110、A112、T113、V115、E116、N119、R120、I122、T123、Q126、S127、S130およびT131である。本発明の融合タンパク質中で突然変異させる好ましいアミノ酸位置には、D20、N88およびQ126がある。
一実施形態では、前に列挙した好ましい位置の1個または複数個のアミノ酸を、融合タンパク質中において突然変異させる。好ましい実施形態では、位置88のアミノ酸アスパラギンをアルギニンに置換する(N88R)。他の好ましい実施形態では、位置20のアミノ酸アスパラギン酸をトレオニン(D20T)に置換する。他の好ましい実施形態では、位置126のグルタミンをアスパラギン酸(Q126D)に置換する。さまざまなアミノ酸の置換によって、IL−2Rβγ受容体保持細胞に対しての、IL−2Rαβγ受容体保持細胞に関する本発明の融合タンパク質の活性の選択性がもたらされ、それがIL−2Rαβγ受容体との融合タンパク質の親和性に対する、IL−2Rβγ受容体との融合タンパク質の親和性に反映される。
前記した1個または複数個のアミノ酸位置における突然変異を有する融合タンパク質は、約2倍を超える差異的効果を有する。差異的効果は約5倍と約10倍の間であることが好ましく、約10倍と約1000倍の間であることがより好ましい。
IL−2部分のアミノ酸を突然変異させることに加えて、非IL−2部分のアミノ酸を突然変異させることもできる。好ましい実施形態では、非IL−2部分は抗体ドメインである。抗体ドメインは、さまざまな異なる免疫グロブリン(Ig)抗体、好ましくは、たとえばIgGガンマ1、IgGガンマ2およびIgGガンマ4抗体ドメインを含むIgG抗体、またはこれらの抗体ドメインの任意の組合せから選択することができる。本明細書で使用するように、用語「抗体」および「免疫グロブリン」は、(i)完全な抗体(たとえば、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体)、(ii)たとえばFabフラグメント、Fab'フラグメント、(Fab')2フラグメント、Fvフラグメント、単鎖抗体結合部位、sFvを含むその抗原結合部分、(iii)二重特異性抗体およびその抗原結合部分、および(iv)多重特異性抗体およびその抗原結合部分を意味すると理解される。本発明のタンパク質中では、免疫グロブリンFc領域は、少なくとも1つの免疫グロブリン定常重鎖領域、たとえば免疫グロブリン定常重鎖2(CH2)ドメイン、免疫グロブリン定常重鎖3(CH3)ドメイン、Fc領域を生成させるために使用する免疫グロブリンの型に応じて、場合によっては免疫グロブリン定常重鎖4(CH4)ドメイン、または前述したものの組合せを含むことができる。特定の実施形態では、免疫グロブリンFc領域は、免疫グロブリン定常重鎖1(CH1)ドメインが欠けている可能性がある。免疫グロブリンFc領域は、任意の免疫グロブリンクラス、たとえばIgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMをベースとするものであってよいが、IgGをベースとする免疫グロブリンFc領域が好ましい。本発明の融合タンパク質中に含まれる抗体部分はヒトのものであることが好ましいが、ネズミ抗体、または任意の他の哺乳動物または非哺乳動物の免疫グロブリンに由来するものであってよい。本発明の融合タンパク質中に使用されるFc領域を、分子の特異的な適用例に適合させることができることが企図される。一実施形態では、Fc領域は免疫グロブリンγ1イソ型またはその変異体に由来する。他の実施形態では、Fc領域は免疫グロブリンγ2イソ型またはその変異体に由来する。他の実施形態では、Fc領域は免疫グロブリンγ3イソ型またはその変異体に由来するものであってよい。Fc領域は、Fc領域そのもの以外の、異なる免疫グロブリンイソ型に由来するヒンジ領域を含むことができる。たとえば、Fc領域は免疫グロブリンγ2イソ型に由来するものであってよく、免疫グロブリンγ1イソ型またはその変異体に由来するヒンジ領域を含んでよい。本発明の他の好ましい実施形態では、Fc領域は免疫グロブリンγ4イソ型に由来する。改変されて免疫グロブリンγ1イソ型またはその変異体に由来するヒンジ領域を含む、免疫グロブリンγ4イソ型が特に好ましい。
一実施形態では、本発明の融合タンパク質は、Ig部分の突然変異を含む。有用な突然変異は、NがQに変わっているIgGガンマ1配列QYNSTYR(配列番号1)の突然変異であり;特に有用な突然変異は、ジペプチドモチーフFNがAQに変わっている、ガンマ2または4配列QFNST(配列番号2)の突然変異である。
本発明は、さまざまな本発明の融合タンパク質をコードするDNA構築体も特徴とする。本発明の融合タンパク質は、癌、ウイルス感染および免疫障害を治療するために特に有用である。
本明細書で開示する本発明の、これらの目的および他の目的、ならびに利点および特徴は、以下の記載事項、図面、および特許請求の範囲からより明らかになるであろう。
(図面の簡単な説明)
図1はサイトカインと、サイトカインの本来の結合性を変える第2のタンパク質部分の、融合を示す図である。図1Aは、二量体分子としてのIL−2との融合相手、たとえば抗体またはFc含有融合タンパク質のFc部分などを示し、したがってIL−2の2分子が、融合タンパク質のIL−2部分がその受容体と相互作用すると、細胞表面に移動する。図1Bは、同じ効果を生み出す第2の機構を示す。
図2は融合タンパク質免疫サイトカインhuKS-IL2(三角形によって表す)、および2つの変異体、huKS-ala-IL2(丸によって表す)およびhuKS-ala-IL2(N88R)(星印によって表す)の、典型的な薬物動態の概略を示す図である。
(発明の詳細な説明)
本発明は、IL−2融合タンパク質、特にIL−2免疫サイトカインの治療係数を高めるための、方法および組成物を提供する。本発明によれば、治療分子の治療係数は、分子の最大耐量をその分子の最大有効量で割った比の測定値である。本発明は、遊離IL−2と比較して著しく長い循環半減期を示す、IL−2免疫サイトカインの改良型変異体を含む。本発明は、本発明の融合タンパク質によるさまざまなエフェクター機能を保持する細胞の、低い活性化によって表される選択的IL−2応答を示す、IL−2融合タンパク質、特にIL−2免疫サイトカインも提供し、この応答はIL−2の毒性効果の主要な原因である。さらに本発明は、改善された活性を有するIL−2融合タンパク質を提供する。本発明のIL−2融合タンパク質は、異なるIL−2受容体とのIL−2融合タンパク質の相対的親和性を変え、IL−2融合タンパク質の変化した生物学的性質をもたらす、1個または複数個のアミノ酸位置における変化を含む。本発明は、IL−2療法と関連がある任意の毒性を低下させるか、あるいは最小限にするために有用である。任意の所与のIL−2毒性、VLSなどの根底にある機構に関係なく、毒性は部分的には、IL−2は静脈内に投与され、したがって身体全体中で作用するが、特定の部位におけるIL−2効果が望ましいという事実から生じるものである。この問題は、IL−2の全身投与には、局所投与で必要とされる量よりもはるかに多量が必要であり、したがってこのことが、低用量では見られないと思われる毒性を助長する可能性があるという事実によって悪化する。本発明は、低い毒性を有するIL−2融合タンパク質を提供する。本発明は、低い毒性を有するIL−2融合タンパク質を作製するための方法も提供する。
一般に本発明は、非IL−2部分と融合したIL−2部分を含む融合タンパク質に有用である。本発明によれば、非IL−2部分は、合成または天然タンパク質、またはその一部分または変異体(種変異体、対立遺伝子変異体および突然変異した変異体を含む)であってよい。好ましい非IL−2部分は、Fcおよびアルブミン部分を含む。本発明によれば、IL−2部分は、少なくとも1つのIL−2活性または機能を保持している、天然IL−2分子、またはその一部分または変異体(種変異体、対立遺伝子変異体および突然変異した変異体を含む)であってよい(IL−2部分は、本発明に従い改変されて異なるIL−2受容体結合親和性を有する、IL−2であってよい)。
本発明によれば細胞は、2つの形で存在する特異的な細胞表面受容体(IL−2R)によってIL−2に応答する。高親和性受容体はα、βおよびγサブユニットからなるヘテロ二量体であり;中親和性受容体はβおよびγサブユニットからなるヘテロ二量体である。これら2つの形のIL−2Rに関するIL−2の結合定数は、2桁異なる。受容体の細胞質側のシグナル変換は、βγ複合体中の相互作用によって仲介される。異なる細胞型が、さまざまな量でα、βおよびγサブユニットを発現する。たとえば、活性化T細胞はこれらのサブユニットすべてを発現して、高親和性IL−2Rαβγを形成し、一方で成熟した休止期T細胞およびNK細胞はβおよびγサブユニットを発現して、中親和性IL−2Rβγを与える。したがって細胞は、刺激するためには異なるレベルのIL−2への露出を必要とし、逆に、特定の細胞状況でIL−2活性を調節することによって、免疫応答の性質を調節することができる。
本発明の方法および組成物は、IL−2を有する免疫サイトカインなどのIL−2融合タンパク質の状況において特に有用である。本発明によれば、IL−2を有する免疫サイトカインは、IL−2を腫瘍の微環境に直接向けることによって、IL−2療法の有効性を著しく増大させることが示されてきている合成分子である。免疫サイトカインは、抗体部分およびサイトカイン部分、IL−2部分などからなる融合タンパク質である。本発明によれば抗体部分は、抗原特異的結合親和性などの生物学的機能を有する、完全な抗体または免疫グロブリン、またはその一部分または変異体(種変異体、対立遺伝子変異体および突然変異した変異体を含む)であってよい。同様に、本発明のサイトカイン部分は、少なくともいくつかのサイトカイン活性を保持している、天然のサイトカイン、またはその一部分または変異体(種変異体、対立遺伝子変異体および突然変異した変異体を含む)であってよい。免疫サイトカインの療法の利点は容易に明らかである。たとえば、免疫サイトカインの抗体部分は腫瘍特異的エピトープを認識し、免疫サイトカイン分子を腫瘍部位に向かわせる。したがって、高濃度のIL−2を腫瘍の微環境に送達させることができ、これによって、遊離IL−2に関して必要とされると思われる用量よりはるかに低用量の免疫サイトカインを使用して、前述したさまざまな免疫エフェクター細胞の活性化および増殖がもたらされる。さらに、遊離IL−2と比較して、増大した免疫サイトカインの循環半減期が、免疫サイトカインの有効性に貢献する。そして最後に、抗体の本来のエフェクター機能も、たとえばFcγRIII保持NK細胞において抗体依存性細胞障害作用(ADCC)を活性化させることによって、利用することができる。
IL−2免疫サイトカインは、遊離IL−2より高い有効性を有する。しかしながら、IL−2免疫サイトカインのいくつかの特徴が、IL−2分子の潜在的副作用を悪化させる可能性がある。血流中での遊離IL−2より著しく長いIL−2免疫サイトカインの循環半減期のために、融合タンパク質分子のIL−2または他の部分が、血管系中に一般的に存在する成分を活性化させる確率が高まる。同じ懸念が、Fcまたはアルブミンなどの他の部分と融合したIL−2を含む他の融合タンパク質に当てはまり、循環におけるIL−2の長い半減期をもたらす。
本発明は、このような融合タンパク質の非改変形と比較して低い毒性を有する、完全な抗体、または抗体の一部分、またはアルブミンと融合したIL−2などの、改変型IL−2融合タンパク質を提供する。本発明は、IL−2および/または非IL−2部分中に1個または複数個の改変がある、融合タンパク質も提供し、この改変によって、βおよびγIL−2受容体サブユニット発現細胞と比較した、α、βおよびγIL−2受容体サブユニット発現細胞中の融合タンパク質の相対的活性が変わる。本発明は、このような融合タンパク質の非改変形と比較して、IL−2受容体のα、βまたはγサブユニットに対して改変された親和性を示す、改変型IL−2含有融合タンパク質も提供する。
いくつかのIL−2含有抗体融合タンパク質は、遊離IL−2に関して量的に改変されているが、治療用途には質的に最適でないIL−2活性を示す。本発明は、IL−2または抗体、あるいは両方の部分が、所与の用途に関するIL−2活性を質的に改善するために改変されている、改変形の抗体−IL2融合タンパク質を提供する。
本発明は、疾患を治療するための改変型融合タンパク質を設計する際に特に有用な、改変の型を決定するための戦略も提供する。
図1は、それによって融合タンパク質が、融合タンパク質中のある部分の受容体結合性が変わるように細胞表面に結合することができる、考えられる機構を示す。たとえば、図1Aは、二量体分子としてのIL−2との融合相手を示す。これによって、第2のIL−2分子が、たとえばオフレート(off-rate)を低下させることによってその受容体と相互作用する確率が高まり、純粋な結合の増大がもたらされる。図1Bは、同じ効果を生み出す第2の機構を示す。IL−2の受容体および融合タンパク質のIL−2融合相手の受容体(たとえば、Ig部分のFc部のFc受容体)保持細胞では、融合相手の受容体(たとえば、Fc受容体)は融合タンパク質とかみ合い、IL−2受容体と結合する確率がここで高くなっている細胞表面に融合タンパク質を結合させる。
