JP2006060152A - 光学特性測定装置、ステージ装置及び露光装置 - Google Patents

光学特性測定装置、ステージ装置及び露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】テーブルの位置制御性の低下を防止すると共に、周囲の部材への熱の影響を抑制する光学特性測定装置を提供する。
【解決手段】光学特性測定装置28は、テーブルWTBに設けられ、被検光学系を介した光が入射する対物光学系94を含む第1部分28Aと、テーブルWTBに相対移動可能に接続された移動体30に設けられ、対物光学系を介した光を検出する検出装置95を含む第2部分と、を備えている。このため、第1部分が設けられたテーブルの重量化を招くことがないとともに、比較的重量な第2部分が設けられた移動体に対して、テーブルを駆動可能である。また、第2部分は、被検光学系から離して第2の移動体に設けることができるので、第2部分の発熱が被検光学系の周囲の雰囲気の空気揺らぎの要因になるのを抑制することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は光学特性測定装置、ステージ装置及び露光装置に係り、更に詳しくは、投影光学系などの被検光学系の光学特性を測定する光学特性測定装置、該光学特性測定装置を備えるステージ装置及び該ステージ装置を備える露光装置に関する。
従来より、半導体素子、液晶表示素子等を製造するリソグラフィ工程では、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる。)などの露光装置が用いられている。
近年、これらの露光装置では、半導体素子等の高集積化に応じて回路パターンが微細化し、必然的に解像力の向上が要請されるようになったのに伴い、使用される投影光学系に対し、その収差を極限まで抑えることが要求されてきている。かかる要求に応えるため、従来においても、投影光学系単体での調整工程において、投影光学系を専用の波面計測機(例えば、干渉計などを用いて、投影光学系の波面収差を計測する大型の計測機)に搭載して、その波面収差を計測し、その計測結果に基づいて厳密に収差を調整することがなされていた。
しかしながら、その後の半導体素子の更なる高集積化に伴い、最近では、投影光学系単体での状態と露光装置本体に組み込んだ状態との環境の変化や、露光装置本体に組み込む際の不慮の事故、あるいは出荷直前に計測することによる品質保証の観点から、投影光学系を露光装置本体に組み込んだ後に、その露光装置本体に組み込まれた状態(いわゆるオン・ボディ)で投影光学系の波面収差を計測する必要が生じてきた。
オン・ボディで投影光学系の波面収差を計測する波面計測装置としては、基板(ウエハ)が載置される基板ステージ(ウエハステージ)に着脱自在に取り付けるポータブルタイプのシャック−ハルトマン(Shack-Hartmann)方式の波面収差計測器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記のポータブルタイプの波面収差計測器の場合、その波面収差計測器をウエハステージに取り付ける工程と、波面収差の計測後にウエハステージから波面収差計測器を取り外す工程とが、必須となり、波面収差の計測のための装置のダウンタイムが必然的に長くなるという不都合がある。また、取付け時の位置の再現性も必ずしも十分とは言えない。
このような理由により、ウエハステージに常設するタイプの波面収差計測装置が、最近になって注目されるに至っている。しかるに、例えばシャック−ハルトマン方式の波面収差計測装置をウエハステージに常設する場合、その波面収差計測装置を構成するCCDの存在により、その波面収差計測装置が設けられるウエハステージの構成部分が重くなる。波面収差の計測に際し、投影光学系の最良結像面に波面収差計測装置の標示板を位置させる必要から、波面収差計測装置はウエハが載置されるウエハテーブル部分に設ける必要がある。
しかしながら、特にスキャニング・ステッパなどの走査型露光装置においては、そのテーブル部分は、走査露光時に照明光の照射領域におけるウエハWの表面を投影光学系の焦点深度範囲内に一致させる必要があるため、高速で駆動する必要がある。従って、そのウエハテーブル部分の重量化は望ましくなく、制御性の向上のためには、軽量化することがむしろ望ましい。
また、ウエハステージに波面収差計測装置を常設する場合、CCD自身あるいはCCDの駆動回路、例えば電荷転送制御回路等の発熱が、周辺の機器に与える影響が問題となる。波面収差計測装置が常設されるウエハステージの近傍には、ウエハステージの位置を計測するレーザ干渉計や、ウエハ表面の光軸方向の位置を検出するフォーカスセンサなどの光学的な位置計測装置が設けられているが、上述のCCD等の発熱により、それらの位置計測装置の検出ビームの光路空間にいわゆる空気揺らぎ(空気の温度の揺らぎ)が発生し、前記位置計測装置の計測精度が低下するおそれがあった。また、レーザ干渉計やフォーカスセンサなどは、通常波面収差計測装置の位置計測に用いられるので、結果的に波面収差の計測精度をも低下させてしまうおそれがあった。
国際公開第99/60361号パンフレット
発明者等は、露光装置のウエハステージに常設でき、しかも上述したウエハテーブルの重量化及び受光素子の発熱による悪影響の問題を回避できる波面収差計測装置を実現するために、鋭意研究を重ねた結果、おそらく計測精度の低下を考慮してのことであろうが、これまで全く検討の対象にもなっていなかった「波面収差計測装置を複数に分割する」という新規なアイデアを思いつくに至った。そして、一例として、シャック−ハルトマン方式の波面収差計測装置を、対物光学系を含む第1部分とCCD等の検出装置を含む第2部分とに分割し、それぞれの部分を、露光装置のウエハテーブルとウエハステージとにそれぞれ取り付けるとの仮定の下、種々の実験、シミュレーションなどを繰り返し行った結果、上記のように波面収差計測装置を2分割しても、その波面収差計測装置により実用上十分な精度で波面収差を計測できるとの結論を得るに至った。また、結果として、マイクロレンズアレイは、第1部分、第2部分のいずれに含めても精度上は問題がないことも確認できた。ウエハステージに常設される光学特性測定装置であれば、上記シャック−ハルトマン方式の波面収差計測装置と同様に、光学系と受光素子等とを分割することで同様の問題が改善されものと予想される。
本発明は、上述した事情の下になされたものであり、第1の観点からすると、被検光学系(PL)の光学特性を測定する光学特性測定装置であって、第1の移動体(WTB)に設けられ、前記被検光学系を介した光が入射する対物光学系(94)を含む第1部分(28A)と;前記第1の移動体に相対移動可能に接続された第2の移動体(31)に設けられ、かつ前記第1部分とは物理的に分離され、前記対物光学系を介した光を検出する検出装置(95)を少なくとも含む第2部分(28B)と;を備える光学特性測定装置である。
これによれば、被検光学系を介した光が入射する対物光学系を含む第1部分が、第1の移動体に設けられ、前記対物光学系を介した光を検出する検出装置(例えばCCDなどを含む)を少なくとも含み、第1部分と物理的に分離した第2部分が、第1の移動体に相対移動可能に接続された第2の移動体に設けられている。このため、第1部分が設けられた第1の移動体の重量化を招くことがないとともに、比較的重量な第2部分が設けられた第2の移動体に対して、第1の移動体を駆動することが可能になる。従って、第1部分と第2部分とを含む光学特性測定装置を、第1、第2の移動体に常設することができる一方、第1の移動体は対物光学系などの軽量の部材から成る第1部分のみが設けられるので、重量化を招くことがない。また、第2部分は、被検光学系から離して第2の移動体に設けることができるので、第2部分の発熱が被検光学系の周囲の雰囲気の空気揺らぎの要因になるのを抑制することができる。
本発明は、第2の観点からすると、二次元面内を移動するステージ(31)と、前記ステージ上で少なくとも前記二次元面に直交する方向に移動可能とされたテーブル(WTB)とを含む移動体(WST)と;該移動体を駆動する駆動系(27)と;前記テーブルに前記第1部分(28A)が設けられ、前記ステージに前記第2部分(28B)が設けられた本発明の光学特性測定装置(28)と;を備えるステージ装置である。
