JP2005320347A - 毛髪の染毛方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸性染毛剤による染色性および堅牢性をより一層向上させる毛髪の染毛方法を提供すること。
【解決手段】アミン系ポリマーおよび第四級アンモニウム基含有ポリマーからなる群より選ばれた少なくとも1種のカチオンポリマーを含有してなる酸性染毛剤用前処理剤に毛髪を浸漬させた後、該毛髪を酸性染毛剤で染色することを特徴とする毛髪の染毛方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、毛髪の染毛方法に関する。さらに詳しくは、酸性染毛剤の染色性および堅牢性を向上させる毛髪の染毛方法に関する。
酸性染毛剤は、酸化染毛剤と比較して、一般に染色性が弱いという欠点がある。そこで、かかる欠点を解消するために、従来、種々の検討が行われている。
染色性を向上させる方法としては、例えば、羊毛の溶剤添加染色法や低温染色法に用いられる、酸性染料などを含有した酸性水浴中に、ベンジルアルコール、2−ベンジルオキシエタノール、尿素、フェノール、m-クレゾールなどを添加する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。前記添加成分のなかでも、ベンジルアルコールは、酸性染毛剤における浸透促進剤として、一般に広く使用されている。しかしながら、かかる方法には、酸性染毛剤として利用した場合、酸化染毛剤に比較して、染色性能および堅牢性が悪いという欠点がある。
また、染色性を向上させる他の方法として、2−ベンジルオキシエタノールを用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、かかる方法には、上記ベンジルアルコールに比較して、染色性能および堅牢性が同等、あるいはそれ以下という欠点がある。
また、羊毛、人毛などのケラチン繊維の低温染色法の1つとして、あらかじめ両性界面活性剤でケラチン繊維を処理し、その後染色する方法(例えば、特許文献2参照)、この両性界面活性剤の代わりにカチオン界面活性剤を用いる方法(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。しかしながら、これらの方法には、市販酸性染毛剤と組み合わせた場合、染色性能が向上せず、特に損傷毛に対する染色性能はかえって悪くなるという欠点がある。
ところで、つや、櫛通り性、風合いなどを向上させる成分として、カチオンポリマーを使用することが提案されている。なかでも、ポリエチレンイミンは、アルカリ性であるため、アンモニア、モノエタノールアミン等のアルカリ剤の代わりに酸化染料を用いた毛髪染色剤に使用することや(例えば、特許文献4参照)、ポリエチレンイミンを第一剤とし、チロシン、DL- β- アラニンなどのメラニン前駆体および金属塩を配合した第二剤とする染毛剤(例えば、特許文献5参照)などが提案されている。
このように、カチオンポリマーは、つや、櫛通り性および風合いの向上剤としてだけでなく、染色性を向上させる染色助剤として使用されている。しかしながら、カチオンポリマーを、酸性染料に応用した例は報告されていない。
その理由として、酸性染料は、その分子中にスルホン基を有しており、カチオンポリマーが存在すると染料のスルホン基とカチオン基との間でイオンコンプレックスを形成し、毛髪内部に効率よく酸性染料を浸透させることができず、特にポリエチレンイミンなどのアルカリ性のカチオンポリマーと、酸性染料とを併用することができないことなどが挙げられる。
これらの理由から、従来、カチオンポリマーと酸性染料とを同時に使用することが困難であると考えられている。
特開平4−69323号公報 特開平2- 502740号公報 特開平8- 301738号公報 特公平6−13451号公報 特公昭61−20523号公報 「染浴の基礎物理化学」、木村光雄著、繊維研究社、p51〜54
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、酸性染毛剤による染色性および堅牢性をより一層向上させる毛髪の染毛方法を提供することを課題とするものである。
即ち、本発明は、アミン系ポリマーおよび第四級アンモニウム基含有ポリマーからなる群より選ばれた少なくとも1種のカチオンポリマーを含有してなる酸性染毛剤用前処理剤に毛髪を浸漬させた後、該毛髪を酸性染毛剤で染色することを特徴とする毛髪の染毛方法に関する。
本発明の毛髪の染毛方法によれば、酸性染毛剤による染色性および堅牢性をより一層向上させるという効果が奏される。
本発明に用いられる酸性染毛剤用前処理剤は、前記したように、アミン系ポリマーおよび第四級アンモニウム基含有ポリマーからなる群より選ばれた少なくとも1種のカチオンポリマーを含有するものである。