huKS−IL2という名称の、抗体−サイトカイン融合タンパク質の第I/II相試験が近年終了した。huKS−IL2は、サイトカイン、インターロイキン−2と融合したKS−1/4抗体からなる融合タンパク質である。KS−1/4は腫瘍細胞表面の抗原EpCAM(上皮細胞接着分子)を認識し、腫瘍部位にIL−2を濃縮させる効果を有する。この試験の行程中、治療に対する患者の応答を測定した。療法に対する有意な応答を示した1人の患者は、臨床的な部分的応答、次に疾患の安定化、および鎮痛剤の使用の減少を経験した。この患者は、失敗に終わった事前の標準的治療を既に受けていた。この患者の寿命は、このような治療の不在下で予想された寿命より大幅に延びた。
驚くことに、事前の化学療法の結果として、この患者のT細胞群はほぼ除去されていた。この患者は、試験における他のすべての患者より、はるかに少ないT細胞数を有していた。IL−2がT細胞を活性化させることが知られており、たとえば、腫瘍細胞に対するCD8(+)T細胞の細胞毒性を高めることが知られていることを考慮すると、明らかにT細胞を欠いているこの患者の強い応答は、特に予想外であった。この観察によって、IL−2部分が改変された細胞特異性を示すことができる、新規な抗体−IL−2融合タンパク質のさらなる研究が促され、IL−2融合タンパク質の治療係数の改善がもたらされた。
IL−2の結晶構造、関連サイトカインとの配列比較、および部位特異的突然変異導入法の研究から、異なるIL−2受容体サブユニットと接触しているIL−2中のアミノ酸、およびそれらの生物活性に対する影響の解明において、多くの進展がなされてきている。たとえば、哺乳動物種全体のIL−2中に保たれているD20残基は、IL−2受容体のβサブユニットを結合させるための重要な残基であり、この位置でのさまざまな置換には異なる効果がある。たとえば、変異体IL−2(D20K)は、任意のIL−2R複合体と結合することができず一般に不活性であり、一方で変異体IL−2(D20E)またはIL2(D20T)は、それらの生物活性を保持している。アミノ酸位置R38およびF42はαサブユニットを結合させるために重要であり、一方でこれらの部位における突然変異によって、IL−2と高親和性受容体IL−2Rαβγの相互作用が低下し、それは中親和性受容体IL−2Rβγと依然として結合しており、したがってある程度の生物活性が保持されている。N88は、βサブユニットとの相互作用の仲介と関連がある他の残基であり、一方IL−2(N88R)変異体は、中親和性受容体との大幅に低い親和性を有し、高親和性受容体とのその親和性はほぼ変わらない。したがってIL−2のN88R突然変異体は、依然としてT細胞を活性化させることができる。
異なる受容体との本発明の融合タンパク質の結合親和性は、たとえばラジオイムノアッセイを含めた、当分野で知られているいくつかの方法によって決定することができる。
したがって、受容体サブユニットの1つと接触している特定のアミノ酸を突然変異させることによって、あるいはアミノ酸残基の組合せを変えることにより、IL−2の構造を混乱させて、IL−2が他のIL−2受容体複合体と比較して、1つのIL−2受容体複合体に対して高い親和性を示すことが考えられる。結果として分子は、1つの細胞型において他の細胞型より高い活性を示す。本発明に従って、Ig−IL2融合タンパク質の状況でIL−2の構造を操作して、所望の効果を得ることができる。さらに、いくつかの場合、Ig−IL2変異体融合タンパク質は、対応する遊離IL−2突然変異タンパク質と比較して、異なる生物学的特性を有する。
本発明に従って、融合タンパク質中のIL−2部分を操作して、それによってIL−2受容体サブユニット(α、βまたはγ)の1つまたは複数に対する改変された親和性が示され、融合タンパク質の生物活性の全体的な低下がもたらされることも考えられる。このような変異体はIL−2応答細胞を活性化させることができるが、遊離IL−2より高濃度を必要とする。したがって、IL−2融合タンパク質が、たとえば標的部分の近くの所望の標的部位に濃縮されるとき、これらの変異体は改善された治療係数を有する。
IL−2Rのα受容体サブユニットは、結合機能を果たしているようである:この低親和性受容体はIL−2と結合し、IL−2を細胞表面付近に保ち、その結果、細胞表面IL−2RβおよびIL−2Rγ受容体サブユニットの近辺の有効濃度が増大する。さらに、IL−2受容体のαサブユニットおよびβγサブユニットは、高親和性IL−2R複合体を生み出す。本発明は、IL−2融合タンパク質が、細胞表面上の受容体との多数の異なる相互作用と関わることができるという認識に、部分的に基づくものである。たとえば、抗体部分を含む融合タンパク質の場合、抗体部分そのものが、融合タンパク質と細胞表面の結合を助長することができ、さらにIL−2が、融合タンパク質中に多数のコピーで存在することができる。結果としてIL−2は、IL−2Rのβおよびγサブユニットのみ発現細胞に結合することができ、このような細胞を活性化させる高い能力を有する。
たとえば、IL−2と融合した二量体免疫グロブリン(Ig)はIL−2の2つのコピーを有し、したがって、1つのIL−2部分とその受容体の結合によって、同じ細胞表面上で第2のIL−2部分と受容体分子が相互作用する確率が高まる。図1A中の図は、細胞表面上でのIg−IL2融合タンパク質の考えられる立体配置を表す。本発明は、IL−2部分が改変されてIL−2Rβγ受容体との結合性が低下している、Ig−IL2融合タンパク質を提供する。
それによってIg−IL2融合タンパク質が、いくつかの免疫細胞の表面との改変された結合性を有することができる第2の機構は、細胞表面上のFc受容体がIg部分のFc部と結合することができ、したがってIL−2とFc受容体およびIL−2受容体の両方を保持する細胞の表面を結合させることができるということである(図1B)。このような細胞には、NK細胞、B細胞、およびマクロファージがある。本発明は、Ig部分が改変されてFc受容体との結合性が低下している、Ig−IL2融合タンパク質を提供する。本発明は、Ig部分およびIL2部分が前に記載した性質の改変を取り込んでいる、Ig−IL2融合タンパク質をさらに提供する。
Ig−IL2融合タンパク質を、IL−2受容体サブユニットを有する細胞と人工的に結合させることができるという見通しに基づくと、結合部分が改変されている変異体融合タンパク質を設計することが可能である。たとえば、Ig−IL2融合タンパク質のFc受容体結合性を変えることは有用である。これはたとえば、Fc部分中の知られているアミノ酸接触部位を突然変異させること、またはN末端連結グリコシル化部位を除去すること、あるいはタンパク質の突然変異または酵素による消化によって行うことができる。
同様に、本発明によれば、IL−2受容体サブユニットとの結合に対して影響がある、IL−2部分中の突然変異を導入することは有用である。特に、IL−2受容体のβサブユニットと接触している、IL−2中のアミノ酸を突然変異させることは有用である。特に有用な型の突然変異は、IL−2とIL−2Rβの間の結合エネルギーを低下させるが、この相互作用を立体的に妨害することはない突然変異である。たとえば、接触アミノ酸の短い側鎖を有するアミノ酸への突然変異が、特に有用である。このような突然変異の影響は、IL−2受容体のβ−γ形とのIL−2の親和性を重度に低下させること、およびこれらの受容体によって仲介されるシグナル経路の活性化を低下させることであるが、IL−2受容体のα−β−γ形との結合、またはこのようなIL−2受容体保持細胞中でIL−2によって誘導される活性に対する影響はほとんど、あるいはまったくない。本発明の好ましい実施形態では、突然変異によってIL−2受容体のβ−γ形との親和性が低下するが、親和性がなくなることはない。
同様に、IL−2受容体のαサブユニットと相互作用するIL−2表面上のアミノ酸に突然変異を導入することは有用である。特に有用な型の突然変異は、IL−2とIL−2Rαの間の結合エネルギーを低下させるが、この相互作用を立体的に妨害することはない突然変異である。たとえば、接触アミノ酸の短い側鎖を有するアミノ酸への突然変異が、特に有用である。このような突然変異の影響は、IL−2受容体のα−β−γ形とのIL−2の親和性を重度に低下させることであるが、IL−2受容体のβ−γ形との結合に対する影響はほとんど、あるいはまったくない。本発明の好ましい実施形態では、突然変異によってIL−2受容体のα−β−γ形との親和性が低下するが、親和性がなくなることはない。
同様に、IL−2受容体のγサブユニットと相互作用するIL−2表面上のアミノ酸に突然変異を導入することも有用である。前の例と同様に、特に有用な型の突然変異は、IL−2とIL−2Rγの間の結合エネルギーを低下させるが、この相互作用を立体的に妨害することはない。たとえば、接触アミノ酸の短い側鎖を有するアミノ酸への突然変異が、特に有用である。このような突然変異の影響は、IL−2受容体のβ−γ形とのIL−2の親和性を有意に低下させることであるが、IL−2受容体のα−β−γ形との結合に対する影響はほとんど、あるいはまったくない。本発明の好ましい実施形態では、突然変異によってIL−2受容体のβ−γ形との親和性が低下するが、親和性がなくなることはない。
IL−2受容体サブユニットの異なる表面と相互作用するアミノ酸の、突然変異の組合せをIL−2に導入することも有用である。それぞれの突然変異は独立に、IL−2とIL−2受容体のα−β−γまたはβ−γ形との結合に対して影響を与える可能性はほとんど、あるいはまったくないが、突然変異の組合せによって、IL−2とその受容体との親和性またはIL−2の生物活性の、望ましい低下を得ることができる。
本発明によれば、IL−2の他の部分の突然変異は、IL−2とIL−2受容体のβ−γ形またはα−β−γ形との相互作用の変化に間接的に貢献し、したがって調節された活性を有するIL−2分子をもたらす。たとえば、突然変異によって分子の立体配置をわずかに変えることができ、その結合性を変えることができる。
本発明によれば、IL−2部分とIL−2受容体複合体の結合を調節するIL−2部分の突然変異、および抗体部分の突然変異を含む、融合タンパク質を生成させることも有用である。Ig−IL2融合タンパク質と特定のFc受容体の相互作用を改変することが望まれる場合、これらの融合タンパク質が特に有用である可能性がある。
遊離IL−2部分は、IL−2部分がIgなどの他のタンパク質部分と融合するときとは、IL−2R複合体に関して異なる結合性を示す可能性がある。このことが起こる1つの考えられる機構は、前に示している。他の考えられる機構は、IL−2が免疫サイトカインの状況において立体的に、すなわち立体配置が制約され、個々の制約がIL−2部分と異なるIL−2受容体複合体の結合性に反映されることである。したがって、この制約を調節する改変を融合タンパク質に導入することが有用である。たとえば、非IL−2部分を変えることは、IL−2の活性の調節において有用である。
特定のIL−2融合タンパク質、Fcまたはアルブミンを含むIg−IL2融合またはIL−2融合タンパク質などの有用性を、ヒト疾患の治療などの特定の用途に関して、適切な細胞または動物モデルにおいて試験する。可能なときは、動物モデルにおいて試験することが好ましい。なぜなら、このような試験は、ヒト疾患における免疫系の非常に複雑な性質と非常に関係があるからである。たとえば、ある細胞の特定のバランスは、癌などの当該の疾患、または細菌、ウイルス、または寄生虫による感染と戦うために最適である可能性がある。たとえば、比較的高レベルのT細胞活性は、ある腫瘍型に対しては有用である可能性があるが、一方で比較的高レベルのNK細胞活性は、異なる腫瘍型に対しては有用である可能性がある。
本発明の他の特徴は、毒性が高い、IL−2融合タンパク質変異体、たとえばFcまたはアルブミンを含むIg−IL2融合体またはIL−2融合体などである。たとえば、突然変異体D20Tを含むIg−IL2融合タンパク質は、位置20にDを有する対応するIg−IL2融合タンパク質と比較して、マウスなどの動物中では低い毒性を示す。他の例では、突然変異体N88Rまたは突然変異体L85T、I86T、N88Rの組合せをIL−2部分中に含むIg−IL2融合タンパク質は、位置88にNを有する対応するIg−IL2融合タンパク質と比較して、マウスなどの動物中では低い毒性を示す。さらに、突然変異体D20Tまたは突然変異体N88RをIL−2部分中に含む抗体−IL2融合タンパク質は、抗体の抗原標的を発現する腫瘍を治療するためにこれを使用すると、対応する親抗体−IL2融合タンパク質に匹敵する効力を示す。
Ig−IL2融合タンパク質のD20T変異体の性質は、遊離IL−2タンパク質中のD20T変異体の報告されている性質と照らしてみると、非常に驚くべきものである。詳細には、遊離IL−2タンパク質中のD20T突然変異体は、IL−2Rαβγ保持細胞またはIL2R−βγ保持細胞に対するその活性において、野生型IL−2タンパク質と比べて差異を示さない(Shanafelt他、PCT WO99/60128)。しかしながら、D20T突然変異体を含むIg−IL2融合タンパク質は、IL2R−βγ保持細胞の活性化においては非常に低い効力を有するが、IL−2Rαβγ保持細胞の活性化においてはほぼ正常の効力を有する。
