JP2003133204A - ステージ装置および露光装置 - Google Patents

ステージ装置および露光装置

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JP2003133204A
JP2003133204A JP2001325416A JP2001325416A JP2003133204A JP 2003133204 A JP2003133204 A JP 2003133204A JP 2001325416 A JP2001325416 A JP 2001325416A JP 2001325416 A JP2001325416 A JP 2001325416A JP 2003133204 A JP2003133204 A JP 2003133204A
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JP
Japan
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stage
stator
movement
exposure
wafer
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JP2001325416A
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Keiichi Tanaka
慶一 田中
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Original Assignee
Nikon Corp
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステージ本体が複数の方向に移動する場合で
あっても、移動に伴う反力の影響を排除してステージ本
体の位置制御性を向上させる。 【解決手段】 ステージ本体14A、14Bの第1方向
への移動により発生する反力により第1固定子を移動さ
せるとともに、ステージ本体14A、14Bの第2方向
への移動により発生する反力により第1固定子と第2固
定子とを移動させるように、第1固定子と第2固定子と
を配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板を保持するス
テージ本体が複数の方向に移動するステージ装置、およ
びこのステージ装置に保持されたマスクと基板とを用い
て露光処理を行う露光装置に関し、特に半導体集積回路
や液晶ディスプレイ等のデバイスを製造する際に、リソ
グラフィ工程で用いて好適なステージ装置および露光装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体デバイスの製造工程の
1つであるリソグラフィ工程においては、マスク又はレ
チクル(以下、レチクルと称する)に形成された回路パ
ターンをレジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又はガ
ラスプレート等の基板上に転写する種々の露光装置が用
いられている。例えば、半導体デバイス用の露光装置と
しては、近年における集積回路の高集積化に伴うパター
ンの最小線幅(デバイスルール)の微細化に応じて、レ
チクルのパターンを投影光学系を用いてウエハ上に縮小
転写する縮小投影露光装置が主として用いられている。
【0003】この縮小投影露光装置としては、レチクル
のパターンをウエハ上の複数のショット領域(露光領
域)に順次転写するステップ・アンド・リピート方式の
静止露光型の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)
や、このステッパを改良したもので、特開平8−166
043号公報等に開示されるようなレチクルとウエハと
を一次元方向に同期移動してレチクルパターンをウエハ
上の各ショット領域に転写するステップ・アンド・スキ
ャン方式の走査露光型の露光装置(いわゆるスキャニン
グ・ステッパ)が知られている。
【0004】これらの縮小投影露光装置においては、ス
テージ装置として、床面に先ず装置の基準になるベース
プレートが設置され、その上に床振動を遮断するための
防振台を介してレチクルステージ、ウエハステージおよ
び投影光学系(投影レンズ)等を支持する本体コラムが
載置されたものが多く用いられている。最近のステージ
装置では、前記防振台として、内圧が制御可能なエアマ
ウント、ボイスコイルモータ等のアクチュエータを備
え、本体コラム(メインフレーム)に取り付けられた、
例えば6個の加速度計の計測値に基づいて前記ボイスコ
イルモータ等を制御することにより本体コラムの振動を
制御するアクティブ防振台が採用されている。
【0005】ところが、上記のステッパ等では、ウエハ
上のあるショット領域に対する露光の後、他のショット
領域に対して順次露光を繰り返すものであるから、ウエ
ハステージ(ステッパの場合)、あるいはレチクルステ
ージおよびウエハステージ(スキャニング・ステッパの
場合)の加速、減速運動によって生じる反力が本体コラ
ムの振動要因となって、投影光学系とウエハ等との相対
位置誤差を生じさせるという不都合があった。
【0006】アライメント時や露光時における上記相対
位置誤差は、結果的にウエハ上で設計値と異なる位置に
パターンが転写されたり、その位置誤差に振動成分を含
む場合には像ボケ(パターン線幅の増大)を招いたりす
る原因になるという不都合があった。
【0007】従って、係る不都合を抑制するためには、
上記のアクティブ防振台等により本体コラムの振動を十
分に減衰させる必要がある。例えばステッパの場合に
は、ウエハステージが所望の位置に位置決めされ十分に
整定されるのを待ってアライメント動作や露光動作を開
始する必要がある。また、スキャニング・ステッパの場
合には、レチクルステージとウエハステージとの同期整
定を十分に確保した状態で露光を行う必要があった。こ
のため、スループット(生産性)を悪化させる要因とな
っていた。
【0008】そこで、このような不都合を改善するもの
として、例えば特開平8−166475号公報等に記載
されるように、ウエハステージの移動により発生する反
力をフレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がす
発明や、例えば特開平8−330224号公報等に記載
されるように、レチクルステージの移動により発生する
反力をフレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃が
す発明が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来のステージ装置および露光装置には、以下
のような問題が存在する。近年におけるレチクルやウエ
ハの大型化に伴い、両ステージが大型化し、上記特開平
8−166475号公報や特開平8−330224号公
報に記載された発明を用いても、フレーム部材を伝わっ
て床側に逃げる反力に起因してフレーム部材自身が振動