本発明に用いられる酸性染毛剤用前処理剤には、このように特定のカチオンポリマーが含有されているので、酸性染毛剤で染色する前にこれを用いて毛髪を処理した際に毛髪中にカチオンが導入されるため、酸性染毛剤による染色性および堅牢性が向上するのみならず、毛髪のすすぎ時のきしみ感が減少するという優れた効果が発現される。また、健常毛だけでなく、損傷毛に対しても上記と同様な優れた効果が発現される。
アミン系ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸アミド、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン(以下、PEIという)またはその誘導体などの第一級アミンポリマー;ポリアミン、PEIまたはその誘導体などの第二級アミンポリマー;PEIまたはその誘導体などの第三級アミンポリマーなどが挙げられ、これらのカチオンポリマーは、単独でまたは2種以上混合して使用することができる。なお、PEIまたはその誘導体は、第一級アミノ基、第二級アミノ基および第三級アミノ基を有するので、第一級アミンポリマー、第二級アミンポリマーおよび第三級アミンポリマーのいずれでも使用しうるものである。
これらのアミン系ポリマーのなかでは、PEIまたはその誘導体は、電荷密度が高く、分子中に数多くのカチオンチャージを有しているので、好適に使用しうるものである。
PEIの誘導体としては、例えば、PEIの第二級アミノ基または第三級エチレンイミノ基に、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、炭素数4〜22の分子鎖を有するアルキル基などが等モル以上で付加したPEI誘導体などが挙げられる。
PEIまたはその誘導体の数平均分子量は、300〜500000、好ましくは300〜300000、より好ましくは500〜100000であることが望ましい。
PEIの市販品としては、例えば、エポミンSP−003、エポミンSP−006、エポミンSP−200、エポミンP−1000〔以上、(株)日本触媒製、商品名〕、Lupasol〔BASF社製、商品名〕などが挙げられる。
また、第四級アンモニウム基含有ポリマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース・ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、ヒドロキシエチルセルロース・ジメチルジアリルアンモニウムクロリド共重合体、グアーガム・塩化ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムエーテル、カチオン化プルラン、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ジエチル硫酸ビニルピロリドン・N ,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウムホモポリマー、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、カチオン化シリコーン共重合体などが挙げられ、これらのカチオンポリマーは、単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
ヒドロキシエチルセルロース・ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテルの市販品としては、例えば、レオガードG、レオガードNGP、レオガードKGP〔以上、ライオン(株)製、商品名〕、カチナールHC−100、カチナールLC−100〔以上、東邦化学工業(株)製、商品名〕〕などが挙げられる。ヒドロキシエチルセルロース・ジメチルジアリルアンモニウムクロリド共重合体の市販品としては、例えば、セルコートL-200、セルコートH−60〔以上、ナショナルスターチ社製、商品名〕などが挙げられる。グアーガム・塩化ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムエーテルの市販品としては、例えば、ジャガーC−13−S、ジャガーC−15−S〔以上、セラニーズ・シュタイン・ホール社製、商品名〕などが挙げられる。塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体の市販品としては、例えば、マーコート550〔カルゴン社製、商品名〕などが挙げられる。ジエチル硫酸ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体の市販品としては、例えば、H.C.ポリマー5〔大阪有機化学工業(株)製、商品名〕、ガフコート755N〔ISP社製、商品名〕などが挙げられる。