JP2005305839A - 光記録材料及び光記録媒体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、光の照射により情報の記録を行う光記録媒体及びそれに用いられる光記録材料に関する。
光記録媒体としてはすでに、CD−R(追記型CD)やDVD−R(追記型DVD)等の光記録ディスクが広く普及しているが、記録密度のさらなる高密度化のため、その記録・再生光の短波長化が進められている。例えば、CD−Rの現行の記録・再生波長は780nmであるが、次世代のCD−RやDVD−Rでは635〜680nmまで短波長化される。このような短波長の光に対応するための光記録媒体に用いる色素としては、アゾメチン化合物と金属とのキレート化合物からなる色素等が知られている(例えば、特許文献1。)。
特開平10−273484号公報
近年、上述の高密度化の一方で、光記録媒体への情報の記録のさらなる高速化が望まれている。そのためには、光記録媒体に用いる色素にはより高い感度が求められるが、色素の感度を高めると、耐光性の低下を伴う傾向にある。しかも、情報の記録を高速化する場合、通常、より高いパワーのレーザー光が使用されるため、レーザー光に対する耐光性をさらに高める必要があり、感度と耐光性との両立は極めて困難となる。さらに、色素を高感度化すると、再生信号の時間方向の揺らぎ(ジッター)の増加も伴う傾向にあるという問題もある。
したがって、上記特許文献1に記載のキレート化合物等の従来の色素では、情報の記録のさらなる高速化に対しては、感度、耐光性及びジッターについて同時に満足するレベルを達成することは困難となりつつあった。
そこで、本発明は、感度、耐光性及びジッターの全てを従来よりも高水準でバランスよく達成することが可能な光記録材料、並びにその光記録材料を用いた光記録媒体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、種々の色素について鋭意検討した結果、光記録材料を構成する色素として、下記のような、特定の構造を有する芳香族環でアゾメチン基を置換したアゾメチン化合物を用いることによって、感度、耐光性及びジッターの全てを高水準でバランスよく達成することが可能であることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の光記録材料は、光の照射により情報の記録が可能な光記録媒体に用いられる光記録材料であって、下記一般式(1)で表されるアゾメチン化合物と金属とのキレート化合物を含有することを特徴とする。
また、本発明の光記録媒体は、光の照射により情報の記録が可能な光記録媒体に用いられる光記録材料であって、下記一般式(1)で表されるアゾメチン化合物と金属とのキレート化合物を含有する記録層を備えることを特徴とする。
但し、Q1、Q2及びQ3はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族環を構成する原子群を示し、Xは活性水素原子を有する1価の基を示し、同一分子中の複数のXは同一でも異なっていてもよく、A1が一般式(13)で表される1価の基であるときは、A2は一般式(12)又は(13)で表される1価の基である。]
上記アゾメチン化合物において、Xは、水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアミド基又は置換基を有していてもよいスルホンアミド基であることが、記録層を形成するための塗布液の溶媒に対する溶解性が良好となる点等で、好ましい。
また、Q1は、置換基を有していてもよいベンゼン環を構成する原子群であることが好ましく、Q2及びQ3は、それぞれ独立に、5員環と6員環とからなり置換基を有していてもよい縮合複素環、置換基を有していてもよい5員環及び置換基を有していてもよい6員環からなる群より選ばれる芳香族環を構成する原子群であることが好ましい。
一方、アゾメチン化合物とともにキレート化合物を形成する金属は、ニッケル又はコバルトであることが好ましい。
本発明の記録材料、並びに本発明の光記録媒体が備える記録層は、シアニン色素をさらに含有することが好ましい。上記キレート化合物は優れたクエンチャー機能を有しており、特にシアニン色素と併用した場合に、色素の酸化による劣化を効果的に抑制することができる。
本発明によれば、感度、耐光性及びジッターの全てを高水準でバランスよく達成することが可能な光記録材料、並びにその光記録材料を用いた光記録媒体が提供される。
以下、場合により図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
(光記録材料)
本発明の光記録材料は、下記一般式(1)で表されるアゾメチン化合物と金属とのキレート化合物を含有する。
本発明の光記録材料は、下記一般式(1)で表されるアゾメチン化合物と金属とのキレート化合物を含有する。
一般式(1)中、A1及びA2はそれぞれ独立に下記一般式(11)、(12)又は(13)で表される1価の基を示し、R1は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。但し、A1が一般式(13)で表される1価の基であるときは、A2は一般式(12)又は(13)で表される1価の基である。また、A1が一般式(11)又は(12)で表される1価の基で、A2が一般式(11)、(12)又は(13)で表される基であることが好ましく、A1及びA2がそれぞれ独立に一般式(11)又は(12)で表される1価の基であることがさらに好ましい。
上記一般式(11)、(12)及び(13)において、Q1、Q2及びQ3はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族環を構成する原子群を示し、Xは活性水素原子を有する1価の基を示し、同一分子中の複数のXは同一でも異なっていてもよい。
Q1が構成する芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ピラゾール環、ピリジン環、キノリン環等が挙げられ、これらの中でもベンゼン環が好ましい。