したり、床に逃げた反力が防振台を介して投影光学系を
保持する本体コラム(メインボディ)に伝わってこれを
加振する、いわゆる揺れ返しが生じる虞がある。そのた
め、スループットをある程度確保しつつ高精度な露光を
行うことは困難になっている。
【0010】そこで、例えば特開平8−63231号公
報には、ベース上に浮揚支持されるステージ本体と駆動
フレームとを設け、ステージ本体の前進移動に伴う反力
で駆動フレームが後退する技術が開示されている。この
技術によれば、ステージ本体と駆動フレームとの間に運
動量保存の法則が働き、ベース上における装置の重心の
位置が維持されるため、フレーム部材への振動の影響を
小さくすることができる。ところが、上記のステッパや
スキャニング・ステッパはステージがX方向およびY方
向の二方向に移動するため、一方向の移動に関しては駆
動フレームが移動して反力の影響を除去できても、他の
一方向の移動に関しては反力の影響を排除することがで
きない。
【0011】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、ステージ本体が複数の方向に移動する場合
であっても、移動に伴う反力の影響を排除してステージ
本体の位置制御性を向上させるステージ装置、および位
置制御性に優れたステージ装置により高精度な露光を行
うことができる露光装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、実施の形態を示す図1ないし図5に対応
付けした以下の構成を採用している。本発明のステージ
装置は、第1方向(X軸方向)および第1方向(X軸方
向)とは異なる第2方向(Y軸方向)に移動するステー
ジ本体(14A、14B)を有するステージ装置(WS
T)において、第1可動子(24A、24B)と第1固
定子(25)とを有し、ステージ本体(14A、14
B)を第1方向(X軸方向)に駆動する第1駆動装置
(22A、22B)と、第2可動子(21b)と第2固
定子(21a)とを有し、ステージ本体(14A、14
B)を第2方向(Y軸方向)に駆動する第2駆動装置
(21A、21B)とを備え、ステージ本体(14A、
14B)の第1方向(X軸方向)への移動により発生す
る反力により第1固定子(25)を移動させるととも
に、ステージ本体(14A、14B)の第2方向(Y軸
方向)への移動により発生する反力により第1固定子
(25)と第2固定子(21a)とを移動させるよう
に、第1固定子(25)と第2固定子(21a)とを配
置したことを特徴とするものである。
【0013】従って、本発明のステージ装置では、第1
駆動装置(22A、22B)が作動して第1可動子(2
4A、24B)がステージ本体(14A、14B)とと
もに第1方向(X軸方向)へ移動すると、この移動に伴
う反力により第1固定子(25)が第1方向(X軸方
向)に沿ってステージ本体(14A、14B)と逆方向
に移動する。また、第2駆動装置(21A、21B)が
作動して第2可動子がステージ本体(14A、14B)
とともに第2方向(Y軸方向)へ移動すると、この移動
に伴う反力により第2固定子(21a)および第1固定
子(25)が第2方向(Y軸方向)に沿ってステージ本
体(14A、14B)と逆方向に移動する。そのため、
ステージ本体(14A、14B)が第1方向または第2
方向のいずれの方向に移動しても、移動に伴う反力の影
響を排除することができる。
【0014】また、本発明の露光装置は、マスクステー
ジ(RST)に保持されたマスク(R1)のパターンを
基板ステージ(WST)に保持された基板(W1、W
2)に露光する露光装置において、マスクステージ(R
ST)と基板ステージ(WST)との少なくとも一方の
ステージとして、請求項1から6のいずれかに記載され
たステージ装置(WST)が用いられることを特徴とす
るものである。
【0015】従って、本発明の露光装置では、マスクス
テージ(RST)または基板ステージ(WST)が第1
方向(X軸方向)または第2方向(Y軸方向)のいずれ
の方向に移動しても、移動に伴う反力の影響を排除する
ことができ、マスク(R1)または基板(W1、W2)
に対する位置制御性が向上する。そのため、マスク(R
1)と基板(W1、W2)との位置合わせ精度が向上
し、高精度の露光を実施することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明のステージ装置およ
び露光装置の実施の形態を、図1ないし図4を参照して
説明する。ここでは、露光装置として、レチクルとウエ
ハとを同期移動しつつ、レチクルに形成された半導体デ
バイスの回路パターンをウエハ上に転写する、ステップ
・アンド・スキャン方式、またはステップ・アンド・ス
ティッチ方式からなる走査露光方式の露光装置を使用す
る場合の例を用いて説明する。また、この露光装置にお
いては、本発明のステージ装置をウエハステージに適用
するものとする。
【0017】図1は、露光装置の概略構成図である。こ
の図に示す露光装置の大部分は、例えば半導体製造工場
の床1上のクリーンルーム内に設置され、その階下の機
械室の準クリーンルーム内の床2上に露光光源3が設置
されている。
【0018】露光時に露光光源3から射出された露光ビ
ームとしての露光光ILは、ビームマッチングユニット
(BMU)4を経て床1上に導かれる。BMU4から射
出された露光光ILは、床1上に設置されるとともに、
ビーム整形光学系、照度分布均一化用のオプティカルイ
ンテグレータ(ユニフォマイザ、またはホモジナイ
ザ)、光量モニタ、可変開口絞り、およびリレーレンズ
系等を含む第1照明系5に入射する。
【0019】第1照明系5の射出面は、被照明体として
のレチクルのパターン面とほぼ共役であり、この射出面
に可動視野絞り6Aが配置されている。この可動視野絞
り6Aは、被露光基板としてのウエハの各ショット領域
への走査露光の開始時および終了時に、本来の回路パタ
ーン以外のパターンが露光されないように視野を開閉す
る役割を果たす。視野の開閉時に振動を発生する虞のあ
る可動視野絞り6Aが配置された第1照明系5は、露光
本体部とは別体として支持されているため、露光本体部
での露光精度(重ね合わせ精度、転写精度等)が向上す
る。
【0020】なお、可動視野絞り6Aは、走査露光の開
始時および終了時にその視野を開閉する、すなわち走査
方向に関する視野の幅を変更するだけでなく、走査露光
に先立ち、転写対象の回路パターンの非走査方向に関す
る大きさに応じて、その視野の非走査方向の幅を変更で
きるようにも構成されている。
【0021】可動視野絞り6Aを通過した露光光IL
は、露光本体部のコラムに取り付けられた第2照明系7
の入射面、すなわちレチクルのパターン面から所定量だ
けデフォーカスした面に配置された固定視野絞り6Bに
入射する。固定視野絞り6Bには、レチクルのパターン
面での照明領域を走査方向と直交する非走査方向に細長
いスリット状の領域に規定するための開口が形成されて
いる。固定視野絞り6Bを通過した露光光ILは、第2
照明系7内のリレーレンズ系、光路折り曲げ用のミラ