したがって、Ig−IL2融合タンパク質のIL−2部分中のいくつかのアミノ酸の突然変異によって、低い毒性がもたらされるが、一方さまざまな疾患の治療における融合タンパク質の効力に対してはほとんど影響がない。たとえば、IL−2融合タンパク質変異体とその受容体との親和性を変えることができる程度は、どのくらい上手く特定の融合タンパク質がその目的とする標的部位に濃縮するかの関数である。IL−2部分中の1個または複数個の以下のアミノ酸:Lys8、Gln13、Glu15、His16、Leu19、Asp20、Gln22、Met23、Asn26、Arg38、Phe42、Lys43、Thr51、His79、Leu80、Arg81、Asp84、Asn88、Val91、Ile92、およびGlu95を突然変異させることが特に有用である。IL−2部分中の1個または複数個の以下のアミノ酸:Leu25、Asn31、Leu40、Met46、Lys48、Lys49、Aspl09、Glu110、Ala112、Thr113、Val115、Glu116、Asn119、Arg120、Ile122、Thr123、Gln126、Ser127、Ser130、およびThr131を突然変異させることも有用である。
本発明は、IL−2と融合したIg部分のいくつかの形、たとえば抗体−IL2融合体、huKS−IL2またはdI−NHS76−IL2などを開示するものであり、IL−2と融合したIg部分が変わることによって、融合タンパク質とIL−2R複合体の結合性に影響を与える。これらの変化は、重鎖のアミノ酸配列中のアミノ酸の置換、または化学的改変であってよい。有用なアミノ酸の置換には、融合タンパク質のグリコシル化に影響を与える置換、またはFc受容体との相互作用に直接影響を与える置換がある。特に有用な置換は、IgG重鎖の位置N297(EU名)において通常見られるグリコシル化を阻害する置換であってよい。化学的および生化学的改変には、分子のPEG化、またはN末端連結グリコシル鎖を除去するためのN−グリカナーゼによる処理を含む。理論に縛られることを望まずに、たとえば抗体分子の硬さを変えることによる、分子の抗体部分の特異的な変化は、IL−2の立体配置に影響を与える可能性があると想定することができる。huKS−IL2の場合、これらの改変によって、細胞系バイオアッセイにおいてT細胞に対する高い選択性をここで示す、KS−IL2分子をもたらすことができる。
抗体−IL2融合タンパク質に関しては、他の望ましい性質を分子に与えるIg部分を選択することが、有用であることが多い。たとえば、ガンマ1サブクラスのIgG部分が、ADCCなどの免疫学的エフェクター機能を保つために好ましい。あるいは、ガンマ2またはガンマ4サブクラスのIgG部分が、たとえばFcR受容体の相互作用を低下させるために好ましい可能性がある。サブクラスのガンマ2またはガンマ4のIgG部分を使用するときは、ガンマ1由来のヒンジ領域を含むことが特に好ましい。
Ig−IL2融合タンパク質の突然変異および化学的または生化学的改変を、異なる有用な性質を有する他の突然変異、いくつかのFc領域のC末端におけるリシンのアラニンまたは他の疎水性残基への突然変異などと組み合わせて使用することが、有用であることが多い。たとえば、本発明の改変を抗体融合タンパク質huKS−ala−IL2またはdI−NHS(76)−ala−IL2に施すことが、特に有用である。潜在的T細胞エピトープを除去する他の突然変異を、分子に導入することも好ましい。これらの突然変異は、分子の所望の性質を実質的に変えないことが特に好ましい。
本発明は、IL−2と融合したIg部分のいくつかの形、たとえば抗体−IL2融合体、たとえばhuKS−IL2などをさらに開示するものであり、IL−2、たとえばIL2(D20T)またはIL2(N88R)のアミノ酸配列の特異的改変が、融合タンパク質とIL−2R複合体の結合性を変える。成熟ヒトIL−2タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号3で示される。結合性の変化は、細胞系バイオアッセイにおけるT細胞に対する高い選択性に反映される。特定の突然変異が、T細胞に対する高い選択性の程度に影響を与える。さらに、これらの変化によって融合分子、たとえばhuKS−ala−IL2(D20T)またはhuKS−ala−IL2(N88R)が生成し、たとえばhuKS−ala−IL2をマウスの全身に投与するときより、毒性のある副作用は少ない。さらに、これらの変化によって融合タンパク質、たとえばhuKS−ala−IL2(N88R)がもたらされ、これはいくつかのマウス腫瘍モデルの腫瘍療法において、正常なhuKS−IL2またはhuKS−ala−IL2と少なくとも同程度有効である。
腫瘍を取り除くために必要とされる免疫応答は多様であり、腫瘍型によっても異なるので、低い毒性を有する分子を使用するとき、分子から機能を完全に取り除くことは、望ましくない可能性がある。たとえば、結腸癌の肺転移が誘導されたマウスモデルでは、huKS−1L2が、NK細胞を必要としないT細胞仲介の機構によって、癌を効果的に治療することが示されたが、一方で神経芽細胞腫のマウスモデルでは、huKS−IL2による腫瘍の除去は、T細胞ではなくNK細胞を必要とすることが示された。したがって、選択性概略をより適切に調節して、NK仲介の応答をさらに可能にすることができる、いくつかの例が存在する。本発明の一実施形態では、より望ましい手法は、分子の選択性概略をわずかに変えて、多数の受容体型に関する応答が、最も好ましくは分子が濃縮される部位で、さらに得られるようにすることである。たとえば、本発明は、対応する非改変型Ig−IL2融合タンパク質と比較して、IL−2Rβγと比較したIL−2Rαβγに関する選択性が、2〜10倍、10〜100倍、100〜1000倍、あるいは1000倍より高い、Ig−IL2融合タンパク質の変形を提供する。
本発明の他の目的は、癌または感染性疾患を治療するための、低い毒性を有するIg−IL2融合タンパク質の最適な使用を提供することである。改変された選択性によって低い血管毒性がもたらされる可能性があるが、融合タンパク質の用量を増大させることによって、治療係数の最適な増大をもたらすことはできない。たとえば、これらの用量の増大によって、免疫応答を調節する負の調節機構の誘導がもたらされる可能性がある。したがって、低毒性Ig−IL2融合タンパク質とこのような影響を減らす物質を組み合わせた、治療様式を使用することが有用である可能性がある。
1つの近年同定された細胞免疫応答の強力な阻害剤は、高親和性IL−2Rを発現する、あるクラスのCD4+CD25+調節T細胞である(概要に関しては、Maloy and Powrie、(2001)Nature Immunol.2:816を参照)。本発明によれば、高用量の低毒性Ig−IL2融合タンパク質によって、これらの細胞をさらに活性化させることができる。刺激によってこれらの細胞は、その細胞表面上のCTLA−4を上方制御し、免疫細胞上の細胞表面分子B7−1およびB7−2を結び付け、したがって強力な負のシグナルを誘導する(Takahashi他、(2000) J. Exp:Med. 192:303)。したがって、これらのプロセスの阻害剤が、本発明の融合タンパク質を用いる併用療法において有用であると思われる。一実施形態では、CTLA−4およびその影響を中和する抗体を使用することができる。他の実施形態では、可溶性B7受容体およびそれらの融合タンパク質(たとえば、B7−Ig)などの、類似の活性を有する他のタンパク質を使用することができる。他の実施形態は、これらの調節T細胞そのものを殺傷または阻害する抗体、たとえば抗CD4および抗CD25などの使用を含む。好ましい実施形態では、その後者を同時にではなく順次に投与する。
本発明によれば、他の有用な機構は、シクロ−オキシゲナーゼ2(COX−2)の過剰刺激に関するものであり、これによって、免疫応答を阻害することが知られている(PCT US99/08376を参照)プロスタグラジンが生成される。したがって、他の実施形態は、低毒性Ig−IL2分子とインドメタシンなどのCOX−2阻害剤、あるいはより具体的な阻害剤セレコキシブ(Pfizer)およびロフェコキシブ(Merck&Co)の使用を組み合わせたものである。低毒性Ig−IL2融合タンパク質の用量の増大によって、さらに他の免疫機構を活性化させることができ、併用療法を考案してこれらの機構について述べることができることは理解される。さらに、in vivoにおいて免疫増強効果がある、低用量のいくつかの細胞毒性薬剤、たとえばシクロホスファミドなどは、併用療法に含ませるための有用な治療剤である可能性がある。
アルブミンの融合体が、長い血清中半減期を有する治療用融合タンパク質を生成させる目的で、開発されてきている。たとえば、Yeh他(Yeh P他、Proc Natl Acad Sci USA.[1992]89:1904〜8)は、対応するCD4部分単独よりはるかに長い血清中半減期を有する、アルブミン−CD4融合タンパク質を構築した。
アルブミンとIL−2、エリトロポイエチン、インターフェロンα、および他のリガンドの融合体を構築することが有用である。これらの融合タンパク質は、対応するリガンド単独より長い血清中半減期を有する。このような融合体は、標準的遺伝子工学およびタンパク質発現技法を使用して、N〜C末端方向にリガンド−アルブミン融合体またはアルブミン−リガンド融合体として、構築することができる。あるいは、アルブミンとリガンドを化学的結合によって結び付けることができる。
しかしながら、アルブミン−リガンド融合タンパク質は、しばしば望ましくない性質を有する。理論に縛られることを望まずに、なぜアルブミン−リガンド融合タンパク質が望ましくない性質を有する可能性があるのかという1つの理由は、血管内皮細胞上にアルブミンの受容体が存在するという事実である(Tiruppathi他、Proc Natl Acad Sci USA.[1996]93:250〜4)。結果として、リガンドの血管内皮細胞に対する影響が増大する可能性がある。
たとえば、アルブミン−IL2融合タンパク質は長い血清中半減期を有するが、さらなる血管外漏出も引き起こす。理論に縛られることを望まずに、血管系中のIL−2仲介型応答の活性化が、融合タンパク質と血管系の内皮細胞上に存在するアルブミン受容体の結合のために、増大することが示される。アルブミン−IL2融合タンパク質と、アルブミンおよびIL−2用の受容体保持細胞の結合は、Ig−リガンド融合タンパク質と細胞表面の結合を増大させるための、図1bに示す機構と類似の機構によって増大する。
アルブミン−IL2によって引き起こされる血管外漏出を減らすために、IL−2Rαβγ受容体とのIL−2の親和性を特異的に低下させる突然変異を、IL−2部分に導入することが有用である。たとえば、アルブミン−IL2(N88R)またはアルブミン−IL2(D20T)融合タンパク質が構築され、これがマウスなどの動物の疾患モデルに関して、低い毒性および高い治療係数を有することがその後見出される。
本発明の分子は、悪性腫瘍および腫瘍を治療するため、特に固形腫瘍を治療するために有用である。本発明に従って治療することができる腫瘍の例は、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、肝臓癌、膀胱、頭部および首部癌だけには限られないが、これらに存在する上皮起源の腫瘍である。同様に、本発明によれば、メラノーマ、小細胞肺癌腫、軟質組織肉腫、および神経芽細胞腫などだけには限られないが、神経外胚葉起源の悪性腫瘍および腫瘍は、治療するのに適した候補である。
本発明によれば、治療剤を腫瘍部位または悪性腫瘍または転移の部位に向けることは有用である。腫瘍または悪性腫瘍細胞によって優先的に提示される抗原を対象とする抗体を含む、Ig−融合タンパク質は特に有用である。たとえば、EpCAM(例えばKS1/4)、または胚フィブロネクチン(例えばBC1)、またはCEA、またはクロマチン複合体(例えばNHS76)、またはGD2(例えば14.18)、またはCD19、またはCD20、またはCD52、またはHER2/neu/c−erbB−2、またはMUC1、またはPSMAに関する特異性を有する、抗体部分を含む融合タンパク質が特に有用である。さらに、さまざまなウイルス抗原を対象とする抗体が特に有用である。
(実施例)
[実施例1]
IL2コード配列中または抗体コード配列中のコドンが置換された、Ig−IL2融合遺伝子の構築:
免疫サイトカイン用の発現ベクターは、Gillies他、(1998)J.Immunol.160:6195〜6203中に記載された。ヌクレオチド配列のいくつかの改変によって、コード配列をヒトγ−1遺伝子の3’端に加えることが可能になった。重鎖をコードするヒトγ−1遺伝子では、翻訳停止コドンの280bp上流に位置するXmaI制限部位が、サイレント突然変異(TCCからTCA)を導入することによって破壊された。他のサイレント突然変異(TCTからTCC)を、重鎖のC末端リシンの3残基上流のSerコドンに導入して、新しいXmaI部位を含む、配列TCC CCG GGT AAA(配列番号4)を作製した[Lo他、(1998)Protein Engineering 11:495〜500]。
IL−2 cDNAを化学合成によって構築し、これは新しい特有のPvuII制限部位を含む[Gillies他、(1992)Proc. Natl. Acad. Sci. 89:1428〜1432]。発現ベクター中のXmaIおよびPvuII部位は特有であり、それらは、以下のものを含めた、抗体−IL2変異体の構築を容易にした。
1)huKS−ala−IL2。huKS−ala−IL2の構築は、以前に記載されている(たとえば、WO01/58957)。生成するタンパク質は、Ig重鎖の定常領域と成熟huIL−2の間の接合部にアミノ酸置換を含む。この接合部は通常、配列SPGK−APT(配列番号5)を有し、その中で−SPGK−は重鎖のC末端であり、−APT−は成熟IL−2タンパク質のN末端である。huKS−ala−IL2では、KからAの置換が導入され(位置K[−1]と呼ぶ)、接合部はここで配列SPGA−APT(配列番号:6)を有する。結果として、このタンパク質の血清中半減期が改善される(実施例5を参照。
