JP2005331009A - 防振装置及び露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 できるだけ新たな設備を使用することなく、機構部の温度上昇を抑制できる能動型の防振装置を提供する。
【解決手段】 構造物36を支持するエアダンパ45と、構造物36を支持方向に沿って駆動するボイスコイルモータ50と、気体供給装置52とを備える。気体供給装置52は、空気源54と、空気源54からの空気が供給されるサーボバルブ56と、サーボバルブ56で流量が制御された空気をエアダンパ45に供給する第1給気管57と、サーボバルブ56から常時漏れ出している空気をボイスコイルモータ50の周囲に供給する第2給気管59とを有する。
【選択図】 図3
【解決手段】 構造物36を支持するエアダンパ45と、構造物36を支持方向に沿って駆動するボイスコイルモータ50と、気体供給装置52とを備える。気体供給装置52は、空気源54と、空気源54からの空気が供給されるサーボバルブ56と、サーボバルブ56で流量が制御された空気をエアダンパ45に供給する第1給気管57と、サーボバルブ56から常時漏れ出している空気をボイスコイルモータ50の周囲に供給する第2給気管59とを有する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、構造物を支持する際に振動を抑制するために使用される防振技術に関し、例えば半導体デバイスや液晶ディスプレイ等の各種デバイスを製造する際に使用される露光装置等を支持するために使用して好適なものである。さらに本発明は、その防振技術を用いる露光技術に関する。
例えば半導体デバイスの製造工程の一つであるリソグラフィ工程においては、マスクとしてのレチクル(又はフォトマスク等)に形成されているパターンを基板としてのフォトレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に転写露光するために、露光装置が使用されている。露光装置としては、ステッパー等の一括露光型(静止露光型)の投影露光装置やスキャニングステッパー等の走査露光型の投影露光装置(走査型露光装置)などが使用されている。
露光装置において、レチクルステージやウエハステージの位置決め精度や重ね合わせ精度等の露光精度を向上するためには、振動の影響をできるだけ排除する必要がある。しかしながら、上記の各ステージが移動するときには、その加速時の反力が床に伝わって床が振動することがある。また、露光装置が設置されているデバイス製造工場内の周囲の関連機器の稼働時にも様々な力によって床が振動するため、床は恒常的に或る程度は振動している。そこで、その床の振動が露光装置に伝わって、露光精度が低下するのを防止するため、従来より露光装置と床(設置面)との間には防振台が配置されている。
従来の防振台としては、内部の圧力がほぼ一定に維持されるように空気が供給されるエアダンパでステージ等を支持する機構が広く用いられている。また、ステージ等に配置した加速度センサで検出される振動を抑制するアクチュエータ(電磁ダンパ)をエアダンパに組み合わせて用いる能動型の防振装置も使用されるようになって来ている。さらに防振性能を向上するために、そのアクチュエータに情報をフィードバックするセンサの種類を増加させるとともに、エアダンパにおいても、ステージに設けた運動センサの検出結果を用いて圧力を制御するようにした能動型の防振装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−175122号公報
最近は、半導体デバイス等のパターンが一層微細化しており、それに伴って必要な露光精度も高くなっているため、露光装置においては振動を抑制するとともに、露光装置の温度の一層の安定化を図ることも求められている。これに関して、アクチュエータを用いた能動型の防振装置は、応答速度は高いが、主にアクチュエータから発生する熱によって防振装置の機構部の温度が次第に上昇する恐れがあった。このように防振装置の機構部の温度が上昇すると、その防振装置に支持されているステージ等の温度も上昇する恐れがある。さらに、防振装置の機構部の温度上昇によって、防振装置の防振性能が低下する恐れもある。
また、防振装置又は露光装置の製造及び組立のコストを抑制するためには、防振装置の機構部の温度上昇の対策として、通常の防振装置又は露光装置では使用されないような設備はできるだけ使用しないことが望ましい。
本発明は斯かる点に鑑み、できるだけ新たな設備を使用することなく、機構部の温度上昇を抑制できる能動型の防振装置を提供することを第1の目的とする。
本発明は斯かる点に鑑み、できるだけ新たな設備を使用することなく、機構部の温度上昇を抑制できる能動型の防振装置を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、そのような能動型の防振装置を用いて、露光精度を向上できる露光装置を提供することを第2の目的とする。
本発明による第1の防振装置は、構造物(36)を支持する防振装置において、その構造物を支持する気体ダンパ(45)と、その構造物を支持方向に沿って駆動するアクチュエータ(50)と、その気体ダンパに気体を供給する第1気体供給路(57)とそのアクチュエータにその気体を供給する第2気体供給路(59)とを有した気体供給装置(52;52A)とを備えたものである。
斯かる本発明によれば、その気体ダンパとそのアクチュエータとを併用することで、その構造物の振動を高い応答速度で能動的に抑制できる。また、その気体ダンパにはほぼ継続して気体を供給する必要があるため、例えばその気体ダンパに供給するための気体の一部をそのアクチュエータの周囲に流すことによって、気体供給のための新たな設備を使用することなく、そのアクチュエータ、ひいてはその防振装置の機構部の温度上昇を抑制できる。