ー、およびコンデンサレンズ系等を経てマスクとしての
レチクルR1のパターン面の照明領域を照明する。
【0022】その露光光ILのもとで、レチクルR1の
照明領域内のパターン像は、投影光学系PLを介して投
影倍率β(βは、1/4倍または1/5倍等)で、フォ
トレジストが塗布された基板としてのウエハW1(また
はW2)上のスリット状の露光領域に投影される。この
状態でレチクルR1およびウエハW1を投影倍率βを速
度比として所定の走査方向に同期移動することで、ウエ
ハW1上の一つのショット領域にレチクルR1のパター
ン像が転写される。ここで、ウエハW1、W2は、例え
ば半導体(シリコン等)またはSOI(Silicon On Ins
ulator)等の円板状の基板である。
【0023】投影光学系PLとしては、例えば特願平1
0−370143号、または特願平11−66769号
に開示されているように、1本の光軸に沿って複数の屈
折レンズと、それぞれ光軸の近傍に開口を有する2つの
凹面鏡とを配置して構成される直筒型の反射屈折系や、
1本の光軸に沿って屈折レンズを配置して構成される直
筒型の屈折系等を使用することができる。さらに、投影
光学系PLとして双筒型の反射屈折型を使用してもよ
い。以下、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取
り、Z軸に垂直な平面(本実施の形態では、ほぼ水平面
に合致している)内で走査露光時のレチクルR1および
ウエハW1の走査方向に直交する非走査方向(図1の紙
面左右方向)に沿ってX軸を取り、その走査方向(図1
の紙面に垂直な方向)に沿ってY軸を取って説明する。
すなわち、本発明における第1方向をX軸方向とし、第
2方向をY軸方向とする。
【0024】先ず、レチクルR1を支持するレチクルス
テージ(マスクステージ)RST、投影光学系PL、お
よびウエハW1、W2を支持するウエハステージ(基板
ステージ、ステージ装置)WSTを含む露光本体部の全
体構成について説明する。
【0025】床1上にほぼ正三角形の頂点に位置する3
箇所の防振台11A、11B、11Cを介して剛性の高
いベースプレート12が設置され、ベースプレート12
上には電気式の水準器9Aが設置されている。防振台1
1A〜11Cは、それぞれエアーダンパまたは油圧式の
ダンパ等の大重量に耐える機械式のダンパと、ボイスコ
イルモータ等の電磁式のアクチュエータよりなる電磁式
のダンパとを含む能動型(アクティブ型)の防振装置で
ある。一例として水準器9Aで検出されるベースプレー
ト12の上面の水平面に対する傾斜角(2軸の回りの傾
斜角)が許容範囲に収まるように、3個の防振台11A
〜11C中の電磁式のダンパが駆動され、必要に応じて
機械式のダンパの空気圧または油圧等が制御される。こ
の場合、機械的なダンパによって、床からの高い周波数
の振動は露光本体部に伝わる前に減衰され、残存してい
る低い周波数の振動は電磁的なダンパによって減衰され
る。なお、その水準器9A(その他の水準器も同様)の
代わりに、例えば光学的に対応する部材の傾きを検出す
る検出器等を使用してもよい。
【0026】ベースプレート12の上面には、ほぼ正三
角形の頂点に位置するように3本の第1コラム59A、
59B、59C(59Cは不図示)が固定され、第1コ
ラム59A〜59Cの上面には中央部に露光光ILを通
過させる開口が設けられた支持板66が固定されてい
る。支持板66の上には、スペーサ67を介して支持板
68が固定され、支持板68には第2照明系7が取り付
けられている。また、第1コラム59A〜59Cの内面
に固定された凸部60A、60B、60C(60Cは不
図示)には、それぞれ姿勢制御部材としての可変マウン
ト部61A、61B、61C(61Cは不図示)が固定
されている。可変マウント部61A〜61Cとしては、
ピエゾ素子のような圧電素子、または磁歪素子のように
大きい剛性を持ち高い応答速度(例えば振幅が数μm程
度で、周波数が10Hz〜1kHz程度)でZ方向に伸
縮自在の駆動素子が使用可能である。また、可変マウン
ト部61A〜61Cとしては、その他に小さいカム機構
によってZ方向への変位を行う駆動機構も使用できる。
【0027】可変マウント部61A〜61C上には、ベ
ース部材としてのレチクルベース62が固定され、レチ
クルベース62の中央部には露光光ILを通過させるた
めの開口が形成されている。レチクルベース62の上面
は、平面度の極めて良好なガイド面に加工され、このガ
イド面にレチクル側の可動ステージとしての微動ステー
ジ63がエアーベアリングを介して円滑に2次元的に摺
動自在に載置される。そして、微動ステージ63上に
は、レチクルR1が真空吸着等によって保持されてい
る。微動ステージ63上のレチクルR1の走査方向に隣
接する領域には、別のレチクルR2(不図示)が保持さ
れており、例えば二重露光などが効率的に実行できる構
成になっている。
【0028】また、レチクルベース62のガイド面の端
部には電気式の水準器9Dが設置されており、一例とし
て水準器9Dで検出されるそのガイド面の水平面に対す
る傾斜角(2軸の回り、すなわちX軸およびY軸の回り
の傾斜角)が許容範囲に収まるように、3個の可変マウ
ント部61A〜61Cの伸縮量(または変位量)が制御
される。この際に、最低限で2軸の回りの傾斜角の制御
ができればよいため、例えば3個の可変マウント部61
A〜61Cの中の一つを、高さが固定されたスペーサと
してもよい。
【0029】また、微動ステージ63の周囲を囲むよう
に矩形枠状の粗動ステージ64が配置されており、その
上方の支持板66の底面にはY方向に沿って平行に1対
のY軸駆動装置65YA、65YBが取り付けられてい
る。そして、これらY軸駆動装置65YA、65YBに
は、粗動ステージ64が連結されている。粗動ステージ
64はレチクルベース62には非接触であり、粗動ステ
ージ64と微動ステージ63とは、粗動ステージ64に
対して微動ステージ63を所定の狭い範囲でX方向、Y
方向および回転方向に微小量駆動するアクチュエータを
介して連結されている。そして、Y軸駆動装置65Y
A、65YBは、リニアモータ方式で粗動ステージ64
を+Y方向、および−Y方向に交互に一定速度で移動す
る。
【0030】すなわち、粗動ステージ64は、支持板6
6から吊り下げられるように保持された状態で、微動ス
テージ63をY方向に一定速度で駆動するとともに、残
存する同期誤差を補正するように粗動ステージ64に対
して微動ステージ63が相対的に駆動される。微動ステ
ージ63の2次元的な位置および回転角、並びに粗動ス
テージ64のY方向の位置は、それぞれ不図示のレーザ
干渉計によって高精度に計測され、この計測結果に基づ
いて微動ステージ63の位置および速度が制御される。
本実施の形態では、レチクルベース62、微動ステージ
63、および粗動ステージ64等とからレチクルステー
ジ装置RSTが構成されている。
【0031】次に、ベースプレート12の上面で第1コ
ラム59A、59B、59C(59Cは不図示)の内側
には、ほぼ正三角形の頂点の位置に3本の第2コラム5