2)dI−KS−ala−IL2。このKS−IL2融合タンパク質は、KS−ala−IL2中に置換を含み、潜在的T細胞エピトープが除去されている型の融合タンパク質を生成させる(同時係属特許出願U.S.S.N.10/112,582および10/138,727中に記載されており、その開示の全容は本明細書に参照によって組み込んである)。
本発明の融合タンパク質のIg部分の定常領域は、通常は可変領域と結合している定常領域、またはIg部分を有し、異なるサブクラスのIgG分子または異なる種由来の可変および定常領域を含む融合タンパク質をもたらす、異なる定常領域から選択することができる。たとえば、IgGのガンマ4定常領域(配列番号7)を、ガンマ1定常領域(配列番号8)の代わりに使用することができる。この変更には、ガンマ4鎖がより長い血清中半減期をもたらすことができるという利点がある。したがって、IgGガンマ2定常領域(配列番号9)も、IgGガンマ1定常領域(配列番号8)の代わりに使用することができる。さらに、IgGガンマ1由来のヒンジ領域(配列番号10)で、IgGガンマ2(配列番号11)またはIgGガンマ4定常領域(配列番号12)中に通常存在するヒンジ領域を置換することができる。融合タンパク質Ig要素は、IgGがFcγRI、FcγRIIまたはFcγRIIIの少なくとも1つと低い結合親和性を有するように、定常領域中に突然変異体を含んでもよい。本発明の融合タンパク質は、IgG定常領域中に突然変異体を含んで、潜在的グリコシル化部位およびT細胞エピトープを除去することができる。たとえば、さまざまな定常領域は、潜在的T細胞エピトープを除去するために、定常領域のC末端部分に変化を含んでよい。たとえば、IgG分子のさまざまな定常領域のC末端部分中の潜在的T細胞エピトープは、IgGガンマ1およびIgGガンマ2定常領域のアミノ酸配列KSLSLSPGK(配列番号13)、およびIgGガンマ4定常領域のアミノ酸配列KSLSLSLGK(配列番号14)を、アミノ酸配列KSATATPGA(配列番号15)に変えることによって除去される。
3)huKS−ala−IL2(N88R)。このhuKS−IL2変異体は、Ig重鎖の定常領域と成熟huIL−2の間の接合部に、前に記載したものと同じアミノ酸置換(K[−1]A、AAAからGCCへのコドンの変更によって作製したもの)を含み、さらにこのhuKS−IL2変異体は、R側の成熟huIL−2の配列中の位置N88に置換(aATからaGGへのコドンの変更によって作製したもの)を含む。サイレント突然変異(アミノ酸位置G98、コドンをggAtccからggCtccに変えた)を導入することによって、他の変化をhuIL−2のヌクレオチド配列に導入して、Bam HIの既存の制限部位を除去した。
PCR系突然変異誘発戦略を、huKS−ala−IL2(N88R)の構築において使用した。成熟huIL2のコード配列に広がる2つの重複PCR断片を、huIL2をBluescriptベクター(Stratagene)中で鋳型として使用して生成させた。上流PCR断片は、これらの突然変異をセンスおよびアンチセンスプライマーにそれぞれ取り込むことによって、K[−1]AおよびN88Rをコードするヌクレオチド変化体を含んでいた。これらの変化体は、プライマー配列中に下線を引いたヌクレオチドによって示す。センスプライマー配列は:5'CCCCGGGTGCCGCCCCAACTTCAAGTTCTACA3'(配列番号16);であり、アンチセンスプライマー配列は:5'ACCCTTTAGTTCCAGAACTATTACGTTGATCCTGCTGATTAAGTCCCTAGGT3'(配列番号17)であった。下線を引いたここではアルファベットの小文字で示したヌクレオチドは、Bam HI部位を破壊する変化を表す。第2の下流PCR断片は、上流PCR断片との20ヌクレオチド重複領域、および残りのIL2配列を含んでいた。この反応において使用したセンスプライマーは、5’AGTTCTGGAACTAAAGGGTCCGAAACAACATTCATGTGT(配列番号18)であった。ここでも、下線を引いたここではアルファベットの小文字で示したヌクレオチドは、Bam HI部位を破壊するサイレント突然変異を示す。使用したアンチセンスプライマーは、pBluescriptベクター中の配列にアニールする、標準的なM13逆プライマーであった。これらの重複PCR断片を、配列番号16のプライマーおよびM13逆プライマーを用いる反応において使用して、最終的なPCR産物を生成させ、これをその後TAベクター(Invitrogen)に挿入した。
挿入断片の配列を確認し、改変型IL2配列(プラスミドTA−IL2(N88R)由来)を含む442bpのXmaI/Xho I断片を使用して、親免疫サイトカイン発現プラスミド(huKS−IL2をコードする)中の野生型huIL−2配列を置換した。huKS−ala−IL2(N88R)をコードする生成した免疫サイトカイン発現プラスミドを、制限地図の作製および塩基配列決定によって確認した。
4)huKS M1−IL2(TTSR(配列番号19))。免疫サイトカイン変異体huKS M1−IL2を、標準的な組み換えDNA技法(および、その開示の全容が本明細書に参照によって組み込んである、たとえば同時係属特許出願U.S.S.N.10/112,582中に記載された技法)によって構築した。それは融合タンパク質の抗体−IL−2接合部領域中に多数のアミノ酸置換を含み、これによって潜在的T細胞エピトープが除去され、免疫性原の低いタンパク質が生じる。配列はKSLSLSPGA−APT(配列番号20)から、KSATATPGA−APT(配列番号21)に変わり(ダッシュはIg/IL−2接合部位を示し、置換されたアミノ酸には下線を引く)、「M1」として示される。この変異体にさらに組み込まれているのは、免疫サイトカインの血清中半減期を増大させることが示されてきている、接合部前の最後のアミノ酸におけるKからAへの変化である。
huKS M1−IL2(TTSR)は、免疫サイトカインのIL−2部分に位置する他のアミノ酸置換を含む。前記したN88Rの置換によって作製される潜在的T細胞エピトープを除去するために、天然huIL−2の−DLII−(配列番号22)から−DTTRI−(配列番号23)に配列を変化させる。
PCR系突然変異誘発手法を使用して、突然変異体をセンスプライマーに組み込むことによって、変化をhuIL−2遺伝子のヌクレオチド配列に導入した。配列TTxRを、それぞれACC、ACCおよびAGGのコドン変化によって作製した。hu IL−2配列の3'端を含む突然変異型197bpのPCR断片は、配列5'ACTTAAGACCTAGGGACACCACCAGCAGGATCAACGTAATAGT3'(配列番号24)のセンスプライマー、および配列5'ATCATGTCTGGATCCCTC3'(配列番号25)のアンチセンスプライマーを使用して、huKS−ala−IL2(N88R)をコードする鋳型である免疫サイトカイン発現プラスミドから生成させた。このPCR断片をTAベクターにクローニングし、配列を確認した。完全なIL−2配列を再び生成させるために、この断片をAf1 II/Xho I制限消化部位として、huKS−ala−IL2(N88R)をコードする免疫サイトカイン発現プラスミドから得た2kbのHind III/Af1 II断片に連結させて、Hind III/Xho I制限型pBluescriptベクターに挿入した。次いで突然変異型IL−2遺伝子を、三方向の連結でKS M1−IL2をコードする免疫サイトカイン発現プラスミドの、本来のhuIL−2配列の代わりに交換した。
5)huKS(NからQ)−IL2。huKS(NからQ)−IL2をコードする免疫サイトカイン発現プラスミドを、標準的な組み換えDNA技法を使用して構築した。huKS(NからQ)−IL2は抗体Fcガンマ1定常領域のCH2ドメインにアミノ酸置換を含み、これによってN末端連結グリコシル化を不要にする。アミノ酸配列をQYSTYR(配列番号1)からQYSTYR(配列番号26)に変え、置換されたアミノ酸は下線で示した。同様に、アミノ酸配列をQFNST(配列番号2)からQAQST(配列番号27)に変える突然変異を含み、ガンマ2およびガンマ4定常領域を含む融合タンパク質を構築し、これによってさらに潜在的T細胞エピトープが除去される。
[実施例2]
改変された受容体特異性をもたらす、Ig−IL2融合タンパク質の化学的または酵素的改変:
この実施例は、PEG化huKS−IL2または脱グリコシル化huKS−IL2、およびこれらの変異体を生成させるために使用する、免疫サイトカインの生化学的操作を記載する。同じ方法を、他のIL−2融合タンパク質、免疫サイトカイン14.18−IL2またはアルブミン−サイトカイン融合体などに適用することができる。これらの変異体を後の実施例で使用して、細胞系バイオアッセイにおけるさまざまな細胞系の増殖応答(表1)、または分子の薬物動態学的性質に対するそれらの影響を調べた。
huKS−IL2のPEG化。PEG(20,000)を、タンパク質上に存在するアミン基を介して、タンパク質に共有結合させた。この目的のために、スクシンイミド連結基を含む反応性のあるPEGの誘導体(mPEG−プロピオン酸スクシンイミジル、以下では「SPA−PEG」と呼ぶ)を使用した。huKS−IL2は、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.5)、0.05%のTween80から構成されるアミン遊離バッファー中で充分に透析し、濃縮した。過剰なSPA−PEGをhuKS−IL2と、5:1または10:1のモル比で合わせた。使用直前に、脱イオン水に溶かした5mMのSPA−PEGストック溶液を作製した。適切な体積のSPA−PEG溶液をhuKS−IL2と合わせ、その反応混合物を振とう台上で30〜40分間室温においてインキュベートした。5〜10モル過剰のグリシンを加えて反応を停止させ、反応生成物をサイズ排除クロマトグラフィーによって精製した。50mMのHEPESおよび150mMのNaCl中で平衡状態にしたSuperdex 200カラムに、反応サンプルを充填し、PEG化タンパク質を含む溶出画分を集めて濃縮した。
huKS−IL2のN−グリカナーゼ(glycanase)処理。huKS−IL2(1.5mg)を、30mUのPNGaseF(New England Biolabs)と共に、37℃で一晩インキュベートした。反応生成物は、ProteinA−Sepharoseカラムに通すことによって精製し、結合したhuKS−IL2をpH3で溶出した。溶出物を中和し、スピンカラム中のPBSおよび0.05% Tween80のバッファーに濃縮した。huKS−IL2の脱グリコシル化を、サイズ排除クロマトグラフィーによって尿素ゲル上で確認した。
[実施例3]
Ig−IL2およびIg−IL2変異体の発現および精製
huKS−ala−IL2(N88R)に関してここに記載した一般的手順は、突然変異サイトカインとのIg−融合体を含めた、広くさまざまなIg−サイトカイン融合タンパク質に使用することができる。huKS−ala−IL2(N88R)を発現する、安定的にトランスフェクトされたクローンを得るために、huKS−ala−IL2(N88R)をコードする免疫サイトカイン発現プラスミドのDNAを、エレクトロポレーションによってマウスのミエローマNS/0細胞に導入した。NS/0細胞は、10%の熱失活したウシ胎児血清;2mMのグルタミンおよびペニシリン/ストレプトマイシンを補ったダルベッコの改変イーグル培地中で増殖させた。約5×106個の細胞をPBSで1回洗浄し、0.5mlのPBS中に再懸濁させた。次いで10μgの線状プラスミドDNAを、Gene Pulser Cuvette(0.4cm電極ギャップ、BioRad)中において氷上で10分間、細胞と共にインキュベートした。エレクトロポレーションは、0.25Vおよび500μFに設定したGene Pulser(BioRad、Hercules、CA)を使用して行った。細胞を氷上で10分間回復させ、その後細胞を成長培地に再懸濁させ、2枚の96ウエルプレート上に平板培養した。安定的にトランスフェクトされたクローンを、100nMのメトトレキサート(MTX)の存在下での増殖によって選択し、これを成長培地にトランスフェクションの2日後に加えた。これらの細胞に3日毎に2〜3回より多く栄養を与え、MTX耐性クローンが2〜3週間で出現した。クローンからの上澄みを抗Fc ELISAによってアッセイして、高生産者を同定した。高生産クローンを単離し、100nMのMTXを含む成長培地で増殖させた。
免疫サイトカインを、プロテインA親和性カラムクロマトグラフィーによって組織培養物の上清から精製した。huKS−ala−IL2(N88R)については、組み換えプロテインA(rPA)アガロースカラムを、10倍体積の流通用バッファー、たとえば100mMのアルギニン、5mMのクエン酸(塩)、0.01%のTween 80 pH 5.6などを用いて予め平衡状態にし、カラムにhuKS−aIa−IL2(N88R)を含む濾過した細胞培養物の上清を16 ml/分で、約40 mg/mlのrPA樹脂に結合するように充填した。カラムを同じバッファーで充分に洗浄し、最後に免疫サイトカインをpH 3の50mMのグリシン中に溶出させた。ピーク画分を回収し、1NのNaOHを用いてpHを中性に調節した。
[実施例4]
バイオアッセイにおけるIg−IL2変異体の活性