一方、Q2及びQ3が構成する芳香族環は、それぞれ独立に、5員環と6員環とからなり置換基を有していてもよい縮合複素環、置換基を有していてもよい5員環及び置換基を有していてもよい6員環からなる群より選ばれる芳香族環が好ましい。Q2が構成する芳香族環の好適な具体例としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、1,2,4−トリアゾール環、1,2,3−トリアゾール環、インドール環、ベンゾイミダゾール環及びインダゾール環等が挙げられる。Q3が構成する芳香族環の好適な具体例としては、チアジアゾール環、ピリジン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール若しくはそのモノアザ同族体の環及びイソキノリン環等が挙げられる。
上記のような芳香族環が有する置換基は、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシ基、アルケニル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン基、スルホン酸エステル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アミド基、アミノ基及びニトロ基から選ばれる一価の基が挙げられる。同一分子中に置換基が複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。また、同一の芳香族環に2個以上の置換基が結合しているとき、それらは互いに連結して環を形成してもよい。
上記一般式(11)におけるXは、活性水素原子を有する官能基である。この活性水素原子を有する官能基としては、例えば、水酸基(−OH)、アミノ基(−NH2)、アミド基(−CONH2)、スルホンアミド基(−SO2NH2)、チオール基(−SH)、カルボキシ基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)等が挙げられ、これらはさらに置換基を有していてもよい。これらの中でも、Xは、水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアミド基又は置換基を有していてもよいスルホンアミド基であることが特に好ましい。
上記のような活性水素原子を有する官能基に結合する置換基としては、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン基、スルファモイル基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アミド基、アミノ基、アルケニル基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、チオシアノ基、アルキルチオ基、アルキルアゾメチン基、アラルキル基などが挙げられる。これらの中でも、アルキル基、スルホン基(−SO2−R;Rは置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を表す)、アシル基(−CO−R;Rは置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を表す)が好ましい。スルホン基及びアシル基のRがアルキル基である場合、その炭素数は1〜6であることが好ましい。
以上のようなアゾメチン化合物のうち、特に好適な具体例としては、表1〜14に挙げたNo.101〜162の化学式で表されるものが挙げられ、これらを単独又は複数組み合わせて用いることができる。表1〜5にはA1及びA2が一般式(11)で表される1価の基である例を、表6〜7にはA1が一般式(11)、A2が一般式(12)で表される1価の基である例を、表8〜9にはA1が一般式(12)、A2が一般式(11)で表される1価の基である例を、表10にはA1及びA2が一般式(12)で表される1価の基である例を、表11にはA1が一般式(11)、A2が一般式(13)で表される1価の基である例を、表12にはA1及びA2が一般式(13)で表される1価の基である例を、表13にはA1が一般式(12)、A2が一般式(13)で表される1価の基である例を、表14にはA1が一般式(13)、A2が一般式(12)で表される1価の基である例を、それぞれ示した。
これらアゾメチン化合物は、所定の置換基が結合した芳香族環で置換されたアルデヒド化合物又はケトン化合物と、所定の置換基が結合した芳香族環で置換されたアミン化合物とを反応させて脱水縮合すること等によって、合成することができる。例えば、表1に示すNo.101のアゾメチン化合物は、下記反応式(S)で表される反応によって合成できる。この反応は、アルデヒド化合物又はケトン化合物と、アミン化合物とをメタノール等の反応溶媒中に溶解した反応液を、無触媒又は触媒存在下で加熱することによって、進行させることができる。反応生成物は、さらに、再結晶等により精製してから光記録材料に用いることが好ましい。得られるアゾメチン化合物の構造は、1H−NMR、質量分析等の、通常の分析方法により同定できる。
本発明に係るキレート化合物においては、アゾメチン化合物が、活性水素原子を有する場合はそれが脱離する等した状態で、通常、2座又は3座配位子として金属との間に配位結合を形成する。例えば、金属がコバルト(Co)である場合、コバルト原子1個当たり2個の2座又は3座配位子が配位してキレート化合物が形成される。
キレート化合物を構成する金属(中心金属)としては、Co、Mn、Cr、Ti、V、Ni、Cu、Zn、Mo、W、Ru、Fe、Pd、Pt、Al等の遷移金属が好ましい。これらの中でも、アゾメチン化合物との組み合わせにおいては、Co又はNiが特に好ましい。