1A、51B、51C(51Cは不図示)が固定され、
第2コラム51A〜51Cの上面には、それぞれ姿勢制
御部材としての可変マウント部52A、52B、52C
(52Cは不図示)が固定されている。可変マウント部
52A〜52Cとしては、上記の可変マウント部61A
と同様の圧電素子等を用いた駆動素子、またはカム方式
の駆動機構等を使用できる。
【0032】可変マウント部52A〜52C上には、ベ
ース部材としての支持板53が固定されている。そし
て、支持板53に設けられたU字型の切欠部に投影光学
系PLがフランジ部54を介して設置され、その切欠部
の開放端がカバー55によって閉じられている。また、
支持板53の上面の端部には、電気式の水準器9Bが設
置されており、一例として水準器9Bで検出されるその
上面の水平面に対する傾斜角(2軸回りの傾斜角)が許
容範囲に収まるように、3個の可変マウント部52A〜
52Cの伸縮量(または変位量)が制御される。この際
にも、最低限で2軸の回りの傾斜角を制御できればよい
ため、3個の可変マウント部52A〜52Cの中の一つ
を、高さが固定されたスペーサとしてもよい。
【0033】さらに、投影光学系PLを保持するフラン
ジ部54と支持板53との間には、ほぼ等角度間隔で3
箇所に、姿勢制御部材としてのピエゾ素子等の圧電素子
または磁歪素子等からなり剛性が高くZ方向(光軸AX
の方向)に伸縮自在の駆動素子56が装着されている。
そして、フランジ部54の上面の端部には、電気式の水
準器9Cが設置されており、一例として水準器9Cで検
出されるその上面の水平面に対する傾斜角(2軸回りの
傾斜角)が許容範囲に収まるように、3個の駆動素子5
6の伸縮量が制御される。この際にも、最低限で2軸の
回りの傾斜角を制御できればよいため、3個の駆動素子
56の中の一つを、高さが固定されたスペーサとしても
よい。このように、支持板53の振動を抑制するための
可変マウント部52A〜52Cに加えて、投影光学系P
L自体の振動を抑制するための駆動素子56が設けられ
ているため、円筒状の投影光学系PLの振動が高度に抑
制されて、結像特性が良好に維持される。
【0034】また、ウエハのアライメントを行うため
に、投影光学系PLの下端部の−X方向および+X方向
の側面には、オフ・アクシスで結像方式のアライメント
センサ38A、38Bが固定されている。不図示である
が、レチクルR1の上方に位置する支持板66の底面部
には、レチクルのアライメントを行うために、レチクル
アライメント顕微鏡が配置されている。
【0035】また、ベースプレート12の上面で3本の
第2コラム51A、51B、51C(51Cは不図示)
によってほぼ囲まれた領域には、ウエハステージWST
が設置されている。このウエハステージWSTは、定盤
13、可動ステージ(ステージ本体)14A、14B、
試料台(ウエハホルダ)15A、15B、および図2に
示すスキャンリニアモータ(第2駆動装置)21A、2
1B、ステップリニアモータ(第1駆動装置)22A、
22Bを主体として構成されたダブル・ステージ方式で
あり、例えば可動ステージ14A側でウエハW1に対す
る走査露光中に、可動ステージ14B側でウエハW2の
交換およびアライメントが実施可能になっている。
【0036】定盤13は、ベースプレート12上に固定
され、その上面が平面度の極めて良好なガイド面に加工
されている。このガイド面には、可動ステージ14Aが
エアーベアリングを介して円滑に摺動自在に、且つY方
向に延在するガイドバー23Aに沿って移動自在に浮上
支持されている。可動ステージ14A上には、第1の試
料台(ウエハホルダ)15Aが載置され、この試料台1
5A上には第1のウエハW1が真空吸着等によって保持
される。
【0037】試料台15Aは、可動ステージ14Aに対
してX方向、Y方向およびZ軸回りの回転方向に微動可
能であるとともに、レベリングおよびフォーカシングを
行うためにZ方向の変位、および2軸の回り(すなわ
ち、X軸およびY軸回り)の傾斜が可能な構成になって
いる。
【0038】また、定盤13上には、可動ステージ14
Aとともに可動ステージ14Bがエアーベアリングを介
して摺動自在に、且つY方向に延在するガイドバー23
Bに沿って移動自在に浮上支持されている。可動ステー
ジ14B上には、レベリングおよびフォーカシング用の
試料台15Bを介してウエハW2が真空吸着等によって
保持される。
【0039】スキャンリニアモータ21Aは、可動ステ
ージ14Aをスキャン方向(走査方向)であるY方向に
駆動するものであって、図3に示してあるように、ガイ
ドバー23Aに埋設された固定子(第2固定子)21a
と、可動ステージ14Aに設けられ、固定子21aとの
間の電磁気的相互作用によりY方向に駆動される可動子
(第2可動子)21bとから構成されている。同様に、
スキャンリニアモータ21Bは、可動ステージ14Bを
Y方向に駆動するものであって、ガイドバー23Bに埋
設された固定子(第2固定子;不図示)と、可動ステー
ジ14Bに設けられ、固定子との間の電磁気的相互作用
によりY方向に駆動される可動子(第2可動子;不図
示)とから構成されている。
【0040】ステップリニアモータ22Aは、可動ステ
ージ14Aをステップ移動方向であるX方向に駆動する
ものであって、図3に示すように、ガイドバー23Aの
両端に設けられた可動子(第1可動子)24A、24A
と、カウンタマス26、26の一側面にX方向に延在
し、且つ可動子24Aに対向して突設され、可動子24
A、24Aとの間の電磁気的相互作用により当該可動子
24A、24AをX方向に駆動させる固定子(第1固定
子)25、25とから構成されている。同様に、ステッ
プリニアモータ22Bは、可動ステージ14BをX方向
に駆動するものであって、ガイドバー23Bの両端に設
けられた可動子(第1可動子)24B、24Bと、カウ
ンタマス26、26に突設され可動子24B、24Bと
の間の電磁気的相互作用により当該可動子24B、24
BをX方向に駆動させる上記固定子25、25とから構
成されている。すなわち、固定子25、25は、可動子
24A、24Bの双方に対する固定子として機能する。
なお、−Y側のカウンタマス26には、−Y側の可動子
24A、24Bを挟み込むようにEIコア(電磁石)3
4A、34Bが設けられている。
【0041】カウンタマス26、26は、ベースプレー
ト12上のY方向両側に設置された定盤27、27上に
エアパッド等のエアベアリング(不図示)を介してXY
平面に沿ってそれぞれ移動自在に浮上支持されている。
また、各カウンタマス26には、X方向に沿って矩形の
ガイド孔28が貫通して形成されている。このガイド孔
28には、カウンタマス26、26のX方向への移動を
ガイドする断面矩形のフレーム部材29が挿通されてい
る。
【0042】フレーム部材29は、可動ステージ14
A、14BのY方向への移動時にカウンタマスとして作
動するものであって、X方向に沿って延設されたガイド
部29X、29Xと、Y方向に沿って延設されたガイド
部29Y、29Yとが矩形に連結された平面視ロ字状に
