JP2005332378A - 波形変歪を考慮したセル特性キャラクタライズ方法及びその方法を使用した半導体集積回路の遅延時間計算方法 - Google Patents

波形変歪を考慮したセル特性キャラクタライズ方法及びその方法を使用した半導体集積回路の遅延時間計算方法 Download PDF

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Abstract

【課題】セルが駆動する容量の大きさに応じて、そのセルへの入力波形及び出力波形に歪みが発生する場合であっても、そのセルでの遅延計算を精度良く計算できるように、セル特性キャラクタライズ方法を提案する。
【解決手段】セルが駆動する駆動負荷の大きさに応じてミラー効果が生じ、このミラー効果に起因してセルの入力波形及び出力波形に歪が発生する場合があることを考慮して、予め、ミラー効果により波形歪を生じるセル及びこれに接続された駆動負荷と実効的に等しい1つの実効入力端子容量を算出する(ステップ1103)。その後、その得られた実効入力端子容量を、入力スロープ波形及び駆動負荷の関数としてキャラクタライズして、テーブルデータ11に表しておく。
【選択図】 図1

Description

本発明は、波形歪を考慮して回路設計を行うことを目的とした、半導体集積回路における波形変歪を考慮したセル特性キャラクタライズ方法及びその方法を使用した半導体集積回路の遅延時間計算方法に関するものである。
ゲートレベル遅延計算の遅延計算用のライブラリ作成におけるセル特性キャラクタライズ方法としては、キャラクタライズ対象セルに対し、入力トランジション値と駆動負荷とを、値を変化させて与え、出力端子における波形の傾きである出力トランジション値と、セル遅延時間とを測定し、前記出力トランジション値とセル遅延時間の値とを、それぞれセルへの入力トランジション値と駆動負荷との二次元テーブルとして表すことによりキャラクタライズし、ライブラリ化する方法が一般的である。図24に、従来のセル遅延時間を算出するためのライブラリの例を示す。図24において、1001で示すインデックスTran1〜Tran5がセルへ入力される波形の入力トランジション値、1002で示すインデックスLoad1〜Load5がセルの出力端子に接続された駆動負荷である。D11からD55は、各入力トランジション及び駆動負荷が与えられた時のセルの遅延時間である。
前記図24に示した前記入力トランジション値及び駆動負荷の二次元で表現された遅延時間テーブルを参照して、各セルの実際の入力トランジション値と、各ゲートが駆動する実際の駆動負荷とに対応する各セルの遅延時間を求めるのは、従来の一般的手法である。この場合、各ゲートへの入力トランジション値は、トランジション測定の閾値を基準にして、電圧が閾値に達する時刻を用いて、遅延計算ツールによって算出される。
この二次元の遅延時間テーブルを利用した遅延計算方法の例として、例えば非特許文献1では、先ず、セルが駆動する容量を実効容量として求めておき、その後、入力トランジション値と駆動負荷との二次元の遅延時間テーブルで生成されたライブラリを参照して、セルへの入力トランジションの値と前記求めた実効容量(駆動負荷)の値とに対応する遅延時間を求めることにより、セルの遅延時間を計算している。
また、前記とは別の遅延計算方法として、セルへの入力波形に歪が生じている場合の遅延計算方法に、例えば、特許文献1に示されているように、セルへの非線形な入力信号波形を線形な入力信号波形の集合として線形近似した結果を用いて遅延計算を行う方法が提案されている。
更に、前記従来の遅延計算方法を利用したレイアウト後の回路修正においては、遅延計算結果を元に、セットアップ検証及びホールド検証を行い、信号が早く到着して誤動作の原因になるパスに対しては、バッファ挿入等を行って遅延時間の調整を行う処理を行い、信号が遅く到着して誤動作の原因になるパスに対しては、該当パスのセルの駆動能力を上げる等の処理を行う。
特開2001-67387号公報 信学技報VLD98-137
しかしながら、実際の回路においては、セルの駆動能力の大きさと駆動容量の大きさとの関係により、各セルへの入出力波形に歪が発生する場合がある。これに対して、前記非特許文献1に記載されている遅延計算方法では、このような場合を考慮せず、入力波形に歪が発生しないことを前提としていたため、前記のような波形歪を生じる場合には計算結果に誤差を生じることになる。
特に、前記のような原因により、遅延測定の閾値付近において波形歪が発生すると、セル特性抽出結果が実際の結果と大きく異なり、遅延計算精度が劣化するという問題が生じる。
また、前記特許文献1に記載される遅延計算方法では、計算精度を上げるために、セル入力波形の歪を考慮しているが、セルが駆動する容量の大きさに依存して生じる波形の歪の影響については考慮していないため、このような原因により歪が発生するときには計算結果に誤差を生じることになる。
更に、これら従来の遅延計算方法を用いて、レイアウト後の回路修正を行う場合についても、実際はセルへの入出力の波形に歪が生じていることにより、実際の遅延時間の方が長い場合も発生し得る。このような場合に対して、例えばホールドエラー修正では、余計な回路修正作業が発生することになり、また、セットアップエラー修正においては、エラーを見逃す原因となり得る。
以上の欠点に鑑み、本発明の目的は、セルが駆動する駆動負荷容量の大きさ及びセルに入力される入力スロープ波形に起因して、遅延計算対象となる回路に対する入出力波形に歪が生じる場合において、前記歪の原因を考慮することにより、精度良く遅延計算を行うことにある。
前記の目的を達成するために、本発明では、入出力波形に歪を生じる場合の特定の回路条件を遅延計算対象回路への入力スロープ波形とこの遅延計算対象回路が駆動する駆動負荷とに対するパラメータとして抽出し、更に、この関係をライブラリ化して、実際の遅延計算時にこのライブラリを参照することにより、入力スロープ波形及び駆動負荷から正確な出力波形及び遅延値を算出する。また、レイアウト後の回路修正を行う場合にも、前記ライブラリを参照することにより波形歪の影響を考慮する。
すなわち、請求項1記載の発明のセル特性キャラクタライズ方法は、所定の駆動負荷が接続されたセルの入力波形がミラー効果に起因して変歪する場合の前記セルの特性をキャラクタライズするセル特性キャラクタライズ方法であって、前記入力波形が前記駆動負荷を持つキャラクタライズ対象セルに入力される際に、前記入力波形が前記ミラー効果に起因して所定の遅延時間だけ前記入力波形よりも遅れた変歪波形となる場合の前記セルの実効入力端子容量を算出する実効入力端子容量算出ステップと、前記実効入力端子容量算出ステップで算出した実効入力端子容量を前記入力波形と前記駆動負荷の値との関数として保持する保持ステップとを有することを特徴とする。
請求項2記載の発明のセル特性キャラクタライズ方法は、入力スロープ波形を発生させる入力スロープ波形発生ステップと、入力バンプ波形を発生させる入力バンプ波形発生ステップと、前記入力スロープ波形に前記入力バンプ波形が重畳した入力波形をキャラクタライズ対象セルに入力し、この入力した際の前記キャラクタライズ対象セルの出力波形を測定する回路シミュレーションステップと、前記測定されたキャラクタライズ対象セルの出力波形を、出力スロープ波形と、出力バンプ波形とに分離するスロープ波形及びバンプ波形分離ステップと、前記出力スロープ波形及び出力バンプ波形を前記入力スロープ波形及び入力バンプ波形の関数として保持する保持ステップとを有することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記請求項2に記載のセル特性キャラクタライズ方法において、前記入力バンプ波形及び出力バンプ波形は、各々、スロープ波形の波形遷移時間、バンプ波形のバンプ波形高さ、バンプ波形幅、バンプ面積、バンプ波形がピークに達するまでの時間、及びバンプ波形がスロープ波形に重畳するタイミングにより定義されることを特徴とする。
請求項4記載の発明のセル特性キャラクタライズ方法は、所定の駆動負荷が接続されたキャラクタライズ対象セルの入力側に駆動能力の低いセルを接続し、この駆動能力の低いセルに入力波形を入力して、この入力された際の前記キャラクタライズ対象セルの入力波形及び出力波形に波形歪みが発生したか否かを検出する波形歪検出ステップと、前記キャラクタライズ対象セルの入力波形及び出力波形についての波形歪の有無を、前記キャラクタライズ対象セルの入力波形と前記駆動負荷の値との関数又はテーブルとして保持する保持ステップとを有することを特徴とする。
請求項5記載の発明の半導体集積回路の遅延時間計算方法は、前記請求項2に記載のセル特性キャラクタライズ方法を使用して、複数のセルが複数の配線で接続されて構成される半導体集積回路の遅延時間を波形歪を考慮して計算する半導体集積回路の遅延時間計算方法であって、前記複数のセルのうち1つを遅延時間計算対象セルとして、この対象セルについて、入力波形と駆動負荷の値とを抽出する駆動負荷及び入力波形抽出ステップと、前記請求項2に記載のセル特性キャラクタライズ方法での関数を参照して、前記抽出された入力波形及び駆動負荷の値では入力波形又は出力波形に歪が発生するパターンか否かを検出する歪発生パターン検出ステップと、前記歪発生パターン検出ステップで歪が発生するパターンであることが検出されないときには、前記遅延時間計算対象セルについてゲートレベルの遅延計算処理を実行するゲートレベル遅延計算ステップと、前記歪発生パターン検出ステップで歪が発生するパターンであることが検出されたときには、前記遅延時間計算対象セルについてトランジスタレベルの遅延計算処理を実行するトランジスタレベル遅延計算ステップとを有することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、前記請求項5に記載の半導体集積回路の遅延時間計算方法において、前記トランジスタレベル遅延計算ステップでの遅延計算の終了後に、前記遅延時間計算対象セルの入力波形又は出力波形に波形歪が発生しているか否かを検出し、波形歪が発生しているときには、その波形歪の発生がなくなるまで、前記トランジスタレベル遅延計算ステップでのトランジスタレベルの遅延計算を繰り返させる波形歪検出ステップを有することを特徴とする。
請求項7記載の発明の半導体集積回路の遅延時間計算方法は、複数のインスタンスが複数のネットで接続されて構成される半導体集積回路の遅延時間を波形歪を考慮して計算する半導体集積回路の遅延時間計算方法であって、前記全てのインスタンスの遅延時間及び前記全てのネットの配線遅延時間、並びに前記全てのインスタンスの入力端子及び出力端子における信号波形を計算する第1の遅延計算ステップと、前記複数のインスタンスの1つである遅延時間計算対象インスタンスについて、ミラー効果に起因する入力波形の変歪の有無に応じた遅延時間計算対象インスタンスの変動入力端子容量値が入力され、前記変動入力端子容量値を前記遅延時間計算対象インスタンスの入出力間のカップリング容量として表し、前記遅延時間計算対象インスタンスの出力端子につながるネットをアグレッサーとし且つ前記遅延時間計算対象セルの入力端子につながるネットをヴィクティムとして、クロストーク計算し、これにより、前記遅延時間計算対象インスタンスのミラー効果に起因して変歪した変歪入力信号波形を得るインスタンス入力信号波形計算ステップと、前記インスタンス入力信号波形計算ステップにおいて計算された前記変歪入力信号波形が入力され、前記遅延時間計算対象インスタンスの入出力端子間の信号波形伝播を計算して、前記遅延時間計算対象インスタンスの変歪出力信号波形を得るインスタンス出力信号波形伝播ステップと、前記得られた遅延時間計算対象インスタンスの変歪入力信号波形及び変歪出力信号波形に基づいて、前記遅延時間計算対象インスタンスの遅延時間を計算し、更に、前記変歪出力信号波形を伝播させて、後段のインスタンスの遅延時間及び後段のネットの配線遅延時間を計算する第2の遅延計算ステップとを有することを特徴とする。