キレート化合物が負電荷を有する場合、対カチオンとの塩を形成する。この対カチオンとしては、Na+、Li+、K+等のアルカリ金属イオンや、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン等が好ましく用いられる。また、後述する正電荷を有する光吸収色素を対カチオンとして塩を形成してもよい。一方、キレート化合物が正電荷を有する場合、対アニオンとの塩を形成する。この対アニオンとしては、PF6 −、SbF6 −等が好ましく用いられる。
以上のようなキレート化合物の合成法は特に限定されず、公知の方法に従い合成することができる。例えば、アゾメチン化合物と金属塩とを、水、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、エタノール等の溶媒中で反応させることにより、キレート化合物が得られる。
本発明の光記録材料においては、このキレート化合物を色素として単独で用いてもよく、あるいは他の光吸収色素を併用してもよい。上記のようなキレート化合物は優れたクエンチャー機能を有するため、キレート化合物と他の光吸収色素とを併用することにより、耐光性、ディスクの電気特性などの諸特性をさらに向上させることができる。併用される色素としては、シアニン色素、ヒドラジン金属錯体、スチリル系色素、ポルフィリン系色素、ローダミン色素、トリフェニルメタン色素、ホルマザン金属錯体などが挙げられ、これらの中でもシアニン色素が好ましい。
また、併用される色素のうち正電荷を有する色素については、上記キレート化合物と塩を形成させてもよい。正電荷を有する色素としては、トリメチンシアニン色素、ペンタメチンシアニン色素等のシアニン色素、ローダミン色素、トリフェニルメタン色素などが挙げられ、これらの中でもシアニン色素が好ましく、トリメチンシアニン色素が特に好ましい。
トリメチンシアニン色素としては、例えば、下記一般式(2)で表される構造を有するものを好適に用いることができる。
一般式(2)中、R2、R3、R4、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、R7は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、Q4及びQ5はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族環を構成する原子群を示す。但し、R2及びR3、並びにR4及びR5は、それぞれ互いに連結して環状構造を形成してもよい。
また、一般式(2)において、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基若しくは置換基を有していてもよいベンジル基、又は互いに連結して3〜6員環を形成する基であることが好ましく、R4及びR5はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基若しくは置換基を有していてもよいベンジル基、又は互いに連結して3〜6員環を形成する基であることが好ましく、R6及びR7はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基又はアリール基であることが好ましく、R8は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいベンジル基であることが好ましく、Q4及びQ5はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいベンゼン環又は置換基を有していてもよいナフタレン環を構成する原子群であることが好ましい。R2、R3、R4及びR5のうち少なくとも1個はメチル基でない基であることがより好ましく、R2、R3、R4及びR5のうち少なくとも1個は置換基を有していてもよいベンジル基であることが、感度がより顕著に高められる点でさらに好ましい。
以上のようなシアニン色素のうち、特に好ましい具体例としては、表15〜表22に示したT1〜T91等が挙げられ、これらを単独又は複数組み合わせて用いることができる。これらシアニン色素は、公知の方法に従って合成して得ることができる。
本発明の光記録材料における、上記キレート化合物と他の光吸収色素との配合比は特に制限されないが、他の光吸収色素の含有割合が、キレート化合物と他の光吸収色素との合計量を基準として20〜80モル%であることが好ましい。
以上のような光記録材料は、以下に説明するような本発明の光記録媒体の記録層を形成させるために、好適に用いることができる。
(光記録媒体)
図1は本発明の光記録媒体に係る光記録ディスクの好適な一実施形態を示す部分断面図である。図1に示した光記録ディスク1は、基板2上に、記録層3、反射層4、保護層5及び基板6がこの順で密着して設けられた積層構造を有する。光記録ディスク1は、追記型光記録ディスクであり、630〜685nmの短波長の光による記録・再生が可能なものである。
図1は本発明の光記録媒体に係る光記録ディスクの好適な一実施形態を示す部分断面図である。図1に示した光記録ディスク1は、基板2上に、記録層3、反射層4、保護層5及び基板6がこの順で密着して設けられた積層構造を有する。光記録ディスク1は、追記型光記録ディスクであり、630〜685nmの短波長の光による記録・再生が可能なものである。
基板2及び6は、それぞれ直径が64〜200mm程度、厚さが0.6mm程度のディスク状のものであり、基板2の裏面側(図中下側)からの記録及び再生が行われる。そのため、少なくとも基板2は記録光及び再生光に対して実質的に透明であることが好ましく、より具体的には、基板2の記録光及び再生光に対する透過率が88%以上であることが好ましい。かかる基板2の材料としては、透過率に関する上記条件を満たす樹脂又はガラスが好ましく、中でも、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、アモルファスポリオレフィン、TPX、ポリスチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂が特に好ましい。一方、基板6の材料には特に制限はないが、例えば、基板2と同様の材料を用いることができる。