これによれば、二次元面内を移動するステージと、該ステージ上で少なくとも前記二次元面に直交する方向に移動可能とされたテーブルとを含む移動体と、該移動体を駆動する駆動系とを備えている。そして、被検光学系を介した光が入射する対物光学系を含む第1部分と、前記対物光学系を介した光を検出する検出装置を少なくとも含む第2部分とに物理的に分離された、本発明の光学特性測定装置の第1部分がテーブルに設けられ、第2部分が前記ステージに設けられている。すなわち、比較的軽量な第1部分が、駆動時の高応答性や高い位置制御性が要求されるテーブルに設けられ、比較的重量の大きい検出装置を少なくとも含む第2部分が、テーブルに比べて駆動時の高応答性や高い位置制御性が要求されないステージに設けられている。従って、光学特性測定装置を移動体に常設することができるとともに、その移動体を構成するステージ及びテーブルそれぞれに要求される応答性や位置制御性を十分に満足することができる。また、第2部分は、被検光学系から離してステージに設けることができるので、第2部分の発熱が被検光学系の周囲の雰囲気の空気揺らぎの要因になるのを抑制することができる。
この場合において、前記ステージに設けられ、前記第2部分を含む前記ステージの少なくとも一部を冷却する冷却機構を更に備えることとすることができる。かかる場合には、冷却機構により第2部分を含む前記ステージの少なくとも一部を冷却することができるので、前記第2部分に含まれる検出装置の発熱が、その第2部分の周囲の部材及び雰囲気などに与える影響を抑制することができる。
本発明は、第3の観点からすると、投影光学系(PL)を介した露光光(IL)により物体(W)を露光して、所定のパターンを物体上に転写する露光装置であって、前記物体が前記テーブル上に載置され、前記投影光学系を前記光学特性測定装置の前記被検光学系とする本発明のステージ装置を備える露光装置である。
これによれば、物体がテーブル上に載置され、投影光学系を光学特性測定装置の被検光学系とするステージ装置を備えているので、その光学特性測定装置により投影光学系の光学特性を十分な精度で測定することができ、その測定結果に基づいて、投影光学系の調整を行うことが可能になる。そして、この調整後の投影光学系を用いて上述の露光を行うことで、パターンを物体上に精度良く転写することが可能になる。また、物体が載置されたテーブルは駆動時の高応答性や高い位置制御性を有しているので、走査露光時に露光光の照射領域における物体表面を投影光学系の焦点深度範囲内に一致させることが可能となる。この点においても、高精度な露光を実現することが可能である。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態について、図1〜図9に基づいて説明する。
図1には、本発明の一実施形態の露光装置100の概略構成が示されている。この露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(スキャニング・ステッパ(スキャナ)とも呼ばれる)である。
この露光装置100は、光源及び照明光学系を含み、露光光としての照明光ILによりレチクルRを照明する照明系10、マスクとしてのレチクルRを保持するレチクルステージRST、投影ユニットPU、物体としてのウエハWが載置される移動体としてのウエハステージWST、前記レチクルステージRST及び前記投影ユニットPUなどが搭載されたボディBD、及びこれらの制御系等を備えている。
前記照明系10は、例えば特開2001−313250号公報(対応する米国特許出願公開第2003/0025890号公報)などに開示されるように、光源、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、ビームスプリッタ、リレーレンズ、可変NDフィルタ、レチクルブラインド等(いずれも不図示)を含んで構成されている。この照明系10では、レチクルブラインドで規定されレチクルR上でX軸方向に細長く伸びるスリット状の照明領域を照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、一例としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。また、オプティカルインテグレータとしては、フライアイレンズ、ロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ)あるいは回折光学素子などを用いることができる。
前記レチクルステージRSTは、後述する第2コラム34の天板を構成するレチクルベース36上に、その底面に設けられた不図示のエアベアリングなどによって例えば数μm程度のクリアランスを介して浮上支持されている。このレチクルステージRST上には、レチクルRが、例えば真空吸着(又は静電吸着)により固定されている。レチクルステージRSTは、ここでは、リニアモータ等を含むレチクルステージ駆動部12(図1では図示せず、図6参照)により、水平面(XY平面)内で2次元的に(X軸方向、Y軸方向及びXY平面に直交するZ軸回りの回転方向(θz方向)に)微少駆動可能であるとともに、レチクルベース36上を所定の走査方向(ここでは、図1における紙面直交方向であるY軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置は、そのレチクルステージRST上に固定された移動鏡15に測長ビームを照射するレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16によって、投影ユニットPUの鏡筒40側面に固定された固定鏡(参照鏡)14を基準として、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。ここで、実際には、移動鏡は、Y軸方向に直交する反射面を有するY移動鏡とX軸方向に直交する反射面を有するX移動鏡とが設けられ、これらの移動鏡に対応してレチクル干渉計もレチクルY干渉計とレチクルX干渉計とが設けられ、更に、これらに対応して、X方向位置計測用の固定鏡と、Y方向位置計測用の固定鏡が設けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡15、レチクル干渉計16、固定鏡14として示されている。なお、例えば、レチクルステージRSTの端面を鏡面加工して反射面(移動鏡15の反射面に相当)を形成しても良い。また、レチクルステージRSTの走査方向(本実施形態ではY軸方向)の位置検出に用いられるX軸方向に伸びた反射面の代わりに、少なくとも1つのコーナーキューブ型ミラー(例えばレトロリフレクタ)を用いても良い。ここで、レチクルY干渉計とレチクルX干渉計の一方、例えばレチクルY干渉計は、測長軸を2軸有する2軸干渉計であり、このレチクルY干渉計の計測値に基づきレチクルステージRSTのY位置に加え、θz方向の回転も計測できるようになっている。
レチクル干渉計16の計測値は、図6に示される主制御装置50に送られ、主制御装置50では、このレチクル干渉計16の計測値に基づいてレチクルステージ駆動部12を介してレチクルステージRSTを駆動制御する。
前記投影ユニットPUは、レチクルステージRSTの図1における下方で、フランジFLGを介して、ボディBDを構成する鏡筒定盤38に保持されている。
ボディBDは、クリーンルームの床面F上に設置されたフレームキャスタFC上に設置された第1コラム32と、この第1コラム32の上に固定された第2コラム34とを備えている。
前記フレームキャスタFCは、ベースプレートBSと、該ベースプレートBS上に設けられた複数本、例えば3本(又は4本)の脚部39(但し、図1における紙面奥側の脚部は図示省略)と、各脚部39の上端に固定された複数、例えば3つの第1防振機構56とを備えている。各第1防振機構56は、脚部39の上部に直列に接続された内圧が調整可能なエアマウント60と鏡筒定盤38を重力方向(Z軸方向)に高応答で微小駆動可能なボイスコイルモータ62とを含んで構成されている(図6参照)。この第1防振機構56の構成各部は、主制御装置50により制御される(図6参照)。
前記第1コラム32は、脚部39及び第1防振機構56によってほぼ水平に支持された前述の鏡筒定盤(メインフレーム)38を備えている。
前記鏡筒定盤38の上面には、投影ユニットPUを取り囲む位置に、複数本、例えば3本の脚41(但し、図1における紙面奥側の脚は図示省略)の一端(下端)が固定されている。これらの脚41それぞれの他端(上端)面は、ほぼ同一の水平面上にあり、これらの脚41それぞれの上端面に前述のレチクルベース36の下面が固定されている。このようにして、複数本の脚41によってレチクルベース36が水平に支持されている。すなわち、レチクルベース36とこれを支持する3本の脚41とによって第2コラム34が構成されている。レチクルベース36には、その中央部に照明光ILの通路となる開口36aが形成されている。