請求項8記載の発明の半導体集積回路の遅延時間計算方法は、複数のインスタンスが複数のネットで接続されて構成される半導体集積回路の遅延時間を波形歪を考慮して計算する半導体集積回路の遅延時間計算方法であって、前記全てのインスタンスの遅延時間及び前記全てのネットの配線遅延時間、並びに前記全てのインスタンスの入力端子及び出力端子における信号波形を計算する第1の遅延計算ステップと、前記複数のインスタンスの1つである遅延時間計算対象インスタンスについて、ミラー効果に起因する入力波形の変歪の有無に応じた遅延時間計算対象インスタンスの変動入力端子容量値が入力され、前記変動入力端子容量値を前記遅延時間計算対象インスタンスの入出力間のカップリング容量として表し、前記遅延時間計算対象インスタンスの出力端子につながるネットをアグレッサーとし且つ前記遅延時間計算対象セルの入力端子につながるネットをヴィクティムとして、クロストーク計算し、これにより、前記遅延時間計算対象インスタンスのミラー効果に起因して変歪した変歪入力信号波形を得るインスタンス入力信号波形計算ステップと、前記遅延時間計算対象インスタンスについて、前記変動入力端子容量値が入力され、前記変動入力端子容量値を前記遅延時間計算対象インスタンスの入出力間のカップリング容量として表し、前記遅延時間計算対象インスタンスの入力端子につながるネットをアグレッサーとし且つ前記遅延時間計算対象セルの出力端子につながるネットをヴィクティムとして、クロストーク計算し、これにより、前記遅延時間計算対象インスタンスのミラー効果に起因して変歪した変歪出力信号波形を得るインスタンス出力信号波形計算ステップと、前記得られた遅延時間計算対象インスタンスの変歪入力信号波形及び変歪出力信号波形に基づいて、前記遅延時間計算対象インスタンスの遅延時間を計算し、更に、前記変歪出力信号波形を伝播させて、後段のインスタンスの遅延時間及び後段のネットの配線遅延時間を計算する第2の遅延計算ステップとを有することを特徴とする。
請求項9記載の発明の半導体集積回路の遅延時間計算方法は、前記請求項2に記載のセル特性キャラクタライズ方法を使用して、複数のインスタンスが複数のネットで接続されて構成される半導体集積回路の遅延時間を波形歪を考慮して計算する半導体集積回路の遅延時間計算方法であって、前記複数のインスタンスのうち1つの遅延時間計算対象インスタンスへの入力波形が、入力バンプ波形の重畳した波形であるとき、この入力波形を、前記入力バンプ波形が重畳していない入力スロープ波形と、前記入力バンプ波形とに分離するスロープ波形及びバンプ波形分離ステップと、前記請求項2に記載のセル特性キャラクタライズ方法で保持された関数を参照して、前記入力スロープ波形及び前記入力バンプ波形に対応する前記遅延時間計算対象インスタンスの出力スロープ波形及び出力バンプ波形を求めて、前記遅延時間計算対象インスタンスの出力波形として前記出力スロープ波形にバンプ波形が重畳した出力波形を求めるライブラリ参照ステップと、前記遅延時間計算対象インスタンスの出力側に接続される後段ネットにおいて外部要因でバンプ波形が発生するとき、このバンプ波形の情報が入力され、このバンプ波形を前記遅延時間計算対象インスタンスの出力波形に重畳して、前記後段ネットの出力波形を計算するネット波形計算ステップとを有することを特徴とする。
請求項10記載の発明の半導体集積回路の遅延時間計算方法は、入力側に配線が接続されると共に出力側に駆動負荷が接続されるセルの入力信号波形がミラー効果に起因して変歪する場合に、前記請求項1記載のセル特性キャラクタライズ方法を使用して、前記変歪した入力信号波形を計算するセルの入力波形計算方法であって、前記波形計算対象セルの前記変歪前の入力波形と前記駆動負荷の値とが入力され、前記請求項1記載のセル特性キャラクタライズ方法で得られた関数を参照して、前記波形計算対象セルの前記変歪前の入力波形と前記駆動負荷の値とに対応する実効入力端子容量を計算する入力端子容量計算ステップと、前記波形計算対象セルの入力側に接続された配線の出力信号波形が入力され、前記入力された配線の出力信号波形と、前記計算された実効入力端子容量に前記波形計算対象セルの入力側に接続された配線の容量を加えた負荷容量とに基づいて、前記波形計算対象セルの前記変歪後の入力波形を計算する波形計算ステップとを有することを特徴とする。
請求項11記載の発明の半導体集積回路の遅延時間計算方法は、複数のインスタンスが複数のネットで接続されて構成される半導体集積回路の遅延時間を波形歪を考慮して計算する半導体集積回路の遅延時間計算方法であって、前記全てのインスタンスの遅延時間及び前記全てのネットの配線遅延時間、前記全てのインスタンスの入力端子及び出力端子における信号波形、並びに前記全てのインスタンスの実効入力端子容量を計算すると共に、入力信号波形及び実効入力端子容量を含むミラー効果発生条件が入力され、前記計算された各インスタンス別の入力信号波形及び前記実効入力端子容量を前記ミラー効果発生条件と照合して、入力信号にミラー効果が発生するインスタンスをリストアップし、ミラー効果発生インスタンスリストとして出力する遅延計算ステップと、前記遅延計算ステップで計算された遅延時間をネットリストに割り当てて、静的なタイミング解析を行い、各パスのタイミングがタイミング設計仕様を満たすか否かを判定し、前記タイミング設計仕様を満たしていないときには、その満たしていないパスのタイミングと前記タイミング設計仕様との差分をスラック情報として記憶する静的タイミング解析ステップと、前記静的タイミング解析ステップでタイミング設計仕様を満たさないと判定されたパスに含まれるインスタンスを前記ミラー効果発生インスタンスリストと照合し、前記パスに含まれるインスタンスが前記ミラー効果発生インスタンスリスト中に含まれるとき、このインスタンスのミラー効果に起因する遅延変動量を計算し、この遅延変動量をパス遅延変動レポートとして出力するミラー効果発生インスタンス抽出ステップと、前記タイミング設計仕様を満たさないと判定されたパスの前記スラック情報を前記パス遅延変動レポートとを照合し、ミラー効果による遅延変動量では前記タイミング設計仕様を満たすときには、前記パスはタイミング設計仕様を満たしていると再判定するタイミング再判定ステップとを有することを特徴とする。
請求項12記載の発明の半導体集積回路の遅延時間計算方法は、複数のインスタンスが複数のネットで接続されて構成される半導体集積回路の遅延時間を波形歪を考慮して計算する半導体集積回路の遅延時間計算方法であって、ネットリスト、及び前記複数のインスタンスの遅延時間及び前記複数のネットの配線遅延時間が入力され、前記遅延時間及び配線遅延時間を前記ネットリストに割り当てて、静的なタイミング解析を行う静的タイミング解析ステップと、前記静的タイミング解析ステップでのタイミング解析の結果がタイミング設計仕様を満たしているか否かを判定するタイミングMET判定ステップと、前記タイミングMET判定ステップでタイミング設計仕様を満たしていないと判定されたとき、レイアウト情報が入力されて、このレイアウト情報に基いて、タイミング改善のためにインスタンスのサイズの変更又は再配線を含む回路修正を行う回路修正ステップと、前記回路修正ステップで回路修正が行われた後の全インスタンスの遅延時間及び全ネットの配線遅延時間を計算し、その計算後に前記静的タイミング解析ステップに戻る遅延計算ステップと、前記タイミングMET判定ステップでタイミング設計仕様を満たしていると判断されたとき、ミラー効果発生条件が入力され、このミラー効果発生条件に基づいて、ミラー効果が発生するインスタンスであって且つこのミラー効果の発生に起因してタイミングが前記タイミング設計仕様を満たさなくなるパスに含まれるインスタンスを抽出するミラー効果発生インスタンス抽出ステップと、前記ミラー効果発生インスタンス抽出ステップで抽出されたミラー効果が発生インスタンスを修正するか、又は前記ミラー効果を起こさせる要因となっているインスタンスを修正するかの回路修正方法を決定し、前記回路修正ステップに戻る回路修正方法決定ステップとを有することを特徴とする。
請求項13記載の発明は、前記請求項12に記載の半導体集積回路の遅延時間計算方法において、前記回路修正方法決定ステップは、ミラー効果が発生しているインスタンス自体のセルサイズをミラー効果が発生しないセルサイズに変更するような回路修正方法を提示するミラー効果発生インスタンス修正方法提示ステップと、前記ミラー効果を引き起こす要因となっている信号波形を生成するインスタンスのセルサイズを、前記ミラー効果を引き起こさない信号波形となるセルサイズに変更するような回路修正方法を提示するミラー効果要因インスタンス修正方法提示ステップと、前記2つの修正方法提示ステップで提示された2つの回路修正方法同士を比較し、面積ダメージが少ない回路方法を選択する最適修正方法選定ステップとを有することを特徴とする。
以上により、請求項1記載の発明では、セル及び駆動負荷と置き換え可能な、実効的に等価な負荷であり、ミラー効果による波形変歪を生ずる場合の負荷を表した実効入力端子容量をセル特性に応じて算出し、この実効入力端子容量を入力波形及び駆動負荷に対応付けてキャラクタライズする。
また、請求項2及び請求項3記載の発明では、入力スロープ波形と入力バンプ波形とを生成し、この入力スロープ波形に入力バンプ波形を重畳させたバンプ重畳入力スロープ波形から得られる出力波形を、出力スロープ波形と出力バンプ波形とに分離し、入出力バンプ波形を、波形遷移時間、バンプ波形高さ、バンプ波形幅、バンプ面積、バンプがピークに達するまでの時間及び波形にバンプが重畳するタイミングにより表されるパラメータにより定義し、この入出力バンプ波形が重畳された入出力スロープ波形を、バンプ波形の重畳していない入力スロープ波形とバンプが発生する場合の駆動負荷とに対して関係づけることにより、セル特性をキャラクタライズする。
更に、請求項4記載の発明では、キャラクタライズ対象セルの入力側に、駆動能力の低いセルを接続することにより、セル特性キャラクタライズ対象セルの入力波形歪を敏感に感知し、波形の歪が発生する条件を、歪の生じていない入力スロープ波形の入力トランジション値及び歪が生ずる場合の駆動負荷容量値による二次元テーブルとして表し、セル特性をキャラクタライズし、その結果をライブラリ化する。
請求項5及び請求項6記載の発明では、セルが駆動する駆動負荷容量と入力トランジション値を検出し、これらを前記得られたライブラリに対して参照することにより、駆動負荷容量値と入力トランジション値とから波形に歪が発生するパターンを抽出するステップを有し、歪発生のパターンを抽出しない場合にはゲートレベル遅延計算を行うことにより処理時間を短縮し、抽出した場合にはトランジスタレベル遅延計算に切り替え、トランジスタレベル遅延計算において出力波形に歪が発生していないかどうかを検出する。また、出力波形に歪が発生していないことを確認した後、再び他の遅延計算対象に移る。
加えて、請求項7記載の発明は、遅延ライブラリとRC情報とを入力として、デザイン中の全インスタンス及び配線の遅延時間及び入出力端子における信号波形を計算し、ミラー効果による変動容量値を入力として、前記変動容量値をセル入出力間のカップリング容量として表現することによりミラー効果を考慮する。更に、ミラー効果による入力波形の変動に加えて、インスタンス出力端子に継るネットをアグレッサー、インスタンス入力端子に継るネットをヴィクティムとしてクロストーク計算することにより、インスタンス入出力間の信号波形伝播を計算し、ミラー効果を考慮したインスタンス出力信号波形を計算する。そして、前記により求められたインスタンス入力信号波形とインスタンス出力信号波形とからセルの遅延時間を計算し、更に、それぞれの信号波形を伝播させて、配線遅延及びその他セルの遅延時間を計算する。これにより、ミラー効果による信号波形の変動や遅延時間変動を計算することができる。
また、請求項8記載の発明は、インスタンスの出力波形を求める際においても、入力波形を求めたのと同様に、ミラー効果による変動容量値と入出力端子の波形とから、ミラー効果を考慮したインスタンスの出力波形を求め、更に、インスタンス入力端子に継るネットをアグレッサー、インスタンス出力端子に継るネットをヴィクティムとしてクロストーク計算することで、ミラー効果及びクロストークを考慮したインスタンス出力信号波形の変動を計算する。
更に、請求項9記載の発明は、ネット波形をバンプ波形とネット入力スロープ波形とに分離し、前記得られたライブラリを参照して、バンプ波形が重畳したネット出力波形を求め、クロストーク、同時遷移ノイズ、インダクタンスによるオーバーシュートやアンダーシュート等の外部要因によりバンプ波形が発生する場合は更にこれらもネット波形に重畳し、ネット出力波形を求める。
加えて、請求項10記載の発明は、ミラー効果に起因する波形変歪の影響が含まれたセルの実効入力端子容量を計算し、このセルの実効入力端子容量に基づいて、セルに入力される変歪後の入力波形を計算する。
また、請求項11記載の発明は、全インスタンスの遅延計算及び配線遅延計算と共に、入力波形と駆動する駆動負荷容量とに基づきミラー効果が発生するインスタンスのリストを作成し、静的タイミングを満たさないパスについて、前記リストのインスタンスの中からミラー効果が発生しているインスタンスを抽出する。ここで、これらの静的タイミングとミラー効果に起因する遅延とを考慮して、タイミングの再判定を行う。
更に、請求項12記載の発明は、静的タイミング解析の結果、タイミング仕様を満たしていない場合は回路修正ステップに移行し、タイミング仕様を満たしている場合は、ミラー効果の発生の有無を検証し、ここで、ミラー効果が発生していないときは遅延計算終了とし、また、ミラー効果が発生することによりタイミング仕様を満たさなくなる場合は、回路修正の方法を決定し、回路修正ステップに移行する。回路修正ステップに移行後は、遅延計算を行い、再度静的タイミング解析を行う。