塩化ジメチルジアリルアンモニウムホモポリマーの市販品としては、例えば、マーコート100〔カルゴン社製、商品名〕などが挙げられる。塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル共重合体の市販品としては、例えば、マーコート280、マーコート295〔以上、カルゴン社製、商品名〕などが挙げられる。アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアクリルアンモニウム共重合体の市販品としては、マーコートプラス3330〔カルゴン社製、商品名〕などが挙げられる。カチオン化シリコーン重合体の市販品としては、SM8704C〔東レダウコーニングシリコン社製、商品名〕などが挙げられる。
本発明に用いられる酸性染毛剤用前処理剤におけるカチオンポリマーの含有量は、染色性能および堅牢性の効果性、すすぎ時のきしみ感減少および経済性(30重量%を超えて配合しても、その分だけ余剰分としてすすぎにより洗い流されてしまう)の観点から、0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜20重量%であることが望ましい。
また、本発明に用いられる酸性染毛剤用前処理剤には、染色性能および堅牢性をさらに向上し、すすぎ時のきしみ感を減少するために、カチオンポリマー以外の成分として、尿素を含有させることができる。
本発明に用いられる酸性染毛剤用前処理剤における尿素の含有量は、染色性能および堅牢性の効果性およびすすぎ時のきしみ感減少および経済性(60重量%を超えて配合しても、その分だけ余剰分としてすすぎにより洗い流されてしまう)の観点から、0.1〜60重量%、好ましくは0.5〜40重量%であることが望ましい。
また、本発明においては、カチオンポリマーが毛髪中に浸透するのを促進させるために、有機溶媒を用いることが好ましい。
有機溶媒としては、例えば、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドンなどのN−アルキルピロリドン;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの低級アルキレンカーボネート;ベンジルアルコール、2−ベンジルオキシエタノールなどの芳香属アルコールなどが挙げられる。さらには、上記芳香属アルコールと、低級アルコールを組み合わせて用いるのがより好ましい。
酸性染毛剤用前処理剤における有機溶媒の含有量は、毛髪中への有効成分の十分な浸透促進効果の観点から、1〜40重量%、好ましくは5〜20重量%であることが望ましい。1重量%未満では毛髪中への有効成分の浸透促進効果が十分でなく、40重量%を超えて配合しても、それ以上の効果が望めないからである。
なお、酸性染毛剤用前処理剤における前記成分の残部は、水である。かかる水としては、蒸留水、市水、精製水などを用いることができる。
酸性染毛剤用前処理剤のpHは、2〜11、好ましくは7〜11であることが望ましい。pHは、例えば、クエン酸、酢酸、グリコール酸、レブリン酸、酒石酸等の有機酸、りん酸緩衝液、アンモニア、モノエタノールアミンなどのpH調整剤を用いて容易に調整することができる。
酸性染毛剤用前処理剤の剤型には、特に限定がなく、その例としては、例えば、水溶液、クリーム、ゲル、ディスパージョン、エマルジョン、エアゾールなどが挙げられる。
本発明に用いられる酸性染毛剤用前処理剤は、例えば、以下のようにして使用することができる。まず、毛髪を酸性染毛剤用前処理剤中に室温〜60℃の温度で1分〜1時間程度浸漬させ、水洗した後、酸性染毛剤で染色する。
酸性染毛剤としては、特に限定がなく、従来、使用されているものを使用することができる。
なお、pHが7〜11に調整された酸性染毛剤用前処理剤を用いた場合には、毛髪がアルカリ性となるため、酸性染毛剤で染色する前に、毛髪のpHが中性付近となるように処理剤などで毛髪を前処理しておくことが好ましい。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1〜5および比較例1
表1に示す成分を表1に示す濃度となるように、蒸留水で希釈して酸性染毛剤用前処理剤を得た。
得られた酸性染毛剤用前処理剤を用いて以下の方法により、染色性、堅牢性およびきしみ感を評価した。その結果を表1に示す。
〔染色性〕
乾燥したヤクの毛束1gを酸性染毛剤用前処理剤中に室温で15分間浸漬し(浴比15倍)、1分間水洗した後、キムタオルで毛束中の水分を拭き取った。
次に、だいだい色205号の0.1重量%水溶液に、前記で処理したヤクの毛束を室温で20分間浸漬した後(浴比15倍)、1分間水洗し、十分に乾燥させることにより、染色毛束を得た。
かくして得られた染色毛束を分光測色計〔日本電色工業(株)製、商品名:SZ−Σ80、以下同じ〕を用いて直接的に測定し、染色毛束と未染色毛束との色差(ΔE)を算出し、染色性を評価した。