前記投影ユニットPUは、円筒状でその外周部の下端部近傍にフランジFLGが設けられた鏡筒40と、該鏡筒40に保持された複数の光学素子から成る被検光学系としての投影光学系PLとを備えている。投影光学系PLとしては、例えばZ軸方向の共通の光軸AXを有する複数のレンズ(レンズエレメント)から成る屈折光学系が用いられている。この投影光学系PLは、例えば両側テレセントリックで所定の投影倍率(例えば1/4倍又は1/5倍)を有する。このため、照明系からの照明光ILによってレチクルRが照明されると、このレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介して前記照明領域内のレチクルRの回路パターンの縮小像(回路パターンの一部の縮小像)が表面にレジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上に形成される。
本実施形態では、上記複数のレンズエレメントのうち、レチクルRに最も近いレンズエレメントを含む複数のレンズエレメント(以下、「可動レンズ」と呼ぶ)が独立に駆動可能となっている。本実施形態の場合、主制御装置50からの指令に基づいて結像特性補正コントローラ76(図6参照)によって、可動レンズを駆動する不図示の駆動素子の印加電圧が制御され、これによって、投影光学系PLの光学特性(例えば、ディストーション(倍率を含む)、非点収差、コマ収差、球面収差、像面湾曲(フォーカス))などが調整される。
前記ウエハステージWSTは、投影ユニットPUの下方に水平に配置されたステージベース71の上面に、その底面に設けられたエアベアリングなどを介して非接触で浮上支持されている。このウエハステージWST上に、不図示のウエハホルダを介してウエハWが真空吸着(又は静電吸着)によって保持されている。
前記ステージベース71は、ベースプレートBS上の複数箇所(例えば3箇所)にそれぞれ設けられた複数(例えば3つ)の支持部材73と、該各支持部材73の上面にそれぞれ固定された複数(例えば3つ)の第2防振機構66とによって、ほぼ水平に支持されている。各第2防振機構66は、図6に示されるように、上述の第1防振機構56と同様にエアマウント68とボイスコイルモータ72とを含んで構成され、これらエアマウント68、ボイスコイルモータ72が、主制御装置50により制御されるようになっている。
前記ステージベース71の+Z側の面(上面)は、その平坦度が非常に高くなるように加工されており、ウエハステージWSTの移動基準面(ガイド面)とされている。本実施系形態の露光装置100では、上記のステージベース71の上面(ウエハステージWSTのガイド面)の投影光学系PLの光軸AXに直交する面(XY面)に対する傾斜及び光軸AX方向(Z軸方向)に関する位置の情報を計測する計測機構が設けられている。この計測機構は、図1に示されるように、鏡筒定盤38の同一直線状にない3箇所にそれぞれ設けられた3つのZ干渉計102a〜102c(ただし、図1では紙面奥側のZ干渉計102cについては不図示、図6参照)によって構成されている。Z干渉計102a〜102cのそれぞれは、ステージベース71の上面のそれぞれの計測点でのZ軸方向に関する位置情報を、鏡筒定盤38を基準として検出する。Z干渉計102a〜102cの出力は、図6の主制御装置50に供給されている。主制御装置50は、Z干渉計102a〜102cの計測値の平均値に基づいて、ステージベース71の上面のZ位置を算出し、Z干渉計102a〜102cの計測値に基づいてステージベース71の上面のXY面に対する傾斜(θx回転、θy回転)を算出する。
前記ウエハステージWSTは、投影ユニットPUの図1における下方に配置され、後述するウエハステージ駆動部27(図6参照)によって駆動され、上記ガイド面に沿ってXY面内で移動する。
これを更に詳述すると、ウエハステージWSTは、図2の斜視図に、取り出して示されるように、第2の移動体としてのステージ31と、該ステージ31上にZ・チルト駆動機構VZ1〜VZ3(図2では不図示、図5等参照)を介して搭載された、第1の移動体としてのテーブルWTBとを備えている。Z・チルト駆動機構VZ1〜VZ3は、実際には、ステージ31上でテーブルWTBを3点で支持する3つのアクチュエータ(例えば、ボイスコイルモータ又はEIコア)等を含んで構成され、テーブルWTBをZ軸方向、θx方向(X軸回りの回転方向)、θy方向(Y軸回りの回転方向)の3自由度方向に微小駆動する。
前記ステージ31は、天板30と該天板30の下面に固定されたY可動子132Yとを備えている。ステージ31の下面(Y可動子132Yの下面)には、不図示のエアベアリングが複数設けられ、これらのエアベアリングを介してウエハステージWSTが前述のガイド面の上方に数μm程度のクリアランスを介して非接触で浮上支持されている。
前記Y可動子132Yは、図2に示されるように、断面矩形枠状でY軸方向に伸びる可動子ヨーク(マグネットプレート)138と、該可動子ヨーク138の内面側の上下対向面に相互に対向してかつY軸方向に沿って所定間隔で交互に配列されたN極永久磁石,S極永久磁石から成る複数の界磁石137とを備えている。この場合、相互に隣接する界磁石同士の極性は相互に逆極性であるとともに、相互に対向する界磁石同士の極性も相互に逆極性となっている。このため、可動子ヨーク138の内部空間には、Y軸方向に沿って交番磁界が形成されている。
上記Y可動子132Yの可動子ヨーク138の内部空間に、Y軸方向を長手方向とするY軸固定子134Yが挿入されている。このY軸固定子134Yは、ここではY軸方向に沿って配列された複数の電機子コイルを有する電機子ユニットによって構成されている。
この場合、Y可動子132YとY軸固定子134Yとによって、ウエハステージWSTを走査方向(Y軸方向)に駆動するムービングマグネット型の電磁力駆動方式のY軸リニアモータ136Yが構成されている(図3参照)。
前記Y軸固定子134Yの長手方向の一側(−Y側)、他側(+Y側)の端部には、図3に示されるように、X可動子132X1、132X2が、それぞれ固定されている。+Y側のX可動子132X2は、図2に示されるように、YZ断面T字状の形状を有しており、その内部(又は外部)には不図示の電機子コイルがX軸方向に沿って所定間隔で配設されている。すなわち、X可動子132X2は、電機子ユニットによって構成されている。
−Y側のX可動子132X1は、X可動子132X2と、左右対称ではあるが、同様に構成されている。
一方のX可動子132X1は、図3の平面図に示されるように、ステージベース71の−Y側に配設されX軸方向に伸びるX軸固定子134X1とともに、ムービングコイル型の電磁力駆動方式のリニアモータから成るX軸リニアモータ136X1を構成している。すなわち、X軸固定子134X1は、YZ断面U字状の形状を有し、床面F上に固定された2本の支持部材164によってその長手方向の一側と他側の端部近傍をそれぞれ支持されている。X軸固定子134X1は、その内側の上下の対向面には前述のY可動子132Yと同様に、複数の界磁石がX軸方向に沿って所定間隔で配列され、その内部空間にX軸方向に沿って交番磁界が形成されている。そして、この交番磁界の内部にX可動子132X1が挿入されている。
他方のX可動子132X2は、上記X軸固定子134X1と左右対称に構成され、2本の支持部材166によって床面F上に支持されたX軸固定子134X2とともに、ムービングコイル型の電磁力駆動方式のリニアモータから成るX軸リニアモータ136X2を構成している。
本実施形態では、X軸リニアモータ136X1、136X2によって、Y軸リニアモータ136Yとともに、ウエハステージWSTがX軸方向に沿って駆動される。また、X軸リニアモータ136X1、136X2がそれぞれ発生するX軸方向の電磁力(駆動力)を僅かに異ならせることにより、ウエハステージWSTをθz方向に回転させることもできる。
すなわち、本実施形態ではウエハステージWSTをY軸方向に駆動するY軸リニアモータ136Yと、一対のX軸リニアモータ136X1、136X2とによって、ウエハステージWSTをXY2次元面内で自在に駆動するXY駆動部が構成されている。また、このXY駆動部と前述したZ・チルト駆動機構VZ1〜VZ3とによって、ステージ31をX軸及びY軸方向に所定ストロークで駆動するとともに、テーブルWTBをZ軸方向、θx方向、θy方向及びθz方向に微小駆動する駆動系としてのウエハステージ駆動部27(図6参照)が構成されている。ウエハステージ駆動部27の構成各部は、主制御装置50により制御される(図6参照)。
前記テーブルWTBの上面に、不図示のウエハホルダを介してウエハWが真空吸着(又は静電吸着)等により吸着保持されている。