本発明において、そのアクチュエータに供給された気体を排気する排気装置(61)を備えることができる。これによって、そのアクチュエータの冷却効率を高めることができる。
次に、本発明による第2の防振装置は、構造物(36)を支持する防振装置において、その構造物を支持する気体ダンパ(45)と、コイル(50a)とマグネット(50b)とを有し、その構造物を支持方向に沿って駆動するアクチュエータ(50)と、そのコイルをその気体ダンパから分離して覆うカバー部(58)と、その気体ダンパとそのカバー部とにその気体を供給する気体供給装置(52)とを備えたものである。
次に、本発明による第2の防振装置は、構造物(36)を支持する防振装置において、その構造物を支持する気体ダンパ(45)と、コイル(50a)とマグネット(50b)とを有し、その構造物を支持方向に沿って駆動するアクチュエータ(50)と、そのコイルをその気体ダンパから分離して覆うカバー部(58)と、その気体ダンパとそのカバー部とにその気体を供給する気体供給装置(52)とを備えたものである。
本発明によれば、その気体ダンパとそのアクチュエータとを併用することで、その構造物の振動を高い応答速度で能動的に抑制できる。また、そのカバー部内に気体を供給することによって、そのアクチュエータを効率的に冷却でき、ひいてはその防振装置の機構部の温度上昇を抑制できる。さらに、例えばその気体ダンパに供給するための気体の一部をそのカバー部内に供給することによって、気体供給のための新たな設備を使用する必要がない。
本発明において、そのカバー部に供給されたその気体を排気する排気装置(61)を備えることができる。これによって、さらに効率的にそのアクチュエータを冷却できる。
また、一例として、その気体ダンパによる支持軸と、そのアクチュエータが発生する駆動力の駆動軸とが同軸となるように、その気体ダンパに対してそのアクチュエータが配置されている。この配置によって、防振装置の機構部を小型化できるとともに、そのアクチュエータの周囲に気体を供給する機構も簡素化できる。
また、一例として、その気体ダンパによる支持軸と、そのアクチュエータが発生する駆動力の駆動軸とが同軸となるように、その気体ダンパに対してそのアクチュエータが配置されている。この配置によって、防振装置の機構部を小型化できるとともに、そのアクチュエータの周囲に気体を供給する機構も簡素化できる。
次に、本発明による露光装置は、第1ステージ(RST)に保持された第1物体(R)を露光ビームで照明し、その露光ビームでその第1物体を介して第2ステージ(WST)に保持された第2物体(W)を露光する露光装置において、その第1ステージ及びその第2ステージのうちの少なくとも一方を本発明の防振装置を介して支持するものである。
本発明の防振装置を用いることで除振性能が向上するとともに、露光装置の温度安定性も向上するため、重ね合わせ精度等の露光精度が向上する。また、走査型露光装置の場合には、振動を低減した状態で走査速度を速くできるため、スループットを向上できる。
本発明の防振装置を用いることで除振性能が向上するとともに、露光装置の温度安定性も向上するため、重ね合わせ精度等の露光精度が向上する。また、走査型露光装置の場合には、振動を低減した状態で走査速度を速くできるため、スループットを向上できる。
この場合、その防振装置は、その第1ステージ又はその第2ステージを支持するためにそれぞれ3個以上用いてもよい。これによって、その第1ステージ又は第2ステージの少なくとも3自由度の方向の除振を行うことができる。
本発明の防振装置によれば、気体ダンパとアクチュエータとを併用することで、構造物の振動を高い応答速度で能動的に抑制できる。また、一例として、その気体ダンパに供給するための気体の一部をそのアクチュエータの周囲に流すことによって、気体供給のための新たな設備を使用することなく、防振装置の機構部の温度上昇を抑制できる。
また、そのアクチュエータのコイルを覆うカバー部を設けるか、又は排気装置を設けた場合には、そのアクチュエータの冷却効率を高めることができる。
また、そのアクチュエータのコイルを覆うカバー部を設けるか、又は排気装置を設けた場合には、そのアクチュエータの冷却効率を高めることができる。
[第1の実施形態]
以下、本発明の好ましい第1の実施形態につき図1〜図4を参照して説明する。本例は、スキャニングステッパーよりなる走査露光型の投影露光装置(走査型露光装置)の除振を行う場合に本発明を適用したものである。
図1は、本例の投影露光装置を構成する各機能ユニットをブロック化して表した図であり、この図1において、投影露光装置を収納するチャンバーは省略されている。図1において、露光用の光源としてKrFエキシマレーザ(波長248nm)又はArFエキシマレーザ(波長193nm)よりなるレーザ光源1が使用されている。その露光用の光源としては、その他のF2 レーザ(波長157nm)のような発振段階で紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からの近赤外域のレーザ光を波長変換して得られる真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの、或いはこの種の露光装置でよく使われている水銀放電ランプ等も使用できる。
以下、本発明の好ましい第1の実施形態につき図1〜図4を参照して説明する。本例は、スキャニングステッパーよりなる走査露光型の投影露光装置(走査型露光装置)の除振を行う場合に本発明を適用したものである。