細胞系バイオアッセイ用に、増殖がIL−2に依存する細胞系を使用し、Ig−融合タンパク質、たとえばhuKS−IL2およびhuKS−IL2変異体の活性を、これらの細胞の増殖によって評価した。たとえば、CTLL−2(ATCC# TIB−214;Matesanz and Alcina、1996)、およびTF−Iβ(Famer他、[1995] Blood 86:4568〜4578)を使用して、T細胞応答およびNK細胞様応答をそれぞれ追跡した。CTLL−2は、高親和性IL−2Rαβγを発現するネズミのTリンパ芽球細胞系であり、TF−1βは、中親和性IL−2Rβγを発現する未熟な前駆体赤血球細胞由来のヒト細胞系である。これらのアッセイ用の他の有用な細胞系は、たとえばヒト成体のT細胞リンパ球Kit−225(K6)(Uchida他、(1987)Blood70:1069〜1072)由来の細胞系である。細胞系TF−1βと対にすると、融合タンパク質の活性が、同じ哺乳動物種の受容体保持細胞系の対において評価される。これらのアッセイを、ヒトPBMC(末梢血単核球細胞)由来の細胞群に関して行って、IL−2Rβγ保持NK細胞を単離すること、あるいはIL−2Rαβγを発現する活性化T細胞を生成させることもできる。hu PBMCからこれらの細胞群を単離するための技法は、当業者には知られている。たとえば、T細胞、PHA芽細胞は、PBMCを3日間、10マイクログラム/mlのフィトヘマグルチニン(PHA−P;L9017、Sigma、St.Louis)中でインキュベートすることによって得られる。休止期のNK細胞は、たとえばヒト細胞用のNK細胞単離キット(Miltenyi Biotec、Auburn、CA)を使用する、陰性選択プロトコルによって一般的に得られる。これらの融合タンパク質の活性とマウス腫瘍モデルから得られる結果を関連付けるために、1つまたは他のIL−2受容体複合体を発現するマウスから得られた細胞群に、これらのアッセイを行うことも有用である。たとえばNK細胞群は、SPINSEP(商標)ネズミNK細胞濃縮キット(Stemcell Technologies Inc、Vancouver、BC、Canada)を使用して、組み換え欠損(SCID)Balb/Cマウスの脾臓から得ることができる。任意のこれらの濃縮群の純度は、FACS分析によって評価することができる。
簡潔には、洗浄した細胞を、96ウエルのマイクロタイタープレート中に10,000細胞/ウエルの密度で平板培養し、たとえば精製huKSIL2またはhuKS−IL2変異体を補った細胞用培地中でインキュベートした。さらに、R&D Systems(Minneapolis、MN)から得た野生型huIL−2タンパク質を、標準としてアッセイした。加えたタンパク質は、約1000倍の濃度範囲、0.45 ng/mlと420 ng/mlの間で希釈系として調製した(IL2のモル当量に関して標準化した)。32時間後、0.3μCiの[メチル-3H]チミジン(Dupont-NEN-027)をそれぞれのウエルに加え、細胞をさらに16時間インキュベートした。次いで細胞を採取し、ガラスフィルタ上で溶解させた。DNAに取り込まれた3H−チミジンを、シンチレーション計数器で測定した。
細胞増殖に関するそれぞれのhuKS−IL2タンパク質変異体のED50値を、用量応答曲線をプロットし、50%の応答をもたらしたタンパク質濃度を同定することから得た。応答の選択性は、ED50値の比、たとえばED50[TF1−β]/ED50[CTLL−2]として表した。したがって、大きなED50比によって、比較的多量のタンパク質が、CTLL−2細胞応答と比較してTF1−β細胞応答を誘導するために必要とされたことが示された。huKS−IL2変異体のED50値の比を、遊離huIL−2および親huKS−1L2タンパク質と比較した。この標準値が差異的効果の指標である。参照タンパク質に関して得られた値より大きな値によって、CTLL−2細胞に対する選択性の変化が示された。いくつかの場合、同種に由来する細胞系に関するED50比を得て、その結果IL−2活性が、受容体との相互作用における種間の相違によって、追加的に影響を受けないことが好ましい可能性がある。以下の実施例はネズミCTLL−2およびヒトTF−1β細胞を使用して、Ig−IL2融合タンパク質と遊離IL−2のED50比を計算するものであり、これらの実験の代表的な結果は表1に示す。
Figure 2005511707
この実施例では、遊離IL−2に関して得られたED50比(0.81)と比較して、約5倍低いED50比がhuKS−1L2に関して得られた(0.17)。これによって、融合タンパク質はその選択性概略が変わったことが示され、TF−1β細胞に対する高い選択性が示された。異なる抗体/IL−2の組合せ、14.18−IL2も、IL−2単独よりTF1−βに対する選択性が高く(0.07のED50比)、この効果は抗体−IL2融合タンパク質中に含まれる特定の抗体に限られず、ネズミの高親和性受容体保持細胞に対するヒトIg−IL2融合タンパク質の、huIL−2と比べて低い活性は、Ig−IL2融合タンパク質の一般的な特徴を反映する可能性があることが示された。
他の変異体は、CTLL−2細胞応答が有利であるような改変ED50比を有していた。huKS−ala−IL2(N88R)に関して、ED50比が2000を超えた劇的な効果が見られ、中親和性受容体によってこれらの細胞中で仲介されるTF−1β細胞の増殖が、ほとんど検出できなかったことが示された。したがって、huKS−ala−IL2(N88R)はIL−2Rαβγ保持細胞のシグナリングを活性化させたが、それがIL−2Rβγ保持細胞を有意に活性化させることはなかった。huKS−ala−IL2(N88R)の活性は、ネズミIL−2Rβγ複合体を発現する精製ネズミNK細胞においてアッセイすることができるとも思われ;遊離ヒトIL2(N88R)タンパク質に関して報告されたこととは対照的に、これによって、マウスのTおよびNK細胞を調べると(Wetzel他、ASCO 2001 Meeting Abstractを参照)、選択性が実質的に失われ、マウスNK細胞中のhuKS−ala−IL2(N88R)のED50値が、TF−1β細胞に関して観察された値と同等であったことが示された。
CTLL−2細胞に対する応答の選択性のわずかな変化を、Ig−IL2変異体において観察し、融合タンパク質の抗体部分のグリコシル化に影響を与える変化を伴った。詳細には、抗体のFc部分中のグリコシル化部位が欠けたKS(NからQ)−IL2は、huKS−IL2と比べてED50比の3倍の増大を示し(0.72)、一方N−グリカナーゼ処理したhuKS−IL2は、huKS−IL2と比べて2倍の増大(0.45のED50比)を示した。同様に、N−グリカナーゼ処理した異なる抗体分子と融合したIL−2は、同様の結果をもたらした;たとえば、N−グリカナーゼ処理した14.18−IL2は、未処理14.18−IL2と比較して、ED50比の3倍の増大を与えた。これらの結果によって、分子そのものの抗体部分中のいくつかの変化が、抗体部分と融合するIL−2分子の結合および活性の性質に影響を与えることが示された。
融合タンパク質のPEG化も、その選択性概略を変えた。ここでも、CTLL−2の刺激活性に対する変化を観察した。huKS−IL2に関しては、PEG化変異体は、CTLL−2細胞に有利な選択性の9倍の増大をもたらし(1.99のED50比)、14.18−IL2に関しては、20倍の増大がPEG化によって誘導された(1.34のED50比)。
いくつかの場合、所与のタンパク質に関する選択性のこれらの変化が、表2に示した代表的な結果において示されるように、アッセイで使用した細胞型の個々の組合せを反映する可能性もある。たとえば、KS−IL2、KS−ala−IL2およびIL−2を、ヒトIL−2Rαβγ保持細胞系キット225をネズミCTLL−2の代わりに使用して比較すると、選択性の変化のパターンは保たれなかった。特にキット225細胞に関しては、これら3つのタンパク質は、ほぼ同じ活性を示した。しかしながら大抵の場合、TF−1β細胞とキット−225細胞の間のIg−IL2変異体の選択的応答の傾向は、Ig−IL2融合タンパク質のFc部分の脱グリコシル化の影響を含めた、TF−1β細胞およびCTLL−2細胞に関して確立されている傾向と類似していることが見出された(以下の表2および実施例10中の代表的な結果を参照)。
Figure 2005511707
さらに、キット−225細胞は、IL−2およびIL2融合タンパク質およびそれらの変異体に対して、CTLL−2細胞よりも感受性があったことが見出された。たとえば、huKS−ala−IL2のED50値は、キット−225細胞では0.08、CTLL−2細胞では5.0であり、KS−ala−IL2(N88R)に関しては、それはキット−225細胞では0.13であり、CTLL−2細胞では3であり、これらのアッセイにおけるキット−225細胞の感受性の約10〜50倍の増大が示された。したがって、所与のタンパク質に関するED50比の値は、使用する細胞型の個々の組合せに依存する。
[実施例5]
改変された受容体結合性を有するIL−2融合タンパク質の薬物動態
huKS−ala−IL2(N88R)の薬物動態(PK)概略を、huKS−ala−IL2およびhuKS−IL2の概略と比較した。それぞれのタンパク質に関して、3匹の6〜8週齢マウスを使用した。PBSに125μg/mlに希釈した25μgの融合タンパク質を、マウスの尾部静脈に注射し、50μlの血液サンプルを、注射直後(0時間)、および注射後0.5、1、2、4、8、および24時間で、眼後出血によって得た。血液サンプルをヘパリンコーティングチューブ中に回収して血液凝固を防止し、後細胞の原形質の上清中の免疫サイトカインのレベルを、ELISAアッセイで測定した。薬物動態の研究のために使用したELISAアッセイの手順は、以前に記載された(WO01/58957)。このアッセイによって、完全な免疫サイトカインの存在を測定した。原形質由来の免疫サイトカインの捕獲は、EpCAMコーティングプレート上で行い、その検出はIL−2を対象とするHRP結合抗体を用いて行った。接合部においてKがAに置換されたhuKS−IL2変異体、huKS−ala−IL2は、huKS−IL2と比較して、循環半減期が劇的に改善されていたことは、以前に示されている(WO01/58957)。実際、huKS−a1a−IL2(N88R)の循環半減期が同様に改善されたことが見出され、分子のIL−2部分中のN88Rの改変は、薬物動態に対して実質的な影響がなかったことが示される。代表的な実験の結果は図2に示す。図2は、血清中に存在する免疫サイトカインの濃度(静脈内投与の直後に存在した出発濃度に対する、血清中に残っていたタンパク質の濃度のパーセンテージとして表した)の、24時間の時間行程を示す。タンパク質濃度はELISAアッセイにおいて決定し、そのアッセイでは、免疫サイトカインをその抗体部分によって捕獲し、そのサイトカイン部分によって検出する。X軸=時間単位で表した時間t;Y軸=log(残りのタンパク質濃度の%)。
[実施例6]
哺乳動物において改変された受容体結合性を有するIL−2融合タンパク質の毒性
マウス中のKS−IL2変異体huKS−IL2、huKS−ala−IL2、およびhuKS−ala−IL2(N88R)の相対的毒性を調べた。実施例5に示したように、huKS−ala−IL2およびhuKS−ala−IL2(N88R)は、huKS−IL2と比較すると大幅に高いPKを有する。それにもかかわらず比較目的で、PKが異なるにもかかわらず、異なる分子に関して同一の投与スケジュールを使用した。長い血清中半減期は治療の有効性を高める可能性があるが、それが高い毒性をもたらす可能性もある。さらにこの実施例は、huKS−ala−IL2はhuKS−IL2と比較して高い毒性を有していたが(長い循環半減期のために)、huKS−ala−IL2(N88R)は長い循環半減期にもかかわらず、huKS−IL2と比較して低い毒性を有していたことを示す。
Balb/Cマウス(実験条件当たり3匹の動物)に、5日間続けて3つのタンパク質の1つを、1日1回静脈内注射した。融合タンパク質を200μlのPBSに希釈し、以下の用量で投与した:huKS−IL2およびhuKS−ala−IL2は、マウス1匹当たり25、50、または75μg、およびhuKS−ala−IL2(N88R)は、マウス1匹当たり50、75、または100μg。対照群にはPBSの静脈内注射を与えた。マウスの生存を1日1回観察し、マウスの生存に対する影響を調べた。すべての用量のhuKS−IL2を投与したマウスは生存した。しかしながらhuKS−ala−IL2は、さらに毒性であった。マウスは25μgの用量のhuKS−ala−IL2には耐えたが、50μgの用量では第6日に3匹のマウスすべてが死んでしまい、75μgの用量では2匹のマウスが第4.5日に死んでしまい、第3のマウスは第5日に死んだ。他方でhuKS−ala−IL2(N88R)は、100μgを含めたすべての用量で充分に耐性があった。実際、huKS−ala−IL2(N88R)を、マウス1匹当たり200μgの用量でも投与し、マウスは生存した。したがって、huKS−ala−IL2(N88R)は、huKS−ala−IL2よりも著しく毒性が低かった。