図1に戻り、ウエハステージWSTのXY面内の位置情報は、当該ウエハステージWST(より正確にはテーブルWTB)に固定された移動鏡17に測長ビームを照射するウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)18によって、投影ユニットPUの鏡筒40の側面に固定された固定鏡29の反射面を基準として、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。ウエハ干渉計18は、前述の鏡筒定盤38の下面に吊り下げ支持状態で固定されている。
ここで、ウエハステージWST(より正確にはテーブルWTB)上には、実際には、図2(及び図3)に示されるように、走査方向であるY軸方向に直交する反射面を有するY移動鏡17Yと非走査方向であるX軸方向に直交する反射面を有するX移動鏡17Xとが設けられ、これに対応してXレーザ干渉計18XとYレーザ干渉計18Yとが設けられ(図3参照)、さらに固定鏡も、X軸方向位置計測用とY軸方向位置計測用のものがそれぞれ設けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡17、ウエハ干渉計18、固定鏡29として図示されている。
なお、例えば、テーブルWTBの端面を鏡面加工して反射面(移動鏡17X,17Yの反射面に相当)を形成しても良い。また、Xレーザ干渉計18X及びYレーザ干渉計18Yは測長軸を複数有する多軸干渉計であり、テーブルWTBのX、Y位置の他、回転(ヨーイング(θz方向の回転)、ピッチング(θx方向の回転)、ローリング(θy方向の回転))も計測可能となっている。従って、以下の説明ではウエハ干渉計18によって、テーブルWTBのX、Y、θz、θy、θxの5自由度方向の位置情報が計測されるものとする。
テーブルWTBの位置情報(又は速度情報)は、図6の主制御装置50に送られ、主制御装置50では前記位置情報(又は速度情報)に基づいてウエハステージ駆動部27(より正確には、前述したXY駆動部)を介してウエハステージWSTのXY面内の位置を制御する。ここで、テーブルWTBの位置情報に基づいて、ウエハステージWSTを制御するとしているのは、ウエハ干渉計18からは、テーブルWTBのX、Y、θz、θy、θxの5自由度方向の位置情報が主制御装置50に供給されるが、X軸、Y軸及びθz方向以外のθy及びθx方向の位置情報は、テーブルWTBの傾きに起因するX軸、Y軸方向に関する位置計測誤差(一種のアッベ誤差)の算出に用いられ、この算出結果に基づいてウエハステージWSTのXY面内の位置が補正されるからである。すなわち、θy及びθx方向の位置情報は、直接的にテーブルWTBの傾きの調整に用いられるものでない。
前記テーブルWTB及び天板30の+X側端部かつ−Y側端部のコーナー部分には、図2に示されるように、相互に物理的に分離された第1部分28Aと第2部分28Bとを有する光学特性測定装置としての波面計測器28が取り付けられている。この波面計測器28を構成する第1部分28AはテーブルWTB側に設けられ、第2部分28Bは天板30に設けられている。
波面計測器28を構成する前記第1部分28Aは、図4に示されるように、テーブルWTBの+X側端部かつ−Y側端部のコーナー部分に形成された切り欠き部に固定され、テーブルWTBと一体で見かけ上ほぼ矩形の板を構成する第1筐体86と、該第1筐体86の内部に配置され不図示の保持部材を介して保持された対物光学系94とを備えている。
前記第2部分28Bは、天板30の+X側端部かつ−Y側端部のコーナー部分に形成された切り欠き部に固定され、天板30と一体で見かけ上ほぼ矩形の板を構成する第2筐体87と、該第2筐体87内部の所定位置に設けられた波面分割光学素子としてのマイクロレンズアレイMLAと、マイクロレンズアレイMLAの下方(−Z側)に設けられた検出装置95とを備えている。
前記第1筐体86は、上壁(+Z側の壁)、底壁(−Z側の壁)に円形開口86a、86bがそれぞれ形成された中空箱型の部材から成る。この第1筐体86の上端部には、開口86aを閉塞する状態で、標示板88が設けられている。標示板88はガラス基板を基材とし、その表面が、ウエハホルダに固定されたウエハWの表面とほぼ同じ高さとされている。標示板88の上面には、クロム等の金属の蒸着により中央部に円形の開口88aを有する遮光膜が形成され、該遮光膜によって被検光学系としての投影光学系PLの波面収差の計測の際に周囲からの不要な光が第1筐体86内部の対物光学系94に入射するのが遮られている。標示板88の表面における開口88aの周辺には、3組以上の2次元位置検出用マークが形成されている。また、標示板88の表面には、上方から光が照射された場合に、ほぼ理想な点光源となって球面波を発生する所定の直径、例えば10μm程度の自己収差測定用のピンホールパターンが形成されている。
前記第2筐体87は、その上壁(+Z側の壁)に円形開口87aが形成された中空箱型の部材から成る。前記マイクロレンズアレイMLAは、図9に示されるように光軸AXに直交する面内にアレイ状に配置された複数の小さなレンズエレメントを有している。ここでは、マイクロレンズアレイMLAを構成する各凸レンズエレメントとして、例えば図10(A)に示されるレンズエレメントLSが用いられているものとする。
前記検出装置95は、2次元CCD等から成る受光素子92と、該受光素子92を駆動する電気回路90とを含み、前記第2筐体87の内部底面に固定されている。受光素子92は、対物光学系94に入射し、マイクロレンズアレイMLAから出射される光束のすべてを受光するのに十分な面積の受光面を有している。また、前記電気回路90は、その機能上、受光素子92の近傍に配置せざるを得ない回路、例えば電荷転送制御回路等の電気回路である。受光素子92から物理的に切り離すことが可能な電気回路は、ウエハステージWSTから離れた位置に配置され、電気回路90と不図示のフラットケーブルにて接続されている。なお、検出装置95による計測データは主制御装置50に出力されるようになっている(図6参照)。
ところで、本実施形態においては、上述したようにウエハステージWSTをリニアモータやボイスコイルモータ等を用いて駆動するため、これらのモータの発熱が周辺雰囲気に影響を与え、ひいては露光精度に影響を与えることを極力抑制するため、天板30に冷却機構150(図5参照)が設けられている。
図5は、冷却機構150の構成を示すために、ウエハステージWSTからテーブルWTBを取り外した状態を示す平面図である。この図5に示されるように、ステージ31の天板30の上面には、図示のように所定形状に折り曲げられた第1配管177が設けられている。この第1配管177の一端部(−Y側端部)には、コネクタ176を介して供給管175の一端が接続されている。この供給管175の他端側には、流体供給装置131a(図6参照)が接続されている。また、第1配管177の他端部(+Y側端部)には、コネクタ178を介して第2配管179の一端部が接続されている。第2配管179は、天板30の底面の全面に渡って敷設されている。また、この第2配管178は波面計測器28の第2部分28Bの底面にもその一部が敷設されている。第2配管179の他端にはコネクタ181を介して排出管182の一端が接続されており、この排出管182の他端側は流体回収装置131b(図6参照)に接続されている。
前記流体供給装置131aから水又はハイドロフロロエーテル(HFE)などの温度制御された冷媒が、供給管175及びコネクタ176を介して第1配管177に供給される。そして、この冷媒は、コネクタ178を介して第2配管179内部を経由して、コネクタ181及び排出管182を介して流体回収装置131bに回収される。
本実施形態では、上記配管175、177、179、182と、コネクタ176、178、181と、流体供給装置131aと、流体回収装置131bとによって、冷却機構150が構成されている。
このようにして構成された冷却機構により、ステージ31を構成する天板30、ひいてはZ・チルト駆動機構VZ1〜VZ3を構成するアクチュエータやYリニアモータが冷却されるとともに、波面計測器28の第2部分28B内部の検出装置95が冷却されるようになっている。
本実施形態では、ステージ31と、該ステージ31上でZ軸、θx、θy方向に移動可能とされたテーブルWTBとを含むウエハステージWSTと、該ウエハステージWSTを駆動するウエハステージ駆動部27と、前記波面計測器28とを含んでステージ装置が構成されている。
本実施形態の露光装置100は、図1に示されるように、投影ユニットPUが保持された前述の鏡筒定盤38の下方に吊り下げ状態で固定された照射系60aと、受光系60bとから成り、例えば特開平6−283403号公報(対応米国特許第5,448,332号)等に開示されるものと同様に構成された斜入射方式の多点焦点位置検出系が設けられている。この場合、照射系60a及び受光系60bと、投影ユニットPUとが、同一の部材(鏡筒定盤38)に取り付けられており、両者の位置関係が一定に維持されている。