また、基板2の記録層3形成面には、トラッキング用のグルーブ23が凹部として形成されている。グルーブ23は、スパイラル状の連続型グルーブであることが好ましく、その深さは80〜250nm、幅は200〜500nm、グルーブピッチは600〜1000nmであることが好ましい。グルーブをこのような構成とすることにより、グルーブの反射レベルを低下させることなく良好なトラッキング信号を得ることができる。グルーブ23は、上記樹脂を用いて射出成形等により基板2を成形する際に同時に形成可能であるが、基板2の製造後に2P法等によりグルーブ23を有する樹脂層を形成し、基板2とこの樹脂層との複合基板としてもよい。
記録層3は、上記本発明の光記録材料を用いて形成されたものである。記録層3は、上記本発明の光記録材料を溶媒に溶解又は分散させた混合液を基板2上に塗布し、塗膜から溶媒を除去する等して形成させることができる。混合液の溶媒としては、アルコール系溶媒(ケトアルコール系、エチレングリコールモノアルキルエーテル系等のアルコキシアルコール系を含む。)、脂肪族炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、ハロゲン化アルキル系溶媒等が挙げられ、これらの中でもアルコール系溶媒及び脂肪族炭化水素系溶媒が好ましい。
アルコール系溶媒としては、アルコキシアルコール系、ケトアルコール系などが好ましい。アルコキシアルコール系溶媒は、アルコキシ部分の炭素原子数が1〜4であることが好ましく、かつアルコール部分の炭素原子数が1〜5、さらには2〜5であることが好ましく、総炭素原子数が3〜7であることが好ましい。具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)やエチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ、エトキシエタノールともいう)やブチルセロソルブ、2−イソプロポキシ−1−エタノール等のエチレングリコールモノアルキルエーテル(セロソルブ)系や1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、4−メトキシ−1−ブタノール、1−エトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。ケトアルコール系としてはジアセトンアルコール等が挙げられる。さらには2,2,
3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素化アルコールも用いることができる。
3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素化アルコールも用いることができる。
脂肪族炭化水素系溶媒としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロオクタン、ジメチルシクロヘキサン、n−オクタン、iso−プロピルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサンなどが好ましく、なかでもエチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサンなどが好ましい。
また、ケトン系溶媒としてはシクロヘキサノンなどが挙げられる。
本発明では、特にエチレングリコールモノアルキルエーテル系等のアルコキシアルコール系が好ましく、中でもエチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−ブタノール等が好ましい。溶媒は1種を単独で用いてもよく、あるいは2種以上の混合溶媒であってもよい。例えばエチレングリコールモノエチルエーテルと1−メトキシ−2−ブタノールとの混合溶媒が好適に使用される。
また、混合液は、上記成分の他にも、適宜、バインダー、分散剤、安定剤などを含有してもよい。
混合液の塗布方法としては、スピンコーティング法、グラビア塗布法、スプレーコート法、ディップコート法などが挙げられ、これらの中でもスピンコート法が好ましい。
このようにして形成される記録層3の厚さは、50〜200nmとすることが好ましい。特に70〜150nmとすると、変調度と反射率とのバランスが良くなるため、より好ましい。この範囲外では、反射率が低下して、再生を行うことが困難となる傾向にある。また、グルーブ23に隣接する部分における記録層3の膜厚を200nm以上とすると、変調度と反射率とのバランスが悪化する傾向にある。
記録層3の記録光及び再生光に対する消衰係数(複素屈折率の虚部k)は、0〜0.20であることが好ましい。消衰係数が0.20を超えると十分な反射率が得られない傾向にある。また、記録層3の屈折率(複素屈折率の実部n)は1.8以上であることが好ましい。屈折率が1.8未満の場合、信号の変調度が小さくなる傾向にある。なお、屈折率の上限は特に制限されないが、有機色素の合成上の都合から、通常2.6程度である。
記録層3の消衰係数及び屈折率は以下の手順に従い求めることができる。先ず、所定の透明基板上に記録層を40〜100nm程度に設けて測定用サンプルを作製し、次いで、この測定用サンプルの基板を通しての反射率あるいは記録層側からの反射率を測定することによって求められる。この場合、反射率は、記録・再生光の波長を用いて鏡面反射(5°程度)にて測定する。さらに、サンプルの透過率を測定する。そして、これらの測定値から、例えば共立全書「光学」、石黒浩三、第168〜178ページに記載の方法に準じ、消衰係数及び屈折率を算出することができる。
記録層3上には、反射層4が記録層3に密着して設けられる。反射層4は、高反射率の金属又は合金を用いて蒸着、スパッタ等を行うことにより形成可能である。金属及び合金としては、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、AgCuなどが挙げられる。このようにして形成される反射層4の厚さは10〜300nmであることが好ましい。