なお、ΔE値が大きいほど、染色性がよいことを表わす。
〔堅牢性およびきしみ感〕
各染色毛束をエマール20C(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(3E.O)、花王(株)製、商品名)の10重量%水溶液中に40℃で3時間浸漬した後(浴比15倍)、1分間水洗し、室温にて乾燥させたものを分光測色計を用いて測定し、染色毛束と未染色毛束との色差(ΔE)を算出し、染色性評価の際に算出した色差(ΔE)と比較することにより、堅牢性を評価した。
〔毛束の水洗時のきしみ感〕
毛束の水洗時のきしみ感の減少は、以下の評価基準に基づいて専門パネラー5名により官能評価した。
(評価基準)
◎:非常に良好(5名中4名以上が良い)
○:良好(5名中3名が良い)
△:やや悪い(5名中2名が良い)
×:悪い(5名中1名以下が良い)
Figure 2005320347
表1に示された結果から、アミン系ポリマーまたは第四級アンモニウム基含有ポリマーを含有する酸性染毛剤用前処理剤で処理した場合には(実施例1〜5)、比較例1(蒸留水)と対比して、染色性および堅牢性に優れることがわかる。
なかでも特に、PEIを含有する酸性染毛剤用前処理剤で処理した場合には、染色性がより優れることがわかる。
また、実施例1〜5で得られた酸性染毛剤用前処理剤で処理した場合には、シャンプーすすぎ時におけるきしみ感がなくなり、良好な施術性が得られることがわかる。
実施例6〜9および比較例2
表2に示す分子量が異なるPEIを表2に示す濃度となるように蒸留水に溶解し、酸性染毛剤用前処理剤を調製した。
次に、得られた酸性染毛剤用前処理剤を用い、染色性を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表2に示す。
〔染色性〕
乾燥したヤクの毛束1gを酸性染毛剤用前処理剤に室温で20分間浸漬し(浴比15倍)、1分間水洗した後、キムタオルで毛束中の水分を拭き取った。
次に、だいだい色205号の0. 1重量%水溶液(4重量%クエン酸含有)に、前記で処理したヤクの毛束を室温で20分間浸漬した後(浴比15倍)、1分間水洗し、十分に乾燥させることにより、染色毛束を得た。
かくして得られた染色毛束を分光測色計を用いて直接的に測定し、染色毛束と未染色毛束との色差(ΔE)を算出し、染色性を評価した。
なお、ΔE値が大きいほど、染色性がよいことを表わす。
Figure 2005320347
表2に示された結果から、数平均分子量が600〜70000を有するPEIを含有する酸性染毛剤用前処理剤(実施例6〜9)で処理した場合には、比較例2(蒸留水)と対比して、染色性に優れることがわかる。
実施例10〜20および比較例3〜4
表3に示す含有量となるように、PEI、尿素および1−メチル−2−ピロリドンを蒸留水に溶解させて酸性染毛剤用前処理剤を得た。
次に、得られた酸性染毛剤用前処理剤を用いて染色性、堅牢性およびきしみ感を評価した。その結果を表3に示す。
なお、染色性は以下の方法にしたがって調べ、堅牢性およびきしみ感は実施例1〜5と同様にして調べた。
〔染色性〕
乾燥したヤクの毛束1gを酸性染毛剤用前処理剤中に50℃で15分間浸漬し(浴比15倍)、1分間水洗した後、キムタオルで毛束中の水分を拭き取った。
次に、だいだい色205号の0. 1重量%水溶液(4重量%クエン酸含有)に室温で20分間浸漬した後(浴比15倍)、1分間水洗し、十分に乾燥させることにより、染色毛束を得た。
かくして得られた染色毛束を分光測色計を用いて測定し、染色毛束と未染色毛束との色差(ΔE)を算出し、染色性を評価した。
なお、ΔE値が大きいほど、染色性がよいことを表わす。
Figure 2005320347
表3に示された結果から、PEIを0. 10〜20重量%含有する酸性染毛剤用前処理剤で処理した場合には(実施例10〜20)、比較例3(PEI使用せず)と対比して、染色性および堅牢性に優れていることがわかる。
また、酸性染毛剤用前処理剤に尿素が含有されている場合には(実施例16〜20)、PEIが含有されていない酸性染毛剤用前処理剤を用いた場合(実施例14)と対比して、堅牢性に優れ、すすぎ時のきしみ感がないことがわかる。
また、実施例19と、実施例14および比較例4とを対比して、PEIの単独使用あるいは尿素の単独使用よりも、PEIと尿素を併用のほうが、両者併用による相乗効果として、染色性および堅牢性が向上することがわかる。
実施例21〜24および比較例5〜6
表4に示す含有量となるように、PEI、尿素および1−メチル−2−ピロリドンを蒸留水に溶解させて酸性染毛剤用前処理剤を得た。
次に、得られた酸性染毛剤用前処理剤を用いて染色性、堅牢性およびきしみ感を評価した。その結果を表4に示す。