この多点焦点位置検出系の照射系60a内部の光源は、主制御装置50によってオン・オフが制御され、受光系60bからの出力信号(焦点ずれ信号(デフォーカス信号))は、主制御装置50に供給されている(図6参照)。主制御装置50は、走査露光時などに、焦点ずれ信号(デフォーカス信号)、例えばSカーブ信号に基づいてウエハW表面のZ位置、θx方向の回転,θy方向回転を算出し、その算出結果に基づいて、ウエハステージ駆動部27(より正確には、Z・チルト駆動機構)を介してテーブルWTBのZ軸方向への移動、及び2次元方向の傾斜(すなわち、θx,θy方向の回転)を制御することで、照明光ILの照射領域(前述の照明領域と共役な照明光ILの照射領域)内で投影光学系PLの結像面とウエハWの表面とを実質的に合致させるオートフォーカス(自動焦点合わせ)及びオートレベリングを実行する。
なお、図示は省略されているが、本実施形態の露光装置100では、投影ユニットPUの近傍に、テーブルWTB上の不図示の基準マークや、ウエハ上のアライメントマークのX、Y2次元方向の位置情報を検出するオフアクシス方式のアライメント系が設けられている。このアライメント系としては、例えば、ウエハ上のレジストを感光させないブロードバンドな検出光束を対象マークに照射し、その対象マークからの反射光により受光面に結像された対象マークの像と不図示の指標の像とを撮像素子(CCD)等を用いて撮像し、それらの撮像信号を出力する画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系のアライメントセンサが用いられている。本実施形態では、このアライメント系は、前述の標示板88上の2次元位置検出用マークの検出にも用いられる。
図6には、露光装置100における制御系の主要な構成が、簡略化してブロック図にて示されている。この制御系は、主制御装置50を中心として構成されている。主制御装置50は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含んで構成され、装置全体を統括して制御する。
次に、上述のようにして構成された本実施形態の露光装置100において行われる、オン・ボディでの投影光学系PLの波面収差の計測動作について、図7のフローチャートに沿って、かつ適宜他の図面を参照しつつ説明する。
前提として、波面計測器28の標示板88の開口88a及び不図示の自己収差測定用のピンホールパターンとウエハステージWST(テーブルWTB)との位置関係は、標示板88上の2次元位置マークをアライメント系で観察することにより、正確に求められているものとする。すなわち、主制御装置50が、ウエハ干渉計18から出力される位置情報(速度情報)に基づいて、標示板88の開口88a及び自己収差測定用のピンホールパターンのXY位置を正確に検出でき、かつ、ウエハステージ駆動部27を介してウエハステージWSTを駆動制御することで、標示板88の開口88a及び自己収差測定用のピンホールパターンを所望のXY位置に精度良く位置決めできるものとする。また、ステージ31とテーブルWTBとが所定の位置関係になるように、Zチルト駆動機構VZ1〜VZ3を制御する。
まず、ステップ110において、主制御装置50からの指示に基づき、不図示のレチクルローダにより、図8に示される波面収差測定用の測定用レチクルRTがレチクルステージRSTにロードされる。測定用レチクルRTには、図8に示されるように、複数個(図8では、9個)の所定の直径、例えば26μmのピンホールパターンPH1〜PHNがX軸方向及びY軸方向に沿ってマトリクス状の配置で形成されている。なお、ピンホールパターンPH1〜PHNは、図8において点線で示されるスリット状の照明領域の大きさの領域内に形成されており、この領域の近傍には、平面視(上から見て)矩形の開口OPが形成されている。この開口OPは、後述する較正(キャリブレーション)に用いられるので、以下においては「較正用開口OP」と呼ぶものとする。
次のステップ112では、主制御装置50は、波面計測器28を構成する対物光学系94のキャリブレーションを、以下a.〜e.の手順で行う。
a. まず、主制御装置50は、計測用レチクルRTに形成された矩形の較正用開口OPが投影光学系PLの光軸AX上に位置するように、レチクルステージ駆動部12を介してレチクルステージRSTを移動する。これとともに、主制御装置50は、波面計測器28の開口88aが光軸AX上に位置するように、ウエハステージ駆動部27を介してウエハステージWSTを移動する。
b. 次いで、主制御装置50は、多点焦点位置検出系(60a,60b)の検出結果に基づいて、投影光学系PLの像面に波面計測器28の標示板88に形成された自己収差測定用ピンホールパターンを一致させるべく、ウエハステージ駆動部27を構成するボイスコイルモータVZ1〜VZ3を介してテーブルWTBをZ軸方向に微少駆動する。このとき、主制御装置50は、必要に応じて、テーブルWTBをθx、θy方向に微小駆動して、標示板88の傾斜をも調整しても良い。この調整後波面収差の計測が終了するまでの間、主制御装置50は、ボイスコイルモータVZ1〜VZ3を一定目標値でサーボ制御するとともに、Z干渉計102a〜102cの計測値(すなわち、ステージ定盤71のガイド面の高さ位置及び傾斜)に基づいて、第1、第2の防振機構56,66のボイスコイルモータをサーボ制御することで、投影光学系PLとステージ定盤との位置関係、すなわち投影光学系PLとテーブルWTB及びステージ31(天板30)との位置関係を一定に維持する。
c. そして、主制御装置50では、照明系10内の光源からのレーザ光の発光を開始する。このレーザビームの発光開始により、照明系10から照明光ILが投影光学系PLを介してピンホールパターンに照射される。較正用開口OPは、充分に大きい開口面積を有しているので、このとき、投影光学系PLは単にピンホールパターンを照明するための光学系として機能する。この照明光ILの照射により、ピンホールパターンのピンホールから球面波が発生する。そして、この球面波が対物光学系94を介して平行光束となって、マイクロレンズアレイMLAを照射する。そして、このマイクロレンズアレイMLAの各レンズエレメント(マイクロレンズ)によってそれぞれ光が受光素子92の受光面に集光され、該受光面にピンホールパターンのピンホールの像がそれぞれ結像される。
このとき、受光素子92に至る光路の途中に配置された対物光学系94が、波面収差の無い理想的な光学系であるならば、マイクロレンズアレイMLAに入射する平行光束は平面波であり、その波面は理想的な波面となる筈である。この場合、マイクロレンズアレイMLAを構成する各レンズエレメントの光軸上の位置にスポット像(以下、適宜「スポット」とも呼ぶ)が結像する。
しかるに、対物光学系94には、通常、波面収差が存在するため、マイクロレンズアレイMLAに入射する平行光束の波面は理想的な波面(ここでは平面)からずれ、そのずれ、すなわち波面の理想波面に対する傾きに応じて、各スポットの結像位置がマイクロレンズアレイMLAの各レンズエレメントの光軸上の位置からずれることとなる。この場合、各スポットの基準点(各レンズエレメントの光軸上の位置)からの位置のずれは、波面の傾きに対応している。受光素子92上の各集光点に入射した光(スポット像の光束)が受光素子92でそれぞれ光電変換され、該光電変換信号が主制御装置50に送られる。
d. 主制御装置50では、送られてきた光電変換信号に基づいて各スポットの結像位置を算出し、さらに、その算出結果と既知の基準点の位置データとを用いて、位置ずれ(Δx,Δy)を算出して内部のメモリに格納する。これにより、波面計測器28のキャリブレーションが終了する。
本実施形態では、波面計測器28が第1部分28Aと第2部分28Bとに分離されているため、投影光学系PLの波面収差測定時に、第1部分28Aと第2部分28Bとの相対的な位置ずれ量が問題になるが、上述した波面計測器28のキャリブレーションの際、各スポットの基準点からの位置ずれに、第1部分28Aと第2部分28Bとの相対的な位置ずれも含まれるため、第1部分28Aと第2部分28Bとの位置ずれは問題にならない。
なお、第1部分28Aが備える第1筐体86と、第2部分28Bが備える第2筐体87との相対的な位置ずれを検出する位置ずれセンサを第1筐体86と第2筐体87との間に配置し、位置ずれセンサの検出結果に基づいて、Z・チルト駆動機構VZ1〜VZ3を駆動させても良い。すなわち、Z・チルト駆動機構VZ1〜VZ3は、第1筐体86と第2筐体87との相対的な位置ずれがなくなるまで、テーブルWTBを微小駆動すれば良い。