反射層4上には、保護層5が反射層4に密着して設けられる。保護層5は層状であってもシート状であってもよく、例えば、紫外線硬化樹脂などの材料を含む塗布液を反射層4上に塗布し、必要に応じて塗膜を乾燥させることにより形成可能である。塗布の際には、スピンコート法、グラビア塗布法、スプレーコート法、ディップコート法などが適用可能である。このようにして形成される保護層5の厚さは0.5〜100μmであることが好ましい。
さらに、保護層5上には、基板6が保護層5に密着して設けられる。基板6は基板2と同様の材質及び厚さとすることができる。また、保護層5と基板6との接着強度が十分でない場合等には、基板6と保護層5との間に接着剤層をさらに設けてもよい。
上記構成を有する光記録ディスク1に記録又は追記を行う際には、所定波長を有する記録光を、基板2の裏面からパルス状に照射し、照射部の光反射率を変化させる。このとき、上記アゾメチン化合物を含有する記録層3が設けられた光記録ディスク1によれば、短波長の記録・再生光により高速回転で情報の記録・再生を行う場合であっても、感度、耐光性及びジッターを高水準でバランスよく達成することができる。
なお、上記実施形態では、記録層として1層の記録層3を備える光記録ディスクについて説明したが、記録層を複数設け、各層に同一又は異なる色素を含有させてもよい。これにより、波長が同一又は異なる複数の記録・再生光により情報の記録・再生を行うことができる。この場合、各波長の記録・再生光に対して半透明である半透明反射膜をそれぞれの記録層の光入射面と反対側の面上に設けてもよい。
このようにして得られる光記録ディスク1は、2枚の光記録ディスク1同士を、または、1枚の光記録ディスク1と光記録ディスク1とは層構造の異なる他の光記録ディスクとを、光入射面(基板5側)を外側にして貼り合わせる等して、用いることもできる。
図2は、上述した貼り合わせの態様に係る光記録ディスクの好適な他の実施形態を示す部分断面図である。図2に示した光記録ディスク10は、基板12、記録層13.反射層14、保護層15、接着剤層50、保護層25、反射層24、記録層23、基板22がこの順で積層された構造を有する。すなわち、光記録ディスク10は、図1に示した光記録ディスク1と同様の構造の光記録ディスク2枚を、それぞれの保護層同士が接着剤層50を挟んで対向するように貼り合わせた構成を有するものである。この光記録ディスク10はDVD規格に対応した追記型デジタルビデオディスクであり、波長650〜670nmの短波長の光で記録・再生を行うものである。
接着剤層50は、ホットメルト接着剤、紫外線硬化型接着剤、加熱硬化型接着剤、粘着型接着剤などが用いられ、それぞれにあった方法、例えば、ロールコーター法や、スクリーン印刷法、スピンコート法などで形成することができる。DVD−Rの場合、作業性や生産性、ディスク特性等のバランスの点から、紫外線硬化接着剤を用い、スクリーン印刷法やスピンコート法で接着剤層50を形成することが好ましい。接着剤層50の厚さは10〜200μm程度であることが好ましい。
基板12及び22、記録層13及び23、反射層14及び24、並びに保護層15及び25は図1に示した光記録ディスク1と同様の材料、方法で形成される。基板12及び22それぞれの厚さは0.6mm程度であることが好ましい。基板12の記録層13形成面及び基板22の記録層23形成面にはそれぞれグルーブ123及び223が形成される。このグルーブ123及び223は、深さが60〜200nm、幅が200〜500nm、グルーブピッチが600〜1000nmであることが好ましい。また、記録層13及び23それぞれの厚さは50〜300nmであることが好ましく、その650nmの光に対する複素屈折率はn=1.8〜2.6、k=0.00〜0.10であることが好ましい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例1)
2−アミノ−4−ニトロ−フェノール1.54g(10mmol)と4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド1.93g(10mmol)とをメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物2.76g(収率:84%)を得た。
2−アミノ−4−ニトロ−フェノール1.54g(10mmol)と4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド1.93g(10mmol)とをメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物2.76g(収率:84%)を得た。
続いて、得られたアゾメチン化合物1.32g(4mmol)に水酸化ナトリウム0.20gと水10gとメタノール20gとを加え、酢酸コバルト0.5g(2mmol)と共に90℃にて16時間反応させた。反応終了後、吸引ろ過を行い、得られた結晶を真空下で乾燥した。このようにして、No.101の化学式で表されるアゾメチン化合物とCoとのキレート化合物(Co錯体)1.09g(1.48mmol)を得た。
得られたアゾメチン化合物のCo錯体について1H−NMR及びLC−MSによる質量分析(ESI法)を行うことによって、これが表1のNo.101の構造を有するアゾメチン化合物であると同定された。1H−NMR及び質量分析のデータを以下に示す。
<1H−NMR>(アセトン−d6,δppm);1.40(t,12H),3.7(q,8H),6.2(s,2H),6.7(d,2H),7.1(d,2H),7.4(d,2H),7.4(d,2H),8.1(d,2H),8.3(s,2H),8.5(s,2H)。
<質量分析>m/z:713(negative)
<1H−NMR>(アセトン−d6,δppm);1.40(t,12H),3.7(q,8H),6.2(s,2H),6.7(d,2H),7.1(d,2H),7.4(d,2H),7.4(d,2H),8.1(d,2H),8.3(s,2H),8.5(s,2H)。