図1は、本例の投影露光装置を構成する各機能ユニットをブロック化して表した図であり、この図1において、投影露光装置を収納するチャンバーは省略されている。図1において、露光用の光源としてKrFエキシマレーザ(波長248nm)又はArFエキシマレーザ(波長193nm)よりなるレーザ光源1が使用されている。その露光用の光源としては、その他のF2 レーザ(波長157nm)のような発振段階で紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からの近赤外域のレーザ光を波長変換して得られる真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの、或いはこの種の露光装置でよく使われている水銀放電ランプ等も使用できる。
レーザ光源1からの露光ビームとしての露光用の照明光(露光光)ILは、レンズ系とフライアイレンズ系とで構成される均一化光学系2、ビームスプリッタ3、光量調整用の可変減光器4、ミラー5、及びリレーレンズ系6を介してレチクルブラインド機構7を均一な照度分布で照射する。レチクルブラインド7でスリット状又は矩形状に制限された照明光ILは、結像レンズ系8を介してマスクとしてのレチクルR上に照射され、レチクルR上にはレチクルブラインド7の開口の像が結像される。均一化光学系2、ビームスプリッタ3、光量調整用の可変減光器4、ミラー5、リレーレンズ系6、レチクルブラインド機構7、及び結像レンズ系8を含んで照明光学系9が構成されている。
レチクルRに形成された回路パターン領域のうち、照明光によって照射される部分の像は、両側テレセントリックで投影倍率βが縮小倍率の投影光学系PLを介して基板(感応基板)としてのフォトレジストが塗布されたウエハW上に結像投影される。一例として、投影光学系PLの投影倍率βは1/4又は1/5等、像側開口数NAは0.7、視野直径は27〜30mm程度である。投影光学系PLは屈折系であるが、その他に反射屈折系等も使用できる。レチクルR及びウエハWはそれぞれ第1物体及び第2物体とみなすこともできる。以下、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行な方向にX軸を、図1の紙面に垂直な方向にY軸を取って説明する。本例では、Y軸に沿った方向(Y方向)が、走査露光時のレチクルR及びウエハWの走査方向であり、レチクルR上の照明領域は、非走査方向であるX軸に沿った方向(X方向)に細長い形状である。
先ず、投影光学系PLの物体面側に配置されるレチクルRは、走査露光時にレチクルベース(不図示)上をエアベアリングを介して少なくともY方向に定速移動するレチクルステージRST(第1ステージ又はマスクステージ)に保持されている。レチクルステージRSTの移動座標位置(X方向、Y方向の位置、及びZ軸の周りの回転角)は、レチクルステージRSTに固定された移動鏡Mrと、これに対向して配置されたレーザ干渉計システム10とで逐次計測され、その移動はリニアモータや微動アクチュエータ等で構成される駆動系11によって行われる。なお、移動鏡Mr、レーザ干渉計システム10は、実際には少なくともX方向に1軸及びY方向に2軸の3軸のレーザ干渉計を構成している。レーザ干渉計システム10の計測情報はステージ制御ユニット14に供給され、ステージ制御ユニット14はその計測情報及び装置全体の動作を統轄制御するコンピュータよりなる主制御系20からの制御情報(入力情報)に基づいて、駆動系11の動作を制御する。
一方、投影光学系PLの像面側に配置されるウエハWは、不図示のウエハホルダを介してウエハステージWST(第2ステージ又は基板ステージ)上に保持され、ウエハステージWSTは、走査露光時に少なくともY方向に定速移動できるとともに、X方向及びY方向にステップ移動できるように、エアベアリングを介して不図示のウエハベース上に載置されている。また、ウエハステージWSTの移動座標位置(X方向、Y方向の位置、及びZ軸の周りの回転角)は、投影光学系PLの下部に固定された基準鏡Mfと、ウエハステージWSTに固定された移動鏡Mwと、これに対向して配置されたレーザ干渉計システム12とで逐次計測され、その移動はリニアモータ及びボイスコイルモータ(VCM)等のアクチュエータで構成される駆動系13によって行われる。なお、移動鏡Mw及びレーザ干渉計システム12は、実際には少なくともX方向に1軸及びY方向に2軸の3軸のレーザ干渉計を構成している。また、レーザ干渉計システム12は、実際には更にX軸及びY軸の周りの回転角計測用の2軸のレーザ干渉計も備えている。レーザ干渉計システム12の計測情報はステージ制御ユニット14に供給され、ステージ制御ユニット14はその計測情報及び主制御系20からの制御情報(入力情報)に基づいて、駆動系13の動作を制御する。
また、ウエハステージWSTには、ウエハWのZ方向の位置(フォーカス位置)と、X軸及びY軸の周りの傾斜角とを制御するZレベリング機構も備えられている。そして、投影光学系PLの下部側面に、ウエハWの表面の複数の計測点にスリット像を投影する投射光学系23Aと、その表面からの反射光を受光してそれらのスリット像の再結像された像の横ずれ量の情報を検出して、ステージ制御ユニット14に供給する受光光学系23Bとから構成される斜入射方式の多点のオートフォーカスセンサ(23A,23B)が配置されている。ステージ制御ユニット14は、そのスリット像の横ずれ量の情報を用いてそれら複数の計測点における投影光学系PLの像面からのデフォーカス量を算出し、走査露光時にはこれらのデフォーカス量が所定の制御精度内に収まるように、オートフォーカス方式でウエハステージWST内のZレベリング機構を駆動する。なお、斜入射方式の多点オートフォーカスセンサの詳細な構成については、例えば特開平1−253603号公報に開示されている。
また、ステージ制御ユニット14は、レーザ干渉計システム10による計測情報に基づいて駆動系11を最適に制御するレチクル側のコントロール回路と、レーザ干渉計システム12による計測情報に基づいて駆動系13を最適に制御するウエハ側のコントロール回路とを含み、走査露光時にレチクルRとウエハWとを同期走査するときは、その両方のコントロール回路が各駆動系11,13を協調制御する。また、主制御系20は、ステージ制御ユニット14内の各コントロール回路と相互にコマンドやパラメータをやり取りして、オペレータが指定したプログラムに従って最適な露光処理を実行する。そのために、オペレータと主制御系20とのインターフェイスを成す不図示の操作パネルユニット(入力デバイスと表示デバイスとを含む)が設けられている。