加えて、請求項13記載の発明は、前記遅延時間計算方法における回路修正方法決定の際に、ミラー効果が発生するインスタンス自体を回路修正するか、又は、ミラー効果が発生に影響を及ぼすインスタンスを回路修正するかの何れかの方法を比較し、面積ダメージが少ない方法を選択する。
以上説明したように、請求項1記載の発明のセル特性キャラクタライズ方法によれば、ミラー効果によって変動する入力端子容量を考慮した実効的な入力端子容量を、入力トランジション値と駆動する駆動負荷との関数として求めたので、従来の遅延計算方法において、前記関数からセルの実効的な入力端子容量を求めれば、精度を落とすことなく遅延計算を実行することが可能である。
また、請求項2及び3記載の発明のセル特性キャラクタライズ方法によれば、セルへの入力波形及び出力波形を、歪を生じていない入力スロープ波形と歪部分とに分離し、歪を生じていない入力スロープ波形を表すパラメータと歪部分の波形を表すパラメータとにより遅延計算対象セルをキャラクタライズするので、セルへの入力波形及び出力波形に歪が発生する場合や歪が発生しない場合を含めて、遅延計算を実行することができる。
更に、請求項4記載の発明のセル特性キャラクタライズ方法によれば、セルへの入力波形及び出力波形に歪が発生する場合を、予め、前記セルの入力側に接続されるセルと、入力スロープ波形及び駆動負荷との関係として、ライブラリ登録しておくので、実際のレイアウトパターン又は寄生素子抽出結果における入力スロープ波形及び駆動負荷に基づいて、セルへの入力波形及び出力波形に歪が発生する場合を容易に検出することが可能である。
加えて、請求項5及び6記載の発明の半導体集積回路の遅延時間計算方法によれば、入力波形や出力波形の歪を考慮しなくてもよい場合には、処理時間の短いゲートレベル遅延計算方法を行い、歪を考慮した計算を必要とする場合には、必要最小限の箇所に対してのみトランジスタレベル遅延計算を行うので、処理時間が短く且つ精度を落とすことなく遅延計算を実行することが可能である。
更に加えて、請求項7及び8記載の発明の半導体集積回路の遅延時間計算方法によれば、インスタンスの入力端子容量の変動量をカップリング容量として表現し、バンプを発生させることにより、ミラー効果に起因する信号波形の変動を表現することができるので、ミラー効果で変動する信号波形及び遅延時間を考慮に入れた遅延計算やタイミング解析を実施することができ、ミラー効果が原因となるタイミングエラーを回避することができる。
また、請求項9記載の発明の半導体集積回路の遅延時間計算方法によれば、波形に歪が発生する場合に、歪波形を入力スロープ波形と歪成分とに分離するので、波形に歪が発生した場合であっても、歪を考慮した波形計算を行うことができ、精度良く遅延計算を行うことが可能である。
更に、請求項10記載の発明の半導体集積回路の遅延時間計算方法によれば、セルの実効入力端子容量には、ミラー効果に起因する波形変歪の影響が含まれているので、従来の遅延計算のアルゴリズムを利用しながら、容易に精度を落とす事無く、遅延計算を実行することが可能である。
また、請求項11及び12記載の発明の半導体集積回路の遅延時間計算方法によれば、タイミング制約を満たしていないパスであっても、ミラー効果の影響により遅延増加が発生してそのタイミング制約を満たすことができるようなパスについては、回路修正を行わなくても良いと判断できるので、不要な回路修正ステップを回避することができ、工数削減、面積増加を抑制することが可能である。
更に、請求項13記載の発明の半導体集積回路の遅延時間計算方法によれば、タイミング改善をする際に、ミラー効果の影響で遅延変動するインスタンスがあるか否かを判定した後、ミラー効果を回避するために最も面積ダメージの少ない回路修正方法を提示するので、タイミング制約は仕様を満たしていても、ミラー効果の影響で実際は動作しないという不具合を予め見極めることができるので、初期不良を未然に解決できる。
以下、本発明の実施形態を図面に沿って説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1、図2及び図3を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態であり、セルの入力端子容量が変動した場合を考慮した変動入力端子容量キャラクタライズ方法のフロー図である。本実施形態は、半導体集積回路が多数の基本論理セルや機能マクロブロック(以下、機能マクロブロックを含めて単に「セル」という)間を配線で接続して構成される場合に、そのような各セルについて波形変歪を考慮した遅延計算を行う実施形態を示す。本第1の実施形態では、前記遅延計算対象回路としてのセルに、ミラー効果に起因する波形変歪が発生し、これにより遅延が生じる場合について、前記セルをキャラクタライズする方法を説明する。尚、本実施形態以降に示すフロー図において、データベースに付された符号は、同時に保存されるデータをも示すものとする。
図2(a)及び(b)は、ミラー効果が起こって波形変歪が発生した場合に、その波形変歪の影響を等価入力端子容量の変動というモデルを用いることによって、遅延計算対象回路であるセルの特性を精度良くキャラクタライズすることを説明するための図である。ここで、同図(a)は変動入力端子容量キャラクタライズ回路であり、波形発生回路1201で発生させた波形を抵抗とコンデンサー(以下、RとCという)とからなる平滑化回路1202を介してキャラクタライズ対象セル(遅延計算対象回路)1204に入力し、負荷部1203を駆動する構成を示す。また、図2(b)は、遅延計算に際して、ミラー効果が発生する場合の図2(a)におけるキャラクタライズ対象セル1204と負荷部1203とを、そのときに生じる遅延と同じ遅延を生じさせる実効入力端子容量1205に置き換えられることを示す。
ここで、実効入力端子容量1205の算出については、先ず、等価入力端子容量を算出し、その後に、この等価入力端子容量を用いて実効入力端子容量1205を算出する。具体的に説明すると、例えば、図2(a)の負荷部1203がミラー効果を発生させる負荷(第1の駆動負荷)である場合に、図3に示す入力波形1210が入力波形1211に変歪してミラー効果が起こったとすると、この2つの入力波形1210、1211間には、ドライブポイント(駆動電圧レベル)1213において、ある遅延時間が生じている。この生じた遅延時間に着目して、キャラクタライズ対象セル1204の入力端子に付加される等価入力端子容量として、キャラクタライズ対象セル1204への入力波形が、図3に示すように、負荷部1203がミラー効果を発生させない負荷(第2の駆動負荷)である場合の入力波形1212、即ち、ミラー効果が起こった入力波形1211と同様に入力波形1210から前記ドライブポイント1213での遅延時間と同一の遅延時間が生じている入力波形となるように、等価入力端子容量を算出する。その後、この等価入力端子容量とキャラクタライズ対象セル1204の容量とミラー効果を発生させない負荷部1203との三者を総合した実効入力端子容量1205を計算する。
ここで、上述の図2及び図3を用いて、図1のフロー図について説明する。
図1において、シミュレーションスクリプト作成ステップ1101では、図2(a)のキャラクタライズ対象セル1204の寄生素子情報を含む回路接続情報であるセルネットリスト1110、図2(a)に示す変動入力端子容量キャラクタライズ回路の接続情報である測定回路ネットリスト1111、測定対象であるキャラクタライズ対象セルの種類・ピン情報・測定項目などが記載されている回路シミュレーションパターン情報であるセル情報1112、負荷及び入力スルーレートのインデックスである測定条件データ1113、及び回路シミュレーションで用いられるトランジスタモデル情報であるトランジスタモデル1114の情報に基づき、シミュレーションスクリプトを作成する。
回路シミュレーションステップ1102では、作成されたシミュレーションスクリプトに基づいて回路シミュレーションが実行される。尚、ここでの入力波形は図2(a)及び図2(b)に示す波形電圧発生部1201と平滑化回路1202とのパラメータを調整して入力スルーレート値を変動させる。ここでは、平滑化回路1202はRCのT型回路で示したが、Cのみ、Rのみ、又はRCのπ型回路でもよい。また、図2(a)では駆動負荷1203は容量のみが記載されているが、RCのπ型回路でもよい。
実効入力端子容量算出ステップ1103では、キャラクタライズ対象セル1204の入力波形が、図3に示すように、ミラー効果が発生しない入力波形1210ではなく、ミラー効果が発生した入力波形1211である場合に、この入力波形1211にドライブポイント1213上を含んで重なるミラー効果の発生しない入力波形1212が得られるように、キャラクタライズ対象セル1204の等価入力端子容量を計算し、その後、この等価入力端子容量と、キャラクタライズ対象セル1204と、ミラー効果の発生しない駆動負荷1203とを総合した実効入力端子容量1205を算出する。
回路シミュレーションステップ1104では、等価入力端子容量を付加したキャラクタライズ対象セル1204が駆動負荷1203と共に前記実効入力端子容量1205に置き換えられた、図2(b)に示す回路図を用いて回路シミュレーションが実行される。
ここで、回路シミュレーションステップ1104による回路シミュレーションの結果について、入力波形上のドライブポイントにおける遅延が、ミラー効果が起こった場合の入力波形1211の遅延と比較され、このドライブポイントにおける遅延が一定の閾値以下になるまで、一連のステップ1103〜ステップ1104が繰り返される。
ここで得られた実効入力端子容量1205と前記等価入力端子容量とは、先に得られた回路シミュレーションステップ1102の結果と共に、ミラー効果が起こらない場合の入力波形1210のスルーレートと負荷部1203の関数としてテーブルデータ1115に記録される(保持ステップ)。
この一連のステップ1101〜1104は、測定条件データ1113に記載された全てのパターンをキャラクタライズするまで繰り返される。
尚、ここでは立ち上がりエッジの場合のみを示したが、立下りエッジについても同様のステップにより実効入力端子容量、セル出力スルーレート値及びセル遅延値のテーブルデータを作成する。
また、ここで関数は、テーブルデータとしたが、テーブルに限らず、多項式で表してもよい。
以上のように、本実施形態によれば、ミラー効果により波形変歪が発生している場合でも、その影響を等価入力端子容量の変動というモデルを用いることによって、遅延計算対象回路であるセルの特性を精度良くキャラクタライズすることができる。
更に、論理合成実行時に本実施形態に示したライブラリを使用し、最悪の遅延値を用いて合成することが可能になる。すなわち、レイアウト後のステップの後戻りを削減することが可能になる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図4、図5及び図6を用いて説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態におけるバンプ重畳波形キャラクタライズ方法のフロー図である。本実施形態では、遅延計算対象回路としてのセルに、ミラー効果等に起因する波形変歪が発生し、これにより遅延が生じる場合について、変歪の波形成分であるバンプ波形の特性に基づいて前記セルをキャラクタライズする方法を説明する。
図5は、バンプが重畳された入力波形を生成すると共に、キャラクタライズ対象セル1404のセル遅延及び出力波形を測定するためのバンプ重畳波形キャラクタライズ回路の図である。同図は、波形電圧発生部1402から発生される波形(入力スロープ波形)に、バンプ電圧発生部1401から発生されるバンプ(入力バンプ波形)を重畳させた入力波形を生成し、この生成した波形を負荷1403が接続されたキャラクタライズ対象セル1404に対して入力する構成を示す。
また、図6は、波形上にバンプが重畳した波形1405に対して、その波形成分であるスロープ波形1406とバンプ波形1407とを同じ時間軸上に示し、更に、バンプ波形1407を、バンプのピーク値であるバンプ高さ1410、バンプ幅1411及びバンプ面積1414により表し、波形にバンプが重畳するタイミング1412とバンプがピークに達するまでの時間1413とを示している。ここで、スロープ波形1406にバンプが重畳するタイミング1412は、立ち上がりエッジの場合は、スロープ波形1406における上部スルートリップポイント1408及び下部スルートリップポイント1409とを含む直線がグラウンド電位と交差する時点からバンプがピーク値に達するまでの時間であり、立下りエッジの場合は、前記直線が電源電位と交差する時点からバンプがピーク値に達するまでの時間により定義する。また、バンプ波形がピーク値に達するまでの時間1413は、バンプの開始からバンプ波形がピーク値に達するまでの時間である。
ここで、上述の図5及び図6を用いて、図4のフロー図について説明する。