<質量分析>m/z:713(negative)
(合成例2)
2−アミノ−5−ジエチルアミノ−フェノール1.80g(10mmol)と2−ヒドロキシ−5−ニトロ−ベンズアルデヒド1.67g(10mmol)とをメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.102)2.66g(収率:81%)を得た。
2−アミノ−5−ジエチルアミノ−フェノール1.80g(10mmol)と2−ヒドロキシ−5−ニトロ−ベンズアルデヒド1.67g(10mmol)とをメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.102)2.66g(収率:81%)を得た。
(合成例3)
2−アミノ−4−ニトロ−フェノール1.54g(10mmol)と1−(4−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタノン1.79g(10mmol)とをメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.103)2.52g(収率:80%)を得た。
2−アミノ−4−ニトロ−フェノール1.54g(10mmol)と1−(4−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタノン1.79g(10mmol)とをメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.103)2.52g(収率:80%)を得た。
(合成例4)
2−アミノ−4−ニトロ−フェノール1.54g(10mmol)と4−ジメチルアミノ−2−メチルアミノ−ベンズアルデヒド1.78g(10mmol)をメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(N0.104)2.57g(収率:82%)を得た。
2−アミノ−4−ニトロ−フェノール1.54g(10mmol)と4−ジメチルアミノ−2−メチルアミノ−ベンズアルデヒド1.78g(10mmol)をメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(N0.104)2.57g(収率:82%)を得た。
(合成例5)
2−アミノ−4−ニトロ−フェノール1.54g(10mmol)とN−(5−ジメチルアミノ−2−ホルミル−フェニル)−メタンスルホンアミド2.42g(10mmol)をメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.105)2.84g(収率:75%)を得た。
2−アミノ−4−ニトロ−フェノール1.54g(10mmol)とN−(5−ジメチルアミノ−2−ホルミル−フェニル)−メタンスルホンアミド2.42g(10mmol)をメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.105)2.84g(収率:75%)を得た。
(合成例6)
2−アミノ−4−ニトロ−フェノール1.54g(10mmol)とN−(5−ジメチルアミノ−2−ホルミル−フェニル)−トリフルオロメタンスルホンアミド2.32g(10mmol)をメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.106) 4.72g(収率:78%)を得た。
2−アミノ−4−ニトロ−フェノール1.54g(10mmol)とN−(5−ジメチルアミノ−2−ホルミル−フェニル)−トリフルオロメタンスルホンアミド2.32g(10mmol)をメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.106) 4.72g(収率:78%)を得た。
(合成例7)
2−アミノ−4−ニトロ−フェノール1.54g(10mmol)とN−(5−ジメチルアミノ−2−ホルミル−フェニル)−ベンズアミド2.68g(10mmol)とをメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.107)3.19g(収率:79%)を得た。
2−アミノ−4−ニトロ−フェノール1.54g(10mmol)とN−(5−ジメチルアミノ−2−ホルミル−フェニル)−ベンズアミド2.68g(10mmol)とをメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.107)3.19g(収率:79%)を得た。
(合成例8)
2−アミノ−4−ニトロ−フェノール1.54g(10mmol)と4−ベンゾイル−3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾリノン2.78g(10mmol)をメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.108)3.52g(収率:85%)を得た。
2−アミノ−4−ニトロ−フェノール1.54g(10mmol)と4−ベンゾイル−3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾリノン2.78g(10mmol)をメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.108)3.52g(収率:85%)を得た。
(合成例9)
2−ヒドロキシ−3−メトキシ−5−ニトロ-ベンズアルデヒド1.97g(10mmol)と、1H−インドール−2−イルアミン1.32g(10mmol)とをメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.124)2.33g(収率:75%)を得た。
2−ヒドロキシ−3−メトキシ−5−ニトロ-ベンズアルデヒド1.97g(10mmol)と、1H−インドール−2−イルアミン1.32g(10mmol)とをメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.124)2.33g(収率:75%)を得た。