huKS−ala−IL2を用いた処置の行程中に死んだマウスを切開し、それらの器官を調べた。肺、脾臓、肝臓、胃、および腎臓を含めたすべての器官が大きく膨張し、広範囲の血管外漏出が示された。変異体huKS−ala−IL2(N88R)で処置した動物の器官も調べた。マウスは前記したように処置し、huKS−ala−IL2(N88R)処置した動物からの器官重量は、特に肺および肝臓に関して、対照動物の重量と概して類似していたことが見出された。理論に縛られることを望まずに、脾臓の重量の増大は、血管外漏出ではなく、このヒトタンパク質に対する抗体の免疫応答によって引き起こされる細胞性の増大によるものであると考えられる。huKS−ala−IL2(N88R)によって、huKS−ala−IL2よりも重度の低い血管外漏出が生じると推測される。表3は、対照マウスの器官と比べた器官重量の倍増率に関する、近似値の例を与える:
Figure 2005511707
その免疫系構成に知られている改変がなされた、さまざまなマウス系統背景の影響を、これらのIg−IL2融合タンパク質の毒性に関して評価した。マウス系統DBA/2、Balb/C、B6.CB17−Prkdcscid/SzJ(SCID)、ベージュ、およびSCID/ベージュを使用した。融合タンパク質は、huKS−ala−IL2に関してはマウス1匹当たり25μgおよび50μgの用量で、huKS−ala−IL2(N88R)に関してはマウス1匹当たり200μgの用量で前述のように投与し、マウスの生存および重量を2週間にわたり調べた。
huKS−ala−IL2の場合、大部分のマウス系統によって、前に報告したBalb/Cマウスで見られた結果と類似の結果が与えられた:50μgの用量は動物の死を第5日にもたらし、一方低用量では動物は生存し、それらの重量はその最初の重量にほぼ回復したが、擬似治療した対照動物の体重増加には至らなかった。興味深いことに、機能的NK細胞を欠いたベージュマウスは、50μgの高用量にうまく耐えることができ;2匹の動物は第9日までに死んだが、1匹は、最初に大量の重量を失ったが(第7日までに約25%)、回復し、第15日までに、擬似治療した動物および低用量で治療した動物の身体重量を得た。DBA/2マウスはhuKS−ala−IL2に対してより感受性があり;低用量でさえ、DBA/2動物は第5日および第9日に死んだ。
huKS−a1a−IL2(N88R)に関しては、Ig−IL2融合タンパク質に対するDBA/2マウスの高い感受性も明らかであった:第8日までに、すべての動物が死んでしまい、半分の用量(100μg)においてさえ、動物は第9日までに死んだ。ここでも、融合タンパク質はベージュマウス中で最も耐性があり、一方SCID/ベージュマウスは大量の重量を失った(第10日まで、擬似治療した対照の約80%が安定状態のままであった)。
[実施例7]
哺乳動物のさまざまな腫瘍の治療における、改変された受容体結合性を有するIg−IL−2融合タンパク質の有効性
a)Balb/Cマウス中のCT26/KSA皮下腫瘍の処置。ヒトKS抗原(KSA)をコードする遺伝子を形質導入した、CT26結腸癌細胞を使用して、皮下腫瘍を誘導した。2×106個の生細胞を、100μlのPBSに懸濁させ、6週齢のBalb/Cマウスの背部に皮下注射した。腫瘍の大きさが100〜200mm3に達したとき、8匹のマウスの群に3つの治療条件の1つを施した:5日連続して、200μlのPBSに希釈した15μgのhuKS−ala−IL2またはhuKS−ala−IL2(N88R)を静脈内注射し、あるいはPBSのみを投与した。50日間、週に2回腫瘍体積を測定することによって、疾患の進行を評価した。対照動物では、腫瘍体積は安定して増大し、ほぼ第32日の殺傷時に、約3500〜6000mm3の大きさに達した。対照的に、2つの実験群の腫瘍体積は、第50日までほぼ一定のままであり、huKS−ala−IL2(N88R)が、腫瘍増殖の防止においてhuKS−ala−IL2と同じくらい有効であったことが示された。
b)C57BL/6マウス中のLLC/KSA皮下腫瘍の処置。第2の腫瘍モデルでは、KS抗原をコードする遺伝子を形質導入したLewis肺癌細胞を使用して、皮下腫瘍を誘導した。EpCAMを発現する1×106個の生命力のあるLLC細胞を、100μlのPBSに懸濁させ、6〜8週齢のC57BL/6マウスの背部に皮下注射した。腫瘍の大きさが100〜150mm3に達したとき、8匹のマウスの群を前述のように治療および評価した。ただし、投与する用量は注射1回当たり20μgに増やした。対照動物では、腫瘍体積は急速に増大し、20日以内に6500mm3を超え;2つの実験条件に関する腫瘍の増殖は同じ程度で遅れ、同じ期間で4000mm3に達し、同じ用量でhuKS−ala−IL2およびhuKS−ala−IL2(N88R)を用いた治療の間に、有効性に違いがなかったことが再度示された。
c)B6.CB17−Prkdcscid/SzJマウス中のLLC/KSA皮下腫瘍の処置。本発明の融合タンパク質は、成熟T細胞以外の細胞に対しても有効である可能性がある。たとえば、1つの実験では、本発明の融合タンパク質によって、成熟T細胞を欠いたマウスでも腫瘍増殖の遅れがもたらされた。これらの結果によって、本発明の融合タンパク質は、たとえば免疫不全患者の腫瘍の治療において、有用である可能性があることが示唆される。
LLC/KSA皮下腫瘍モデルを、そのT細胞およびB細胞仲介の免疫応答が不全状態であった、11週齢のB6.CB17−Prkdcscid/SzJマウスにおいて評価した。前記したのと同じ治療プロトコルを続けた。対照動物の腫瘍は、15日以内に3500mm3まで急速に増大した。huKS−ala−IL2およびhuKS−ala−IL2(N88R)は、同じ期間で腫瘍の増殖をその大きさの半分未満に遅らせる際に同様に有効であった。さらに、完全な免疫系を有するC57BL/6マウスと、T細胞およびB細胞を欠いたB6.CB17−Prkdcscid/SzJマウスの間の腫瘍増殖率の違いは、最小限であった。
さらに、KS−ala−IL2によって、完全な免疫系を有するマウスと、機能的T細胞を欠いたマウスにおいて同様に充分な腫瘍の治療がもたらされたという事実によって、この腫瘍モデルでは、免疫応答が非T細胞仲介型機構によって調節されたことが示された。したがって、治療用分子中にさまざまエフェクター細胞により免疫応答を刺激するためのオプション(option)を保つことが重要である。いずれのマウス系統においてもKS−ala−IL2と同程度有効であった、KS−ala−IL2(N88R)の場合、T細胞と無関係に作用するエフェクター細胞の活性が、明らかに保たれていた。
d)C57BL/6マウスの肺へのLLC/KSA転移の処置。LLC/KSA細胞を、肺転移モデルにおいても使用した。1×106個の生細胞を、200μlのPBSに懸濁させ、6〜8週齢のC57BL/6マウスに静脈内注射した。第4日に、8匹のマウスの群に以下の治療条件の1つを施した:5日連続して、200μlのPBS、または200μlのPBSに希釈した20μgのKS−ala−IL2またはKS−ala−IL2(N88R)をマウスに静脈内注射した。動物は27日頃に殺傷し、肺を切開しブアン液に固定した。肺中の転移の程度は、転移物によって覆われた表面積のパーセンテージを記録すること、および肺重量によって評価した。
対照群の肺は96%を超えるその表面積が転移物によって覆われており、肺重量が正常な肺の約5倍増大していた(0.75g)。対照的に、huKS−ala−IL2で処置したマウスの肺は、転移物で最小限に覆われており(5.6%)、huKS−aIa−IL2(N88R)で処置したマウスの肺は、転移物をほとんど含んでいなかった(0%)。huKS−ala−IL2およびhuKS−aIa−IL2(N88R)で処置した動物の肺は、正常な重量であった。したがって、huKS−ala−IL2(N88R)は、動物の生存に影響を与えると思われる閾値より数倍低い用量で、肺転移の処置においてhuKS−ala−IL2と同程度有効であることが証明された。
[実施例8]
併用療法におけるKS−1L2変異体
低毒性KS−IL2変異体、たとえばhuKS−ala−IL2(N88R)などを、腫瘍を治療するための第2の免疫調節物質と共に投与することの効果を、実施例7bに記載したマウスの皮下腫瘍モデルLLC/KSAを使用して調べた。
a)huKS−ala−IL2変異体およびシクロホスファミド。併用療法のために、シクロホスファミドを第0日に75mg/kgの用量で腹腔内に投与し、この時点では腫瘍は平均90mm3であり、次に融合タンパク質を5日間の間(第1日から第5日まで)1日1回投与した。huKS−ala−IL2(N88R)は、20μgまたは100μgの用量で投与した。対照条件は擬似治療動物、および20μgの用量のhuKS−ala−IL2のみ、または20μgまたは100μgの用量のhuKS−ala−1L2(N88R)のみで処置した動物を含んでいた。擬似処置した動物の腫瘍は、第19日までに約5000mm3に進行し、一方huKS−ala−IL2で処置したマウスの腫瘍は約2200mm3であり、20μgまたは100μgのhuKS−aIa−IL2(N88R)で処置したマウスの腫瘍は、それぞれ約2600mm3および1700mm3であった。シクロホスファミドの同時投与によって、20μgの用量のhuKS−aIa−IL2(N88R)で1700mm3の腫瘍、および高用量で1250mm3の腫瘍がもたらされ、これらはhuKS−ala−IL2のみで処置したものより著しく小さかった。
b)huKS−aIa−IL2変異体およびインドメタシン。併用療法のために、インドメタシンを35μg/マウス/1日の用量で経口投与し、さらに融合タンパク質を5日間の間(第1日から第5日まで)1日1回投与した。腫瘍は最初は平均90mm3であった。huKS−ala−IL2(N88R)は20μgの用量で投与した。対照条件は擬似治療動物、および20μgの用量のhuKS−ala−IL2のみ、または20μgの用量のhuKS−ala−1L2(N88R)のみで処置した動物を含んでいた。擬似治療した動物の腫瘍は、第19日までに約5000mm3に進行し、一方huKS−ala−IL2で処置したマウスの腫瘍は約2200mm3であり、20μgのhuKS−aIa−IL2(N88R)で処置したマウスの腫瘍は、それぞれ約2600mm3および1700mm3であった。インドメタシンの同時投与によって、20μgの用量のhuKS−aIa−IL2(N88R)で850mm3への腫瘍の大きさの減少がもたらされ、これはhuKS−ala−IL2のみによる治療によって得られた腫瘍より著しく小さい腫瘍であった。
[実施例9]
改善された治療係数を有するKS−1L2変異体
IL−2配列中の特定の位置における突然変異によって、KS−IL2変異体を構築した。たとえば、IL−2受容体のαサブユニットと結びつく可能性がある位置に、置換を行う。適切な残基は、たとえばhuIL−2の成熟配列中のF42である。このアミノ酸の芳香族環構造は、IL−2中の局所の立体配置を安定化させると考えられており(Mott他、JMB 1995、247:979)、免疫サイトカインのこの位置での、たとえばY、AまたはKとの置換によって、IL−2受容体親和性および生物活性が徐々に低下した分子がもたらされることが見出されている。これらの分子を動物において試験し、非改変形の免疫サイトカインと比較すると、腫瘍の処置における治療係数の増大が得られることが見出されている。有効である他の置換は、位置R38およびK43における置換である。
免疫サイトカインのIL−2部分中の他の置換は、βサブユニットと結びつく可能性がある領域内の、たとえば成熟huIL−2の位置E15またはL19における置換である。これらの残基が免疫サイトカインにおいてたとえばAまたはRに突然変異すると、変異体免疫サイトカインは、非改変形の免疫サイトカインと比較して、IL−2受容体のβサブユニットと低い親和性を有することが見出されている。Rへの置換に関する影響はAへの置換に関する影響より深刻であり、これはRの側鎖の大きさと関連がある可能性があることが一般に見出されている。これらの分子を動物において試験し、非改変形の免疫サイトカインと比較すると、腫瘍の治療における治療係数の増大が得られることが見出されている。他の置換が位置D84およびV91に導入され、治療係数の増大において有効であることも示されている。
IL−2受容体のγサブユニットと結びつく分子の領域に影響を与える可能性がある、免疫サイトカインのIL−2部分中の置換を、成熟huIL−2の位置N119に導入する。さらに微妙な免疫サイトカイン変異体を、Aへの突然変異によって作製し、さらに破壊的な突然変異体を、Rへの突然変異によって作製する。これらの変異体の影響を、腫瘍を有する動物において試験し、これらの変異体免疫サイトカインは、非改変形の免疫サイトカインと比較すると、改善された治療係数を有することが見出されている。
IL−2免疫サイトカインにおいて、特に分子の多重突然変異を生み出すことにより、治療係数の増大が得られることも見出されており、免疫サイトカインにおける点突然変異によって、非常にわずかな、あるいは無視できる程度の治療係数の増大が示される。たとえば、組合せF42AとL19A、またはL19AとN119Aを含む免疫サイトカインは、いずれかの免疫サイトカイン変異体単独より有効であることが見出されている。多重突然変異に関する適用例に関しては、アミノ酸側鎖の大きさを減少させる突然変異を使用することが特に有用である。免疫サイトカインのIL−2部分に導入される他の置換は、成熟huIL−2のT51の置換である。Aへの突然変異によって治療係数の改善が示されるわけではないが、Pへの突然変異によって、腫瘍の処置において非改変形の免疫サイトカインと比較して、改善された治療係数を有する免疫サイトカインが生み出される。
[実施例10]
Ig−IL2融合タンパク質変異体huKS−ala−IL2(D20T)、およびその誘導体