更に、レーザ光源1がエキシマレーザ光源であるときは、主制御系20の制御のもとにあるレーザ制御ユニット25が設けられ、この制御ユニット25は、レーザ光源1のパルス発振のモード(ワンパルスモード、バーストモード、待機モード等)を制御するとともに、放射されるパルスレーザ光の平均光量を調整するためにレーザ光源1の放電用高電圧を制御する。また、光量制御ユニット27は、ビームスプリッタ3で分割された一部の照明光を受光する光電検出器26(インテグレータセンサ)からの信号に基づいて、適正な露光量が得られるように可変減光器4を制御するとともに、パルス照明光の強度(光量)情報をレーザ制御ユニット25及び主制御系20に送る。
そして、図1において、レチクルRへの照明光ILの照射を開始して、レチクルRのパターンの一部の投影光学系PLを介した像をウエハW上の一つのショット領域に投影した状態で、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとを投影光学系PLの投影倍率βを速度比としてY方向に同期して移動(同期走査)する走査露光動作によって、そのショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。その後、照明光ILの照射を停止して、ウエハステージWSTを介してウエハWをX方向、Y方向にステップ移動する動作と、上記の走査露光動作とを繰り返すことによって、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の全部のショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。
この露光に際しては、予めレチクルRとウエハWとのアライメントを行っておく必要がある。そこで、図1の投影露光装置には、レチクルRを所定位置に設定するためのレチクルアライメント系(RA系)21と、ウエハW上のマークを検出するためのオフアクシス方式のアライメント系22とが設けられている。
次に、例えば半導体デバイスの製造工場内での本例の投影露光装置の設置状態の一例につき説明する。図2は、その投影露光装置の設置状態の一例を示し、この図2において、その製造工場の床FL上に例えばH型鋼よりなる複数(例えば4箇所以上)の支柱31を介して、投影露光装置を設置する際の基礎部材としての厚い平板状のペデスタル32が設置され、ペデスタル32上に投影露光装置を設置するための長方形の薄い平板状のベースプレート33が固定されている。
次に、例えば半導体デバイスの製造工場内での本例の投影露光装置の設置状態の一例につき説明する。図2は、その投影露光装置の設置状態の一例を示し、この図2において、その製造工場の床FL上に例えばH型鋼よりなる複数(例えば4箇所以上)の支柱31を介して、投影露光装置を設置する際の基礎部材としての厚い平板状のペデスタル32が設置され、ペデスタル32上に投影露光装置を設置するための長方形の薄い平板状のベースプレート33が固定されている。
ベースプレート33上(設置面)に3箇所又は4箇所の能動型の防振台35を介して第1コラム36(構造物)が載置され、第1コラム36の中央の開口部に投影光学系PLが保持されている。防振台35は、後述のようにエアダンパ(気体ダンパ)と、ボイスコイルモータ等からなるアクチュエータ(電磁ダンパ)とを含み、第1コラム36に設置されている1組の加速度センサ40と1組の位置センサ(不図示)との検出情報に基づいてそのエアダンパ内の圧力及びアクチュエータの推力を制御することで、第1コラム36(及びこれによって支持されている部材)の除振が能動的に行われている。この場合、そのエアダンパによって比較的低周波数域の除振が行われ、そのアクチュエータによって比較的高周波数域の除振が行われる。
加速度センサ40としては、圧電素子(ピエゾ素子等)で発生する電圧を検出する圧電型の加速度センサや、例えば歪みの大きさに応じてCMOSコンバータの論理閾値電圧が変化することを利用する半導体式の加速度センサ等を使用できる。位置センサ(又は変位センサ)としては、例えば渦電流変位センサを使用できる。この他の位置センサとして、静電容量がセンサの電極と測定対象との距離に反比例することを利用して、非接触で距離を検出する静電容量式非接触変位センサや、測定対象からの光ビームの位置をPSD(半導体式位置検出装置)を用いて検出するようにした光学式センサ等も使用できる。なお、加速度センサの代わりに速度センサを用いることも可能である。
また、第1コラム36の上部にレチクルベース37が固定され、レチクルベース37を覆うように第2コラム38が固定され、第2コラム38の中央部に図1の照明光学系9が収納された照明系サブチャンバ39が固定されている。この場合、図1のレーザ光源1は一例として図2のペデスタル32の外側の床FL上に設置され、レーザ光源1から射出される照明光ILは、不図示のビーム送光系を介して照明光学系9に導かれる。そして、レチクルベース37上にレチクルRを保持するレチクルステージRSTが載置されている。図2において、第1コラム36、レチクルベース37、及び第2コラム38よりコラム構造体CLが構成されている。コラム構造体CLは、ベースプレート33の上面に複数の能動型の防振台35を介して支持された状態で、投影光学系PL、レチクルステージRST(第1ステージ又はマスクステージ)、及び照明光学系9を保持している。