形成されており(図2参照)、カウンタマス26、26
のガイド孔28にはガイド部29X、29Xが移動自在
に挿通されている。
【0043】また、フレーム部材29のガイド部29
Y、29Yは、保持部材30、30に挿通されている。
保持部材30、30は、ベースプレート12上のX方向
両側に固定されており、カウンタマス26、26と同様
に、Y方向に沿って矩形のガイド孔31、31がそれぞ
れ形成されている。そして、このガイド孔31、31に
は、上記ガイド部29Y、29Yが移動自在に保持され
る。
【0044】一方、このフレーム部材29には、ステッ
プトリムモータ(運動量補正装置)32およびスキャン
トリムモータ(第2の運動量補正装置、回転補正装置)
33が設けられている。ステップトリムモータ32は、
ガイド部29Xに対してカウンタマス26をX方向に駆
動して、カウンタマス26の移動量(運動量)を補正す
るものであって、フレーム部材29のガイド部29X、
29Xにそれぞれ独立駆動可能に設けられている。
【0045】スキャントリムモータ33は、保持部材3
0に対してフレーム部材29をY方向に駆動して、フレ
ーム部材29(およびカウンタマス26)の移動量(運
動量)を補正するものであって、フレーム部材29のガ
イド部29Y、29Yにそれぞれ独立駆動可能に設けら
れている。
【0046】試料台15A上の側縁には、Y方向に延設
された移動鏡35とX方向に延設された移動鏡36とが
固定されている。そして、移動鏡35の反射面に向けて
レーザ干渉計37が測長ビームを照射するとともに、そ
の反射光を受光して基準面に対する相対変位を計測する
ことにより、可動ステージ14A(ひいてはウエハW
1)のX方向の位置が高精度に計測される。また、移動
鏡36の反射面に対しては、X方向に所定間隔をあけて
配置されたレーザ干渉計39A、39Bがそれぞれ測長
ビームを照射するとともに、その反射光を受光して基準
面に対する相対変位を計測することにより、可動ステー
ジ14A(ひいてはウエハW1)のY方向の位置および
θZ(Z軸周りの回転)方向の位置が高精度に計測され
る。なお、図示していないものの、可動ステージ14B
(ひいてはウエハW2)のX方向、Y方向の位置、およ
びθZ方向の位置を計測するためのレーザ干渉計が別途
配設されている。
【0047】また、カウンタマス26、26の−X側端
面には、レーザ干渉計40A、40Bがそれぞれ測長ビ
ームを照射するとともに、その反射光を受光して基準面
に対する相対変位を計測することにより、カウンタマス
26、26毎にX方向の位置が高精度に計測される。さ
らに、フレーム部材29の−Y側のガイド部29Yに対
しては、X方向に所定間隔をあけて配置されたレーザ干
渉計41A、41Bがそれぞれ測長ビームを照射すると
ともに、その反射光を受光して基準面に対する相対変位
を計測することにより、フレーム部材29のY方向の位
置およびθZ方向の位置が高精度に計測される。
【0048】図4は、本露光装置の制御ブロック図であ
る。この図に示すように、レーザ干渉計37、39A、
39B、40A、40B、41A、41Bの計測結果
は、制御部42に出力される。制御部42は、入力した
計測結果に基づいて、可動ステージ14A、14Bを駆
動するスキャンリニアモータ21A、21B、ステップ
リニアモータ22A、22Bを制御するとともに、カウ
ンタマス26、26を駆動するステップトリムモータ3
2、フレーム部材29を駆動するスキャントリムモータ
33を制御する。
【0049】次に、上記の構成の露光装置のうち、まず
ウエハステージWSTの動作について説明する。例え
ば、ステップリニアモータ22Aが作動して可動子24
Aが固定子25に対して相対移動することにより、可動
ステージ14Aが試料台15A(およびウエハW1)と
ともに+X方向に移動すると、この移動による反力でカ
ウンタマス26、26がフレーム部材29のガイド部2
9Xをガイドにして−X方向に相対移動する。
【0050】ここで、可動ステージ14Aと定盤13と
の間、ガイド部29Xとカウンタマス26との間、およ
びカウンタマス26と定盤27との間の摩擦が零である
場合には運動量保存の法則が働くため、本来、カウンタ
マス26、26は可動ステージ14A側(試料台15
A、ウエハW1、移動鏡35、36、ガイドバー23A
等を含む)との重量比に応じた量移動する。
【0051】ところが、可動子24Aと固定子25とは
カップリングされているため、これらが相対移動した際
には、元の位置に止まろうとする力が作用する。可動子
24Aは、レーザ干渉計37が可動ステージ14Aの位
置を計測して、リニアモータ22Aのコイルに所定の電
圧が印加されるため、所定位置に移動するが、固定子2
5(すなわちカウンタマス26)は移動すべき位置に到
達する前に停止することになる。そのため、本実施の形
態では、制御部42がレーザ干渉計40A、40Bの計
測結果に基づいてステップトリムモータ32、32を駆
動することで、カウンタマス26、26が所定の位置に
到達するように、カウンタマス26、26の移動量(運
動量)を補正する。
【0052】この結果、可動ステージ14AのX方向の
加減速時の反力はカウンタマス26、26の移動により
吸収され、ベースプレート12に与える運動量は理論的
にゼロとなり、ウエハステージWSTにおける重心の位
置がX方向において実質的に固定される。なお、ステッ
プリニアモータ22Bが作動して、可動ステージ14B
がX方向に移動する際にも同様の動作になる。
【0053】一方、スキャンリニアモータ21Aが作動
して可動ステージ14Aが試料台15A(およびウエハ
W1)とともに、例えば+Y方向に移動すると、この移
動による反力で固定子21aを有するガイドバー23
A、カウンタマス26、26とともに、フレーム部材2
9が保持部材30のガイド孔31に沿って−Y方向に相
対移動する。この場合も、制御部42がレーザ干渉計4
1A、41Bの計測結果に基づいてスキャントリムモー
タ33、33を駆動することで、フレーム部材29(お
よびガイドバー23A、カウンタマス26、26)が所
定の位置に到達するようにフレーム部材29の移動量を
補正する。
【0054】さらに、図2に示すように、可動ステージ
14Aがフレーム部材29(すなわちベースプレート1
2)の中心に対して偏心している場合、可動ステージ1
4Aの移動に伴ってフレーム部材29にはZ軸回りの回
転モーメントが加わる。そのため、制御部42は、可動
ステージ14Aの位置に応じて、スキャントリムモータ
33、33の駆動を個別に制御して、このモーメントを
補正する。具体的には、図2のように、可動ステージ1
4Aがフレーム部材29の中心よりも−X側に位置して
いる場合、フレーム部材29の−X側により大きな反力
が加わる。そこで、制御部42は、可動ステージ14A
の位置に応じて、−X側のトリムモータ33を+X側の
トリムモータ33よりも大きな力で駆動してフレーム部
材29に加わるモーメントを補正する。
【0055】この結果、可動ステージ14AのY方向の
加減速時の反力は、フレーム部材29(およびガイドバ
ー23A、カウンタマス26、26)の移動により吸収