成熟huIL−2の位置20におけるアスパラギン酸からトレオニンへの置換を含む、Ig−IL2(D20T)をベースとする変異体を作製した。これらの変異体は、Igドメイン中、Fc部分または抗体標的ドメイン中などに追加的な置換を含む。これらの分子をコードするDNA構築体を作製するために、当業者が精通している、構築体特異的プライマーを用いて突然変異を導入するPCR手法、および適切なクローニング戦略を使用し、実施例1に記載した手順にほぼ従った。
a)huKS−ala−IL2(D20T)。突然変異体D20Tを導入するために、プライマーセット5'CAGCTGCAACTGGAGCATCTCCTGCTGACCCTCCAGATGATTCTGAAT−3'(下線のヌクレオチドは置換されたコドンを示す)(配列番号28)、およびプライマーT3(5'ATTAACCCTCACTAAAGGGA−3')(配列番号29)を用いる、PCR突然変異誘発手法を使用し、DNA断片をpBSプラスミド上の野生型huIL−2 DNAから増幅し、TAベクター(Invitrogen)に挿入してTA−IL2(D20T)を生成させた。突然変異誘発は塩基配列決定によって確認した。huKS−ala−IL2中の元のIL−2配列を置換するために、TA−IL2(D20T)からの385bpのPvuII/XhoI断片を、親免疫サイトカインプラスミドに三重の連結反応でクローニングした。融合タンパク質を発現させ、これをほぼ実施例3に記載したように精製した。hu−KSの重鎖および軽鎖可変領域に対応するアミノ酸配列を、それぞれ配列番号30および31で示す。
同じPCR誘導断片を異なるプラスミド骨格に取り込ませて、huKS−ala−IL2(D20T)の他の変異体を作製した。
b)dI−KS−aIa−IL2(D20T)。潜在的T細胞エピトープが除去され改変された型のKS−ala−IL2は、以前に記載した。融合タンパク質を発現させ、これをほぼ実施例3に記載したように精製した。IL2(D20T)変異体と融合したdI−KS抗体の重鎖に対応するアミノ酸配列を、それぞれdI−KSの重鎖および軽鎖可変領域に対応する、配列番号32、配列番号33および34で示す。
c)脱グリコシル化dI−KS−ala−IL2(D20T)。N−グリカナーゼを使用する酵素による脱グリコシル化を、ほぼ実施例2に記載したようにタンパク質dI−KS−ala−IL2(D20T)に行った。
d)dI−KS(γ4h)(FN>AQ)−ala−IL2(D20T)。このIL−2(D20T)融合タンパク質のIg部分は、IgGγ4サブクラス(配列番号7)の定常領域由来のものであり、これはさらにIgGγ1ヒンジ(配列番号10)の特徴を保っていた。さらに、潜在的T細胞エピトープを除去する突然変異を導入した。さらに、この融合タンパク質は、アスパラギンからグルタミンへの置換を含み、これによってFc中のN−グリコシル化部位が除去される(実施例4を参照)。フェニルアラニンからアラニンへの同時の置換によって、潜在的T細胞エピトープが除去される。融合タンパク質を発現させ、これをほぼ実施例3に記載したように精製した。
e)dI−NHS76(γ2h)−ala−IL2(D20T)。このIL−2(D20T)融合タンパク質のIg部分は、IgGγ2サブクラスの定常領域由来のものであり、これはさらにIgGγ1ヒンジの特徴を保っていた。NHS76では、Igの可変領域はDNA−ヒストン複合体中に含まれるエピトープを対象とするものであり、腫瘍の壊死中心を特異的に認識する(Williams他、PCT WO 00/01822)。さらに、軽鎖の可変領域の潜在的T細胞エピトープを除去する、突然変異を導入した。この残基、ロイシン104は、CDR3 V−J接合部に存在し、バリンに置換された。融合タンパク質を発現させ、これをほぼ実施例3に記載したように精製した。
f)dI−NHS76(γ2h)(FN>AQ)−ala−IL2(D20T)。実施例10eのタンパク質をベースとするこのタンパク質は、Fc中のN末端連結グリコシル化および潜在的T細胞エピトープを排除する、実施例10dに記載するような、突然変異をさらに含む。融合タンパク質を発現させ、これをほぼ実施例3に記載したように精製した。一実施形態では、本発明の融合タンパク質は、配列番号35で示す、IL2(D20T)変異体と融合したNHS76(γ2h)(FN>AQ)分子の重鎖配列、および配列番号36に対応する軽鎖の可変領域および定常領域配列を含む。しかしながら、配列番号35の重鎖領域は、任意のIgG軽鎖可変領域または定常領域と組み合わせて使用することができる。
g)dI−NHS76(γ4h)−ala−IL2(D20T)。このタンパク質は、実施例10eに記載するタンパク質と類似しているが、γ2IgGサブクラスではなくγ4由来の重鎖を含む。融合タンパク質を発現させ、これをほぼ実施例3に記載したように精製した。
h)dI−NHS76(γ4h)(FN>AQ)−ala−IL2(D20T)。実施例10gのタンパク質をベースとするこのタンパク質は、Fc中のN末端連結グリコシル化および潜在的T細胞エピトープを排除する、実施例10dに記載するような、突然変異をさらに含む。融合タンパク質を発現させ、これをほぼ実施例3に記載したように精製した。一実施形態では、本発明の融合タンパク質は、配列番号37で示す、IL2(D20T)変異体と融合したdI−NHS76(γ4h)(FN>AQ)分子の重鎖配列、および配列番号36に対応する軽鎖の可変領域および定常領域配列を含む。しかしながら、配列番号37の重鎖領域は、任意のIgG軽鎖可変領域または定常領域と組み合わせて使用することができる。
本発明の融合タンパク質のIg部分は、異なる種に由来するIgG分子のドメインを含む組合せを含めた、任意のサブクラスのIgG由来の重鎖の定常領域のドメインを含むことができる。したがって、本発明の融合タンパク質は、任意のサブクラスのIgG由来のヒンジ領域、たとえばIgGガンマ1(配列番号10)、ガンマ2(配列番号11)またはガンマ4(配列番号12)由来のヒンジ領域を含むことができる。
バイオアッセイにおけるIg−IL2(D20T)変異体の活性:Ig−IL2(D20T)融合タンパク質を、細胞がIL−2に依存して増殖する能力を測定するバイオアッセイにおいて試験し、これをED50値として表した(実施例4を参照)。これらのアッセイは、ネズミCTLL−2細胞またはヒトKit−225細胞(IL−2Rαβγを発現する)、およびヒトTF−1β細胞または単離したネズミNK細胞(IL−2Rβγを発現する)に行った。
たとえば、ある代表的な実験において、huKS−ala−IL2と比較して、IL−2Rαβγ保持細胞CTLL−2におけるdI−KS−ala−IL2(D20T)のED50値は変わらず、一方IL−2Rβγ保持細胞TF−1βでは、それは約900倍大きかったことが見出された。したがって実施例4で定義したED50比は約150であり、huKS−ala−IL2と比較して、IL−2Rαβγ保持CTLL−2細胞に対する約750倍の選択性の変化が明らかになった。この細胞系の対のhuKS−ala−IL2(N88R)に関して見られる、(KS−ala−IL2と比べた)約20,000倍の選択性の変化と比較して、di−KS−ala−IL2(D20T)の選択性は約10〜20倍低下しており、IL−2Rβγ発現細胞から得られる測定可能な増殖応答が反映された。この傾向は、ヒトKit 225細胞を使用したときも明らかであった。KS抗体を含む他のIg融合タンパク質に関して見出されたように、抗体部分の脱グリコシル化は、IL−2Rβγ発現細胞における融合タンパク質の活性の低下に対してわずかではあるが、一貫した影響を与えた。
IL−2依存性の細胞増殖も、異なる抗体部分を含むIg−IL(D20T)変異体において測定した。dI−NHS76(γ2)−ala−IL2と比較して、IL−2Rαβγ保持細胞Kit−225におけるdI−NHS76(γ2)−ala−IL2(D20T)のED50値は3倍増大し、一方IL−2Rβγ保持細胞TF−1βでは、それは約230倍増大したことが見出された。350という生じたED50比は、dI−KS(γ4)(FN>AQ)−ala−IL2(D20T)に関して見られたものと同じ範囲であり、huKS−ala−IL2(N88R)より少なくとも10倍選択性が低かった。代表的な結果を表4に示す。
Figure 2005511707
Ig−IL2(D20T)変異体の薬物動態:Ig−IL2変異体と細胞表面Fc受容体の相互作用を評価するために、Ig−IL2融合タンパク質とFcγR受容体の結合を、U937細胞を使用して細胞系ELISAでアッセイした。融合タンパク質(huKS−ala−IL2、dI−huKS−ala−IL2、dI−KS−ala−IL2(D20T)、およびdI−KS(γ4h)(FN>AQ)−ala−IL2(D20T))を、100μg/ml〜780ng/mlの範囲で2倍に希釈し、細胞と共にインキュベートし、FITC−複合抗ヒトIgGFcAbF(ab')2を使用して結合を検出した(Jackson ImmunoResearch、West Grove、PA)。これらの細胞に関するhuKS−ala−IL2およびdI−KS−ala−IL2の半値結合の濃度は、約5μg/mlであり、さらに興味深いことに、dI−KS−ala−IL2(D20T)タンパク質に関して2倍増大した。Ig部分(dI−KS(γ4h)(FN>AQ)−ala−IL2(D20T))のグリコシル化を妨げる突然変異の導入によって、このタンパク質とU973細胞の結合が5〜10倍低下したが、結合が完全に無くなったわけではなかった。
マウスにおけるIg−IL2(D20T)変異体の薬物動態学的性質を、ほぼ実施例5に記載したように調べた。驚くことに、dI−KS−ala−IL2と比較すると、dI−KS−ala−IL2(D20T)の半減期は著しく低下した。PKプロファイルの分析によって、この影響はα期中に特に著しく:一方50%のdI−KS−ala−IL2が1時間後に依然として入手可能であり、わずか約5%のdI−KS−ala−IL2(D20T)が依然として存在したことが示された。これらのタンパク質のPKプロファイルのβ期の勾配は同等であった。dI−KS−aIa−IL2(D20T)に関して見られたほぼ同一なPKプロファイルは、融合タンパク質dI−NHS76(γ2h)−ala−IL2(D20T)に関して得られ、これはIgGのサブクラスγ2を含み、このIgGは最小限のFcR結合親和性を通常示す。したがって、IL(D20T)タンパク質部分の融合タンパク質に対する影響は、抗体dI−KSに限られなかった。
Ig融合タンパク質の脱グリコシル化は一般に、PKプロファイルのα期を増大させる効果があることが観察された。したがって、dI−KS−ala−IL2(D20T)の酵素による脱グリコシル化の、PKプロファイルに対する影響を調べた。実際、α期のPKプロファイルは、dI−KS−ala−IL2に関して観察されたものにほぼ回復した。融合タンパク質dI−KS(γ4h)(FN>AQ)−ala−IL2(D20T)中と同様に、グリコシル化が突然変異誘発によって無くなると、同じ効果が得られた。したがって、PKプロファイルに対する影響は、低下したFcRの結合性によるものである可能性がある。
Ig−IL2(D20T)変異体の毒性:Ig−IL2(D20T)変異体KS(γ4h)(FN>AQ)−ala−IL2(D20T)の毒性を、実施例6に記載したように、Balb/Cマウス中のdi−KS−ala−IL2の毒性と比較した。
2つの融合タンパク質は、マウス中において同等の血清中半減期を有していた。dI−(γ4h)(FN>AQ)−ala−IL2(D20T)は、100μg/マウス、200μg/マウスまたは400μg/マウスのいずれかの用量で1日5回投与し、一方dI−KS−aIa−IL2は、40μg/マウスの用量で1日5回投与した。dI−KS(γ4h)(FN>AQ)−ala−IL2(D20T)の400μg/マウスという用量でもマウスは生存し、一方、10分の1の用量のdi−KS−ala−IL2を与えた対照マウスは、第6日までに死んだことが見出された。dI−KS(γ4h)(FN>AQ)−ala−IL2(D20T)で治療したマウスの身体重量はわずかに影響を受け、第7日に最初の重量97%まで一時的に低下した。耐性用量の10倍を超える差異は、治療係数の大幅な改善を示す可能性がある。
腫瘍の治療に関するIg−IL2(D20T)変異体の有効性:Ig−IL2(D20T)変異体の有効性を、実施例7aに記載したように、CT26/KSA細胞由来の皮下腫瘍を有するBalb/Cマウスにおいて評価した。
融合タンパク質dI−KS(γ4h)(FN>AQ)−ala−IL2(D20T)を、15μg/マウスおよび30μg/マウスの用量で投与した。腫瘍は126mm3の平均の大きさで始まり、第28日までに1800mm3と5000mm3の間の大きさに達した。15μg/マウスのdI−KS−ala−IL2で処置したマウスの腫瘍は、355mm3の平均の大きさまで増殖したが、一方15μg/マウスのdI−KS−ala−IL2(D20T)で処置したマウスの腫瘍は、2250mm3の平均の大きさに達した。これは、分子の低いPKによるものである可能性が最も高かった。15μg/マウスの低用量でdI−KS(γ4h)(FN>AQ)−ala−IL2(D20T)処置したマウスの腫瘍は、ある程度、1450mm3の平均の大きさまで増殖したが;しかしながら、一方30μg/マウスの用量では、腫瘍は950mm3の平均の大きさに達し、有意なことに、半分を超えるマウスで、腫瘍は測定できるほどは増殖しなかった。したがって、高用量では、dI−KS(γ4h)(FN>AQ)−ala−IL2(D20T)は、腫瘍増殖の阻害に対して有意な影響があった。実際、この実験で使用した用量は、この分子の最大耐性用量より少なくとも12倍低く、したがってこの分子は、huKS−ala−IL2より改善された治療係数を有する可能性があり、対照的に最大耐性用量の3分の1〜2分の1で投与された。