上述のキャリブレーションが終了すると、次のステップ113において、主制御装置50は、投影光学系の波面収差測定を行うための最初のピンホールパターンPH1が投影光学系PLの光軸AX上に位置するように、レチクル干渉計16の計測値をモニタしつつ、レチクルステージ駆動部12を制御してレチクルステージRSTを移動させる。このとき、ウエハステージWSTは、第1筐体86と第2筐体87との相対位置関係を保ったまま、XY面内を移動し、波面計測器28の標示板88の開口88aをピンホールパターンPH1の投影光学系PLに関する共役位置である投影光学系PLの光軸AX上に位置決めする。
上述のようにして、最初のピンホールパターンPH1からの球面波に関する投影光学系PLの波面収差測定のための各部の光学的な配置が終了する。このときの各部の光学的な配置が、図9に模式的に示されている。この図9に示されるように、照明系10から照明光ILが射出されると、測定用レチクルRTの最初のピンホールパターンPH1に到達した光が、球面波となってピンホールパターンPH1から射出される。そして、投影光学系PLを介した後、波面計測器28の標示板88の開口88a内部に集光される。なお、最初のピンホールパターンPH1以外のピンホールパターンPH2〜PHNを通過した光は、開口88aには到達しない。こうして開口88aに集光された光の波面は、ほぼ球面ではあるが、投影光学系PLの波面収差を含んだものとなっている。
開口88aを通過した光は、対物光学系94により平行光に変換され、マイクロレンズアレイMLAに入射する。ここで、マイクロレンズアレイMLAに入射する光の波面は、投影光学系PLの波面収差を反映したものとなっている。すなわち、投影光学系PLに波面収差が無い場合には、図9において破線で示されるように、その波面WFが光軸AX1と直交する平面となるが、投影光学系PLに波面収差が有る場合には、図9において二点鎖線で示されるようなうねりのある波面WF’のようになる。
マイクロレンズアレイMLAは、レンズエレメント毎に、ピンホールパターンPH1の像(スポット像)を、標示板88の光学的な共役面すなわち受光素子92の撮像面に結像する。レンズエレメント(マイクロレンズ)に入射した光の波面が光軸と直交する場合には、そのマイクロレンズの光軸と撮像面の交点を中心とするスポット像が、撮像面に結像される。また、レンズエレメントに入射した光の波面が傾いている場合には、その傾き量に応じた距離だけ、そのマイクロレンズの光軸と撮像面の交点からずれた点を中心とするスポット像が撮像面に結像される。
図7に戻り、次いで、ステップ116において、受光素子92により、それら撮像面に形成された像の撮像が行われる。この撮像により得られた撮像データは電気回路を介して主制御装置50に送られる。
次に、ステップ118において、主制御装置50は、撮像結果に基づいて、各スポット像の位置情報を算出する。すなわち、主制御装置50は、マイクロレンズアレイMLAにより受光素子92の撮像面に形成された各スポット像の光強度分布の重心をその中心位置として算出し、算出された各スポット像の中心位置を、マイクロレンズアレイMLAにより受光素子92の撮像面に形成された各スポット像の位置情報としてメモリに記憶する。
次いで、ステップ120において、主制御装置50は、メモリからマイクロレンズアレイMLAにより受光素子92の撮像面に形成された各スポット像の位置情報を読み出して、測定用レチクルRTにおける最初のピンホールパターンPH1を介した光に関する投影光学系PLの波面収差を算出する。この場合、上記ステップ112におけるキャリブレーション結果のデータを考慮して、前述の波面収差の算出が行われる。主制御装置50は、こうして求められたツェルニケ多項式の係数を、ピンホールパターンPH1の位置とともに、メモリに格納する。
次に、ステップ122において、主制御装置50は、全てのピンホールパターンに関して投影光学系PLの波面収差を算出したか否を判断する。この段階では、最初のピンホールパターンPH1についてのみ投影光学系PLの波面収差を測定しただけなので、ここでの判断は否定され、処理はステップ124に移行する。
ステップ124において、主制御装置50は、波面計測器28の標示板88の開口91aが、次のピンホールパターンPH2の投影光学系PLに関する共役位置に位置するように、ウエハ干渉計18の計測値をモニタしつつ、ウエハステージ駆動部27を介してウエハステージWSTを移動させた後、ステップ116に戻る。なお、ステップ124においても、主制御装置50は、多点焦点位置検出系(60a,60b)の検出結果に基づいて、波面計測器28の標示板88のZ方向の変位をモニタする。Z方向に変位した場合は、第1筐体86と第2筐体87との相対位置関係を保ったまま、第1、第2の防振機構56,66のボイスコイルモータをサーボ制御すれば良い。
そして、以降ステップ→118→120→122→124→116のループの処理が、ステップ122における判断が肯定されるまで、繰り返し行われる。これにより、第2番目から第N番目のピンホールパターンPH2〜PHNのスポット像の撮像、その結像位置の算出、及び投影光学系PLの波面収差の算出が順次行われ、ツェルニケ多項式の係数が、ピンホールパターンPH1の位置とともに、メモリに格納される。
そして、全てのピンホールパターンについて投影光学系PLの波面収差が測定されると、ステップ122における判断が肯定され、本ルーチンの一連の処理を終了する。
その後、主制御装置50は、上記の波面測定結果データに基づいて、投影光学系PLの波面収差が許容値以下であるか否かを判定し、この判定の結果、投影光学系PLの波面収差が許容値を超える場合には、主制御装置50は、投影光学系PLの波面収差の測定結果に基づき、現在発生している波面収差を低減させるように、投影光学系PLの調整を行う。かかる調整は、結像特性補正コントローラ78を介してレンズエレメントの移動制御を行うことや、場合によっては、人手により投影光学系PLのレンズエレメントのXY平面内での移動やレンズエレメントの交換を行うことによりなされる。
そして、上記の調整後、前述のフローチャートに沿った処理を行って、投影光学系PLの波面収差を再度測定する。このようにして、投影光学系PLの波面収差が許容値以下になるまで、投影光学系PLの波面収差の測定、投影光学系の調整を繰り返す。
このような処理を、露光処理の開始に先立って、行っておく。そして、その後、通常のスキャニング・ステッパと同様の手順で、レチクル交換、レチクルアライメント及びアライメント系のベースライン計測、ウエハ交換、並びにウエハアライメント(EGAなど)の準備作業が行われた後、ステップ・アンド・スキャン方式の露光が行われ、レチクルRのパターンがウエハW上の複数のショット領域にそれぞれ転写される。なお、上記のレチクル交換、ウエハ交換、レチクルアライメント及びアライメント系のベースライン計測、並びにウエハアライメント(EGAなど)、並びに露光動作などは、通常のスキャニング・ステッパにおける動作と異なるところはないので、詳細説明は省略する。
ここで、上記のステップ・アンド・スキャン方式の露光に際し、波面収差が許容値以下に調整された投影光学系PLを用いて、その露光が行われるので、レチクルRのパターンがウエハW上の各ショット領域に精度良く転写される。
そして、露光が完了したウエハWがウエハホルダ25からアンロードされ、こうして、1枚のウエハWの露光処理が終了する。
その後、ウエハ交換、ウエハアライメント(EGAなど)の準備作業、ステップ・アンド・スキャン方式の露光が、順次繰り返し行われる。
以上詳細に説明したように、本実施形態によると、投影光学系PL(投影ユニットPL)を介した光が入射する対物光学系94を含む、波面計測器28の第1部分28AがテーブルWTBに設けられ、対物光学系94を介した光を検出する検出装置95を少なくとも含み、第1部分28Aとは物理的に分離した第2部分28Bが、テーブルWTBに相対移動可能に接続されたステージ31(天板30)に設けられている。このため、第1部分28Aが設けられたテーブルWTBの重量化を招くことがないとともに、比較的重量な第2部分28Bが設けられたステージ31に対して、テーブルWTBを駆動することが可能になる。従って、第1部分と第2部分とを含む光学特性測定装置を、第1、第2の移動体に常設することができる一方、テーブルWTBは対物光学系などの軽量の部材から成る第1部分のみが設けられるので、重量化を招くことがない。また、第2部分は、被検光学系としての投影光学系PLから離してステージ31に設けることができるので、第2部分28Bの発熱が投影光学系PLの周囲の雰囲気の空気揺らぎの要因になるのを抑制することができる。従って、ウエハ干渉計18、Z干渉計102a〜102c及び多点焦点位置検出系(60a、60b)などを用いてテーブルWTBとステージ31との位置を制御しつつ、波面計測器28を用いて、投影光学系PLの波面収差を高精度に計測することが可能になる。