図4において、シミュレーションスクリプト作成ステップ1301では、図5に示すキャラクタライズ対象セル1404の寄生素子情報を含む回路接続情報であるセルネットリスト1310、図5に示す変動入力端子容量キャラクタライズ回路の接続情報である測定回路ネットリスト1311、測定対象であるセルの種類・ピン情報・測定項目などが記載されている回路シミュレーションパターン情報であるセル情報1312、測定条件データ1313、及び回路シミュレーションで用いられるトランジスタモデル情報であるトランジスタモデル1314に基づき、シミュレーションスクリプトを作成する。ここで、測定条件データ1313には、スロープ波形の負荷及び入力スルーレートのインデックスと、バンプ波形のバンプ高さ1410、バンプ幅1411、波形にバンプが重畳するタイミング1412、バンプがピークに達するまでの時間1413、及びバンプ面積1414のインデックスとが含まれる。
回路シミュレーションステップ1302では、作成されたシミュレーションスクリプトに基づいて回路シミュレーションが実行される。ここで、図6に示すようなバンプが重畳された波形を入力波形とする場合、回路シミュレーションステップ1302は、図5に示すバンプ電圧発生部1401により入力バンプ波形1407を発生させる入力バンプ波形発生ステップと、波形電圧発生部1402により入力スロープ波形1406を発生させる入力スロープ波形発生ステップとを含み、これら入力バンプ波形1407と入力スロープ波形1406とから生成された、バンプ重畳波形1405が回路シミュレーションに用いられる入力波形となる。このシミュレーションにより、負荷部1403を接続した場合のキャラクタライズ対象セル1404のセル遅延及び出力波形が計算される。出力波形は入力波形と同様に波形上にバンプが重畳した波形として測定する。尚、図5では、駆動負荷は容量のみが記載されているが、RCのπ型回路でもよい。
波形及びバンプ分離ステップ1303では、図6に示す波形を出力波形とした場合、バンプが重畳した出力波形1405が、出力スロープ波形1406と出力バンプ波形1407とに分離される。
以上のように、キャラクタ対象セル404のセル特性、即ち、図6の入力スロープ波形1406とこれに重畳されるバンプ波形1407とで規定される入力波形1405が入力波形である場合のセル404の出力波形特性は、波形変歪を生じていない出力スロープ波形1406と、この出力スロープ波形に重畳される出力バンプ波形1407と、負荷部1403の駆動負荷との関数としてキャラクタライズされる。出力バンプ波形1407は、波形変歪を生じていない出力スロープ波形1406と、出力バンプ波形1407が重畳された出力波形1405との差分により求められる。前記得られた関数はテーブルデータ1315に記録、保持される(保持ステップ)。
この一連のキャラクタライズのステップ1301〜1303は、測定条件データ1313に記載された全てのパターンをキャラクタライズするまで繰り返される。
以上のように、本実施形態によれば、単調増加又は単調減少でない波形が変歪している場合においても、そのセル特性をキャラクタライズすることができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について、図7、図8及び図9を用いて説明する。
図7は、波形変歪を考慮した遅延計算方法において波形変歪を検証するためにキャラクタライズ実行に用いる回路である。同図において、キャラクタライズ対象セル(遅延計算対象回路)C1の入力端子側には、駆動能力の低いセルC2が接続されており、また、出力端子側には、キャラクタライズ対象セルC1が駆動する負荷容量C3が接続されている。駆動能力の低いセルC2の入力波形は入力波形C4、キャラクタライズ対象セルC1の入力波形は入力波形C5、また、キャラクタライズ対象セルC1の出力波形は出力波形C6で示される。この図7に示す回路は、キャラクタライズ対象セルC1の入力側に駆動能力の低いセルC2が接続されたことにより、セルC2に入力された歪のない入力スロープ波形C4が、キャラクタライズ対象セルC1の入力端子において歪を発生し、歪を含んだスロープC5となる回路構成となっていることを示している。
図8は、波形に歪が発生する場合の条件を、ライブラリとして作成するフロー図である。
同図のステップST201では、キャラクタライズ処理で使用するスクリプト及びキャラクタライズ用の回路接続情報を生成する。
ステップST202では、ステップST201で生成したスクリプト及び回路接続情報を読み込んで、セルキャラクタライズを実行する。ここでキャラクタライズを行うセルは図7のキャラクタライズ対象セルC1である。
ステップST202のキャラクタライズ実行結果、図7のキャラクタライズ対象セルC1への入力波形C5に対する出力データとして入力波形D201、キャラクタライズ対象セルC1からの出力波形に対する出力データとして出力波形D202、キャラクタライズ対象セルC1の遅延値D203、及びキャラクタライズ対象セルC1の出力トランジションD204が出力される。
ここで、入力波形D201及び出力波形D202の両波形に基づき、ステップST203の波形歪検出(波形歪観測)ステップにおいて、キャラクタライズ対象セルC1の入出力波形の波形歪を検出する。
このステップST202〜ステップST203において得られた前記3つの情報、すなわち、波形歪の有無と、キャラクタライズ対象セルC1の遅延値D203と、キャラクタライズ対象セルC1の出力トランジションD204とが、次のステップST204において処理される。即ち、このステップST3204では、キャラクタライズ対象セルC1の入力スロープ波形C5と駆動負荷C3とをインデックスとして、前記3つの情報(波形歪の有無と、遅延値D203と、出力トランジションD204)を書き込んだテーブルを作成し、これをライブラリ用のテーブルデータL201として格納する。
図9は、このライブラリテーブルとして作成されたテーブルデータL201の例を示す。同図は、キャラクタライズ対象セルC1への入出力波形に共に歪が発生する場合を1、また、歪が発生しない場合を0とし、キャラクタライズ対象セルC1への入力波形のトランジション302と駆動負荷の大きさ301とをインデックスとして生成したテーブルを示している。図9のテーブルの例は、駆動負荷が0.01pfの時は、入力トランジションに関らず全ての波形に歪が発生することを示している。このテーブルを使用することにより、セルがどのような負荷を駆動した場合に、波形に歪が発生するかを判断することが可能になる。
尚、前記ステップST202で求めた遅延値D203及び出力トランジションD204は、波形の歪を検出しなかった場合に、通常の遅延計算で使用することができる。また、波形の歪を検出した場合であっても、波形の歪みが遅延値や傾きの測定に影響を及ぼさず、精度的に許容される場合であれば、波形歪みが発生したときの遅延値及び傾きとして使用することが可能である。但し、高精度な遅延計算を行う場合は、波形歪みが発生した場合の遅延値D203及び出力トランジションD204を使用すべきでない。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について、図10を用いて説明する。
図10は、波形変歪を考慮した遅延計算方法における遅延計算処理についてのフロー図を示している。
同図において、ステップST40は遅延計算対象判別ステップであり、遅延計算の対象となるセルが存在するかどうかを判定する。
ステップST41は駆動負荷及び入力波形抽出ステップであり、ステップST40において遅延計算の対象となるセルが存在する場合には、遅延計算対象セルの入力トランジション値と駆動負荷容量とを算出する。
ステップST42は歪発生パターン検出ステップであり、ステップST41で算出された入力トランジション値及び駆動負荷の大きさから、波形に歪が発生するパターンであるかどうかを判定する。ここで、この判定に際して、第3の実施形態において得られた波形歪が発生するパターンが登録されているライブラリL201(図10ではライブラリL40)を参照する。
歪が発生するパターンである場合には、トランジスタレベル遅延計算ステップST43において、トランジスタレベル遅延計算を行う。また、歪が発生しないパターンである場合には、ゲートレベル遅延計算ステップST45において、ゲートレベル遅延計算を行う。このステップST43のトランジスタレベル遅延計算の結果は遅延情報D40としてデータベースに格納される。
ステップST44は波形歪検出ステップであり、ステップST43のトランジスタレベル遅延計算の結果における出力波形を参照する。尚、この参照する波形は出力波形に限定されず、入力波形であっても良い。そして、出力波形に歪が発生している場合にはステップST43に戻り、再度トランジスタレベル遅延計算を実行する。また、波形に歪が発生していない場合にはステップST40の処理に戻り、別の遅延計算対象のセルに対して遅延計算が行われる。
ステップST45では、セルへの入力トランジション値と駆動負荷との関数として書かれた通常のライブラリL41を用いて、歪が発生しないパターンに対してゲートレベル遅延計算が行われる。その計算結果は、ステップST43のトランジスタレベル遅延計算の結果と同様に、遅延情報D40としてデータベースD40に格納され、ステップST40に戻り、次の遅延計算対象のセルを探す。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態について、図11及び図12を用いて説明する。
図11は、ミラー効果による遅延変動を考慮に入れた遅延計算処理フローを示す図である。図12は、同図(a)が、遅延計算処理を行う回路の具体例を示す図であり、インスタンスX200とインスタンスX201とが配線X203により接続され、インスタンスX201とインスタンスX202とが配線X204により接続され、インスタンスX201には、その入出力端子間に、インスタンスX201に対するミラー効果を考慮するためのカップリング容量X205が接続されている。また、図12(b)は、図12(a)の回路図におけるインスタンスX200の出力端子、インスタンスX201の入力端子及び出力端子、並びにインスタンスX202の入力端子の波形を、図11の処理フローにおける各ステップに対して示した図である。
ここで、図12(a)及び(b)を参照して、図11のフロー図を説明する。
図11において、ステップSX100は第1の遅延計算ステップであり、基本論理セル毎の遅延特性が記載された遅延ライブラリX104と、全ての配線の抵抗及び容量値が記載されたRC情報X105とを入力として、デザイン中の全インスタンスの遅延時間及び配線遅延時間を計算する。また、これと同時に、各セルの入出力端子における入出力信号波形X101が算出される。尚、本実施形態では、第1の遅延計算ステップSX100において、遅延ライブラリX104とRC情報X105とを読み込むと説明したが、この他にも、デザインのネットリストや、バウンダリの設定や、タイミング制約を読み込むことにより遅延計算を行ってもよい。
この計算に際しては、図12(a)に示す回路構成において、ステップSX100ではミラー効果を考慮しないので、カップリング容量X205は除かれ、インスタンスX200の出力端子について出力信号波形X206が、インスタンスX201の入力端子について入力信号波形X207が、インスタンスX201の出力端子について出力信号波形X208が、また、インスタンスX202の入力端子について入力信号波形X209が計算される。この時、配線X203の配線遅延時間は遅延X210、配線X204の配線遅延時間は遅延X212、また、インスタンスX201の遅延時間は遅延X211として示される。
ステップSX101は、インスタンス入力信号波形計算ステップであり、セル毎のミラー効果によって変動する端子容量変動分が記載された変動容量値X100と入出力信号波形X101とを用いて、ミラー効果により変動するインスタンスの入力信号波形が再計算される。ここで、ミラー効果を考慮した入力信号波形を表すために、図12(a)のインスタンスX201には、入出力間のカップリング容量X205が付加されて再計算される。
ここで更に、インスタンスX201の出力端子での信号変化が配線X204に与える影響を計算すると共に、配線X204をアグレッサー、配線X203をヴィクティムとしてインスタンスX201の入力側配線X203に対する出力側配線X204のクロストーク計算を行い、図12(b)に示すインスタンスX201の入力信号波形X213を求める。
ステップSX102は、インスタンス出力信号波形伝播ステップであり、インスタンスX201に入力される入力信号波形X213と配線X204のRC情報とから、インスタンスX201の出力信号波形X214を計算し、図12(b)に示すミラー効果を考慮した出力信号波形X214として出力する。この出力信号波形X214のデータは図11のミラー効果考慮出力信号波形X103へ格納される。