(合成例10)
4−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド1.65g(10mmol)と、2H−ピラゾール−3−イルアミン83.1g(10mmol)とをメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.129)1.59g(収率69%)を得た。
4−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド1.65g(10mmol)と、2H−ピラゾール−3−イルアミン83.1g(10mmol)とをメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.129)1.59g(収率69%)を得た。
(合成例11)
1H−ベンゾイミダゾール−2−カルバルデヒド1.46g(10mmol)と、2−アミノ−5−ニトロフェノール1.54g(10mmol)とをメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.134)2.06g(収率:73%)を得た。
1H−ベンゾイミダゾール−2−カルバルデヒド1.46g(10mmol)と、2−アミノ−5−ニトロフェノール1.54g(10mmol)とをメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.134)2.06g(収率:73%)を得た。
(合成例12)
ジメチルアミノ−5−ホルミル−1H−ピロール−2−カルボニトリル1.63g(10mmol)と1−アミノ−2−ナフトール1.59g(10mmol)をメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンにより再結晶して、アゾメチン化合物(No.135)2.40g(収率:79%)を得た。
ジメチルアミノ−5−ホルミル−1H−ピロール−2−カルボニトリル1.63g(10mmol)と1−アミノ−2−ナフトール1.59g(10mmol)をメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンにより再結晶して、アゾメチン化合物(No.135)2.40g(収率:79%)を得た。
(合成例13)
1H−ピロール−2−カルバルデヒド0.95g(10mmol)と、1H−イミダゾール−2−イルアミン0.83g(10mmol)とをメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.144)0.98g(61%)を得た。
1H−ピロール−2−カルバルデヒド0.95g(10mmol)と、1H−イミダゾール−2−イルアミン0.83g(10mmol)とをメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.144)0.98g(61%)を得た。
(合成例14)
2−ヒドロキシ−4−ニトロ−ベンズアルデヒド1.67g(10mmol)と、6−トリフルオロメトキシ−ベンゾチアゾール−2−イルアミン2.34g(10mmol)とをメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.149)2.81g(収率:75%)を得た。
2−ヒドロキシ−4−ニトロ−ベンズアルデヒド1.67g(10mmol)と、6−トリフルオロメトキシ−ベンゾチアゾール−2−イルアミン2.34g(10mmol)とをメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.149)2.81g(収率:75%)を得た。
(合成例15)
クロロ−ピリジン−2−カルバルデヒド1.41g(10mmol)と、5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミン1.72g(10mmol)とをメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.152)2.28g(収率:77%)を得た。
クロロ−ピリジン−2−カルバルデヒド1.41g(10mmol)と、5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルアミン1.72g(10mmol)とをメタノール50mL中で6時間加熱還流した。放冷後さらに氷冷して析出した結晶をろ別し、アセトンを用いて再結晶して、アゾメチン化合物(No.152)2.28g(収率:77%)を得た。
(実施例1)
一方面上にプリグルーブ(深さ0.16μm、幅0.30μm、グルーブピッチ0.74μm)が形成されたポリカーボネート樹脂基板上に、キレート化合物(表4のNo.116)及びその対カチオンであるNa+からなる光記録材料を、その含有量が1.0重量%となるように2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解した混合液を塗布し、乾燥させて記録層(厚さ130nm)を形成した。次いで、この記録層上に、スパッタ法によりAg反射層(厚さ85nm)を形成し、さらに、Ag反射層上に紫外線硬化型のアクリル樹脂からなる透明な保護層(厚さ5μm)を形成して積層構造体を得た。さらに、この積層構造体2枚を、それぞれの保護層が内側となるように接着剤で貼りあわせて、図2に示す光記録ディスク10と同様の構成を有する光記録ディスクを作製した。