され、ベースプレート12に与える運動量は理論的にゼ
ロとなり、ウエハステージWSTにおける重心の位置が
Y方向においても実質的に固定される。また、ベースプ
レート12に対してZ軸回りのモーメントが加わること
も回避される。なお、スキャンリニアモータ21Bが作
動して、可動ステージ14BがY方向に移動する際にも
同様の動作になる。
【0056】このように、ウエハステージWSTにおい
ては、可動ステージ14A、14Bがスキャン移動方向
およびステップ移動方向のいずれの方向に移動しても、
移動に伴う反力を吸収して振動の発生を抑制することが
できる。
【0057】続いて、2つの可動ステージ14A、14
Bによる並行処理について説明する。本実施の形態で
は、例えば可動ステージ14A(すなわち試料台15
A)上のウエハW1を投影光学系PLを介して露光動作
を行っている間に、可動ステージ14Bにおいてウエハ
交換が行われ、ウエハ交換に引き続いてアライメント動
作およびオートフォーカス/オートレベリングが行われ
る。
【0058】可動ステージ14B側で、上記のウエハ交
換、アライメント動作が行われている間に、可動ステー
ジ14A側では、2枚のレチクルR1、R2(R2は不
図示)を使い、露光条件を変えながら連続してステップ
・アンド・スキャン方式により二重露光が行われる。2
つの可動ステージ14A、14B上で並行して行われる
露光シーケンスとウエハ交換・アライメントシーケンス
とは、先に終了したウエハステージの方が待ち状態とな
り、両方の動作が終了した時点で可動ステージ14A、
14Bが移動制御される。そして、露光シーケンスが終
了した可動ステージ14A上のウエハW1は、ローディ
ングポジションでウエハ交換がなされ、アライメントシ
ーケンスが終了した可動ステージ14B(すなわち試料
台15B)上のウエハW2は、投影光学系PLの下で露
光シーケンスが行われる。
【0059】このように、一方の可動ステージ側でウエ
ハ交換とアライメント動作を実行する間に、他方の可動
ステージ側で露光動作を実行することとし、両方の動作
が終了した時点でお互いの動作を切り換えるようにする
ことで、スループットを大幅に向上させることが可能に
なる。
【0060】本実施の形態のステージ装置および露光装
置では、可動ステージ14A、14BがX方向に移動す
る際にはカウンタマス26、26がその反力で移動し、
可動ステージ14A、14BがY方向に移動する際には
固定子21aを有するガイドバー23A、23B、カウ
ンタマス26、26、フレーム部材29がその反力で移
動するので、いずれの方向への移動に関しても、振動の
発生等、可動ステージ14A、14Bの移動に伴う反力
の悪影響がベースプレート12や定盤13等に及ぶこと
を防止できる。そのため、可動ステージ14A、14B
の位置制御性が向上し、高精度な露光処理を実行するこ
とが可能になる。
【0061】また、従来では、固定子と可動子とのカッ
プリングによりカウンタマス26、26やフレーム部材
29が反力移動における所定位置に到達しない可能性が
あるものの、本実施の形態では制御部42がステップト
リムモータ32、スキャントリムモータ33を介してこ
れらの運動量を補正するため、運動量保存の関係が維持
され、ウエハステージWSTにおける重心移動を阻止す
ることができる。
【0062】さらに、本実施の形態では、スキャントリ
ムモータ33、33の駆動を個別に制御することで、可
動ステージ14A、14Bの位置に応じてフレーム部材
29に発生する回転モーメントを補正できるので、ベー
スプレート12や定盤13に対してZ軸回りのモーメン
トが加わることも回避することができる。
【0063】また、本実施の形態の露光装置では、可動
ステージが二基設けられた、ダブルステージ方式を採用
しているので、一方の可動ステージ側でウエハ交換とア
ライメント動作を実行する間に、他方の可動ステージ側
で露光動作を実行する等、待機時間を削減することがで
き、スループットを大幅に向上させることが可能にな
る。
【0064】なお、上記実施の形態では、カウンタマス
26、26を断面ロ字状とし、フレーム部材29を断面
矩形とする構成としたが、これに限定されるものではな
く、例えば図5に示すように、断面視E字状のカウンタ
マス26と、断面視コ字状のフレーム部材29とが組み
合わされる構成であってもよい。なお、この図において
は、図2および図3に示した実施の形態の構成要素と同
一の要素については同一符号を付してある。
【0065】また、上記実施の形態においては、可動ス
テージが2基設けられた、ダブルステージ型の例を用い
たが、これに限定されるものではなく、可動ステージが
1基や3基以上設けられる構成であってもよい。また、
上記実施の形態では、本発明のステージ装置をウエハス
テージWSTに適用する構成としたが、これに限られ
ず、レチクルステージRSTにも適用可能である。
【0066】さらに、上記実施の形態では、本発明のス
テージ装置を露光装置のウエハステージに適用した構成
としたが、露光装置以外にも転写マスクの描画装置、マ
スクパターンの位置座標測定装置等の精密測定機器にも
適用可能である。
【0067】なお、本実施の形態の基板としては、半導
体デバイス用の半導体ウエハW1、W2のみならず、液
晶ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘ
ッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いら
れるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコン
ウエハ)等が適用される。
【0068】露光装置としては、レチクルR1、R2と
ウエハW1、W2とを同期移動してレチクルR1、R2
のパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン
方式の走査型露光装置(スキャニング・ステッパー;US
P5,473,410)の他に、レチクルRとウエハW1、W2と
を静止した状態でレチクルR1、R2のパターンを露光
し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アン
ド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー)にも適
用することができる。
【0069】露光装置の種類としては、ウエハW1、W
2に半導体デバイスパターンを露光する半導体デバイス
製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用の露
光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるい
はレチクルなどを製造するための露光装置などにも広く
適用できる。
【0070】また、露光用照明光の光源として、超高圧
水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h
線(404.7nm)、i線(365nm))、KrF
エキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ
(193nm)、F2レーザ(157nm)のみなら
ず、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができ
る。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱
電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タ
ンタル(Ta)を用いることができる。さらに、電子線
を用いる場合は、レチクルRを用いる構成としてもよい
し、レチクルRを用いずに直接ウエハ上にパターンを形
成する構成としてもよい。また、YAGレーザや半導体
レーザ等の高周波などを用いてもよい。
【0071】投影光学系PLの倍率は、縮小系のみなら
ず等倍系および拡大系のいずれでもよい。また、投影光
学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用
いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過
する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射
屈折系または屈折系の光学系にし(レチクルRも反射型
タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には
光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学
系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は、真
空状態にすることはいうまでもない。
【0072】ウエハステージWSTやレチクルステージ
RSTにリニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,1
18参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア
浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用い
た磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステー
ジWST、RSTは、ガイドに沿って移動するタイプで
もよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであっても
よい。また、ステップトリムモータ32やスキャントリ
ムモータ33においても、ガイドを設けても設けなくと
も、どちらでもよい。
【0073】各ステージWST、RSTの駆動機構とし
ては、二次元に磁石を配置した磁石ユニット(永久磁
石)と、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを
対向させ電磁力により各ステージWST、RSTを駆動
する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニッ
トと電機子ユニットとのいずれか一方をステージWS
T、RSTに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットと
の他方をステージWST、RSTの移動面側(ベース)
に設ければよい。
【0074】以上のように、本願実施形態の露光装置
は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む
各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、
光学的精度を保つように、組み立てることで製造され
る。これら各種精度を確保するために、この組み立ての
前後には、各種光学系については光学的精度を達成する
ための調整、各種機械系については機械的精度を達成す
るための調整、各種電気系については電気的精度を達成
するための調整が行われる。各種サブシステムから露光
装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機
械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等
が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組
み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程
があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光
装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行わ
れ、露光装置全体としての各種精度が確保される。な
お、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理さ
れたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0075】半導体デバイス等のマイクロデバイスは、
図6に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計
を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマ
スク(レチクル)を製作するステップ202、シリコン
材料からウエハを製造するステップ203、前述した実
施形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに
露光する露光処理ステップ204、デバイス組み立てス
テップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケー
ジ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製
造される。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係るス
テージ装置は、ステージ本体の第1方向への移動により
発生する反力により第1固定子を移動させるとともに、
ステージ本体の第2方向への移動により発生する反力に
より第1固定子と第2固定子とを移動させるように、第
1固定子と第2固定子とを配置した構成となっている。
これにより、このステージ装置では、ステージ本体が第
1方向、または第2方向のいずれの方向に移動した場合
でも、移動に伴う反力の悪影響が排除されステージ本体
の位置制御性が向上するという効果が得られる。
【0077】請求項2に係るステージ装置は、運動量補
正装置がステージ本体の移動時の運動量に基づいて、第
1固定子の移動時の運動量を補正する構成となってい
る。これにより、このステージ装置では、ステージ本体
が第1方向へ移動した際にも運動量保存の関係が維持さ