ステップSX103は、第2の遅延計算ステップであり、インスタンス出力信号波形伝播ステップSX102で求めたミラー効果を考慮した出力信号波形データX103を用いて、全インスタンス、配線の再遅延計算を行う。具体的には、ステップSX101で求めたミラー効果考慮入力信号波形X102と、ステップSX102で求めたミラー効果考慮出力信号波形X103とを用いて、それぞれの閾値電圧間の時間を遅延時間とする。配線X203の配線遅延時間X216は、図12(b)に示すように、出力信号波形X206と入力信号波形X213とから、インスタンスX201の遅延時間X217は、入力信号波形X213と出力信号波形X214とから、また、配線遅延時間X218は、出力信号波形X214と入力信号波形X215とから計算される。
以上説明したように、インスタンスの入力端子容量の変動量をカップリング容量として表現することによりバンプを発生させ、ミラー効果による信号波形の変動を表現する。
本実施形態に示す方法により、ミラー効果が原因で変動する信号波形及び遅延時間を考慮に入れた遅延計算及びタイミング解析を実施できるため、ミラー効果に起因するタイミングエラーを回避することができる。
特に、インバータ、NAND又はNORなどのように、信号の入力から出力までの間で信号がトランジスタのゲートを一段だけ通過する構造を持つゲートでは、ゲートの入力端子における波形の鈍りが出力に伝搬しやすい。そのため、本実施形態に示す方法を用いることにより、精度良く遅延計算を行うことが可能となる。
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態について、図13及び図14を用いて説明する。
図13は、ミラー効果による遅延変動を考慮に入れた遅延計算処理フローを示す図である。
本実施形態では、インスタンス出力信号波形計算ステップSX300において、変動容量値X100を入力としている点において、第5の実施形態のインスタンス出力信号波形伝播ステップSX102と異なる。
図14については、同図(a)が、遅延計算処理を行う回路の具体例を示す図であり、第5の実施形態において図12(a)に示した回路図と同じであるため、ここでは説明を省略する。また、図14(b)は、第5の実施形態において図12(b)に示した図と同様であるが、図14(b)のインスタンス出力信号波形伝播ステップSX102を、本実施形態では図13のフロー図に対応させて、インスタンス出力信号波形計算ステップSX300とし、このステップSX300におけるインスタンスX201の出力端子の波形をX400とする。また、第2の遅延計算ステップSX103においては、ステップSX300と同様に、インスタンスX201の出力端子の波形をX400、この波形が配線X204を伝播した、インスタンスX202の入力端子における波形をX401とし、また、インスタンスX201の遅延時間、すなわち、入出力端子における波形X213及びX400間の遅延を遅延時間X402、X204の配線遅延を配線遅延時間X403とする。
ここで、図14(a)及び(b)を参照して、図13のフロー図を説明する。
図13において、ステップSX100は第1の遅延計算ステップ、ステップSX101はインスタンス入力信号波形計算ステップであり、第5の実施形態において図11に示したフローと同じである。尚、本実施形態でも、第5の実施形態と同様に、第1の遅延計算ステップSX100において、遅延ライブラリX104とRC情報X105とを読み込む以外にも、デザインのネットリストや、バウンダリの設定や、タイミング制約を読み込むことにより遅延計算を行ってもよい。
この計算に際しては、第5の実施形態と同様であり、図14(a)に示す回路構成において、ステップSX100ではミラー効果を考慮しないので、カップリング容量X205は除かれて各波形及びその波形から遅延時間が計算される。
ステップSX101は、インスタンス入力信号波形計算ステップであり、セル毎のミラー効果によって変動する端子容量変動分が記載された変動容量値X100と入出力信号波形X101とを用いて、ミラー効果により変動するインスタンスの入力信号波形を再計算する。ここで、ミラー効果を考慮した入力信号波形を表すために、図14(a)のインスタンスX201には、入出力間のカップリング容量X205が付加されて再計算される。
ここで更に、インスタンスX201の出力端子での信号変化が配線X204に与える影響を計算すると共に、配線X204をアグレッサー、配線X203をヴィクティムとしてクロストーク計算を行い、図14(b)に示すインスタンスX201の入力信号波形X213を求める。
ステップSX300は、インスタンス出力信号波形計算ステップであり、セル毎のミラー効果によって変動する端子容量変動分が記載された変動容量値X100と、インスタンスX201の入出力信号波形X101(図14(b)の入力信号波形X207と出力信号波形X208)とから、インスタンスX201の出力信号波形X400を計算する。この計算の詳細は、前記ステップSX101でのミラー効果により変動する入力信号波形X213の計算と同様である。
ここで、インスタンスX201の出力信号波形の再計算は、ミラー効果を考慮した出力信号波形を表すために、図14(a)のインスタンスX201の入出力間にカップリング容量X205が付加された回路を用いてインスタンスX201の入力端子での信号変化が配線X203に与える影響を計算し、更に、配線X203をアグレッサー、配線X204をヴィクティムとしてクロストーク計算を行い、図14(b)に示すミラー効果を考慮した出力信号波形X400として出力する。この出力信号波形X400のデータは図13のミラー効果考慮出力信号波形X300へ記憶される。
ステップSX103は、第2の遅延計算ステップであり、インスタンス出力信号波形計算ステップSX300で求めたミラー効果を考慮した出力信号波形データX300を用いて、全インスタンス及び配線の再遅延計算を行う。この再遅延計算方法は、以上の処理で計算した信号波形をそれぞれの閾値電圧間の時間として計算する。配線X203の配線遅延時間X216は、図14(b)に示すように、出力信号波形X206と入力信号波形X213とから、インスタンスX201の遅延時間X402は、入力信号波形X213と出力信号波形X400とから、また、配線遅延時間X403は、出力信号波形X400と入力信号波形X401とから計算する。
以上説明したように、インスタンスの入力端子容量の変動量をカップリング容量として表現することによりバンプを発生させ、ミラー効果による信号波形の変動を表現する。
本実施形態に示す方法により、ミラー効果が原因で変動する信号波形及び遅延時間を考慮に入れた遅延計算及びタイミング解析を実施できるため、ミラー効果に起因するタイミングエラーを回避することができる。
特に、バッファ、AND、ORなどのように、トランジスタのゲートを複数段通過する構造を持つゲートでは、ゲートの入力端子における波形の鈍りが出力に伝搬しにくい。従って、このような場合には、第5の実施形態に示した方法を用いず、これに代えて、本実施形態に示す方法(即ち、インスタンス出力信号波形を求める場合においても、インスタンス入力信号波形を求める場合と同様に、ミラー効果による変動容量値を用いる方法)を用いても、精度良く遅延計算を行うことが可能である。
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態について、図15及び図16を用いて説明する。
図15は、バンプ重畳波形を考慮に入れた遅延計算処理フローを示す図である。図16(a)は、バンプ重畳波形を考慮した遅延計算処理を行う対象のネットワークの具体例を示す図である。ここでは、インスタンス1 2120とインスタンス2 2121とがネット1 2126を介して接続され、インスタンス2 2121とインスタンス3 2122とがネット2 2127を介して接続されている第1のネットワークと、インスタンスA1 2123とインスタンスA2 2124とがネットA1 2128を介して接続されている第2のネットワークとが、それぞれのネットワークのネット2 2127とネットA1 2128とにおいて近接している状態を示している。また、図16(b)は、前記第1のネットワーク上の各点における波形を示したものであり、それぞれの点における入力スロープ波形2131に対して、その各点におけるバンプ波形2132及び外部バンプ(クロストーク)波形2133を示している。
ここで、図16(a)及び(b)を参照して、図15のフロー図を説明する。
図15において、ステップ2101はネットワーク選択ステップであり、デザインの接続情報が記載されたネットリスト2110より遅延計算対象とするネットを選択する。ここでは、先ず、第1のネットワーク上のネット1 2126を選択したとする。
ステップ2102はネット波形分離ステップ(入力スロープ波形及びバンプ波形分離ステップ)であり、波形情報2114に記載されたインスタンス1 2120に入力されるバンプが重畳した入力波形より、図16(b)に示す入力スロープ波形2131とバンプ波形2132とに分離する。このステップにより入力スロープ波形のスルーレート値とバンプ波形のバンプ高さ、バンプ幅、波形にバンプが重畳するタイミング、バンプがピークに達するまでの時間、及びバンプ面積が得られる。
ネットワーク縮退ステップ2103では、寄生素子情報2111に基づいて、ネット1 2126及び次段インスタンスであるインスタンス2 2121の入力端子容量からなる回路が縮退する。このステップによりインスタンス1 2120の駆動負荷が得られる。
ライブラリ参照ステップ2104では、波形上にバンプ波形が重畳した場合に第2の実施形態において示したセル特性キャラクタライズ方法により作成されたライブラリ2112(図4では、テーブルデータ1315)を用いて、セル遅延と、波形上にバンプ波形が重畳した波形で表される出力波形とを求め、セル遅延を遅延情報2115に記録する。
ネット波形計算ステップ2105では、ライブラリ参照ステップ2104で求めたインスタンス1 2120の出力波形に基づいて波形解析を行い、ネット1 2126の配線遅延値及びインスタンス2 2121の入力波形を計算し、ネット1 2126の配線遅延値を遅延情報2115に、また、インスタンス2 2121の入力波形を波形情報2114に記録する。
次に、ネットワーク選択ステップ2101で、図16(a)の第2のネットワークが選択されたとする。
ネット波形分離ステップ2102では、波形情報2114に記載されたインスタンス2 2121の波形上にバンプが重畳した入力波形に基づいて、入力スロープ波形及びバンプ波形を分離する。
ネットワーク縮退ステップ2103では、寄生素子情報2111に基づいて、ネット2 2127及び次段のインスタンス3 2122の入力端子容量からなる回路を縮退する。このステップによりインスタンス2 2121の駆動負荷が得られる。
ライブラリ参照ステップ2104は、ライブラリ2112を用いて、セル遅延と、バンプ波形が重畳した波形で表される出力波形とを求め、セル遅延を遅延情報2115に記録する。
ネット2 2127の場合、近接にカップリング容量を持つネットA1 2128が存在して配線間クロストークが発生し、これに起因する外部バンプ波形2133は、別プロセスにより計算されて外部バンプ波形情報2113に記載されている。そのため、ネット波形計算ステップ2105は、ライブラリ参照ステップ2104で求めたインスタンス2 2121の出力波形に外部バンプ波形2133を重畳させた波形を用いて波形解析を行い、ネット2 2127の配線遅延値及びインスタンス3 2122の入力波形を計算し、ネット2 2127の配線遅延値を遅延情報2115に、また、インスタンス3 2122の入力波形を波形情報2114に記録する。
尚、ネットA1 2128の遷移タイミングとネット2 2127の遷移タイミングとを考慮して、同時に遷移しない場合には、外部バンプ波形を重畳させなくてもよい。
また、ここでは外部バンプ波形の要因をクロストークとしたが、同時スイッチングノイズ、インダクタンスによるオーバーシュートやアンダーシュートなどでもよい。
この遅延計算のための一連のステップは、ネットリスト2110に記載された全てのネットについて遅延計算を行うまで繰り返される。
以上のように、本実施形態によれば、クロストーク、同時スイッチング(同時遷移)ノイズ、インダクタンスによるオーバーシュートやアンダーシュート等により波形変歪が発生している場合でも、その影響を考慮して、高精度に遅延計算することができる。
(第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態について、図17及び図18を用いて説明する。
図17は、第8の実施形態における変動入力端子容量を考慮した遅延計算方法のフロー図である。図18(a)は、変動入力端子容量を考慮した遅延計算処理を行う対象のネットワークの具体例を示す図である。ここでは、インスタンス1 2220とインスタンス2 2221とがネット1 2226を介して接続され、インスタンス2 2221とインスタンス3 2222とがネット2 2227を介して接続され、インスタンス2 2221の入力端子に、変動入力端子容量を考慮した場合の等価入力端子容量2230が付加されている状態を示している。また、図18(b)は、同図(a)の回路の各点における信号波形を示し、インスタンス2 2221の入力端子に対応する信号波形として、等価入力端子容量変動前の波形2231と等価入力端子容量変動後の波形2232とが示されている。