上述の1組の加速度センサ40は、例えばほぼXY平面内の同一直線上にない3箇所でZ方向の加速度を計測する3個のZ軸加速度センサと、Y方向に離れた2箇所でX方向の加速度を計測する2個のX軸加速度センサと、X方向に離れた2箇所でY方向の加速度を計測する2個のY軸加速度センサとから構成されている。その1組の加速度センサ40によって、コラム構造体CLのX方向、Y方向、Z方向の加速度と、X軸、Y軸、Z軸の周りの回転加速度[rad/s2 ]とが計測される。同様に、上記の1組の位置センサ(不図示)によって、コラム構造体CLのX方向、Y方向、Z方向の位置と、X軸、Y軸、Z軸の周りの回転角とが計測される。これらの計測値に基づいて、複数の防振台35内のエアダンパ及びアクチュエータは、それぞれコラム構造体CLの振動が小さく維持されるように、かつコラム構造体CLの傾斜角及びZ方向の高さが一定に維持されるように作用する。
また、ペデスタル32上のベースプレート33上の複数の支持部材34及び能動型の防振台35で囲まれた領域上に、3個又は4個の能動型の防振台41を介してウエハベース42が支持されている。ウエハベース42上にはウエハWを保持するウエハステージWSTが移動自在に載置されている。防振台41は、防振台35と同様の構成の小型のエアダンパ及びアクチュエータを備えており、防振台41がベースプレート33の上面(設置面)にウエハステージWST(第2ステージ又は基板ステージ)を支持している。防振台41は、ウエハベース42上の加速度センサ及び位置センサ(不図示)の計測情報に基づいて能動的にウエハベース42及びウエハステージWSTの振動を抑制する。
本例の防振台35及び41と、これらに気体としての空気を供給するエア供給装置(後述)と、これらの制御系(後述)とがそれぞれ防振装置に対応している。防振台35及び41とこれらの制御系とを含むシステムは、それぞれ能動型振動分離システムであるAVIS(Active Vibration Isolation System) とも呼ぶことができる。なお、防振台35は、コラム構造体CLを介してレチクルステージRST及び投影光学系PLを支持しているとともに、走査露光時のレチクルステージRSTの走査速度はウエハステージWSTの走査速度に対して投影倍率βの逆数倍(例えば4倍)速くなっている。一方、防振台41はウエハベース42を介してウエハステージWSTのみを支持しているため、コラム構造体CLの方がウエハベース42よりも振動が発生し易くなっている。従って、防振台35の除振性能を防振台41の除振性能よりも高く設定することも可能である。この場合、一例として、防振台41においては、エアダンパは例えばウエハベース42のZ方向の位置がほぼ一定になるように圧力を制御するだけでもよい。
なお、図2において、例えば投影光学系PLを保持する第1コラム36の底面にウエハベース42及びウエハステージWSTを吊り下げるように支持してもよい。この場合には、複数の防振台35によってレチクルステージRST、投影光学系PL、及びウエハステージWSTが全て支持される。この際に、投影光学系PL及びウエハステージWSTを支持するコラムと、レチクルステージRSTを支持するコラムとを分離して、これらをそれぞれ防振台35と同様の防振台を介して支持してもよい。また、レチクルステージRST、投影光学系PL、及びウエハステージWSTを互いに独立に防振台35と同様の防振台を介して支持してもよい。
上述のように、図2の能動型の防振台35及び41はほぼ同様に構成することができる。以下では、代表的に防振台35を含む防振装置の構成、並びにその作用につき説明する。また、投影光学系PLの光軸AXに平行な方向であるZ方向の振動を抑制する機構について説明するが、これはX方向及びY方向の振動を抑制する機構、さらにはX軸、Y軸、Z軸の周りの回転方向の振動を抑制する機構にも同様に適用できる。
図3は、図2中の1箇所の防振台35を含む防振装置を示し、本例の防振装置は、防振台35、エア供給装置52(気体供給装置)、防振台制御系51、及び第1コラム36(構造物)の加速度情報等を計測するセンサを含んで構成されている。図3において、ペデスタル32上のベースプレート33上に、Z軸にほぼ垂直な平板状のマウント部43aと、このマウント部43aをベースプレート33上に所定間隔を隔てて支持する脚部43bとからなる第1フレーム43が固定されている。そのマウント部43aの上面に、底面が閉じたほぼ円筒状の収納部材44が載置され、収納部材44中に気体ダンパとしてのエアダンパ45が収納され、エアダンパ45の上部にほぼ円柱状の可動部材47がZ方向に変位できるように載置され、可動部材47の上部は第1コラム36(構造物)の底面に固定されている。この構成において、収納部材44と可動部材47とが、エアダンパ45の保持機構に対応している。そして、マウント部43aに対してエアダンパ45内の気体の圧力によって、可動部材47及び第1コラム36がZ方向(構造物の支持方向)に変位できるように支持されている。なお、収納部材44とエアダンパ45とを一体的に気体ダンパとみなすことも可能であり、可動部材47を第1コラム36と一体化することも可能である。
エアダンパ45は、ゴム等からなる可撓性を有する中空の袋内に、可動部材47と第1コラム36とを支持できるだけの圧力を持つ空気を封入したものである。ただし、エアダンパ45からは空気が或る程度は漏れ出ているため、その内部の空気の圧力を制御するために、その内部に空気を常時補充する必要がある。そこで、エアダンパ45内には、収納部材44の側面の開口(不図示)を通る可撓性を持つ第1給気管57(第1気体供給路)を介して、エア供給装置52(気体供給装置)から空気が供給されている。