また、本実施形態に係るステージ装置によると、比較的軽量な第1部分28Aが、駆動時の高応答性や高い位置制御性が要求されるテーブルWTBに設けられ、比較的重量の大きい検出装置95を含む第2部分28Bが、テーブルWTBに比べて駆動時の高応答性や高い位置制御性が要求されないステージ31に設けられている。従って、波面計測器28をウエハステージWSTに常設することができるとともに、そのウエハステージWSTを構成するステージ31及びテーブルWTBそれぞれに要求される応答性や位置制御性を十分に満足することができる。
また、冷却機構150により第2部分28Bを含むステージ31の一部を冷却することができるので、第2部分28Bに含まれる検出装置95の発熱が、その第2部分28Bの周囲の部材及び雰囲気などに与える影響を抑制することができる。
また、本実施形態の露光装置100によると、波面計測器28により投影光学系PLの光学特性を十分な精度で測定することができ、その測定結果に基づいて、投影光学系PLの調整を行うことが可能になる。そして、この調整後の投影光学系PLを用いて上述の露光を行うことで、レチクルRのパターンをウエハW上に精度良く転写することが可能になる。また、ウエハWが載置されたテーブルWTBは駆動時の高応答性や高い位置制御性を有しているので、走査露光時に露光光の照射領域におけるウエハW表面を投影光学系の焦点深度範囲内に一致させることが可能となる。
なお、上記実施形態においては、図10(A)のようなマイクロレンズLSが多数配列されたマイクロレンズアレイMLAを用いるものとしたが、本発明がこれに限定されるもではない。すなわち、図10(B)に示されるような、平凸レンズLS1と平凹レンズLS2との組み合わせを、前述のマイクロレンズLSの代わりにレンズエレメントとして有する、マイクロレンズアレイを、マイクロレンズアレイMLAに代えて用いても良い。かかる場合には、焦点距離、すなわちスポット移動量比例係数(実質的な焦点距離)は図10(A)と同一の値fのまま、マイクロレンズアレイと受光素子92との間の距離(設置距離)をL0からL1に短縮することが可能となる。かかる場合には、波面計測器の第2部分28Bを小型化することができる。この他、図10(C)に示されるように、光が入射する側の面を凸面とし、光が射出する側の面を凹面とするマイクロレンズLS3を、前述のマイクロレンズLSの代わりにレンズエレメントして有する、マイクロレンズアレイを用いても良い。この場合も、スポット移動量比例係数は同じfのまま設置距離をL2に短縮することが可能となる。この場合も、第2部分28Bを小型化することが可能となる。
なお、上記実施形態では、マイクロレンズアレイMLAが第2部分28B側に設けられた場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、第1部分28A内にマイクロレンズアレイが設けられていても良い。
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態について図11に基づいて説明する。ここで、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の部分については、同一の符号を用いるとともにその説明を簡略にし、若しくは省略するものとする。この第2の実施形態の露光装置では、波面計測器の構成が異なるのみで、その他の部分の構成は、同様になっている。従って、以下では重複説明を避ける観点から相違点を中心として説明する。
図11には、第2の実施形態に係る波面計測器28’の内部構成が示されている。この波面計測器28’は、テーブルWTBの側面に設けられた第1の実施形態と同様の第1部分28Aと、ステージ31を構成する天板30に形成された段つき凹部に取り付けられ、見かけ上、矩形板状のステージ31の構成部分を構成する第2部分28B’とを備えている。
前記第2部分28B’は、図11に示されるように、筐体87’と、この筐体87’内部に設けられた光学ユニット277と、検出装置95とを備えている。前記光学ユニット277は、レボルバ(回転装置)77と、該レボルバ77の回転部79に取り付けられたマイクロレンズアレイMLA1、MLA2とを備えている。レボルバ77は、マイクロレンズアレイMLA1、MLA2が取り付けられた回転部79と、該回転部77を回転駆動する駆動機構78とを備えている。駆動機構78が回転部79を回転することで、2つのマイクロレンズアレイMLA1,MLA2が対物光学系94を介した光の光路上(波面計測中の光の光路上)に挿脱できるように構成されている。
前記マイクロレンズアレイMLA1,MLA2は、一例として、同一厚さの平行平面ガラス板にエッチング処理を施すことにより形成されている。これらマイクロレンズアレイMLA1,MLA2は、ほぼ同じ面積の中央部の正方形の領域にエッチング処理が施されて、各レンズエレメントが形成されている。この場合、マイクロレンズアレイMLA1の分割数が、マイクロレンズアレイMLA2の分割数よりも少ない。すなわち、マイクロレンズアレイMLA1の各レンズエレメントの方がマイクロレンズアレイMLA2を構成する各レンズエレメントより大きく、その焦点距離が長くなっている。かかる焦点距離の相違を考慮して、マイクロレンズアレイMLA2は、マイクロレンズアレイMLA1より、下方に位置する状態で回転部79に設けられている。このため、光路上に挿入された状態では、マイクロレンズアレイMLA1の方がマイクロレンズアレイMLA2よりも受光素子92に近い位置となる。なお、駆動機構78は、主制御装置50によって制御される。
本第2の実施形態において、各レンズエレメントの大きさの異なる(分割数の異なる)2つのマイクロレンズアレイMLA1、MLA2を設けた理由は以下の通りである。
すなわち、マイクロレンズアレイにおけるマイクロレンズの大きさの違いすなわち波面分割における分割数が異なると、精度良く検出可能な波面形状の空間周波数成分すなわち波面収差成分が互いに異なる。より具体的には、マイクロレンズの大きさ(分割波面の大きさ)が大きい場合には、スポット像間隔が大きく、1つのスポット像あたりの画素数が多いので、精度の良いスポット像位置検出ができるが、スポット像形成における分割波面内における波面傾斜の平均化効果により、分割波面内における波面形状の空間周波数が高い成分についての測定精度が低下してしまう。
これに対して、マイクロレンズの大きさが小さい場合には、スポット像間隔が小さく、1つのスポット像あたりの画素数が少なく、精度の良いスポット像位置の検出ができないため、隣り合う分割波面間における傾きの差が小さな、空間周波数の低い成分に関する測定精度が低下してしまうが、スポット像間隔が小さく、1つのスポット像あたりの画素数が少なくなっても、空間周波数の高い成分では、隣り合う分割波面間における傾きの差が大きく、理想スポット位置からのズレが大きくなることから、スポット像位置の検出精度が低下しても、ズレ量に着目する波面形状の測定精度はそれほど低下せず、精度の良い測定が可能である。
従って、マイクロレンズアレイMLA1を用いた投影光学系PLの波面収差計測と、マイクロレンズアレイMLA2を用いた投影光学系PLの波面収差計測とを実行することにより、単一の分割数による波面分割によってはできなかった、広い空間周波数範囲における波面形状の精度の良い測定結果を得ることができる。これにより、投影光学系PLの波面収差を精度良く測定することができる。
その他の部分の構成は、前述した第1の実施形態と同様になっている。
以上のようにして構成された本第2の実施形態の露光装置によると、前述した第1の実施形態と同等の効果を得ることができる他、第1の実施形態に比べてより精度良く投影光学系PLの波面収差を測定することができる。そして、その精度良く測定された投影光学系PLの波面収差の計測データに基づいて投影光学系PLを調整することで、投影光学系PLをより精度良く調整することができ、ひいてはより高精度な露光を実現することが可能となる。
なお、上記第2の実施形態では、回転部79に2種類のマイクロレンズアレイを設けることとしたが、これに限らず、3種類以上のマイクロレンズアレイを設けることとしても良い。また、マイクロレンズアレイに代えて、あるいはマイクロレンズアレイとともに、照明光の偏光状態を検出するための偏光光学素子を回転部79に設けることとしても良い。
なお、上記各実施形態では、Z干渉計102a〜102cを備え、波面収差計測時に、焦点位置検出系(60a,60b)とZ干渉計102a〜102cとを併せて用いる場合について説明したが、焦点位置検出系(60a,60b)のみで、投影光学系PLとテーブルWTBとの位置関係の調整は可能なので、Z干渉計は必ずしも設けられていなくても良い。