ここで、図18(a)及び(b)を参照して、図17のフロー図を説明する。
図17において、ステップ2201は、ネットワーク選択ステップであり、デザインの接続情報が記載されたネットリスト2210より遅延計算対象とするネットと、もう一段後のネットとを選択する。図18(a)では、ネット1 2226及びネット2 2227である。
ステップ2204は、デフォルト入力端子容量参照ステップであり、遅延計算対象とするネットと、もう一段後のネットに接続されるインスタンスについて、入力端子容量が入力スルーレートと駆動負荷との関数として第1の実施形態において示した方法によりキャラクタライズされたライブラリ2212を参照して、ミラー効果が起こっていないときの入力端子容量を参照する。図18(a)では、インスタンス2 2221とインスタンス3 2222について参照される。
ステップ2203は、第1のネットワーク縮退ステップであり、遅延計算の対象とするネットと、その1段後ろのネットに関して、寄生素子情報2211の寄生素子を含むネットワーク回路と、その後段のインスタンスの入力端子容量を含む回路とを、各々、実効的に負荷が等しい実効入力端子容量に縮退する。図18(a)では、例えば、ネット1 2226とインスタンス2 2221とからなるネットワーク回路を縮退すると共に、ネット2 2227とインスタンス3 2222からなる回路を縮退する。
また、ステップ2205は、第1のネット波形計算ステップであり、波形情報2214からネット1 2226の前段のネットの出力スルーレート、すなわち、インスタンス1 2220の入力スルーレートと、前記縮退されたネットワーク回路(ネット1 2226とインスタンス2 2221とから成る回路)の変動前入力端子容量(負荷部)とをインデックスとして、ライブラリ2212を参照することにより、インスタンス1 2220のセル出力スルーレートを計算する。更に、波形解析により、ネット1 2226の出力スルーレートである実効入力端子容量変動前の波形2231を計算する。
ステップ2206は、入力端子容量計算ステップであり、インスタンス2 2221の実効入力端子容量の変動前(すなわち、入力波形に歪が生じていない場合の)入力波形2231のスルーレートと、前記縮退されたネット2 2227の負荷容量とをインデックスとして、ライブラリ2212を参照することにより、インスタンス2 2221の変動後の実効入力端子容量を計算する。
ステップ2207は、第2のネットワーク縮退ステップであり、遅延計算対象とするネットと、このネットに接続される次段のインスタンスの変動後の実効入力端子容量とから成る回路を縮退する。ここでは、ネット1 2226と前記で求めたインスタンス2 2221の変動後の実効入力端子容量とからなる回路を縮退する。
ステップ2208は、第2のネット波形計算ステップであり、波形情報2214からネット1 2226の前段のネットの出力スルーレート(即ち、インスタンス1 2220の入力スルーレート)と、前記縮退した回路(即ち、ネット1 2226とインスタンス2 2221の変動後の実効入力端子容量からなる回路を縮退した回路)である負荷部とをインデックスとして、ライブラリ2212を参照することにより、インスタンス1 2220のセル遅延値とセル出力スルーレートとを計算し、その各々を遅延情報2215と波形情報2214とに記録する。更に、波形解析により、ネット1 2226の出力スルーレートである実効入力端子容量変動後の波形2232と、ネット1 2226の配線遅延時間とを計算し、その各々を波形情報2214と遅延情報2215とに記録する。
前記遅延計算のための一連のステップは、ネットリスト2210に記載された全てのネットについて遅延計算を行うまで繰り返される。
以上のように、本実施形態によれば、ミラー効果により波形変歪が発生している場合であっても、実効入力端子容量の変動というモデルを用いてその影響を考慮し、高精度に遅延計算する事が出来る。
(第9の実施形態)
本発明の第9の実施形態について、図19及び図20を用いて説明する。
図19は、タイミング解析において、タイミングを満たさないパスにミラー効果が発生するインスタンスが存在する場合のタイミング再判定方法を表す図である。
図19において、ステップSX500はデザイン中の全インスタンス、配線の遅延時間を計算し、さらに、ミラー効果が発生するインスタンスを抽出する遅延計算ステップ、ステップSX501は遅延計算ステップSX500で計算された遅延情報を基にタイミング解析を行なう静的タイミング解析ステップ、ステップSX502はタイミングを満たさないパスを構成するインスタンスにミラー効果が発生するかどうかを判定し、発生している場合に、その遅延変動量を計算するミラー効果発生インスタンス抽出ステップ、ステップSX503はミラー効果により発生した遅延変動量とパスのタイミングレポートから、再度タイミング解析を行なうタイミング再判定ステップ、X500はデザイン中の全インスタンス及び配線の遅延時間が記載された遅延情報、X501はミラー効果が発生しているインスタンスを羅列したミラー効果発生インスタンスリスト、X502はタイミング解析の結果、タイミングを満たしていないパスのタイミング情報と構成インスタンスが記載されたパスレポート、X503はタイミング解析の結果、タイミングを満たしていないパスのスラック値が記載されたスラック情報、X504はミラー効果が発生するインスタンスの遅延変動量を記載したパス遅延変動レポート、X505はセル毎にミラー効果が発生する条件が書かれたミラー効果発生条件、X506はネットリストである。
図20は図19の処理フローの具体例を示す図である。ここで図20(a)は、フリップフロップX600からフリップフロップX601に繋がるパスを、間にインスタンスX602を介する場合を例として示している。また、図20(b)は、同図(a)のフリップフロップX600及びX601に入力されるクロック信号X603の、同図(b)に示すクロックCLKの立ち上がりに対するホールド時間X604と、このホールド時間X604と比較したフリップフロップ(FF)間パス遅延X605と、ホールド時間X604からFF間パス遅延X605を引いた差分X606、及び、FF間パス遅延X605に対してミラー効果による遅延変動量X607を考慮した場合の時間関係を示した図である。
ここで、図20(a)及び(b)を参照して、図19のフロー図を説明する。
遅延計算ステップSX500では、遅延ライブラリX104とRC情報X105を入力として、デザイン中の全インスタンスの遅延時間及び配線遅延時間が計算される。また、これと同時に、入力されたミラー効果発生条件X505に従い、各インスタンスの入力信号波形傾きと駆動する負荷容量とから、インスタンス別にミラー効果が発生するかどうかを判定し、発生するインスタンスをミラー効果発生インスタンスリストX501として出力する。この遅延計算ステップSX500において入力されるミラー効果発生条件X505には、セル種別に、入力信号波形傾きと容量値が記載されており、各セル毎に、前記入力信号波形傾きより大きい信号波形が入力され、かつ、前記容量値よりも小さい容量を駆動するインスタンスがあった場合に、ミラー効果が発生すると判定される。
ここで、遅延計算ステップSX500では、遅延ライブラリX104とRC情報X105を読み込むと説明したが、その他にも、デザインのネットリストや、バウンダリの設定や、タイミング制約を読み込んで遅延計算してもよい。また、セルとは、バッファーやインバーターのような論理レベルでの種別を指し、インスタンスとは同一セルが複数使われた場合に、それぞれを違うものと認識するための唯一の名前である。
次に、静的タイミング解析ステップSX501では、ネットリストX506に対し遅延情報X500の遅延値を割り当て、タイミング解析を行なう。
タイミング解析において、タイミングを満たさないパスがある場合、そのパスを構成するインスタンスのリストが記載されたパスレポートX502とそのパスの守るべきタイミングに対し、満たしていない時間が記載されたスラック情報X503が出力する。
図20(a)記載のフリップフロップX600からインスタンスX602を通過してフリップフロップX601に至るようなパスの場合、前記パスレポートX502には、フリップフロップX600、フリップフロップX601、インスタンスX602とその他構成インスタンスがリストアップされる。
さらに、このパスの遅延が満たすべき仕様が例えば図20(b)に示すように、ホールド時間X604である場合に、前記パスのフリップフロップ(FF)間パス遅延X605との大小を比較し、前記仕様を満たしていない場合、それぞれの差分X607(= FF間パス遅延X605 - ホールド時間X604)が、スラック情報X503に出力される。
次に、ミラー効果発生インスタンス抽出ステップSX502では、ミラー効果発生インスタンスリストX501に記載されたインスタンスが、パスレポートX502中に含まれているかどうかを判定し、もし、含まれていた場合には、前記インスタンスのミラー効果による遅延変動量をパス遅延変動レポートX504として出力する。
例えば、インスタンスX602がミラー効果発生インスタンスリストX501に含まれていた場合、フリップフロップX600からX601のパスで、ミラー効果が発生すると判定され、インスタンスX602のミラー効果による遅延変動量X606を計算する。
ここでのミラー効果による遅延変動量の計算方法は、実施形態3、4に記載されている方法でも良いし、回路シミュレータを用いた計算でも良い。
最後に、タイミング再判定ステップSX503において、スラック情報X503とパス遅延変動レポートX504とを照らし合わせて、スラック情報X503に記載されている値よりも、パス遅延変動レポートX504に記載されている値の方が大きいパスは、タイミングを満たしていると判定する。
また、差分X607と遅延変動量X606を比較し、遅延変動量X606の方が大きければ、タイミングは満たしていないが、ミラー効果による遅延増加を考慮するとタイミングを満たしているので、問題なしとして、タイミングを満たしていると判定する。
以上説明したように、本実施形態によれば、タイミングを満たしていないパスであっても、ミラー効果の影響により遅延増加が発生し、タイミングを満たすことができるパスについては、回路修正を行う必要はないと判断できるので、無駄な回路修正を行なう必要なく、工数削減、面積増加抑制ができる。
(第10の実施形態)
本発明の第10の実施形態について、図21、図22及び図23を用いて説明する。
図21はミラー効果を考慮したタイミング改善フローを示す図、図22は最適な回路修正方法を選択する手順を示す図、図23は最適な回路修正方法の具体例を示す図である。
図21において、SX700は静的なタイミング解析を行なう静的タイミング解析ステップ、SX701はタイミング解析の結果、タイミングが仕様を満たしているかどうかを判定するタイミングMET判定ステップ、SX702はタイミングがそのタイミング設計仕様を満たすように改善を行なう回路修正ステップ、SX703はデザイン中の全インスタンス、配線の遅延時間を計算する遅延計算ステップ、SX704はミラー効果が起こっているインスタンスを抽出するミラー効果発生インスタンス抽出ステップ、SX705はミラー効果が起こっているかどうかを判定するミラー効果発生判定ステップ、SX706は回路修正を行う時に、最も面積ダメージの少なくなる方法を選定する回路修正方法決定ステップ、X700はレイアウトである。
図22において、SX800は、ミラー効果が発生しているインスタンスの入力信号波形と負荷容量とに基づいて、そのミラー効果が発生しないように、そのミラー効果が発生しているインスタンス自体のセルサイズを変更するような回路修正方法を提示するミラー効果発生インスタンス修正方法提示ステップである。また、SX801は、ミラー効果が発生しているインスタンスの入力端子又は出力端子に繋がるインスタンス(即ち、ミラー効果の発生要因となっているインスタンス)のセルサイズを変更し、これにより、ミラー効果が発生しないように、そのミラー効果が発生しているインスタンスの入力信号波形あるいは負荷容量を変更するような回路修正方法を提示するミラー効果発生要因インスタンス修正方法提示ステップである。更に、SX802はミラー効果発生インスタンス修正方法提示ステップSX800とミラー効果要因インスタンス修正方法提示ステップSX801のいずれの方法が面積ダメージが少ないかを比較し、最適な回路修正方法を選択する最適修正方法選定ステップである。