エア供給装置52において、第1給気管57は、サーボバルブ56及び配管55を介して空気源54に連結されている。空気源54としては、一例として外部から吸気管53及び防塵フィルタを介して取り込んだ空気を加圧するエアコンプレッサと、このエアコンプレッサで加圧された空気が充填されるエアボンベとを組み合わせた装置が使用されている。また、本例のサーボバルブ56は、配管55から供給された空気の一部を流量(又は圧力)が制御された空気として第1給気管57からエアダンパ45内に供給し、余った空気を第2給気管59(第2気体供給路)を介して排気するノズルフラッパ型である。この場合、第1給気管57から排気される空気の流量(又は圧力)を高精度に制御するために、配管55からサーボバルブ56に供給される空気の量は必要量よりも多くなるように設定されており、第2給気管59からは常時外部に空気が垂れ流されている。本例では、その第2給気管59から常時垂れ流されている空気を活用してアクチュエータの冷却を行う(詳細後述)。吸気管53、空気源54、配管55、サーボバルブ56、第1給気管57、及び第2給気管59を含んでエア供給装置52が構成されている。
また、エアダンパ45の側面には、収納部材44の側面の開口(不図示)を通る中空のパイプを介してエアダンパ45内の空気の圧力を計測するための圧力センサ28が設けられ、圧力センサ28の計測値(圧力情報に対応する信号)が防振台制御系51に供給されている。圧力センサ28としては、薄い金属のダイアフラムに歪みゲージを固定したセンサやシリコン基板の変形を利用するセンサ等が使用できる。
また、可動部材47をX方向に挟むようにZ方向に伸びた平板状の1対の連結部材48A及び48Bが固定され、連結部材48A及び48Bの下端部にZ軸にほぼ垂直な平板状の連動部材49が固定されている。可動部材47、連結部材48A,48B、及び連動部材49から第2フレーム46が構成されている。
図4は、図3の可動部材47側から第1フレーム43を見た平面図であり、この図4において、第1フレーム43の上部(図3のマウント部43a)に2箇所の開口43c及び43dが形成され、開口43c及び43d内にそれぞれ連結部材48A及び48Bが挿通されている。この構成によって、第2フレーム46の連動部材49は、第1フレーム43とベースプレート33とで囲まれた空間内に、第1フレーム43に接触しない状態でZ方向に変位自在に支持されている。
図4は、図3の可動部材47側から第1フレーム43を見た平面図であり、この図4において、第1フレーム43の上部(図3のマウント部43a)に2箇所の開口43c及び43dが形成され、開口43c及び43d内にそれぞれ連結部材48A及び48Bが挿通されている。この構成によって、第2フレーム46の連動部材49は、第1フレーム43とベースプレート33とで囲まれた空間内に、第1フレーム43に接触しない状態でZ方向に変位自在に支持されている。
図3に戻り、第2フレーム46は、第1コラム36と連動してZ方向に変位する。そして、第2フレーム46とベースプレート33との間に、アクチュエータとしてのボイスコイルモータ50が設置されている。ボイスコイルモータ50は、ベースプレート33の上面に固定されて永久磁石(マグネット)がZ方向に所定ピッチで配列された固定子50bと、第2フレーム46の連動部材49の底面に固定されてコイルが装着された可動子50aとから構成されている。
この構成では、エアダンパ45による支持軸(第1コラム36に対するZ方向への圧力の中心)と、ボイスコイルモータ50が発生する駆動力の駆動軸(第2フレーム46及び第1コラム36に対するZ方向への推力の中心)とが同軸となるように、エアダンパ45とボイスコイルモータ50とはZ方向(第1コラム36の支持方向)に積み重ねるように配置されている。この結果、エアダンパ45とボイスコイルモータ50とを同時に作用させても、第1コラム36にモーメント等の不要な力が作用することがない。また、エアダンパ45(気体ダンパ)とボイスコイルモータ50(アクチュエータ)とは、ベースプレート33から第1コラム36に対して実質的に並列に力を付与する。従って、第1コラム36の重量の大部分をエアダンパ45によって支持し、ボイスコイルモータ50のZ方向の推力は、主に第1コラム36のZ方向への高周波数域の振動を抑制するために使用できるため、第1コラム36(構造物)にかかる重量が大きい場合にも広い周波数域で振動を抑制できる。
また、第1コラム36に加速度センサ40が固定され、加速度センサ40によって一例として第1コラム36のZ方向への加速度の情報が計測されている。さらに、第1コラム36と一体的に変位する連結部材48Aに位置センサ29が固定され、位置センサ29によって第1フレーム43及びベースプレート33を基準とした第1コラム36のZ方向(支持方向)の相対的な位置、又はZ方向への相対的な変位の情報が計測されている。一例として、加速度センサ40は圧電型の加速度センサであり、位置センサ29は渦電流変位センサである。
加速度センサ40及び位置センサ29の計測値(加速度及び位置に対応する信号)はコンピュータよりなる防振台制御系51に供給されている。防振台制御系51は、圧力センサ28、加速度センサ40、及び位置センサ29の計測値に基づいて、気体供給装置52内のサーボバルブ56によって第1給気管57に供給される空気の流量(又は圧力)を制御して、一例として第1コラム36のZ方向の位置が一定となるように、エアダンパ45内の空気の圧力を制御する。この動作と並行して防振台制御系51は、加速度センサ40及び位置センサ29の計測値に基づいて、ボイスコイルモータ50の可動子50aのコイルに流れる電流を制御することによって、第1コラム36のZ方向の位置が予め定められている目標位置になるように、ボイスコイルモータ50によるZ方向への推力を制御する。
このようにボイスコイルモータ50を駆動すると、主に可動子50aのコイルが発熱し、この熱が第2フレーム46及び可動部材47を介してエアダンパ45及び第1コラム36に伝導する。その結果、エアダンパ45内の圧力が変化して防振性能が劣化する恐れがあるとともに、第1コラム36及びこれに支持されている投影光学系PLやレチクルステージRSTの温度も変動する恐れがある。