なお、染色性は以下の方法にしたがって調べ、堅牢性およびきしみ感は実施例1〜5と同様にして調べた。
〔染色性〕
乾燥した人毛白髪毛束1gを酸性染毛剤用前処理剤中に50℃で15分間浸漬し(浴比15倍)、1分間水洗した後、キムタオルで毛束中の水分を拭き取った。
次に、だいだい色205号の0. 1重量%水溶液(4重量%クエン酸含有)に50℃で20分間浸漬した後(浴比15倍)、1分間水洗し、十分に乾燥させることにより、染色毛束を得た。
得られた染色毛束を分光測色計を用いて測定し、染色毛束と未染色毛束との色差(ΔE)を算出し、染色性を評価した。
なお、ΔE値が大きいほど、染色性がよいことを表わす。
Figure 2005320347
表4に示された結果から、PEIを含有する酸性染毛剤用前処理剤(実施例21〜24)で処理した場合、比較例5(PEIを含有せず、図5)と対比して、染料の浸透が促進されていることに起因して、染色性および堅牢性に優れたものであることがわかる。
また、PEIと尿素が併用されている酸性染毛剤用前処理剤(実施例23〜24、図3〜4)は、PEI単独使用の酸性染毛剤用前処理剤(実施例21〜22、図1〜2)と対比して、染料の浸透が促進されていることに起因して、染色性および堅牢性に優れ、すすぎ時のきしみ感がないことがわかる。
また、PEIを含有せず、尿素を含有する酸性染毛剤用前処理剤(比較例6)を用いて処理した場合には(図6)、染色性および堅牢性はあまり向上しないが、尿素とPEIとを含有する酸性染毛剤用前処理剤(実施例23〜24)を用いで処理した場合には(図3〜4)、染色性および堅牢性に優れ、すすぎ時のきしみ感がないことがわかる。
実施例25〜26および比較例7〜9
表5に示す含有量となるように、PEI、コータミン86W、尿素および1−メチル−2−ピロリドンを蒸留水に溶解させて酸性染毛剤用前処理剤を得た。
次に、得られた酸性染毛剤用前処理剤を用いて染色性、堅牢性およびきしみ感を評価した。その結果を表5に示す。
なお、染色性は以下の方法にしたがって調べ、堅牢性およびきしみ感は実施例1〜5と同様にして調べた。
〔染色性〕
乾燥した人毛白髪毛束1gを酸性染毛剤用前処理剤中に50℃で15分間浸漬し(浴比15倍)、1分間水洗した後、キムタオルで毛束中の水分を拭き取った。
次に、だいだい色205号の0. 1重量%水溶液(4重量%クエン酸含有)に50℃で20分間浸漬した後(浴比15倍)、1分間水洗し、十分に乾燥させることにより、染色毛束を得た。
得られた染色毛束を分光測色計を用いて測定し、染色毛束と未染色毛束との色差(ΔE)を算出し、染色性を評価した。
なお、ΔE値が大きいほど、染色性がよいことを表わす。
Figure 2005320347
表5に示された結果から、数平均分子量70000のPEIを含有する酸性染毛剤用前処理剤(実施例25、図7)で処理した場合には、PEIを含有しない酸性染毛剤用前処理剤(比較例7)で処理した場合と対比して、染色性および堅牢性に優れたものであることがわかる。
また、PEIの代わりに、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(低分子量のカチオン界面活性剤)を含有する酸性染毛剤用前処理剤(比較例8〜9)で処理した場合には、数平均分子量70000のPEIを含有する酸性染毛剤用前処理剤(実施例25)で処理した場合と対比して、染色性および堅牢性がやや向上するものの、きしみ感に劣ることがわかる。
また、数平均分子量70000のPEIおよび尿素を含有する酸性染毛剤用前処理剤(実施例26、図8)で処理した場合には、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(低分子量のカチオン界面活性剤)のみを含有する酸性染毛剤用前処理剤(比較例8)で処理した場合と対比して、堅牢性およびきしみ感に優れることがわかる。
実施例27〜30および比較例10〜13
表6に示す含有量となるように、PEI、コータミン86W、尿素、および1−メチル−2−ピロリドンを蒸留水に溶解させて酸性染毛剤用前処理剤を得た。
次に、得られた酸性染毛剤用前処理剤を用いて、染色性、堅牢性およびきしみ感を評価した。その結果を表6に示す。
なお、染色性は以下の方法にしたがって調べ、堅牢性およびきしみ感は、実施例1〜5と同様にして調べた。
〔染色性〕
乾燥した白髪毛束1gをブリーチ処理(6%過酸化水素水(pH10.2)、γ.t.,1hr(浴比1:50))することにより、予め損傷毛を作製した。これら白髪毛束1gを酸性染毛剤用前処理剤中に50℃で15分間浸漬し(浴比15倍)、1分間水洗した後、キムタオルで毛束中の水分をふき取った。
次に、毛束に市販酸性染毛剤Aを5g塗布し、50℃で20分間保温した後、1分間水洗し、十分に乾燥させることにより、染色毛束を得た。