図23(a)において、X900はミラー効果が発生するインスタンス、X901はインスタンスX900の入力端子に繋がるインスタンス、X902はインスタンスX900の出力端子に繋がるインスタンス、同図(b)において、X903はインスタンスX900をミラー効果が発生しないようにセルサイズ変更を行ったインスタンス、また、同図(c)において、X904はインスタンスX900でミラー効果が発生しないようにセルサイズ変更を行ったインスタンスである。
ここで、図22及び図23を用いて、図21のフローを説明する。
先ず、静的タイミング解析ステップSX700では、ネットリストX506に対し遅延情報X500を割当て、静的なタイミング解析を行う。
次に、タイミングMET判定ステップSX701では、静的タイミング解析の結果、タイミングが仕様を満たしているかどうかを判定する。この判定において、タイミングMET判定ステップSX701で、タイミングを満たしていない場合には、回路修正ステップSX702に進む。
回路修正ステップSX702では、レイアウトX700を読み込んで、セルのサイズ変更や、再配線を行い、タイミング改善を行う。
次に、遅延計算ステップSX703では、タイミング改善されたデザイン中の全インスタンス及び配線の遅延時間を計算し、再度、静的タイミング解析ステップSX700に戻る。タイミングが仕様を満たすまで、以上のステップが繰り返し実行される。
また、前記とは異なり、タイミングMET判定ステップSX701で、タイミングが仕様を満たした場合には、ミラー効果発生インスタンス抽出ステップSX704に進む。
ミラー効果発生インスタンス抽出ステップSX704では、ミラー効果発生条件X505を参照しながら、タイミングエラーとなっているパスを構成するインスタンスが、この条件に合致している場合、そのインスタンスを抽出する。
次に、ミラー効果発生判定ステップSX705において、ミラー効果発生インスタンス抽出ステップSX704で抽出された中にミラー効果が起きるインスタンスがある場合には、回路修正が必要であると判定し、回路修正方法決定ステップSX706で回路修正方法を決定した後、回路修正ステップSX702に進み、また、ミラー効果を起こすインスタンスがない場合には、タイミング改善完了として処理を完了する。
ここで、前記処理における回路修正方法決定ステップSX706について、図22のフロー図と図23の回路図とを用いて詳細に説明する。
回路修正方法決定ステップSX706は、図22に示すミラー効果発生インスタンス修正方法提示ステップSX800と、ミラー効果要因インスタンス修正方法提示ステップSX801と最適修正方法選定ステップSX802とから構成されている。
図23(a)の回路において、インスタンスX900でミラー効果が発生していた場合、ミラー効果発生インスタンス修正方法提示ステップSX800では、インスタンスX900の駆動能力を変更(セルサイズ変更)し、ミラー効果が発生しないサイズに変更する。この変更により、インスタンスX900は図23(b)のインスタンスX903になったとする。
次に、ミラー効果は、ミラー効果が発生するインスタンスに入力される信号波形と負荷容量により発生するので、ミラー効果が発生するインスタンスX900に入力される前記信号波形、又は負荷容量を変更する修正ができないかを判定する。
ミラー効果要因インスタンス修正方法提示ステップSX801では、ミラー効果が発生するインスタンスX900の入力信号波形を変更するために、インスタンスX901のセルサイズを変更する方法を提示する。この方法を用いたセルサイズ変更では、通常は、図23(c)に示すように、信号波形が急峻になるようにインスタンスX901をインスタンスX904のようにセルサイズを大きく(駆動能力を強く)する。また、負荷容量に着目した場合は、インスタンスX902のサイズを変更する方法でもよい。
次に、最適修正方法選定ステップSX802では、セルサイズ変更後のインスタンスX903とインスタンスX904のサイズ変更に伴う面積増加量を比較し、ステップSX800、SX801において提示された2つの方法のうち面積ダメージの少ないほうの方法を選定する。
この選定された方法に従い、回路修正ステップSX702ではレイアウトを修正する。
以上のように、タイミング改善をする際に、ミラー効果の影響で遅延変動するインスタンスがあるかどうかを判定し、最も面積ダメージが少ない回路方法を提示することにより、最も少ないダメージで、ミラー効果を回避でき、市場での初期不良を未然に解決できる。
以上説明したように、本発明では、セルが如何なる大きさの容量を駆動していても、そのセルへの入出力波形に歪が発生する場合の遅延計算を精度良く実行することが可能であると共に、従来のクロストーク解析技術をそのまま応用しながら、高精度に遅延計算を行うことが可能にあり、更には、レイアウト後の回路修正を必要最小限の回路修正で行うことができるので、セル特性キャラクタライズ方法及び半導体集積回路の遅延時間計算方法として有用である。
本発明の第1の実施形態における変動入力端子容量キャラクタライズ方法のフロー図である。 本発明の第1の実施形態において、(a)は変動入力端子容量キャラクタライズ対象回路の図、(b)はセル及び駆動負荷を実効入力端子容量に置き換えた回路図である。 本発明の第1の実施形態における変動入力端子容量キャラクタライズ方法実施例のセル入力電圧波形の図である。 本発明の第2の実施形態におけるバンプ重畳波形キャラクタライズ方法のフロー図である。 本発明の第2の実施形態におけるバンプ重畳波形キャラクタライズ対象回路の図である。 本発明の第2の実施形態におけるバンプ重畳波形キャラクタライズ実施例の図である。 本発明の第3の実施形態におけるバンプ波形が発生する条件をキャラクタライズするときの回路図である。 本発明の第3の実施形態におけるバンプが発生する条件をキャラクタライズ処理フロー図である。 本発明の第3の実施形態におけるバンプ波形の発生の有無を記載したライブラリの例を示す図である。 本発明の第4の実施形態における波形にバンプが発生する場合の遅延計算処理フローを示す図である。 本発明の第5の実施形態におけるミラー効果による遅延変動を考慮に入れた遅延計算処理フローを表す図である。 本発明の第5の実施形態において、(a)は遅延計算処理を行う回路の具体例を示す図、(b)は、(a)の回路図における各点の波形を図11の処理フローにおける各ステップに対して示した図である 本発明の第6の実施形態におけるミラー効果による遅延変動を考慮に入れた遅延計算処理フローを表す図である。 本発明の第6の実施形態における図13の処理フローを具体例を用いて説明する図である。 本発明の第7の実施形態におけるバンプ重畳波形を考慮した遅延計算方法のフロー図である。 本発明の第7の実施形態において、(a)はバンプ重畳波形を考慮した遅延計算処理を行う対象のネットワークの具体例を示す図、(b)は(a)のネットの各点における波形を示した図である。 本発明の第8の実施形態における変動入力端子容量を考慮した遅延計算方法のフロー図である。 本発明の第8の実施形態において、(a)は変動入力端子容量を考慮した遅延計算処理を行う対象のネットワークの具体例を示す図、(b)は(a)の回路の各点における信号波形を示す図である。 本発明の第9の実施形態のタイミング解析において、タイミングを満たさないパスにミラー効果が発生するインスタンスが存在する場合のタイミング再判定方法を示す図である。 本発明の第9の実施形態における図19の処理フロー図の具体例を示し、(a)は図19の処理フロー図の回路による具体例を示す図、(b)は(a)の回路における遅延時間とホールド時間との関係を示す図である。 本発明の第10の実施形態におけるミラー効果を考慮したタイミング改善フローを表す図である。 本発明の第10の実施形態における最適な回路修正方法を選択する手順を表す図である。 本発明の第10の実施形態における最適な回路修正方法の具体例を表す図である。 従来の遅延計算で使用するライブラリの例を示す図である。
符号の説明
1103 実効入力端子容量算出ステップ
1115 テーブルデータ
1201 波形電圧発生部
1202 平滑化回路
1203 負荷部(駆動負荷)
1204 キャラクタライズ対象セル
1205 実効入力端子容量
1210 ミラー効果が起こらない場合の入力波形
1211 ミラー効果が起こった場合の入力波形
1212 等価入力端子容量を付加した場合の入力波形
1301 シミュレーションスクリプト作成ステップ
1303 スロープ波形及びバンプ波形分離ステップ
1401 バンプ電圧発生部
1402 波形電圧発生部
1403 負荷部
1404 キャラクタライズ対象セル
1405 波形上にバンプが重畳した波形
1407 バンプ波形
1408 上部スルートリップポイント
1409 下部スルートリップポイント
1410 バンプ高さ
1411 バンプ幅
1412 波形にバンプが重畳するタイミング
1413 バンプがピークにまで達する時間
1414 バンプ面積
2102 ネット波形分離ステップ
2104 ライブラリ参照ステップ
2105 ネット波形計算ステップ
2203 ネットワーク縮退ステップ
2205 ネット波形計算ステップ
2207 ネットワーク縮退ステップ
2208 ネット波形計算ステップ
D201 キャラクタライズ対象セルの入力波形
D202 キャラクタライズ対象セルの出力波形
L201 ライブラリ
ST41 駆動負荷及び入力波形抽出ステップ
ST42 歪発生パターン検出ステップ
ST43 トランジスタ遅延計算ステップ
ST44 波形歪検出ステップ
ST45 ゲートレベル遅延計算実行ステップ
ST203 波形歪検出ステップ(波形歪観測ステップ)
ST204 ライブラリ用テーブルデータ出力ステップ
SX100 第1の遅延計算ステップ
SX101 インスタンス入力信号波形計算ステップ
SX102、SX300 インスタンス出力信号波形計算ステップ
SX103 第2の遅延計算ステップ
SX500 遅延計算ステップ
SX501 静的タイミング解析ステップ
SX502 ミラー効果発生インスタンス抽出ステップ
SX503 タイミング再判定ステップ
SX700 静的タイミング解析ステップ
SX701 タイミングMET判定ステップ
SX702 回路修正ステップ
SX703 遅延計算ステップ
SX704 ミラー効果発生インスタンス抽出ステップ
SX705 ミラー効果発生判定ステップ
SX706 回路修正方法決定ステップ
SX800 ミラー効果発生インスタンス修正方法提示ステップ
SX801 ミラー効果要因インスタンス修正方法提示ステップ
SX802 最適修正方法選定ステップ
X100 動容量値
X101 入出力信号波形
X102 ミラー効果入り入力信号波形
X103 ミラー効果入り出力信号波形
X104 ライブラリ
X105 RC情報
X300 ミラー効果考慮出力信号波形
X500 遅延情報
X501 ミラー効果発生インスタンスリスト
X502 パスレポート
X503 スラック情報
X504 パス遅延変動レポート
X505 ミラー効果発生条件
X506 ネットリスト

Claims (13)

  1. 所定の駆動負荷が接続されたセルの入力波形がミラー効果に起因して変歪する場合の前記セルの特性をキャラクタライズするセル特性キャラクタライズ方法であって、
    前記入力波形が前記駆動負荷を持つキャラクタライズ対象セルに入力される際に、前記入力波形が前記ミラー効果に起因して所定の遅延時間だけ前記入力波形よりも遅れた変歪波形となる場合の前記セルの実効入力端子容量を算出する実効入力端子容量算出ステップと、
    前記実効入力端子容量算出ステップで算出した実効入力端子容量を前記入力波形と前記駆動負荷の値との関数として保持する保持ステップとを有する
    ことを特徴とするセル特性キャラクタライズ方法。
  2. 入力スロープ波形を発生させる入力スロープ波形発生ステップと、
    入力バンプ波形を発生させる入力バンプ波形発生ステップと、
    前記入力スロープ波形に前記入力バンプ波形が重畳した入力波形をキャラクタライズ対象セルに入力し、この入力した際の前記キャラクタライズ対象セルの出力波形を測定する回路シミュレーションステップと、
    前記測定されたキャラクタライズ対象セルの出力波形を、出力スロープ波形と、出力バンプ波形とに分離するスロープ波形及びバンプ波形分離ステップと、
    前記出力スロープ波形及び出力バンプ波形を前記入力スロープ波形及び入力バンプ波形の関数として保持する保持ステップとを有する
    ことを特徴とするセル特性キャラクタライズ方法。
  3. 前記請求項2に記載のセル特性キャラクタライズ方法において、
    前記入力バンプ波形及び出力バンプ波形は、各々、
    スロープ波形の波形遷移時間、バンプ波形のバンプ波形高さ、バンプ波形幅、バンプ面積、バンプ波形がピークに達するまでの時間、及びバンプ波形がスロープ波形に重畳するタイミングにより定義される
    ことを特徴とするセル特性キャラクタライズ方法。
  4. 所定の駆動負荷が接続されたキャラクタライズ対象セルの入力側に駆動能力の低いセルを接続し、この駆動能力の低いセルに入力波形を入力して、この入力された際の前記キャラクタライズ対象セルの入力波形及び出力波形に波形歪みが発生したか否かを検出する波形歪検出ステップと、