この対策として本例では、図3において、第2フレーム46の連動部材49の底面とベースプレート33の上面との間の、ボイスコイルモータ50が設置されている空間をほぼ密閉するように、可撓性を持つカバー58(カバー部)が設置されている。カバー58の材料としては、合成ゴム又は合成樹脂等からなるフィルム素材等を使用できる。なお、連動部材49が最も下降した状態でカバー58の下端部がベースプレート33に接触しないようにカバー58の高さを設定しておく場合には、カバー58を薄い金属板等から形成することも可能である。
そして、第1フレーム43の脚部43bのカバー58をX方向に挟む位置に1対の開口43c及び43dが形成され、一方の開口43cにエア供給装置52の第2給気管59が挿通され、第2給気管59の先端部はカバー58に設けた開口を通して、カバー58の内側のボイスコイルモータ50が配置された空間内に差し込まれている。また、カバー58の内側の第2給気管59と対向する位置に可撓性を持つ排気管61の先端部が設置され、排気管61は、カバー58に設けた開口及び脚部43bの他方の開口43dを通して、不図示の排気ポンプを介して排気ガス処理系(不図示)に連結されている。排気管61及び排気ポンプが排気装置に対応している。本例の防振台35は、第1フレーム43、収納部材44、エアダンパ45、第2フレーム46、ボイスコイルモータ50、及びカバー58を含んで構成されている。
本例において、エア供給装置52内のサーボバルブ56から第2給気管59に対して常時或る程度の空気が垂れ流されている。その空気は、カバー58内で矢印62で示すようにボイスコイルモータ50の周囲を流れた後、排気管61を介して不図示の排気ポンプに吸引される。従って、ボイスコイルモータ50(特に可動子50aのコイル)で熱が発生しても、ボイスコイルモータ50は第2給気管59からの空気によって冷却されるため、ボイスコイルモータ50ひいては防振台35の温度は殆ど上昇しない。従って、防振性能が劣化しないとともに、第1コラム36、及びこれによって支持されている投影光学系PLやレチクルステージRSTの温度安定性も向上する。その結果、重ね合わせ精度等の露光精度も向上する。また、走査露光時のレチクルステージRST及びウエハステージWSTの走査速度を速くすることも可能となり、これによってスループットが向上できる。
また、本例ではエアダンパ45に供給される空気(気体)の一部をボイスコイルモータ50の周囲に流しているため、投影露光装置が設置されている工場内で冷却用の新たな設備を用意する必要がない。なお、排気管61を含む排気装置は、通常の工場で一般的に使用されているものを転用できるため、殆ど新たな負担にはならない。また、本例のサーボバルブ56はノズルフラッパ型であるため、特に配管に分岐部等を設けることなく第2給気管59を介してボイスコイルモータ50の周囲に空気を流すことができ、エア供給装置52の構成を簡素化でき、製造コストを低減できる。しかしながら、サーボバルブ56として、空気を常時垂れ流さないタイプのものを使用することも可能である。この場合には、第2給気管59は、例えば配管55から分岐してもよい。
なお、本例では、アクチュエータとしてボイスコイルモータ50が使用されているが、その代わりにリニアモータやいわゆるEIコア方式のアクチュエータなどを使用することも可能である。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態につき図5を参照して説明する。本例でも投影露光装置としては、図1及び図2に示す走査型露光装置を使用する。本例は、主に図3のカバー58とは異なる位置にカバー(カバー部)を設けたものであり、図5において図3に対応する部分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態につき図5を参照して説明する。本例でも投影露光装置としては、図1及び図2に示す走査型露光装置を使用する。本例は、主に図3のカバー58とは異なる位置にカバー(カバー部)を設けたものであり、図5において図3に対応する部分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。
図5は、本例の防振台35を含む防振装置を示し、この図5において、防振台35の第2フレーム46の連結部材48A及び48Bの周囲からベースプレート33及びペデスタル32の上面までの側面、即ちエアダンパ45及びボイスコイルモータ50が設置されている空間をほぼ密閉するように、図3のカバー58と同様の材質の可撓性を持つカバー63(カバー部)が設置されている。即ち、本例では、図3のボイスコイルモータ50が設置されている空間を覆うカバー58の代わりに、エアダンパ45及びボイスコイルモータ50が設置されている空間を覆うカバー63が設置されている。
また、本例のエア供給装置52A(気体供給装置)において、空気源54から配管55に供給される空気(気体)は、サーボバルブ56及び第1給気管57を介してエアダンパ45に供給されている。また、配管55に供給された空気の一部は、配管55から分岐された第2給気管59A(第2気体供給路)を介してカバー63の内側のエアダンパ45及びボイスコイルモータ50(アクチュエータ)が設置された空間内に常時供給されている。第2給気管59Aの途中に空気の流量を制御するための半固定のバルブ60が設置されている。カバー63の内部において、第2給気管59Aに対向する位置に排気管61の先端部が配置され、排気管61は不図示の排気ポンプを介して排気ガス処理系(不図示)に連結されている。この他の構成は図3の実施形態と同様である。