得られた染色毛束を分光測色計を用いて測定し、染色毛束と未染色毛束との色差(ΔE)を算出し、染色性を評価した。
なお、ΔE値が大きいほど、染色性がよいことを表わす。
Figure 2005320347
表6に示された結果から、健常毛に対して、PEIおよび尿素を含有する酸性染毛剤用前処理剤(実施例27、29)で処理した場合には、前処理をしない場合(比較例10)と対比して、染色性、および堅牢性に優れ、すすぎ時のきしみ感がないことがわかる。
損傷毛(ブリーチ処理)に対しても、PEIおよび尿素を含有する酸性染毛剤用前処理剤(実施例28、30)で処理した場合には、前処理をしない場合(比較例11)と対比して、染色性に優れ、すすぎ時のきしみ感がないことがわかる。特に低分子量PEIおよび尿素を含有する酸性染毛剤用前処理剤(実施例30)で処理した場合には、前処理をしない場合(比較例11)と対比して、堅牢性に優れたものであることがわかる。
また、健常毛に対して、PEIの代わりに、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムおよび尿素を含有する酸性染毛剤用前処理剤(比較例12)で処理した場合には、前処理をしない場合(比較例10)と対比して、染色性、および堅牢性に差がなく、すすぎ時のきしみ感も改善されないことがわかる。
また、損傷毛に対して、PEIの代わりに、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムおよび尿素を含有する酸性染毛剤用前処理剤(比較例13)で処理した場合には、前処理をしない場合(比較例11)と対比して、染色性および堅牢性が、かえって悪くなり、すすぎ時のきしみ感も改善されないことがわかる。
処方例1〔ジェルタイプの酸性染毛剤用前処理剤の調製〕
以下の各成分を混合して、ジェルタイプの酸性染毛剤用前処理剤を調製した。
(成分) (重量%)
PEI 10
尿素 20
ベンジルアルコール 5
エタノール 20
キサンタンガム 1
香料 適量
精製水 残部
処方例2(液状タイプの酸性染毛剤用前処理剤の調製)
以下の各成分を混合して、液状タイプの酸性染毛剤用前処理剤を調製した。
(成分) (重量%)
PEI 10
尿素 20
ベンジルアルコール 5
エタノール 20
香料 適量
精製水 残部
処方例3(ヘアクリームタイプの酸性染毛剤用前処理剤の調製)
以下の各成分を混合して、ヘアクリームタイプの酸性染毛剤用前処理剤を調製した。
(成分) (重量%)
流動パラフィン 15
ワセリン 15
サラシミツロウ 2
防腐剤 適量
香料 適量
PEI 5
尿素 20
キサンタンガム 0. 1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 3
精製水 残部
本発明の実施例21で得られた染色毛の断面の顕微鏡写真(倍率:400倍)である。 本発明の実施例22で得られた染色毛の断面の顕微鏡写真(倍率:400倍)である。 本発明の実施例23で得られた染色毛の断面の顕微鏡写真(倍率:400倍)である。 本発明の実施例24で得られた染色毛の断面の顕微鏡写真(倍率:400倍)である。 比較例5で得られた染色毛の断面の顕微鏡写真(倍率:400倍)である。 比較例6で得られた染色毛の断面の顕微鏡写真(倍率:400倍)である。 本発明の実施例25で得られた染色毛の断面の顕微鏡写真(倍率:400倍)である。 本発明の実施例26で得られた染色毛の断面の顕微鏡写真(倍率:400倍)である。

Claims (6)

  1. アミン系ポリマーおよび第四級アンモニウム基含有ポリマーからなる群より選ばれた少なくとも1種のカチオンポリマーを含有してなる酸性染毛剤用前処理剤に毛髪を浸漬させた後、該毛髪を酸性染毛剤で染色することを特徴とする毛髪の染毛方法。
  2. カチオンポリマーの含有量が0.01〜30重量%である請求項1記載の毛髪の染毛方法。
  3. カチオンポリマーがポリエチレンイミンまたはその誘導体である請求項1または2記載の毛髪の染毛方法。
  4. ポリエチレンイミンまたはその誘導体の数平均分子量が300〜500000である請求項3記載の毛髪の染毛方法。
  5. さらに尿素を含有する請求項1〜4いずれか記載の毛髪の染毛方法。
  6. 尿素の含有量が0.1〜60重量%である請求項5記載の毛髪の染毛方法。
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JP2010502721A (ja) * 2006-09-13 2010-01-28 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 有機溶媒で毛髪を前処理するプロセス

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