また、上記各実施形態では、波面計測器28の各部がテーブルWTB、ステージ31の端部に設けられる場合について説明したが、これに限らず、テーブルWTB、ステージ31の端部以外の場所に埋め込まれた状態で設けられていても良い。
なお、上記各実施形態では、本発明が、スキャニング・ステッパに適用された場合について例示したが、本発明の適用範囲がこれに限定されるものではなく、本発明は、マスクと基板とを静止した状態で露光を行うステッパ等の静止型の露光装置にも好適に適用できるものである。また、ステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも本発明は好適に適用できる。
また、上記各実施形態の露光装置における投影光学系の倍率は縮小系のみならず等倍および拡大系のいずれでも良いし、投影光学系PLは屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、その投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。
また、露光装置の露光対象である物体は、上記の実施形態のように半導体製造用のウエハに限定されることなく、例えば、液晶表示素子、プラズマディスプレイや有機ELなどのディスプレイ装置の製造用の角型のガラスプレートや、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCDなど)、マスク又はレチクルなどを製造するための基板であっても良い。
また、上記各実施形態では、露光用照明光としてArFエキシマレーザ光(193nm)を用いる場合について説明したが、これに限らずKrFエキシマレーザ光(248nm)、F2レーザ光(157nm)、g線(436nm)、i線(365nm)、Ar2レーザ光(126nm)、銅蒸気レーザ、YAGレーザの高長波等を露光用照明光として用いることができる。また、例えば、真空紫外光として、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
また、上記各実施形態では、本発明が半導体製造用の露光装置に適用された場合について説明したが、本発明は、半導体製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)、有機EL、マイクロマシン、DNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。さらに、例えば国際公開WO99/49504号パンフレットなどに開示される、投影光学系PLとウエハとの間に液体(例えば純水など)が満たされる液浸型露光装置などにも本発明を適用することができる。
また、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置に組み込み光学調整をするとともに、多数の部品からなるレチクルステージRST及びウエハステージWST等を露光装置のボディに取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより上記実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに転写するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。
以上説明したように、本発明の光学特性測定装置及びステージ装置は、被検光学系の光学特性を測定するのに適している。また、本発明の露光装置は、投影光学系を介した露光光により物体を露光して、所定のパターンを物体上に転写するのに適している。
本発明の第1の実施形態に係る露光装置を示す概略図である。 ウエハステージを示す斜視図である。 ウエハステージ近傍を示す平面図である。 第1の実施形態に係る波面計測器の内部構成を示す断面図である。 冷却機構を示す図である。 第1の実施形態の制御系を示す図である。 第1の実施形態の露光装置において行われる、オン・ボディでの投影光学系の波面収差の計測動作を説明するためのフローチャートである。 測定用レチクルに形成された測定用パターンの例を示す図である。 第1の実施形態におけるスポット像の撮像時における光学配置を説明するための図である。 図10(A)は、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズ(レンズエレメント)を示す図であり、図10(B)、図10(C)は、変形例に係るレンズエレメントを示す図である。 第2の実施形態に係る波面計測器の内部構成を示す断面図である。
符号の説明
27…ウエハステージ駆動部(駆動系)、28…波面計測器(光学特性測定装置)、28A…第1部分、28B…第2部分、31…ステージ(第2の移動体)、50…主制御装置(制御装置)、71…ステージ定盤、94…対物光学系、95…検出装置、100…露光装置、102a〜102c…Z干渉計(計測機構)、150…冷却機構、277…光学ユニット、MLA…マイクロレンズアレイ(波面分割光学素子)、PL…投影光学系(被検光学系)、W…ウエハ(物体)、WST…ウエハステージ(移動体)、WTB…テーブル(第1の移動体)。

Claims (12)

  1. 被検光学系の光学特性を測定する光学特性測定装置であって、
    第1の移動体に設けられ、前記被検光学系を介した光が入射する対物光学系を含む第1部分と;
    前記第1の移動体に相対移動可能に接続された第2の移動体に設けられ、かつ前記第1部分とは物理的に分離され、前記対物光学系を介した光を検出する検出装置を少なくとも含む第2部分と;を備える光学特性測定装置。
  2. 前記第1部分及び前記第2部分の一方は、前記対物光学系と前記検出装置との間に配置された、前記対物光学系を介した光の波面を分割する波面分割光学素子、及び偏光光学素子の少なくとも一方を有する光学ユニットを含むことを特徴とする請求項1に記載の光学特性測定装置。
  3. 前記光学ユニットは、前記第2部分に含まれることを特徴とする請求項2に記載の光学特性測定装置。
  4. 前記波面分割光学素子及び前記偏光光学素子の少なくとも一方は、前記光の光路上への挿脱が自在とされていることを特徴とする請求項2又は3に記載の光学特性測定装置。
  5. 前記光学ユニットは、レボルバを有し、
    前記波面分割光学素子及び前記偏光光学素子の少なくとも一方は、前記レボルバに設けられていることを特徴とする請求項4に記載の光学特性測定装置。
  6. 前記光学ユニットは波面分割光学素子を複数有し、
    前記複数の波面分割光学素子は、互いに異なる分割数を有することを特徴とする請求項5に記載の光学特性測定装置。
  7. 前記波面分割光学素子を構成する複数の分割素子のそれぞれは、前記光が入射する側の面が凸面であり、前記光が射出する側の面が凹面とされていることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の光学特性測定装置。
  8. 前記波面分割光学素子を構成する複数の分割素子のそれぞれは、平凸レンズ及び平凹レンズの組み合わせにより構成されていることを特徴とする請求項7に記載の光学特性測定装置。
  9. 二次元面内を移動するステージと、前記ステージ上で少なくとも前記二次元面に直交する方向に移動可能とされたテーブルとを含む移動体と;
    該移動体を駆動する駆動系と;
    前記テーブルに前記第1部分が設けられ、前記ステージに前記第2部分が設けられた請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学特性測定装置と;を備えるステージ装置。
  10. 前記ステージに設けられ、前記第2部分を含む前記ステージの少なくとも一部を冷却する冷却機構を更に備える請求項9に記載のステージ装置。
  11. 投影光学系を介した露光光により物体を露光して、所定のパターンを物体上に転写する露光装置であって、
    前記物体が前記テーブル上に載置され、前記投影光学系を前記光学特性測定装置の前記被検光学系とする請求項9又は10に記載のステージ装置を備える露光装置。
  12. 前記ステージの移動基準面が形成されたステージ定盤と;
    前記移動基準面の前記投影光学系の光軸に直交する面に対する傾斜及び光軸方向に関する位置の情報を計測する計測機構と;
    前記光学特性測定装置による前記投影光学系の光学特性測定の際に、前記計測機構の計測結果に基づいて、前記投影光学系と前記ステージ定盤との位置関係を調整する制御装置と;を更に備える請求項11に記載の露光装置。
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