[実施例11]
異なるIL−2受容体との、野生型および突然変異IL−2融合タンパク質の相対的親和性
IL−2Rαβγ受容体と比べたIL−2Rβγ受容体との、本発明のさまざまな融合タンパク質の差異的親和性は、ラジオイムノアッセイなどのアッセイによって測定することができる。等しい数のIL−2Rαβγ受容体発現細胞、またはIL−2Rβγ受容体発現細胞を、プラスチックプレートの上に平板培養する。等しい数のIL−2Rαβγ受容体発現細胞、またはIL−2Rβγ受容体発現細胞を加えた、等量の野生型または突然変異IL2融合タンパク質に、希釈系を行い、標準曲線を得る。非結合融合タンパク質を洗浄除去し、それぞれの細胞型と結合した融合タンパク質の量を、放射標識リガンドによって検出する。Fc−IL−2融合タンパク質の場合、リガンドは、IgGのFc部分と結合する、ブドウ球菌のプロテインAなどの分子であってよい。リガンドは、特定のサブクラスのIgG分子の一部分を認識する他の抗体、たとえばIgGガンマ1、IgGガンマ2またはIgGガンマ4定常領域に対する抗体であってもよい。非結合融合リガンドを洗浄除去し、野生型IL2融合タンパク質と結合したIL−2Rαβγ発現細胞;突然変異IL2融合タンパク質と結合したIL−2Rαβγ発現細胞;野生型IL2融合タンパク質と結合したIL−2Rβγ発現細胞、または突然変異融合タンパク質と結合したIL−2Rβγ発現細胞のいずれかを含むプレートの放射活性を、ガンマ線測定装置上で測定する。結合アッセイから得られたデータを標準化して、細胞および細胞上で発現された受容体の数を計算する。
他のアッセイでは、融合タンパク質そのものを、当分野でよく知られているさまざまな技法を使用して、放射活性によって、あるいは非放射活性的に標識することができる。標識リガンドに関する前に記載したアッセイと同様に、野生型または突然変異標識融合タンパク質を、等しい数の平板培養細胞に加え、標識された融合タンパク質の量を測定する。
特定の受容体との融合タンパク質の結合親和性を、前記した結合リガンドまたは結合融合タンパク質の濃度と、非結合リガンドまたは非結合融合タンパク質の生成物の濃度、およびそれぞれの反応に加えた融合タンパク質の全体濃度の比によって測定する。野生型IL2融合タンパク質と比較すると、IL−2部分中のいくつかの突然変異によって、IL−2Rβγ受容体およびIL−2Rαβγ受容体との、融合タンパク質の相対的親和性が変わる。
(等価形態)
本発明は、本発明の精神またはその本質的な特徴から逸脱せずに、他の特定の形で実施することができる。したがって前述の実施形態は、本明細書に記載した本発明を制限するものではなく、すべての点で例示的なものであるとみなすべきである。したがって本発明の範囲は、前述の記載によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の等価性の意味および範囲内に入るすべての変形が、本発明の範囲に含まれると考えられる。
本明細書で参照したすべての特許、特許出願、および科学文献刊行物は、参照によってその全容を組み込んである。
サイトカインと、サイトカインの本来の結合性を変える第2のタンパク質部分の、融合を示す図である。図1Aは、二量体分子としてのIL−2との融合相手、たとえば抗体またはFc含有融合タンパク質のFc部分などを示し、したがってIL−2の2分子が、融合タンパク質のIL−2部分がその受容体と相互作用すると、細胞表面に移動する。図1Bは、同じ効果を生み出す第2の機構を示す。 融合タンパク質免疫サイトカインhuKS−IL2(三角形によって表す)、および2つの変異体、huKS−ala−IL2(丸によって表す)およびhuKS−ala−IL2(N88R)(星印によって表す)の、典型的な薬物動態の概略を示す図である。

Claims (48)

  1. 突然変異IL−2部分と融合した非IL−2部分を含む融合タンパク質であって、前記融合タンパク質が、高親和性受容体を発現する細胞に対して参照タンパク質より高い選択性を示し、前記参照タンパク質が、非突然変異IL−2部分と融合した非IL−2部分を含み、かつ
    前記選択性が、IL−2Rβγ受容体を発現する細胞の活性化に対するIL−2Rαβγ受容体を発現する細胞の活性化の比として測定される、融合タンパク質。
  2. 突然変異IL−2部分が、アミノ酸置換、アミノ酸欠失およびアミノ酸改変からなる群から選択されるアミノ酸の突然変異を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
  3. 前記選択性が、成熟ヒトIL−2タンパク質の位置88においてNからRにアミノ酸が置換された突然変異ヒトIL−2部分と融合した、非IL−2部分を含む参照融合タンパク質の、約0.1%と約100%の間にある、請求項1に記載の融合タンパク質。
  4. 前記選択性が、成熟ヒトIL−2タンパク質の位置88においてNからRにアミノ酸が置換された突然変異ヒトIL−2部分と融合した、非IL−2部分を含む参照融合タンパク質の、約0.1%と約30%の間にある、請求項1に記載の融合タンパク質。
  5. 前記選択性が、成熟ヒトIL−2タンパク質の位置88においてNからRにアミノ酸が置換された突然変異ヒトIL−2部分と融合した、非IL−2部分を含む参照融合タンパク質の、約1%と約20%の間にある、請求項1に記載の融合タンパク質。
  6. 前記選択性が、成熟ヒトIL−2タンパク質の位置88においてNからRにアミノ酸が置換された突然変異ヒトIL−2部分と融合した、非IL−2部分を含む参照融合タンパク質の、約2%と約10%の間にある、請求項1に記載の融合タンパク質。
  7. IL−2Rαβγ受容体を発現する細胞が、CTLL−2、Kit225および成熟T細胞からなる群から選択される、請求項1に記載の融合タンパク質。
  8. IL−2Rβγ受容体を発現する細胞が、TF−1β細胞およびNK細胞からなる群から選択される、請求項1に記載の融合タンパク質。
  9. 前記融合タンパク質が成熟ヒトIL−2タンパク質より長い血清中半減期を有する、請求項1に記載の融合タンパク質。
  10. 前記非IL−2部分がアルブミンである、請求項1に記載の融合タンパク質。
  11. 前記非IL−2部分が抗体ドメインを含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
  12. 抗体ドメインがKS−1/4、dI−KS、dI−KS(γ4h)(FN>AQ)、huKS、huKS(NからQ)、NHS76(γ2h)、NHS(γ4h)NHS76(γ2h)(FN>AQ)、NHS76(γ4h)(FN>AQ)、および14.18からなる群から選択される、請求項11に記載の融合タンパク質。
  13. 前記突然変異が、IL−2Rαβγ受容体との前記タンパク質の親和性に対する、IL−2Rβγ受容体との融合タンパク質の親和性に対して差異的効果を有する、請求項2に記載の融合タンパク質。
  14. 差異的効果が2倍を超え、以下の式:
    Figure 2005511707
    として定義される、請求項1に記載の融合タンパク質。
  15. 差異的効果が約5倍と約10倍の間である、請求項14に記載の融合タンパク質。
  16. 差異的効果が約10倍と約1000倍の間である、請求項14に記載の融合タンパク質。
  17. 突然変異IL−2部分がアミノ酸置換N88RまたはD20Tを含む、請求項14に記載の融合タンパク質。
  18. 前記融合タンパク質が、成熟ヒトIL−2タンパク質の位置88においてNがRに変化したアミノ酸の置換を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
  19. 前記融合タンパク質が、成熟ヒトIL−2タンパク質の位置85においてLがTに、位置86においてIがTに変化したアミノ酸の置換をさらに含む、請求項18に記載の融合タンパク質。
  20. 前記融合タンパク質が、成熟ヒトIL−2タンパク質の位置20においてDがTに変化したアミノ酸の置換を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
  21. 前記突然変異IL−2部分が、K8、Q13、E15、H16、L19、D20、Q22、M23、N26、H79、L80、R81、D84、N88、I92およびE95からなる群から選択されるアミノ酸位置に、突然変異を有する成熟ヒトIL−2タンパク質を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
  22. 前記突然変異IL−2部分が、L25、N31、L40、M46、K48、K49、D109、E110、A112、T113、V115、E116、N119、R120、I122、T123、Q126、S127、S130およびT131からなる群から選択されるアミノ酸位置に、突然変異を有する成熟ヒトIL−2タンパク質を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
  23. アミノ酸置換がN88Rである、請求項21に記載の融合タンパク質。
  24. アミノ酸置換がD20Tである、請求項21に記載の融合タンパク質。
  25. アミノ酸置換がQ126Dである、請求項22に記載の融合タンパク質。
  26. 1個または複数個の前記アミノ酸置換が、IL−2Rαβγ受容体との前記タンパク質の親和性に対する、IL−2Rβγ受容体との前記融合タンパク質の親和性に対して差異的効果を有する、請求項21または22に記載の融合タンパク質。
  27. 差異的効果が2倍を超え、以下の式:
    Figure 2005511707
    として定義される、請求項21または22に記載の融合タンパク質。
  28. IL−2部分および非IL−2部分を含む融合タンパク質であって、前記非IL−2部分が、IL−2Rαβγ受容体との前記融合タンパク質の親和性に対する、IL−2Rβγ受容体との前記融合タンパク質の親和性に対して差異的効果を有する突然変異を含む、融合タンパク質。
  29. 前記差異的効果が約5倍と約10倍の間である、請求項28に記載の融合タンパク質。
  30. 前記差異的効果が約10倍と約1000倍の間である、請求項28に記載の融合タンパク質。
  31. 前記非IL−2部分が抗体ドメインを含む、請求項28に記載の融合タンパク質。
  32. 前記抗体ドメインがIgGガンマ1ドメイン、IgGガンマ2ドメインまたはIgGガンマ4ドメインを含む、請求項31に記載の融合タンパク質。
  33. 前記突然変異が前記抗体ドメイン中にある、請求項31に記載の融合タンパク質。
  34. 前記突然変異が配列番号1中のNを異なるアミノ酸に変える、請求項33に記載の融合タンパク質。
  35. 前記NがQに変わっている、請求項34に記載の融合タンパク質。
  36. 前記突然変異が配列番号2中のFNをAQに変える、請求項32に記載の融合タンパク質。
  37. 配列番号35および配列番号36のアミノ酸配列を含む、請求項31に記載の融合タンパク質。
  38. 前記抗体ドメインがIgGガンマ1ドメイン、IgGガンマ2ドメインまたはIgGガンマ4ドメインを含む、請求項11に記載の融合タンパク質。
  39. 前記抗体ドメインが突然変異を含む、請求項11に記載の融合タンパク質。
  40. 前記突然変異が配列番号1中のNを異なるアミノ酸に変える、請求項39に記載の融合タンパク質。
  41. 前記NがQに変わっている、請求項40に記載の融合タンパク質。
  42. 前記突然変異が配列番号2中のFNをAQに変える、請求項41に記載の融合タンパク質。
  43. 融合タンパク質が、配列番号35および配列番号36のアミノ酸配列を含む2つのペプチドの二量体である、請求項11に記載の融合タンパク質。
  44. 治療用融合タンパク質を改良するための方法であって、前記融合タンパク質が細胞表面上の異なる受容体に結合する2つ以上のタンパク質ドメインを含み、
    i.前記異なる受容体に特異的な2つ以上のin vitroアッセイで前記融合タンパク質の活性を試験すること、
    ii.突然変異によって、あるいは化学的または生化学的改変によって、前記融合タンパク質を改変すること、
    iii.前記改変型融合タンパク質を前記2つ以上のアッセイで試験すること、
    iv.前記非改変型融合タンパク質と比べて、前記アッセイにおいてその活性が差異的に影響を受ける改変型融合タンパク質を同定すること、
    v.動物中において前記同定した改変型融合タンパク質の活性を試験すること
    を含む方法。
  45. 前記融合タンパク質の前記改変が、融合タンパク質内の一部分と前記部分に対する受容体との相互作用に影響を与える、請求項44に記載の方法。
  46. 前記受容体が1つまたは複数の前記in vitroアッセイにおいて存在する、請求項45に記載の方法。
  47. 前記in vitroアッセイが細胞系アッセイである、請求項46に記載の方法。
  48. 前記アッセイがIL−2RαβγまたはIL−2Rβγ、あるいはこの両方を発現する細胞を使用する、請求項47に記載の方法。

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