れ重心移動を阻止できるという効果が得られる。
【0078】請求項3に係るステージ装置は、ステージ
本体の第1方向への移動による反力で移動する第1固定
子をガイドし、且つステージ本体の第2方向への移動に
よる反力で第1固定子および第2固定子とともに移動す
るフレーム部材を有する構成となっている。これによ
り、このステージ装置では、フレーム部材が第1固定子
をガイドするとともに、第1固定子および第2固定子を
伴って第2方向へ移動することで、移動に伴う反力の悪
影響が排除されステージ本体の位置制御性が向上すると
いう効果が得られる。
【0079】請求項4に係るステージ装置は、第2の運
動量補正装置がステージ本体の移動時の運動量に基づい
て、フレーム部材の移動時の運動量を補正する構成とな
っている。これにより、このステージ装置では、ステー
ジ本体が第2方向へ移動した際にも運動量保存の関係が
維持され重心移動を阻止できるという効果が得られる。
【0080】請求項5に係るステージ装置は、第2の運
動量補正装置がステージ本体の位置に基づいて、第1方
向および第2方向と略直交する方向に延びる軸線周りの
フレーム部材の回転を補正する構成となっている。これ
により、このステージ装置では、ベースプレートや定盤
に対して回転モーメントが加わることを回避できるとい
う効果が得られる。
【0081】請求項6に係るステージ装置は、ステージ
本体が互いに独立移動自在に複数設けられる構成となっ
ている。これにより、このステージ装置では、スループ
ットを大幅に向上させることができるという効果が得ら
れる。
【0082】請求項7に係るステージ装置は、マスクス
テージと基板ステージとの少なくとも一方のステージと
して、請求項1から6のいずれかに記載されたステージ
装置が用いられる構成となっている。これにより、この
ステージ装置では、ステージ本体が第1方向、または第
2方向のいずれの方向に移動した場合でも、移動に伴う
反力の悪影響が排除され、マスクまたは基板の少なくと
も一方の位置制御性が向上することで、高精度な露光処
理が実現するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す図であって、露
光装置の概略構成図である。
【図2】 同露光装置を構成するウエハステージの平
面図である。
【図3】 図2における断面図である。
【図4】 露光装置の制御ブロック図である。
【図5】 ウエハステージの別の実施の形態を示す部
分断面図である。
【図6】 半導体デバイスの製造工程の一例を示すフ
ローチャート図である。
【符号の説明】
R1 レチクル(マスク) W1、W2 ウエハ(基板) RST レチクルステージ(マスクステージ) WST ウエハステージ(基板ステージ、ステージ装
置) 14A、14B 可動ステージ(ステージ本体) 21A、21B スキャンリニアモータ(第2駆動装
置) 22A、22B ステップリニアモータ(第1駆動装
置) 24A、24B 可動子(第1可動子) 25 固定子(第1固定子) 29 フレーム部材 32 ステップトリムモータ(運動量補正装置) 33 スキャントリムモータ(第2の運動量補正装置、
回転補正装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F078 CA02 CA08 CB09 CB12 CB13 CC11 5F031 CA02 CA05 HA13 HA55 HA57 JA02 JA06 KA06 LA08 MA27 PA18 PA30 5F046 BA04 BA05 CC01 CC02 CC19

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1方向および該第1方向とは異なる
    第2方向に移動するステージ本体を有するステージ装置
    において、 第1可動子と第1固定子とを有し、前記ステージ本体を
    前記第1方向に駆動する第1駆動装置と、 第2可動子と第2固定子とを有し、前記ステージ本体を
    前記第2方向に駆動する第2駆動装置とを備え、 前記ステージ本体の前記第1方向への移動により発生す
    る反力により前記第1固定子を移動させるとともに、前
    記ステージ本体の前記第2方向への移動により発生する
    反力により前記第1固定子と前記第2固定子とを移動さ
    せるように、前記第1固定子と前記第2固定子とを配置
    したことを特徴とするステージ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のステージ装置におい
    て、前記ステージ本体の移動時の運動量に基づいて、前
    記第1固定子の移動時の運動量を補正する運動量補正装
    置を有することを特徴とするステージ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のステージ装置
    において、 前記ステージ本体の前記第1方向への移動による反力で
    移動する前記第1固定子をガイドし、且つ前記ステージ
    本体の前記第2方向への移動による反力で前記第1固定
    子および前記第2固定子とともに移動するフレーム部材
    を有することを特徴とするステージ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のステージ装置におい
    て、 前記ステージ本体の移動時の運動量に基づいて、前記フ
    レーム部材の移動時の運動量を補正する第2の運動量補
    正装置を有することを特徴とするステージ装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のステージ装置におい
    て、 前記第2の運動量補正装置は、前記ステージ本体の位置
    に基づいて、前記第1方向および前記第2方向と略直交
    する方向に延びる軸線周りの前記フレーム部材の回転を
    補正することを特徴とするステージ装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載のス
    テージ装置において、 前記ステージ本体は、互いに独立移動自在に複数設けら
    れることを特徴とするステージ装置。
  7. 【請求項7】 マスクステージに保持されたマスクの
    パターンを基板ステージに保持された基板に露光する露
    光装置において、 前記マスクステージと前記基板ステージとの少なくとも
    一方のステージとして、請求項1から6のいずれかに記
    載されたステージ装置が用いられることを特徴とする露
    光装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004105105A1 (ja) * 2003-05-21 2004-12-02 Nikon Corporation ステージ装置及び露光装置、並びにデバイス製造方法

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