一方面上にプリグルーブ(深さ0.16μm、幅0.30μm、グルーブピッチ0.74μm)が形成されたポリカーボネート樹脂基板上に、キレート化合物(表4のNo.116)及びその対カチオンであるNa+からなる光記録材料を、その含有量が1.0重量%となるように2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解した混合液を塗布し、乾燥させて記録層(厚さ130nm)を形成した。次いで、この記録層上に、スパッタ法によりAg反射層(厚さ85nm)を形成し、さらに、Ag反射層上に紫外線硬化型のアクリル樹脂からなる透明な保護層(厚さ5μm)を形成して積層構造体を得た。さらに、この積層構造体2枚を、それぞれの保護層が内側となるように接着剤で貼りあわせて、図2に示す光記録ディスク10と同様の構成を有する光記録ディスクを作製した。
得られた光記録ディスクに対し、波長655nmのレーザー光を用いて線速3.5m/s(等倍速に相当)又は28.0m/s(8倍速に相当)で信号を記録し、次いで波長650nmのレーザー光を用いて線速3.5m/sで再生したときのジッターを測定した。なおこのとき、レンズ開口NAは0.60とした。さらに、得られた光ディスクを8万ルックスのキセノンランプ((株)島津製作所社製キセノンフェードメーター)で40時間照射(光暴露)し、照射後の光記録ディスクについても上記と同様にしてジッターを測定して、その耐光性を評価した。評価結果を表23に示す。
(実施例2〜16及び比較例1〜2)
光記録材料として、キレート化合物及びトリメチンシアニン色素を表23にそれぞれ示す組み合わせ及び比率で混合したものを用いた他は実施例1と同様にして、光記録ディスクの作製及びその評価を行った。評価結果を表23にまとめて示す。なお、表23中、キレート化合物のNo.は表1〜表12におけるNo.を示し、トリメチンシアニン色素のNo.は、表13〜表20におけるNo.を示し、トリメチンシアニン色素の対アニオンはPF6 −とした。また、No.101〜108、124、129、134、135、144、149及び152のキレート化合物は上記合成例で得たアゾメチン化合物を、No.109のキレート化合物は別途市販品を入手したアゾメチン化合物を用いて調製し、比較例1及び2においては下記化学式(3)及び(4)でそれぞれ表される比較化合物A及びBを、コバルトに配位させてキレート化合物を調製した。
光記録材料として、キレート化合物及びトリメチンシアニン色素を表23にそれぞれ示す組み合わせ及び比率で混合したものを用いた他は実施例1と同様にして、光記録ディスクの作製及びその評価を行った。評価結果を表23にまとめて示す。なお、表23中、キレート化合物のNo.は表1〜表12におけるNo.を示し、トリメチンシアニン色素のNo.は、表13〜表20におけるNo.を示し、トリメチンシアニン色素の対アニオンはPF6 −とした。また、No.101〜108、124、129、134、135、144、149及び152のキレート化合物は上記合成例で得たアゾメチン化合物を、No.109のキレート化合物は別途市販品を入手したアゾメチン化合物を用いて調製し、比較例1及び2においては下記化学式(3)及び(4)でそれぞれ表される比較化合物A及びBを、コバルトに配位させてキレート化合物を調製した。
実施例1〜16で作製した光記録ディスクは、高速記録に対しても実用に耐える程度の良好な感度を示した。また、表21に示すように、実施例1〜16によれば、比較例1及び2と比較して、ジッターが低く抑えられ、耐光性にも優れることがわかった。したがって、本発明によれば、感度、耐光性及びジッターの全てを高水準でバランスよく達成することが可能な光記録材料、並びにその光記録材料を用いた光記録媒体が提供することが確認された。
1,10…光記録ディスク、2,6,12,22…基板、3,13,23…記録層、4,14,24…反射層、5,15,25…保護層、23,123,223…グルーブ、50…接着剤層。
Claims (10)
- 光の照射により情報の記録が可能な光記録媒体に用いられる光記録材料であって、
下記一般式(1)で表されるアゾメチン化合物と金属とのキレート化合物を含有する、光記録材料。
- 前記Xは、水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアミド基又は置換基を有していてもよいスルホンアミド基である、請求項1に記載の光記録材料。
- 前記Q1は、置換基を有していてもよいベンゼン環を構成する原子群であり、前記Q2及び前記Q3は、それぞれ独立に、5員環と6員環とからなり置換基を有していてもよい縮合複素環、置換基を有していてもよい5員環及び置換基を有していてもよい6員環からなる群より選ばれる芳香族環を構成する原子群である、請求項1又は2に記載の光記録材料。
- 前記金属は、コバルト又はニッケルである、請求項1〜3の何れか一項に記載の光記録材料。
- シアニン色素をさらに含有する、請求項1〜4の何れか一項に記載の光記録材料。
- 光の照射により情報の記録が可能な光記録媒体であって、
下記一般式(1)で表されるアゾメチン化合物と金属とのキレート化合物を含有する記録層を備える、光記録媒体。
- 前記Xは、水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアミド基又は置換基を有していてもよいスルホンアミド基である、請求項6に記載の光記録媒体。
- 前記Q1は、置換基を有していてもよいベンゼン環を構成する原子群であり、前記Q2及び前記Q3は、それぞれ独立に、5員環と6員環とからなり置換基を有していてもよい縮合複素環、置換基を有していてもよい5員環及び置換基を有していてもよい6員環からなる群より選ばれる芳香族環を構成する原子群である、請求項6又は7に記載の光記録媒体。
- 前記金属は、コバルト又はニッケルである、請求項6〜8の何れか一項に記載の光記録媒体。
- シアニン色素をさらに含有する、請求項6〜9の何れか一項に記載の光記録媒体。
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2004
- 2004-04-21 JP JP2004126095A patent/JP2005305839A/ja not_active Withdrawn
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