    前記キャラクタライズ対象セルの入力波形及び出力波形についての波形歪の有無を、前記キャラクタライズ対象セルの入力波形と前記駆動負荷の値との関数又はテーブルとして保持する保持ステップとを有する
    ことを特徴とするセル特性キャラクタライズ方法。
  5. 前記請求項2のセル特性キャラクタライズ方法を使用して、複数のセルが複数の配線で接続されて構成される半導体集積回路の遅延時間を波形歪を考慮して計算する半導体集積回路の遅延時間計算方法であって、
    前記複数のセルのうち1つを遅延時間計算対象セルとして、この対象セルについて、入力波形と駆動負荷の値とを抽出する駆動負荷及び入力波形抽出ステップと、
    前記請求項2のセル特性キャラクタライズ方法での関数を参照して、前記抽出された入力波形及び駆動負荷の値では入力波形又は出力波形に歪が発生するパターンか否かを検出する歪発生パターン検出ステップと、
    前記歪発生パターン検出ステップで歪が発生するパターンであることが検出されないときには、前記遅延時間計算対象セルについてゲートレベルの遅延計算処理を実行するゲートレベル遅延計算ステップと、
    前記歪発生パターン検出ステップで歪が発生するパターンであることが検出されたときには、前記遅延時間計算対象セルについてトランジスタレベルの遅延計算処理を実行するトランジスタレベル遅延計算ステップとを有する
    ことを特徴とする半導体集積回路の遅延時間計算方法。
  6. 前記請求項5の半導体集積回路の遅延時間計算方法において、
    前記トランジスタレベル遅延計算ステップでの遅延計算の終了後に、前記遅延時間計算対象セルの入力波形又は出力波形に波形歪が発生しているか否かを検出し、波形歪が発生しているときには、その波形歪の発生がなくなるまで、前記トランジスタレベル遅延計算ステップでのトランジスタレベルの遅延計算を繰り返させる波形歪検出ステップを有する
    ことを特徴とする半導体集積回路の遅延時間計算方法。
  7. 複数のインスタンスが複数のネットで接続されて構成される半導体集積回路の遅延時間を波形歪を考慮して計算する半導体集積回路の遅延時間計算方法であって、
    前記全てのインスタンスの遅延時間及び前記全てのネットの配線遅延時間、並びに前記全てのインスタンスの入力端子及び出力端子における信号波形を計算する第1の遅延計算ステップと、
    前記複数のインスタンスの1つである遅延時間計算対象インスタンスについて、ミラー効果に起因する入力波形の変歪の有無に応じた遅延時間計算対象インスタンスの変動入力端子容量値が入力され、前記変動入力端子容量値を前記遅延時間計算対象インスタンスの入出力間のカップリング容量として表し、前記遅延時間計算対象インスタンスの出力端子につながるネットをアグレッサーとし且つ前記遅延時間計算対象セルの入力端子につながるネットをヴィクティムとして、クロストーク計算し、これにより、前記遅延時間計算対象インスタンスのミラー効果に起因して変歪した変歪入力信号波形を得るインスタンス入力信号波形計算ステップと、
    前記インスタンス入力信号波形計算ステップにおいて計算された前記変歪入力信号波形が入力され、前記遅延時間計算対象インスタンスの入出力端子間の信号波形伝播を計算して、前記遅延時間計算対象インスタンスの変歪出力信号波形を得るインスタンス出力信号波形伝播ステップと、
    前記得られた遅延時間計算対象インスタンスの変歪入力信号波形及び変歪出力信号波形に基づいて、前記遅延時間計算対象インスタンスの遅延時間を計算し、更に、前記変歪出力信号波形を伝播させて、後段のインスタンスの遅延時間及び後段のネットの配線遅延時間を計算する第2の遅延計算ステップとを有する
    ことを特徴とする半導体集積回路の遅延時間計算方法。
  8. 複数のインスタンスが複数のネットで接続されて構成される半導体集積回路の遅延時間を波形歪を考慮して計算する半導体集積回路の遅延時間計算方法であって、
    前記全てのインスタンスの遅延時間及び前記全てのネットの配線遅延時間、並びに前記全てのインスタンスの入力端子及び出力端子における信号波形を計算する第1の遅延計算ステップと、
    前記複数のインスタンスの1つである遅延時間計算対象インスタンスについて、ミラー効果に起因する入力波形の変歪の有無に応じた遅延時間計算対象インスタンスの変動入力端子容量値が入力され、前記変動入力端子容量値を前記遅延時間計算対象インスタンスの入出力間のカップリング容量として表し、前記遅延時間計算対象インスタンスの出力端子につながるネットをアグレッサーとし且つ前記遅延時間計算対象セルの入力端子につながるネットをヴィクティムとして、クロストーク計算し、これにより、前記遅延時間計算対象インスタンスのミラー効果に起因して変歪した変歪入力信号波形を得るインスタンス入力信号波形計算ステップと、
    前記遅延時間計算対象インスタンスについて、前記変動入力端子容量値が入力され、前記変動入力端子容量値を前記遅延時間計算対象インスタンスの入出力間のカップリング容量として表し、前記遅延時間計算対象インスタンスの入力端子につながるネットをアグレッサーとし且つ前記遅延時間計算対象セルの出力端子につながるネットをヴィクティムとして、クロストーク計算し、これにより、前記遅延時間計算対象インスタンスのミラー効果に起因して変歪した変歪出力信号波形を得るインスタンス出力信号波形計算ステップと、
    前記得られた遅延時間計算対象インスタンスの変歪入力信号波形及び変歪出力信号波形に基づいて、前記遅延時間計算対象インスタンスの遅延時間を計算し、更に、前記変歪出力信号波形を伝播させて、後段のインスタンスの遅延時間及び後段のネットの配線遅延時間を計算する第2の遅延計算ステップとを有する
    ことを特徴とする半導体集積回路の遅延時間計算方法。
  9. 前記請求項2のセル特性キャラクタライズ方法を使用して、複数のインスタンスが複数のネットで接続されて構成される半導体集積回路の遅延時間を波形歪を考慮して計算する半導体集積回路の遅延時間計算方法であって、
    前記複数のインスタンスのうち1つの遅延時間計算対象インスタンスへの入力波形が、入力バンプ波形の重畳した波形であるとき、この入力波形を、前記入力バンプ波形が重畳していない入力スロープ波形と、前記入力バンプ波形とに分離するスロープ波形及びバンプ波形分離ステップと、
    前記請求項2のセル特性キャラクタライズ方法で保持された関数を参照して、前記入力スロープ波形及び前記入力バンプ波形に対応する前記遅延時間計算対象インスタンスの出力スロープ波形及び出力バンプ波形を求めて、前記遅延時間計算対象インスタンスの出力波形として前記出力スロープ波形にバンプ波形が重畳した出力波形を求めるライブラリ参照ステップと、
    前記遅延時間計算対象インスタンスの出力側に接続される後段ネットにおいて外部要因でバンプ波形が発生するとき、このバンプ波形の情報が入力され、このバンプ波形を前記遅延時間計算対象インスタンスの出力波形に重畳して、前記後段ネットの出力波形を計算するネット波形計算ステップとを有する
    ことを特徴とする半導体集積回路の遅延時間計算方法。
  10. 入力側に配線が接続されると共に出力側に駆動負荷が接続されるセルの入力信号波形がミラー効果に起因して変歪する場合に、前記請求項1のセル特性キャラクタライズ方法を使用して、前記変歪した入力信号波形を計算するセルの入力波形計算方法であって、
    前記波形計算対象セルの前記変歪前の入力波形と前記駆動負荷の値とが入力され、前記請求項1のセル特性キャラクタライズ方法で得られた関数を参照して、前記波形計算対象セルの前記変歪前の入力波形と前記駆動負荷の値とに対応する実効入力端子容量を計算する入力端子容量計算ステップと、
    前記波形計算対象セルの入力側に接続された配線の出力信号波形が入力され、前記入力された配線の出力信号波形と、前記計算された実効入力端子容量に前記波形計算対象セルの入力側に接続された配線の容量を加えた負荷容量とに基づいて、前記波形計算対象セルの前記変歪後の入力波形を計算する波形計算ステップとを有する
    ことを特徴とする半導体集積回路の遅延時間計算方法。
  11. 複数のインスタンスが複数のネットで接続されて構成される半導体集積回路の遅延時間を波形歪を考慮して計算する半導体集積回路の遅延時間計算方法であって、
    前記全てのインスタンスの遅延時間及び前記全てのネットの配線遅延時間、前記全てのインスタンスの入力端子及び出力端子における信号波形、並びに前記全てのインスタンスの実効入力端子容量を計算すると共に、入力信号波形及び実効入力端子容量を含むミラー効果発生条件が入力され、前記計算された各インスタンス別の入力信号波形及び前記実効入力端子容量を前記ミラー効果発生条件と照合して、入力信号にミラー効果が発生するインスタンスをリストアップし、ミラー効果発生インスタンスリストとして出力する遅延計算ステップと、
    前記遅延計算ステップで計算された遅延時間をネットリストに割り当てて、静的なタイミング解析を行い、各パスのタイミングがタイミング設計仕様を満たすか否かを判定し、前記タイミング設計仕様を満たしていないときには、その満たしていないパスのタイミングと前記タイミング設計仕様との差分をスラック情報として記憶する静的タイミング解析ステップと、
    前記静的タイミング解析ステップでタイミング設計仕様を満たさないと判定されたパスに含まれるインスタンスを前記ミラー効果発生インスタンスリストと照合し、前記パスに含まれるインスタンスが前記ミラー効果発生インスタンスリスト中に含まれるとき、このインスタンスのミラー効果に起因する遅延変動量を計算し、この遅延変動量をパス遅延変動レポートとして出力するミラー効果発生インスタンス抽出ステップと、
    前記タイミング設計仕様を満たさないと判定されたパスの前記スラック情報を前記パス遅延変動レポートとを照合し、ミラー効果による遅延変動量では前記タイミング設計仕様を満たすときには、前記パスはタイミング設計仕様を満たしていると再判定するタイミング再判定ステップとを有する
    ことを特徴とする半導体集積回路の遅延時間計算方法。
  12. 複数のインスタンスが複数のネットで接続されて構成される半導体集積回路の遅延時間を波形歪を考慮して計算する半導体集積回路の遅延時間計算方法であって、
    ネットリスト、及び前記複数のインスタンスの遅延時間及び前記複数のネットの配線遅延時間が入力され、前記遅延時間及び配線遅延時間を前記ネットリストに割り当てて、静的なタイミング解析を行う静的タイミング解析ステップと、
    前記静的タイミング解析ステップでのタイミング解析の結果がタイミング設計仕様を満たしているか否かを判定するタイミングMET判定ステップと、
    前記タイミングMET判定ステップでタイミング設計仕様を満たしていないと判定されたとき、レイアウト情報が入力されて、このレイアウト情報に基いて、タイミング改善のためにインスタンスのサイズの変更又は再配線を含む回路修正を行う回路修正ステップと、
    前記回路修正ステップで回路修正が行われた後の全インスタンスの遅延時間及び全ネットの配線遅延時間を計算し、その計算後に前記静的タイミング解析ステップに戻る遅延計算ステップと、
    前記タイミングMET判定ステップでタイミング設計仕様を満たしていると判断されたとき、ミラー効果発生条件が入力され、このミラー効果発生条件に基づいて、ミラー効果が発生するインスタンスであって且つこのミラー効果の発生に起因してタイミングが前記タイミング設計仕様を満たさなくなるパスに含まれるインスタンスを抽出するミラー効果発生インスタンス抽出ステップと、
    前記ミラー効果発生インスタンス抽出ステップで抽出されたミラー効果が発生インスタンスを修正するか、又は前記ミラー効果を起こさせる要因となっているインスタンスを修正するかの回路修正方法を決定し、前記回路修正ステップに戻る回路修正方法決定ステップとを有する
    ことを特徴とする半導体集積回路の遅延時間計算方法。
  13. 前記請求項12に記載の半導体集積回路の遅延時間計算方法において、
    前記回路修正方法決定ステップは、
    ミラー効果が発生しているインスタンス自体のセルサイズをミラー効果が発生しないセルサイズに変更するような回路修正方法を提示するミラー効果発生インスタンス修正方法提示ステップと、
    前記ミラー効果を引き起こす要因となっている信号波形を生成するインスタンスのセルサイズを、前記ミラー効果を引き起こさない信号波形となるセルサイズに変更するような回路修正方法を提示するミラー効果要因インスタンス修正方法提示ステップと、
    前記2つの修正方法提示ステップで提示された2つの回路修正方法同士を比較し、面積ダメージが少ない回路方法を選択する最適修正方法選定ステップとを有する
    ことを特徴とする半導体集積回路の遅延時間計算方法。
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