本例において、エア供給装置52A内の配管55から第2給気管59Aに対して常時所定流量の空気が供給されている。その空気の一部は、カバー63内で矢印62で示すようにボイスコイルモータ50の周囲を流れた後、排気管61を介して不図示の排気ポンプに吸引される。また、その空気の残りの部分は、矢印64で示すようにエアダンパ45の収納部材44の周囲を流れた後、排気管61を介して不図示の排気ポンプに吸引される。従って、ボイスコイルモータ50(特に可動子50aのコイル)で熱が発生しても、ボイスコイルモータ50は第2給気管59Aからの空気によって冷却されるため、その温度は殆ど上昇しない。また、仮にボイスコイルモータ50の熱が収納部材44に伝わっても、収納部材44も第2給気管59Aからの空気によって冷却されるため、その中のエアダンパ45の温度は殆ど変化しない。従って、防振台35の温度は殆ど上昇しないので、防振性能が劣化しないとともに、露光精度も向上する。
また、本例でもエアダンパ45に供給される空気(気体)の一部をボイスコイルモータ50及びエアダンパ45の周囲に流しているため、投影露光装置が設置されている工場内で冷却用の新たな設備を用意する必要がない。なお、本例ではカバー63内の容積が大きいために、第2給気管59Aは配管55から分岐しているが、サーボバルブ56の容量が大きい場合には、第2給気管59Aをサーボバルブ56に連結することも可能である。
なお、上述の実施形態の投影露光装置は、図2の防振台35,41を介してコラム構造体CL等を設置した後、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み光学調整をして、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造することができる。なお、その露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
また、上記の実施形態の投影露光装置を用いて半導体デバイスを製造する場合、この半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、このステップに基づいてレチクルを製造するステップ、シリコン材料からウエハを形成するステップ、上記の実施形態の投影露光装置によりアライメントを行ってレチクルのパターンをウエハに露光するステップ、エッチング等の回路パターンを形成するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、及び検査ステップ等を経て製造される。
なお、本発明は、走査型露光装置のみならず、ステッパー等の一括露光型の投影露光装置で能動的に防振を行う場合にも同様に適用できる。また、本発明は、例えば国際公開(WO)第99/49504号などに開示される液浸型露光装置で能動的に防振を行う場合にも適用することができる。また、本発明は、波長数nm〜100nm程度の極端紫外光(EUV光)を露光ビームとして用いる投影露光装置、及び投影光学系を使用しないプロキシミティ方式やコンタクト方式の露光装置等で防振を行う際にも適用できる。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
さらに本発明は、露光装置以外の機器、例えば欠陥検査装置、感光材料のコータ・デベロッパ等の防振を行う場合にも適用することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
本発明を露光装置に適用した場合には、除振性能が向上するとともに、露光装置の温度安定性も向上するため、重ね合わせ精度等の露光精度が向上する。また、走査型露光装置の場合には、振動を低減した状態で走査速度を速くできるため、スループットを向上できる。
R…レチクル、PL…投影光学系、W…ウエハ、RST…レチクルステージ、WST…ウエハステージ、35…防振台、36…第1コラム、40,43…第1フレーム、45…エアダンパ(気体ダンパ)、46…第2フレーム、50…ボイスコイルモータ(アクチュエータ)、51…防振台制御系、52,52A…気体供給装置、56…サーボバルブ、58,63…カバー
Claims (7)
- 構造物を支持する防振装置において、
前記構造物を支持する気体ダンパと、
前記構造物を支持方向に沿って駆動するアクチュエータと、
前記気体ダンパに気体を供給する第1気体供給路と前記アクチュエータに前記気体を供給する第2気体供給路とを有した気体供給装置とを備えたことを特徴とする防振装置。 - 前記アクチュエータに供給された前記気体を排気する排気装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
- 構造物を支持する防振装置において、
前記構造物を支持する気体ダンパと、
コイルとマグネットとを有し、前記構造物を支持方向に沿って駆動するアクチュエータと、
前記コイルを前記気体ダンパから分離して覆うカバー部と、
前記気体ダンパと前記カバー部とに前記気体を供給する気体供給装置とを備えたことを特徴とする防振装置。 - 前記カバー部に供給された前記気体を排気する排気装置を備えたことを特徴とする請求項3に記載の防振装置。
- 前記気体ダンパによる支持軸と、前記アクチュエータが発生する駆動力の駆動軸とが同軸となるように、前記気体ダンパに対して前記アクチュエータが配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の防振装置。
- 第1ステージに保持された第1物体を露光ビームで照明し、前記露光ビームで前記第1物体を介して第2ステージに保持された第2物体を露光する露光装置において、
前記第1ステージ及び前記第2ステージのうちの少なくとも一方を請求項1から5のいずれか一項に記載の防振装置を介して支持することを特徴とする露光装置。 - 前記防振装置は、前記第1ステージ又は前記第2ステージを支持するためにそれぞれ3個以上用いられることを特徴とする請求項6に記載の露光装置。
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